第74号 2015年7月 - DENCOM 株式会社 電制

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第 74 号 とらい夏季号 平成 27 年 7 月 1 日発行
電制機関紙
平成 27 年 夏季号
発行所 株式会社電制
広報室
〒 067-0051
〒 067-0051 江別市工栄町
8 番地の 13
江別市工栄町
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(011)
380-2101 FAX
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株式会社 電制
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電制のモノづくりの進化
~キーワードは「見える化」と「フィードフォワード」~
──組立・配線ではどのような取り組みが実施されていますか。
組立・配線は、「製造課」が担務
しております。
見える化では、誤配線や圧着不良
などの不良事例を取り纏め、写真付
きで作業エリアに掲示し、作業前の
ミーティングや、作業中にも容易に
確認できるようにしています。
フィードフォワードの一例として
【作業前のミーティング風景】
は、装置の軽量化と強度のバランス
に端子間が狭く込み入った部分の配
を考えた構造設計のアドバイスを設
線効率や短絡などのリスク対策を考
お客様から信頼される製品づくりをするためにどのようなことを行って
計者に行うことで、仕上がった製品
慮した設計上の提案なども積極的に
いるのか、製造部長にお話を聞きました。
の満足度の向上を図っています。更
行っています。
製造部長 須貝潤也
──製造部で行っている取り組みや活動を教えてください。
──構造設計についてアドバイスをしているのですね。
では、試験・検査工程ではいかがですか。
私たち製造部は、設計からのアウ
「見える化」は文字通り、業務の
試験・検査工程を担務しているの
品名シールを貼ってあったとしても、
トプットである製造図面を基に製品
仕組みや流れを目で見てわかるよう
が「品質保証課」です。
客観的に見て、見づらいと判断した
として形にしていく「モノづくり」
にする取り組みです。
品質保証課では、動作試験や設計
場合は関係部門と協議してお客様目
部門です。業務は、仕入れ部材の受
もう一つの「フィードフォワード」
仕様との相違点の有無チェックなど
線での最適化を図り、改善されたも
入検査から始まり、組立、試験、梱
は、これから設計を開始する製品に
の通常検査の他に「製品の出来栄え
のを「Good 事例」に、
改善前を「Bad
包、そして最後の出荷までの一連の
関して、設計チームが行うミーティ
評価」という取り組みを行っており、
事例」として写真付きで掲示するこ
工程を担務しています。
ングに製造部のメンバーも加わり、
その評価結果を見える化で掲示して
とで見える化を行っています。
製造部の体制は、
「資材課」
「製造課」
モノづくりをする側の立場から製品
います。例えば、作業標準通りに部
フィードフォワードの一例として
「品質保証課」の 3 部門で構成してお
のあるべき姿について、積極的に提
は試験仕様書や試験
り、業務の円滑さと製品の高品質化
案していく取り組みです。例えば、
フォーマットの標準
に最も適した体制にしております。
装置内の配線ルートを考慮した最適
化の観点から、使用
製造部が行っている取り組み・活
機器配置、部品・部材の共通化など、
部品の標準化を提案
動には、2 つのキーワードがありま
数々の提案を行っています。
しています。また、
す。それは、
「見える化」と「フィー
この 2 つの取り組みが、
電制のモノ
回路構成につきまし
ドフォワード」です。
づくりの品質向上にも繋がっています。
てもメンテナンス性
──設計前の積極的提案がフィードフォワードですね。
それでは、各工程での取り組みについて教えてください。
まず始めに「資材課」にて、購買
おいて塗装面の仕上がりや、板金加
部品や加工部品の受入・検査を行い
工に問題があった事例を掲示し、常
ます。
時目で見て確認ができるようにする
見える化では、過去に受入検査に
ことで情報共有に役立てています。
フィードフォワードの一
例としては、使用している
部品に特殊指定がある場合
などは、あらかじめ設計部
門に受入検査仕様書を提出
するように要求をし、後工
程へものの流れが滞らない
【加工部品の検査の様子】
ようにしています。
を考慮した提案を
【作業エリアに掲示している事例】
行っています。
──最後に「見える化」と「フィードフォワード」により、
モノづくりはどう変化しましたか。
過去の経験・ノウハウに基づいた、
今後も「見える化」と積極的提案
いわゆる「フィードバック」提案だけ
である「フィードフォワード」に取
ではなく、問題発生を予測して対策を
り組み、更に進化していきます。
行う「フィードフォワード」提案をす
ることで、検査・試験がスムーズに進
み、
品質の向上に繋がってきています。
また「見える化」により情報の共有が
出来、問題の再発防止のみならず設
計者の意識変化にも貢献できるよう、
私たち製造部は進化しています。
【工場内風景】
ⓒ 株式会社 電 制
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第 74 号 とらい夏季号 平成 27 年 7 月 1 日発行
南早来変電所系統用蓄電池設備新設のうちの受変電設備納入
この度、北海電気工事株式会社様
の性能実証、及び最適な制御技術の
