江蘇省人民代表大会公告 - (財)地球環境戦略研究機関

江蘇省人民代表大会公告
第2号
「江蘇省大気汚染防止条例」が 2015 年 2 月 1 日に江蘇省第十二期人民代表大
会第三回会議を通過したので、ここに公布し、2015 年 3 月 1 日より施行する。
江蘇省第十二期人民代表大会
第三回会議議長団
2015 年 2 月 1 日
江蘇省大気汚染防止条例
(2015 年 2 月 1 日江蘇省第十二期人民代表大会第三回会議通過)
第一章
総
則
第一条 大気汚染を防止し、大気環境を保護改善し、公衆の健康を保障し、エ
コ文明建設を推進し、経済社会の持続可能な発展を促進するために、
「中華人民
共和国環境保護法」、「中華人民共和国大気汚染防止法」などの法律、行政命令
に従い、本省の実情を踏まえ、本条例を制定する。
第二条 本条例は、本省の管轄行政区域内の大気汚染防止とその監督管理活動
に適用する。
第三条 地方各級人民政府は、管轄行政区域内の環境大気質に責任を負い、大
気汚染防止計画を制定し、資金投入を保障し、防止措置を採り、重点大気汚染
物質の排出総量を厳格に規制し、かつ計画的に削減し、環境大気質改善目標を
達成し、管轄行政区域の環境大気質を国と省の規定の基準に合致させる。
大気汚染防止計画を国民経済社会発展計画に盛り込み、主体機能区計画、土
地利用基本計画、都市村落計画と組み合わせ、大気汚染防止とエネルギー構造
調整、産業構造調整、発展方式の転換とを結び付けなければならない。
第四条 大気汚染防止は、保護優先、予防と処理の結合、総合対策、損害者責
任の原則を堅持し、政府監督、住民参加、共同処理、共同予防管理の防止メカ
ニズムを構築する。
第五条 県級以上の地方人民政府環境保護行政主管部門(以下環境保護行政主
管部門)は、大気汚染防止について統一監督管理を実施する。
県級以上の地方人民政府の発展改革、経済・情報化、品質技術監督、工商の
各部門は、各自の職責に基づき、エネルギー消費大気汚染防止の監督管理を実
施する。
県級以上の地方人民政府の公安、交通運輸、漁業、住宅・都市農村建設、農
業(農業機械)の各部門は、各自の職責に基づき、自動車・発動機船および非
道路移動用機械(オフロード機械)の大気汚染防止の監督管理を実施する。
県級以上の地方人民政府の住宅・都市農村建設、国土資源、交通運輸、公安、
水利、林業、都市管理の各部門は、各自の職責に基づき、飛散粉じん大気汚染
防止の監督管理を実施する。
県級以上の地方人民政府のその他の関係部門は、各自の職責の範囲内で大気
汚染防止の監督管理を実施する。
第六条 企業・事業団体その他の事業者は、大気汚染防止の法律上の義務を履行
し、国と省が定めた大気汚染物質排出と規制の基準を執行するために、有効な
措置を採り、事業もしくはその他の活動による大気環境に対する汚染を防止し
なければならない。
公民は、自覚的に文明、節約、低炭素の消費方式と生活習慣を履行し、大気
中への汚染物質排出を減らし、環境大気質を共同で改善しなければならない。
第七条 省人民政府は、国の環境大気質基準と汚染物質排出基準に定めのない
項目について、地方基準を制定することができる。国の環境大気質基準と汚染
物質排出基準に定めのある項目について、本省の実情に基づき国家基準より厳
しい地方基準を制定することができる。地方環境大気質基準と地方大気汚染物
質排出基準は、国務院環境保護主管部門に登録しなければならない。
第八条 地方各級人民政府および関係部門は、大気汚染防止の科学技術研究を
奨励・支援し、先進的・実用的大気汚染防止技術と設備の普及を図らなければ
ならない。
地方各級人民政府および関係部門は、大気環境保護宣伝を強化し、大気汚染
防止法令と科学知識を普及させ、公衆の大気環境保護意識を高め、公衆の大気
環境保護への参加を推進しなければならない。
地方各級人民政府は、国と省が定める大気汚染物質排出と規制の基準より厳
しい基準を執行するために技術改良、設備更新、エネルギー代替を行う汚染物
質排出者に対し、必要な支援と助力を与える。大気汚染防止、大気環境の保護
と改善に顕著な成果を上げた組織と個人に褒賞を与える。
第二章
監督管理
第九条 重点汚染物質排出総量規制制度を実行し、重点大気汚染物質排出総量
を段階的に削減する。
省人民政府は、国務院の規定に従い本省の重点大気汚染物質排出総量の削減
と規制を行い、環境容量などの要因を総合的に考慮した上で、重点大気汚染物
質排出総量規制指標を区を設置している市、県(市)人民政府に割り振らなけ
ればならない。区を設けている市、県(市)の人民政府は、管轄行政区域の重
点大気汚染物質排出総量規制の要求に従い、重点大気汚染物質排出総量規制指
標を汚染物質排出者に割り振る。
国が排出総量の削減と規制を定めた重点大気汚染物質の他に、省人民政府は、
本省の環境大気質状況と大気汚染防止業務の必要に応じ、本省で総量の削減と
規制を実施する大気汚染物質を決定する。
年間の重点大気汚染物質排出総量規制指標を超過した地区に対し、環境保護
行政主管部門は、当該地区の重点大気汚染物質排出総量を増やす建設プロジェ
クトの環境影響評価文書審査を停止しなければならず、プロジェクト審査部門
は、建設を許可してはならず、施主は、着工してはならない。
第十条 既存の汚染物質排出者の重点大気汚染物質排出総量指標は、環境保護
行政主管部門が各排出者の既存排出量、産業発展計画、クリーナープロダクシ
ョン要求および管轄行政区域の重点大気汚染物質総量規制実施計画に基づいて
起草し、同級人民政府が査定する。
重点大気汚染物質を排出する建設プロジェクトを新設、改築、拡張するとき
は、施主は、環境影響評価文書の承認申請をする前に、規定に従い環境保護行
政主管部門に重点大気汚染物質排出総量指標の取得を申請しなければならない。
環境保護行政主管部門は、減量代替の原則で重点大気汚染物質排出総量指標を
査定する。
第十一条 本省は、重点大気汚染物質排出総量の厳格規制、排出総量削減計画
の厳格実行を前提に、総量減少に有利の原則に従い、国の関係規定に基づいて
重点大気汚染物質排出権取引を行うことができる。建設プロジェクトの新設、
改築、拡張の際の重点大気汚染物質総量指標の超過部分は、関係規定に従い排
出権取引により取得することができる。
