2015 - 三好化成工業

環境社会報告書
2015
-1-
社長挨拶
三好化成工業㈱は合成樹脂の生産を通じて、
人と地球環境にやさしい製品を供給すること
により社会に貢献し、自然環境との調和及び
地域社会との共生を大切にし、環境管理活動
を推進することを経営の最重要課題の一つと
して挙げています。
当社は、塗料用の合成樹脂を生産しており、
現在は製造量の約半数が環境対応型の水性
塗料用樹脂です。
2001年にISO14001の認証を取得し、環境マネジメントシステムを構築し、
地球環境保全活動に全社一丸となって取り組んでいます。
具体的には、廃熱を利用したボイラーの設置や合成樹脂反応時の加熱方法の最適化等に
より、CO2排出削減、無駄なエネルギー使用の削減に努めています。
また、産業廃棄物の排出削減にも鋭意に取り組み、これら環境負荷低減に対する取組み
の意義を一人ひとりが認識し、実効の上がる活動を進めていくと共に、従業員のための
安全で快適な職場作りを進めています。
また、騒音問題や臭気問題等への対策にも積極的に取り組み、地域社会へ配慮した、環
境へやさしい企業となるべく、引き続き活動を進めてまいります。
本書をご高覧いただき、三好化成工業㈱の環境及び社会に対する貢献活動について
ご理解をいただければ幸甚です。
2015年6月吉日
代表取締役社長
平松
靖博
会社概要
社
所
在
設
資
従
本
業
員
名
三好化成工業株式会社
地
愛知県みよし市莇生町郷浦1番地
立
1968年(昭和43年)2月 1日
金
1億5千万円
数
56名
ホームページ
事
業
内
-2-
2015年3月31日現在
容
http://www.miyoshi-kasei.co.jp/
関西ペイント㈱、ハリマ化成㈱向けの塗料用合成樹脂
(主に自動車用、他に工業用・建築用・家庭用・自動車補修用などの塗料)
生産数量の推移
売上高の推移
従業員数の推移
沿革
受賞
昭和43年 2月
設立
昭和43年10月
樹脂反応槽2基:アルキド樹脂生産開始
昭和45年 5月
樹脂反応槽1基増設
昭和49年11月
樹脂反応槽1基増設
昭和53年 1月
メラミン樹脂生産開始
昭和61年 4月
アクリル樹脂製造設備増設
平成 2年 9月
カチオン樹脂製造設備増設
平成17年 1月
水性アクリルエマルション製造設備増設
平成20年 2月
創立40周年
~平成 9年
省略
平成10年 9月
TPM優秀賞第2類受賞
平成11年 9月
ISO9002認証取得
平成13年 3月
ISO14001認証取得
平成13年 6月
環境美化運動 : 三好町(現みよし市)表彰
平成14年 1月
危険物安全管理 優秀 : 尾三消防本部表彰
平成14年 6月
ISO9001認証取得
平成17年 2月
エネルギー管理優良工場 : 中部経済産業局長賞表彰
平成20年 6月
危険物安全管理工場 : 消防庁長官表彰受賞
平成21年 2月
エネルギー管理優良工場 : 資源エネルギー庁長官表彰
平成22年 5月
無災害記録(区分1)確認証 : 日本化学工業協会授与
-3-
三好化成工業とは・・・
環境性能の高い製品づくりを通じて、
地域との共生、社会への貢献を目指しています。
美観を維持し、防食・防錆機能を生む塗料は、重要な産業素材のひとつです。
当社は、塗料製造に欠かせない原料である樹脂の専門メーカーとして1968年に創業しま
した。
当社が製造する各種塗料用樹脂は、塗料業界トップ企業であり高性能製品で塗料の新時代を
リードする関西ペイント㈱と、「松」由来のパインケミカル分野で自然の恵みを暮らしに活か
すハリマ化成㈱から受け継いだ化学合成技術により、両社における原料サプライヤーとして
わが国の化学産業の一翼を担っています。
化学合成分野は無限の可能性を秘めていますが、周辺環境への負荷との関わりも大きく、メ
ーカーとして最新の配慮が欠かせません。当社は今後も安全・安心を確保した環境性能に優
れた製品づくりに取り組み、地域と社会に貢献できる企業を目指して努力を重ねて参ります。
塗料用樹脂とは・・・
高度に自動化された工場で質の高い塗料用樹脂の生産に取り組んでいます。
