BladeCenter S

BladeCenter S
IBM BladeCenter S
SAS RAID コントローラー
BladeCenter HS22
構築導入ガイド
(Citrix XenServer 5.5 導入版)
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2009年7月
発行: 日本アイ・ビー・エム株式会社
担当: STG Linux/OSS Support Center
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お願い
ここに記載されている情報とそれに対応する製品をご使用になる前に、「当ガイドをご利用になる前に」の事項を必
ずご確認ください。
3
当ガイドをご利用になる前に
この出版物はお客様、販売店様、その他関係者が、IBM BladeCenter S を活用することを目的として作成されました。この
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報については、 日本アイ・ビー・エム株式会社公式URL ( http://www-06.ibm.com/systems/jp/x/ )をご参照ください。
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この情報は、特定のシステム環境の使用において開発されたもので、その適用はそれら特別なハードウェア、ソフトウェア
製品、レベルに限られたものです。
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を行っていますが、他の環境で同様の結果が得られるという保証はありません。これらの技術を個々の環境に適用する場
合は、各々のリスクにおいてこれを行ってください。
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INDEX
お願い....................................................................................................................................................3
概要 .......................................................................................................................................................6
設計 .......................................................................................................................................................6
1.STORAGE CONFIGURATION MANAGERの導入 ...................................................................10
2.IBM BLADECENTER S SAS RAID コントローラーの登録......................................................14
3.IBM BLADECENTER S SAS RAIDコントローラー、DISK STORAGE MODULEのファームウ
ェア更新 ..............................................................................................................................................16
4.ゾーニングの設定.........................................................................................................................21
5.ストレージ・プールの作成 ..........................................................................................................22
6.ボリュームの作成.........................................................................................................................25
7.ホットスペアの設定 .....................................................................................................................27
8.CITRIX XENSERVER 5.5 の導入および設定 .............................................................................28
9.XENSERVER
リソースプール構成...........................................................................................29
10.マルチパス構成.........................................................................................................................31
11.ストレージレポジトリ登録 .......................................................................................................35
12.HA構成 .....................................................................................................................................39
参考 .....................................................................................................................................................41
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概要
BladeCenter Sでは、Disk Storage Module上のディスク領域を複数のブレードサーバーで共有することが可能で
す。したがって、XenServer環境においては、BladeCenter Sで複数のXenServerを稼動することで、シャーシ内
でXenMotionやXenServer HAといったXenServerのテクノロジーを利用することが可能になります。外部ストレー
