★ご自由にお持ちください 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 〒173-0015 東京都板橋区栄町35-2 (代表電話) 03-3964-1141 (予約専用電話)03-3964-4890 ホームページ http://www.tmghig.jp/ 第122号 (平成27年7月号) 救急診療部のご紹介 救急診療部長 坪光 雄介 はじめに 『断らない救急医療』をスローガンに平成 24 年 1 月救急診療部が開設されました。救急科が 独立してあるという訳ではありませんが、各診療科よりその核となるメンバーが選任されまし た。直接、救急外来診療に携わる時もあれば、自らの専門となる疾患については積極的に救急 患者の受け入れを行っています。また、毎月 1 回院内開催の診療委員会救急部会において救急 が円滑に受け入れできるように、病院全体で話し合いを行っています。 救急診療部の目標 救急患者をお断りしない 1 診療科の垣根をなくして センター全体で「断らない救急医療」の実現に向けて、医師だけではなく、放射線科の職員や看護師など 救急医療に関係する職員で構成する救急部会を毎月開催して話し合いを重ねています。ここでの話し合いを 重ねることにより、救急外来の当番に当たった医師がそれぞれの専門という垣根を越えて協力し合いながら、 なるべくお待たせしないようにしようという意識を持ち診察にあたっています。 2 設備の充実 平成 25 年 6 月に新施設に移転し、東京都健康長寿医療センターはリニューアルオープンしました。設計 段階から一人でも多くの救急患者を受け入れられる「救急外来」になるよう取り組み、設備面の充実をはか りました。旧病院の約 3 倍の広さを有し、観察用ベッド 4 床(うち 1 床は重症対応可)、個室 3 室(感染症 対応 1 室)を確保しました。また、放射線科の近くに救急外来を設けたことにより胸部レントゲン、CT、 MRI の撮影のための動線が機能的になりました。病棟への動線にも配慮した設計になっています。 これらの工夫は他病院の参考にもなり、視察の方が訪ねてきます。 3 「東京ルール」 東京都では、 「救急患者を迅速に医療に受けられるよう、地域の救急医療機関がお互いに協力・連携して救 急患者を受け入れる取り組み」として「東京ルール」の運用を平成21年に開始しました。当センターも地 域救急医療センターのひとつとして、救急患者さまの受け入れに努めています。 また、地域の救急関係者が一堂に会する会議「地域救急会議(区西北部保険医療圏)」に参加し、地域の医 療機関との連携を築いています。 −1− 救急診療部のご紹介 図1 10000 8000 6000 4000 2000 0 救急患者総数 救急車受け入れ件数 救急診療部開設 新病院移転 平成24年1月∼ 平成25年6月∼ 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 5824 6630 7078 8306 2971 3447 3430 3986 (単位:人) スタッフの紹介 幸田 俊一郎 脳神経外科医師 本年度 4 月より、救急診療部配属となりました幸田です。脳神経外科との兼務であり、 神経救急を中心に携わってまいります スタッフの紹介 吉田 昌文 医師 4 月から救急診療部で勤務するようになった吉田昌文です。これまでは帝京大学医学部 附属病院の救命センターで働いていました。高齢者は重症になり易いので、調子が悪い時 は我慢をしないで早めに病院においでください。 研修について 救急診療部の医師は、救急患者をお断りすることがないように日々研鑽を積んでいます。 6 月 27 日(土)に、毎年恒例となっているテルモプラネックス研修に参加しました。 初期研修医(医科・歯科 13 名)1 年目の医師を対象に研修をしてきました。救急診療部の メンバー 6 名と金澤伸郎(外科部長)、齊藤未央(外科) 、能登谷翔(初期研修医 2 年目)、前 川真基(麻酔科)の指導医 10 名が参加しました。 医師になって間もないこの時期の研修は、初期研修医にとって有意義なものであったと感じ ています。日常の忙しい現場では十分に経験させることはできませんが、病院と同じような環 境を忠実に再現したプラネックス研修において、明日からの診療に役立つさまざまな研修を緊 張感もって経験することができました。研修医と指導医のコミュニケーションが深められたひ と時でありました。 テルモメディカルプラネックスとは・・・ 実習の写真:右側から二人目は指導にあたる 吉田昌文医師(救急診療部) 新たな医療技術の創造と普及を目指して設立された、総 合医療トレーニング施設です。 病院や居宅と同等の医 療環境を再現した空間で、医療従事者の実践的なトレー ニングや、商品開発のためのコラボレーションが行われ ています。 施設の名称である「プラネックス(Pranex)」 は、医療関係者が行う「医療手技の実践・実習」を意味 する「Practice」と、研究開発センターの別館を表す 「Annex」をあわせた造語で、同施設設立の目的を表現 しています。