平成 27 年度 札幌市立羊丘中学校 いじめ防止基本方針

平成 27 年度
札幌市立羊丘中学校
いじめ防止基本方針
いじめ防止基本方針
いじめが原因で不登校になり、自らの尊い命を絶とうとする生徒がいる。
いじめ防止は、学校の責務であり早急な対応が求められている。
本校では、生徒達が安全で安心な中学校生活を送れるようにいかなる場合に
も、いじめは許されないことを根底とした指導体制を確立し、いじめの未然防止
と早期発見及び早期解決を図るためにいじめ防止基本方針をここに定める。
平成27年11月
「札幌市立羊丘中学校いじめ防止基本方針」
Ⅰ
基本的なおさえ
ⅰ)いじめの定義
いじめとは、法令上「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一
定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて
行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」とな
っている。
また、国の基本方針では『個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的にする
ことなく、いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要である。この際、いじめには多様な様態があ
ることに鑑み、法の対象となるいじめに該当するか否かを判断するに当たり、
「心身の苦痛を感じている
もの」との要件が限定して解釈することのないよう努めることが必要である。』と補足されている。
したがって、本校では、法の定義及び国の基本方針に基づいて、学校の内外を問わず、生徒本人がい
じめと感じたものはすべて、いじめとして捉える。
ⅱ)いじめに対する基本認識
すべての子どもと大人が「いじめはどの学校でも、どの学級でも、どの子どもにも起こり得る」とい
う認識をもつこと。
・いじめは、人権侵害であり、絶対に許されない行為である。
・いじめは、様々な背景から、様々な場面で起こり得る。
・「暴力を伴わないいじめ」は、多くの子どもが入れ替わりながら被害と加害を繰り返す。
・いじめは、大人が気付きにくいところで行われることが多く、発見しにくいものである。
・いじめは、その行為により犯罪行為として取り扱われるものもある。
・いじめられている子どもの立場に立ち、必ず守る。
ⅲ)いじめ対策の理念と教職員の責務
・学校は、すべての生徒が安全に安心して、学校生活を送れるように教育活動全般を通じて、いじめ防
止に取り組む。
・学校は、いじめを発生させないように、互いに認め合う「居場所つくり」と心の通う「絆つくり」に
繋がる指導に重点を置く。
・教職員は、保護者等との連携を図りながら、いじめの防止と早期発見に取り組む。また、いじめが疑
われる場合は、適切かつ迅速に対応し、再発防止に努める。
・教師による冷やかしやからかいが、いじめの発端になることもある。また、教師の普段からの威圧的
言動が、いじめを増長させるケースもあるので注意すること。
1
Ⅱ
いじめ防止に関する対策
いじめ問題に取り組むにあたっては、
「未然防止」と「早期発見」が重要となり、認知した場合は、
「早
期対応」・「早期解決」にむけ取り組み、家庭や関係機関との連携を大切にする。
ⅰ)いじめの未然防止
学校は、人権尊重の精神に基づいた活動を展開し、生徒たちの主体的ないじめ防止活動を支援し、子
どもたちに自浄力をつけさせることが大切である。
・道徳観や規範意識の教育を通じて、「いのちの大切さ」「他者を思いやる心」を育てる。
・自分のこととして考え、自ら行動できる集団を育てる。
・自己有用感が得られるように生徒達に活躍の場面がある環境をつくる。「居場所つくり」「絆つくり」
・生徒のストレッサーの順位は、①友人関係に関する事
②学習に関する事であることから、学校で過
ごす中で1番長い授業が、ストレッサーにならないように授業改善に努める。(教務主導の研修会)
・常に危機感をもち、取り組みを定期的に検証する。
・地域や関係機関と密に情報交換を行い、連携を深める。
・自己有用感の育成のために、他者との関わりを強くさせる「充実した集団体験」を提供する。
(生徒会)
ⅱ)いじめの早期発見
いじめは大人の目に届きにくいところで発生しており、学校組織として早期発見に取り組む。
・いじめを早期発見するために、生徒に対して定期的ないじめアンケートを実施する。
・いじめられている恐れのある生徒に対して、教育相談や懇談時に学級担任による聞き取りを実施する。
・子どもの表情や些細な変化に気づき、いじめによるものか事実確認を行う。
・保護者からの苦情や情報の提供には、誠実に向き合い、早期に対応を図る。
ⅲ)いじめの早期解決
