代表取締役社長 最新マテハンシステムを完備した ﹁手原産業倉庫栗東センター﹂ 大 道 ● 名 神 高 速 道 路 栗 東インターチェ ンジから0・7キロメートルというアク セス 抜 群の 栗 東 市 蜂 屋に 、手 原 産 業 倉 庫 さん が 建 造 された﹁ 手 原 産 業 倉 庫 栗 東センター ﹂をお 訪ねしました 。施 設 面 積は約6500坪。鉄筋コンクリート3 階 建てのセンタ ー 内を 見 学 さ せていた だいた感想は、 とにかく広いということ、 最新の設備に埋め尽くされていること、 高い能 力を 備えた 物 流 施 設というとこ ろです。 今 井 ■﹁ 能 力 ﹂に は 量 的 能 力 を 意 味 す る〝 キャパシティ ー 〟と 、技 量 を 意 味 す る〝 ア ビ リ ティ ー 〟が あ り ま す が 、この 栗 東センタ ー はその 両 面に 優れている 万ケース。この大き と思います。 1日の最大出荷個数は5万 個、最大保管数は なキャパシティーに加え、4千枚収納の パレット自動倉庫、同じく3万ケース収 納のケ ー ス 自 動 倉 庫 を 中 心に 、自 動 仕 分 け や 自 動 補 充 、自 動 梱 包のた めの 最 新システムをフルに取り入れ、倉庫内作 業のハイスピ ー ド 化やロ ーコスト 化を 徹 底 的に追 求しています。また 、ここで 働く従業員から商品を受け取るお客さ ままで関わる 全ての方に心 地よさを 感 今井 潤一(いまい・じゅんいち)氏 じていた だけるよ うな 総 合 物 流サービ 緩 衝 材 も 不 要 。使 用 する 段 ボ ール資 材 も対応していくことができると考えてい ︵マテリアルハンドリング︶ システムにつ 大道●商品の移動・選別を担うマテハン 棄物の減量につながります。 いては、本誌の対談などで学ぶ機会もあ ・ ﹁脱・保管﹂の道を探り 物流運営ノウハウを蓄積 1 ※ るリー ドタイムを提供できます。 もちろ ん作業全てを自動化するわけではなく、 スに 形 成でき る よ うになっているの が 板 紙2 枚を 組み合わせて配 送 用 ボック をこなす効率の高さに加え、段ボールの る設備です。 1時間あたり1200梱包 包システム﹁ ジェミニ﹂は 特に 期 待 さ せ 今井■国内2例目の導入となる自動梱 ることは、 すぐに分かりました。 たマテハンシステムが最新鋭のものであ を最小限に抑えると同時に、 結果的に今 今井■作業の自動化により 品質の誤 差 コスト運営を可能にするのでしょうね。 せが人員配置の最適化につながり、 ロー 的です。 このようなシステムの組み合わ きる ﹁デジタルアソートシステム﹂ も先進 が低い人でも、迷わず正しい仕分けがで ランプ点灯指示に従えば、 たとえ熟練度 大道● 商 品に付されたデータに基づく ンバランスの バッファ︵ 緩 衝 機 能 ︶とし 今 井 ■ 倉 庫 業 は 従 来 、需 要 と 供 給のア 構造からの転換に挑み続けておられます。 倉庫を運営され、 保管を中心とした収益 ﹁新門司センター﹂ など全国6カ所の物流 大 阪 市の﹁ 大 正センター ﹂や北九 州 市の にご創業。現在は野洲の本社を中心に、 大道● 手原産業倉庫さんは1970年 化にフレキシブルに対応できます。 す。 それによって、 さまざまなニーズの変 マンパワーを活用する部分も残していま 特 徴です。 シュリンク︵ 熱 収 縮 性 ︶ フィル 後 不 足するであろ う 労 働 人口の減 少に 大道● そのご 経 験 が大 正センター 開 設 困惑しました。 来の 業 務 と は 勝 手 が 違い、当 初 は 大 変 ﹁ 脱・保 管 業 ﹂ の道へ踏み出しました 。従 リ ーな どの 物 流 機 能を 担 うことで、 ら 庫 内 で の 流 通 加 工 、出 庫 や デ リ バ 進み 、当 社 も あ る 食 品 会 社 様の 入 庫 か ティー・ロジスティクス︶形態への移行が 流 業 務を 受 託する3 P L︵サード・パー されました 。そのよ うな 中で、荷 主の物 わ る 中で、倉 庫 業 界 も 変 換 を 余 儀 な く シブル生 産や受 注 生 産に社 会 が移り 変 て保 管 がメインの業 務でしたが、 フレキ ムで商 品を 覆 うので破 損を 防ぐための りましたので、 このセンターに導入され 物流施設ですから、 お客さまが期待され ます。また受注からコントロールできる 1949年生まれ。72年、立命館大学経済学部卒業。同年、手原産業倉庫に入社。78年、代表取 締役社長に就任。 が従来の %で済むため省資源、 また廃 ピッキングゾーンから出荷ゾーンへ、自動的に貨物が流れる スを提供していきたいと考えています。 