特 集 水が沸騰し発生する蒸気は、古 くは 世紀半ばの産業革命におい て、その圧力を利用した動力源 ︵蒸 気機関︶として活躍し、現在では 発電のための蒸気タービンの動力 源として使用されると共に、クリ ーンで温度ムラがなく制御しやす いため、加熱や乾燥などの熱源と して石油精製・化学をはじめ、食 品、製紙、鉄鋼、ゴムなどあらゆ る業種で使用されています。今で は産業界で最も多く使われるエネ ルギーとして私たちの暮らしを支 えています。 この蒸気は一旦熱エネルギーが 使用されると元の水に戻りますが、 この水をできるだけ効率的に、蒸 気を漏らさず自動的に排出するバ ルブ︵弁︶が﹁スチームトラップ﹂ です。これ らをはじめ 蒸気関連に フォーカス して事業を 展開するの が加古川市 野口町に所在する㈱テイエルブイ で、現在ではスチームトラップに おける国内シェアは実に %を占 めています。 同社は昭和 ︵1950︶年5 月に藤原製作所として尾上町で産 声をあげました。当時、スチーム トラップは粗悪な製品が大半を占 スマートフォンを持つことで世 界中の人たちとコミュニケーショ ンを取ることができ、いつでもど こに居ても欲しい情報を入手する ことができます。この便利なスマ ートフォンは、液晶や半導体、そ してバッテリーなどの電子部品を 組み合わせたもので、電波を使っ て音声や情報を送ったり受けたり します。 スマートフォンなどの電子機器 は、電子部品で構成された︵電子︶ 回路に電流を流すことを動作と言 い、スマートフォンとして機能さ せることでもあります。この電子 機器を人の身体に例えると、回路 に流れる電流は人では血流に例え ることができます。人の血液は心 臓によって身体に送り出され、様 々な身体の部分を機能させていま す。大真空の水晶デバイスは﹁電 子機器の心臓﹂と言われ、電子機 器に流れる電流を制御する役割を 担っています。 水晶に電気を通すと正確な信号 を取り出すことができます。この 水晶では 万分の1の精度の信号 を得ることができますが、工夫す ることで 億分の1程度にまで高 めることもできます。より高い精 度の水晶を搭載した電子機器は、 たくさんの情報を早く処理するこ とができるようになります。 天然の水晶がアクセサリーなど に加工されて販売されていますが、 それらは自然界の不純物や欠陥に 起因する美しさです。電子機器に は極めて不純物が少ない透明な人 工水晶が適しており、世界で数百 め、故障するたびにプラントを止 める有様で、創業者の藤原勝司氏 は高性能で長寿命のものをとその 開発に着手し、数々の失敗を重ね ながらも昭和 ︵1957︶年、 ディスク式スチームトラップ﹁A3﹂ を完成させます。この﹁A3﹂に は実に7つもの特許が取得され、 従来品の 倍以上という驚異的な 耐久性を実現しました。 同社の経営理念は﹁顧客第一主 義﹂で、 お客様の 省エネ・ CO2削 減・生産 性向上な どの課題 に対して 現場診断 を実施し、 各々の顧 客に最適な解決策を提供するCE S︵コンサルティング・エンジニ アリング・サービス︶を展開して います。 また基本方針のひとつとして﹁品 質至上主義﹂を掲げ、﹁Trou ble Less Valve︵故 障の無いバルブ︶﹂を作りたいと いう思いが、〝TLV〟のブラン ド名となり、昭和 ︵1972︶ 年には現社名の﹁テイエルブイ﹂ として引き継がれています。 トン︵年間︶もの量が生産されデ バイスに加工されています。人工 水晶は、内径 ミリメートル、長 さ メートルの大きなオートクレ ーブ︵圧力釜︶を使い、温度と圧 力を制御しながら半年ほどかけて 成長させます。 電子機器の小型化や高機能化が 進み、電子デバイスにも小型化が 求められて おり、水晶 デバイスも 例外なく小 型化に対応 し、長辺 ミリメート ル、短辺 ミリメート ルサイズの デバイスが 開発されています。