いじめ問題が生じた時には、事実確認に基づき早期に関係する子どもや保護者が納得できる解決を目
指す。
・いじめられている子どもの立場に立って詳しい事実確認を行う。
・いじめられた子どもを最後まで守りきり、話した内容の秘密を保持することを約束するなどして、知
らせてくれた子どもに安心感を与えるように配慮する。
・暴力を伴ういじめについては、いじめを受けている子どもの心身及び財産等に対する被害に迅速に対
処する。
・インターネットを通じて行われるいじめに関しては、情報が広範囲に広がるため、より迅速な対応に
心がける。
・いじめを行った子どもに対しては、許される行為でないことを毅然と指導する。要因を探りその子ど
もと保護者にいじめを繰り返さないよう助言と支援を行う。
・いじめが解消しても保護者と継続的な連絡をとる。
・学校での悩みの解決を図る上でもスクールカウンセラーを活用する。
2
Ⅲ
いじめ防止対策委員会
《関係機関》
《校
内》管理職、主幹教諭、◎生 《地 域》
徒指導主事(生徒指導部長)、教務・ PTA代表(会長・副会長)
教育委員会
主任、生徒会部部長、学年主任、養・
護教諭、スクールカウンセラー
相談指導教室
児童相談所
学校評議員
より2名以上の参加
医療機関
所轄警察署
Ⅳ
いじめ防止対策年間計画
羊丘中いじめ防止基本方針の策定・修正
年度始め“いじめ防止対策委員会①”
一
学
期
校内生徒指導研修会
・いじめ防止対策の基本方針理解
い
じ
め
防
止
対
策
委
員
年 会
2
回
SCによる学習会
・いじめのサインチェック表・アンケート調査
(年間2~3回・必要に応じて記名式)
携帯安全教室
二
学
期
教育相談週間(4回含懇談会)
小中連携による生徒指導研修会
・授業公開、情報交換等
いじめアンケート調査(必要に応じて記名式)
三
学
期
1月“いじめ防止対策委員会②”
人
権
教
育
・道
徳
教
育
の
時
間
確
保
・いじめのサインチェック表、アンケート調査
中学校区健全育成推進会
生徒会主導のいじめ防止運動
羊丘中いじめ防止基本方針の検証
生徒の「つながり・関係」調査など
※ 年度の始めには、「学校便り」「HP」で羊丘中いじめ防止対策方針を保護者に伝える。
※ 学校以外の相談窓口の周知
札幌市教育センター教育相談室(671-3210)
札幌市教育委員会少年相談室
(0120-127-830)
札幌市児童福祉総合センター
(622-8630)
子どもアシストセンター
(0120-663-783)
過去3年間のいじめ認知数
※認知件数が少ないのは、教職員が見逃しているケースも。重要なのは、解消率である。
平成24年度
平成25年度
平成26年度
発生件数
13件
24件
27件
改善件数
7件
12件
17件
3
特
別
活
動
・生
徒
会
活
動
・学
級
活
動
Ⅴ
いじめに対する措置(重大事態含む)
① 初期対応
すぐに止めさせることが最優先。生徒や保護者、地域からいじめに関する相談があった際は、丁寧に
話を聞き、迅速に事実関係を把握する。
② 組織対応
担任が抱え込まないよう教員間の情報交換を密にする。また、普段から生徒の近くに居ることで、生
徒の些細な変化を感じたなら“いじめ防止対策委員会”に報告する。重大事態に関わる場合は、“い
じめ防止対策委員会”が中心となり対応する。また、必要に応じて警察に躊躇なく連絡相談する。
③ ネット関係のいじめ
分からない中、進行する場合が多い。したがって、未然防止が重要である。札幌市によるネットパト
ロールからの連絡報告も活用する。なお、ネット上の不適切な書き込みについては、警察に連絡及び
削除依頼を行う。
④ 重大事態
学校で重大事態と判断されたいじめは、すぐに教育委員会に報告し、調査機関を設立させる。
Ⅵ
重大事態対応フロー図
委員会に報告後、重大事態の調査の主体が決定される。
学校を調査主体とした場合(委員会の指導・支援のもと対応)
●重大事態の調査組織を設立
組織の構成員には、利害関係を有さない第3者を参加させることで、公平性が確保される。
●調査組織で、事実関係を明確にするための調査を実施
いじめ行為の事実関係を網羅的に明確にする。この際、因果関係を急がず、客観的な事実関係
を的確に調査する。
●いじめを受けた生徒及びその保護者に対して情報を適切に提供
関係者の個人情報に十分配慮する。ただし、いたずらに個人情報を盾に説明を怠るようなこと
があってはならない。
得られたアンケートは、いじめられた生徒や保護者に提供する場合があることを念頭におき、
調査に先立ち、その旨を調査対象の在校生や保護者に説明する等の措置が必要である。
●調査結果を委員会に報告(委員会から札幌市長へ報告)
いじめを受けた生徒または、その保護者が希望する場合には、いじめを受けた生徒または、そ
の保護者の所見をまとめた文書の提供を受け、調査結果に添える。