2002 年のオープンから、のべ 7 万人を超 える医療関係の皆様が訪れています。 (テルモ社ホームページより) −2− 救急診療部のご紹介 研修医の教育・育成に力を注いでいます 救急外来には、さまざまの患者さまがおいでになりますので、一般の外来に比べて多くの患 者さまを診察することができ経験を積むことができます。また、将来の医師としての専門性に もここでの経験は活きていきます。 そのため、研修医の教育・育成にも力を注いでいます。 研修医を対象とした 「朝カンファランス」 は毎朝、行っています。研修医からの当直の時間帯に入院となった患者さまの症例についての 説明に対して、指導医から研修医へのアドバイス(診断から治療に至るすべてのこと) 、さらに は画像(レントゲン・CT・MRI)において解説を加えています。 指導体制は、初期研修医の指導を後期研修医が行い、初期・後期研修医の指導を指導医が責 任を持って行う「屋根瓦方式」を採用しています。 救急外来のご案内 日中の救急外来(月曜日~金曜日 9 時~ 17 時まで) 救急当番に医師 3 名と吉田昌文救急科専門医の 4 名で対応します。 休日夜間の救急外来(17 時~翌朝 9 時まで) 内科系の当直医、外科の当直医のほか神経内科を専門とする当直医、循環器内科を専門とす る当直医など、6 から 7 名の当直医が対応します。 土曜日、日曜日、祝日は内科系の医師を増員し、4名で対応しています。 受診予約 当センターは二次救急医療機関として 24 時間体制で、 緊急対応を必要とする患者様を中心に、 救急診療を行っています。東京消防庁とホットラインでの対応もしています。 医師が緊急処置中の場合や、患者様の症状によっては診察できない場合がありますので、受 診を希望される際は必ずお電話にてお問い合わせください。 お持ちいただくもの 電話 03-3964-1141(代表) ○健康保険証、老人医療受給者証、公費医療券 (お持ちの方) ○診察券(当センターに受診したことがある方) ○お薬手帳(薬の説明用紙)、飲んでいる薬(現物) スタッフの紹介 渡邉 敏子 救急外来看護師(次席) 患者さんの治療には医師とともに一生懸命にあたって いますが、付き添いのご家族が安心してお待ち頂けるよ うに、診療中の経過をお知らせするように心掛けており ます。お待ちの間に心配なこと、不明なことなどがあり ましたら、受付のインターフォンで声をかけてください。 集合写真 −3− PET/CT 検査のご紹介 放射線診断科医長 下地 啓五 【PET/CT 検査とは】 PET/CT とは、PET(Positron Emission Tomography; 陽電子断層撮像法 ) と CT(computed tomography; コンピュータ断層撮像法 ) を融合させた全身の画像を同時に得ることができる最先端 の画像診断検査です。 【PET/CT 検査でわかること】 PET は組織やがんの活動状態を詳しく調べることに適しています。例えば病変が良性 か悪性か、再発があるかないか、などの情報を PET では得ることができます。CT は組 織やがんの細かな形態を調べることに適しています。例えば、がんの形や大きさ、どの組 織のどの部分に存在するかなどの情報を CT では得る事ができます。 PET/CT 検査では、PET と CT が一体型となった装置を使って、全身の PET と CT 画 像の両方を一度の検査で得ることが出来ます。PET/CT 検査では、PET だけの画像に比 べ病変の位置と範囲がより正確に判別できます。また CT 画像で異常がある部位について の質的評価ができるので、診断能力が向上します。 【検査の流れ】 PET/CT 検査は FDG 製剤を注射してから撮像終了まで2~3時間程度で、入院の必 要はありません。当センターでは月曜日と金曜日に PET/CT 検査を予約することが出来 ます。 1)絶食:検査の6時間以上前から絶食にして下さい。ただし、お茶やお水など糖分を 含まない飲み物は飲んでもかまいません。 2)受付:病院総合案内で受付を済ませ、15 番アイソトープ検査室にて検査受付を行っ てください。 3)注射:検査室で、FDG 製剤を注射します。 4)安静:安静室で、薬剤が全身にいきわたるまで、約1時間安静にします。 5)撮像:トイレで排尿後に、PET/CT カメラの下で約 30 分安静にします。この間に PET/CT 画像が撮像されます。 6)診断:専門の医師が PET/CT 画像を読影し、総合的に診断します。 【検査を受けるときの注意】 1)検査前日と検査当日は激しい運動(ジョギング、水泳、サイクリング)を控えて下さい。 2)検査終了当日は、まだ体内に微量の放射性物質が残っていますので、妊婦や乳幼児 との接触をなるべく避けるように努めて下さい。 3)キャンセルや予約の変更が生じた場合は前日までにご連絡ください。 −4− PET/CT 検査のご紹介 【安全性について】 FDG 製剤からの被曝線量は胃のバリウム検査と同じくらいです。ここへさらに CT 検 査による被曝が加わります。この線量で放射線障害が起こることはありませんので、安心 して検査をお受け下さい。 【PET/CT 検査なら小さながんも見つけられる?】 