第十二条 大気汚染物質排出許可管理制度を実行する。大気中に工業廃ガスも
しくは有害大気汚染物質を排出する企業・事業団体、集中暖房設備の事業者、お
よびその他の規定に従い汚染物質排出許可証を取得すべき者は、所在地の環境
保護行政主管部門に汚染物質排出許可証の発給を申請しなければならない。汚
染物質排出許可証を持たずに、もしくは排出許可証に定めた排出基準、排出総
量規制指標およびその他の要求に従わずに大気汚染物質を排出することを禁止
する。
第十三条
汚染物質排出者は、国の関係規定に従い汚染物質排出費を納付しな
ければならない。国の汚染物質排出費徴収基準の中に規定がない事項について、
省人民政府は、大気汚染防止の必要に基づき、地方汚染物質排出費徴収基準を
制定することができ、それは国家関係部門に報告し登録する。汚染物質排出費
は、他に流用してはならない。
汚染物質排出者は、汚染物質排出費を納付しても、その汚染防止、汚染損害
賠償の責任と法令および本条例に定められたその他の責任を免れない。
第十四条 省環境保護行政主管部門は、環境大気質監視網と汚染源監督プラッ
トフォームの構築と管理を担当し、環境大気質状況と大気汚染物質排出状況の
監視を行い、省気象主管機関と共同で重汚染天気の予測を行う。
第十五条 県級以上の地方人民政府は、大気汚染防止監視・警報キャパシティ
ー・ビルディングを強化し、関係部門を調整して監視ポイントの立地選定を行
わせ、監視ポイントの建設、運営、メンテナンスなどの費用を予算に盛り込ま
なければならない。
環境大気質監視ポイントの設置は、科学的・合理的で、監視技術規範要求に
適合していなければならない。設置部門の許可なく勝手に変更、調整、撤去し
てはならない。
第十六条 汚染物質排出者が法令と本条例の規定に違反して大気汚染物質を排
出し、深刻な汚染が生じ、もしくは生じる可能性が生じたときは、環境保護行
政主管部門とその他の大気環境保護監督管理担当部門は、汚染物質を排出する
施設・設備を封印、押収することができる。
第十七条 重点大気汚染物質排出総量規制と環境大気質改善目標責任制度、人
事考課制度を実施する。
県級以上の地方人民政府は、重点大気汚染物質排出総量規制指標と環境大気
質改善目標達成状況を同級の人民政府の大気環境保護監督管理担当部門とその
責任者および下級人民政府及びその責任者の考課内容に盛り込み、人事考課の
重要根拠としなければならない。考課結果は、社会に公表しなければならない。
重点大気汚染物質排出総量規制指標を超えたり、環境大気質改善目標を達成
できなかった地区は、省環境保護行政主管部門が、監察などの関係部門と共同
で現地人民政府の主な責任者と面談する。面談状況は、社会に公表しなければ
ならない。
第十八条
県級以上の地方人民政府は、毎年同級の人民代表大会もしくはその
常務委員会に環境大気質状況と目標達成状況を報告し、監督を受けなければな
らない。
県級以上の地方人民代表大会常務委員会は、定期的に大気汚染防止法令の実
施状況検査を行い、監督を強化しなければならない。
第三章
情報公開と住民参加
第十九条 公民、法人その他の組織は、大気環境情報を取得し、大気環境保護
に参加しそれを監督する権利を有する。
第二十条 環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護監督管理担当部
門は、環境大気質、重点大気汚染物質排出総量の削減と規制、汚染源監督監視
および関連の行政許可、行政処罰、汚染物質排出費の徴収・使用状況などの大
気環境情報を公開し、住民参加のプロセスを改善し、大気環境保護への住民参
加と監督に便宜を提供しなければならない。
環境保護行政主管部門は、社会に対し管轄行政区域の環境大気質情報、大気
重点汚染源監視情報その他の重大大気環境情報をまとめて公開する。環境大気
情報はリアルタイムで公表しなければならない。
環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護監督管理担当部門は、ウ
ェブサイトその他の公衆が知るのに便利な方法で社会に対し大気環境情報を公
開しなければならない。
第二十一条 環境保護行政主管部門は、汚染物質排出者の大気汚染物質排出状
況の監督的監視と監察を行い、監視と監察の結果を環境保護情報管理、汚染物
質排出総量指標査定、建設プロジェクト環境保護審査など環境管理の重要根拠
とし、併せて社会に公開しなければならない。
第二十二条 工業廃ガスもしくは有毒有害大気汚染物質を排出する汚染物質排
出者は、国の関係規定と監視規範に基づき、自ら、もしくは資格を有する監視
機関に委託して大気汚染物質排出状況を監視し、監視データを記録、保存し、
監視データの真実性、信頼性を確保し、ウェブサイトもしくはその他の公衆が
知るのに便利な方法で社会に対し公開しなければならない。監視データは、3 年
以上保存しなければならない。
重点汚染物質排出者は、国の関係規定と監視規範に従い、大気汚染物質排出
自動監視、監督などの設備を取り付け、環境保護行政主管部門の監督システム
とネットワーク接続し、監視設備の正常運転とデータ転送を保証し、その主要
汚染物質の名称、排出方法、排出濃度と総量、基準超過状況、および汚染防止
設備の建設運転状況を偽りなく社会に公開し、社会の監督を受けなければなら
ない。
重点汚染物質排出者リストは、環境保護行政主管部門が確定し公布する。
第二十三条 重大行政決定が環境大気質に深刻な影響を与える可能性があると
きは、決定を行う人民政府もしくは関係部門は、審議会、公聴会などの方法で、
事前に公衆の意見を聞かなければならない。
第二十四条 公民、法人その他の組織は、環境保護行政主管部門およびその他
の大気環境保護監督管理担当部門に大気環境情報の提供を申請することができ、
環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護監督管理担当部門は、それ
を提供しなければならなない。
第二十五条 公民、法人その他の組織は、組織や個人が大気環境汚染行為を行
ったのを発見したときは、環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護