ジ装置を構築する必要がなく、非常に簡単な手順で可用性の高い仮想化環境を構築できます。
当ガイドでは、BladeCenter Sに搭載したブレードサーバーHS22の内蔵ディスクにXenServer 5.5を導入し、Disk
Storage Module上の領域にXenServerで使用するストレージレポジトリ領域を作成し、XenServer環境を構築す
る際の手順と注意点について示します。
設計
IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーを搭載したBladeCenter Sでは共有ディスク構成が可能です。IBM
BladeCenter S SAS RAID コントローラー上でゾーニング⇒ストレージ・プール(RAID)の作成⇒ボリュームの作
成⇒マッピングをおこないブレードサーバーへのディスクアサインを実施します。
・ゾーニング
・ストレージ・プールの作成
・ボリュームの作成
・マッピング
SAS拡張カード
IBM BladeCenter S
SAS RAID コントローラー#1
IBM BladeCenter S
SAS RAID コントローラー#2
DSM#2
DSM#1
エクスパ
ンダー
エクスパ
ンダー
エクスパ
ンダー
エクスパ
ンダー
当ガイドでは、Disk Storage Module上のディスク3本でRAID 5のストレージ・プールを1つ、またグローバルホッ
トスペアを1本構成し、作成したストレージ・プール内で10GBのボリュームを1つ作成します。Disk Storage
Module上のボリュームに、仮想マシンを導入するためのストレージレポジトリ領域を作成します。
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構築の手順は以下のようになります。
管理モジュール、スイッチ側
初期設定
ブレードサーバー側
ハードウェアの組み立て
管理モジュール、ESM、
IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラ
ーへの管理用IPアドレスの割り当て
管理モジュール、ESM、IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラー、Disk Storage Module、
SAS拡張カードのファームウェア、各ブレードサーバーのBIOS/BMC/Diagnosticsの更新
SANの構成
ゾーニング
(SAS拡張カードと
DSM内ディスクとの紐付け)
RAID構成および
ボリュームの作成
マッピング
(ボリュームと
各ブレードサーバーの紐付け)
XenServerの
導入および設定
内蔵ディスクにXenServerを導入
管理用サーバーにXenCenterを導入
DSM上の領域をデータストアとして設定
マルチパス構成
の確認
マルチパス構成の確認
なお、当ガイドではハードウェアのインストールやラックへの搭載、電源の確保等の準備は、既に正常に完了さ
れている環境を前提とします。またシステムの基本構成である、管理モジュール、HS22のシステムBIOS、SAS
拡張アダプターのBIOSのファームウェアなど、各種コンポーネントに対する最新ファームウェア更新は完了され
た状態として記載を省略しています。(最新の状態で無い場合、機器が当ガイドで記載されたとおりの動作をし
ない場合もあります。)
※IBM Start Now Advisorを使用すると、BladeCenter Sの各コンポーネント(管理モジュール、SAS接続モジュー
ル、Disk Storage Module、IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラー)のファームウェア更新を円滑に行うこ
とが可能です。
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5076842&brandind=50
00020
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※IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーを使用するにあたり、BladeCenter Sシャーシ内コンポーネント、
またブレードサーバー内コンポーネントは前提ファームウェアレベルを超えている必要があります。詳しくは下
記Interoperability guideを参照ください。
SAS RAID Module Interoperability Guide
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078491&brandind=5
000020
確認すべきBladeCenter Sとブレードサーバーの項目を下記にまとめます。
BladeCenter S シャーシ内コンポーネント ファームウェアレベル
・ 管理モジュール
・ IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラー
ブレードサーバー内コンポーネント ファームウェア/ドライバーレベル
・ BIOS
・ BMC
・ SAS拡張カード ファームウェア(CFFv)
・ LSI 1064e Onboard SAS BIOS
・ マルチパスドライバー for windows --IBM Subsystem Device Driver Device Specific Module(SDDDSM)
・ マルチパスドライバー for Linux --Device Mapper Multipath Configuration File
・ IBM and LSI Basic or Integrated RAID SAS driver Microsoft Windows Server 2003 and Windows Server
2008
・ IBM and LSI Basic or Integrated RAID SAS driver Linux(all)
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【構成概要】
当ガイドで使用したシステム概要一覧
<ハードウェア>
管理サーバー
※ 管理サーバーにはStorage Configuration Managerを導入しますので、Storage Configuration Manager
Planning, Installation, and Configuration guide - Chapter 2. Requirements (p9)を参照し、ハードウェア要件
をご確認ください。
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078252&brandind=50
00016
BladeCenter S(8886)
- I/Oモジュールベイ1:Nortel Network Layer 2-3 GbE カッパー・スイッチ・モジュール(26K6530)
- I/Oモジュールベイ3:IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラー(43W3584)
- I/Oモジュールベイ4:IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラー(43W3584)
- HS21(8853)
- SAS拡張カード(39Y9190)
<ソフトウェア>
管理サーバー用