PET/CT といえども、顕微鏡レベルの微小ながんは発見することが出来ません。また 進行の度合いや細胞の種類によっても発見しにくいがんがあります。 【さいごに】 当センターでは最新の PET/CT 装置を駆使し、熟練したスタッフによる質の高い検査 を提供しています。PET/CT はがんの診断だけでなく、治療効果の判定や、再発の有無 の判定にも活用されています。また PET/CT は脳や心機能の評価にも大変有用な検査で す。詳しくは医師にご相談下さい。 当センターの PET/CT 装置 PET/CT 画像。 多数の異常集積を認めます。 −5− 患者さまの声 ○この病院の受診は 60 歳以上の患者を対象と 車椅子を置いていただければ、後から回収いた して欲しい。若年者まで診察することで、病院 しますので、よろしくお願いいたします。 が混み合い診療時間が長くなり待ち時間が長く なる。 ○待合室のテレビに字幕を表示してはどうか。 ⇒当センターは小児科、産科関連疾患を除くす ⇒外来のテレビについては字幕を表示するよ べての疾患の診療を行うことが出来る病院で う設定させていただきます。またその他の操 作(チャンネル変更や音量調整等)が必要な 患者さまからの声 能としております。お待たせして誠に申し訳ご 際は、お近くの外来受付スタッフまでお声掛 す。そのため、年齢の制限なく誰でも受診を可 ざいませんが、ご理解・ご協力のほどよろしく け願います。 お願いいたします。 ○なぜ病院の駐車場は無料なのか。自家用車の ○タクシーで来院している患者の家族だが、帰 所有者は経済的に困窮していないはずである。 宅時にタクシー乗り場まで車椅子を押して行 有料にするべきである。 き、タクシーに乗せて、車椅子を玄関に戻すた ⇒お車で来院される患者様の事情は様々であ め、患者に目の届かない時間ができてしまう。 るものと理解しております。将来的に駐車場 もう少し便利にならないものか。 を拡張整備する計画がございますので、その ⇒ご不便をおかけして申し訳ございません。お 中で有料化についても検討してまいります。 帰りの際はタクシー乗り場前の空きスペースに 第 139 回老年学・老年医学公開講座のお知らせ 「紹介します!高齢者にやさしい最新医療」 講演1「心不全と老化の不思議な関係」 東京都健康長寿医療センター 副院長 原田 和昌 講演2「脳卒中治療の進化~「脳外科」にかからないために」 東京都健康長寿医療センター 脳神経外科医長 高梨 成彦 講演3「排尿障害への新たなアプローチ」 東京都健康長寿医療センター研究所 老化脳神経科学研究チーム研究副部長 堀田 晴美 第139回老年学・老年医学公開講座 手話通訳あり 午後1:30∼2:00 心不全と老化の不思議な関係 東京都健康長寿医療センター 副院長 原田 和昌 心不全はがんと同じくらい死亡率が高い病気です。加齢によ りなぜ心不全が増えるのか、高齢者の心不全に関する新しい考 え方と、いくつかの高齢者にやさしい新しい治療についてお話 しします。 2 午後2:00∼2:30 脳卒中治療の進化 ∼「脳外科」にかからないために 東京都健康長寿医療センター 脳神経外科医長 高梨 成彦 脳卒中の治療は近年、①血栓ができることを防ぐ内科的治療、②詰 まった血栓を取り除く注射薬とカテーテル、の2つの分野でめざま しい進化をとげています。健康寿命を延ばすために私達が行ってい る、新しい脳梗塞治療についてお話しします。 3 午後2:45∼3:15 排尿障害への新たなアプローチ 東京都健康長寿医療センター研究所 老化脳神経科学研究チーム研究副部長 堀田 晴美 就寝中に尿意で目が覚め、何度もトイレに行く、夜間頻尿などの 排尿障害は、歳のせいだからしかたがないと思っていませんか?こ のような症状を緩和する、「高齢者にやさしい」排尿障害の治療に向 けた私達の研究をご紹介します。 質疑応答 申込不 入場無 要 料 午後3:30∼4:00 司会 中澤 達 東京都健康長寿医療センター 血管外科部長 入退場 自由 主催 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 共催 板橋区 平成27年 9月11日 金 午後1時15分∼午後4時15分 「糸でんわ」編集事務局 03-3964-1141(内線1239 広報普及係) −6− 紹介します! 講演 高齢者に やさしい 最新医療 日時:平成 27 年 9 月 11 日(金)午後1時 15 分~午後4時 15 分 会場:板橋区立文化会館大ホール 主催:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 共催:板橋区 1 都民向け講座 会場 板橋区立文化会館大ホール 東京都板橋区 大山東町51−1 東武東上線 大山駅北口・南口 徒歩約3分 都営三田線 板橋区役所前駅A3出口 徒歩約7分 広報普及係 内線 1240 ホームページ http://www.tmghig.jp/ 定員に達した場合はご入場いただくことができませんので、 ご了承ください。
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