なんとか運動会が できました

九条小学校
校長室便り第2号
5月29日(水)
なんとか運動会が
できました
ようやく,5月らしい気温に上がっ
てきました。木々の緑が深みを増してきました。耳を澄ますと鳥の鳴き声も聞こえてきます。
5月11日土曜日は,霧雨や小雨が降ったり止んだりの夜明けでした。実施の判断する時間帯に
小雨が降っていましたので,日曜日の天気予報と比較し,日曜日への延期を決めました。
ところが,午後から雨が本降りとなり,夕方4時過ぎに学校に来たときには,校庭に水が浮き始
め,夕方以降,いつまでどのくらい雨が降るかで,日曜日のグランドコンディションが決まると思
いながら帰りました 。その後夜中にも ,そして明け方にも強い雨が一時期降っていましたので ,朝 ,
雨が上がり,早い時間帯で太陽が出てくれることを祈りつつ,学校に向かいました。
雨は上がっていましたが,校庭は足を踏み入れるとそのまま3センチぐらい一気に沈むという状
態でした。このままでは,校庭を走ることができないので,再び延期をするか,校庭を走れる状態
にするか,どちらかを選択しなければならないことになりました。子どもたちが一生懸命に走る姿
や練習を積み重ねてきた「よさこいソーラン」など,是非多くの保護者の方々に見ていただきたい
という思いで,運動会の実施を決めました。その後の校庭の復旧には佐藤父母教師会長さん始めP
TAの役員の方々,地区PTAの会長さん,そして,たくさんの保護者の皆様方のお力をいただき
ました。2時間遅れでのスタートでしたが,何とか運動会を実施することができました。お父さん
は朝からずっと校庭への砂入れ作業に汗をかき続け,お母さんはお弁当づくりをしながら子どもた
ちへの声がけをし,携帯電話を使いながら運動会の実施についての情報をやりとりしていたのでし
ょうか。とても大変な思いをしながら朝を過ごし,子どもたちの応援にはせ参じてくださった役員
さん方がほとんどではなかったかと思います。本当にありがとうございました。
天気予報が全く当たらない一日で,応援においでいただいた皆様にはとても寒い思いをおかけし
ましたし,校庭のコンディションが悪い状態が最後まで続き,応援も立ったままというご不自由を
おかけしました。
あまり天候に恵まれた運動会の経験がない私ですが,学校の様子を広く公開するということだけ
でなく,保護者や地域の方々が応援などで一緒に参加していることで成り立つ行事が運動会ではな
いかと考えています。もともとは,国威発揚や富国強兵の一環として始められたのかもしれません
が,時代が進むにつれて考え方が変化し,現在は少子化の流れの中で,子どもたちの活躍や成長を
確かめる場としての意味合いが強くなってきていると思います。自分の子どもの競技や演技さえ見
ればそれで終わりとか,わざわざお弁当を作る手間が大変だから,午前中で終わりという学校もあ
るそうです。
けれども,私としては,今のようなみんなで作り上げ,子どもたちが行う競技や演技をたくさん
の人が回りで応援する運動会を続けていきたいと思っています。運動会は集団が前提の行事です。
相手やライバルがいるから徒競走が成り立ちます。また,その他の演技や競技もはじめから集団で
行うことを想定しています。この集団には競技や演技をする子どもたちばかりでなく,周りにいて
子どもたちを応援する人も含まれます。競技する子どもたちだけでは運動会は成り立ちません。
本番前の練習であっても,徒競走であれリレーであれ,必死になって走っている子どものすぐそ
ばには,必ずそれを応援している子どもたちの声があります。その応援の声が走っている子どもの
力を高めているのです。
子どもたちは自分としては精一杯やったとか,全力を尽くしたと思っていたとしても,やはりそ
のことを見ている人,とりわけ自分自身に近い人にも認めてもらいたいものです。その際,頑張り
をより客観的に認めてもらいたいと思います。相手と比べて褒めても良いし,去年の様子と比べて
褒めても良いのでしょうが,どこがどう良かったのかを具体的に褒めることで,自分がよく見られ
ていること,つまり大切に思われていることに安心します。
そして,我々大人の方も,子どもの走り,競技の様子,応援の仕方,係の仕事,他の子どもとの
やりとりなど日常とは異なる活動の中での子どもの様子から,その子の成長を確かめることができ
ます。たくさんご迷惑をおかけした運動会になりましたが,みんなで九条小学校の子どもたちの成
長を確認できた運動会になりました。心より御礼を申し上げます。
九条小学校長 山本正美