弘前高等学校/佐藤 絵理加さん

弘前高等学校 佐藤 絵理加 親がいないところでの自分の力を試したい。海外に行ってみたい。エネ
ルギーについて知りたい。この3つのことを考えて応募したこの研修会。
もちろん今まで全く知らなかったメンバーと衣食住を共にし、エネルギー
という今まであまり知らなかったことについて学ぶということに不安を
感じなかったわけではありません。しかし、それ以上に今までにない期待
を抱いていました。第1回、第2回の研修ではエネルギーを勉強するとい
うことの楽しさを知りました。エネルギー問題はこれが絶対という解決策
はありません。また、日本人の多くは現在なんとかなっているから将来も
どうにかなるだろうと考えがちだと思います。私もこの研修に参加するま
では、なんとなくエネルギーに興味を持っていたものの、日本のエネルギ
ー自給率や現在日本が抱えているエネルギー問題などについてはあまり
詳しく知りませんでした。しかし、第1回、第2回と研修を重ねていく内
に、日本にとっていかに原子力発電がありがたい発電方法であるか、また
東日本大震災で事故が起こった福島の原子力発電所に対して、安全に停止
した女川原子力発電所があるということなどを知ることができました。そ
して、海外研修で特に興味を持った施設はフランスにあるラ・アーグ再処
理工場です。六ケ所の再処理工場の見本となった工場ということで、もち
ろん似ている点もたくさんありましたが、異なる点もいくつかありました。
1つ例を挙げると、燃料集合体を再処理するときに行われる、せん断、溶
解、分離、精製という4つの工程はフランスの技術をそのまま取り入れた
そうですが、その後に行われる脱硝、ガラス固化という 2 つの工程は日本
の技術を採用しているという点です。脱硝、ガラス固化の工程においては
フランスの技術と当時日本で研究されていた技術を比較した結果、日本の
技術を採用することになったそうです。また、アレバ社では近くの住民が
食べるものの放射線を測定しています。そして町の中にも放射線測定器を
置いて、常時放射線量を測定しており、測定を行っている3社の数値を比
べるといつも一致しているそうです。このように放射線は微量だと決して
危険ではないということを日本人ももっと勉強するべきだと思います。 エネルギーを勉強したことで何よりうれしかったのは日本が今後選択
すべきエネルギーについての明確な自分の意見を持つことができたとい
うことです。もちろん私が原子力発電に賛成、反対したからと言って日本
のエネルギー事情が変わるわけではありません。でも自分は今回青森県の
中から選ばれて海外に行きエネルギーについて学んできた者として、周り
の十分な知識を持たずして原子力発電を非難している人たちに正しい知
識を教えていくべきだと思います。そしてそれは私たちがすぐに実行でき、
一番効果があることだと思います。 "All feeling"これは今回の研修に参加した私たち6人の合言葉です。
「みんなで全部感じろ!」海外研修に行く前にみんなで約束したことです。
メンバー全員が訪問した施設では本当に真剣に話を聞いていました。エネ
ルギー関連施設だけでなく、いくつかの観光名所も見学させていただきま
したが、はしゃぐときはとことんはしゃいで、学ぶときは頭を切り換えて
とことん学ぶ。私たちはこのメリハリがなかなかに上手くできていたので
はないかと、このメンバーのリーダーとして自負しています。この6人で
本当に貴重で本当に素敵な経験ができました。 現地の高校生との交流は今まで生きてきた中で一番楽しい時間でした。
緊張と楽しみとがぐちゃぐちゃに混ざって、心臓が飛び出しそうになりま
したが、慣れてくると自分が言いたいことをはっきりと英語で伝えられる
ようになりました。何人かの現地の高校生と連絡先を交換できてこれから
も連絡を取り合えるというのがとてもうれしいです。メンバーの中にはも
ちろん英語が苦手な子もいましたが、その点は英語が得意なメンバーが上
手くカバーできたと思います。私自身も含め、本当にみんな英語が急速に
上達しました。日本に帰ってからも英語の勉強をがんばりたいと思いま
す! 当然のことながら最初はお互いに名前も顔も知らなかった私たち。楽し
みや不安などいろいろな気持ちを抱えながら二度の研修を経て、海外研修
までなんとかたどり着くことができました。この6人が今回こうしてこの
研修に参加したというのは偶然ではなく、必然であると私は思います。こ
の研修がこんなにも楽しく、こんなにも充実していたのはメンバーのおか
げでもあり、準備、同行してくださったみなさんのおかげです。本当にあ
りがとうございました。これからも積極的にエネルギーの勉強をしていき
ます!