体つくり運動 - 筑波大学体育科教育学研究室

平成 27 年度
つくば実習
「体つくり運動」班指導案
メンバー:三浦隆寛・中嶋良太・鈴木司・阪口寛彦・中原俊樹・後藤浩介・野口大輔・西村三郎
指導教官:宮崎 明世 先生
1.単元名
体つくり運動
2.対象学年
小学校第四学年 男女 20 名
3.授業場所
中央体育館バスケットボール場
4.単元の目標
(1)次の運動を行い,体を動かす楽しさや心地よさを味わうとともに,体の基本的な動きができるようにす
る。(運動)
体ほぐしの運動では,心と体の変化に気付いたり,体の調子を整えたり,みんなでかかわり合ったりす
るための手軽な運動や律動的な運動をすること。
多様な動きをつくる運動では,体のバランスや移動,用具の操作などとともに,それらを組み合わせる
こと。
(2)運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,場や用具の安全に気を付けたりすることがで
きるようにする。
(態度)
(3)体つくりのための運動の行い方を工夫できるようにする。(思考・判断
5.単元について
(1)体つくり運動の一般的特性
・ 体つくり運動は、
「体ほぐしの運動」
、
「体力を高める運動」、「多様な動きを作る運動」の 3 つから成り立
つ領域である。そのなかでも、本授業で対象とする小学校第四学年では、
「体ほぐしの運動」と「多様な
動きをつくる運動」を扱うこととされている。
・ 「体ほぐしの運動」は、運動経験の有無が影響することなく誰もが楽しめる手軽な運動や律動的な運動を
通して、運動の得手不得手を越えて、仲間と運動を楽しんだり協力して運動課題を達成したりしていくこ
とができる運動である。
・ 体を動かす楽しさや心地よさを味わうことによって、自分や仲間の心や体の状態に気付き、体の調子を整
えたり、仲間と交流したりする運動である。
・ 「多様な動きを作る運動」は、他の領域では扱われにくい様々な動きを培い、結果的に体力の向上につな
げていくとともに、力いっぱい体を動かすことによって運動好きにしていくことがねらいとした運動であ
る。
(2)児童から見た特性
・ 手軽で誰もが楽しめる教材を通して学習することができるため、運動経験の有無や運動の得手不得手に限
らず、学習課題を達成する喜びを味わうことができる運動である。
・ 仲間と協力して行う課題を通して、課題を達成した喜びを仲間と分かち合うことができる運動である。
・ 他の領域では扱われない動きの学習を通して、新しい動きや課題を達成する喜びを味わう中で、体を動か
1
す喜びに目覚め、運動に対する好意的な感情を培うことができる教材である。
(3)単元構成・教材作成の意図
平成 10 年度改訂における学習指導要領において、心と体を一体としてとらえることを重視し、それまでの
「体操」領域を改め、小学校第 5 学年以降に「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動」から構成される
「体つくり運動」が示された。平成 20 年度の改訂では、運動する子とそうでない子の二極化の傾向が見られ
ることや生活習慣の乱れが小学校低学年にも見られるとの指摘を踏まえ、
「体つくり運動」領域の一層の充実
が求められた。
そのため、これまで小学校高学年から位置付けられていた「体つくり運動」が小学校低学年から位置付け
られるとともに、発達の段階を踏まえた新たな内容として、多様な動きをつくる運動(遊び)が、小学校低
学年及び中学年で示された。また、中学校、高等学校では、体力を高める運動において、運動を組み合わせ
ること、運動の計画を立てて取り組むことなどの指導内容が改善されている。
小学校低・中学年では、核となる易しい運動を幅広く行い、基本的な動きを身に付けていくことが大切で
ある。また、児童は仲間とかかわったり、動きを工夫したりしながら運動遊びや運動の楽しさを味わうこと
