4.収集保存事業 標本やデータ等の所蔵資料を分類・整理して適切な保存管理を行い、川崎市域の貴重な自然史資料・天文資料を次世代へ確実に継承します。 データベース化した所蔵資料の公開や、資料を使った講座の開催等により、所蔵資料の効果的な活用に努めます。 (1)自然資料の収集と保存・管理 実施項目 中長期目標 平成25年度計画 平成25年度実績 自己評価 今後の課題 協議会評価 標本の収集、保存・管理では点 数も多く、成果があったと思われ る。 ボランティアやサポーターの育成 により取り組めることもあると思う。 川崎の自然につい ての資料収集と保 存・管理 ①種子植物177点、シダ植物296 点の標本を作製、データ登録をし た。蛾類は、2007∼2012年に標 本を作製した1250点のデータ登 録を行った。また、回収したへい 死体から哺乳類3体、鳥類5体を ①標本等を体系的に収 剥製製作を委託した。 ・収蔵資料のより効 集(第8次自然環境調 ②収蔵庫内の鳥類およびほ乳類 果的な活用 査) 標本については、収蔵番号と現 ・GBIF等国際機関 ②生物標本資料の整 品との照合をさらに進め、エクセ への資料情報の提 理・分類 ル表および標本写真を付けての 供 ③収蔵庫の燻蒸(資料ご 仮台帳作りがなされた。 ・研究機関への資料 との簡易燻蒸を含む)及 ③CO2殺虫バッグは当館の現状 の貸し出しについて び、防虫防黴手法の検 から利用できず、代替措置として 検討 討・実施 冷凍庫による防虫防黴処理を 行っているほか、収蔵庫の冷温 保持、年一回の燻蒸処理、個々 の標本、棚、標本箱へのパラゾー ル投入などを行った。 ①植物標本作製には、市民団体 と共に職員も参加し、資料収集を 連携して行う基盤ができた。 ②収蔵品リストの中でも比較的数 量の少ない鳥類とほ乳類につい ては、収蔵番号と現品との照合を 行い、年度内に終えることができ た。 ③実績に示した作業により、害 虫、黴の発生を防ぐことに成功し ている。 自然史博物館である本館にとっ て、標本と資料の収集・管理は地 道であるが、最も重要な使命の1 つである。今後も標本・資料の収 集に努める中、収蔵標本の整理 を着実に進めて欲しい。 ①植物は、標本作製後台紙への 貼り付け及びデータ登録待ちの 標本数が多いため、作業の効率 化が必要である。 ②数量の多い分野の照合を今後 行っていく予定である。 H24年度の課題であった防虫防 黴に対応がされていてよい。冷凍 による植物標本の防虫は、環境 負荷も少なく、おもな標本庫で採 用されている方法である。 公開すべき資料の区分や保存の ための設備の整備など人的およ び予算の充足などが望まれる。 地域の自然誌資料の今後の蓄積 継続に向けて、収蔵施設や予算 など、設置者側の努力が必要と 思う。 地道な多くの資料整理の努力を 認める。 達成度:3 評価:B 1 (2)天文資料の収集と保存・管理 実施項目 中長期目標 平成25年度計画 平成25年度実績 ①24年度に引き続き冨田氏資料 の主に紙資料の整理を行い、資 天文についての観 ①冨田氏資料の整理 料リストの作成を実施した。 収蔵資料のより効果 測データの収集と保 ②観測結果の整理デジ ②太陽観測及び木星表面観測 的な活用と公開 存・管理 タル化 結果のデジタル化を実施した。 自己評価 今後の課題 ①紙資料の整理を完了し、その ①冨田氏資料の整理では、多岐 活用方法を確立することが課題 にわたる天文観測及び機材に関 である。 する資料を分類した。 ②観測結果をハードディスクに保 ②太陽や木星の表面現象を継続 存しており、データの解析を今後 的に観測する意義は大きい。 実施する必要がある。 達成度:3 プラネタリウムにつ プラネタリウム番組 いての資料収集と保 や解説資料のアー カイブスの作成 存・管理 プラネタリウム番組の アーカイブ化 投影した12番組と新たに製作し プラネタリウムシステムの複雑な た子ども向け番組をデジタルアー 操作方法を担当職員が習得し、 カイブ化した。 制作した番組をアーカイブした意 義は大きい。 投影番組データのアーカイブ化 について、できるだけ早急な具体 化を期待する。 冨田氏資料等、他館にない重要 資料の整理、公開を特に期待す る。 プラネタリウムシステム内に保存し ている投影番組等のデータを、番 貴重な観察データの整理、保存 組制作室のPCにも保存できる環 について、継続して進めてほし 境構築が課題である。 い。 評価:B 平成25年度実績 ①実験教室ごとに報告される報 告書を管理し、館職員や科学ボ ①各実験教室のデータ ランティアがいつでも確認できる 科学実験教室に関 ようにした。 科学実験について の共有化 するノウハウを整理・ の資料の保存・管理 ②開発した実験道具等 ②玉手箱の管理を行い、改良さ 保管・共有化 れた部分や部品等に関してはラ の保管 べリングを行った。 紙資料分類、アーカイブ化等成 果があったと思われる。 公開すべき資料の電子媒体を利 用した保存に向けた、人的、予算 的な配分のさらなる充足を望む。 達成度:3 (3)科学教育に関する資料の収集と保存・管理 実施項目 中長期目標 平成25年度計画 協議会評価 自己評価 今後の課題 ①科学館における実験教室での 実践の記録だけでなく、玉手箱な ①報告書を整理することにより、 どを利用した学校現場における 各実施者の情報共有を進めるこ 活用事例についても、今後実践 事例として資料を収集、保存して とができた。 ②新開発、改良されたものをラべ いくことが課題である。 リングし、整理することによって、 ②玉手箱に収納されている道具 ボランティア団体内でも周知を図 や部品等のリスト化を行い、一覧 などを作成し、準備や活用の利 ることができた。 便性をさらに向上させることが課 題である。 達成度:3 協議会評価 実践事例のデータ保存と活用に ついて、更なる検討を期待する。 玉手箱がさらに多くのところで有 効活用されるよう、改良点などを 整理してほしい。 本事業実施にあたり、学校現場 の意見要望を取り入れる必要が ある。 評価:B *GBIF:地球環境生物多様性情報機構 *冨田氏資料:東京天文台講師であった冨田弘一郎氏より寄贈された資料。 2
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