3 内分泌・代謝内科 後期臨床研修カリキュラム、専門医養成コース 1

3
内分泌・代謝内科 後期臨床研修カリキュラム、専門医養成コース
1.内分泌・代謝内科の概要
1.スタッフ
部長 1名 水野達央
医員 1名
後期研修医 3名
日本内科学会
認定医 5名
日本内分泌学会 指導医 1名、専門医 1名
日本糖尿病学会 学術評議員 1名、研修指導医 1名、
療養指導医1名、専門医 1名
(高浜分院出向医師を含む)
2.設備・検査・手術などの実績(平成25年度)
<診療実績>
外来患者数は糖尿病約2,500名、甲状腺内分泌疾患約500名
入院患者数は糖尿病約500名/年
学会、研究会発表も常時(年間約10件)行っている。
また、西三河地域での糖尿病治療のリーダーシップをとっている。
<医療機器>
持続血糖測定システム(CGM-GOLD 2台、iPro2 2台)の施設認定を保有し、
最先端の糖尿病診療が可能である。
糖尿病合併症を検査する医療機器は多数あり臨床で活躍している。
内分泌の負荷検査やシンチグラムを含む画像診断も充実し、バセドウ病に
対する131ヨード内照射療法も施行している。
2.診療科の特徴
糖尿病臨床一般(日本糖尿病学会 認定教育施設)
内分泌学ことに甲状腺疾患(日本内分泌学会 認定教育施設)
糖尿病患者のインスリン療法ことに頻回注射法や、ポンプ療法も実践しています。
CGMを利用した、厳格な血糖管理や、インスリン療法の調節が可能です。
糖尿病教育入院は火曜日から火曜日の8日間のクリニカルパスで毎週実施しています。
SNBGや院内の血糖・インスリン指示は専用サーバーを独自に開発して運用してい
ます。国内外からの見学希望もありました。
3.一般目標
3年目 : 臓器別ローテート研修
1)内科医として必要な救急医療に関する臨床能力を身につける。
2)チーム医療を通じて医師として果たすべき役割、責任を自覚できる。
3)内科医としての一般的知識、素養を培い、総合診療能力を身につける。
4)内科認定医取得に必要な臨床経験と知識を幅広く身につける。
4年目
内分泌代謝疾患の診療に主治医として携わるために必要な知識、技能、態度を身につ
け頻度の多い内分泌代謝疾患に対する標準的な診断治療ができる。さらに内分泌代謝
疾患専門医に期待される特殊な病態にも対応できる専門的な臨床能力を習得する。
4.行動目標
3年目・4年目
1)糖尿病の定義、分類・成因、診断、疫学を述べることができる。
2)糖尿病に関連した検査を適切に実施し結果を正しく解釈できる。
3)病型による治療戦略の概略を述べることができる。
4)患者の状態に応じた治療目標が設定できる。
5)糖尿病患者の病態に応じた基本療法(食事、運動)を選択し患者指導できる。
6)各種インスリン製剤の種類、作用機序、作用時間、副作用、適応禁忌等を理解し
適切に処方し、かつ効果を評価できる。
7)インスリン注入器の取扱ができる、かつ患者に取扱指導ができる。
(ペン、シリン
ジ)
8)指導者の下で携帯ポンプを用いたCSIIを実施しかつ患者に指導できる。
9)血糖自己測定器の取扱ができる、かつ患者に取扱指導ができる。
10)各種経口血糖降下剤の種類、作用機序、作用時間、副作用、適応禁忌等を理解し
適切に処方し、かつ効果を評価できる。
11)指導者の下で糖尿病合併妊娠および妊娠糖尿病の管理ができる。
12)糖尿病の急性合併症(ケトアシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡、乳酸アシ
ドーシス、低血糖性昏睡)の診断、適切な治療ができる。
13)糖尿病の慢性合併症の診断、適切な治療ができる。
14)脂質・尿酸代謝異常の診断および基本療法および薬物治療ができる。
15)各種低血糖の鑑別診断、治療ができる。
16)バセドウ病の薬物療法については薬物の作用機序、作用時間、副作用、適応禁忌
等を理解し自身で適切に処方し効果を評価できる。手術、内照射療法については
該当科と連携し適切な治療ができる。
17)甲状腺眼症の診断および治療(ステロイド治療、放射線科との連携による放射線
療法、眼科との連携による局所療法を含む)ができる。
18)甲状腺エコー、穿刺吸引細胞診の適応を理解し安全かつ適切に実施できる。
19)甲状腺腫瘍性病変に対する適切な診断・治療ができる。
20)各種ホルモンの正常値が理解でき過剰症、低下症の診断(含病因)
、ができる。
21)各種内分泌負荷検査の適応を理解し指導者の下で適切に実施できる。
22)各種内分泌臓器の画像診断ができる。
(CT,MR,核医学検査,超音波)
23)各種ホルモン産生腫瘍の存在・局在診断また治療決定に必要な検査が適切に選
択、実施でき、かつ適切な治療を選択し、指導者の下で実施できる。
24)各種ホルモン分泌不全に対する適切な補充療法ができる。
25)下垂体、副腎偶発腫の機能評価、外科的治療適応の判断ができる。