ができる。一方、教師には、高学年以降につながる運動やスポーツの基本となる動きや意欲の育成に努め、
結果として体力の養成を目指しことが求められる。
よって今回の筑波実習においても、対象とした小学校第四学年の領域である「体ほぐしの運動」、
「多様な
動きを作る運動」において、仲間と協力し課題を達成することができるように設定した。その課題を達成す
る中で、スポーツの基本的な動きを習得し、体力を高めることを狙いとした。
(4)授業者の授業観
今回授業を行うにあたり、以下の 2 点を特に意識して行う。
(1)ストーリー性
今回の体つくり運動では、ストーリー性を持った授業の展開を行う。ストーリー性とは、児童があらかじめ
決められた物語の中を疑似体験しているかのような場の設定や教師の言葉かけをすることである。それによ
って、児童が運動に対して関心を高めたり、意欲的に学習に参加するようになるのではないかと考えた。実際
に過去に、ストーリー性を導入した授業が実践され、児童に好評であった。よって本実践でもストーリー性を
導入し、教材とあわせてより魅力的な授業を提案したい。 本授業では、
「探検島に行こう」と題して、児童が
実際に探検島にいるかのような体験となるように、教材・教師の言葉かけ・掲示物等に工夫を行う。
(2)動きの質の向上
また、本実践では生徒の動きの質の向上に着目して授業を展開したい。質の良い動きとは、
「①無駄な動作
が少ないこと」
「②目的の動き(パフォーマンス)を効率的(安定・巧み・滑らか)に行うことができる身体
各部の動きや状態」と定義した。各運動に対する質の高い動きを定義するために、阿江ら(2006)や文部科学
省(2008b)を参考にした。また、本提案者が協議を行い動きの質の観点ならびに評価指標を作成した。(別
紙参照)
また、動きのポイントを全体に広げていくために、質の高い動きを行っている児童に代表して実演発表さ
せ、
「よい動きのポイントを共有する時間」を活動の途中で設定する。どのような動きがよい動きなのかが
分かるように、実際に上手な児童の姿を見せ、どのように動いたらうまくできるのかを解説して、学級全体
に質の高い動きを価値付ける。また、学習カードに動きのポイントを書きとめさせ、ポイントの理解を促
す。運動を行っている時間も、教師の言葉掛けを大切にし、よい動きを称賛したり、よいポイントを伝えた
2
1
◎体ほぐしの運動
2
3
45
40
30
20
10
0
○やや活動的な
運動
・ペアストレッチ
・体ジャンケン
・おしくらまんじゅう
・リズム運動
・・・等
・探検に行こうよ
・ジャンケン双六
○集団での運動
・風船バレー
・長縄跳び
・人間知恵の輪
・・・等
○やや活動的な
学習の進め方、用 ・体ジャンケン
具の使い方の確 ・おしくらまんじゅう
認
・・・等
課題 オリエンテーション
◎体ほぐしの運動
◎体ほぐしの運動
時限
4
力試しの運動
5
6
◎多様な動きを作る運動
8
基本的な動きを組み合わせる運動
7
学習の振り返り・挨拶・整理運動・後片付け
○基本的な動きを
○基本的な動きを 組み合わせる運動
組み合わせる運動 (ステーション学
習)
○ペアで行うバランスをとる運動
○ペアで行う力試しの運動
・二人で引き合
平均台エリア
い、押し合いバラ
長なわ・短なわエ
ンス
リア
・縄跳び走り
フラフープエリア
・ボールバランスリ
ボールエリア
レー
・・・
・ボール投げ→前
○みんなで協力して行うバランスをと ○みんなで協力して行う力試しの運動
等
転→キャッチ
る運動
・腕立て時計回り
・ロープでひとを運
ぶ ・・・等
・じゃんけん双六
・探検に行こうよ
整列・挨拶・点呼・場の準備・学習課題の確認
バランスをとる運動
3
単元目標
