編集 ジーンバンク 植物資源研究チーム 河瀨 眞琴 江花 薫子 福岡 修一 溝淵 律子 宇賀 優作 小川 裕子(編集事務) Edited by Makoto KAWASE, Kaworu EBANA, Shuichi FUKUOKA, Ritsuko MIZOBUCHI, Yusaku UGA and Yuko Ogawa (assistant editor) Plant Genetic Resources Laboratory, Genebank, NIAS まえがき 平成 13 年に農林水産省傘下の試験研究機関が独立行政法人化し,5 年計画の第三期ジーンバンク事業も 4 年余が経過した.科学技術基本計画で国家方針として定められているように生物遺伝資源は先端的・独創的・ 基礎的な研究開発を進める上で不可欠であり, 農業生物ジーンバンク事業はその中で重要な役割を担っている. 植物遺伝資源に関わる国際情勢も大きく変化している.平成 4 年 5 月にリオデジャネイロで「生物多様性に 関する条約」が採択され翌年には発効し, 世界全体で生物多様性の保全と持続的利用に取り組むこととなった. 遺伝資源についてもこの条約の枠組みの中で議論が重ねられ, 「誰にでも利用が可能な人類共通の財産」とい う以前の考え方から原産国に主権があり責任をもって管理するという考え方に大きくパラダイム・シフトが生 じた.平成 14 年4月にはオランダで第6回締約国会議が開催され, 「遺伝資源へのアクセスとその利用から 生じる利益の公正で公平な配分に関するボンガイドライン」が採択された.このような国際的状況は遺伝資源 の潜在的価値への評価という意味で前進であるが,遺伝資源の探索や調査の実施を困難にする要因ともなって いる.現在,遺伝資源の海外探索には二国間での合意が必要で,遺伝資源の持ち出しや利用に厳しい制限を課 す国も増えている.一方,FAO では「食料農業植物遺伝資源に関する国際条約」が平成 13 年 11 月に採択さ れ,植物遺伝資源のうちイネなど 35 作物 29 牧草種のアクセスとその利用から得られる利益配分について定 め,食料農業植物遺伝資源の利用と権利保護の枠組み作りが進められている.本条約の署名期間はすでに終了 し,平成 16 年 6 月 29 日に発効し,現在,加盟に開かれ,植物遺伝資源の新しい国際的な枠組み形成に向け て動き出しつつある. 農業生物ジーンバンクとしては,このような最近の国際情勢に十分配慮しながら積極的に国際協力を進め遺 伝資源の収集・保存・特性評価・利用の促進に努力している. 平成 16 年度にはジーンバンク事業の植物遺伝資源部門の探索・収集および関連研究として,国内では鹿児 島県においてサトウキビ野生種,果樹類は長野県でクリ類,山梨県・長野県・北海道においてアオナシ・カジ イチゴ・スグリ類,北海道では米国 USDA 調査隊を受入れ北海道植物遺伝資源センターや秋田大学と協力して 小果樹野生種,三重県にてチャ,徳島県にてツルマメ,四国地方南東部でエゴマ類,北海道にてクワ野生種な ど,海外ではミャンマーにおいて野生イネの探索探索・収集・調査を実施した.また,パプア・ニューギニア における野生イネやマメ類を対象とした共同現地調査を実施し,次年度に向け中国新彊ウイグルにて核果類を 対象に共同予備調査を行ったが,その成果も本報告書に収めた. 海外遺伝資源の探索・収集は今後も困難が予想されるが,関係各位の意見,助言を取り入れ課題公募も含め 計画的に国内,海外遺伝資源の探索・調査を実施する予定であり,更なるご協力をお願いしたい.本報告書で はジーンバンク事業による探索収集調査の報告を第一義としているが,植物遺伝資源に関連した科学的な現地 調査情報を集積することは事業の発展のためにも重要と考え,他予算による現地研究等の報告も併せて掲載し た.印刷物だけでなく,当ジーンバンクのホームページからもダウンロードできるのでご活用頂けると幸甚で す. 最後に,私たちの活動に指導と支援をしてくださった国内外の方々に心から感謝申し上げます.とりわけ多 くの情報と貴重な遺伝資源を分譲してくださった農家の皆様には深謝致します. 平成 17 年 10 月 農業生物資源研究所 ジーンバンク長 奥野 員敏 植物遺伝資源探索導入調査報告書(平成 16 年度) 目次 まえがき 奥野 員敏 Ⅰ.国内探索収集調査報告 1. 吉野川流域における野生大豆(ツルマメ)の収集 ・・・・・・・・・・・・・・ 1 菊池 彰夫・猿田 正恭・岡部 昭典 2. 四国山地で特異的に産する硬実エゴマの維持方法の特徴 ・・・・・・・・・・・ 9 新田 みゆき・平島 信也・白田 和人 3. 鹿児島県大隅半島東岸,宮崎県南部におけるサトウキビ野生種の探索収集・・・・・ 23 佐藤 光徳・野島 秀伸・高木 洋子 4. 長野県におけるシダレグリ遺伝資源の収集 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 澤村 豊・高田 教臣・佐藤 明彦・平林 利郎 5. 山梨県・長野県におけるアオナシの探索・収集 ・・・・・・・・・・・・・・・ 37 池谷 祐幸・間瀬 誠子・佐藤 義彦 6. 三重県御浜町における多田元吉が導入した茶遺伝資源の収集 ・・・・・・・・・ 45 松永 明子・根角 厚司・佐波 哲次・喜多嶋 秀之・横山 幸徳 7. 北海道道央地域の高標高地におけるヤマグワの探索収集 ・・・・・・・・・・・ 51 小山 朗夫・井波 勇二・塚田 亀雄 8. 野生ダイズと栽培ダイズとの自然交雑集団の探索と収集 −秋田県および広島県における予備的調査− ・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 加賀 秋人・友岡 憲彦・Ugen PHUNTSHO・黒田 洋輔・小林 伸哉・伊勢村 武久・ Miranda-Jonson GILDA・Duncan A. VAUGHAN 9. 野生ダイズ,栽培ダイズおよび両種の自然交雑集団の探索,収集とモニタリング −秋田県,茨城県,愛知県,広島県,佐賀県における現地調査から− ・・・・・・ 73 黒田 洋輔・加賀 秋人・Anna Apa・Duncan A. VAUGHAN・友岡 憲彦・ 矢野 博・松岡 伸之 10. 石垣島におけるマメ類および共生微生物遺伝資源多様性の現地調査と保全 ・・・・ 97 友岡 憲彦・黒田 洋輔・横山 正・柏葉 晃一・加賀 秋人・ 伊勢村 武久・Duncan A. VAUGHAN 11. 広島県宮島および対岸の廿日市におけるシソ近縁野生種レモンエゴマの探索 ・・・ 105 新田 みゆき・田中 大介・白田 和人 Ⅱ.海外探索収集調査報告 1. ミャンマー北部および西部地域における野生イネの探索収集(2004 年) ・・・・・ 117 宇賀 優作・Tin Maw Oo・Win Twa・河瀨 眞琴 2. パプアニューギニアにおけるマメ類および共生微生物遺伝資源多様性の 現地調査と 保全 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135 友岡 憲彦・小林 伸哉・R. N. KANBOU・J. RISIMERI・J. POAFA・ A. APA・加賀 秋人・伊勢村 武久・黒田 洋輔・Duncan A. VAUGHAN 3. 中国新彊ウイグル自治区における果樹遺伝資源の共同調査プロジェクトの 事前調査 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 145 佐藤 義彦・山口 正己・叢 花・廬 春生・白田 和人 4. ベトナム北部における豆類遺伝資源の共同調査収集 ・・・・・・・・・・・・ 151 島田 尚典・大西 志全・TRAN Thanh Binh・LE Tuan Phong 5. 中国雲南省およびラオス北部におけるマメ類および共生微生物遺伝資源多様性の 現地調査と保全 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 167 友岡 憲彦・S. INN・X. TAN・C. LI・Sing KHAM・P. INTHAPANYA・ Duncan A. VAUGHAN・加賀 秋人・伊勢村 武久・黒田 洋輔 Ⅲ.海外植物遺伝資源探索収集チームの派遣実績 ・・ ・・・・・・・・・・・・・ 179 Ⅳ.国内植物遺伝資源探索収集チームの派遣実績 ・・ ・・・・・・・・・・・・・ 189 Annual Report on Exploration and Introduction of Plant Genetic Resources in FY2004 Contents Preface Kazutoshi OKUNO I. Exploration and Field Research in Japan 1. Collection of the Wild Soybean (Glycine soja ) in the Yoshino Basin ・・・・・・ 1 Akio KIKUCHI, Masayasu SARUTA and Akinori OKABE 2. Hard Seed Type of Oil Perilla Distinctively Found from the Mountainous ・・・・ 9 Region in Shikoku District and its Conservation Status in situ Miyuki NITTA, Shinya HIRASHIMA and Kazuto SHIRATA 3. Exploration and Collection of Sugarcane Wild Species in Southern Kyushu ・・・・ 23 Mitsunori SATO, Hidenobu NOJIMA and Hiroko TAKAGI 4. Exploration of Weeping Type Japanese Chestnut (Castanea crenata Sieb. et Zucc. var. pendula Makino) Genetic Resources in Nagano Prefecture in Japan ・・・ 31 Yutaka SAWAMURA, Norio TAKADA, Akihiko SATO and Toshio HIRABAYASHI 5. Exploration and Collection of Pyrus ussuriensis var. hondoensis in Yamanashi and Nagano Prefectures. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 Hiroyuki IKETANI, Nobuko MASE and Yoshihiko SATO 6. Collection of Motokichi Tada's Tea Genetic Resources in Mie Prefecture ・・・・ 45 Akiko MATSUNAGA, Atsushi NESUMI, Tetsuji SABA, Hideyuki KITAJIMA and Yukinori YOKOYAMA 7. Exploration and Collection of Mulberry (Morus bombycis K .) at High altitudes in the Central area of Hokkaido ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 Akio KOYAMA, Yuji INAMI, Kameo TSUKADA 8. Exploration and Collection for Hybrid Derivatives Between Wild and Cultivated Soybean: Preliminary Survey in Akita and Hiroshima Prefectures, Japan ・・・・ 59 Akito KAGA, Norihiko TOMOOKA, Ugen PHUNTSHO, Yosuke KURODA, Nobuya KOBAYASHI, Takehisa ISEMURA, Miranda-Jonson GILDA and Duncan A. VAUGHAN 9. Exploration, Collection and Monitoring of Wild Soybean and Hybrid Derivatives between Wild Soybean and Cultivated Soybean: Based on Field Surveys at Akita, Ibaraki, Aichi, Hiroshima and Saga Prefectures ・・・・・・・・・・・・・・・ 73 Yosuke KURODA, Akito KAGA, Anna APA, Duncan A. VAUGHAN, Norihiko TOMOOKA, Hiroshi YANO, Nobuyuki MATSUOKA 10. Ecological Survey and Conservation of Legumes - symbiotic Rhizobia Genetic Diversity from Ishigaki Island, Okinawa, Japan, 2004 ・・・・・・・・・ 97 Norihiko TOMOOKA, Yosuke KURODA, Tadashi YOKOYAMA, Kouichi KASHIWABA, Akito KAGA, Takehisa ISEMURA and Duncan A. VAUGHAN 11. Exploration of a Wild Relative of Perilla Crops, Perilla Citriodora (Makino) Nakai, in Miyajima Island and the Opposite Shore, Hatsukaichi City, Hiroshima Prefecture ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 Miyuki NITTA, Daisuke TANAKA and Kazuto SHIRATA II. Exploration and Field Research in Foreign Countries 1. Exploration and Collection of Wild Rice in Northern and Western Region of Myanmar, 2004 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117 Yusaku UGA, Tin Maw Oo, Win Twa and Makoto KAWASE 2. Ecological Survey and Conservation of Legume - symbiotic Rhizobia Genetic Diversity in Papua New Guinea, 2004 