No.206 - 日本難病・疾病団体協議会

JPA事務局ニュース No206(2015 年 9 月 28日)
JPA事務局ニュース
<No.206>
2015 年 9 月 28 日
<発行> 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会(JPA)事務局
発行責任者/水谷幸司
〒162-0822 東京都新宿区下宮比町 2-28 飯田橋ハイタウン 610 号
TEL03-6280-7734 FAX03-6280-7735 [email protected]
JPAホームページ http://www.nanbyo.jp/
☆「患者申出療養」で、全がん連とJPAが共同アピールを発表
9 月 17 日の緊急ラウンドテーブル議事録も公開
9 月 28 日、全がん連(全国がん患者団
体連合会)とJPAは、患者申出療養制
度の運用に関して、9 月 17 日に開催され
た緊急公開ラウンドテーブルでの議論を
ふまえて、あらためて両団体で共同アピ
ールを公表しました。同時に、9 月 17 日
に行われた公開ラウンドテーブルの詳細
について、出席したパネリストのすべて
▲左から伊藤氏、天野氏、眞島氏
が加筆修正をした完全版のラウンドテー
ブルの記録を公開しました。
記者会見に先立って両団体の代表は、共同アピールを保険局医療課に届けました。
保険局申し入れ、記者会見には、全がん連から天野理事長、すい臓がんの患者団体パン
キャンジャパン眞島理事長、
JPAからは伊藤理事会参与、
水谷事務局長が出席しました。
9 月 30 日の中医協で、患者申出療養制度の議論
が行われます。9 月 9 日の中医協での意見書およ
び今回の共同アピールがどのように反映されるの
か、その議論に注目していきたいと思います。
共同アピールの全文は次のとおり。
緊急公開ラウンドテーブルの記録については、
JPAホームページに掲載しますので、ぜひお読
▲金光課長補佐に共同アピールを手渡す
みください。
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JPA事務局ニュース No206(2015 年 9 月 28日)
平成 27 年 9 月 28 日
患者申出療養制度に関する共同アピール
一般社団法人日本難病・疾病団体協議会
一般社団法人全国がん患者団体連合会
一般社団法人日本難病・疾病団体強協議会(JPA)と一般社団法人全国がん患者団体連合
会(全がん連)は、平成 27 年 8 月に厚生労働大臣などに対して患者申出療養制度に関する意
見書をそれぞれ提出し、共同記者会見を開催しました。
9 月には厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)での患者申出療養制度に関するヒア
リングにて、両団体は参考人として招かれそれぞれ意見を述べるとともに、参議院議員会館に
て「緊急公開ラウンドテーブル〜このまま施行していいの?患者申出療養制度〜患者の立場に
立った制度に向けて」を共催するなど、両団体は患者申出療養制度に対して共同で要望活動を
行ってまいりました。
JPAと全がん連は、上記の要望活動及び緊急公開ラウンドテーブルでの議論をふまえ、患
者申出療養制度に関する共同アピールをここに取りまとめるものです。
記
1.
混合診療の全面解禁は今後も行わず、日本の国民皆保険制度を堅持すること
患者申出療養制度の導入により混合診療が一般化し、有効性と安全性が示された治療薬の薬
事承認と保険適用が進まなくなることを懸念します。患者や家族の経済力によって受けられる
治療に大きな格差が生まれ、国民皆保険制度が空洞化しかねません。患者申出療養制度は混合
診療を例外的に認める制度であること、有効性と安全性が示された治療薬については、患者申
出療養制度による混合診療に留めずに薬事承認と保険適用を速やかに認めること、そして混合
診療の全面解禁は今後も行わないことを求めます。
2.
患者申出療養制度における患者の安全性の確保と負担軽減に努めること
患者申出療養制度では、申請から 6 週間で有効性と安全性を審査するとしています。安全性
を確保するためには期間にとらわれず、必要に応じて十分な審査を行うとともに、有害事象が
発生した場合の対策と補償の仕組みを明確にしてください。臨床研究中核病院等における患者
の相談体制についても、患者が科学的根拠の明らかでない治療を受けたり、治療のリスクを十
分に理解しないままに治療を受けたりすることがないよう、患者への制度の周知を図り、人員
配置や予算措置を明確にするとともに、患者や実施医療機関に費用負担を強いることがないよ
うに求めます。
3.
患者申出療養制度を含む医療政策の策定プロセスへの患者参画を進めること
有効性、安全性、実施計画等を審査する患者申出療養制度に関する会議は、患者等の当事者
を委員に含めるとともに、申請や審査の状況のみならず、申請に係る相談内容や件数の報告を
義務づけるなど、制度が適正かつ安全に運用するための措置を講じてください。また、患者申
出療養制度に関する検討の場に、患者等の当事者が早期から意見を述べる機会がなかったこと
をふまえ、今後は患者申出療養制度を含む医療政策の策定プロセスにおいて、患者等の当事者
が早期から参画できるよう求めます。
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