・IBM Storage Configuration Manager version 1.20.0 - IBM Systems Management
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078252&brandind=5
000016
BladeCenter用
・(BOFM enabled) (Maintenance Release) Advanced Management Module firmware v2.46M (BPET46M) - IBM
BladeCenter
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078305&brandind=5
000020
・RAID Module firmware update v1.0.3.017 (Storage Configuration Manager) - IBM BladeCenter S Chassis
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078440&brandind=5
000020
ブレードサーバー用(HS22)
・IBM Flash uEFI/BIOS update v1.03 for Linux - IBM BladeCenter HS22
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5073374&brandind=50
00020
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1.Storage Configuration Managerの導入
IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーはStorage Configuration Managerを使用して構成/管理します。
※以前のバージョン(v1.10.1以前)のStorage Configuration Managerを使用している場合は一度アンインスト
ールし、新しいバージョン(v1.20以降)のStorage Configuration Managerをインストールしてください。
1-1.管理用サーバーにダウンロードしたStorage Configuration Managerのzipファイルを展開し、
\ibm_sw_scm-1.20.0_windows_i386\FILESフォルダ内にあるsetupwin32.exeを実行します。Nextをクリックしま
す。
1-2.使用許諾書が表示されるので内容を確認し、“I accept the terms in the license agreement”にチェック
を入れ、Nextをクリックします。
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1-3.今回はスタンドアロンで導入しますので、Nextをクリックします。(Storage Configuration ManagerはIBM
DirectorのExtensionとしても導入できますが、その場合は事前にIBM Directorを導入する必要があります。)
1-4.インストール先のフォルダを指定し、Nextをクリックします。(Windows Server 2003の場合、インストール
先のデフォルトはC:\Program Files\IBM\SCMです。)
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1-5.今回は全てのRAIDコントローラーデバイスを管理する“SCM Full Install for all devices”をインストール
します。
1-6.Storage Configuration Managerは管理ポートとしてデフォルトで32100番、32101番を使用します。他の
ポート番号を使用する場合は入力し、Nextをクリックします。
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1-7.導入後すぐにアプリケーションを開く、またプログラムメニューにショートカットを作成する場合はチェッ
クを入れ、Nextをクリックします。
1-8.インストール環境の詳細が表示されます。確認し、Installをクリックします。
1-9.インストールが終了したら、Finishをクリックします。
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2.IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーの登録
IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーの構成はStorage Configuration Managerから行います。
2-1.Storage Configuration Managerを起動し、OSのログイン名/パスワードでログインをします。左側のメニ
ューからBC-S SAS RAID Module – Health - All Recoursesをクリックします。
2-2.Add Moduleをクリックし、IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーの登録をします。
2-3.BladeCenter S SAS RAID コントローラーのIPアドレス、USERID、パスワードを入力し、OKをクリックし
ます。(デフォルトはUSERID/PASSW0RDです)
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IBM BladeCenter S SAS RAIDコントローラーは、SASスイッチにRAIDコントローラーが搭載されているスイッチ
です。ここではそれぞれの認証をし、IBM BladeCenter S SAS RAIDコントローラーとして登録します。
IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーが登録されました。
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3.IBM BladeCenter S SAS RAIDコントローラー、Disk Storage Moduleのファームウェア更新
IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーと Disk Storage Module のファームウェアを更新します。(IBM
BladeCenter S SAS RAID コントローラーのファームウェアを更新すると、Disk Storage Module のファームウェ
アも同時に更新されます。)
3-1.Storage Configuration Manager の左側のメニューから BC-S SAS RAID Module – Health – All
Resources をクリックします。
3-2.RAID サブシステムのファームウェアを更新します。RAID Subsystem を選択し、プルダウンメニューから
Service – Shutdown and Recover を選択します。
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3-3.両方のコントローラーをサービスモードにします。Shut down to service mode、Both controller 1 and 2
