第2部会 実践例1

4
○主
○資
題
実践例1
「生命の尊重」
2年生
「家族や親戚の人からのインタビュー」
3−(2)
料
①映像資料「たったひとつのおくりもの(明治安田生命CM)」
②家族や親戚の人からのインタビュー
③手紙「我が子へ」
○資料内容
①は,歌手小田和正の歌う「言葉にできない」が流れるなか,子どもがたくさんの家族に支えられて成
長していく場面が紹介されているものである。本時のねらいである「自分の誕生や成長を喜び,支えてく
れるたくさんの人がいること」に直結する内容であり,導入で活用することで,授業への関心を高めさせ
たい。とりわけ,「あなたに会えて本当によかった」という歌詞を,授業を進めるうえでのキーワードに
したい。
②は,誕生したときや病気やケガをした時など,「○○した場面」のように一場面を取り上げて,その
時の気持ちをインタビューさせたものである。生徒にとって,具体的な場面を取り上げることはイメージ
しやすく,その時の気持ちも伝わりやすいと考える。そこで,たくさんの人々が自分を支え,自分の存在
や成長を願ったり,喜んだりしてくれるということを実感させたい。
③は,前任校で担任した生徒の保護者が,我が子に向けて書いたものである。その内容は,出産した日
の思い出や我が子によせる思いなどである。生徒がインタビューしてきた内容より,より具体的に新しい
生命が誕生したことの嬉しさやその時の感動の様子が伝わることと思われる。
○研究主題とのかかわり
本時の授業を通して,自分の命は自分一人だけのものではなく,家族をはじめとする周囲の人々に支え
られていたり,自分の成長を願い,喜んでくれたりするということに驚きをもって気付かせたい。そして,
その思いに応えようという思いをもたせることは,研究主題に通じるものであると考える。
○本時のねらい
自分の誕生や成長を喜び,支えてくれるたくさんの人がいることに気付かせ,それに応えようという思
いをもたせる。
時間
学習活動
生徒の様子
導入 ・映像資料を視聴する。
5分
これ知ってる!
指導の手立て
*映像資料を用いて,本時の学習に対する関心
を高めさせる。
*歌詞を掲示し,意味を考えながら聞けるよう
にする。
・赤ちゃんが出てきた
・子どもがたくさん出てきた
展開 (資料の整理)
* 自分と同じように,級友もたくさんの人に喜
40 分 ・家族や親戚の人からインタビューしてきた内 ばれ,支えられて成長してきたことに気付かせ
容を発表し合う。
るために,多くの生徒を指名して発表させる。
*「キーワード」となる言葉を取り上げ,家族
気持ちの共有化
や親戚の人にとって,自分が大切な存在である
・友だちの発表を聞いて感想を書く。
ことに気付かせる。
支えてくれる
人がこんなに
いるんだな
みんな同じ
なんだな
【キーワードとなる言葉】
「嬉しかった」 「喜んだ」
「心配した」
「安心した」
【板書の工夫】
たくさんの人が「自分」を取り
囲むように記入する。
・待望の第一子が生まれ,本当に
可愛くて可愛くてとても嬉しかった。
・初めてハイハイをしたときは,
成長を感じて嬉しかった
○母親の手紙「我が子へ」のテープを聞く。
* 我が子によせる親の思いをかみしめながら手
紙を聞くように助言する。
・この手紙を読んで,自分が親に
とってどれ程大切かを知った
・僕はこの文章を読んで,母への
感謝そしてこの世に存在して
いることに感謝しています
○(資料から離れた内面化)
* 自分の考えや感想をワークシートに書くこと
今日の授業について感想を書き,発表し合う。 によって,自分自身を振り返らせる。
*いろいろな考え方があることを知り,自分の
たくさんの人に
考えを広げ,深めさせるために,たくさんの生
支えられてきた
徒を指名して発表させる。
命を大切にしたい
・勉強で 100 点取ったりする
ことよりも,笑顔だったり
日々の会話の方が何倍も
ステキなものなんじゃないか
なぁって私は思いました。
・私が生まれただけで,いろ
真剣に感想を書く
いろな人が喜び心配して
くれていた事に気づきました。
終末 ○映像資料を再度視聴する。
5分
○考
* 映像に自分を重ねることで,命についての思
いを深めさせる。
*生徒の感想に賛意をもって終わる。
察
「今日の授業について」の感想では,上記以外に以下のような感想が得られた。
同様の感想も多く見られたことから,本時のねらいを達成できた生徒が多かったように思われる。
本時では,3つの資料を効果的に用いることや,板書をする際の位置や色を工夫することで,ねらいに迫
ることができるようにした。