(1) 次の運動を行い,体を動かす楽しさや心地よさを味わうとともに,体の基本的な動きができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体の変化に気付いたり,体の調子を整えたり,みんなでかかわり合ったりするための手軽な運動や律動的な運動をすること。
イ 多様な動きをつくる運動では,体のバランスや移動,用具の操作などとともに,それらを組み合わせること。(運動)
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。(態度)
(3) 体つくりのための運動の行い方を工夫できるようにする。(思考・判断)
単元計画
りすることで、児童は「もっと上手にできるようになろう」と意欲的に取り組みながら、多様な動きを身に
付けていく。そういった中で、クラス全体の動きの質を高めてゆきたい。
6.単元計画(8 時間取扱い)
7.学習活動に即した評価基準
運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断
・体つくり運動に進んで
取り組もうとしている。
・体ほぐしの運動の行い
運動の技能
・多様な動きをつくる運
方を知るとともに,友達
動では,体のバランスや
と一緒に運動をしたり用
移動,用具の操作,力試
行い方のきまりを守り,
具を使って運動をしたり
しの動きとともに,それ
友達と励まし合って運動
するなど,運動の行い方
らを組み合わせた動きが
をしようとしている。
を選んでいる。
できる。
・用具の使い方や運動の
・友達と協力して,用具
・多様な動きをつくる運
の準備や片付けをしよう
動の行い方を知るととも
としている。
に,友達のよい動きを見
・運動する場や用具の使
付け自分の運動に取り入
い方などの安全を確かめ
れたり,動きの組み合わ
ようとしている。
せ方を選んだりしてい
る。
(参照:評価規準の作成のための参考資料、国立教育政策研究所)
8.本時の学習(8 時間中の 6 時間目)
(1)本時の目標
・基本的な力試しの運動と仲間と協力して行う力試しの運動を通して、様々な姿勢で力を効率的に出すこと
ができる(運動)
・仲間と協力して運動を行うことができる(態度)
・力試しの運動を友達と工夫してこと行うことができる(思考・判断)
(2)準備・資料
ロングマット 4 枚・ケンステップ 8 個・棒 10 本・フラフープ 5 個・カラーコーン 4 個・ホワイトボード 1
枚・ストップウォッチ 1 個・学習カード 20 部・学習カード入れ 5 箱・鉛筆 20 本
4
(3)本時の展開
段階
時間
0分
(1 分)
指導上の留意点
学習活動
評価の観点と規準(○をつけて記述)
1,集合・挨拶・点呼
*前回に引き続き、用意したストーリ
・5 列縦隊・グループごとに整列する。
ー性に沿って、授業を進める。
・挨拶後着座し、出席を確認する。
・まっすぐに整列せる。
・元気よく挨拶をさせる。
1分
(1 分)
2,本時の説明
・児童が学習の見通しがもてるように、
・本時の目標と流れを確認する。
本時の目標と流れを掲示物で示す。
◎本時の目標
上手に力を出すことができる姿勢を覚えよう!
2分
(4分)
導
3,準備運動「探検に行こうよ」
・速やかに広がらせる。
・体操の隊形に広がり、
「探検に行こうよ」を行う。 ・心と体がスイッチオンできるように、
・教師の掛け声と模範に続き、元気な声でのびのび 元気に声を出し、大きな動作を示す等
と行う。
して行う。
◎運動の内容
①四股
②片脚バランス
③両足まわり跳び
④体ジャンケン
6分
(2 分)
入
4,じゃんけん双六
・下図のように、マットとケンステップをグループ ・安全に準備するよう声掛けをする。
で協力して準備・配置する。
・手間がかかりそうなグループには手
◎場の設定
助けを与える。
ホワイトボード
マット
マット
マ
ッ
ト
マ
ッ
ト
横
転
が
り
ケ
ン
ケ
ン
パ
前まわり
クマ歩き
