放射線取扱主任者国家試験の体験記

放射線取扱主任者国家試験の体験記
量子放射線工学分野
博士前期課程 2 年 倉橋 慎太郎
量子放射線系専攻の倉橋慎太郎と申します.
第1種放射線取扱主任者試験の合格体験記を書か
せていただきます.皆様にとって参考になれば幸
いです.
受験を志したきっかけ
きっかけは「量子放射線系専攻に入学するの
なら一緒に資格を取ろう」という同級生の言葉で
した.量子放射線系専攻に入学する動機を与え
てくれたのも彼でした.彼とは一緒に勉強したり
常に情報交換したりして,勉強のモチベーション
を最後まで保つことができました.ペースメー
カーとなってくれた彼がいなければ,試験に合格
できなかったと言っても過言ではありません.
また,この専攻では放射線取扱主任者試験の
ための授業カリキュラムが組まれています.せっ
かく放射線の専門家である先生方から質の高い
講義を受けられるのだから,この資格を取らない
手はないと思い試験に挑戦しました.
りましたが,900 ページもある概論をすべて読む
のは不可能と判断して途中で諦めました.生物学
がさっぱりわからなかったので,問題集を解く前
に概論で唯一読み込んだのは結局生物学の章だ
けでした.他は問題集を解いた後に概論を掻い
摘んで読み進めました.
勉強について
意識したことは 30 分でもいいから毎日欠かさず
資格勉強をすることでした.たとえ1日で 10 時
間集中して勉強しても日が空けばせっかく勉強し
たことをすっかり忘れてしまうので,少しの時間
でもいいから毎日継続して勉強することを習慣と
しました.通学時間は暇だったのでずっと問題集
を解いていました.
本番 1 月前から,時間を計りながら問題集を解
いていました.初めは時間が足らなかったのです
が,何度も解いて見直しができるくらいの時間が
できるように練習をしていました.
使用した参考書
通商産業研究社の「放射線概論」と「放射線
取扱主任者試験問題集」
(過去問)を 4 月下旬頃
に購入しました.合格するのなら,この 2 冊で十
分です.そして,なんといっても過去問がすべて
であり,どれだけ解いたかで合格が決まると思い
ます.
概論の内容を覚えてから問題集に取り組むの
ではなく,問題集を先に解いていった方が効率的
だと思いました.なぜなら,問題集を先に解くこ
とで出題内容の傾向がわかるからです.実際に私
はその傾向に沿って概論を読み,知識に対する
理解を深めました.それに,問題集の解答には
簡潔に要点が書かれており,試験対策に必要な
知識を効率よく身につけることができました.問
題を解いて解答を読んでもなぜそうなるのかわ
からないことがあり理解が足りないなと感じた
ら,詳しく書かれている概論を使用するという形
をとりました.
概論は良くも悪くも詳しく書かれているので,
試験対策としてすべて読もうとすると効率が悪
いと思いました.それに小難しく退屈でいっこう
に進みませんでした.5 ヶ月程度の勉強期間があ
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受験当日
試験の最初の科目である物化生で初端からミ
スをしてしまいました.化学の単元が全然わから
なかったのです.解けなかったことに動揺してし
まい,時間配分を忘れ時間が足りませんでした.
1 教科で 5 割以上の点数が必要なのですが,その
とき 5 割も解けた自信がなく「もう落ちた」と思っ
てしまいました.しかし,もう終わってしまった
ことはどうしようもないのでもう落ちても仕方が
ないと開き直ることとができ,不思議と緊張が解
れました.それ以降の試験科目では,時間配分に
一番気を遣いました.わからない問題があれば
飛ばして,
わかる問題から解き,
時間が余ればじっ
くり残りの問題に取り組みました.
受験後
自己採点の結果,物化生以外の科目では 6 割以
上は取れていましたが,物化生は怖くて結局採
点しませんでした.合否は天に任せることにしま
した.合格発表の日,合格を知ったのは同級生の
彼からのメールでした.先生や事務員の方からも
おめでとうという言葉を頂き,とても嬉しかった
です.