駐日フィリピン共和国大使 と マニュエル・M・ロペス 平和メッセージ わ 永遠の平和を我らの心と行動に! フィリピン共和国政府は、浄土真宗本願寺派が厳修される第 35 回千鳥ケ淵全戦没者追悼法要におい て、日本政府と日本の皆様と、心をひとつにいたします。 悲惨な戦争や紛争経験した人々は、国家であれ民であれ、心に焼き付けられた痛みや記憶に長く苦し められます。戦争は全人類にとって悲劇でしかありません。国連憲章の前文は、この悲劇を終わらせる 必要があることをはっきりと宣言しています。「われら連合国の人民は、われらの一生のうち二度まで 言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い…」と。 千鳥ケ淵法要への参列は、アジアのみならず全世界における恒久的な平和の実現のために、各国政府 や指導者とともに堅固な協力体制を築くという、我々の意思表明にほかなりません。 非暴力という智慮、敵味方の区別なくすべての者を等しくみなす「怨親平等」という仏教の教えに基 づき、この清き墓苑から、我らの平和を求める声を響きわたらせましょう。そのためにとるべきは、は っきりとした意思表示、大学はじめ各種教育機関や家庭において平和教育を徹底すること、そして、公 私機関において重要な意思決定に携わり、正しい方向へ舵取りをすることです。 第二次世界大戦終結より 70 年が過ぎました。今こそ、戦争のむなしさを再確認し、全地球をあげて 平和の構築のために力を結集するときです。皆ともに紛争解決、すなわち人類の平和的共存への道をた どりましょう。その実現には、思いやり、公正さ、相互理解、正義、人間の尊厳、高潔な国家の有り様 が欠かせません。 過去の過ちを繰り返してはなりません。国家にとっても民にとっても、戦争は不可避の選択肢などで はありません。戦争の記憶、そして武力紛争でいのちを落とした多くの犠牲者への思いを、勇気ある具 と わ 体的な行動、高潔な人道的精神や智慧に置き変えて、我らの心に、そして行動に、永遠の平和を維持し てまいりましょう。 フィリピン共和国大使 マニュエル・M・ロペス 2015 年 9 月 18 日 東京
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