株式会社手原産業倉庫 代表取締役社長 03 2015.8 かけはし ※1 リードタイム/発注から納品に要する時間 04 かけはし 2015.8 野洲支店長 水口 浩一 頭取 大道 良夫 品に新たな価値を吹き込む倉庫業からサービス業への転換」 のため、 戦略を進める。 ▶interviewer 手原産業倉庫は、 最新マテハンシステムを導入して高度な物流サービスを提供。 「商 今井 潤一 氏 保管からサービスを付加する倉庫へ。 時代の変化に合わせて進化を続ける倉庫業界。 株式会社手原産業倉庫 発想転換で新たな可能性が見える。 60 75 商品に価値を付加するデリバリー。 時の配送も可能になります。輸送コスト が安くなるうえ、顧客の満足度もアップ ター機能を受託。御社にとって未経験の 文具・事務用品大手メーカーの物流セン につな がったのですね 。同センターでは テーマになりました。発注品がいつ届く 者にいかに満足してもらえるかが大きな めたことで、 エンドユーザーである消費 当社の未来があると考えます。 供できる業態に変えていきたい。 そこに、 求めているか﹂ という情報を荷主様に提 今 井 ■ 自 動 倉 庫 は 、入 庫 期 間を 長 く 設 た大正センターの経験がなければ今の当 である﹂ ということです。 文房具を手掛け 荷主と消費者に支持されるサービスの質 この経験から得たのが、﹁物流の価値とは ブラッシュアップを繰り返してきました。 今井■情 報の集 積こそ重 要なテーマだ 機能を持たせるお考えなのですか? 栗東センターに情報を集約し、発信する といったデータを巧みに運用することで、 日別出荷数、配送先エリア、購買客属性 大道●ここに集まる 膨 大な商 品ごとの のか、 またどこにあるか等を追跡できる 定する 営 業 倉 庫としては不 向きとされ 社はなかったと思います。 と 考えています。例えば、あなた が北 海 品目数の多さに加え、多頻度少量・短納 ていました 。しかし 、作 業の効 率 化 が求 大道●そういったご経緯からか、今井社 道の毛 ガニを 注 文して翌 日に届いたと 複数ベンダーのシェアリングで 在庫の最適化をオペレーション められていた 大 正センタ ーに 仕 分 け 重 長は ﹁B to C向け物流センター﹂ を今後 します。 では、 その毛ガニはどこからやっ 一 般 消 費 者 向 け の 貨 物 追 跡 シス テム 視の 自 動 倉 庫 を あ えて 導 入し まし た 。 の柱にしようとお考えのようですが、 こ てきたのか か? ?北 い 北海 海道 道な なの のか か。 。 いえ 、実は 期等の難しい条件と向き合うことで、 さ ﹁ 必ず不 採 算になる ﹂という 周 囲の予 測 の栗東センターも最初からB to Cを意 近隣の倉庫からなのです。滋賀で毛ガニ ︵WML︶ も必要になり、 情報管理機能の を裏切り採算ベースへのせました。文房 識して構築されたのですか? を 購 入するお客さま が1 日 百 人いると まざまなノウハウを蓄積されてきました。 具業界では鉛筆 一本や消しゴム一個か 今井■そうです。これからは、荷 主 様の 予測できれば、事前にローコスト輸送で B to C 業務に取り組む中で ら 仕 分 け する な ど 、商 品 管 理 が 非 常に 物 流 効 率 化をお 手 伝いするという 従 来 の 在 庫 情 報 管 理 を 実 現 する な ど 、大 正 ム︵WMS︶ を開発されて、リアルタイム 水口● 独 自の 物 流センター 管 理システ テップアップをすることができました。 創 意工夫を 積み上げることで大きくス 方通行した時代は終わり、 消費者の情報 サプライヤーを頂点に、川下へ情報が一 海外製品を気軽に輸入できる時代です。 が 必 要になってき ます。 いまや 、個 人 が という意識をもって仕事をしていくこと る 消 費 者に も 、 いかに価 値を 届けるか﹂ 消費者満足という価値に気付く デリケートです。多 頻 度 少 量 、短 納 期へ のスタンスに加え、﹁エンドユーザーであ センタ ーでは 先 進 的 な 業 務 推 進インフ が 大 きな 価 値を 持つ時 代に変わってき 個を北海道から送っておき、発注と同 の対応環境を整えるために、日々数々の ラを整えられましたね。 ました。私たちは﹁商品をどう配送する 2 今井■B※ to B業務から始まった大正セ か﹂ だけでなく、﹁消費者がどんな商品を 年 代にハイテク分 野 に広がり、 いまでは小売りの分野に浸透 大 道 ● V M Iは 3 to Cへの移行を進 ンターは、 部分的にB※ サプライヤーと消費者をつなぐ ﹁架け橋﹂になりたい 高 島 の ア ド ベリ ー を 野 洲 で 買 え る と いった仕組みをデリバリーで支えておら うでしょう。 