●調査結果を踏まえた必要な措置
委員会が調査主体となる場合
●委員会の指示のもと、資料の提出など調査に協力(法令 第28条~30条)
委員会・『重大事態調査検討委員会』→市長・『子ども未来局』→調査終了または→議会へ報告
4
Ⅶ
資料
いじめ防止対策推進法に定める組織
地
方
公
共
団
体
いじめ問題対策
地方公共団体は、いじめ防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、
連絡協議会
条例の定めるところにより、学校、教育委員会、児童相談所、法務局又は地方
法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ対策連絡会
を置くことができる。(14条①)
教育委員会の
教育委員会といじめ問題対策連絡協議会との円滑な連携の下に、地方いじ
付属機関
め防止基本方針に基づく地域におけるいじめの防止等のための対策を実効
的に行うようにするため必要があるときは、教育委員会に付属機関として必
要な組織を置くことができるものとする。(14条③)
いじめ防止等の
学校は当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うた
学
対策のための
め、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する
校
組織(必置義務)
者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を
置くものとする。(第22条)
学 校 ま た は 委 員 学校の設置者又はその設置する学校は、次に揚げる場合には、その事態(以
会 の 置 く 調 査 組 下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の
重
大
事
態
発
生
時
織
防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の
(必置義務)
下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に
係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。(第28条①)
① いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重要な
被害が生じた疑いがあると認めるとき。
② いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席する
ことを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
付属機関
報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は
札幌市長
当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要があると認めるとき
は、付属機関を設けて調査を行う等の方法により、第28条第1項の規定によ
る調査の結果について調査を行うことができる。(第30条②、第31条②)
重大事態とは
第1号「生命、心身又は財産に重大な被害」については、いじめを受ける児童生徒の状況に着目して判断する。
・児童生徒が自殺を企図した場合
・身体に重大な傷害を負った場合
・金品等に重大な被害を被った場合
・精神性の疾患を発症した場合
第2号「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安にする。ただし、児童生徒が一定
期間、連続して欠席しているような場合は、迅速に調査する。
5
【いじめが認知された場合の組織対応図】
観察・アンケート・相談・家庭からの訴え等
1
認
情報を得た教職員
知
2
担任・当該学年教員
情
即
報
日
収
対
集
生徒指導部
教頭
校長
召集
いじめ防止対策委員会
応
連絡
を
3
心
事
が
実
職
け
確
員
る
認
会
4
保護者
共通理解
議
方針・分担決定
共
通
方
理
針
解
支
教
援
育
報
調査報告・事実関係の把握
告
サポートチーム
委
員
支援センター等
会
指導方針の決定・指導体制の確定
決
定
相談
いじめ解消に向けた指導
5
支援
対
応
6
観
犯罪行為
警
察
・サポートセンター
・児童相談所
・医療機関
継続指導・経過観察
再発防止・未然防止
察
いじめを認知した場合は、一人で抱え込まず、学年及び学校全体で対応すること。校長がいじめ防止対策委
員会を開催し、今後の指導方針を決めて組織的に取り組むことが重要である。
6
保護者対応における配慮事項
