PTA新聞原稿(7月17日発行)

長浜高校生の今、二題
校長
上田 敏博
(一) 頑張る生徒たち
今年は欠席が非常に少ないと、教員の間で秘かな話題になっています。これは学校
が落ちついている証拠であり大変嬉しいことです。
教師になった頃「大洲の生徒は我慢強い。それは霧の中を毎朝登校するからだ」と
いう話を聞いた事がありました。確かに大洲出身の先生はとても粘り強くて、優れた
人格の持ち主が多いような気がします。
しかし長浜の気候は、大洲盆地よりも厳しいのではないでしょうか。風が強いうえ
に、湿度も高い。「肱川嵐」のない日でも、上流からも海からも湿った空気が流れて
きます。風の強さもあきれるばかりで、梅雨に入った日の朝、あまりに風が強いので、
季節はずれの台風が近づいているのかと思ったほどです。
そんな中、毎朝黙々と登校して来る生徒たちは、私の誇りです。東日本大震災以降、
日本人の我慢強さや礼儀正しさが世界中から賞賛されています。長高生もそうした日
本人の一人として成長しているのだなと思い、頼もしい限りです。
人生で挫折は当たりまえ。困難に出会ったとき、その人の人間力が問われます。そ
して人間力の基盤こそ、忍耐力と意志力です。これがなければ、いくら頭が良くても、
深みのある人間にはなれません。
本校の生徒たちは、今まさに、それを鍛えているのですね。
(二)危険!スマホ中毒
5月に実施したアンケートから、スマホ中毒になりかけている生徒が急増している
ことが分かりました。
平日の平均使用時間が5時間以上の女子生徒が 27%、2時間以上の総数は 50%を
超えています。おそらく待ち時間も真面目にカウントしたのでしょう。それにしても、
集中して勉強できる状態ではありません。睡眠時間も気になります。
5分おきにチェックする人は、すでに中毒になっている可能性があるそうです。ス
マホの青色光は睡眠リズムに悪影響を与えます。そのため、寝る前のスマホいじりで
睡眠障害になり、精神を病む症例も報告されています。スマホを取りあげられると「強
い猜疑心で攻撃的になる」
「別人格を持つようになる」
「無気力になる」などの影響が
現れ、重度の場合は自殺を図ることさえあるそうです。
親心からスマホを持たしたのに、心を病んでしまったのでは、何をしているのか分
かりません。またこのまま大人になり、子育て中もスマホをするようになると、他人
の気持ちが判断しづらい発達障害の子供を育ててしまう、との指摘もあります。これ
は、残酷な虐待やネグレクトと同じ効果に当たります。
スマホとの賢い付き合い方を教える事は、大人の役割です。スマホの所有者は親で
ある事をはっきりさせ、夜十時以降は SNS をさせないように、ご家庭でも十分注意し
てください。高校でも指導します。