「医療事故問題対応の基盤 としての真実説明指針」

2015-06-08
医療事故発生後の流れ
東邦大学医療センター大森病院
医療安全管理部
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原 則: 望ましくない医療の結果(死亡とは限らない)について、常に病院全体の問題として考える。
医療者側に有責の可能性が高くなるほど、外部の視点を導入して、透明性と客観性を担保する。
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医療事故の定義: 医療事故は、患者の疾患そのものではなく、医療行為によって患者に一過性又は
永続的な障害が引き起こされた事象と定義する。
(医療従事者の過失がないもの、過失が不明のもの、過失が明らかなものすべてを含む。)
1.医療事故発生
本来の医療経過から逸脱して、望ましくない結果をきたし、
かつ「濃厚な治療・処置を要する(予測を含む)」以上の事例
すみやかに報告
2.検証
一次検証
★「医療事故・医療関連死、発生後チェックシート」
関係者・関連セイフティーマネジャー等
医療安全管理部
事実関係を検証(1.予期できたものか)(2.当事者・関係者の聞き取り)} 死亡例では解剖を検討
(3.警鐘事例か)(4.二次検証の必要性か)
院長・安全管理対策委員長に相談
院内死亡例
有責の疑い事例
予期しなかったことが
明らかでないもの
院内死亡例
予期しなかったことが
明らかなもの
届出の
必要性
遺族
説明
届出の
必要性
遺族
説明
「有責」「届出」「公表」の可能性がある事例は二次検証を行う
「改善」の必要性
院内死亡例
二次検証
(臨時の安全管理対策委員会)
医療安全管理部
予期しなかったことが
明らかでないもの
安全管理対策委員長 (学内専門家) 顧問弁護士(電話対応可)
関係者・関連セイフティ-マネジャー等
(診療科部長)
(看護部長) (事務部長)
当事者
確認
{→調査法/公表/届出の方針等について審議し、院長に報告・提言する} 代理は可能
3.事故調査会による事故調査・改善策・公表準備(院長決定・確認)
下記の4つの事故調査会より選択し、事故調査・改善案・公表方法の検討を依頼する。
① 外部有識者主導の「院外主導事故調査委員会」
→すみやかに
開催することを公表
② (外部有識者を招聘した)「院内主導事故調査委員会」
・厚労省
・東京都
・法人
・病院機能
評価機構
③ 複数の「診療科内または病棟内でのM&Mカンファレンス」
④ 単独の「診療科内または病棟内でのM&Mカンファレンス」
診療科部長
看護部長
{調査結果・改善案・公表方法を
含む「報告書」を院長に提出}
4.事故公表 (病院長決定)
「院長差し戻し」報告内容に透明性、客観性が
欠ける場合・公表方針に不備がある場合
★「医療事故等の報告及び公表基準」
事故の経緯、事故調査結果・改善案について、安全管理対策委員長または
医療安全管理部長が、患者/家族への説明を行う。
公表について、その方法・内容等を患者/家族に理解・承諾を得ることを原則とする。
確認
・外表異状があるもの
→警察に報告
・予期しなかったもの
(医療関連死・疑い)
→病院長判断をえて
第三者機関に報告
届出