私たちの身の回りには、「保護」・「美粧」・「特別な機能の付与」・「環境への対応」という役割
を備えた、自動車や工業製品、家電製品、建築用から一般用まで多種多様な塗料があふれて
います。それらの原料となるのが塗料用樹脂です。
当社では現代社会を支える塗料用樹脂を、自動化された最新の工場で製造しています。
顔料
Pigment
当社で製造している塗料用樹脂の種類
●アルキド樹脂
添加剤
Additive
塗料
樹脂
Paint
Resin
●アクリル樹脂
●メラミン樹脂
●水性ベースコート用
アクリルエマルション樹脂
溶剤
Solvent
●カチオン電着エマルション
一般的な塗料は、顔料・樹脂・溶剤・添加剤の4つの要素から成り立っています。
当社では、独自の技術を生かし樹脂を製造しています。
地球環境保全に関する経営方針
環境方針 (ISO14001)
環境マネジメントシステムの国際標準規格であるISO14001の認証を2001年
3月に取得、登録致しました。以降、3年に1度の更新審査と、更新審査以外の年には
維持審査を受けています。
2015年1月には、維持審査で継続を行いました。
三好化成工業(株)は、以下の環境方針を定め、活動しています。
環境マネジメント運用組織
-4-
事業活動における環境負荷低減
-5-
地球温暖化防止
2013年度に行った熱媒ボイラー用の廃熱回収ボイラを設置したことに続き、2014年度
は、廃水焼却炉用の廃熱回収ボイラを新設しました。
焼却炉燃料として、灯油を新たに導入していますが、上記廃熱ボイラによる省エネ効果と、
日々の省エネ活動の効果により二酸化炭素排出量、電気使用量ともに原単位減少となりました。
今後も二酸化炭素排出抑制、エネルギー使用量抑制への活動を進めていきます。
●二酸化炭素排出量削減の推進
2014年度の二酸化炭素排出量は、4,606トンでした。
原単位は147.9kg-CO2/tonとなり、3年連続の減少となっています。
CO2排出量の推移
●省エネルギーの推進
2014年度の電力使用量は、4,782千kwhでした。
原単位は153.6kwh/tonとなり、5年連続減少となっています。
また、エネルギー資源の使用状況(原油換算)は、2,278KLでした。
原単位は73.2L/tonとなり、2014年比で2.5%の減少となりました。
電力使用量の推移
原油換算使用量の推移
-6-
水資源・水質汚濁防止
上水・工業用水・地下水を、必要に応じて利用することで、効率的使用に努めています。
水資源の主な用途
配合水
メラミン樹脂・水性塗料用樹脂製造用の原料
プロセス水 製造設備の洗浄水、ボイラー等の加熱用蒸気、合成樹脂製造設備の冷却水等
生活水
飲料水、洗面台、食堂、風呂、トイレ等
●節水への取り組み
3年連続して、原単位の減少となりました。
引き続き、水資源使用量の削減に努めていきます。
水使用量の推移
2014年度の水使用量内訳
●水質汚濁防止への取り組み
節水とともに、生活排水として流してもよい水と、廃水として処理すべき水の区別を明確
にしています。また、洗浄廃水の処理方法の改善やリサイクル化など、水質汚濁物質の排
出そのものを抑制する取り組みを実施しています。
COD・BOD・SS排出量の推移
対象項目
基準値(※)
2010
2011
2012
2013
2014年度
COD(mg/L)
40以下
2.3
1.6
2.1
1.9
1.4
BOD(mg/L)
40以下
4.5
1.1
1.4
1.5
2.2
SS (mg/L)
40以下
2.3
2.0
3.3
1.3
1.7
※みよし市公害防止協定より
-7-
大気汚染防止
●大気汚染防止への取り組み
製品製造において、熱媒ボイラーや水蒸気ボイラーの燃料として重油を使用していました。
これらの燃料を2008年度に都市ガスに変換したことにより窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化
物(SOx)、煤塵の大気排出を削減する等、地球に優しい環境を目指しています。
Nox・Sox・煤塵排出量の推移