このような米 粒よりも小さなデバイスは、半導 体の製造に準じた工程で製造され、 高クラスのクリーンルームの中で の作業により製造されます。 同社は、昭和 ︵1959︶年 に﹁大和真空工業所﹂として創業、 昭和 ︵1974︶年に育成炉か ら人工水晶を完成させることに成 功して以来、その確かな技術力が 認められ、現在は海外5カ所に生 産拠点を設け、生産の6割、販売 の8割を海外でおこなっている世 界最大級のグローバルな水晶メー カーに成長しました。 エレクトロニクスは便利で豊か な社会を築いてきました。197 0年代に時計のクォーツ化が起こ り、2000年代には電波時計が もうひとつの基本方針は、特許 製品しか作らないという﹁独自性 の追求﹂で、これまでに国内外で 約3,800件以上の特許・実用 新案を取得しています。 環境面でも広大な6万㎡を超え る敷地に芝生を敷きつめ、奥には 工場や事務所を配した美しい外観 が際立ちますが、同社のお客様に 対する省エネ促進活動、自社の環 境保全活動、地域社会貢献の活動 等が評価され、平成 ︵2011︶ 年には兵庫県庁から﹃環境にやさ しい事業者賞﹄を受賞しています。 今日では海外 カ国に関連会社、 世界 カ国以上に 以上の代理店 を持つ加古川発世界企業として名 を馳せる同社ですが、様々な国際 協力に貢献しています。JICA ︵国際協力機構︶等の海外の研修 生を対象としたセミナーの実施、 JETRO︵日本貿易振興機構︶ の中南米向けの省エネ技術移転の 事業に参画して省エネ診断・改善 指導を実施するなど全世界の低炭 素社会の実現に貢献しています。 生産拠点は加古川工場ですが、 地元加古川から世界に向け、省エ ネルギーとCO2削減に積極的な 貢献を担うTLVには、社名の由 来︵﹁Trouble Less Valve﹂︶が示す通り、﹃顧 客満足度 %の実現﹄を目指すも のづくり精神が脈打っています。 登場して、私達はより正確な時間 を知ることができるようになりま した。液晶TVが登場、そして2 003年に地上デジタル放送がス タートして、薄型化された大画面 でTVを楽しむことができるよう になりました。デジタルカメラは フィルムを気にせず写真を撮るこ とができ、撮影した画像の楽しみ 方も広がり ました。さ らに、電子 化により自 動車も目覚 しい進化を 遂げようと しています。 パワートレ イン系、車両制御、ボディ制御な どの電子化が進み、さらにナビゲ ーション等の情報通信も加わって、 近い将来には自動運転も実現する と言われています。 水晶デバイスはこれらエレクト ロニクスの進化に係り、そしてこ れらの機器のなかで大切な役割を 担ってきました。高信頼ICT ︵情 報通信技術︶基盤の整備とともに、 医療や介護、農業などの領域にも ITが広がろうとしています。現 在では、通信機能を持った﹁モノ﹂ がインターネットを介して自動制 御や遠隔計測等を可能とするIo T︵Internet of T hings︶も注目され、これら エレクトロニクスを支える水晶デ バイスの重要性がますます高まり、 同社の活躍の場が広がっていきま す。 18 25 60 スチームトラップ等の製品群 47 50 100 23 11 100 製造工程 現場診断の様子 650 34 32 100 10 1.6 1.2 10 ∼IoTの世界へのあくなき挑戦∼ ∼社名にかけた 『顧客第一主義』の経営理念とそれを実現させるための 「品質至上主義」 と 「独自性の追求」への思い∼ 「人工水晶が造りだす新たな可能性!」 「顧客満足度100%を目指して」 15 49 4 5 株式会社大真空 株式会社テイエルブイ 水晶デバイス
© Copyright 2024 ExpyDoc