監督管理担当部門に告発、苦情申し立てをする権利を有する。環境保護行政主
管部門およびその他の大気環境保護監督管理担当部門は、告発と苦情の受付電
話、ウェブサイトなどを公表し、公衆が告発と苦情申し立てをしやすくしなけ
ればならない。
環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護監督管理担当部門は、告
発、苦情申し立てを受けた後、当該部門の担当事項については、適法に処理し、
結果を告発者、苦情申し立て者に告知しなければならない。当該部門の担当外
の事項については、速やかに担当部門に移管し、担当部門は、適法に処理し、
その結果を告発者、苦情申し立て者に告知しなければならない。
告発を受けた部門は、告発者の秘密を守り、告発内容が事実であれば告発者
に褒賞を与えなければならないい。
第四章
大気汚染防止措置
第一節
エネルギー消費大気汚染防止
第二十六条 本省は、燃料用石炭の消費総量規制を実施する。
省発展改革行政主管部門は、関係部門と共同でエネルギー構造調整計画を制
定し、燃料用石炭総量規制目標を決定し、実施手順を定め、燃料用石炭のマイ
ナス成長を段階的に実現しなければならない。
区を設けている市、県(市)の人民政府は、燃料用石炭総量規制目標に従い、
燃料用石炭削減とクリーンエネルギー転換計画を制定し、実施させなければな
らない。
県級以上の人民政府は、燃料用石炭総量削減に有利な経済、技術政策と措置
を採り、エネルギー構造を改善し、クリーンエネルギーの開発利用を奨励支援
し、企業がクリーンエネルギーへの転換を進めるよう指導しなければならない。
第二十七条 新設プロジェクトの社内石炭火力発電所付設を禁ずる。コジェネ
レーション以外の石炭火力発電プロジェクトの承認審査を禁止する。既存の多
機石炭火力発電所の設備容量合計が国家規定の要求に達するものは、石炭等量
代替の原則により大容量の石炭火力発電ユニットを建設することができる。新
設の大容量石炭火力発電ユニットは、同時に先進的効率的な脱硫・脱硝・除じ
ん設備を設置しなければならず、大気汚染物質排出濃度は、基本的にガスター
ビンの排出上限値に達しなければならない。
既存の石炭燃焼ユニットは、先進的効率的な技術を使って脱硫・脱硝・除じ
ん設備の基準適合改造を行わなければならず、大気汚染物質排出濃度は、国と
省が定める要求に達しなければならない。もしくは、国と省の関連規定に従い、
天然ガスなどのクリーンエネルギーに転換しなければならない。
第二十八条 品質基準に達していない石炭の輸入、販売、使用を禁止し、洗炭
した良質な石炭の使用を推奨する。
都市市街地内での原炭燃焼を禁止し、規定の基準に適合しない散炭と成型炭
の販売を禁止する。
第二十九条 区を設けている市、県(市)の人民政府は、地域暖房計画を制定
し、暖房システムを建設・整備し、工業団地(工業集中区)と市街地の熱利用
者に対し集中暖房を実施し、併せて段階的に暖房管網を拡大しなければならな
い。
ガス管網と集中暖房管網の供給範囲内では、石炭、重油、残油を燃やす施設
の新設、拡張を禁止し、既存の分散的石炭ボイラーは、期限を定めて撤去しな
ければならない。集中断房管網が届いていない地区で既存のボイラーが安定的
に基準を達成できないときは、除じん効率化改良を行うか、クリーンエネルギ
ーに切り替えなければならない。
第三十条 区を設けている市、県(市)の人民政府は、高汚染燃料使用禁止区
域を指定して段階的に拡大し、省環境保護行政主管部門に登録しなければなら
ない。
高汚染燃料使用禁止区域内では高汚染燃料を使う施設の新設、拡張を禁止す
る。各種の使用中の高汚染燃料使用施設は、所在地の人民政府が定める期限内
に使用を停止するか、天然ガス、液化石油ガス、電気など他のクリーンエネル
ギーに転換しなければならない。
第三十一条 市街地ではコジェネレーション以外の石炭ボイラーの新設を禁止
する。その他の地区では換算蒸発量 10 トン/時以下の石炭ボイラーの新設を禁
止する。
区を設置している市、県(市)の人民政府は、管轄行政区域のボイラー規制
年間計画を制定し、時期分け、区域分けして国と省の排出基準に従い段階的に
各種ボイラーの規制を進めなければならない。
第二節
工業大気汚染防止
第三十二条 省人民政府は、高汚染工業プロジェクトの新設、拡張禁止リスト、
高汚染工業業種調整リスト、高汚染技術の設備廃棄リストを定期的に制定もし
くは改訂し、併せて社会に公表しなければならない。
区を設けている市、県(市)の人民政府は、既存の高汚染工業プロジェクト
に調整退出計画を制定させ、実施させなければならない。
リストに掲載された高汚染工業プロジェクトの新設・拡張を禁止する。
廃棄リストに掲載された高汚染技術の設備の使用を禁止する。企業は、廃棄
した高汚染技術の設備を使用目的で他人に譲渡してはならない。
第三十三条 エネルギー消費が基準の限度を超える、もしくは重点大気汚染物
質排出が規定基準を超える企業に対して、水・電気・ガスの差別化価格政策を
実施する。具体的な方法は、省の価格、環境保護、経済・情報化、財政などの
主管部門が制定する。
第三十四条 工業団地(工業集中区域)は、環境保護行政主管部門の要求に従
い大気汚染監視監督システムを設置し、併せて環境保護行政主管部門の監督プ
ラットフォームとネットワーク接続し、工業団地内の環境大気質と汚染源排出
状況をリアルタイムで監督し、適時に警報を出さなければならない。
第三十五条 企業は、資源利用率が高く、汚染物質排出量の少ない技術、設備
を使用し、最適実用大気汚染規制技術を採用し、大気汚染物質の発生を減らさ
なければならない。
省環境保護行政主管部門は、最適実用大気汚染規制技術リストを公表する。
第三十六条 鉄鋼、建材、石油化学、非鉄金属、化学工業などの業種の大気重
汚染工業プロジェクトの新設、改築、拡張を厳格に規制する。
新設、改築、拡張する大気重汚染工業プロジェクトの製造工程でばいじん・
粉じん、硫化物、窒素酸化物などの大気汚染物質を排出するときは、除じん、
脱硫、脱硝など排出削減装置を付設・使用するか、その他の大気汚染物質排出
規制措置を採らなければならない。
既存の大気重汚染工業プロジェクトで製造工程でばいじん・粉じん、硫化物、