●熱媒ボイラー
ばい煙発生施設 排出基準(※)
2010
2011
2012
2013
2014年度
0.2以下
0.002未満
0.002未満
0.004未満
0.003未満
0.003未満
SOx (Nm /h)
(総量規制)
ND
ND
ND
ND
ND
NOx (ppm)
200以下
57
42
52
56
52
3
煤塵(g/Nm )
3
ND:定量限界未満を示す
●蒸気ボイラー
ばい煙発生施設 排出基準(※)
2010
2011
2012
2013
2014年度
0.2以下
0.002未満
0.002未満
0.002未満
0.002未満
0.002未満
SOx (Nm /h)
(総量規制)
ND
ND
ND
ND
ND
NOx (ppm)
200以下
79
43
56
56
56
3
煤塵(g/Nm )
3
ND:定量限界未満を示す
※愛知県公害防止条例・みよし市公害防止協定より
輸送安全
●イエローカード
化学物質の物流過程における、安全性確保と万一の事故発生時の適切な対応を目的として、
輸送業者に緊急連絡先や応急措置について簡潔にまとめ、輸送中に携帯してもらうイエロー
カード(緊急連絡カード)を採用しています。
記載内容は、品名、該当法規、危険有害性、事故発生時の応急処置、緊急通報、緊急連絡先、
災害拡大防止措置の方法を記載しています。
(例)
品名
廃油 (油性 第2石油類)
1/2
品名
廃油 (油性 第2石油類)
該 当 法 規 ・ 危 険 有 害 性
毒物及び
劇物取締法
消 防 法
類 別
性 質
第 第 第 第 第 第
1 2 3 4 5 6
引火性
液体
類 類 類 類 類 類
品名
第2
石油類
災 害拡大 防止措 置
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
毒 劇 特 汚 廃 廃
定 毒 物 物 物 泥 油 酸
廃
ア
ル
カ
リ
特別管理産業廃棄物
汚
泥
廃
油
危 険 性
有 害 性
有害ガス発生
禁水性
廃
酸
廃
ア
ル
カ
リ
特
定
有
害
爆発性
可燃性
常温
加熱時
火災時
水に
接触
●
①火気厳禁。エンジンの熱や火花は着火源となる。
②危険を伴わない場合は、漏洩部を塞ぐ。
●
●
特
性
漏洩したとき
環境汚染性
性 状
眼・皮膚
に触れる
と危険
河川への
流入注意
水
固 液 気
溶
体 体 体
性
●
●
●
事故発生時の応急措置
① 車を安全な場所に移動する。(人ごみや人家を避け、出来るだけ交通の障害にならないような
場所に移動し、車止めをする。)
② 事故の発生を大声で告げ、下記事項を消防署及び警察署に通報し、人を風上に退避さ去る。
③風下の人を退避させ、漏洩した場所の周辺への立ち入りを禁止する。
④付近への流出拡大防止の為に、周囲を土砂等で囲い、砂、ウエス等に
吸着させて空容器に回収する。
⑤回収作業を行う時は、保護メガネ、保護手袋等を着用し、風上から行う。
周辺火災のとき
①容器を安全な場所へ移す。
②容器が加熱されている場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
③ 付近の可燃物を遠ざける。
救急処置
④ 保護具を着用し、漏れを止め、回収又は消火を行う。
緊急通報
119 (消防署) 110 (警察署) 高速道路の非常電話
[ 緊急通報例 ]
1. いつ
2. どこで
3. なにが
4. どうした
5. ケガ人は
6. 私の名前は
○○時○○分頃
○○市○○地区(国・県・市)道○○号線 ○○付近で (目印になるもの確認)
「廃 油」が
飛散しています、 飛散して火災になっています。
ケガ人がいます(救急車をお願いします) ケガ人はいません
○○運送会社 ○○です
緊急連絡 ( 特に休日・夜間に確実に連絡が取れる部署の電話番号を記入する )
運送会社
三共運輸 株式会社
住 所 愛知県みよし市莇生町郷浦1番地
荷主会社
三好化成工業株式会社
住 所
山口県山陽小野田市有帆70-17
電 話
電 話
平日・昼間
(0561)32-2791
夜間・休日