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135 Norihiko TOMOOKA, Nobuya KOBAYASHI, R. N. KAMBUOU, J. RISIMERI, J. POAFA, A. APA, Akito KAGA, Takehisa ISEMURA, Yosuke KURODA and Duncan A. VAUGHAN 3. Preliminary Survey of Collaborative Research Project on Conservation of Fruit Tree Genetic Resources in Xinjiang Uygur Autonomous District of China ・・・・・・ 145 Yoshihiko SATO, Masami YAMAGUCHI, Hua CONG, Chun Sheng LU and Kazuto SHIRATA 4. Collaborative Exploration for Collecting Legume Genetic Resources in Northern Part of Vietnam, 2003 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151 Hisanori SHIMADA, Shizen OHNISHI, TRAN Thanh Binh and LE Tuan Phong 5. Ecological Survey and Conservation of Legume-Symbiotic Rhizobia Genetic Diversity in Southern China and Northern Laos, 2004 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 167 Norihiko TOMOOKA, S. INN, X. TAN, C. LI, Sing KHAM, P. INTHAPANYA, Duncan A. VAUGHAN, Akito KAGA, Takehisa ISEMURA and Yosuke KURODA III. PGR missions dispatched abroad by the Genebank Project since 1975 ・・・・・・・・・・・・ 179 IV. Explorations organized in Japan by the Genebank Project since 1986 ・・・・・・・・・・・・ 189 Ⅰ.国内探索収集調査報告 Exploration and Field Research in Japan 〔植探報 Vol.21: 1 ∼ 7, 2005〕 吉野川流域における野生大豆(ツルマメ)の収集 菊池 彰夫・猿田 正恭・岡部 昭典 近畿中国四国農業研究センター・作物開発部・大豆育種研究室 Collection of the Wild Soybean (Glycine soja ) in the Yoshino Basin Akio KIKUCHI, Masayasu SARUTA and Akinori OKABE Soybean Breeding Laboratory, Department of Crop Breeding, National Agricultural Research Center for Western Region . 1-3-1 Senyu, Zentsuji, Kagawa 765-8508, Japan Summary Exploration for collecting the wild soybean (Glycine soja ) in the Yoshino basin of Kochi and Tokushima prefectures was conducted at the end of October and the beginning of November, 2004 (Table 1 and Fig.1). During this exploration, 39 legume seed samples including 35 of wild soybean (G. soja ), one of cultivated soybean (G. max ) and 3 of wild azuki bean (Vigna angularis var. nipponensis ) were collected (Table 2). In a total 75 of exploration sites, almost all wild soybean samples were collected in the lower Yoshino basin. KEY WORDS: wild soybean, collection, Yoshino basin, Kochi prefecture, Tokushima prefecture 1.目的 野生大豆(ツルマメ) (Glycine soja )は,ダイズ(G. max )の直接の祖先種と考えられ,その 間にはほぼ完全な交雑親和性があり,ダイズにはない耐病虫性や子実成分を有する系統がいくつ か見出され,ダイズの品種改良に利用されている 1),2) .これまで,農林水産省のジーンバンク事 業では,本州を中心としてツルマメの探索・収集が行われてきたが イズ在来種についての報告があるのみで 3),4),5),6),7),8),9),10) ,四国ではダ 11),12) ,ツルマメについてはまだ行われていない.四国 は面積的には大きくないものの,山と渓谷によって各地域が地理的に隔てられ,多様な環境とと もにツルマメの野生集団も多く残されていると期待される.そこで,今回は,高知および徳島県 にまたがる吉野川流域におけるツルマメを探索・収集する. -1- 2.調査方法 探索・収集は,高知および徳島県における吉野川流域とその支流域を下流域グループと中∼上 流域グループの 2 班に分けて実施した.探索地点としては, 当農業研究センター (香川県善通寺市) から車にて目的地まで移動し,①本流域,②本流と支流の合流域,③支流域,の日当たりの良い 河川敷などを中心に選定した.ツルマメを収集する際には,個体別採種が困難なことから,均一 と考えられる一群を集団として,茎葉のついた莢ごとすべてを採取し,網袋に入れ,収集番号, 収集地点,経緯度情報などを記入した.また,同一地点において,生態的および形態的な差異が 認められる場合,あるいは,非常に広範囲に群生している場合は,複数集団を別々に収集した. 収集品は,温室にて乾燥後,網袋ごとに脱穀・調整を行い,整粒重・種皮色・臍色などを調査し, 保存した. なお,探索・収集の実施にあたって,当農業研究センターの関 浩二,加賀宇昌宏および宮西 克明技術専門職員の協力を得た. 3.収集の経過と結果 今回の探索・収集は,度重なる台風・大雨の影響で,予定していた 2 回だけでは不十分と判断し, 2004 年 10 月 26 ∼ 27 日,11 月 3 日,5 日,7 日,8 ∼ 9 日の 5 回,延べ 7 日間,9 名で行っ た (Table 1,Fig. 1).探索地点は 2 県 10 郡 26 市町村に至る 75 ヶ所,探索河川は吉野川および その 24 支流河川(旧吉野川および仁淀川支流の上八川川は除く)である (Table 1,Fig. 1).そ の結果,ツルマメ 35 点,ダイズ 1 点,ヤブツルアズキ (Vigna angularis var. nipponensis ) 3 点 の合計 39 点を収集した (Table 2). 探索した 75 地点のうち,ツルマメを収集できたのは 21 地点であり,長岡郡本山町(収集場 所番号 63)を除いて,すべて,吉野川の下流域に集中していた (Table 2).また,探索した 24 支流域のうち,ツルマメを収集できたのは 2 河川(飯尾川,大谷川)にすぎなかった (Table 2). 本流および支流域とも,6 ∼ 10 月に至るまでの台風・大雨による河川の氾濫が著しく,特に, 河川敷内における本来の様相は激変し,比較的根の浅いツルマメは,支えとなった植物の種類に よっては丸ごと押し流されてしまった可能性もあると考えられた (Photos 1 & 2). 麻植郡山川町 (収集場所番号 45) の 1 点を除いて, 収集したすべてのツルマメは, 成熟期を過ぎ, 裂莢しているものも多く見受けられ,10 月中旬頃が収集適期と思われた. 吾川郡吾北村(収集場所番号 69)で収集したダイズは,道の駅「むささびの里」において枝 豆状態で購入したもので,乾燥後の種子は種皮色が淡黄緑,臍色が褐であった. 4.収集品の今後の処置 収集したツルマメなどは種子量が十分でないため,次年度以降,増殖および特性調査を行う. -2- Fig.1. The exploration route and sites( ● : not collected, ○ : collected) of wild soybean in the Yoshino basin. 吉野川流域におけるツルマメの探索経路と探索地点(番号順,●:収集無し,○:収集あり) 5.所感 吉野川(総延長 194km)は,土佐郡本川村の北端に源を発し,多くの支流を抱き込みなが ら,四国山地を横切り,徳島平野を東進した後,紀伊水道に流れ込む.その上∼中流域は,いく つもの清流が急峻な地形から流れ込み,激流となって,大歩危小歩危で有名な渓谷を成すほど険 しい地形である.下流域でも,ほとんどの支流河川は徳島平野を取り囲む山々から谷川となって 吉野川に注ぎ込む.また,上∼中流域および支流域に入ると,一日を通して日当たりの良い場所 はほとんどなく,その中でも比較的良いと思われる場所は,ツルマメではなく,クズ,イケマ, ガガイモ,トコロなどの多年生,あるいは,ヤブマメなどの一年生のツル性植物が繁茂していた. 今回の探索・収集で,ツルマメが本流の下流域に集中していたのは,このような険しい地形や植 生の違いによるところが大きいと思われた. 一方,多くのツルマメを収集できた吉野川の下流域においては,同じ河川敷内でも,堤防側で はなく,空き地や農用地を越えた灌木林際に数多く自生していた. 今回の探索・収集は,1 河川流域に過ぎず,四国には多くの未探索地域が残されている.今後 は,これらの未探索地域を中心として,引き続き,ツルマメなどの収集・保存を行う必要がある. -3- 6.引用文献 1)境 哲文・菊池彰夫・島田信二・高田吉丈・河野雄飛・国司 功・手塚正教・浅尾弘明・都 築公子 (2002) リポキシゲナーゼ全欠失・サポニン組成改良大豆系統「東北 151 号」 , 「東 北 152 号」の特性.作物研究成果情報:62 ∼ 63. 2)高橋将一・石本政男・羽鹿牧太・矢ヶ崎和弘・松永亮一・小松邦彦・喜多村啓介・植松芳彦・ 柏葉晃一 (2003) 主要貯蔵タンパク質がないダイズ系統.作物研究成果情報:40 ∼ 41. 3)喜多村啓介・石本政男 (1989) 中部地域の野生ダイズ(ツルマメ)の収集.植探報 5:81 ∼ 84. 4)中村茂樹・菊池彰夫・高橋浩司 (1994) 東北地域の野生大豆(ツルマメ)の収集 1) 秋田県 内雄物川流域河川の収集.植探報 10:53 ∼ 58. 5) 矢ヶ崎和弘・喜多村啓介・山田直弘(1996)京都府および兵庫県における野生大豆(ツルマメ) の収集.植探報 12:27 ∼ 31. 6)高橋将一・羽鹿牧太 (1997) 南西諸島における豆類の探索収集.植探報 13:35 ∼ 39. 7)友岡憲彦 (1997) 茨城・福島・新潟・栃木・熊本・福岡・佐賀県におけるダイズ近縁野生種 ツルマメおよびアズキ近縁野生種ヤブツルアズキの収集と調査.植探報 13:41 ∼ 57. 8)菊池彰夫・足立大山・島田尚典・高田吉丈 (1998) 東北地域における野生大豆(ツルマメ) の収集−山形県内最上川流域−.植探報 14:25 ∼ 31. 9)羽鹿牧太・高橋浩司・平賀 勧 (2003) 房総半島におけるツルマメの探索・収集.植探報 19:7 ∼ 15. 10)河野雄飛・高田吉丈・湯本節三 (2004) 東北地域における野生大豆(ツルマメ)の収集−岩 手県内北上川および北部河川流域−.植探報 20:11 ∼ 17. 11)中山博貴・奥野員敏・瀧田 誠・中西建夫 (1993) 徳島・高知県における雑穀類・豆類の探 索収集.植探報 9:1 ∼ 6. 12)奥野員敏・中西建夫・瀧田 誠 ・岡本和之 (1994) 高知県物部村および檮原町における作物 在来種の調査と収集.植探報 10:1 ∼ 13. -4- Table 1. Itinerary of the exploration and the collected samples on each day in the Yoshino basin. 吉野川流域における探索・収集日程と収集点数 月日 探索行程 10/26 (火) 善通寺市発 →三好郡三好町 →三好郡三加茂町 →美馬郡半田町 →美馬郡美馬町 →美馬郡脇町 →阿波郡阿波町 →阿波郡市場町 →名西郡石井町 10/27 (水) →徳島市 →名西郡神山町 →麻植郡美郷村 →麻植郡山川町 →美馬郡穴吹町 →美馬郡貞光町 善通寺市着 探索河川名 (探索地点番号) ツルマメ (1) 増川谷川 (1,2) , 吉野川 (3) , 黒河原谷川 (4,5,6) 加茂谷川 (7,8) 井川谷川 (9) , 半田川 (10,11) 吉野川 (12) 野村谷川 (13) , 大谷川 (14) , 曽江谷川 (15) 日開谷川 (16) 日開谷川 (17) 渡内川 (18) 鮎喰川 鮎喰川 川田川 川田川 穴吹川 貞光川 (19) (20,21,22,23,24) (25,26) (27) (28,29) (30,31,32,33) 11/ 3 (水) 善通寺市発 →美馬郡貞光町 善通寺市着 吉野川 (34) 11/ 5 (金) 善通寺市発 →美馬郡美馬町 →美馬郡穴吹町 →麻植郡山川町 →麻植郡川島町 →阿波郡市場町 →麻植郡鴨島町 善通寺市着 鍋倉谷川 (35) 吉野川 (36,37,38,39) 吉野川 (40,41,43,44,45) , 川田川 (42) 吉野川 (46) , 飯尾川 (47) 吉野川 (48) 吉野川 (49) 11/ 7 (日) 善通寺市発 →鳴門市 →板野郡藍住町 →鳴門市 →板野郡板野町 →名西郡石井町 →鳴門市 善通寺市着 11/ 8 (月) 善通寺市発 →三好郡池田町 →三好郡山城町 →長岡郡大豊町 →長岡郡本山町 →土佐郡大川村 11/ 9 (火) →土佐郡本川村 →吾川郡吾北村 →土佐郡土佐町 →三好郡池田町 →三好郡三好町 →三好郡三加茂町 善通寺市着 収集した種(系統数) - (-) ツルマメ (3) ツルマメ (18) ツルマメ (6) 大谷川 (50) 旧吉野川 (51) 旧吉野川 (52) , 板東谷川 (53) 吉野川 (54) 吉野川 (55,56) 吉野川 (57) ツルマメ (2) 馬路川 伊予川 吉野川 吉野川 大北川 (58,59,60) (61) (62) (63) , 汗見川 (64) (65) 葛原川 (66) , 吉野川 (67,68) (道の駅 (69)) , 上八川川 (70) 地蔵寺川 (71) 吉野川 (72) 吉野川 (73) 吉野川 (74,75) -5- ヤブツルアズキ (2) ツルマメ (5) ダイズ (1) ヤブツルアズキ (1) Table 2. A list of wild soybean and other legumes collected in the Yoshino basin. 