→じゃんけんエリア
児童の動き
5
8分
(4 分)
・じゃんけん双六を行う。
・教師は場の外側を巡回し、適宜指導
◎ルール
を行う。
1)同じゼッケン番号ごとに 4 隅のじゃんけんエリア
に集合する。
2)じゃんけんエリアにて、二人一組で体じゃんけん
をする。体じゃんけんに勝った人は、指定された運
動をしながら進む。体じゃんけんは、ペアを見つけ
次第どんどん行う。
3)体じゃんけんに負けた人は進むことができず、他
の人と体じゃんけんを行う。ただし、2 回連続で負
けた場合のみ無条件で進むことができる。
4)進み方は、
(1)横転がり(2)クマ歩き(3)ケン
ケンパ(4)前まわりをそれぞれの場所で行う。
12 分
・ケンステップを元の場所に片づけ、マットを下図 ・速やかに片づけをするように指導す
(1 分)
の位置に配置する。
る。
・ホワイトボードの前に集合する。
・
「探検に行こうよ」を行う。
・元気よく大きな声で行わせる。
・道場に到着する。
・探検カードと筆記用具が入ったボッ
・説明を聞いた後、下図の位置の通りに座る。
クスと押し引きの棒を渡す。
◎場の設定
ホワイトボード
マット
マット
マット
マット
①
③
②
④
①
③
②
④
①
③
②
④
①
③
②
④
①
③
②
④
→ラインテープ
6
13 分
(7分)
5,ペアで行う力試しの運動(相手を押す・引く)
・
「よい動きのポイントを共有する時間」を通して、 る。
2 人組で力試しの運動を行う。
・教師は巡回し適宜指導を与え、より
◎活動順序
良い動きを行っている児童を探す。
1)ペアで指定された運動を行う。運動の順番は後述
する通り。
展
*「道場」に来たという設定で指導す
・相手を押したり引いたりする動きを
工夫している児童を称賛し、ポイント
2)代表者が実演発表し、教師が行う動きのポイント
の指導を聞く。
を全体に紹介する。→ポイントは指導
案の達成基準を参照
3)動きのポイントを意識し、もう一度運動を行う。
4)新しい運動をペアで行う。
( 1)と同様)
開
○様々な姿勢で力を効率的に出すこ
とができているか。
(運動)
◎運動の内容
①おしり相撲(相手を押す)
Ⅰ
②棒引き(相手を引く)
③引っ張り合いながら立ちあがる(相手を引く)
・学習カードを用いて、自分で動きをセルフチェッ
クする。
20 分
(6分)
6,ペアで行う力試しの運動(自分の体を支える・他 ・教師は巡回し適宜指導を与え、より
の人を運ぶ)
良い動きを行っている児童を探す。
・5 同様の形式・場の設定で、2 人組で力試しの運動 ・自分の体を支えたりする動きを工夫
展
開
を行う。
している児童を称賛し、ポイントを全
◎運動の内容
体に紹介する。→ポイントは指導案の
①ワニじゃんけん(自分の体を支える)
達成基準を参照
②手押し車(自分の体を支える)
○様々な姿勢で力を効率的に出すこ
③おんぶ+歩行(他の人を運ぶ)
とができているか。
(運動)
・学習カードを用いて、自分で動きをセルフチェッ
クする。
Ⅱ
26 分
・
「探検に行こうよ」を行いながら、中央のグループ ・元気よく大きな声で行わせる。
(1 分)
のエリアに集合する。
7
27 分
(2 分)
7,みんなで協力して行う力試しの運動
*ワニに出くわし、ワニから試練を与
・
「ワニの試練」のやり方の説明を聞く。
えられたという設定で指導する。
・フラフープを受け取る。
・児童を見本に、運動のイメージを持
・グループごとに散らばり、下図の位置の通りに配
たせる。
置する。
・児童にフラフープを渡す。
◎場の設定
ホワイトボード
① ②
マット
マット
マット
マット
応
③ ④
①
②
③ ④
① ②
③ ④
① ②
① ②
③ ④
③ ④
→フラフープ
・1 分間実際に行いながら上手くいく作戦を考える。
29 分
・作戦を基に 4 人組で「ワニの試練」を行う。
・教師は巡回し、適宜指導を与える。