を選択し、OK をクリックします。(確認のメッセージが出ます。OK をクリックします。)
(telnet で IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラーに接続し、“shutdown –system –state servicemode”と
コマンドを実行することで RAID サブシステムをサービスモードにすることも可能です。)
3-4.RAID Subsystem を選択し、プルダウンメニューから Service – Update Firmware を選択します。
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3-5.ダウンロードした ibm_fw_bcsw_s0cl-X.X.X.XXX_anyos_noarch_scm.zip ファイルを選択し、Install をクリック
します。(確認のメッセージが出ます。OK をクリックします。)
※zip ファイルは展開しないで使用します。
正常に RAID サブシステムのファームウェアが更新されました。
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3-6.SAS スイッチのファームウェアを更新します。SAS スイッチを選択し、プルダウンメニューから Service –
Update Firmware を選択します。
3 - 7 . ダ ウ ン ロ ー ド し た ibm_fw_bcsw_s0cl-X.X.X.XXX_anyos_noarch_scm.zip を 展 開 し 、 フ ォ ル ダ 内 の
\sasswitch\S0SW00P.fuf というファイルを選択し、Install をクリックします。(確認のメッセージが出ます。OK を
クリックします。)
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正常に SAS スイッチのファームウェアが更新されました。
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4.ゾーニングの設定
当ガイドではPredefined Config10(全てのブレードサーバーから全てのDiskが認識可能なゾーニング)を使用
します。
※デフォルトでは、Predefined Config 10(全てのブレードサーバーから全てのDiskが認識可能なゾーニング)
が設定されています。特に理由がない場合、Predefined Config 10を使用してください。個別にゾーニングを設
定する場合、User Defined Config01、User Defined Config02、User Defined Config03、 User Defined Config04
が用意されています。IBM BladeCenter S SAS RAID コントローラー、もしくはStorage Configuration Manager
上で構成を編集し、適用してください。ここではStorage Configuration Manager上でゾーニングをします。
4-1.Storage Configuration Managerの左側のメニューからBC-S SAS RAID Module – Configuration - SAS
Zoningをクリックします。
4-2.Current DeviceがBladeCenter S – xxxx(Module_Bay3, Module_Bay4)となっていることを確認します。
Predefined Config 10を選択し、Activateをクリックします。
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5.ストレージ・プールの作成
3つのディスクでRAID 5のストレージ・プールを構成します。
5-1.Storage Configuration Managerの左側のメニューからBC-S SAS RAID Module – Configuration –
Storageをクリックします。
5-2.Storage Poolsタブを開きます。Create Storage Poolをクリックします。
5-3.今回は手動でディスクを選択します。Manually choose drives(advanced)を選択し、Nextをクリックしま
す。
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5-4. RAID 5のストレージ・プールを構成します。ストレージ・プール名、RAIDレベルを入力します。
5-5.Available Disk Drives欄でストレージ・プールを構成するディスクにチェックをいれます。Addをクリックし、
Nextをクリックします。(確認の画面が出ます。OKをクリックします。)
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5-6.ストレージ・プールが作成されました。続いてボリュームの作成をします。Nextをクリックします。
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6.ボリュームの作成
先ほど作成したストレージ・プール内に、仮想マシンを格納する10Gのボリュームを1つ作成します。
6-1.Volume Definition欄でボリューム名、容量(GB)、数を入力します。Addをクリックし、Nextをクリックしま
す。実際に指定する容量は、XenServerの共有ディスクとして使用する容量を指定してください。
6-2.Discover Hostsをクリックし、接続できるブレードサーバーを表示させます。表示したブレードサーバー
を確認し、Closeをクリックします。
6-3.任意のブレードサーバーとボリュームを選択し、Map Volumesをクリックし、Nextをクリックします。実際
に指定するサーバーは、XenServerを導入するサーバー全てを指定してください。尚、サーバーに予めSAS拡
張カードが搭載されている必要があります。
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6-4.Summaryが表示されます。内容を確認し、Finishをクリックします。
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7.ホットスペアの設定
ディスクを1つ、グローバルホットスペアとして設定します。
7-1.Storage Configuration Managerの左側のメニューからBC-S SAS RAID Module – Configuration –
Storageをクリックします。
7-2.Disk Drivesタブを開きます。ホットスペアとして設定するディスクを選択し、Assign as Global Hot Spare
をクリックします。(確認のメッセージが出ますがOKをクリックします。)
7-3.ディスクがグローバルホットスペアとして設定されました。
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8.Citrix XenServer 5.5の導入および設定
HS22の内蔵ディスクに、Citrix XenServer 5.5を導入します。また、管理用サーバーにXenCenterを導入し、