吉野川流域において収集したツルマメとその他の豆類リスト 収集番号 収集 月日 収集場所 備考 作物名 番号 市町村名等 経緯度 標 (収集河川等) 高 04001 10/26 ツルマメ 12 美馬郡美馬町川原町森天都賀佐比古神社付近 04002 11/ 3 ツルマメ 34 美馬郡貞光町太田僧地美馬中央橋際 - - 吉野川 04003 11/ 3 ツルマメ 34 美馬郡貞光町太田僧地美馬中央橋際 - - 吉野川 04004 11/ 3 ツルマメ 34 美馬郡貞光町太田僧地美馬中央橋際 - - 吉野川 04005 11/ 5 ツルマメ 40 麻植郡山川町舟戸岩津橋際 134 ゜ 11’ 54.3” E, 34 ゜ 03’ 46.6” N 35 吉野川 04006 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04007 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04008 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04009 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04010 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04011 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04012 11/ 5 ツルマメ 43 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (1) 134 ゜ 15’ 41.4” E, 34 ゜ 03’ 53.4” N 42 吉野川 04013 11/ 5 ツルマメ 44 麻植郡山川町北村阿波水産付近 (2) 134 ゜ 15’ 45.3” E, 34 ゜ 03’ 51.4” N 30 吉野川 04014 11/ 5 ツルマメ 45 麻植郡山川町天神喫茶店 ( 玲緒奈 ) 際 134 ゜ 15’ 53.6” E, 34 ゜ 03’ 48.4” N 25 吉野川 04015 11/ 5 ツルマメ 45 麻植郡山川町天神喫茶店 ( 玲緒奈 ) 際 134 ゜ 15’ 53.6” E, 34 ゜ 03’ 48.4” N 25 吉野川 04016 11/ 5 ツルマメ 45 麻植郡山川町天神喫茶店 ( 玲緒奈 ) 際 134 ゜ 15’ 53.6” E, 34 ゜ 03’ 48.4” N 25 吉野川 04017 11/ 5 ツルマメ 46 麻植郡川島町三ッ島一里松阿波麻植大橋際 134 ゜ 17’ 04.6” E, 34 ゜ 03’ 48.8” N 29 吉野川 04018 11/ 5 ツルマメ 47 麻植郡川島町川島神後川島神社付近 134 ゜ 19’ 28.3” E, 34 ゜ 04’ 02.1” N 11 飯尾川 04019 11/ 5 ツルマメ 48 阿波郡市場町国有地県道 122 号線付近 134 ゜ 19’ 54.5” E, 34 ゜ 04’ 23.8” N 10 吉野川 04020 11/ 5 ツルマメ 48 阿波郡市場町国有地県道 122 号線付近 134 ゜ 19’ 54.5” E, 34 ゜ 04’ 23.8” N 10 吉野川 04021 11/ 5 ツルマメ 49 麻植郡鴨島町知恵島中須賀阿波中央橋 134 ゜ 20’ 54.0” E, 34 ゜ 05’ 03.2” N 9 吉野川 04022 11/ 5 ツルマメ 49 麻植郡鴨島町知恵島中須賀阿波中央橋 134 ゜ 20’ 54.0” E, 34 ゜ 05’ 03.2” N 9 吉野川 04023 11/ 7 ツルマメ 50 鳴門市大麻町大谷椢原中央橋際 134 ゜ 32’ 24.6” E, 34 ゜ 09’ 57.6” N 14 大谷川 04024 11/ 7 ツルマメ 52 鳴門市大麻町板東水田付近 134 ゜ 30’ 08.6” E, 34 ゜ 08’ 47.5” N 7 旧吉野川 04025 11/ 7 ツルマメ 54 板野郡板野町羅漢地蔵寺前 134 ゜ 25’ 54.5” E, 34 ゜ 08’ 11.7” N 6 吉野川 04026 11/ 7 ツルマメ 55 名西郡石井町藍畑東覚円六條大橋際 134 ゜ 26’ 16.4” E, 34 ゜ 06’ 06.9” N 5 吉野川 04027 11/ 7 ツルマメ 56 名西郡石井町藍畑第十河川敷 134 ゜ 27’ 50.3” E, 34 ゜ 06’ 35.7” N 5 吉野川 04028 11/ 7 ツルマメ 57 徳島市不動東町 5JR 高徳線際 134 ゜ 31’ 53.3” E, 34 ゜ 05’ 56.2” N -2 吉野川 - - 馬路川 04029 11/ 8 ヤブツルアズキ 59 三好郡池田町馬路堂面あさひおおはし際 134 ゜ 04’ 43.3” E, 34 ゜ 03’ 37.4” N 69m 吉野川 04030 11/ 8 ツルマメ 63 長岡郡本山町井窪下津野国道 439 号線沿 133 ゜ 36’ 37.0” E, 33 ゜ 45’ 34.3” N 261 吉野川 04031 11/ 8 ツルマメ 63 長岡郡本山町井窪下津野国道 439 号線沿 133 ゜ 36’ 37.0” E, 33 ゜ 45’ 34.3” N 261 吉野川 ヤブツルアズキ 63 長岡郡本山町井窪下津野国道 439 号線沿 133 ゜ 36’ 37.0” E, 33 ゜ 45’ 34.3” N 261 吉野川 04032 11/ 8 04033 11/ 9 04034 11/ 9 ダイズ 69 吾川郡吾北村小川東津賀才柚ノ木野道の駅むささびの里 133 ゜ 19’ 41.9” E, 33 ゜ 38’ 35.6” N 112 ヤブツルアズキ 70 吾川郡吾北村上八川丙恩地国道 439 号線沿 133 ゜ 21’ 21.9” E, 33 ゜ 39’ 03.2” N 179 枝豆状態で購入 上八川川 04035 11/ 9 ツルマメ 72 三好郡池田町州津中津新三好大橋際 133 ゜ 49’ 54.5” E, 34 ゜ 02’ 00.9” N 86 吉野川 04036 11/ 9 ツルマメ 72 三好郡池田町州津中津新三好大橋際 133 ゜ 49’ 54.5” E, 34 ゜ 02’ 00.9” N 86 吉野川 04037 11/ 9 ツルマメ 73 三好郡三好町昼間宮内徳島自動車道下 133 ゜ 52’ 02.0” E, 34 ゜ 02’ 05.9” N 77 吉野川 04038 11/ 9 ツルマメ 74 三好郡三加茂町加茂古川河川敷 - - 吉野川 04039 11/ 9 ツルマメ 75 三好郡三加茂町毛田毛田国道 192 号線沿 133 ゜ 59’ 32.5” E, 34 ゜ 02’ 10.7” N 85 吉野川 -6- Photo 1. A wild soybean habitat was almost washed away by a typhoon. 台風により流失しかけたツルマメ自生地(収集場所番号 40:麻植郡山川町) Photo 2. A wild soybean population twined around a bamboo tree. 竹やぶに絡みついたツルマメ個体群(収集場所番号 75:三好郡三加茂町) -7- 〔植探報 Vol.21: 9 ∼ 21, 2005〕 四国山地で特異的に産する硬実エゴマの維持方法の特徴 新田 みゆき1)・平島 信也2)・白田 和人1) 1)農業生物資源研究所・ジーンバンク 2)農業生物資源研究所・業務第2科 Hard Seed Type of Oil Perilla Distinctively Found from the Mountainous Region in Shikoku District and its Conservation Status in situ Miyuki NITTA1), Shinya HIRASHIMA2) and Kazuto SHIRATA1) 1) Genebank, National Institute of Agrobiological Sciences , 2-1-2, Kannondai, Tsukuba, 305-8602, Japan 2) Farm Management Section, National Institute of Agrobiological Sciences , 2-1-2, Kannondai, Tsukuba, 305-8602, Japan Summary A hard seed type of oil perilla is distinctively produced in Shikoku district, as well as in the Himalayas, Yunnan province of China and southern part of Korea. Population analysis using molecular markers revealed rich diversity in Korean populations of hard seed type comparative to the diversity in soft seed type. A few or several individuals were found in kitchen gardens and around farmers’houses. In the previous exploration of perilla in Shikoku, Japan, 2003, In 2004, we conducted exploration in Shikoku to find a perilla population composed of enough individuals for population analysis. As results, we found oil perilla in the center and the eastern parts of mountainous region in Shikoku. All the oil perilla samples collected in Shikoku were the hard seed type. Most of the farmers either keeping oil perilla now or having kept it before said that they used oil perilla plants growing voluntarily (without sowing) on tea fields, konjak (Amorphophalus konjac K. Koch) fields or vegetable gardens, and they intended to leave one or several perilla plants in weeding. There were three populations cultivated in the size of 30, 200 and 1,000 individuals, respectively. Of the three, the last population was sown and transplanted every year. These three populations seemed to be appropriate for population analysis. KEY WORDS: Exploration, Oil crop, Perilla frutescens -9- 1.目的 エゴマ (Perilla frutescens var. frutescens ) はシソ(P. frutescens var. crispa )と同種に属する 油料作物で,ともにアジア原産である.エゴマは,シソと比べて植物体や種子が大型で,多く の地域の在来品種は軟実であり,種子を指先でつまむと容易に潰れる.ヒマラヤ地域,中国雲 南省,韓国南部,日本の四国山地には,例外的に硬実のエゴマが栽培されている.韓国南部で収 集した硬実のエゴマについて,AFLPマーカーを用いて集団解析を行った結果,約50個体な いし150個体からなる硬実エゴマの集団は,数千個体からなる軟実エゴマより集団内で高い多 様度を示した.そこで,日本の硬実エゴマの多様性について調査する目的で,2003年に,四 国山地で栽培されるエゴマの探索を行った.その結果,四国山地の中部と東部に集中して,標高 290mから770mに立地する農村の菜園でエゴマの栽培を確認し,16点を収集した.しか し,そのほとんどが 1 から数個体で生育しており,集団解析に適したサンプルではなかった 1) . そこで,集団解析が可能な数十個体程度のサイズで維持されている硬実エゴマの集団を探す目的 で探索を行ったので,その結果を報告する. 2.方法 2004年11月8日から13日までの日程で調査を行った.2003年の調査結果に基づ き,四国山地の中部と東部にエゴマが比較的多く残存するのではないかと予想して,これらの地 域を調査の対象に選んだ.往路は高松空港から四国に入り,四国山地東部から調査を開始し,中 部の調査終了後,高知空港から帰路についた.現地での交通機関はレンタカーを利用した.行程 の詳細を Table 1 に,調査経路を Fig. 1 に示す. Table 1. The itinerary of the exploration for perilla crops in Shikoku, 2004. 2004 年,四国におけるエゴマの探索・収集調査の行程 11/8(月) 羽田空港 10:05 ―高松空港 11:25(ANA633) ,高松空港よりレンタカー利用. 高松西 IC ==高松道,高知道==大豊 IC,R32 ―上名から県道 45 号―県道 32 号― R439 東祖谷 山村栗枝渡,奥の井,釣井.大豊町杉 泊. 走行距離,206km. 11/9(火) R32 ―大豊町岩原本村,西祖谷山村有瀬,大豊町上桃原,大滝川井,大滝高原,柚ノ木― R32 ―大 豊 IC ==南国 IC ― R195 ―物部村別府峡 泊. 積算走行距離,398km. 11/10(水) 物部村(物部川方面)市宇土居∼野々内,岡ノ内中平― R195 ―南国 IC ==伊野 IC ― R194 ―県 道 18 号―越知町鎌井田桑藪― R33 ― R439 ―池川町 泊. 