(3 分)
◎ルール
・
「せーの!」や「いくよ!」等のコミ
1)フラフープの中に脚を入れうつ伏せになり、4 人
で扇型をつくる。
用
ュニケーションをとるよう促す。
・課題の成功を称賛する声掛けをす
2)1 番左側にいる人が、腕支持の態勢をとり、仲間
る。
を超えながら先頭に移動する。これを繰り返す。
・展開 1、展開 2 で行ってきた運動を
3)1 人 3 回の移動役をこなす。全員が 3 回移動した
生かして力の出し方、姿勢を意識する
ら成功となる。
ように指導する。
4)待ちの役割の人たちは、腕支持ではなく伏せて待
つ。
・
「探検に行こうよ」の掛け声をしながら、2 連マッ
32 分
トに集合する。
・元気よく大きな声で行わせる。
(1 分)
8
33 分
・
「橋の上のワニ」の説明を聞く。
*ワニが橋の上で寝ているという設
(2 分)
・グループで運び方を考える。
定で指導する。
35 分
・4 人組で「橋の上のワニ」を行う。
・児童を見本に、運動のイメージを持
(3 分)
◎ルール
たせる。
1)1 人が運ばれる人、他 3 人が運ぶ人になり、運ば
・教師は巡回し、適宜指導を与える。
れる人を落とさないようにしながら、マットの端か
・運び方が考え付かないグループには
ら端まで運ぶ。
運び方の例を提示する。
2)ゴール地点まで行ったら、運ばれる人を交代する。 ・
「せーの!」や「いくよ!」等のコミ
全員運ばれる人を経験する。
ュニケーションをとるよう促す。
3)全部で 4 周する。4 周できた時点で成功となる。
・課題の成功を称賛するような声掛け
4)運び方は自由であるが、運ぶ人 3 人全員が参加し、 をする。
尚且つ 4 回の試行の内、全て違う運び方をしなけれ
○仲間と協力して運動を行うことが
ばならない。
できているか。
(態度)
5)途中で落としてしまっても、その場からやり直す
ことができる。
38 分
・グループで協力し、速やかにマットとフラフープ
・速やかに片づけ、集合、整列させる。
(2 分)
の片づけを行う。
・教師はカラーコーンを片づける。
・ホワイトボードの前に集合、整列する。
40 分
(1 分)
ま
41 分
(3 分)
と
8,整理体操
・よく使った部位をほぐすように声掛
・教師の模範に従い、整理体操(腕、肩)を行う。
9,本時の評価
けを行う。
・応用での運動において、友達と工夫
・学習カードを用いて本時の振り返りを行う。
した点について書くよう声掛けする。
・代表者に本時の成果を発表させる。
○力試しの運動を友達と工夫して行
め
うことができる。(思考・判断)
44 分
10,次回の予告・挨拶・解散
(1 分)
・次回は組み合わせの運動を行う。
45 分
・挨拶後、速やかに教室に戻る。
9
9.本時で設定した教材、教材で達成すべき学習課題、達成の基準
「準備運動「探検に行こうよ」
」
1.学習課題
・元気に声を出して、気持ちを高める。
・前回までの復習をする。
2.条件・ルール
①体操の隊形に広がる。
②教師の模範と掛け声に続いて、教師の模倣をする。
Ex. T=教師 J=生徒
T「探検に行こうよ。
」 J「探検に行こうよ。」
ドアをノックする動きを行いながら、
T「コンコン。
」 J「コンコン。
」
T「コンコン。
」 J「コンコン。
」
引き戸を開ける動きを行いながら、
※運動の順番
T「ガラガラガラガラ。
」
①四股
J「ガラガラガラガラ。
」
②片脚バランス
T「お相撲さんの部屋でーす!」※
③両足まわり跳び
中腰で手を膝におき、
④体ジャンケン
T「手をお膝においてー・・・」
片足を挙げて力強く降ろしながら、
T「よいしょー!」 J「よいしょー!」
逆脚を挙げて力強く降ろしながら、
T「よいしょー!」 J「よいしょー!」
↑最初に戻って繰り返し
3.達成基準
(1)元気に声を出し、大きな動作で行っている。