する 在 庫 方 式 を 採 用し た と すれ ば 、ど ンダ ー 2 社 が 栗 東センタ ー 内でシェア を補充する方式です。同じ商品を扱うベ 売れ 行 きに 合わせてベンダー 側 が 在 庫 小売店チェーンは仕入れ在庫を持たず、 今井■小売業界では、 スーパー等の大手 ます。夢 物 語ではなく、大 手のネット通 正 確に予 測できれば物 流に革 命が起き 今 井 ■いつ、どこで、誰 が何を 買 うかを 供する価値を示唆しています。 ほどの毛ガニの話が、御社が荷主様に提 されたのですね 。 を 握るのは情 報 。先 として、最 新のマテハンシステムを 完 備 大 道 ● その 構 想を 可 能にするインフラ がろうとせず、地域に深く根差すことで、 今 井 ■ デリバリ ー 業はむやみに面で広 らは、 地域密着の志向が感じ取れます。 しておられますが、今井社長のお考えか 大道●御社は西日本一帯で広く事業展開 施中です。 提案して県内の一部地域で試験的に実 組合員様向けの宅配サービスも、当社が 今井■J Aさんとのおつきあいは長く、 れますね。 水口●商 品が不 足した場 合は他 社から 販ではこれに沿った情報オペレーション 消 費 者とサプライヤ ーをつなぐ 架け 橋 しつつある調達形態です。 配達を可能にしているのも、今井社長が 補えるので、欠品をおそれて余剰在庫を を 実 行 中です。それがどんなベネフィッ になるべきだと考えています。荷主様に い時代です。商品デリバリーでいかに魅 今井■商 品 自 体での差 異 化を 図りにく 立っています。 これらの通販が全国即日 ネスはまさに、情報というツールで成り 大道● 大 手 物 流 企 業のネット通 販ビジ 出のヒントにもなると思います。 から求められる新しいビジネスモデル創 おっしゃった仕掛けによるのでしょうね。 持つ必要がなくなりますね。 ト ︵便益︶ を消費者にもたらすかは、 これ します。データ活用はこのように物流の 国内で2番目の導入になる自動梱包システム 「ジェミニ」 の前で、左から大道頭取、今井潤一社長、水口支店長 TEHARA栗東センター 品質を進化させるツールにもなり、社会 90 今井■そうです。 2社に代わって当社が 2 0 1 5 年 栗東センター設立 力的な価値が付加できるか、 これから提 2 0 0 7 年 神奈川営業所設立 役立ち 、地 域から 愛される 。そんなデリ 2 0 0 1 年 大阪に大正センターを設立 からの楽しみです。 1 9 9 7 年 九州営業所、 新門司センター設立 在庫の最適化をオペレーションすること 1 9 9 0 年 滋賀営業所、 滋賀センター設立 案していきたいですね。そのような考え 今井潤一氏が代表取締役に就任 バリー事業者を目指していきます。 1 9 7 8 年 現在地 (野洲市野洲1548番地) へ移転 大 道 ● シェア リン グ といえ ば 、 J Aグ 1 9 7 2 年 法人を設立。 野洲町小篠原へ移転 で、 大きなメリットが生まれます。 VMI 倉庫業を開業 を ベ ー ス に 、当 社 が 掲 げ る 新 戦 略 1 9 7 0 年 実父、 今井幸雄氏がJR手原駅前にて 大道●倉庫事業者の存在意義が大きく ▶沿 革 ループ滋賀の農産物 直売所間で販売品 ■ URL/http://www.tehara.co.jp/ はベンダーと小売店チェーンに利点があ ■ 本社所在地/野洲市野洲1548 ﹁ V M I︵ベンダ ー 主 導 型 在 庫 管 理 ︶構 貨物自動車運送取扱事業 変わっていきそうですね。本日はありが ■ 事業内容/倉庫業、 荷役請負業、輸出入業務、 を 互いに 融 通し 合 う プロジェクトにも ■ 従業員数/500名 る仕組みですが、当社が介在することに ■ 資本金/5,000万円 想﹂ の中核をなす最先端施設として栗東 株式会社手原産業倉庫 とうございました。 会社概要 参 画 。草 津のアオバナの商 品を 長 浜で、 お客様と共にいつまでも発展する企業 豊かな心を育み心地よさをお届けする企業 05 2015.8 かけはし ※2 B to B/企業間の商取引 ※3 B to C/企業と一般消費者の商取引 06 かけはし 2015.8 90 1時間に1,200個を梱包する自動梱包システム 「ジェミニ」 。板紙を組み立て配送用に形成する 1日の出荷個数5万個、最大保管数量60万ケースを誇る 「手原産業倉庫栗東センター」 よってさらにメリットが膨らみます。 互いの価値を高め合う気持ちのいい職場 センターを構築していくつもりです。 職務を通じて人格を形成し、 その結果として 社会へ貢献していく
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