積算走行距離,595km. 11/11(木) 池川町― R439 ― R33 ―県道 18 号―越知町片岡谷ノ内― R33 ―吾川村岩戸,峯岩戸― R439 ―県 道 362 ―池川町吉ヶ成ゴミウ,池川町坪井川― R439 ―池川町白髭,池川町 泊. 積算走行距離,734km. 11/12(金) 池川― R439 ―仁淀村長者,木半夏,宮首,泉,大植太郎田,東津野村開拓,日曽の川,吾川村下 名野川土居,上名野川奥谷,中奥,下名野川斧ノ谷,下北川― R439 ― R194 ― いの町(旧,吾北村) 清水下分日比原 泊. 積算走行距離,904km. 11/13(土) いの町(旧,吾北村)清水下分馬路,清水上分白根,程野― R194 ―伊野 IC ==南国 IC ―高知空港, 14:45 着.高知空港 15:55 ―羽田空港 17:05(JAL 1486) . 積算走行距離,999km. ==は高速道路を示す. - 10 - 高松 高松空港 徳島 東祖谷山 松山 大豊 池川 吾北 物部 吾川 仁淀 越知 高知 高知空港 50 km 調査経路 主な河川 E Fig. 1. The exploration route for perilla in Shikoku, 2004. 2004 年の四国におけるエゴマの調査経路 3.結果 調査結果の要点を Table 2 にまとめた.エゴマ12点,シソ8点,近縁野生種であるセトエゴ マ1点を収集した.エゴマはすべて硬実で, 高知県香美郡物部村の1点以外は毎年播種されずに, 脱落種子からの実生が利用されていた.シソは調査したどの地域でもあり,今回はエゴマを集中 的に収集した.詳細は以下である. 徳島県池田郡東祖谷山村: 栗枝渡は,吉野川の支流,祖谷川を遙か下に見下ろす標高約 670から690mの南向きの急斜面に家屋が点在する集落である.この集落では,前回の 2003年の調査で1本のエゴマが路傍で見つかっている.前回聞き取りした女性が,2004 年にはコンニャク畑の隅に数本のエゴマを栽培したといい,私たちの再訪問に備えて枯れ上がっ た植物体を刈り取らずに保存していた.毎年,コンニャク畑の中に生えるとのことであった. この集落からみて尾根の裏側にあたる奥の井ではエゴマの栽培はすでに無くなっていたが,か つての栽培方法は,最初の栽培時に播種したあと脱落種子からの実生を利用して維持していたこ とを聞き取りした. 祖谷川の少し下流の左岸に位置する南向き急斜面の釣井では,サツマイモ畑で農作業中の68 歳の女性に聞き取りしたが,エゴマの存在を知らない様子であった.コンニャク畑の中でアカジ ソを栽培するとのことであった. この地域では,コンニャク芋を越冬のために掘り上げることはせず,放任に近い状態で栽培す るとのことである.したがって,コンニャク畑はほかの作物に比べて攪乱が少ない状態になるた め,脱落種子の実生で維持するエゴマやシソをコンニャク畑の中で維持することが多いと考えら れた. - 11 - 徳島県池田郡西祖谷山村∼高知県長岡郡大豊町: 吉野川両岸の急傾斜地に位置する西祖谷山 村有瀬,大豊町岩原本村,上桃原では現在もエゴマの栽培や利用が続いていた.エゴマを栽培す る農家の数は地域全体のうちでわずかではあったが,四国の中で比較的エゴマが多く残存してい る地区といえる.上桃原は,2004年にテレビ番組でエゴマを使った郷土料理の「コンチン」 が紹介された集落である.我々の聞き取りでは,この料理は近年,ほとんど食べられることが無 くなっていたが,番組の収録をきっかけに地域の人々が郷土料理を見直すようになったとのこと であった.上桃原の 1 農家で,約30個体からなるエゴマが栽培されていた.年により個体数 は増減し,2,3個体に減ずる年もあるとのことであった.現在はエゴマを利用していないが, 途絶えないように残しているという.国道439号線が通る,吉野川の支流,南小川の谷の傾斜 地に位置する大豊町大滝川井,高原,柚ノ木では2,30年前から見なくなったという人や,今 年も生えていたが収穫せずに除草したという人がいた.テレビ番組などでエゴマへの関心が高ま り,苗を取り寄せて栽培した人もいた. 高知県香美郡物部村: 国道195号線を徳島方面へ進み,物部村に入ったところが村役場のあ る大栃である.ここから,大きく上韮生川と物部川の2つの谷に分かれる.前回の調査で,両河 川の上流域でエゴマが数個体の規模で栽培されている,または残存していることを確認した.今 回は,物部川の支流である桑ノ川沿いを調査した.物部川と桑ノ川の合流地点から約2. 5km, 桑ノ川を上流に進んだところに,岡ノ内中平 ( 旧,山崎中平 ) がある.聞き取りを行った小松理 男氏によると,かつてはここより奥にさらに2集落あり,3集落で21戸があったが,いまでは この集落のみ4戸となり,高齢者のみが残されているので,まもなくこの集落も無くなるだろ うとのことであった.物部村は谷が深いために河川付近では陽当たりが悪く,尾根に近いところ に家屋が点在することが多いが,岡ノ内中平は谷がやや開けた地形で桑ノ川のすぐ際に家屋と農 地がある.小径を挟んで向かい合う2件の農家で,対照的なエゴマの栽培が行われていた.小松 理男氏は河川敷の土手や路傍の菜園の縁で,脱落種子からの実生により約200個体のエゴマを 粗放的に栽培していた.主に管理を担っていた夫人が怪我で入院中であったため,収穫期であっ たが刈り取られないままであった.向かいの家に住む小松為繁氏は毎年播種して苗を育て移植す る方法でエゴマを栽培し,訪問時は刈り取って干している最中で畑に株あとが約1000個体分 あった.今年は特に鳥害が深刻で収穫は5合に満たないとのことであった.かつては1∼2斗を 収穫したということである.これら2軒の農家が維持しているエゴマは播種するかしないかとい う違いがあり,集団解析が可能な規模であったので,今後継続して調査する予定である. 物部川右岸の南斜面に,国道と平行して集落が点在している.市宇土居から野々内までの区間 は,現在,車道の延長工事中である.この工事区域内の法面に崩壊防止のためのコンクリートの 吹き付けをしてある付近で,前年の調査で近縁野生種であるセトエゴマが数個体見つかった.セ トエゴマは,日本では四国,中国地方,近畿地方にのみ分布する比較的稀な植物である 2),3) . 4) 崩壊地に生育し,崩壊による攪乱と土壌の安定に伴って個体数が大きく増減する .今回の観察 では,セトエゴマの集団は前年より個体数,生育面積ともに増大していた.特に,法面直下の道 沿いと崩れた土砂が堆積している場所に目立って群生していた.車道完成後,崩壊防止の管理が 行われると,集団サイズがどのように変化するか,追跡することが可能な集団である. 高知県高岡郡越知町: 仁淀川の中流域であり,高知県の中央部に位置する.鎌井田桑藪では 70年も前には盛んにエゴマを栽培し,脱落種子からの実生を利用する方法であったとのことで あった.ここの人からの紹介で,片岡谷ノ内でエゴマを栽培している人を訪ねることができた. - 12 - 谷ノ内の狩野栄夫妻は今年,少量のエゴマを収穫していた.家から離れたところにある茶畑の中 に毎年エゴマが生えるという.残すための配慮は特段しておらず,除草時に抜く年があっても, いつも茶畑の中のどこかに生えて残るとのことである.かつては脱落種子からの実生を必要に応 じて移植や間引きを行ったようだ.茶畑では土壌が頻繁には攪乱されないために,エゴマが維持 されやすいと考えられた. 高知県吾川郡池川町: 前回の調査で安居川支流上部の集落,坪井川でエゴマを栽培する農家が 1 軒あったが,栽培者は畑を放棄して入院していた.今回の調査では去年に引き続いてエゴマの 2 畑は放棄されたままになっており,20m の範囲に約500個体の貧弱な植物体が密生してい た. 坪井川神田屋敷では,長い間空き家にしていた実家に定年退職後に戻ったところ,菜園にエゴ マが生えてきたという人がいた.かつて祖母がエゴマを栽培していたことを思い出して,利用は しないが,毎年引かずに残すようにしているとのことであった. 役場から東方に位置する雑誌山の山腹,標高 600 mのところにある白髭では,この集落で最 後の2人になったという老女に話を聞いた.何十年も前にはエゴマがあって脱落種子からの実生 を利用していた.かつて白髭一帯には多くの畑地がありエゴマが生えたが,過疎化にともなって ほとんどの農地が植林されたために,エゴマが生育できなくなったとのことであった.四国全体 でエゴマが急速になくなっている理由のひとつとして,過疎化にともなう耕地面積の減少が示唆 される. 高知県高岡郡仁淀村: 長者川沿いの国道439号線から枝道を上り下りして,長者,木半夏, 宮首,泉,大植太郎田を調査した.全体的に茶畑が多い印象であった.エゴマは3,40年前に はあったという人や,約10年前あるいは5年前まであったという人がいたほか,今でも生える が今年は収穫しなかったという人がいた.畑に「自然に(脱落種子からの実生により) 」生える ものであるという共通した認識であった.木半夏の人からの情報では,エゴマは土手などには生 えず,野菜畑の縁という限定された環境に生えるということである. 高知県吾川郡吾川村: 上名野川の最奥にある大山祇神社では,国重要無形民俗文化財の神楽が 行われていた.年に一度の祭で,上名野川の人々はみなこの日一堂に集っているとのことであっ た.聞き取りを行うには好都合であったが,聞き取りした人たちはエゴマを知らない様子であっ た. 下名野川では,この辺りで唯一,エゴマをある程度の規模で栽培しているという人に出会った. しかし,今年は大雨で,河川敷にあったエゴマの畑が土ごと流されたという.脱落種子からの実 生を利用するが,かつては播種して育苗し移植した人もいたとのことであった.エゴマの葉は刺 身に合うのでどの家庭でも少数個体で維持しているのではないかとのことであったが,すでに夕 暮れが迫り詳しく調査することはできなかった. 下名野川から尾根の反対側にある下北川でエゴマを栽培する人がいた.種子は同村寺村にある 実家のものであり,寺村ではその家でだけエゴマを作り続けているとのことであった.寺村は高 知から松山へ抜ける幹線道路である国道33号線の近くに位置する.ここから谷の奥に入った岩 戸,峯岩戸ではエゴマの栽培はなくなっていた.食生活のなかでのエゴマの位置づけが,かつて の必需品から嗜好品に近いものへと変化した現在では,エゴマの栽培が続けられるか否かは,地 理的環境よりも個人の嗜好に大きく左右されるようになったことが窺われた. - 13 - 高知県吾川郡いの町 ( 旧,吾北村 ): 清水下分馬路では,10年前までエゴマは畑に生えていて, 利用しなくても除草管理の時に残すようにしていたが,次の世代が畑の仕事を行うようになりエ ゴマを雑草と区別せずに抜き取るので最近はなくなったであろうとの話を聞いた.標高600m 2 に位置する程野では,菜園の隅の残飯を捨てる場所に,1.5m の範囲に6個体のエゴマが生 育していた.最近は収穫しなくなったとのことであった.旧,吾北村は四国山地の中部あり標高 が高い地域であるが,エゴマの栽培をなかなか見つけられなかった.帰路の途中に立ち寄った道 の駅でエゴマが売られているのを見つけた. 村内の奥大野という集落で生産されたものであった. しかし,奥大野は愛媛県との県境に近く,引き返して調査に行く時間はなかった. 4.所感 これまで行われた探索の結果から 1),5),6),7) ,四国のエゴマはかなり多くの地域で消滅したと思 われるが,今回の探索では,特にエゴマが多く残存している貴重な地域を訪れることができたと 考えられる.四国のエゴマは多くの場合茶畑の中や菜園の縁などに脱粒種子からの実生によって 維持されていた.エゴマが今でも栽培される地域と失われた地域での聞き取りの結果を総合する と,エゴマの残存は,畑の除草管理の時にエゴマを残すか抜き続けるかという農家個人の意識の 違いによって強く影響を受けると考えられる.また,最近,テレビ番組や雑誌の特集記事でエゴ マが健康食品として取り上げられるようになり,エゴマに関心をもつようになった農家もいたこ とからも,エゴマの栽培が残るか失われるかは情報化社会においてはテレビなどからの情報の影 響を受けやすいことがわかる.地域で農業の担い手が減り耕作が続けられなくなった時に,農地 の荒廃を防ぐために植林を行うこともエゴマの消失にかかわる.つまり四国のエゴマが消滅する 要因には,畑での除草管理の際にエゴマを残さなくなることと農地自体の消失の2点があると考 えられた. 当初の目的であった規模の大きいエゴマ集団を見つけることは達成できた.今後は,四国山地 のエゴマの栽培の動向を継続して見つめながら,収集した材料を用いて集団の多様性解析を行い たい. 5.引用文献 1)新田みゆき・平島信也・長峰 司 2004.四国地方で栽培・利用されるシソとエゴマの探索・ 収集 . 植物遺伝資源探索導入報告書 ( 農業生物資源研究所編 ) 20:27-37. 2)Honda, G., A. Yuba, M. Ito and M. Tabata. 1996. A new species of Perilla (Labiatae) from Japan. J. Jpn. Bot. 71: 39-43. 3)Ito, M. and G. Honda. 1996. A taxonomic study of Japanese wild Perilla (Labiatae). J. Phyogeogr. & Taxon. 44: 43-52. 4)Nitta, M., J. K. Lee, C. W. Kang, M. Katsuta, S. Yasumoto, D. J. Liu, T. Nagamine and O. Ohnishi. The distribution of Perilla species. Genetic Resources and Crop Evolution (in press). 5)農林水産技術会議事務局連絡調整課編 1968.昭和 42 年度農作物在来種調査収集報告書. 6)中山博貴・奥野員敏・瀧田誠・中西建夫 1993.徳島・高知県における雑穀類・豆類の探 索収集.植物遺伝資源探索導入報告書 ( 農業生物資源研究所編 ) 9:1-6. 7)奥野員敏・中西建夫・瀧田誠・岡本和之・中村幸生・倉島雅史・松本満夫 1994.高知県 物部村および檮原町における作物在来種の調査と収集.植物遺伝資源探索導入報告書 ( 農 業生物資源研究所編 ) 10:1-13. - 14 - Table 2. A sample list and information on perilla and other plants collected from farmers in Shikoku, 2004. 2004 年に四国で収集したシソ属その他の種子と聞き取り調査の結果 . 調査日 地域 11 月 8 日 徳島県三好郡東祖谷 N33 52 36.2 E 133 55 山村栗枝渡(くりし ど) (再調査) 11 月 8 日 11 月 8 日 緯度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 経度 徳島県三好郡東祖谷 N33 52 51.9 E 133 55 山村奥の院 徳島県三好郡東祖谷 N33 51 35.9 E 133 51 山村釣井(つるい) 30.5 667 幸崎房子,72 歳. 