窒素酸化物などの大気汚染物質を排出しているときは、国と省の関係規定に従
って大気汚染物質排出基準適合改造を行い、併せて環境保護行政主管部門の要
求に従い強制的クリーナープロダクション審査を行い、クリーナープロダクシ
ョン改造を実施しなければならない。
第三十七条 事業過程で有毒有害大気汚染物質が発生するときは、汚染物質排
出者は、収集浄化装置を設置するか他の措置を採って、国と省が定める排出基
準その他の関係要求を達成しなければならない。有毒有害大気汚染物質の直接
排出を禁止する。
有毒有害大気汚染物質を放出する可能性のある資材を輸送、積み降ろし、貯
蔵するときは、密閉その他の防護措置を採らなければならない。
第三十八条 揮発性有機物質廃ガスが発生する事業活動は、密閉空間もしくは
設備の中で行い、廃ガス収集処理システムなどの汚染防止設備を設置し、それ
を正常に使用しなければならない。造船など密閉空間で行うことのできない事
業活動は、有効な措置を採って揮発性有機物排出量を減らさなければならない。
石油、化学工業などの有機溶剤を生産・使用する企業は、漏洩検知修理制度
を作り、パイプと設備を日常的に点検・修理し、遅滞なく漏洩物を収集処理し
なければならない。
省環境保護行政主管部門は、重点規制する揮発性有機物のリストを社会に公
表しなければならない。
第三十九条 悪臭汚染物質を排出する工業系建設プロジェクトの新設、拡張を厳
格に規制する。大気中に悪臭汚染物質を排出する既存の化学工業、石油化学、
製薬、製革、骨膠精製、生物発酵、飼料加工などの業種の汚染物質排出者は、
環境保護行政主管部門が定めた期限内に先進的な技術、プロセス、設備を採用
し、悪臭汚染物質の排出を減らさなければならない。期限を過ぎても是正しな
い場合は、生産制限、生産停止もしくは閉鎖させる。
第四十条 石油・ガス貯蔵庫、燃料補給所、原油・精製油埠頭、原油・精製油
輸送船舶・石油タンクローリー、ガスタンクローリーなどは、基準に従い蒸気
回収装置を取り付け、規定に従い正常に使用しなければならない。いかなる組
織・個人も蒸気回収装置を勝手に撤去、放置、改造してはならない。
蒸気回収装置を規定に従って取り付けていない石油貯蔵庫、給油所は、環境
保護検収に合格できず、精製油販売資格審査に合格できない。蒸気回収装置を
規定に従って取り付けていない石油タンクローリーは、車両環境保護検収に合
格できず、車両営業手続きができない。
第三節
自動車・発動機船および非道路移動用機械の大気汚染防止
第四十一条 県級以上の地方人民政府は、国と省の自動車排ガス汚染防止に関
する規定に従い、自動車排ガス汚染防止業務調整メカニズムを構築・整備し、
規制基準の向上、ラベル管理の実行、期限を定めた処理、更新・廃棄などの防
止措置をとり、大気環境を保護・改善しなければならない。
第四十二条 県級以上の地方人民政府は、都市機能とレイアウトの計画を最適
化し、インテリジェント交通システム管理を広め、路線バス優先戦略を実施し、
歩行者・自転車交通システム整備を強化し、公衆のグリーン外出、低炭素外出
を誘導する。
第四十三条 省人民政府は、自動車排ガス汚染防止の需要に基づき、国務院の
批准を得たのち、本省もしくは区を設けている市の管轄行政区域内での自動車
購入について前倒しで国の段階的自動車排出基準を執行できる。
第四十四条 県級以上の人民政府は、自動車排ガス汚染防止の需要にもとづき
関連政策を制定し、相応のインフラを整備し、新エネルギー自動車を広め、公
共交通、環境衛生、郵政、電力などの業務用車両と公用車に率先して新エネル
ギー自動車を使用することを支援する。
第四十五条
区を設けている市、県(市)の人民政府は、大気汚染防止の需要
と経済社会発展計画、都市計画に基づき、自動車保有台数を合理的に管理し、
区部でのバイク保有台数を制限する。
自動車保有台数管理措置を採るにあたっては、公衆の意見を公開募集し、同
級人民代表大会常務委員会の審議を経て、30 日以上前に社会に公告しなければ
ならない。
第四十六条 使用中の自動車で修理、調整もしくは規制技術採用後にも大気中
に排出する汚染物質が国家基準の使用中車両に関する要求に達しないときは、
国の規定に従い強制廃棄しなければならない。
すでに廃棄基準に達した自動車が道路を走行したときは、公安機関の交通管
理部門が没収し、強制廃棄しなければならない。
第四十七条 使用中の自動車について環境ラベル分類管理を実施する。環境ラ
ベルは、グリーン環境ラベルと、イエロー環境ラベルに分けられる。
区を設けている市、県(市)の人民政府は、都市計画や環境大気質機能区画
などの要求に基づき、イエロー環境ラベルの自動車の走行禁止区域と時間帯を
決定し、走行禁止標識と環境ラベル自動識別システムを設置する。
第四十八条 船舶の大気中への汚染物質排出は、関係排出基準に適合しなけれ
ばならない。
船舶が内陸水域で焼却炉を使用したり、船舶ごみを焼却することを禁止する。
危険貨物積載船舶が都市区部航路、交通量の多い航路、渡し場、閘門、大型橋
梁、水中通路などの内陸水域で船倉のガス抜きや燻蒸作業を行うことを禁止す
る。船舶が海港エリア内で焼却炉使用やガス抜きなどの作業を行う際は、国の
関係規定に従い関係部門に届け出て許可を得た後に実施しなければならない。
交通運輸行政主管部門は、船舶オイル・ガス動力改造事業の推進を担当する。
発展改革行政主管部門は、停泊船舶への陸上電源供給システム建設をクリーン
エネルギー利用発展計画に盛り込まなければならない。
第四十九条 非道路移動用機械が大気中に放出する汚染物質は、国と省が規定
する排出基準に適合しなければならない。非道路移動用機械が規定の排出基準
を超える時は、期限を定めて是正しなければならず、期限内に是正してもなお
排出基準に適合しない場合は、環境保護、住宅・都市農村建設、農業機械など
の行政主管部門が使用停止を命じる。
区を設けている市の環境保護行政主管部門は、環境大気質状況に基づき、高
排出非道路移動用機械の使用禁止区域を指定することができる。
都市高排出非道路移動用機械環境ラベル管理制度を実施する。具体的方法は、
省人民政府が別途制定する。
第四節
飛散粉じん大気汚染防止
第五十条 区を設けている市、県(市)の人民政府は、飛散粉じん汚染防止業