XenServerホストを管理します。XenServerの導入後、XenCenterでDisk Storage Module上に作成したボリュー
ムを、ストレージレポジトリとしてXenServerに認識させます。
8-1.XenServer 5.5の導入に関しては、以下の「Citrix XenServer 5.5 導入ガイド」の「3. Citrix XenServer 5.5
の導入」をご参照ください。
<Citrix XenServer 5.5 導入ガイド>
http://www.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/jtechinfo/SYJ0-0095B9F
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9.XenServer リソースプール構成
複数台のXenServerで1つのリソースプールを構成します。ここでは、2台のXenServer、”xenserver01”
と”xenserver02”をメンバーとするリソースプールを作成します。操作はXenCenterから行います。
9-1.XenCenterのメニューにおいて、Poolを選択し、New Poolを選択します。
9-2. リソースプール作成ウィザード画面が表示されますので、Name に適当な名前を入力し、Next を押し
ます。ここでは”XenServerPool01”とします。
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9-3. リソースプールに参加させる XenServer の選択画面が表示されます。Select members にて
xenserver01 と xenserver02 が選択されていることを確認し、Select master では xenserver01 が選択されて
いることを確認します。Finish を押してリソースプールを作成します。
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10.マルチパス構成
Disk Storage Moduleへのマルチパス・アクセスを有効にするためには、マルチパスドライバーが必要です。
Citrix XenServer環境の場合、Citrix XenServerに同梱されているマルチパスドライバー”Device Mapper
Multipath”(以降、DMMP)を使用しますので、ドライバーの追加導入作業は必要ありません。尚、手順実施の
前に、Disk Storage Moduleのボリュームが6章の手順に従って作成され、使用するサーバー全てにマッピング
されていることを確認してください。ボリュームがマッピングされていないと、デバイスが見つからないためにマ
ルチパスドライバーが有効にならず、マルチパス設定作業を進めることができません。
マルチパス構成は、以下の手順で実施します。
10-1. DMMP 設定ファイルを IBM の Web サイトよりダウンロードします。Platform RHEL 5 (x86 and x86_64)
用の設定ファイル、multipath.conf をダウンロードしてください。
□ SLES 10 and RHEL 5 Device Mapper Multipath Configuration File for RSSM
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?rs=540&context=ST52G7&dc=D430&uid=ssg1S4000107&
loc=en_US&cs=utf-8&lang=en#RSSM
10-2. ダウンロードした設定ファイルの1部をテキストエディタで編集します。「 user_friendly_names yes 」
という記述を「user_friendly_names no 」へ変更して保存します。
10-3. 編集を完了した設定ファイルを、2 台の XenServer に SCP(SecureCopy)で設置します。
(1) まず設置する前に、既存のファイルを別名に変更しておきます。事前に、Putty 等の ssh 接続ソフトウェア
ツールを準備してください。2台の XenServer に ssh で、root ユーザーとしてログインし、mv コマンドにて、
/etc/multipath-enabled.conf ファイルを/etc/multipath-enabled.conf.backup 等の別名に変更してくださ
い。
コマンド実行例: # mv /etc/multipath-enabled.conf /etc/multipath-enabled.conf.backup
(2) 次に、編集したファイルを設置します。事前に、WinSCP 等の SCP ソフトウェアツールを準備してください。
2台の XenServer に scp で、/etc/multipath-enabled.conf というファイル名として設置します。
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10-4. XenCenter で操作し、XenServer のマルチパス接続を有効にします。この作業は XenServer1台ず
つ順番に実施してください。
(1) マルチパス接続を有効化する前に、XenServer を一度メンテナンスモードにする必要があります。予め仮
想マシンが動いていないことを確認し、動いている場合は停止してください。
(2) XenCenter において XenServer を右クリックし、「Enter Maintenance Mode」を選択してメンテナンスモード
へ変更します。
(3) メンテナンスモードに切り替わったら、XenServer を右クリックして「Properties」を選択し、「Multipathing」タ
ブをクリックします。「Enable multipathing on this server」にチェックを入れることで、マルチパス接続を有効
化します。
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(4) 設定が完了したら、XenServer を右クリックして「Exit Maintenance Mode」を選択し、メンテナンスモードを
終了します。
(5) 通常モードに戻ったら、XenServer を再起動します。XenServer を右クリックし、「Reboot」を選択して再起
動してください。
以上の作業(1)~(5)を他の XenServer についても同様の手順で実施してください。
サーバーの再起動が2台とも完了したら、作業(6)~(9)も同様に XenServer1台ずつ順番に実施してくださ
い。
(6) XenCenter において、XenServer 上のコンソールを開きます。
(7) “xe host-list”コマンドで操作している XenServer の uuid を確認します。
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(8) XenServer からストレージデバイスは自動では認識しないため、コマンドで1度、ストレージデバイスにアク
セスする必要があります。“xe sr-probe type=lvmohba host-uuid=<操作している XenServer の uuid >”コマ
ンドを実施します。
(9) “multipath –ll”コマンドで、マルチパスデバイスが認識していることを確認します。