分類群 呼称 聞き取りおよび観察 収集番号 保存番号 JP番号 エゴマ ゴマ コンニャク畑の縁.毎年同じところに生える.数個体. 041108-1 30016484 220289 アオジソ シロジソ 花穂をこいて塩とともに押し,番茶で茶漬けにすると香りが良く美 味. 041108-2 223600 30021346 223601 30021347 29.7 690 65 歳位の女性 2 人. アカジソ チソ アオジソ アオジソ 1,2 本栽培.種子は食べない.葉を天ぷら. エゴマ ゴマ / 現在は栽培しない.栽培を始める時に播種,後は実生を利用.間引き, 丸いゴマ 移植も可.栽培方法は「オノミ(=アサ)」も同様. 50.2 655 尾茂しげこ,68 歳. アカジソ チソ アオジソ - 15 - エゴマ ゴマ 11 月 8 日 11 月 9 日 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 45 25 杉 E 133 39 高知県長岡郡大豊町 N33 49 27.9 E 133 48 岩原本村 徳島県三好郡西祖谷 N33 50 15.2 E 133 48 山村有瀬(あるせ) 53 7.7 梅漬け.種子は食べない. 梅漬け.長い間,コンニャクの畑で栽培している.沢山生えるので 041108-3 間引く.移植も可能だが少量で良いのでしない. 近所では栽培する人はいるが,アカジソと交配するとアカジソの色 が悪くなるので自分は栽培しない. ゴマ (知らない様子) 徳島から貰った種子で栽培する人がいたが亡くなった. 250 入 野 清 子. 旅 館, 日 エゴマ 和佐屋. アカジソ エゴマ アオジソ 489 三谷長繁,86 歳.ツ エゴマ ネヨ,77 歳,西祖谷 山出身. セイソウ 種子をエゴマと同様に利用できる. エゴマ 義祖母が栽培していた.「エゴマ味噌(エゴマが粒のまま入った味 041109-1 223607 噌) 」を山仕事の弁当に,また,炒って擂鉢で擂り和え物にした. 現在は利用しないが,種子が途絶えないように残してきた.栽培は, 実生を移植あるいは間引く.9 月中旬∼ 10 月上旬に収穫.野鳥か らの被食防止のために成熟後倒伏させる. 12.3 583 80 歳位の女性. チソ 戦時中,ゴマの代用として栽培.炒って酢の物にかける.山の畑の ふちに自生. 梅漬け.種子をエゴマと同様に利用できる. アカジソ チソ 色々なところに実生が生えるが,引いて 1 カ所にだけ生やす.成熟 後倒伏させる.種子をエゴマと同様に利用できると若い人から聞い たが,自分は利用しない. アオジソ アオジソ 昔はなかった.エゴマに負けるので毎年種子を購入して播く. エゴマ エゴマ この辺では自分だけが栽培するが今年は収穫しなかった.栽培を始 める時に播種,後は実生を利用.成熟後倒伏させる.多く収穫した い時は間引く. 30021353 Table 2 (continued). 緯度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 調査日 地域 経度 11 月 9 日 徳島県三好郡西祖谷 N33 50 22.6 E 133 48 山村有瀬 11 月 9 日 徳島県三好郡西祖谷 N33 50 35 山村 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 48 52.2 E 133 45 上桃原 133 47 分類群 - 16 - 呼称 聞取りおよび観察 収集番号 保存番号 JP番号 15.7 657 畑で作業中の女性と,アカジソ 上の家に住む女性. チソ 葉だけ利用.梅漬け. 041109-2 223602 '30021348 12 エゴマ エゴマは(硬い果皮のため)口の中で「パチン」として痛かったの で覚えている. エゴマ 播種しない.過密の時は間引く.現在は利用しないが途絶えないよ 041109-4 うに 1 本残す.クリ,”リュウキュウ” (Colocasia gigantia ),”フロー マメ ( 黒いインゲンマメ)”,アズキ,ゼンマイと混作.耕起しない. 以前は上段の畑のふちにあった.小麦粉にエゴマを入れた郷土料理 である「コンチン」のほか,炒って丸のままでなますなど何にでも かけて利用した.種子のみ利用.エゴマは獣害がない.調査時は草 丈約 70 cm,n=30. 223608 30021354 223620 30021366 223609 30021355 30016465 220270 (脱落種子からの実生で維持しているだけなので)「特別に作ってい 041110-3 るわけではない」という認識.栽培は,普通は脱粒種子から生えた まま手を加えずにしておくが,過密なら間引く.収穫は早めに行う. 収穫方法は,葉が黄色くなったら,葉をちぎって取り,立てて干し, 叩いて脱穀する.鳥害がひどい.ほかの作物は鹿や猿の獣害がある が,エゴマは喰われない. 223610 30021356 ( 種子を ) 全部採らずに置いたら,こぼれて生える.( 播種して)植 041110-4 える人もいる. 223603 30021349 223604 30021350 197 食堂「そば茶屋」女 エゴマ 性店主,大豊町岩原 本村出身. 40.3 581 上 村 喜 美 鹿,78 歳,エゴマ 岩原出身.20 年前に 車道開通. ゴマ アオジソ ゴマ 昔から栽培しない. セイソウ 葉のみ利用. インゲン フロー / 8 月に 3 粒ずつ播種.蔓になるのでゼンマイに絡ませた.塩水で戻 041109-4 クロマメ して炊くと皺が寄らない. -Phaseolus 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 47 33.4 E 133 47 大滝川井 20.6 556 70 歳位の男性. エゴマ エゴマ 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 47 35.1 E 133 47 大滝高原(たかはら) 47.6 465 小笠原須賀子,65 歳.エゴマ エゴマ 実生を畝に移植.虫害で栽培が難しい.肥料は良くない.10 月上 041109-5 旬に収穫.今年は台風の被害で収量が少ない.(脱粒しやすいので) 収穫が難しい.テレビ番組を見てエゴマに関心を持つ人が増え,自 分も関心を持ち,エゴマのポット苗約 10 個を大杉方面から分譲を 受けて植えた. ゴマ 昔からは無い.種苗会社の種子を取り寄せて播く. エゴマ エゴマは昔からあり,沢山使うものではないので 2,3 株だけ栽培 するものである.去年栽培したが収穫し忘れ,今年も実生が生えた が,雑草と一緒に引いた.炒って潰して和え物にする. ゴマ 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 47 38.5 E 133 49 柚ノ木 5.5 542 65 ∼ 70 歳位の夫婦.エゴマ アオジソ 11 月 10 日 高知県香美郡物部村 N33 44 54.6 E 133 59 市宇,土居∼野々内 (再調査) 37 11 月 10 日 高知県香美郡物部村 N33 42 7.1 岡ノ内中平(なかだ いら) ( 旧 山崎中 平) 25.9 378 小松理男(さだお) ,エゴマ 69 歳. E 133 57 600 「一人生え ( =脱落種子からの実生)」で生えた.昔は誰もが自家用 に栽培した.2,30 年前から無くなった. セイソウ「セイソウ」はギザギザの葉であるがエゴマは丸い葉で異なる. セトエゴマ 野生.林道延長工事現場の路傍,崩壊地.去年の調査時より個体数 041110-1 増加.標本採取. エゴマ アカジソ シソ アオジソ セイソウ「ひとり生やしている」(脱落種子からの実生). 041110-5 Table 2 (continued). 調査日 地域 緯度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 経度 11 月 10 日 高知県香美郡物部村 N33 42 7.1 岡ノ内中平(なかだ いら) ( 旧 山崎中 平) E 133 57 分類群 25.9 378 小松為繁,93 歳.国 エゴマ 重要無形民俗文化財 「いざなぎ流祈祷法」 の太夫.昭和 35,36 年に車道開通. エゴマ 11 月 10 日 高知県高岡郡越知町 N33 35 48 鎌井田桑藪 - 17 - 11 月 11 日 高知県高岡郡越知町 N33 5 片岡谷ノ内 0.1 E 133 15 E 133 16 16 ゴマ 520 北川充興 夫妻,50 エゴマ 歳位.向かいの家の 女 性 (80 歳 代, 同 町 横畠出身) . E 133 11 聞取りおよび観察 エゴマ エゴマ JP番号 昔から栽培は,種子を播いて苗を作って 20-30 cm間隔で 1 本ず 041110-7 つ移植する.昔は 1-2 斗収穫した.鳥害がひどく,特に今年は深刻 で,5合もないくらい.種子は瓶に入れて常温保存.炒って擂り鉢 で擂る,または丸のままでも食べられる.(訪問時,乾燥中だった ため後日郵送してもらう) 223611 30021357 白種子のみ少量(個体採種?) 223612 30021358 223613 '30021359 223614 30021360 30016481 220286 シソ アオジソ セイソウ 葉のみ利用. 51.5 367 狩 野( か り の ) 栄 エゴマ 夫妻,70 歳位. 収集番号 041110-7-2 シロゴマ エゴマ 70 年くらい前はみんな良く作り,誰もが知っていた.炒って丸の まま,味噌,砂糖と炒めて食べた.また,炒って丸のまま酢の物へ 入れた.一度播いたら後は ( 脱落種子からの実生で)生えた.灰色 の小さい粒で,中は空洞になっている殻だけのものであるため ( と いう認識) , カリカリしている.中身がないので擂ってもだめだろう. 種子のみ利用. エゴマ 葉のみ利用. 毎年,茶畑の中に生える.脱落種子からの実生で維持,移植可能,041111-1 過密時は間引く.50 cm空けると枝が張って良い.収穫は,葉が 黄色く色づいたら刈る.丸のままでも,擂り潰しても用い,丸のま まだとパリパリした感触を楽しむ食品になり,擂り潰して使うと香 りを楽しむ食品となる.丸のまま天麩羅の衣に入れると美味.炒っ て擂っておひたしの風味付け.何十年も前は皆が栽培していた.昔 はどこでもあったが,この頃は見なくなった.草丈は 80 cm位. シロゴマ 地種の白ゴマがあり,名物のタケノコ寿司にかけるにはエゴマより ゴマの方がずっと美味しいのでゴマを使う. 49 280 女性,45 歳位. エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡吾川村 N33 35 20.4 E 133 12 峯岩戸 7 483 女性,80 歳位. エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 38 33.6 E 133 13 吉ヶ成ゴミウ 18.7 403 70 歳位の夫婦. エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 38 25.7 E 133 12 坪井川神田屋敷 46.5 345 青木末広,67 歳. エゴマ エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 38 42.6 E133 坪井川 (再調査) 45.4 339 伊 藤 千 江 子,65 歳,エゴマ エゴマ畑所有者の隣 人. エゴマ 12 保存番号 アカジソ ゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡吾川村 N33 34 59 岩戸 呼称 ヤマジソ(エゴマ種子を見て)知っている.どこでも見るような気がするが, (?) どこにあったか思い出せない.山の草刈りで見かけ,山のシソだろ うかと思い, 「ヤマジソ」と呼んでいる. エゴマ (エゴマ種子を見て)娘時代,皆がサツマイモ畑に植えて作っていた. 何十年も前に作っていて,勝手に生えてくるものであったが,長い 間見なくなった. エゴマ 自然に生えるものであった.昔あった. 昔,小さい頃,白粒のエゴマをおばあさんが栽培していた.自然に 041111-3 生えるのを利用していた.今でも毎年同じところに生え,利用はし ないが途絶えないように気をつけている.アカジソが近くにあるが 混じることはない.2 個体. 去年のまま放棄されて,脱落種子から芽生えたエゴマが生育.去年 041111-4 より茎は細く枝は少なく草丈は低く貧弱な印象.n=500,2.5m × 8m,h=80cm,20 本 /m 2.色々な個体からバルクで採種. アカジソ シソ 採種保管種子を分譲. 041111-4-2 30016479 220284 アオジソ セイソウ 採種保管種子を分譲. 041111-4-3 223605 30021351 調査日 地域 緯度 経度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 分類群 呼称 不明 ベニジソ シソと同じ使い方で,塩で揉んで梅漬けの着色に使う.シソとは別 041111-4-La- 223618 に使う.シソより色がきれい.近年導入. miaceae アカウリ 皮が赤いキュウリで,身が美味しい.地種. 041111-4-Cu- 223622 cumis キュウリ 聞取りおよび観察 収集番号 保存番号 - 18 - 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 36 33.9 E133 白髭 8 カワラケツ ボウコウ 青いうちに莢,茎を 1cm に切って陰干しし煎じて飲む.昔は茶が無 041111-4-Cas- 223619 メイ ノクスリ くこれを飲んだ. sia 23.8 594 80 歳台前半と後半の エゴマ ゴマ 何十年も前にはあり,作らないで自然に生えるものであった.食 女性 2 人. べたことはあまり覚えていない.この辺にはかつては畑がたくさん あったのでエゴマが生えたが,今は植林ばかりになり生えることが できず,無くなった. 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 2 長者 E133 8 1 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 25 木半夏(させぶ) E133 8 52.2 423 倉 橋 忠 喜,70 歳 位.アカジソ 筆談による. エゴマ エゴマ 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 23.9 E133 木半夏(させぶ) 8 33 382 由木(ゆうき)夫妻,エゴマ 78 歳,79 歳. エゴマ 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 40.6 E133 宮首(みやくび) 8 19.1 322 古 見 荒 夫 さ ん の 妻,エゴマ 70 歳. エゴマ 畑に出る.