(2)教師の動作の模倣ができている。
4.専門的な指導・助言(予想される生徒のつまずきとそれに対する発問やフィードバック)
・声が出ていない
「元気よく、大きな声を出して行こう!」
・教師の模倣ができない。
「手を膝において」
、などのポイントを教えながら行う。
5.学習資料
別紙参照
10
「じゃんけん双六」
1.学習課題
・前回までの復習をする。
2.条件・ルール
1)同じゼッケン番号ごとに 4 隅のじゃんけんエリアに集合する。
2)じゃんけんエリアにて、二人一組で体じゃんけんをする。体じゃんけんに勝った人は、指定された運動をしな
がら進む。種目は図に示した通り。
3)負けた人は進むことができず、他の人と体じゃんけんを行う。ただし、2 回連続で負けた場合のみ無条件で進
むことができる。
4)進み方は、
(1)横転がり(2)クマ歩き(3)ケンケンパ(4)前まわりをそれぞれの場所で行う。
3.達成基準
(1)それぞれの運動を正しく行うことができる。
(2)横転がりでは、体をまっすぐにした姿勢で、止まらずに回ることができる。
(3)ケンケンパでは、リズムよく進むことができる。
(4)前まわりでは、まっすぐ曲がらずに回ることができる。
(5)クマ歩きでは、手足を伸ばしたまま進むことができる。
4.専門的な指導・助言(予想される生徒のつまずきとそれに対する発問やフィードバック)
・クマ歩きで手足が曲がってしまう。
「手と足をしっかり伸ばして進もう!」
・前まわりが、曲がってしまう。
「手を頭の横について回るようにしよう!」
5.学習資料
別紙参照
「ペアで行う力試しの運動」
1.学習課題
・基本的な力試しの運動の行い方を知る。
・様々な姿勢で力を効率的に出すことができるようになる。
・動きの質を高める。
2.条件・ルール
ペアになって次の運動を行う。
①おしり相撲(相手を押す)
引いてあるラインの左右に分かれて立つ。ラインの延長線上にお尻が来るように合わせる。相手の陣地に
11
入ったら勝ち。
②棒引き(相手を引く)
棒の真ん中をラインに合わせる。お互いに棒を握って引き合う。自陣に引き込んだら勝ち。
③引っ張り合いながら立ちあがる(相手を引く)
向かい合って座った状態から手をつなぎ、お互いに引き合いながら立ち上がる。
④ワニじゃんけん(自分の体を支える)
腕支持をしながら、じゃんけんを行う。ジャンケンで勝った人は相手の周りを一周回る。負けた人はそのま
ま姿勢保持をする。
⑤手押し車(自分の体を支える)
決められたエリア(バミリの周りをまわる)の周りを一周する。
⑥おんぶ+歩行(他の人を運ぶ)
決められたエリア(バミリの周りをまわる)の周りを一周する。
3.達成基準
ペアで行う力試しの運動
①おしり相撲(相手を押す)
(1)膝を曲げて、腰を落としている。
(2)上体を前傾させ、尻をつきだしている。
②棒引き(相手を引く)
(1)膝を曲げて、腰を落としている。
(2)肘を曲げない。
12
③引っ張り合いながら立ちあがる(相手を引く)
(1)立ち上がるタイミングに合わせて、ひじを曲げている。
(2)手はつないだまま、離さない。
④ワニじゃんけん(自分の体を支える)
(1)肘を曲げない。
(2)上体をまっすぐにしている。
(3)顔を上げている。
⑤手押し車(自分の体を支える)
(1)肘を曲げない。
(2)上体をまっすぐにしている。
(3)止まらずに、1・2・1・2 のリズムで進めている。
13
⑥おんぶ+歩行(他の人を運ぶ)
(1)上体が前傾している。
(2)腕で乗り手の腿を保持している。
(3)ふらふらせずに、1・2・1・2 のリズムで進めている。
けんな
4.専門的な指導・助言(予想される生徒のつまずきとそれに対する発問やフィードバック)
・①~⑥において、質の高い動きができない。
一度運動を止め、質の高い動きをしている代表者に実演させ、運動のポイント(ポイントは達成基準を参
