爪専門外来(巻き爪外来)のご案内

爪専門外来(巻き爪外来)のご案内
当科では形成外科・皮膚科連携のもと爪疾患の総合的な治療を提供します。爪
の専門外来は全国の大学病院・一般病院においてもほとんど取り組みがなく、
当科がその牽引役となることが期待されています。
当診療科の対象疾患
巻き爪、陥入爪、肥厚爪、爪白癬(みずむし)、爪の変形、匙状爪、良性腫瘍、
悪性腫瘍など爪に関するあらゆる疾患
腫瘍による爪の陥凹
爪切りが困難な肥厚爪
爪の役割
爪は「指の先端の背面にある表皮の角質が硬化してできた皮膚の付属器」と定
義されます。また綺麗な爪は女性らしさの象徴であり、お洒落のアイコンとし
ても注目されています。爪の役割は指先の保護、えぐる、引っ掻く、指先に力
を加えて蹴りだす際に力を増強する、バランスをとる、手の細かい作業を行う
際の支持組織となります。つまり接触の圧によって指先の肉が指先方向にずれ
るのを防ぎ、操作の精度を高めています。爪がなくなると指先に力が入らず、
蹴りだせない、立位や歩行のバランスが悪くなる、細かい作業ができないなど
の支障がでます。
爪の構造
爪疾患による弊害
爪疾患があると、バランス機能が低下したり、疼痛による無理のある歩き方と
なり、転倒・転落の危険性が増します。歩行時の痛みによって、運動ができな
い、遠出が苦痛となるなど生活に支障が出ます。また爪疾患があると転倒リス
クが 2 倍以上となるという報告もあります。高齢者の寝たきり予防にも正しい
爪のケアが必要です。
巻き爪・陥入爪
巻き爪は爪の曲率が増加している状態、陥入爪は爪の縁が周囲の皮膚に食い込
んだ状態と定義され、この二つは合併することも多くあります。巻き爪・陥入
爪になると整容的な問題で爪を露出する靴が履けなくなったり、炎症や疼痛に
よってスポーツができない・歩行困難による転倒リスク増加などの弊害が生じ
ます。国内では約 1300 万人が罹患しているとされる頻度の高い疾患です。巻き
爪・陥入爪の原因は、これまで不適切な履物、深爪、遺伝、白癬、外傷と考え
られていましたが、当院の研究により世界で初めて物理的刺激が関与している
ことを証明しました。
爪が強く弯曲した巻き爪
炎症をおこした陥入爪
巻き爪治療
当科では安全で疼痛の少ない巻き爪治療を目指し、下記のような治療を導入し
ております。保険診療・自費診療を用いて、患者さんのライフスタイル・ご予
算に合った治療法を提案します。
1.テーピングによる治療:テーピングにより爪の食い込みを軽減します。
2.軟膏による治療:爪を柔らかくする軟膏を用いて爪を矯正します。
3.矯正器具による治療:そがわ式、VHO、マチワイヤー・マチプレート、
BS ブレース、アクリル爪など。
4.手術による治療:鬼塚法、側爪郭形成術、フェノール法、レーザー法、
5.靴・インソール・歩行指導による治療
:足に合っていない靴の装着や間違った歩行により巻き爪や爪肥厚など爪変形
の原因となることが分かっています。
6.その他の爪矯正治療:爪アイロン法、爪の菲薄化・溝掘りなどにより爪の
形を改善します。
7.肉芽の治療:ガター法、コットン法など。
8.原疾患の治療:爪白癬、腫瘍など爪が弯曲する原因を改善します。
外来日
2015年3月中
火曜日・木曜日9:00~16:00
2015年4月~
月曜日09:00~16:00
水曜日13:30~16:00
お問い合わせ先
外来は予約制です。来院される前に電話でご確認をお願いします。
住所:〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5
日本医科大学付属病院 03-5814-6451(医療連携室)
予約については、http://hosp.nms.ac.jp/page/206.html を参照ください。
受診の流れはこちらを参照ください。ご来院前にお読みいただきますと、より
スムーズに診療を受けていただけます。
http://hosp.nms.ac.jp/gairai/jushin/index.html
外来担当医
佐野仁美
2014年 東京大学大学院 卒業
医学博士・日本形成外科学会専門医
爪変形性疾患・難治性創傷治療が専門。安全で痛みの少
ない効果的な治療がモットー。臨床のかたわら、臓器・
組織・細胞が物理的環境により制御されていることに着
目したメカノバイオロジーの研究やメカノバイジ―を応
用した治療であるメカノセラピーの開発を行っている。
爪に関する主な研究業績
1. Hitomi Sano, Shigeru Ichioka, Influence of mechanical forces on the nail
configuration, Dermatology. 2012;225(3):210-4.