(0561)32-2791
安全環境グル-プ 野口
携帯電話 090‐6085‐1134
平日・昼間
(0836)-83-3455
休日・夜間
(0836)-83-3455
①目に入った場合
多量の水で15分以上洗い流し、医師の手当てを受ける。
②皮膚に付着した場合
多量の水で洗い流し、医師の手当てを受ける。
③衣服・靴にかかった場合
直ちに衣服・靴を脱がせて多量の水で十分に洗う。
④吸入した場合
直ちに新鮮な空気の場所に移し、安静。保温をし、医師の手当てを
受ける。
2/2
-8-
産業廃棄物排出量削減
●産業廃棄物削減への取り組み
産業廃棄物に関して、Reduse(発生の削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)の
3R活動に加え、Retrieve energy(エネルギー回収)、Refine(質向上)の5R活動を
推進しています。
2014年度は前年度に比べ、産業廃棄物発生量が大きく増加していますが、これは従来
社内で燃料として使用していたものを社外委託して全量再生利用する方法に切り替えたこ
とが影響しています。又、埋立て処理として分類されていた廃棄物について、10月より
5Rへ転換させることとなり、以降は社外委託産業廃棄物のリサイクル率100%となっ
ています。
(社外委託)産業廃棄物発生量の推移
2014年度の社外委託産業廃棄物排出量の内訳
●社内処理への取り組み
廃水焼却炉の設備を持ち、樹脂製造工程で発生する廃水を社内で焼却処理しています。
また、これまで特別管理産業廃棄物処分業の許可を得て、関連会社の引火性廃油の処理
を行っていましたが、2013年度末で終了し、処分業許可も返上しています。
社内焼却処理量の推移
-9-
廃水焼却炉の維持管理
右写真は、自社敷地内に設置している廃水焼却炉です。
煙突から出ている白い煙(排出ガス)は、水蒸気です。
廃水焼却炉の安定かつ安全な運転を継続するため、日々
運転状況の確認と、メンテナンスを行っています。
また、排出ガス中の対象物質濃度についても、定期的な
測定を行っています。
これらの維持管理により、2014年度も運転状況・排
出ガス濃度ともに、異常ありませんでした。
2014年度維持管理状況を、廃棄物の処理及び清掃に
関する法律に基づき、公開致します。
写真:廃水焼却炉
2014年度の廃水焼却炉 運転管理状況(月別)
上期
月間処理量 (ton)
焼却炉内部温度(℃)
集塵機入口温度(℃)
一酸化炭素濃度(ppm)
基準値(※)
下期
月間処理量 (ton)
焼却炉内部温度(℃)
集塵機入口温度(℃)
一酸化炭素濃度(ppm)
基準値(※)
4月
150
862
98
36
5月
142
862
74
39
6月
160
862
73
35
7月
160
862
73
35
8月
115
862
75
37
9月
167
862
74
35
10月
168
862
74
36
11月
128
862
74
38
12月
120
865
83
27
1月
134
862
73
23
2月
141
862
73
24
3月
164
862
74
22
―
800以上
200以下
100以下
―
800以上
200以下
100以下
・連続測定の月平均値を記載。
2014年度の廃水焼却炉 煙突からの排出ガス測定結果
対象項目
硫黄酸化物(Nm 3/h)
煤塵 (g/Nm 3 )
窒素酸化物(ppm)
塩化水素 (mg/Nm 3 )
採取月日
基準値(※)
11月13日
0.0027
ND
62
ND
5月14日
0.002未満
0.002
89
0.3
1.15以下
0.7以下
250以下
80以下
・硫黄酸化物・煤塵・窒素酸化物・塩化水素は、6ヶ月に1回測定し、記載。
廃水焼却炉のダイオキシン類測定結果の推移
規制値(※)
ダイオキシン類濃度
(ng-TEQ/m3N)
3
10(ng-TEQ/m N)以下
2010
2011
2012
2013
2014年度
0.00062
0.00670
0.04300
0.00077
0.00014