務体制を構築・改善し、都市飛散粉じん汚染規制区域を指定し、都市飛散粉じ
ん汚染規制区域の規制目標と規制措置を明確に定めなければならない。
第五十一条 鉄鋼、火力発電、建材などの企業と港湾埠頭、工事現場の資材置
き場は、要求に従い地面を舗装し、併せて密閉、フェンス囲い、カバー、散水、
緑化、防風防じんネットの設置などの措置を採らなければならない。資材積み
降ろしは、密閉作業ができる場合は密閉して作業による粉じん飛散を防がなけ
ればならない。大型の石炭置き場、資材置き場には密閉式のサイロと運搬装置
を作らなければならない。
資材置き場の出口は、地面を舗装し、車両洗浄設備を設置しなければならず、
運搬車両は、洗浄して初めて作業場所から出ることができる。施工者と資材置
き場の経営者は、出口の道路を遅滞なく清掃・洗浄しなければならず、路面に
明らかな泥や資材の痕跡が残ってはならない。
第五十二条 工事発注者は、施工による飛散粉じん汚染の防止責任を負わなけ
ればならず、粉じん飛散防止費用を工事費に盛り込まなければならない。工事
発注者は、施工者に対し飛散粉じん汚染防止計画の策定を要求し、監理者に委
託して計画の実施を監督しなければならない。
施工者は、建設工事現場の環境保護に関する規定を順守し、相応の責任管理
制度を作り、飛散粉じん防止計画を策定し、工事現場に密閉式フェンスを設置
し、カバーの使用、段階分け作業、時間限定作業、散水、地面と車両の洗浄な
どの有効な飛散粉じん防止措置を採らなければならない。
第五十三条 家屋その他の建造物を解体する施工者は、粉じん飛散の防止抑制
設備を配備し、解体過程で発生する飛散粉じん汚染の規制に責任を負わなけれ
ばならない。家屋その他の建造物を解体するときは囲いフェンスを設置し、持
続的加圧スプリンクラーなどの措置を採り、飛散粉じんの発生を抑制しなけれ
ばならない。爆破作業が必要なときは、爆破作業エリアの外周に散水しなけれ
ばならない。
気象予報で風速が 5 級以上の時は、家屋その他の爆破もしくは解体作業を停
止しなければならない。
解体工事完了後 7 日間以内に建築工事を開始できないときは、裸地をカバー、
緑化もしくは舗装しなければならない。
第五十四条 区を設けている市、県(市)人民政府の都市景観・環境衛生行政
主管部門は、道路の清掃作業と洗浄作業の機械化を推進し、作業規範の要求に
従い、作業時間を合理的に配分し、適時に作業回数を増やし、作業品質を向上
させなければならない。
区を設けている市、県(市)人民政府の市政行政主管部門は、破損した路面
を遅滞なく修理し、土壌の露出を防止しなければならない。
第五十五条 公共緑地、緑地帯など各種緑地の維持管理者は、緑地保全による
飛散粉じん汚染防止の責任を負う。
新設の公共緑地、緑地帯内の裸地はカバーしなければならず、植え込み、花
壇、緑地帯などの覆土は、縁より高くしてはならない。緑化工事終了後は遅滞
なく現場を清掃しなければならない。
第五十六条 採鉱する際には採掘しながら汚染対策を行い、遅滞なく生態系環
境を修復しなければならない。廃石、スラッジ、廃土などは、専用の置き場に
置き、フェンス囲い、防じんネット、防じん布などの防じん対策を採らなけれ
ばならない。工事用道路は、舗装して埃の堆積が目立たないようにしなければ
ならない。
鉱業権者は、採掘過程および採掘停止もしくは閉山の前に、損壊した道路と
露天掘り鉱の斜面と断面を補修し、植生を回復し、規定に従い採鉱廃棄物を処
分し、鉱山の地質環境を改修・修復し、飛散粉じん汚染を防止しなければなら
ない。
第五十七条 区を設けている市、県(市)の人民政府は、専用の建設廃材と建
設残土の処分場を計画・建設させ、資源総合利用を推進し、処分行為を適正化
し、二次的な粉じん飛散を減らさなければならない。
建設廃材と建設残土を運ぶ車両は、密閉その他の措置を採り、建設廃材と建
設残土が落下して飛散粉じん汚染の発生を防止しなければならない。区を設け
ている市、県(市)人民政府の都市景観・環境衛生行政主管部門は、建設廃材
と建設残土を輸送する車両の監督管理を強化し、建設廃材と建設残土の輸送処
分作業を適正化し、落下飛散行為を取り締まらなければならない。
第五十八条 大気中に粉じんを排出する場合は、規定に従い飛散粉じん排出費
を納付しなければならない。飛散粉じん排出費は、飛散粉じん汚染防止専用に
用いなければならない。飛散粉じん排出費の徴収と使用方法は、省の財政、価
格、環境保護などの主管部門が制定する。
第五節
その他の大気汚染防止
第五十九条 油煙を排出する飲食サービス事業を下記の場所に新増設すること
を禁止する。
(一)住宅棟などの非商業建物。
(二)計画された専用煙道が設置されていない商業・住宅コンプレックス。
(三)商業・住宅コンプレックス内で住宅階と隣接した階。
主・副幹線道路の両側、住宅地および公園、緑地内の維持管理者が指定した
バーベキューエリア外で屋外バーベキューをすることを禁止する。
第六十条 飲食サービス業者は、下記の措置を採って大気汚染を防止しなけれ
ばならない。
(一)油煙浄化装置を設置し、定期的に洗浄し、正常運転を維持する。
(二)規範に従い飲食業専用煙道を設置する。
(三)営業面積 500 ㎡以上の飲食企業は、油煙オンライン監視設備を設置し
なければならない。
第六十一条 ドライクリーニングや自動車修理などのサービス活動に従事する
者は、国の関係基準もしくは要求に従い異臭と廃ガスの処理装置などの汚染防
止設備を設置し、正常に使用し、周辺環境への影響を防止しなければならない。
第六十二条 地方各級人民政府は、農作物の茎・藁利用に有利な財政、投資、
税・費、価格などの政策と措置を制定実施し、茎・藁の農地還元の機械化を推
進し、茎・藁を原料として利用するバイオマス・エネルギー、飼料や人工板な
どの製品生産を推奨し、農作物の茎・藁の総合利用を促進しなければならない。
県級以上の地方人民政府の農業(農業機械)行政主管部門は、職責に基づき、
茎・藁総合利用の実施を監督管理する。
茎・藁の野焼きを禁止する。
第六十三条 アスファルト、アスファルト・フェルト、ゴム、プラスチック、
ごみ、皮革など有毒有害ガス、悪臭ガスを発生する物質の野焼きを禁止する。
市街地での落ち葉の野焼きを禁止する。