邪魔な時は捨てる.早めに収穫しないと脱粒する.今年 は収穫しなかった.葉を利用する.エゴマの葉,シソ(アカジソ) の葉を細切りに,ミョウガ,タマネギを薄切りにして三杯酢で和え, 刺身の上に乗せる. 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 29 43.8 E133 泉 6 6.6 エゴマ ①昔良く畑に出た.自然生えを利用するものである.今は出なくなっ たが,集落の誰かの畑には出ているだろう.②エゴマというものを 聞いたことがない.③エゴマを知っている.黒い種子だったように 思うが白だったかもしれない.擂ってゴマの代わりに使った.ゴマ より香りがよい. 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 27 42.9 E133 大植(おおうえ)太 郎田 4 54.4 628 女性,69 歳. 11 月 12 日 高知県高岡郡東津野 N33 27 15.1 E133 村開拓 3 32.5 645 女性,69 歳.越知町 エゴマ から移住. 11 月 12 日 高知県高岡郡東津野 N33 27 35.8 E133 村日曽の川(ひその かわ) 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 33 51 E133 下名野川土居 2 57.4 646 女性,83 歳. エゴマ ゴマ 昔作ってよく食べた.(食べ物の中に)振って入れた.今は小さい うちに草として抜く.エゴマという言葉は聞いたことがない. 6 33 290 女性,70 歳位. エゴマ エゴマ 去年まで作ったが,今年は作らなかった.この辺でエゴマを作るの は自分だけだと思う.オノミ(麻の実)のほうがずっと美味しかった. E133 4 23 660 女性,85 歳位. エゴマ ゴマ(?)エゴマは知らないがゴマなら作った(エゴマのことか?).今作る 人はいない. 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 34 23.9 E133 上名野川 大山祇神 社 3 54.3 614 中谷在住,掛水綾子,エゴマ 60 歳位,ほか上名野 川の女性数名. 誰も知らない様子. 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 34 39 上名野川 中奥 4 20 2-3 年前まで畑に出たが,去年ぐらいから無くなった. 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 35 1 上名野川奥谷(おく だに) E133 330 女性,86 歳. エゴマ 655 3 軒で聞く.①女性,エゴマ 70 歳位.②女性,65 歳位.③西森滝男さ ん宅,女性,60 歳位. 560 女性,80 歳位. エゴマ エゴマ エゴマ 30 年も 40 年も前まで畑に自然のようにあったが,誰も収穫しなく なり,自然になくなった. チソ 2 個体. ゴマ 041112-1 無い. 「オノレバエ(脱粒種子から実生で生える)」.5 年くらい前まであっ た.野菜畑の縁にのみ生える.白種子. 十年前なら大抵の家の畑に生えたが今は見ない.植えた覚えはな かったが親が作っていたのが畑に自然に生えてきていた.除草の時, 「ゴマ」かと思いつつ食べないので引いた.昔は大分沢山出た.草 丈 40cm.枝が沢山張る.昔,炒って味噌に入れて食べた(味噌 + エゴマ + 砂糖) .または炒って丸のままご飯に振りかけた. 日高村で知人が沢山作っている.佐川へ売りに行っていると聞いた. 223606 JP番号 30021364 30021368 30021365 30021352 調査日 地域 緯度 経度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 分類群 呼称 聞取りおよび観察 収集番号 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 33 47.2 E133 下名野川斧ノ谷(お のだに) 6 36.4 583 川村博信,60 歳位. エゴマ エゴマ いつも沢山作っており,まともに作っているのはこの辺でも自分く らいであるが,今年は大雨でエゴマの畑が土ごと流されたので無い. 脱落種子からの実生を利用するが,昔は播種して苗を移植した人も いる.およそ 10 月末.色付いたら刈って箕に入れて乾燥させ脱穀 する.枝が張って大きくなる.種子を炒り味噌に入れる.葉を刺身 と一緒に食べると,アオジソより美味なので,どの家庭でも少しは 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 33 56.2 E133 下北川 7 24.4 405 鎌倉むつみ,54 歳. エゴマ エゴマ 吾川村寺村の実家の種子.寺村では母だけが作り続けており,いつ 041112-3 も 1 升ぐらい収穫する.栽培は良い畑だと虫害がひどく,荒れた畑 だとうまく育つ.今年は収量が少なく,種子は小さく出来が悪い. 種子のみ利用.寺村の母は種子を潰して白和えに入れる.自分はハ ヤトウリの薄切りと豚肉を炒めて,炒ったエゴマをかける. 11 月 13 日 高知県吾川郡いの町 N33 40 40 (旧,吾北村)清水 下分(きよみずしも ぶん)馬路(ばろう) 21 3 ゴマ 10 年前にはあったが現在栽培する人は知る限りいない.畑に自然 に生えるものであった.自分が畑に出ていた頃は残すようにしてい たのでエゴマがあったが,自分が出なくなったら若い人は抜くので 今はなくなったかもしれない.セイソウ(アオジソ)の種子と同様 に,炒って,寿司に混ぜる.白菜などの酢の物,キュウリの塩もみ へ入れる.魚の骨を炒りエゴマと一緒に擂り潰してふりかけにする. この辺りで正月の三が日にのみ食べる豆腐の田楽のたれに擂ったエ ゴマを入れる. E133 350 筒井二三四(ふみよ) ,エゴマ 85 歳. 保存番号 JP番号 223615 30021361 ゴマ - 19 - ホンゴマ 白種子と黒種子を作った.毎年播種するものであった.土地に無駄 がないように,カライモ ( サツマイモ)の畝の溝に植えた. アズキ ショウズ 都会ではできない.山だけでできる. 041113-1-Vi- 223621 / アズキ gna ツルマメ? 自分は今まで作った覚えはないが,嫁が収穫したもののようである.041113-1-Gly- 223656 蔓性.種子は小さくて黒色. cine 11 月 13 日 高知県吾川郡いの町 N33 42 16.8 E133 (旧,吾北村)清水 上分(きよみずかみ ぶん)白根,種子は 程野 21 58.6 601 川村つたえ夫妻,85 エゴマ 歳位,嫁,川村艶子, 65 歳位. エゴマ 30021367 30021385 昔焙じて味噌に入れ,麦飯のおかずにした.子供の頃,そのまま食 041113-2 べたことがある.自然に生えるものであった.エゴマとシソは交配 し,色が悪くなるので,エゴマが畑に出たら抜く.最近収穫してい ない.案内してもらい,不在であった伊藤きよえさんの畑から採種. 菜園の隅の残飯を捨てる場所に 6 個体,1m × 1.5m.湿っている土地. 223616 30021362 120 道の駅 633美の エゴマ エゴマ 生産者,高知県吾川郡いの町(旧,吾北村)奥大野,門脇高茂.50 041113-3 11 月 13 日 高知県吾川郡いの町 N33 38 32 E133 19 37 里で販売. g,200 円. (旧,吾北村)上八 川甲(かみやかわこ う) エゴマはゴマの代用として使われることがあるため,ゴマの情報も加えた.シソ,エゴマ以外の作物種子の分譲を受けた場合は,その作物についての情報を記した. 223617 30021363 Photo 1. A view of Shirone, Ino town, Kochi prefecture at an altitude of 600m, a site where an oil perilla was collected. Photo 3. Cultivation of oil perilla utilized volunteer seedlings, together with chestnuts, a kind of stalk taro "ryuukyuu" (Colocasia gigantea ), black kidney beans "furou-mame", azuki beans and royal fern "zenmai"(Osmunda japonica ) without tilling, in Kamimomohara, Ootoyo town, Monobe village, Kochi prefecture. Photo 2. Cultivation of oil perilla utilized volunteer seedlings in the corner of a konjak field, in Kurishido, Higashiiyayama village, Tokushima prefecture. Photo 4. Cultivation of oil perilla by sowing and transplanting every year, in Nakadaira, Okanouchi, Monobe village, Kochi prefecture. Photo 5. Bottled grains of oil perilla in Nakadaira, Okanouchi, Monobe village, Kochi prefecture. Photo 6. P.Setoyensis, a wild relative of perilla in Monobe village, Kochi prefecture. The population size and the habitat area had expanded much more than 2003. - 21 - 〔植探報 Vol.21: 23 ∼ 29, 2005〕 鹿児島県大隅半島東岸,宮崎県南部における サトウキビ野生種の探索収集 佐藤 光徳 1)・野島 秀伸 2)・高木 洋子 1) 1)国際農林水産業研究センター・沖縄支所・育種素材開発研究室 2)鹿児島県肝属農業改良普及センター Exploration and Collection of Sugarcane Wild Species in Southern Kyushu 1) 2) 1) Mitsunori SATO , Hidenobu NOJIMA and Hiroko TAKAGI 1) Crop Breeding Laboratory, Okinawa Subtropical Station, Japan International Research Center for Agricultural Sciences 2) Kimotsuki Agricultural Extension Center, Kagoshima Prefecture Summary Exploration of Saccharum spontaneum , a wild species of sugarcane, in southern part of Kyushu was carried out on 13-14 September, 2004. Based on the observation from the last exploration in this area in 2003, it was presumed that S. spontaneum flowered mostly from July to early September. Therefore, preparatory observation prior to the exploration was carried out in July and August along the route of exploration to find out populations with early flowering. As a result, two clones of S. spontaneum flowering at the beginning of August were found, and then, collected. KEYWORDS: Kagoshima, sugarcane, wild species, Saccharum spontaneum 1.目的 サトウキビの野生種のひとつである Saccharum spontaneum (和名:ワセオバナ)は,南アジ 1) ア,東南アジアを中心に熱帯・亜熱帯地域から温帯まで広く分布している .一般に細茎で含糖 率は低いが,様々な生態系に適応した系統が分化しており,耐病性や多収性の顕著な育種効果が 認められたことから,サトウキビ経済品種の育種に広く利用されている. 日本は S. spontaneum (以下,野生種)のアジア東部における分布の北限域に位置し,特に南 西諸島に多くの自生地が認められる.1970 年代後半から永冨ら 2), 3) が南西諸島において野生種 の収集を実施し,数次の探索の結果,500 系統以上の野生種がジーンバンクに登録された.現 在までに,西表島,石垣島,多良間島,宮古島,大神島,伊良部島,池間島,久米島,沖縄本島, 沖永良部島,徳之島,奄美大島,喜界島で探索が実施され,池間島,久米島以外の島々からは野 生種が収集された.南西諸島北部の種子島,屋久島,トカラ列島では探索の記録がなく,自生の - 23 - 情報も得られていない.一方で,本州の静岡,千葉,茨城では海岸線から野生種が収集されてい るが,種子島以北,静岡県に至るまでの地域で野生種が収集されたという報告はない. 野生種が発見された北限が茨城県であることから,松岡ら 5) は現在「空白地帯」となって いる種子島から静岡県に至る太平洋岸にも野生種が自生している可能性が極めて高いと考え, 2003 年に南九州における探索を実施した.その結果,鹿児島県錦江湾に流れ込む河川沿いで野 生種を発見収集したが,薩摩半島西部,大隅半島,宮崎南部では発見できなかった. 筆者らは,前回,野生種が発見出来なかった鹿児島県大隅半島東部,宮崎県南部において 2 回目の探索を行った.10 月に実施した前回の探索においてその時期に出穂開花している野生種 が全く観察できなかったこと,また収集した野生種についても残っていた穂軸の状態が古く,こ の系統が出穂開花してから相当の時間が経過していたと考えられたことから,南九州における野 生種の出穂開花は 8 月頃に始まると推察された.