1次対応(緊急対応)
・いじめや人間関係のトラブルの発生を把握して、速やかに保護者に連絡。
・複数の教師で家庭訪問を行い、直接保護者に事実を伝える。
・保護者の希望を傾聴し、信頼関係をつくる。
2次対応(短期対応)
・事実を整理し、今後の指導方針を伝える。
・加害、被害にかかわらず、誠意をもって対応する。協働して問題解決を図る。
3次対応(長期対応)
・今後の学校での対応を伝え、家庭の理解と協力を依頼する。
※ 内容によっては、学級・学年・全校単位での保護者会を開催
<被害生徒の保護者への対応>
わが子がいじめられていたことを知った辛い心情を十分考慮して、誠意あ
る迅速な対応をすること。新たな事実が分かった時や学校での指導方針は随
時報告し、不信感を持たせない。(連絡を密に行い、情報の共有を)
<加害生徒の保護者への対応>
事実関係を正確に伝え、今後の学校の対応や指導内容・方法を丁寧に確実
に伝える。加害生徒の状況については、継続して様子を観察していく。また、
問題解決に向けた保護者との協力体制を確立し、再発防止に向けた対応を学
校と一体となって行う。
<他の生徒の保護者への対応>
間違ったうわさや情報の錯綜が生じないように、配慮する。説明会を開く
場合は、早急に行い、学校への不信感を持たせないようにする。(学校サイ
ドが主導を握る)
◎ 分かりやすく、明確に伝える。(自信を持って)
◎ 出来るだけ保護者と面会し、情報交換を密にして誠意を伝える。
◎ 出来るだけ複数で対応し、事実が正確に伝わるようにする。
◎ それぞれの保護者の立場を理解して対応する。生徒のケアを中心に考える。
7
校内における対処方法及び防止方法
<概要版>
○いじめの理解
いじめる側もいじめられている側も事実を言い出せない
○ 校内支援チーム
を整え対応にあたる
○
子ども(同僚)に伝えたい5つのメッセージ
・「ひとりでがんばれ」 よりも、 「ひとりではがんばるな」
・「甘えるな」
よりも、 「上手に甘えなさい」
・「早く、早く」
よりも、 「ゆっくりあじわいなさい」
・「やればできる」
よりも、 「時間をかければできる」
・「まちがうな」
よりも、 「いっぱいまちがってみなさい」
話しやすい
雰囲気 づくりを
工夫しましょう
○ 「居場所づくり」と「絆づくり」が未然防止の 2 本の柱
・安心で安全に過ごせる学校、学級づくり
・他者との関わりを大切にしたいという考え方
8
【保護者用】
子どものいじめのサインチェック表
年
組
番
名前
○この「サインチェック表」は、保護者が活用するものです。下記の項目は、子どもの様子
の中で、いじめが疑われるケースをあげてみました。
○「×の数が少ないから大丈夫」のようなとらえ方は危険です。小さなことでも、大切なサ
インとして記入しましょう。
○子どもから聞き取る時には、子どもが「応えやすい」「話しやすい」聞き方をしてあげま
しょう
※ ○…今のところ大丈夫
△…ごくまれにある
×…最近感じる
×は必ず気になる様子を学校に伝えましょう
項
目
○△×
1.以前と比べ学校のことを話さなくなった。
2.朝から体調不良を訴え、登校をしぶるようになった。
3.擦り傷やあざが多くなり、それらを隠すようになった。
4.家族との関わりを避ける。部屋にこもる。
5.学用品をなくしたり、壊れることが増えている。
6.教科書やノートに落書きがあったり、破れていたりする。
7.衣類が破れていたり、汚れていることが増えた。
8.食欲がなくなった。
9.言葉遣いが乱暴になった。
10.お金を必要以上に欲しがる。
11.友人からの電話で、あわてて外出することが増えた。
12.ケイタイ、スマホを頻繁に気にするようになった。
13.転校したいと言うようになった。
14.家で買い与えたもの以外のものを持っている。
15.家で与えた以上のお金を持っている。
お子様の普段の様子で気になることがありましたらご記入ください。
※提出するときは、保護者が直接お持ちいただいても結構です。気になることがあれば、ど
んな些細なことでも、お知らせください。
9
【サインチェック表の流れ】
① 6月下旬
② 11 月上旬
減少率を確認する。
年
間
2
8、12 以外に○が 1 つでもあ
回
れば、必ず期末懇談のなかで
の
確認を行う。副担任も協力。
実
教育相談で確認を!
施
認知されなければ、
経過観察
※ サインチェックの項目は、どれも深刻ないじめが行われている可能性が高い行為です。
まとめ方
氏
羊
名
太郎
○番号6月
○番号 11 月
2,5
2,5,8 懇談で確認。自分でノートを破いている。
対
応
福住
太郎
4
無
懇談で確認。父親と対立気味。
月寒
太郎
9、12
7,9, 12 電話で確認。いじめを受けている可能性あり。学年で聞き取り。
緊急性を伴うものなど℡等
での対応も必要
10