・ダイオキシンは、1年毎に1回測定し、記載。
※大気汚染防止法・愛知県公害防止条例・みよし市公害防止協定より
詳細情報をお知りになりたい方は、安全環境グル-プ(0561-32-2791)までお問い合わせ
下さい。
-10-
PRTR対象物質の移動量と環境への排出量
PRTRとは、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい
環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれてどれくらい事業所の外に運び出された
かというデータを把握し、集計し、公表する仕組みです。
同時に、化学物質を取り扱う事業者の自主的な化学物質の管理の改善を促進し、化学物質
による環境の保全上の支障が生ずることを未然に防止するという目的につなげています。
2014年度は、化学物質把握管理促進法で届出対象と定められた物質(政令指定物質)
462物質のうち、24物質が報告の対象となりました。取扱量の多い上位5物質につい
ては、ほぼ横ばいとなっています。
2014年度 PRTR対象物質の取扱量および移動量、大気・水域排出量
政令NO
PRTR対象物質名
3
アクリル酸エチル
4
アクリル酸及びその水溶性塩
6
取扱量
(ton)
移動量
(kg)
大気排出量
(kg)
水域排出量
(kg)
0.0
306.3
2.3
29.5
19.2
32.1
0.9
9.2
アクリル酸2-ヒドロキシエチル
215.2
1.9
0.0
0.0
7
アクリル酸ノルマルブチル
197.3
2.3
10.9
0.0
8
アクリル酸メチル
17.7
29.8
15.0
0.9
16
32.3
16.3
0.0
1.6
634.7
185.9
0.0
31.7
53
2,2-アゾビスイソブチロニトリル
4,4'-イソプロピリデンジフェノール
(別名ビスフェノールA)
エチルベンゼン
1098.5
318.3
121.4
49.1
73
1-オクタノール
205.2
50.8
13.6
0.0
80
キシレン
1238.7
358.9
136.9
55.4
240
スチレン
471.2
2.3
30.4
0.0
37
243
ダイオキシン類(単位:mg-TEQ)
298
トリレンジイシシアネート
300
トルエン
391
ヘキサメチレン=ジイソシアネート
411
ホルムアルデヒド
413
無水フタル酸
414
415
416
-
-
-
4.0
7.0
0.0
2.0
73.9
67.7
22.6
1.9
171.1
1.0
0.0
0.0
383.3
93.3
32.0
19.2
1538.5
34.5
0.0
0.1
無水マレイン酸
10.8
45.6
0.0
0.5
メタクリル酸
32.2
47.2
0.4
15.9
メタクリル酸2-エチルヘキシル
72.6
123.3
1.4
35.8
417
メタクリル酸2,3-エポキシプロピル
69.8
1.1
0.3
0.0
418
メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル
3.3
6.0
0.1
1.6
419
メタクリル酸ノルマルブチル
159.1
2.0
12.1
0.0
420
メタクリル酸メチル
609.1
3.2
163.7
0.0
PRTR対象物質の年間取扱量の推移 (対象:使用量の多い上位5物質)
-11-
環境保全への取り組み・地域社会との共生
安全活動
危険物を取り扱う当社では、万が一の事態に備えて、日頃から消防訓練やKYT(危険予
知訓練)や他社製造会社の事故事例などを題材にした安全懇談会を行っており、従業員の
安全だけでなく、周辺住民の方々に安心して生活していただける様、心掛けています。
●表彰
2008年に、10年以上無災害の記録を持つ企業のみに
与えられる、優良危険物関係事業所 消防庁長官賞を受賞
しました。
●事故災害の発生を防止する活動の展開
■人的要因による災害・事故防止活動
■事故災害防止のための設備機器点検
1.経営トップによる安全宣言