野生種の探索は出穂開花時期に行うことが効 率的であることから,今回は,探索の時期を 9 月上旬に設定し,さらに,探索に先立って 7 ∼ 8 月に探索予定地域において出穂状況の事前調査を実施した.その結果,8 月上旬に出穂開花し た野生種を発見し,収集することができたので報告する. 2.方法 事前調査は,鹿児島県大隅半島を対象地域として,2004 年 7 ∼ 8 月に行い,出穂に注目して 野生種の群落を探索し,自生地点を記録した. 2004 年 9 月 13 日に鹿児島県大隅半島東岸北部,14 日に串間市,日南市,宮崎市において, 事前調査で出穂を確認した群落も含めて探索・収集を実施した(Fig. 1) .9 月の探索の前に 2 回 に渡ってこの地域に強い台風が到来しており(Table 1) ,出穂が確認されていた野生種の群落も 穂の折損,葉のちぎれ,黄化,枯死等が観察された. 探索収集には全経路,車を用い,車窓から見える範囲で探索した.最初に事前調査で視認し ていた 2 ヶ所の自生状況を調べた後,保存のために茎を数本収集した.さらに,過去の収集に おいて河川沿い,あるいは海岸沿いで多くの自生地が発見されていることから,探索は経路の途 中で通過した河川の河口付近での調査を重点的に行い,河川によっては車を降り徒歩による調査 も実施した.収集地での調査は,国際遺伝資源委員会(IBPGR:現 IPGRI)の資料に基づき作成 した調査票 4) を用いた.収集した系統は国際農林水産業研究センター沖縄支所の圃場で保存し, 特性評価を実施している. Table 1. Typhoons attacked the southern Kyushu before this exploration 南九州に接近した台風の概況(2004 年) 台風番号 最接近日 ( 月 / 日 ) 最大瞬間風速 (m/s) 降水量 (mm) 第 16 号 8/30 39.4 543 (8/28-30) 第 18 号 9/7 36.9 211 (9/ 5- 7) 宮崎県都城市における観測値 宮崎県 鹿児島県 宮崎市 国分市 b 都城市 a 日南市 鹿児島市 志布志町 鹿屋市 大崎町 A B 串間市 内之浦町 指宿市 佐多町 Table 2. Description of the collecting sites of the two clones collected in southern Kyushu in September, 2004 2004 年の探索における野生種の収集地と自生の状況 系統名 大崎 収集地名 収集地の状態 野生種の自生状況,特性 鹿児島県曽於郡 国道 220 号線,菱田川菱田橋西 国道と同レベルの駐車場と国道下約 2m の畑と 大崎町菱田 100m 北側,駐車場と畑の間の の間の土手に自生.幅 2m,長さ 10m 程度の自 土手.海岸まで約 400m.元来 生地.チガヤやその他の雑草と競合しながら自 は菱田川右岸の河岸段丘であっ 生.草丈約 1m.一部個体で出穂済み.出穂開 たと思われる. 始からは相当の時間が経過していると思われた. 台風の影響による,葉の裂傷,黄化ならびに穂 軸の折損が甚しい. 志布志 鹿児島県曽於郡 安楽川河口左岸の水田の土手. 道路沿いの幅 3m,長さ 10m 程度の比較的大き 志布志町稚子ノ松 国 道 220 号 線 安 楽 橋 の 下 流 約 な自生地.優占種でほぼ単独の群落を形成.草 200m,海岸まで約 300m.元来 丈約 2m で生育は良好.出穂開花済み.出穂開 は河口の氾濫原であったと思わ 始から相当の時間が経過していると思われた. れる. 穂と芽子の形態から両系統とも Saccharum spontaneum と推定しているが,出穂期と穂の形態の確認を してから登録を行う予定である. 3.収集の結果 7 月から実施した事前調査によって,8 月上旬に大隅半島の 2 ヶ所において,出穂した野生種 の群落を視認することができた. 9 月の探索実施時にその情報に基づいて調査を行い,志布志湾に流れ込む 2 つの河川の下流域 から 2 つの系統を収集した(Table 2) .収集地は鹿児島県曽於郡大崎町の菱田川付近と志布志町 の安楽川付近である.両地点とも現在では生活道路沿いの土手となっているが,地形的に見ると 大崎は菱田川下流の河岸段丘部,志布志は安楽川の河口部に位置している.大崎の群落は人によ る管理がよく入る土手にあり,他の植物との競合も激しく,生育は抑制され,今後の存続が危ぶ まれる状況であった.志布志の群落は比較的大きなものであったが,道路沿いであることから管 理のために生育途中で刈り込まれ,出穂に至らないこともあると思われる. 前回の探索時にはこれらの野生種は発見されていない.大崎は国道 220 号線に接するところ に自生しているので前回の経路にも含まれていたが,菱田川から 100m ほど離れ,その間に人 家もあることから, 河川沿いを集中的に探索した前回の探索では発見できなかったと考えられる. 志布志の自生地は国道 220 号線から大きく離れていることから,前回探索の通過経路には含ま れていなかった. これら 2 系統については茎を採取して石垣島に持ち帰り,JIRCAS 沖縄支所の圃場で増殖・保 存している.今後,特性評価を実施していく予定であるが,2003 年および今回収集した 4 系統 について,現在までに調査した形質特性を Table 3 に示した. Table 3. Morphological characteristics of the clones collected in southern Kyushu in 2003 and 2004 南九州において 2003 年と 2004 年に収集した系統の形態特性 葉 身 長 葉 身 幅 中肋 系統名 葉耳形態 葉舌形態 芽子形態 草型 大崎 緩下降 三角 卵円 中葉 85 6.3 白 無 下降三角 -(未調査) 志布志 緩下降 三角 卵円 水平葉 88 8.7 白 無 下降三角 -(未調査) S47 緩下降 三角 卵円 中葉 86 6.8 白 無 下降三角 未出穂 S48 緩下降 三角 卵円 中葉 93 6.9 白 無 下降三角 未出穂 (cm) (mm) の色 葉身毛群 肥厚帯形態 出穂性 注)植物遺伝資源特性調査マニュアルに基づいて調査は実施した. S47,S48 は そ れ ぞ れ COL/KAGOSHIMA/2003/JIRCAS/S47, COL/KAGOSHIMA/2003/JIRCAS/S48 の 略. 両系統とも鹿児島本土収集のもの.調査は JIRCAS 沖縄支所で保存栽培している植物体(2005 年 4 月 11 日株出し管理)を用い,2005 年 6 月 30 日に行った.出穂性は前年の JIRCAS 沖縄支所における観察調 査の結果. - 26 - 4.所感 サトウキビの野生種は,ススキ(Miscanthus sinensis )やアシ(Phragmites communis )など のイネ科の野草と形態が類似し, またその自生地はそれらの植物の自生地と混在することが多い. そのため海岸線,河川岸等の原野で行う野生種の探索においては,野生種の出穂した穂が最も重 要な目印であり,穂が視認できなければその発見は困難である.したがって,探索時期は出穂の 時期が望ましい.これまでに,主として南西諸島で収集された系統の出穂開花時期は,9 月後半 5) から 11 月初旬である.2003 年の松岡ら による南九州における探索も 10 月に実施しているが, 南西諸島における経験からその時期が出穂の視認がしやすいと考えたからである. しかしながら, 見つかった野生種の穂の状況は穂軸がわずかに残っている程度で,10 月において既に出穂開始 から長時間経過していたことを示唆していた.このことから,今回の探索では 8 月に出穂開花 する野生種が存在することを推定し,その発見を目的とした.その結果,この地域の野生種の出 穂期が,南西諸島よりかなり早いこと,すなわち 7 ∼ 8 月であることが観察された.現在,九 州の他の地域あるいは四国におけるサトウキビ野生種探索計画を考えているが,出穂時期の情報 を事前に収集し,地元に在住する研究員の協力を得て定期的に対象地域における出穂調査を実施 するなどの取り組みが必要であると思われる. 5.引用文献 1)宮里清松 1986. サトウキビとその栽培. (社)沖縄県糖業振興協会 2)永富成紀,大城良計,仲宗根盛徳 1983.南西諸島におけるサトウキビ遺伝質の探索;第 1・ 2 次調査. 沖縄県農業試験場研究報告 9:1-27. 3)永冨成紀,スヨト・サストロヴィヨノ,ジョージ・シルベリオ,ロンキリヨ・ピリィード,杉本明, 大城良計 1985.南西諸島におけるサトウキビ遺伝質の探索;第 3 次調査. 沖縄県農業 試験場研究報告 10.1-24. 4)勝田義満,中西建夫,松岡誠,杉浦誠,氏原邦博,前田秀樹,杉本明 1996.香川県,徳島県, 高知県におけるサトウキビ遺伝資源の収集. 植探報 12: 59-64. 5)松岡誠,佐藤光徳,小笠原篤 2004.南九州におけるサトウキビ野生種の探索収集 . 植探報 20:39-43. - 27 - A B Photo 1. Populations of wild sugarcane 発見したサトウキビ野生種の群落 A: 鹿児島研曽於郡大崎町菱田,国道220号線菱田橋西 100m 北側畑土手 B: 鹿児島県曽於郡志布志町稚子ノ松,安楽川河口左岸,水田土手 - 29 - 〔植探報 Vol.21: 31 ∼ 35, 2005〕 長野県におけるシダレグリ遺伝資源の収集 澤村 豊・高田 教臣・佐藤 明彦・平林 利郎 果樹研究所・遺伝育種部・ナシ・クリ育種研究室 Exploration of Weeping Type Japanese Chestnut (Castanea crenata Sieb. et Zucc. var. pendula Makino) Genetic Resources in Nagano Prefecture in Japan Yutaka SAWAMURA, Norio TAKADA, Akihiko SATO and Toshio HIRABAYASHI Laboratory of Pear and Chestnut Breeding, Department of Breeding, National Institute of Fruit Tree Science . 2-1 Fujimoto, Tsukuba, Ibaraki 305-8605, Japan Summary An exploration for collecting Japanese chestnut (Castanea crenata Sieb. et Zucc. var. pendula Makino) with a weeping habit in Nagano Prefecture was conducted from February 28th to March 1st, 2005. A total of 23 branch samples were collected at two areas (Kiso village and Tatsuno town) in the central part of Nagano prefecture. These chestnut trees were grown on slope land along with the roads. The collected branch samples will be grafted and assessed for agronomic characters. KEY WORDS: Castanea crenata var. pendula Makino, Nagano prefecture, collection, weeping 1.目的 ニホングリ(Castanea crenata Sieb. et Zucc)は,わが国に自生分布するクリ栽培種の原種 とされているが,いくつかの変種を含んでいる 4) .その一つであるシダレグリ(C. crenata var. pendula Makino)は,他の変種のほとんどが極めて限られた場所での生存が伝えられているだ 2),3) けであるのに対し,国内各地での生存が知られている .しかし樹形が奇異であることから 信仰心と結びつきを生じ,神社や寺院等に奉納されて保護されてきている例が多く,自生地と思 われる群落が現存している場所は少ない.壽ら(2005)によれば,自生地としては福島県いわ き市上三坂,長野県塩尻市相吉,長野県辰野町小野,岐阜県下呂市宮地の 4 箇所が知られてい る程度である. これらシダレグリの多くは国や地方自治体によって天然記念物の指定を受けているが,樹齢が進 んでいるものが多く,枯死しかかっているものもあるため,早急に複製樹を作成し保存する必要 がある.そこで,今回は長野県辰野町小野のシダレグリ自生地を中心に長野県におけるシダレグ リ遺伝資源の収集および調査を実施した. - 31 - 2.調査・収集方法 果樹研究所リンゴ研究部長の壽和夫氏が事前に収集した情報をもとに,平成 17 年 2 月 28 日 ∼ 3 月 1 日の日程で長野県中部の木祖村,辰野町,木曽福島町においてシダレグリの収集調査 を行った(Fig.1) .収集の対象としたものについては採取地において採取場所の緯経度を確認し た後,樹高,幹周を測定し,穂木の採集を行った. 3.結果 調査を行った長野県 3 町村のうち,2 町村で 21 個体のシダレグリおよび 2 個体の立ち性の自 生グリを採集した(Table.1) . 長野県木曽郡木祖村菅ではシダレグリ(大平のシダレグリ)1個体を収集した.このシダレグ リは道路から 2 mほど上がった場所にある大平観音堂の境内に単独樹として生存,保護されて いる.5 本程度ヤドリギの寄生が見られるものの新梢の伸長は良好である.樹冠下には多数のイ ガが落ちており結毬状況は良好であり,また毬の大きさから果実は 10 g程度の小果であると考 えられた. 長野県上伊那郡辰野町小野では,辰野町教育委員会の三浦孝美氏に案内していただき,小野の シダレグリ自生地において収集を行った (Photo 1).この小野のシダレグリ自生地は国指定天然 記念物であり, 「しだれ栗森林公園」として整備されている.江戸中期あたりから記録に残って おり,2.4ha 程度ある山の斜面全体に様々な樹齢のシダレグリが約 800 本群生している.推定 600 年生の古木もあったが,数年前に枯死したとのことであった.自生地ということで積極的 にシダレグリを増やすようなことはせず,年に一回下草の刈り取りを行い,自然発生した実生の うちから枝垂れのものを残している,とのことであった.実生群ではあるが,傘状に枝垂れるも の(Photo 2)や柳状に枝垂れるもの(Photo 3) ,それらの中間的な枝垂れ方をするもの等様々 なタイプのシダレグリが存在している. 天然記念物の指定地域外にもシダレグリが分布しており, それらのうちから 21 個体のシダレグリおよび 2 個体の立ち性の自生グリを収集した. また,長野県木曽郡木曽福島町伊谷では,壽らの報告で生存が確認できていないとされる伊谷 のシダレグリ 1) について調査を行った.