第六十四条 県級以上の地方人民政府の農業行政主管部門は、緩効性肥料の新
技術を広め、農業者が科学的・合理的に農薬、化学肥料などの農業資材を施用
するよう指導し、アンモニア排出量を低減しなければならない。
第六十五条 家畜家禽飼育、屠畜事業活動に従事する組織と個人は、周辺環境
の汚染を防止する有効な措置を採らなければならない。学校、病院、住宅地お
よび公共の場所など人口集中地区周辺では、家畜家禽飼育場、屠畜場の設置を
禁止する。
第六十六条 大気中に放射性物質を含むガス、エアロゾルを排出する場合は、
国の放射線防護に関する規定に適合しなければならず、規定の排出基準を超え
てはならない。
第六十七条 区を設けている市、県(市)の人民政府は、管轄行政区域の実情
に基づき、花火・爆竹をする時間、地点、種類の制限もしくは禁止を決定する。
第五章
区域大気汚染共同防止
第六十八条 省人民政府は、国の関係規定に基づき、長江デルタ区域の省、市
およびその他の隣接する省と大気汚染防止調整メカニズムを構築し、大気汚染
防止の重要事項の解決を定期的に協議し、統一の防止措置を講じて大気汚染防
止区域協力を推進する。
第六十九条 省の関係部門は、長江デルタ区域の省、市およびその他の隣接す
る省の関係部門と連絡調整メカニズムを構築して、環境大気質情報を共有し、
産業構造と配置の最適化を図り、越境して大気に影響を与える可能性のある重
大汚染事故を通報し、大気汚染警報共同緊急対応メカニズムを構築し、境界を
跨ぐ大気汚染紛争を調整するために、省間の大気汚染防止共同予防管理を促進
しなければならない。
第七十条 省人民政府は、国の重点区域大気汚染共同防止の要求に従い、主体
機能区画、区域環境大気質状況および大気汚染輸送拡散法則に基づき、本省の
大気汚染防止重点区域を画定し、区域内の大気汚染防止業務を総合調整する。
第七十一条 省環境保護行政主管部門は、省大気汚染防止重点区域内の関係す
る区を設けている市の人民政府と共同で、区域の経済社会発展と大気環境容量
に基づき、区域大気汚染防止計画を制定し、協調規制目標を明確にし、区域経
済レイアウトを最適化し、交通管理を総合調整し、クリーンエネルギーを発展
させ、重点汚染防止任務と措置を提示し、区域環境大気質の改善を促進する。
第七十二条 重点区域内の関係する区を設けている市の人民政府は、連絡調整
を強化し、環境大気質情報を共有し、境界を跨ぐ大気汚染紛争を協議して解決
し、共同取締行動を展開し、区域内の大気汚染違法行為を処罰し、区域内の大
気汚染防止業務を共同で行わなければならない。
建設プロジェクトが隣接行政区域の大気環境に悪影響を与える可能性がある
とき、環境保護行政主管部門は、環境影響評価文書審査の際に、隣接行政区域
の環境保護行政主管部門の意見を聞かなければならない。
第六章
警報と緊急対応
第七十三条 重汚染天気の監視・警報と緊急対応処置体系を構築する。
環境保護行政主管部門は、気象などの関係部門と共同で重汚染天気警報と協
議メカニズムを構築し、環境大気質予報と監視を行わなければならない。
県級以上の地方人民政府は、重汚染天気対応を突発事件緊急対応体系に盛り
込み、重汚染天気緊急対応計画を制定し、社会に公布しなければならない。
第七十四条 大気が激しく汚染され、健康と安全を害する緊急事態が発生した
り、発生する可能性があるときは、県級以上の地方人民政府は、遅滞なく緊急
対応計画を発動し、規定の手順に従い、メディアを通じて社会に重汚染天気の
警報を発表し、併せて警報等級に従い下記の緊急対応措置を採らなければなら
ない。
(一)関係企業に生産停止もしくは生産制限を命ずる。
(二)一部の自動車の走行を制限する。
(三)花火・爆竹の使用を禁止する。
(四)飛散粉じんを生じやすい工事現場の作業を停止もしくは制限する。
(五)屋外バーベキューを禁止する。
(六)幼稚園と学校の屋外体育活動を停止する。
(七)屋外スポーツ競技活動およびその他の屋外で行う集団活動を停止する。
(八)国と省が定めるその他の緊急対応措置。
企業・事業団体、公民は政府とその関係部門が採る重汚染天気緊急対応措置に
協力しなければならない。
第七十五条 大気突発環境事件が発生する可能性のある組織は、国と省の関係
規定に従い、緊急対応計画を制定し、現地環境保護行政主管部門に登録しなけ
ればならない。大気突発環境事件が発生し、もしくは発生する可能性が生じた
ときは、当該組織は、直ちに緊急対応計画を発動し、処理措置を採り、汚染の
拡大を防止し、大気汚染の害を受ける可能性のある組織と住民に遅滞なく通報
し、併せて所在地の環境保護行政主管部門に報告しなければならない。
第七十六条 突発大気汚染事故の緊急対応処置は、
「中華人民共和国環境保護法」
及び「中華人民共和国突発事件対応法」などの法令の規定に従って執行する。
第七章
罰則
第七十七条 本条例第十二条の規定に違反する下記のいずれかの行為があった
場合は、環境保護行政主管部門が、汚染物質排出の停止もしくは生産制限、操
業を停止しての是正を命じ、併せて 10 万元以上 100 万元以下の過料を科す。行
為が悪質な場合は、批准権を有する人民政府の批准を経て、営業停止、閉鎖を
命じる。
(一)汚染物質排出許可証なく大気汚染物質を排出したとき。
(二)汚染物質排出許可証に定められた排出基準もしくは排出総量規制指標
を超えて大気汚染物質を排出したとき。
汚染物質排出許可証なく大気汚染物質を排出し、汚染物質排出停止を命じら
れても執行を拒否し、なお犯罪を構成しないときは、環境保護行政主管部門が、
事件を公安機関に移送し、その直接担当の管理職とその他の直接担当者を拘留
する。
汚染物質排出許可証の規定のその他の要求に従わずに大気汚染物質を排出し
たときは、環境保護行政主管部門が、期限を定めて是正を命じ、2 万元以上 20
万元以下の過料を科す。行為が悪質な場合は、環境保護行政主管部門が、汚染
物質排出許可証を失効させる。
第七十八条 本条例第二十二条の規定に違反する下記のいずれかの行為があっ
た場合は、環境保護行政主管部門が、期限を定めて是正を命じ、2 万元以上 20
万元以下の過料を科す。是正を拒んだときは、操業を停止しての是正を命ずる。
(一)工業廃ガスもしくは有毒有害大気汚染物質を排出する汚染物質排出者