2.経営トップ自ら職場安全行動ベルパトロール
3.職場安全懇談会による全員の安全意識向上
4.安全速報! 他社事故事例紹介
5.3現KY演練による危険予知活動
1.安全総点検実施
2.静電気対策・教育
3.アースの実施状況点検
4.中央環境安全衛生診断
●労働災害件数の推移
2014年度は、人的不休災害を1件発生させてしましました。
しっかり対策をとって、より一層、全社で災害への意識を高めて次年度以降はゼロ災を
目指します。
人的災害件数の推移
物的災害件数の推移
●全社防災訓練の実施
緊急事態(火災・流出・地震等)を想定した訓練を定期的に実施しています。
2014年度も関西ペイント㈱視察時に、全社合同防災訓練を見て頂きました。
-12-
安全活動 ~事故災害発生の未然防止に向けて~
●職場安全行動ベルパトロール
前社長が当社へ就任した2009年から、経営トップ自ら巡回する「職場安全ベルパトロール」
を始めました。毎日、午前と午後の2回行っています。
ここでは、製造現場では不安全とされる突起物・故障物・不要物の早期発見や、臭気・騒音・
照度の状態確認、従業員の体調把握など、あらゆる視点からの職場環境の安全性向上を目的と
しています。
2014年度までの期間で指摘件数は4,200件以上となり、その1つ1つに対して担当部署
が処置してきました。
今後も、この活動を継続し、より安全な職場環境を築くことに努めていきます。
写真:代表取締役を含めたパトロールメンバー
安全パトロールによる指摘件数の推移
工場内巡回中の様子
-13-
安全教育
●フォークリフト安全講習会開催
フォークリフトによる事故は全国各地で毎年発生しています。
社内でも日常的にリフトを運転する人、そうでない人とありますが、フォークリフトの
危険性について再認識し、今後も安全走行を心掛けるため、トヨタL&F中部株式会社
の方に、運転安全講習を行って頂きました。
実技講習では社員の数名がテストコースを走行し、その内容に対してどんな点が良か
ったか、何が悪かったか皆で確認することで、普段の運転について見直しをする良い
機会となりました。
●消火競技会
毎年秋に尾三消防本部で開催される、消火競技会に毎年参加しています。普段触ることの
ない水バケツの練習や、消火ホースの扱いを体験できる良い機会となっています。
-14-
臭気対策 ~屋外編~
2005年1月、「水性ベースコート用アクリルエマルション樹脂」の製造が開始されました。
これに伴い、導入された原料が「アクリル酸エチル」でした。この原料は独特の臭気をもち、低
濃度でも非常に不快な印象を与えます。この臭気ガスが大気に放出した場合、社内だけでなく
近隣住民の方にも多大な迷惑をかけることになります。
アクリル酸エチルを使い始めてから目に見えない臭気ガスとの戦いが始まり、現在に至るまで
製造工程や設備の見直し、改善を繰り返し行っています。
●アクリル酸エチル専用の脱臭装置の設置
アクリル酸エチルを使用する際、各製造工程では様々な濃度の臭気ガスが発生します。そこで
専用の脱臭装置を設置し、無臭に処理されたガスを大気に排出しています。
高濃度ガスには触媒燃焼式脱臭装置を、低濃度ガスには竹の消臭作用を利用した竹粉脱臭装置
を使っています。(竹粉脱臭装置は電気代不要です)
写真:触媒燃焼式脱臭装置
写真:竹粉脱臭装置
●アクリル酸エチル入荷時の受入れ口改良
アクリル酸エチルはタンクローリーで入荷しますが、その作業終了後は周辺に臭気が拡散して
いました。そこで、入荷時の作業を一から見直し、設備改善も追加することで、大幅に拡散す
る臭気を減らすことが出来ました。ローリーの運転手さんも快適に作業して頂いています。
改善前
改善後
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臭気対策 ~屋内編~
●においモニターの測定
工場内のアクリル酸エチルを使用する場所や臭気のこもりやすい場所は、「においモニター」
で臭気を数値化して表示しています。これによって、作業環境の改善や設備の不具合箇所の
早期発見につなげています。測定当初は200以上の数値を示していた場所も、現在は一ケ