照)を教師が解説する。運動ごとに、この時間(指導)は設定することとする。
児童が運動を行っているときに、教師は巡回し運動のポイントを助言する。
5.学習資料
別紙参照
「みんなで協力して行う力試しの運動」
1.学習課題
・様々な姿勢で力を効率的に出すことができるようになる。
・仲間と協力して力試しの運動ができるようになる。
2.条件・ルール
①ワニの試練
(1)フラフープの中に脚を入れうつ伏せになり、4 人で扇型をつくる。
(2)1 番左側にいる人が、腕支持の態勢のまま、仲間を超えながら先頭に移動する。これを繰り返す。
(3)1 人 3 回の移動役をこなす。全員が 3 回移動したら成功となる。
(4)待ちの役割の人たちは、腕支持ではなく伏せて待つ。
②橋の上のワニ
(1)1 人が運ばれる人、他 3 人が運ぶ人になり、運ばれる人を落とさないようにしながら、マットの端から端
まで運ぶ。
14
(2)ゴール地点まで行ったら、運ばれる人を交代する。全員運ばれる人を経験する。
(3)全部で 4 回行う。4 回試行できた時点で成功となる。
(4)運び方は自由であるが、運ぶ人 3 人全員が参加し、尚且つ 4 回の試行の内、全て違う運び方をしなけれ
ばならない。
(5)途中で落としてしまっても、その場からやり直すことができる。
3.達成基準
①ワニの試練
(1)腕支持の態勢を保持しながら、仲間を超えている。
(2)
「いくよー」や「頑張ろう」等の声をかけている。
②橋の上のワニ
(1)運ぶ人は、運ばれる人を安定させ(肩をしっかり組む、腕でしっかりとつかむ等)運んでいる。
(2)4 周の全て違う運び方を考え、実践している。
4.専門的な指導・助言(予想される生徒のつまずきとそれに対する発問やフィードバック)
①ワニの試練
・ワニのポーズ(腕支持の態勢)がとれない。
「ワニじゃんけんのポイントは何だったかな?」
(ポイントは達成基準を参照)
・分からなかったところは教師が補足する。
②橋の上のワニ
・運び方が考えられない。
運び方の例を助言する。
5.学習資料
別紙参照
15
10.学習資料
図 1 宝の地図
(小室(2014)を参考に修正)
16
図 2 宝の地図の拡大図
17
図 3 学習カード(探検カード)
18
11.引用・参考文献
阿江通良, 飯千明, 加藤健一, 窪康之, 國土将平, 佐々木玲子, 佐藤徹, 中村和彦, 野中, 本間三和子, 山
神眞一(2006)幼少年期に身につけておくべき基本運動(基礎的動き)に関する研究―第 3 報―, 日本体育
協会スポーツ医・科学研究報告書
国立教育政策研究所(2011)評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料(小学校 体育),
http://www.nier.go.jp/kaihatsu/hyouka/shou/09_sho_taiiku.pdf
小室敦弘(2014)体つくり運動(多様な動きをつくる運動遊び)「はぴねすじま☆であそぼう」
文部科学省(2008a)小学校学習指導要領解説 体育編, p5-6,13-14,24-26,39-42
文部科学省(2008b)多様な動きをつくる運動(遊び) パンフレット,
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/jyujitsu/1247477.htm
文部科学省(2012)学校体育実技指導資料第 7 集「体つくり運動」(改訂版),
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東京都小学校体育研究会体つくり運動領域低学年部(2014)体を動かす楽しさを味わい、進んで運動に取り
組む力を身に付ける体つくり運動の学習 体つくり運動領域低学年部会資料
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