が、規定に従い大気汚染物質排出状況を監視しなかったとき。
(二)重点汚染物質排出者が規定に従い大気汚染物質排出自動監視、監督な
どの設備を設置せず、もしくは規定に従い環境保護行政主管部門の監督設備と
ネットワーク接続せず、また監視設備の正常運転を保証しなかったとき。
本条例第二十二条の規定に反し、汚染物質排出者が要求に従い監視データな
どの情報を保存もしくは公開しなかったときは、環境保護行政主管部門が、期
限を定めて是正を命じ、2 万元以上 10 万元以下の過料を科す。
第七十九条 本条例第二十七条の規定に違反し、新設プロジェクトに社内石炭
火力発電所を付設した場合は、環境保護行政主管部門が、違法行為の停止を命
じ、5 万元以上 20 万元以下の過料を科し、併せて批准権を有する人民政府の批
准を経て閉鎖もしくは期限を定めて撤去を命じる。
第八十条 本条例第二十八条二項の規定に違反し、規定の基準に適合しない散
炭もしくは成型炭を販売した場合は、監督管理権を行使する部門が、販売停止
を命じ、違法所得を没収し、併せて品物の金額の等価以上三倍以下の過料を科
す。
第八十一条 下記のいずれかの行為があった場合は、環境保護行政主管部門が、
期限を定めて撤去を命じ、もしくは関連設備を没収し、併せて 2 万元以上 10 万
元以下の過料を科す。
(一)本条例二十九条第二項の規定に違反し、都市ガス管網と集中暖房管網
のサービスエリア内で、燃料用石炭、重油、廃油の設備を新設、拡張したとき。
(二)本条例第三十条第二項の規定に違反し、高汚染燃料使用禁止区域内で
高汚染燃料燃焼設備を新設、拡張し、もしくは規定の期限到達後も引き続き高
汚染燃料を使用し続けたとき。
(三)本条例三十一条第一項の規定に違反し、市街地にコジェネレーション
以外の石炭ボイラーを新設したとき、もしくは他の地区に換算蒸発量 10 トン/
時以下の石炭ボイラーを新設したとき。
第八十二条 本条例第三十二条の規定に違反し、リストに記載された高汚染工
業プロジェクトを新設、拡張し、廃棄すべき高汚染プロセス設備を使用し、も
しくは廃棄すべき高汚染プロセス設備を他人の使用のために譲渡した場合は、
経済総合管理部門が、是正を命じ、違法所得を没収する。是正を拒んだときは、
批准権を有する人民政府の批准を経て、営業停止、閉鎖を命じる。
第八十三条 本条例第三十八条第一項の規定に違反し、揮発性有機物質が発生
する事業活動を密閉空間もしくは設備の中で行わず、もしくは規定に従って汚
染防止設備を設置・使用しなかったときは、環境保護行政主管部門が、是正を
命じ、2 万元以上 20 万元以下の過料を科す。是正を拒んだときは、操業を停止
しての是正を命ずる。
本条例第三十八条第二項の規定に違反し、漏洩検知修理制度を作らなかった
ときは、環境保護行政主管部門が、期限を定めた是正を命ずる。期限を過ぎて
も是正しないときは、1 万元以上 10 万元以下の過料を科す。
第八十四条 本条例第四十条第一項の規定に違反し、石油・ガス貯蔵庫、燃料
補給所、石油タンクローリー、ガスタンクローリーに蒸気回収装置を基準に従
って設置していないときは、環境保護行政主管部門が、期限を定めて是正を命
じ、石油・ガス貯蔵庫、燃料補給所の所有者もしくは経営者に対し、2 万元以上
10 万元以下の過料を科し、石油タンクローリー、ガスタンクローリーの所有者
もしくは経営者に対し 1 万元以上 5 万元以下の過料を科し、蒸気回収装置を不
正常に使用し、もしくは勝手に撤去、放置、改造したときは、環境保護行政主
管部門が、期限を定めて是正を命じ、石油・ガス貯蔵庫、燃料補給所の所有者
もしくは経営者に対し 2 万元以上 10 万元以下の過料を科し、石油タンクローリ
ー、ガスタンクローリーの所有者もしくは経営者に対し、1 万元以上 5 万元以下
の過料を科す。
第八十五条 本条例第四十七条第二項の規定に違反し、イエロー環境ラベル自
動車の走行禁止区域、走行禁止時間帯に走行した場合は、公安機関の交通管理
部門が、法により禁止標識違反として処罰する。
第八十六条 本条例第四十八条第一項と第二項の規定に違反し、大気環境汚染
を引き起こした場合は、交通運輸、海事、漁業などの行政管理主管部門が、法
により処罰する。
第八十七条 本条例第四十九条第二項の規定に違反し、禁止区域内で高排出の
非道路移動用機械を使用した場合は、環境保護行政主管部門が、期限を定めて
是正を命じる。1 万元以上 5 万元以下の過料を科すことができる。
第八十八条
下記のいずれかの行為があった場合は、環境保護、住宅・都市農
村建設、交通運輸、水利などの行政管理主管部門が、各自の職責に基づき、期
限を定めて是正を命じる。1 万元以上 10 万元以下の過料を科すことができる。
期限を過ぎてもなお現地の環境保護規定の要求に達しないときは、操業を停止
しての是正を命ずることができる。
(一)本条例第五十一条の規定に違反し、粉じん飛散防止措置を採らなかっ
たとき。
(二)本条例第五十二条第二項の規定に違反し、飛散粉じん汚染防止計画を
策定せず、もしくは計画に従い粉じん飛散防止措置を採らなかったとき。
(三)本条例第五十三条第一項の規定に違反し、建物もしくはその他の建造
物の解体の際に囲いフェンスの設置、持続的加圧スプリンクラーなどの措置を
採らず、もしくは爆破作業エリアの外周に散水しなかったとき。
(四)本条例第五十三条第二項の規定に違反し、家屋もしくはその他の建造
物の爆破もしくは解体作業を停止しなかったとき。
(五)本条例第五十三条第三項の規定に違反し、解体工事完了後 7 日以内に
建築工事を開始できないのに、裸地をカバー、緑化もしくは舗装しなかったと
き。
第八十九条 本条例第五十九条第一項の規定に違反し、住宅棟などの非商業用
建物、計画された専用煙道が設置されていない商業・住宅コンプレックス、商
業・住宅コンプレックス内の住宅階と隣接する階に油煙を排出する飲食サービ
スプロジェクトを新設、拡張した場合は、区を設けている市、県(市)人民政
府が指定した主管部門が、是正を命じる。是正を拒んだときは、閉鎖を命じ、
併せて 1 万元以上 10 万元以下の過料を科す。
本条例第五十九条第二項の規定に違反し、都市の主・副幹線道路の両側、住
