社 会 系 教 科 教 育 学 会 『社 会 系 教 科 教 育 学 研 究 』 第24 号 2012 (p. 122) 【課題研究報告 】 課題研究皿 資源・エネルギーと環境問題をどう扱うか (2012 年 2月19 日開催 ) 藤 原 孝 章 (同志社 女子大学) n日 この課題をいただいたとき,2011 年3月 (以下, 3.11) の 震 災 ・ 津 波 に よ る 原 発 事 (福 一原 子 力発 電 所 の 事 故 と 放 射 能 汚 染 )故 以 後の 島第 ・エネルギー および環境問題に ついて取 りあ 資源 。なぜ なら従 来の デ ィベー げざる を得 ないと思 った ,是か非 トでたびたび取 り上げられ てきた 「 原 発色あせ , ̄ 全 く て か」といった論題が, 3.11 以 後 は 。二 酸 化 炭 素などの温暖化ガ しまったか らであるー ン」で,大出力でかつ安価 ス をださない 匚 ク リ ー といわれ ていた原発が ,安全性を怠 なエネルギ ,強制移住や環 るとメ, ル ト 引 起 こ し 健ダ 康ウ 不ン 安ま をで ひ きき おこ し ,保障や終熄 ・廃 境汚染 炉 とい う莫大な社会的コス ト (外 。部不経済)を抱 えているこ , と 私 が た 明 らは ち か , に 大 な な っ り た 小な り原発に依存 3.11 以後 ,資源 ・エネルギー政策を選 しない社会を形成 し 。さらには ,原発の 択する他 なくなったのである ,関東地区 点検に ともなう計圓停電もか さなって 」が だけでは な く 関 西 や 中 部 な ど 全 国的 匚 節 ,私たちの 日常の暮 ら し にに おけ る電 エネル 求め ら れ ー消費の 問題 ,独 占体 と しての電気企 業や料金 ギ ,再生可能なエネルギーの課題も明 ら などの問題 ってきたの で らあ にる 時。 事的に脱原発や放射能汚 かにな ,いたず しか し ,社会科的ではないだ ろう。そ こで , 染 を語るのは,このよ うな変化に社会 系教科教育 課題研究では ,どんな役割 をはたすべ きなのか 。 がどう対応 し 児童や生徒にど の よ う 認 識枠 み を 備す れ ば ー マ の 主な 旨と し た組 ので あ準 る 。 まず , よ い の か を テ ユ1 以前に書かれ た,岩田一彦緇 『エネルギー 問 3 ・争点と授業づくり( 』明治図書, 題をめ ぐる論点 ,従来の社会系教 育が前提 2005 年)を素材に して , と して きたことをふ りか えりつつ,3.11 の前後で 社 系教 科 教育 にど ん な 点 や争 点 せ る の会 か を 探 ろ う と し た。 そ論 の 際 , 授 業が 開見 発い のだ 理論 と ,ホ ッ トな話題に関す る議論 単元開発例 を提示 し 。 を社会科, 授 業 研 究 と し て 深 め て い く こ と と し た 岩田編の執筆者の なかか ら発表者 をと 当, 初は 調整 したがかなわず,結果的に ,石川照子 考え ,中本和彦氏 氏 (兵庫県立西, 宮樋 高口 校 ) の氏 み とな り 雅 夫 (国 立教育政策研究 (四天王寺大学 ) , 指定討論者と して吉村功太郎 (宮 所)の 3名に 。 発 問題 ,従来 ,反対と賛成の 二 崎大学)を, お原 願 い し たは 石川氏は 。その結果,原発は消費 項対立が 論 じられてきた 。 しか 地か らはなれ た福島県や福井県に立地 し た ,対話 をす し,3.11 以後は賛成 と 反 対 が 歩 み 寄 り ,二項 立を超えた公民科授 業 べ きであると してー政策と自治体」の単元開発 匚 再生可能エネ ル ギ 。 中 本氏は ,時事的に脱原発 ,原発 を提示され た 安全神話の崩壊や 放時 射事 能的 汚な 染問 の題 可の 能背 性 を 説 くる こと 。 景に あ 論 が社会科 ではない 争構造や価値の配置などの メタ的認 識と科学的説 。 明こそが社 , 会供 科 で 給側 ある か とで ら 主は 張 さ な く れ , た需要者側か ら 樋口氏は ーのあ り方,限 られた電 力の みた電 力やエネルギ 効率 的中 利学 用 を 考 え さ せ育 るに 授 業け が 求め ら れ て い ると , 校社 会 科教 お る厂 節電 教 育」 して,公民的分野匚 資源 ・エネルギー問題一 発電 して 」の授業単元開発 を 所か ら “節電 ” へ を 通 し て 。所 吉 村 氏 か ら は ,安全性 (環境) ,経 提案された,安定性,公平性 (倫理)という資 済性 (効率) 源 エネルギー問題の基本概念か らの議論も必要だ とされた 。 , 提案や 主張の詳細は各発表 者の原稿にゆ ずるが 4。 氏と も者 有も 意 義 な, 提社 案と 議授 論業 を研 提究 供 し てて い, たた だい 参加 多 く 会科 と し た へん刺激的な匚 課題研究 」分科会となったことを 記 してお く。 122−
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