九州南部における記録的な大雨

株式会社工学気象研究所
平成 27 年 7 月 8 日(木) Ver.1.0
九州南部における記録的な大雨
= 6月1日から7月6日までの総降水量(速報) =
■ 九州地方における6月1日から7月6日までの総降水量 ■
図 1 に九州地方におけるアメダス地点の今年の6月1日から7月6日までの総降水量の分布図を示す。図中
に示したアメダス地点の総降水量の1位はアメダス吉ケ別府の1947.5mm となった。上位1~10位までを表
1に示す。
参考までに、九州地方の各県の気象台の6月の月降水量の平年値(1981-2010)(表 2)と比較すると、今年
の6月1日から7月6日までの総降水量は、九州北部(福岡・佐賀・長崎)で平年並み、九州中部(熊本・大分・
宮崎)で平年の約2倍、九州南部(鹿児島)で平年の約3倍となっている。
表1 6月1日から7月6日までの
総降水量の上位1~10位
順位
地点名
総降水量
1位
吉ケ別府
1947.5 mm
2位
えびの
1883.5 mm
3位
喜入
1699.0 mm
4位
内之浦
1653.0 mm
5位
指宿
1649.5 mm
6位
鹿屋
1637.0 mm
7位
肝付前田
1636.0 mm
8位
輝北
1632.0 mm
9位
鹿児島
1611.0 mm
10 位
田代
1587.0 mm
表2 九州地方の各県の気象
台の6月の月降水量の平年
値(1981-2010)
えびの
1883.5 mm
喜入
1699.0 mm
吉ケ別府
1947.5 mm
指宿
1649.5 mm
地点名
6 月の月降水
量の平年値
福岡
254.8 mm
佐賀
339.0 mm
長崎
314.6 mm
大分
273.8 mm
熊本
404.9 mm
宮崎
429.2 mm
鹿児島
452.3 mm
内之浦
1653.0 mm
図1 九州地方のアメダス地点における6月1日~7月6日までの総降水量
(上図は、気象庁観測データ 1)をもとに、工学気象研究所が作成)
pg. 1
■ 鹿児島県垂水市で土石流発生 ■
6月24日23時頃、鹿児島県垂水市牛根地区深港川の上流で土石流が発生し、国道220号が通行止めと
なった。7月5日未明に再び同じ所で土石流が発生し、7月6日(月曜日)も国道220号は通行止めとなってい
る 2)。
土石流が発生した地点に一番近いアメダス輝北の6月1日からの7月6日までの 1 時間降水量と総降水量の
推移を図2に示す。6月2日に梅雨入りしてから7月6日までの総降水量は1632.0mm に達している。
■アメダス輝北■
1時間降水量(mm/h)
6月1日から総降水量(mm)(右目盛)
1 50
時
間 40
降
水 30
量
20
m
m 10
/
h
0
総降水量
1632.0mm
2000
(
総
1600 降
水
1200 量
(
m
m
)
800
400
)
0
6/1
6/6
6/11
6/16
6/21
九州南部梅雨入り
6月2日頃
6/26
垂水市 土石流
6月24日23:00頃
7/1
7/6
垂水市 再び土石流
7月5日未明
図2 アメダス輝北の2015年6月1日から7月6日現在までの「1時間降水量」と「総降水量」
(上図は、気象庁観測データ 3)をもとに工学気象研究所が作成)
■情報元■
1)気象庁,過去の気象データ・ダウンロード,http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php
2)鹿児島県垂水市,平成 27 年 6 月 22 日からの大雨に伴う土砂災害警戒体制,
http://www.city.tarumizu.lg.jp/hisho/kurashi/bosai/bosai/taisaku/h270622.html
3)気象庁,過去の気象データ検索,http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
なお、使用している 2015 年 6 月~7 月の気象庁のデータは速報値のため、後日修正される場合があります。
■問い合わせ先■
株式会社 工学気象研究所
〒113-0033 東京都文京区本郷 1-30-17 エムアールビル 6 階
URL http://www.kougakukishou.co.jp
Tel 03-5800-0241
pg. 2
Copyright(c)Meteorological Research Institute for Technology co.,ltd All Rights Reserved.