宅地もしくは公園、緑地内の維持管理者が指定したバーベキューエリア外で屋
外バーベキューを行った場合は、区を設けている市、県(市)人民政府が指定
した主管部門が、是正を命じ、500 元以上 2000 元以下の過料を科す。
第九十条 本条例第六十条の規定に違反し、飲食サービス業者が大気環境汚染
を生じさせた場合は、環境保護行政主管部門が、期限を定めて是正を命じ、1 万
元以上 5 万元以下の過料を科す。
第九十一条 本条例第六十一条の規定に反し、ドライクリーニングや自動車修
理などのサービス活動に従事する者が、異臭や廃ガスの処理装置などの汚染防
止設備を設置して正常に使用せず、周辺環境に影響を与えた場合は、環境保護
行政主管部門が、是正を命じ、2000 元以上 2 万元以下の過料を科す。是正を拒
んだときは、営業を停止しての是正を命じる。
第九十二条 本条例第六十二条第二項の規定に違反し、茎・藁を野焼きした場
合は、環境保護行政主管部門が、是正を命じ、200 元以上 2000 元以下の過料を
科す。
本条例第六十三条第一項の規定に違反し、アスファルト、アスファルト・フ
ェルト、プラスチック、ごみ、皮革などを野焼きして有毒有害、悪臭ガス物質
を発生させた場合は、環境保護行政主管部門が、是正を命じ、企業・事業団体に
は 1 万元以上 10 万元以下の過料を科し、個人には 500 元以上 5000 元以下の過
料を科す。
本条例第六十三条第二項の規定に違反し、市街地で落ち葉を野焼きした場合
は、都市景観・環境衛生行政主管部門が、是正を命じ、200 元以上 2000 元以下
の過料を科す。
第九十三条 汚染物質排出者が本条例の規定に違反して大気汚染事故を起こし
た場合、もしくは本条例第十二条の規定に違反した場合は、組織を処罰するほ
かに、環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護監督管理担当部門が、
組織の主な責任者と直接責任者に 1 万元以上 10 万元以下の過料を科す。
第九十四条 第八十条、第八十五条、第八十六条、第八十九条第二項、第九十
二条、第九十三条に規定する事態を除いて、過料の行政罰を受け、是正命令を
受けて是正を拒んだときは、処罰決定を行った部門は、是正命令の日の次の日
から起算して、原処罰金額に従い日ごとに連続して処罰することができる。
第九十五条 大気汚染防止の法令と本条例の規定に違反し、大気汚染物質を排
出し、深刻な汚染を生じ、犯罪を構成するときは、刑事責任を追及する。
環境保護行政主管部門は、司法機関と大気汚染事件行政取締と刑事司法の健
全な連携メカニズムを構築し、事件の移送、手掛かり提供などの制度を改善し
なければならない。
第九十六条 当事者が、環境保護行政主管部門およびその他の大気環境保護監
督管理担当部門の行政行為に不服があるときは、行政再審議の申請もしくは行
政訴訟の提訴ができる。
区を設けている市、県(市)人民政府、環境保護行政主管部門が、その行っ
た営業停止、閉鎖もしくは操業停止是正の命令決定の強制執行を申請したとき
は、人民法院は、審査制定して執行を許可し、被執行者が執行を拒否したとき
は、人民法院は、被執行者の水、電気、熱、ガスなどの供給者に対し執行協力
通知書を送ることができ、供給者は、人民法院に協力して被執行者に対する水、
電気、熱、ガスなどの供給停止措置を採らなければならない。執行協力者が協
力を拒否したときは、人民法院は、法により制裁を科すことができる。
第九十七条 県級以上の地方人民政府、環境保護行政主管部門およびその他の
大気環境保護監督管理担当部門に下記の行為の一つがあった時は、上級機関も
しくは監察機関が、是正を命じ、責任を負う主な責任者と直接担当する管理職
およびその他の直接責任者を処分する。犯罪を構成するときは、刑事責任を追
及する。
(一)行政許可条件に適合しないの行政許可を与えたとき。
(二)法令および本条例の規定に従い行政処罰決定を行うべきなのに行わな
かったとき。
(三)基準を超過し、規則に違反して大気汚染物質を排出していることを発
見し、もしくは告発を受けたにもかかわらず遅滞なく処分しなかったとき。
(四)公開すべき環境情報を公開しなかったとき。
(五)法令および本条例の規定に違反して汚染物質排出者の施設、設備の封
印・差押えをしたとき。
(六)監視データを改ざん、偽造し、もしくは改ざん、偽造を指示したとき。
(七)徴収した汚染物質排出費を上納しなかったり、横領、流用したとき。
(八)その他の職権乱用、職務怠慢、情実による不正行為があったとき。
第八章
附
則
第九十八条 本条例中の下記の用語の意味。
(一)汚染物質排出者とは、大気中に汚染物質を排出する企業・事業団体およ
び個人事業主を指す。
(二)重点大気汚染物質とは、国と省人民政府が環境大気質改善の必要に基
づき、義務的目標として国民経済社会発展計画に盛り込み、排出総量の規制と
削減を実施することを決定した大気汚染物質を指し、二酸化硫黄や窒素酸化物
などである。
(三)高汚染燃料とは、原炭、散炭、石炭脈石、粉炭、泥炭、燃料油(重油
と残油)、各種可燃ごみ、直接燃焼用のバイオマス燃料(樹木、茎・藁、おがく
ず、もみ殻、バガスなど)および汚染物質含有量が国家規定の上限値を超える
成型炭、軽油、灯油、石炭ガスを指す。
(四)有毒有害大気汚染物質とは、国家有毒有害大気汚染物質リストに記載
された人の健康と生態系環境に悪影響を及ぼす大気汚染物質を指す。
(五)非道路移動用機械とは、道路でない所で使う、自走式もしくは二重機
能、もしくは非自走だがある場所から移動できる、もしくは別のところに移動
させられるように設計された機械を指し、工業用掘削設備、建設機械、農業機
械、林業機械、漁業機械、材料積卸機械、フォークリフト、除雪機、空港用地
上支援器材、コンプレッサー、発電機、水ポンプなどが含まれる。
(六)重汚染天気とは、不利な気象条件下で、工業廃ガス、自動車排ガス、
粉じん、大面積の茎・藁焼却などの汚染物質の排出により広い範囲で発生する
累積的大気汚染を指す。
第九十九条
本条例は、2015 年 3 月 1 日より施行する。
http://www.jshb.gov.cn/jshbw/xwdt/slyw/201502/t20150204_295253.html