26)頻度の多い内分泌代謝疾患で標準的な診断・治療が適応とならない症例に対して
指導者の下で主治医として適切な診断・治療ができる。
27)まれな内分泌代謝疾患に対し指導者の下で主治医として適切な診断・治療ができ
る。
28)遺伝子異常による内分泌代謝疾患の診断、遺伝子診断の適応の判断,遺伝子診断に
対するインフォームドコンセントの取得、診断が確定した際のカウンセリングが
できる。
29)チーム医療における医師の役割、責任を理解し積極的に参加できる。
30)研修医、コメディカルの指導ができる。
31)関連学会の地方会および総会で症例発表、臨床研究発表をする。
32)日本内科学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会などに入会する。
33)認定内科医を取得し、糖尿病・内分泌の専門医受験資格を取得する。
5.経験目標
(※:初期研修での習得が望まれる項目)
a.一般的診療技術および知識
※
1)糖尿病の主症状が言える。
※
2)糖尿病の診断および分類ができる。
※
3)糖尿病コントロールの判定ができる。
※
4)糖尿病性合併症の種類を知っている。
5)妊娠糖尿病の診断および治療ができる。
※
6)肥満とやせの鑑別診断ができる。
※
7)低血糖症の症状と鑑別ができる。
8)高脂血症の分類を知っている。
※
9)痛風の症状を知り、診断および治療ができる。
10)各種ホルモンの正常値とその異常をきたす疾患を知っている。
※ 11)甲状腺疾患の症状と診断法を知っている。
※ 12)甲状腺の触診法が可能である。
13)妊娠と甲状腺疾患の関係を知っている。
14)下垂体前葉、後葉ホルモンの種類が言える。
15)下垂体疾患の主症状を知っている。
16)副腎疾患の種類と診断法を知っている。
17)二次性高血圧の種類と診断ができる。
18)水、電解質の異常とその異常をきたす疾患を知っている。
b.各種検査法
※
1)糖負荷試験の判定基準
※
2)簡易血糖測定器の使用法
3)C-ペプチドの負荷試験
4)グルコースクランプ法(インスリン感受性試験)
5)糖尿病網膜症の眼底所見
6)糖尿病腎症の早期診断
7)糖尿病性神経障害の検査法
8)アポリポ蛋白の意義
※
9)甲状腺超音波検査の読影
10)結節性甲状腺腫における良悪性の鑑別
11)甲状腺シンチグラフィに使用する核種と診断意義
12)甲状腺吸引細胞診検査の実施
13)下垂体前葉ホルモン負荷試験の種類
14)下垂体後葉ホルモン負荷試験の種類
15)副腎皮質ホルモン負荷試験の種類
16)副腎髄質ホルモン負荷試験の種類
17)副甲状腺機能検査
18)下垂体、副腎、副甲状腺の画像診断
19)異所性ホルモン産生腫瘍の診断
c.各種治療法
※
1)糖尿病教室での患者指導をする事ができる。
※
2)食事療法の指導カロリーの基本を知っている。
※
3)食品交換表の取り扱いができる。
4)運動療法の指導と禁忌を知っている。
5)経口血糖降下剤の適応と禁忌を知っている。
6)インスリン注射療法の適応と実施ができる。
7)インスリン自己注射指導ができる。
8)CSIIの実践、人工膵臓の運転ができる。
9)自己血糖測定の指導と治療への反映が可能である。
10)sick day や手術時における血糖管理ができる。
11)糖尿病性合併症の治療ができる。
12)長期透析療法の導入判定ができる。
※ 13)肥満症の治療法を知っている。
※ 14)高脂血症の治療法を知っている。
※ 15)バセドウ病治療法の選択が可能である。
16)バセドウ病の寛解判定ができる。
17)甲状腺機能低下症の治療を知っている。
18)妊娠、授乳時の甲状腺疾患治療ができる。
19)甲状腺腫瘍の手術適応を下せる。
20)汎下垂体機能低下症の治療ができる。
21)下垂体、副腎疾患の手術適応と対症療法を知っている。
22)副甲状腺機能亢進、低下症の治療ができる。
23)ホルモン補充療法の基本を知っている。
d.対象疾患
※
1)1型糖尿病
※
2)2型糖尿病
3)その他の糖尿病、妊娠糖尿病
※
4)糖尿病腎症
※
5)糖尿病性神経障害
6)糖尿病性壊疽
7)インスリン抵抗性症候群
※
8)単純性肥満
※
9)高脂血症
※ 10)動脈硬化症
11)神経性食思不振症
12)痛風、高尿酸血症
※ 13)甲状腺機能亢進症、バセドウ病
※ 14)甲状腺機能低下症、橋本病
15)亜急性甲状腺炎
※ 16)甲状腺腫瘍
17)下垂体機能亢進症
18)下垂体機能低下症
19)副腎機能低下症
20)クッシング症候群
21)アルドステロン症
22)褐色細胞腫
23)副甲状腺機能亢進症
24)副甲状腺機能低下症
25)ホルモン不応症
e.救急医療
※
1)糖尿病性昏睡
※
2)低血糖症
3)甲状腺クリーゼ
4)粘液水腫性昏睡
5)下垂体卒中
6)副腎クリーゼ
7)高Ca血症クリーゼ
※
8)水、電解質異常