ど)
、並びに所内電源設備であり、当
より、北海道電力株式会社様南早来
開発を行うものです。蓄電池には、
社がこれまで培ってきた技術をフル活
変電所内に新設される系統用蓄電池
住友電気工業株式会社様が開発され
用し、受変電設備のほぼ全てを一括
設備のうち、同設備内に設置される
たレドックスフロー電池が採用され
製作させて頂く機会に恵まれました。
配電盤、キュービクル等の受変電設
ています。
なお、66kV 受電・系統連系保護
備機器の製作、並びに試験業務を受
今回弊社が製作・納入しました機
継電器盤には、ユニット型保護継電
注致しました。
器 は、66kV 連 系 送 電 線 か ら 6kV
器を用い、多機能、コンパクト化、
本設備は、経済産業省が一般社団
フィーダに接続される蓄電池までの区
装置製作期間の短縮による低コスト
法人新エネルギー導入促進協議会を
間内の制御・保護装置(回線制御盤、
化を実現しております。
通じて募集した「平成 24 年度大型
66kV 受電・系統連系保護継電器盤、
平成 27 年 4 月初旬に北海電気工
蓄電システム緊急実証事業」に、北
遠方監視制御装置、キュービクルな
事株式会社様をはじめ関係者各位の
海道電力株式会社様と住友電気工業
御立会のもと弊社工場にて工場試験
株式会社様が共同事業として応募、
を実施し【左写真参照】、6 月末に
採択されて設置されるものです。本
66kV 受電開始を迎えられるよう順
実証事業は、基幹系変電所である南
次各機器の現地搬入、据付、ケーブ
早来変電所に、世界最大級の大型蓄
ル工事、及び現地調整試験を実施し
電 池 設 備( 出 力 15MW、 容 量
ております。
60MWh)を設置し、2018 年度まで
この場を借りて、関係者各位並び
の期間で風力発電や太陽光発電の出
に製作協力会社の皆様に厚くお礼申
力変動に対する新たな調整力として
【工場試験風景】
バンク逆潮流保護盤を納入
【系統用蓄電池装備 建屋外観】
【所内変圧器盤】
し上げます。
北海道新幹線開業に向け電制も活躍中
平成 24 年 7 月に導入された再生
に納入させて頂いております。本工
北海道と青森を結ぶ北海道新幹線
保守性を十分考慮し設計・製作にあ
可能エネルギーの固定価格買取制度
事にあたり、北海道電力株式会社様
は平成 17 年に認可・着工され現在
たりました。今後も品質と技術力で
(FIT)により、太陽光発電の普及
をはじめ関係各位にはご協力を頂き
建設工事が進められております。こ
評価される電制として、信頼ある製
厚くお礼申し上げます。
のうち、新青森駅-新函館北斗駅の
品を提供して参ります。
が急速に進み、これに伴いバンク逆
潮流制限緩和の社会的ニーズが高
区間は平成 27 年度末に開業が予定
まってきています。
されています。
高圧以下の系統に分散型電源を連
弊社では、新函館北斗駅(北斗市)
系する際に、バンク逆潮流となる可
の付帯施設高圧受電設備を株式会社
能性があっても、設備対策を行うこ
ドウデン様より受注し、開業を 1 年
とにより、分散型電源の系統連系が
後にひかえた 3 月に納入致しました。
可能になります。このような背景の
納品した製品については信頼性・
なか、弊社ではバンク逆潮流制限緩
安全性を重視しながら長期の使用と
和策として必要となるバンク逆潮流
【付帯施設高圧受電設備】
【新函館北斗駅】
保護盤の製作に取り組み、平成 26
年 4 月に北海道電力株式会社様より
保護盤の型式認定を受け、以降保護
盤設置を含むバンク逆潮流対策工事
を受注し、全道各所の配電用変電所
【バンク逆潮流保護盤(左)】
発売開始から 17 年、ユアトーン出荷 1 万台突破
この度、電気式人工喉頭ユアトー
ました。
ためです。
頂きました。直近では、2014 年の
ンがシリーズ出荷台数累計 1 万台を
初代ユアトーンに比べてユアトー
2つ目は、病院や患者さんの会を
12 月に内閣府より、
平成 26 年度「バ
突破しました。
ンⅡシリーズの方が製造年数に比
回りユアトーンの PR を行い、デモ
リアフリー・ユニバーサルデザイン
ユアトーンは、喉頭癌などで声帯
べ、出荷台数が多い理由は 2 つある
機を置かせて頂いて、より多くの患
推進功労者表彰」内閣府特命担当大
を失ってしまった方の発声補助器具
と考えています。
者さんに実際に使って頂けるように
臣表彰優良賞を頂きました。ユー
で、喉に押し当て音をひびかせて口
1 つ目は、ユアトーンⅡシリーズ
したためです。
ザー様からもお祝いの言葉を頂き、
を動かすと声になる仕組みになって
の音質が向上したことにより人間の
また、これまで、さまざまな賞を
大変嬉しく思っております。
います。また、手術後、比較的簡単
声に近づき、聞き取りやすくなった
受賞したり、メディアに取り上げて
今後も更に操作が簡単で使いやす
な訓練で習得でき、複数ある発声法
く、より人間の自然な声に近づけら
と併用できることも特徴の一つです。
れるように鋭意研究・開発に努めて
1998 年に販売を開始した初代ユ
参ります。
ア ト ー ン は 13 年 間 で 約 4800 台、
編 集 後 記
2009 年 か ら 販 売 を 開 始 し た ユ ア
トーンⅡシリーズ(ユアトーンⅡ・
ゆらぎ、ユアトーンⅡ・UB)は販
売から 6 年で約 5200 台を出荷致し
【歴代のユアトーンシリーズ】
【平成 26 年度「バリアフリー・ユニバー
サルデザイン推進功労者表彰」内閣府
特命担当大臣表彰優良賞受賞時の楯】
今号は、両面ともに写真を多めにして、
より記事の内容をわかりやすくしてみ
ました。写真が多いと、白黒でも華や
かに見えますね。 〈広報室 中川〉
ⓒ 株式会社 電 制