教区司祭団代表挨拶 岩崎一二三 神父(PDF

ミカエル 松浦 悟郎 司教着座式
教区司祭団代表あいさつ
名古屋教区司祭 岩崎 一二三
今、私たちは典礼聖歌 405 番「ひとつになろう」を歌いました。
「ひとつになろう、キリストのうちに」
。
キリスト・イエスのうちに一つになっている私たちにとって、今日は恵みの日、祝福の日、喜びの日であ
ります。その喜びを分かち合うために私たちは個々に集まっています。そして、この喜びを共にするため
に全国各地からお集まり下さった信徒、修道者、司祭の皆様に、そしてまた駐日ローマ教皇庁大使ジョゼ
フ・チェノットウ大司教様をはじめ各教区の司教様方に名古屋教区を代表して心からお礼申し上げます。
今、野村司教様からご退任のご挨拶がありましたが、司教様には名古屋教区の最高責任者として、22
年の長い間、私たちを教え導き「よき牧者」としての務めを果たして頂き心から感謝しています。司教様
は価値観が多様化し、人間関係が希薄化した今の時代に"Unum Corpus multi sumus"(私たちは大勢でも
一つの体です)をモットーに人と人の絆を大切にし、福音の視点と信仰の感覚を私たちに示して下さいま
した。激動する社会の中で、教会が抱える問題は山積していますが、私たちは教会組織の見直しや福音宣
教のあり方など残された課題を真摯に受け継いでいます。
司教様は数年前に肺がんの疑いで手術を受けてから急激に体調が悪化し、お仕事にも支障をきたすよう
になりました。これからはまず十分に休養をおとりになり健康回復に努めてください。そしてかげから私
たちを見守り支えて下さい。
つづいて、今日の着座式にあたり、まず神様のお計らいにより名古屋教区長として松浦悟郎司教様をお
迎えすることができたことを心から喜び、神様に感謝いたします。去る3月29日ローマ教皇庁より発表
があった数日後、私の教会のある信者が聖霊会のシスターに「新しい司教様が決まったそうですね」と声
をかけたら、
「ゴローちゃんね」と云われ驚いたということを聞きました。司教様は名古屋でお生まれにな
り、八事聖霊幼稚園の第1回卒園児と云うことで、なにか身近に親しみを覚えます。
名古屋教区は東海地区と北陸地区からなり、愛知、岐阜、福井、石川、富山の5県に約2万6千人の信
者が登録しています。しかし未登録の外国籍信者はその約3倍、8万人を超えると云われています。また
東海地区は自動車産業をはじめとする日本でも有数の製造業の中心地で外国籍の信者が労働者としてはた
らいています。私たちは教会(共同体)の中で国籍や民族の違いを超えた共同体づくりを目指しています
が、いろいろな困難な課題に直面しているというのが現実です。これからは司教様のご指導のもとでより
豊かな、より力強い信仰共同体づくりに努めていきたいと思います。
愛知県ではちょうど10年前、2005年に宗教・宗派の違いを超えた「愛知宗教者9条の会」が設立
され、発足しました。その翌年5月に松浦司教様が来名され、東本願寺名古屋別院の行動で講演なさいま
した。たしか演題は「憲法の平和思想と宗教者の立場」だったと記憶していますが、そのことを昨日の出
来事のように思いだします。司教様の「正義と平和」活動に関する長いご経験が、この名古屋教区にも行
かされ、新しい風が吹き込まれることを期待しています。
去る4月18日(土)名古屋教区では、この布池教会で司祭叙階式があり、二人の新司祭が誕生しまし
た。司教様はこの叙階式にご参列くださり、その時、ご挨拶の中で「名古屋教区に喜んでくる」というこ
とと、ご自分の出発点にあたり「神様が新しい二人の司祭をプレゼントしてくださったことに感謝する」
というお言葉を頂きました。本当にうれしく思いました。
これからは司教様を信頼し、司教様のご指導のもとに、司教様と共に歩んで参ります。そして信徒、修
道者、司祭、名古屋教区すべての信者の協力とお祈りをお約束します。