2. Hitomi Sano, Kaori Shionoya, Rei Ogawa, Finger Nail Configuration is Influenced
by Mechanical Forces on Finger Pads. J Dermatol. 2013;40(12):1056-7.
3. Hitomi Sano, Rei Ogawa, Role of Mechanical Forces in Hand Nail Configuration
Asymmetry in Hemiplegia: An Analysis of 400 Thumb Nails.
Dermatology.2013;226(4):315-8.
4. Hitomi Sano, Kaori Shionoya, Rei Ogawa, Impact of mechanical forces on finger
nail curvature: An analysis of the impact of different occupations on 332 finger
nails. Dermatol surgery. 2014 ;40(4):441-5.
5. Hitomi Sano, Rei Ogawa, Clinical evidence for the relationship between nail
configuration and mechanical forces. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2014:7;2(3):e115.
6. Hitomi Sano, Rei Ogawa. A Novel Non-surgical Treatment for Pincer Nail that
Involves Mechanical Force Control: A Case Report. Plastic and Reconstructive
Surgery - Global Open. In press.
7. Hitomi Sano, Rei Ogawa. Morphological Changes of Toenails in Hemiplegia:
Toenail Configuration is Determined by the Mechanical Forces on the Foot. In
‘Hemiplegia: Symptoms, Causes and Treatment’._NOVA, 2015.
8. Hitomi Sano, Rei Ogawa. Mechanobiology and Mechanotherapy for the Nail.
In‘Mechanobiology: Exploitation for Medical Benefit’ Wiley-Blackwell, in
press.
受賞歴
1. 2009 年度
東京大学形成外科同門学術集会. 波利井賞 受賞
2. 2011 年
1st International conference of adipose tissue. Best paper 受賞
3. 2012 年度 日本形成外科学会 学術奨励賞【臨床部門】受賞
4. 2013 年度 東京大学形成外科同門学術集会. 同門会賞 受賞
他、講演会、セミナー、国内外での学会発表など多数
メディア掲載
●
2013 年 5 月 23 日 専門ドクター監修エイジングケア総合
サイト~からだエイジング~にて、巻き爪の原因と治療に
ついて解説しました。
http://www.karada-aging.jp/sign/beauty/others06
●
2014 年 2 月 10 日 クロワッサン「~あきらめていません
か?今これ治せるかも~」にて巻き爪の最新の研究と治療
について、解説しました。
●
2015 年 1 月 19 日 医療健康総合ポータルサイト Fine
Docotor に て 爪 の 異 常 に つ い て 解 説 し ま し た 。
http://pc.fdoc.jp/case/article.html?id=89
● 2015 年 3 月 19 日
東京スポーツ新聞「名医の診察室」にて、紹介されました。
関連・協力施設
1.大木皮膚科
〒143-0023 東京都大田区山王2―5-1 田中ビル1階
03-3776-2220
最寄り駅:大森駅
http://www.oki-hifuka.jp/?mode=pc
2.そがわ医院
〒769-1508
香川県三豊市豊中町下高野1091
電話番号:0875-62-2357
E-mail:[email protected]