以上の作業(6)~(9)を他の XenServer についても同様の手順で実施してください。
ここまでの手順を実施することにより、Disk Storage Module 上に作成したボリュームが XenServer にてストレー
ジデバイスとして認識されます。
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11.ストレージレポジトリ登録
マルチパス構成が完了しましたので、XenServer にてストレージデバイスとして認識された Disk Storage
Module 上のボリュームを、ストレージレポジトリとして登録します。ストレージレポジトリはリソースプールに登
録することで、そのリソースプールのメンバーとなっている全ての XenServer から共有ストレージとしてアクセス
できるようにします。尚、XenCenter からは Disk Storage Module 上のボリュームを登録することは出来ないの
でご注意ください。
11-1. XenCenter において、リソースプールのマスターサーバー(ここでは xenserver01)上のコンソールを
開きます。
11-2. “multipath –ll”コマンドで、SCSI ID(下図の赤枠)を確認します。SCSI ID の末尾に“dm-0”等の”dm”
から始まる文字列が表示されますが、この部分は無視してください。尚、ここで言う SCSI ID とは、共有ストレー
ジのボリューム(LUN)毎のユニークな ID を指しています。
11-3. “xe sr-create”コマンドでストレージレポジトリを作成します。下記の値は固別に指定する必要があ
ります。
・name_label
: 手順では”BCS_vol01”にしています
・SCSIid
: 11-2.で確認した値(赤枠の SCSI ID)です
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11-4. XenCenter にてストレージリポジトリが登録されたことを確認します。XenCenter にて登録したストレ
ージレポジトリを選択し、General タブを選択します。Multipathing 表示項目に各 XenServer とパスの状況が表
示されます。全ての XenServer について「2 of 2 paths active」と表示され、2つのパスがあり2つとも正しく認識
されていることを確認します。
ここまでの手順を実施することにより、XenServer にてストレージデバイスとして認識された Disk Storage
Module 上のボリュームを、リソースプールのストレージレポジトリとして登録が完了しました。これにより、その
リソースプールのメンバーである全ての XenServer から、Disk Storage Module 上のボリュームへアクセスでき
るようになりました。
ボリュームが複数ある場合は、ボリューム毎に登録作業を実施してください。
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(参考) ストレージマルチパス接続の障害発生時の動きと対応について
外部ディスクとサーバー間でパス障害が発生した場合、マルチパス障害として、ストレージリポジトリに赤い
「!」が表示されます。パス障害の回復後もマルチパス障害が復旧しない場合、対象の XenServer を再起動し
ます。
復旧手順(xenserver02 でマルチパス障害が発生した場合)
1. VM が xenserver02 で稼動している場合、対象 VM を右クリックして「Migrate to Server」-「xenserver01」を
クリックし、xenserver01 へ移動します。
2. xenserver02 を右クリックして「Reboot」をクリックし、再起動します。
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3. xenserver02 の再起動後、対象のストレージリポジトリをクリックして General タブを選択し、赤い「!」が
消えていることと、両パスとも復旧していることを確認します。
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12.HA構成
作成したストレージリポジトリを使用して、HA (High Availability) を構成します。ハートビート SR には、512MB
程度の容量を使用しますので、前述の手順で共有ストレージとして作成、構成しておいてください。この手順で
は、予め”BCS_vol02”を作成済とし、このボリュームを使用します。
12-1. リソースプールを選択した状態で、メニューから「Pool」-「High Availability」を選択します。
12-2. ウィザードが起動するので Next をクリックします。
12-3. ハートビート SR として使用するストレージリポジトリを指定して、Next をクリックします。
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12-4. 仮想マシン毎に Protection level を設定します。デフォルトでは全ての仮想マシンが「Protected」レ
ベルです。HA の対象としたくない仮想マシンは「Do not Restart」レベルに設定します。優先度を2段階にわけ
たい場合は、最優先のものを「Protected」とし、優先度を下げるものを「Restart if Possible」にします。設定が
完了したら Next をクリックします。
12-5. サマリーが表示されるので、問題がなければ Finish をクリックします。
12-6. HA 機能が有効化されると、XenCenter の HA タブを見ることで、管理ネットワーク、および、 ハート
ビート SR によるハートビートの状態が確認できます。
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参考
※SAS RAID Module Matrix - IBM BladeCenter S Chassis (1948, 8886)
http://www-947.ibm.com/systems/support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=MIGR-5078481&brandind=5
000020
※Storage Configuration Managerが使用するポート番号
Process
IBM Storage Configuration Manager Service ⇔ Web browser
IBM Storage Configuration Manager Service ⇔ CIM service
IBM Storage Configuration Manager XML API port
IBM Storage Configuration Manager firmware upload port
SAS RAID Controller Module port
TCP port
Linux
32100
32101
5988
5989
15988
15989
6641
6643
18084
Windows
32100
32101
5989
6641
6643
18084
以上
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