Argument の本質 ~「深さ」

Lecture for Autumn Forum 2010
Argument の本質
~「深さ」と「速さ」~
上智大学
大木峻
Contents
1)What is Argument
2)What is "good"Argument
3)How to make "good"Argument
0)Lecture の前に
こんにちは。上智大学の峻です。
今回のレクチャーでは、自分が思う良い Argument(以下 Arg)に関してレクチャーさせてい
ただきたいと思います。また、僕とは違った視点でイケメンまっつんくんが Arg に関して
レクチャーすると思うので、そちらの方も是非行ってみてください。
1)What is Argument
①Arg とは?
まず、Arg って何のことだと思いますか?
ここでは、
「オピニオンプレゼンター(以下OP)に対する反論という形で、テーブルに議
論を巻き起こすこと」と定義したいと思います。
定義
Ⅰ、反論とは?
反論の種類は2つあります。
OPの意見に対する反論
→例)いやいや、それシリアスじゃないでしょ。
そのプランでAD得られると思ってんの?取れないからw
ⅱ)OPの議論の手順に対する反論
→例1)OPのTGから見るんじゃなくて、他のキャラクターから見ていこう
※上のような場合、②を言う時に①を立証した上で行います。
Ⅱ、議論を巻き起こすとは
OPへの反論という形をとる以上、OP側の進め方を続けて行くことできなくなります。
そこで、既定路線としてのOPアイディアか新たなる Arg のアイディアどちらで行くかと
いう議論が必要となります。
②Arg をつくるには
以上でアーギュメントとは何かというところを見てきました。
では、アーギュメントはどうやって創ればいいのでしょうか?
必要なもの
①(一般的)OPとは異なるアイディア
②①に基づいてどういった結論に持っていくかというゴール設定
③②を達成するための自分のアイディアの出し方&そのハンドリング
④プレゼンに必要なチャート、evi
⑤勇気
説明
①→これは、Arg の命です。新しかったり、特徴的なアイディアが、その Arg
の価値を深めます。
できる限り、多くの情報を得て、巣晴らしいアイディアを見つけてください。ちなみに僕
はアッセン前に上智大学の図書館にある死刑関連の本は全て読み、刑法学に関わるほとん
どの本に目を通しました。
※まだ一年生で先輩から教えてもらって Arg を出す場合も、どういったアイディアを元と
しているか考えてください。
②①に基づいてどういった結論に持っていくかというゴール設定
そのアイディアを元にして、ディスカッションはどうすべきでしょうか?
ディスをやめるべきでしょうか?
オプレを交代するべきでしょうか?
プランを変えるべきでしょうか?
これを決めるのが、どういった結論に持っていくかというゴール設定です。
これによって③が決まります。
③②を達成するための自分のアイディアの出し方&そのハンドリング
例)ディスをやめるべき→All cut が必要になります。
seriousness、linkage, NFC, solution で All cut ロジックを出す。
※この時のハンドリングとしては、
①ロジックに Talking Points を引く
②①の後にゴールカンファメ
③来た質問のカンファメ、そのコンクルカンファメ
想定しときましょう
①~⑤の例として
Solution unclear Arg (Solution some cut の応用)
Topic: Corporal Punishment
別紙参照
2)What is "good"Argument
①Arg は悪いものなのか?
ちょうど一年ぐらい前の今、僕はずっとこの問いを繰り返していました。
なぜなら当時僕の知る Arg は
①自分の話で、テーブルを停滞させていた
②みんな同じアイディアで、マンネリ化していた
③ただ自分の話をしたいだけに見えた
当時の僕にとって、Arg は自己満足のための道具としてしか見れなかった
しかし、もしこのマテを読んでくれている人もこう思っているなら、こう言います。
それは違う。と
なぜなら、どんなものでも全て悪いものであるはずがない。
良いものもあれば、悪いものもある。
良いハンドリングがあれば、悪いハンドリングもある。
ゆえにここで、言いたいのは上記の①②③のような Arg は悪い Arg で
そうではない良い Arg が存在するということです。
カンファメ
良い Arg
Arg
悪い Arg
②良い Arg と悪い Arg
違いは?
違いは、「深さ」と「速さ」です。
それぞれの Arg における意味は
「深さ」→Arg により、テーブルで Topic や Title に関する本質的議論ができるかどうか
※本質的という言葉に関しては、様々な解釈があると思います。
自分は ①その議論の根源的思考(例、体罰→教育とは何か?)に関わる
②その Topic における複眼的思考(例、死刑→死刑囚、遺族、国民、日本政府
多くの登場人物の視点を考慮する)に関わる
③その上で、①or②に対する自分のユニークネスある価値観に関わる
だと思っています。
「速さ」→その Arg が、いかに時間をかけずにその「深さ」ある話まで到達できるか?
これは理解しやすいと思います。
もし、ストラテやプレゼンに時間をかけていたら、本当にしたい話(
「深さ」ある話)がで
きないですよね。
そのためには、ストラテ、コンプロマイズという技術が必要になります。
そういうわけで
講義第2回→ストラテ
講義第3回→コンプロマイズ
に関して話したいと思います(別紙)
4)最後に
お疲れ様でした。
このレクチャーが少しでもみんながディスを楽しむのに役立てば幸いです。
ぼくがこのレクチャーで伝えたかったのはただ一つ
Argument は楽しいということです。
話を停滞させたり、OPを困らせたり、Arg がもつ負の部分はあります。
しかし、それを超えて、「深く」「速い」Arg が出来た時
そのディスカッションは素晴らしいものとなると信じています。
それでは、みんながもっともっとディスを好きになることを願いつつ
このレクチャーを終了します。
上智大学 大木峻