タにまで改善されています。
写真:においモニター測定中
写真:においモニター結果を表示
●設備局排の改善
製造終了後、使った設備を洗浄します。設備によってはフタを開けて掃除を行うものがあり
ますが、その際に臭気が拡散するため局所排気装置(局排)を設置しています。
しかし、従来の局排では吸気が不十分で、作業時に臭気が拡散しやすい状況にありました。
この局排形状の見直しにより、作業中の拡散ガス量を大幅に減らすことができました。
改善前
改善後
部分的な吸気のため、発生する臭気の大半は拡散。
(モデル図)
局排形状の工夫により、吸引力向上で拡散ガス量が大幅に減少。
(モデル図)
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環境マネジメント活動
●環境教育
教育訓練計画に基づき、すべての従業員を
対象にした環境教育を実施しています。
環境目的・目標の周知、自分の仕事によっ
て環境にどんな影響があるか自覚させるな
ど、啓蒙活動を実施しています。
●内部環境監査員教育
環境マネジメントシステムには欠かせない
内部環境監査員養成教育を計画的に実施し
ています。外部審査及び内部環境監査の実
施により、各部署の継続的改善を進めてい
ます。
写真:外部講師による環境教育の様子
●環境に関する公的資格
当社は、環境保全活動に必要な公的資格に
おいて取得を奨励しています。
また法定管理者を有資格者に委嘱し、適正
に管理しています。
内部環境監査員数の推移
資格
公害防止管理者
エネルギー管理士
危険物取扱者
作業環境測定士
環境計量士
特別管理産業廃棄物管理責任者
廃棄物処理施設管理技術者
電気主任技術者
ボイラ技士2級
人数
3
1
55
2
1
3
1
1
42
●労働安全衛生活動
従業員の労働環境全般、安全活動や健康管理まで、安全衛生に関する全てのことについて
安全衛生委員会で議論・決定し、その内容を従業員へ報告・周知させています。
■労働安全衛生法の改正への対応
法改正により、比較的使用頻度が高い化学物質が
新たに特定化学物質に指定されました。
写真:安全衛生委員会の様子
これにより、作業環境測定や作業記録の保管など
社内管理がより厳しくなり、従来と比べ作業工数
が増える部分もありましたが、本改正内容を委員
会を通じて社員全員に周知させ、法で定められた
規程に則って進めています。
■インフルエンザ患者ゼロ
2014年度は、社員のインフルエンザ患者ゼロでした。
各人の健康管理と、社内での予防接種受診率が高かったことによる効果と実感しています。
来年度も、この状態を維持していきたいと思います。
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リスクコミュニケーション
●非常時対応用備品類の設置
近年日本各地で大きな地震が頻発していますが、近い将来
南海トラフ巨大地震も必ず起こると予想されています。
その際必ず必要となる非常時用備品の種類や数について、
大幅な見直しを行い、従業員全員が3日分過ごす最低限の
備蓄を常時備えています。
また、当社従業員は尾三消防本部にて開催される普通
救命講習を修了しており、緊急時、早急に対処できる
ようにAEDを設置しています。
AED
非常用発電機
自然エネルギーの利用
●太陽光パネルの設置
2003年に事務棟屋上に6kW太陽光電池を設置して12年が経過しました。そして、
2014年10月に原料倉庫屋根に30kW太陽光電池を新設しました。6kW分発電分
は社内利用し、新設分は全量売電しています。
原料倉庫屋根に設置した太陽光パネル
事務棟屋上(6kW)の発電量は
社内PCでいつでも確認できます。
●その他緑地
グリーンカーテンやたくさんの木々によって、事務所や敷地内の温度上昇を抑えています。
また、昆虫や鳥たちの憩いの場所ともなっています。
グリーンカーテン メダカ池(ビオトープ) 市道沿いの桜 ゴルフ練習場
今後も環境に配慮した企業の一員として、「明るく・元気に」をモットーに邁進して参ります。