第2章 総論 1 基本理念 2 基本的方針

第2章 総論
1
基本理念
「子どもの利益が最大限尊重され、子どもが健やかに育まれるとともに、すべての人
が安心してゆとりを持って子どもを産み育てることができるよう、子育てを地域全体で
支えるまち」
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基本的方針
子どもは、社会の希望であり、未来をつくる存在である。
子どもの健やかな育ちと子育てを支えることは、一人ひとりの子どもや保護者の幸せ
につながることはもとより、将来の活力ある社会の担い手にもつながるものであり、地域
全体で取り組むべき最重要課題の一つです。
しかるに、子どもの育ちや子育てをめぐる状況は厳しく、結婚や出産に関する希望の実
現をあきらめる人々や、悩みや不安を抱えながら子育てを行っている人々がいるのが現
状です。
子育ては「第一義的には父母その他の保護者が責任を持つ」という基本的認識を前提と
しつつ、地域や社会が保護者に寄り添い、保護者が喜びや生きがいを感じながら、安心し
て子育てができるよう、地域全体で支援します。
行政は、子ども・子育て支援のための施策を質・量ともに充実させるとともに、家庭を
中心に保育所、保育園、学校、地域、企業その他、社会を構成するすべての人々が、子ど
も・子育て支援に対する関心や理解を深め、相互に密接に連携しながら、それぞれの役割
を果たすことで、家庭を築き子どもを産み育てたいと思う人々の希望がかなえられ、全て
の子どもが健やかに成長できる社会を目指します。
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3 施策の基本目標
「基本理念」を実現するための基本目標は、次の4つとし、施策の方向を明らかにす
るとともに、その総合的な展開を図ります。
(1) みんなで創る 支えあい やさしさあふれる子育てのまち
若い世代が、安心してゆとりをもち健やかに子どもを育てることができるように
するためには、子育て世帯を社会全体で支援し、家庭や地域の機能を支えるための
仕組みを構築していくことが重要です。このため、特に物心ともに子育ての負担感
が大きい低年齢児とその保護者を中心に、総合的な支援施策を推進します。
核家族化やライフスタイルの多様化に伴う保健、医療、福祉サービスの需要に適
切な対応をし、仕事をはじめとする社会活動と子育てとの両立を可能としていくこ
とが重要な課題です。このため、低年齢児を中心とする保育受入枠の整備をはじめ
としたサービスの充実と、多様かつ柔軟なサービスの提供を推進します。
(2) みんなで創る 新しい命を育み 幸せを実感できるまち
子育てとは本来、子どもに限りない愛情を注ぎ、その存在に感謝し、日々成長す
る子どもの姿に感動して、親も親として成長していくという大きな喜びや生きがい
をもたらすことである。これから結婚・出産・子育てに臨もうとする若い男女が、
家庭や子育てに夢を持ち、加えて、子育ての喜びと働く喜びを同時に得ることがで
きる社会を築くための基本的な課題として、家庭や職場、地域における固定的な性
別役割分業や職場優先の企業風土の是正を図っていきます。
また、少子化への対応としては、女性の就業を前提としたうえで、男女とも職業
生活と家庭生活の両立が容易にできるような雇用環境を整備することが重要です。
この観点から、育児休業制度の定着や労働条件の改善等に向けた企業への働きかけ
を推進します。
(3) みんなで創る 子どもの利益が最大限に尊重されるまち
「児童の権利に関する条約」では、すべての子どもに、現在や未来において生
存、保護、発達、参加という包括的権利が保証されています。これらを踏まえ、子
どもの幸せを第一に考え、子どもの最善の利益が実現されるよう子どもの視点に立
ち、子供の生存と発達が保障されるよう配慮します。また、子どもの健全な成長を
地域全体で見守る活動の推進を図るとともに、被害にあった子どもの保護や、子ど
もに関する相談・支援を行う体制の充実を図ります。
(4) みんなで創る 子どもが明るく育つ 喜びのあるまち
安心して子どもを産み、育てるための基本となるのは親や家族であることはもち
ろんですが、地域社会を始め社会全体で支援していくことは必要不可欠です。
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また、一人ひとりの豊かな成長を保障し、すべての子どもが光り輝く毎日を過ご
すためには、単に家庭や保育サービス、学校教育を充実するばかりではなく、地域
全体での教育活動の支援、働きながら子育てができる雇用環境の整備、そして、町
民全体で子どもや家庭に対するあたたかいまなざしと支援が必要です。
子育て世帯が、ゆとりを持ち安心して暮らせるための町づくりの推進は、子育て
に夢を持てる社会を構築するための重要な課題です。
このため、住宅、交通施設・機関、公共施設など、子どもや家庭を取り巻く生活
環境全般について、良質な住宅や居住環境の整備、安全性の確保、子ども連れで外
出等をしやすくする歩行環境等のバリアフリー化の推進などをはじめ、本格的な少
子高齢社会にふさわしいゆとりある生活環境の実現を目指します。
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4 計画の体系図
【基本理念】
『子どもの笑顔がすべての人を結ぶまちづくり』
子どもは、未来の宝であり、私たちの宝です。
未来を担う子どもたちみんなが健やかに生まれ、育っていくことは、親はもとより、私たちみんな
の願いでもあります。地域に活力を与え、伝統や文化を次の世代に伝えていく子どもたちが減少して
いくことは、将来の西和賀町全体の活力の低下につながりかねません。
本来、子育ては、家庭が基本的な責任を持つものですが、私たちは、安心して子どもを産み育てる
ことのできる環境をつくり、子どもが育つ喜びを共に分かち合い、地域のつながりを深め、子育てを
する家庭に対し地域全体で支援するまちづくりを推進します。
【基本目標】
1.みんなで創る 支えあい やさしさあふれる子育てのまち
2.みんなで創る 新しい命を育み 幸せを実感できるまち
3.みんなで創る 子どもの利益が最大限に尊重されるまち
4.みんなで創る 子どもが明るく育つ 喜びのあるまち
【基本方針】
1 子育て家庭に対する支援の充実
【基本施策】
(1) 保育サービスの充実
(2) 放課後児童対策の推進
(3) 子育て支援の拠点整備
(4) 柔軟な育児サービスの整備
(5) 経済的負担の軽減
2 安心できる母子保健の推進
(1) 妊産婦保健と母親・父親支援事業の充実
(2) 子どもの健康づくりと疾病予防の推進
(3) 子育て支援のための相談体制の整備
(4) 思春期保健対策の充実
(5) 次代の親の育成
(6) 食育の推進
3 職業生活と家庭生活の両立の支援
(1) 多様な働き方の実現及び男性を含めた働き方の見直し
(2) 仕事と子育ての両立の支援
4 次代を担う世代の育成
(1) 子どもの生きる力の育成に向けた教育環境の整備
(2) 地域教育団体への支援と連携
(3) 生きる力を育てる地域教育活動の推進
(4) 環境を活かした子どもの地域間交流の推進
(5) 子どもの遊びの支援
(6) 子どもへの情報提供と社会参加の推進
5 子育て家庭にやさしい安全・安心な生活環境の整備
(1) 良好な住居環境の確保と生活環境の整備
(2) 安全な道路交通環境の整備並びに交通安全対策の推進
6 支援を必要とする児童への取組の推進
(1) 母子家庭等の自立支援の推進
(2) 子どもを犯罪から守る活動及び防犯対策の推進
(3) 子育て支援団体との協力
(4) ストレスを抱えた子どもへの対応と援助ネットワークの形成
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(5) 児童虐待防止対策の充実
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