木曽福島町内での聞き取り調査を行ったところ,20 ∼ 30 年ほど前に枯死したが,切り株はまだ残存しているとの情報を得ることができた.木曽福島 町伊谷地内において土地所有者の方からの情報をもとに,工場裏の斜面を 30 m程登った場所で 枯死したシダレグリの幹を確認した.周辺の斜面を探索したが,他のシダレグリは存在しなかっ たことから,このシダレグリは独立樹であったと考えられた. 4.収集材料の取扱 収集した系統はすべて果樹研究所において接ぎ木苗を養成し,圃場に保存するとともに,遺伝 資源特性調査マニュアルに従って特性を明らかにする. 5.所感 辰野町小野のシダレグリ自生地の推定 600 年生のシダレグリ古木が数年前に,また木曽福島 町伊谷のシダレグリも 2,30 年前に枯死していることから,日本各地のシダレグリ遺伝資源を 早急に収集,保存する必要があると改めて感じた. また,木祖村菅のシダレグリ(大平のシダレグリ)は,江戸末期∼明治初期頃に地元の人が辰 野町小野から幼木を持ち帰って観音様に奉納したものと伝えられている - 32 - 1) .このことから,DNA マーカー等を用いて大平のシダレグリをはじめとする神社や寺院等に奉納されたシダレグリと, 今回収集した辰野町小野のシダレグリ自生地の実生集団との類縁関係を調べることで,辰野町小 野のシダレグリ自生地からのシダレグリの伝播経路の解明が期待される.また,辰野町小野のシ ダレグリ自生地の実生集団に枝垂れ性の程度の異なる様々な個体が生じていることから,クリの 枝垂れ性には複数の遺伝子が関与している可能性もある. 6.謝辞 今回の探索では多くの方々にお世話になりました.特に辰野町教育委員会の三浦孝美氏には雪 深い現地までの案内で大変お世話になりました.紙面を借りて心から感謝の意を表します.また, 貴重な遺伝資源を分譲してくださった皆様に厚く御礼申し上げます. 7.引用文献 1) 壽和夫,澤村豊,齋藤寿広,高田教臣.2005.日本国内におけるシダレグリ遺伝資源. 果樹研究所報告 第 4 号:83 − 91 2) 三浦伊八郎,本多正次,小野陽太郎,林弥栄監修.1962.日本老樹名木天然記念樹. 678-685.大日本山林会.東京. 3) 沼田真編集.1984.日本の天然記念物4.植物Ⅱ.66-67.講談社.東京. 4) 志村勲.1972.クリ.786-787.佐藤公一ら編.果樹園芸大事典.養賢堂.東京. - 33 - 長野県 木祖村菅 辰野町小野 木曽福島町伊谷 Fig.1. Exploration sites in Nagano prefecture. 長野県における収集場所 Table1. A list of weeping type Japanese chestnut collected in Nagano prefecture 長野県で収集したシダレグリ遺伝資源 収集番号 収集日 収集地 緯度 経度 樹高 幹周 タイプ 新梢長 備考 (度・分・秒)(度・分・秒) (m) (cm) 1 2/28 木祖村菅 35-57-06 137-45-09 10.0 164 枝垂れ 中 2 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 5.0 80 枝垂れ 中 3 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 5.5 128 枝垂れ 中 4 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 5.5 105 枝垂れ 中 5 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 4.0 80 枝垂れ 中 6 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 2.0 56 枝垂れ 長 7 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 4.0 88 枝垂れ 中 8 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 4.0 29 立ち 長 9 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-56 5.0 78 枝垂れ 短 10 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-56 3.5 63 枝垂れ 中 11 3/1 辰野町小野 36-02-48 137-59-56 3.0 65 枝垂れ 中 12 3/1 辰野町小野 36-02-48 137-59-56 5.5 30 枝垂れ 中 13 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 5.0 50 枝垂れ 中 14 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-56 2.3 19 立ち 中 15 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 2.5 54 枝垂れ 長 16 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 5.0 104 枝垂れ 中 17 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-55 3.0 69 枝垂れ 中 18 3/1 辰野町小野 36-02-48 137-59-54 4.0 57 枝垂れ 中 19 3/1 辰野町小野 36-02-48 137-59-54 2.0 36 枝垂れ 長 20 3/1 辰野町小野 36-02-48 137-59-54 1.0 43 枝垂れ 長 21 3/1 辰野町小野 36-02-49 137-59-54 5.0 74 枝垂れ 長 22 3/1 辰野町小野 36-02-51 137-59-56 4.0 40 枝垂れ 中 23 3/1 辰野町小野 36-02-51 137-59-56 1.5 60 枝垂れ 長 木曽福島町伊谷 35-50-24 137-43-40 4.0 以上 60 枝垂れ - 34 - 枯死のため穂木は採集せず Photo 1. Weeping type Japanese Photo 2. A habitat of weeping type Japanese chestnut at Oohira temple, Suge, Kiso chestnut at Ono, Hatsuno town. village 小野のシダレグリ自生地(辰野町小野) 大平のシダレグリ(木祖村菅) Photo 3. A Japanese chestnut tree of standing by weeping found at Ono, Tatsuno town. 傘状に枝垂れるシダレグリ(辰野町小 野) Photo 4. A Japanese chesnut tree of droopingly weeping found at Ono, Tatsuno town. 柳状に枝垂れるシダレグリ(辰野町小 野) - 35 - 〔植探報 Vol.21: 37 ∼ 43, 2005〕 山梨県・長野県におけるアオナシの探索・収集 池谷 祐幸・間瀬 誠子・佐藤 義彦 農業・生物系特定産業技術研究機構・果樹研究所・遺伝育種部・遺伝資源研究室 Exploration and Collection of Pyrus ussuriensis var. hondoensis in Yamanashi and Nagano Prefectures. Hiroyuki IKETANI, Nobuko MASE and Yoshihiko SATO Laboratory of Genetic Resources, Department of Breeding. National Institute of Fruit Tree Scicence , National Agriculture and Bio-oriented Research Organization . 2-1 Fujimoto, Tsukuba, 305-8615, Japan. Summary Pyrus ussuriensis is the only species that grows truly wild in Japan. Between its two varieties, that are, var. ussuriensis and var. hondoensis , the latter was explored and collected in Yamanashi and Nagano Prefectures. A total of 27 individuals of this plant, as well as one individual of P. pyrifolia , were collected. It was remarkable that the wild individuals were rediscovered at Mt. Mitsutôge and Yamanakako-mura in the vicinity of Mt. Fuji, where this tree had not been discovered more than 70 years. KEY WORDS: genetic resources, pear, Pyrus ussuriensis var. hondoensis , Yamanashi Prefecture, Nagano Prefecture 1.目的 1) 日本には3種類のナシ属植物が分布するが ,そのうちのマメナシ(Pyrus calleryana Decne.) は小果である等のため,台木等として利用されるだけであり,食用として利用可能な形質を持つ ものは,大果系(large-fruited group)に属する残り2種のみである.しかし,このうちのニホ ンナシ(ヤマナシ,P. pyrifolia Nakai)は,史前帰化の可能性が高いと推定されているので,日 本に真に自生するナシ属の野生種はミチノクナシ(P. ussuriensis Maxim.)のみとなる.この種 類は形態的にやや異なる以下の2つの変種に分類される.北上山地を中心とした東北地方北部に 分布するイワテヤマナシ(P. ussuriensis var. ussuriensis )と,前者に比べて葉身がやや小さく長 さ6−8cm程度で,葉縁が針状にならない鋸歯縁となり,山梨・長野両県及びその周辺に分布 するアオナシ(P. ussuriensis var. hondoensis Rehder)である. 前者は,中国東北部で栽培されるチュウゴクコナシと同一の分類群である.また,東北地方に は,この植物に由来すると思われる在来品種・系統が多く存在するため,野生個体群の発見当初 より遺伝資源としての収集・利用が図られてきており,農業生物資源ジーンバンクにおいても十 - 37 - 数点の系統が保存されている.しかし後者は前者とほぼ同時期に発見されたにもかかわらず,そ の後の収集・利用は進んでおらず,ジーンバンクでも2点しか保存されていない. ところで近年の分類学的研究により,イワテヤマナシとアオナシの形態的特徴や分布の現状が 2) 詳しく解明された .それによると現在のアオナシの分布の中心は,八ヶ岳を中心とする山梨・ 長野両県であるが,自生地にあたる標高 1,000 ∼ 1,600 m程度の地域は,まさにリゾート地帯 として開発が進んでいる場所に当たるため,アオナシの自生個体は,今後急速に減少する可能性 がある.また,イワテヤマナシについては栽培種との交雑がかなり進んでおり,純粋な野生個体 と見なしうるものがほとんどなくなっている可能性が報告されているが 3) ,アオナシでは真の 野生と思われる個体がまだかなり残っているため,日本に遺された貴重なナシ属野生遺伝資源で ある.そこで本調査では,アオナシについて,遺伝的多様性を広くカバーするため,現存する自 生個体の分布のほぼ全域において,探索・収集を行った. 2.調査・収集の地域および方法 アオナシは,同じ場所に生育する他の植物よりも,果実が成熟して落葉する時期が1ヶ月程度 早く,9月上中旬であるため,2004 年9月7日から 10 日にかけて現地調査を行った.アオナ シの分布は,長野・山梨県のほぼ全域に加えて,群馬県西部,神奈川県西部,静岡県東部,岐阜 県北部に及ぶ ).しかし多くの地域では,植物分類学研究機関のさく葉標本や植物誌における近 年の報告が認められず,絶滅したか,それに至らなくとも個体数はごく少なく,発見は困難であ ると思われる.そこで本調査では,現在でも多くの個体が残存する八ヶ岳周辺部および関東山地 西部を主要な調査地とした.この他,富士山周辺において近年再発見されたとの情報を山梨県植 物研究会より頂き,同会会員渡辺長敬氏に案内を願った.また長野県軽井沢町では,長野県植物 研究会の池田登志男氏に案内頂いた. なお,調査予定地域には,自然公園法上の第1種∼第3種特別地域が含まれていた.アオナシ は同法の指定植物には該当しないので,同法に基づく採集許可を取る必要はないが,これらの箇 所は,一般には植物採集を行わないよう啓蒙している地域であるので,土地管理者からの立入及 び採集許可を事前に取得した. 各調査地において, 収集個体の樹高および胸高直径(株立ちの場合は最大株の値)を記録した, また,穂木,さく葉標本および結実のあるものでは果実を採集した.穂木は果樹研究所にて接ぎ 木を行い繁殖した.また標本と果実においては,野生個体と栽培植物からの遺伝的影響を受けた 個体との識別形質である,短枝の最大葉身長,果長,および果柄長を計測した. 3.結果および考察 調査・収集地を Fig. 1に示す.計 10 地域においてアオナシ 27 個体,ニホンナシ1個体を収 集した(Table 1) .特筆すべきは,富士山周辺におけるアオナシの再発見である.この地域は, 菊池秋雄博士らにより 1918 年に最初にアオナシが発見・報告された場所のひとつであるが,戦 後は長らく情報がなく,絶滅したと考えられていた.本調査では,三ツ峠山山頂付近と山中湖別 荘地において,計3個体であるが自生個体を発見することができた.これらの個体は,特に葉身 の裏面に赤褐色毛を密生する点で,八ヶ岳周辺のアオナシとはかなり異なっていた.もしこれが 隔離分布の結果であるならば,遺伝的,生理的にも独特の形質を持つ可能性があるので,今後の 4) 特性の評価で明らかにしたい.なお,この再発見の詳細については別報で報告した . 八ヶ岳周辺では,アオナシは,ミズナラ林が開発や択抜により二次林化,疎林化したような植 生や,別荘地やリゾート地として部分的に開発された場所に出現する.地形的には,川筋や平坦 - 38 - Fig. 1 . Collection sites of Pyrus genetic resources in Yamanashi and Nagano Prefectures. 山梨県,長野県での調査・収集地域 地のややくぼんだ所など,やや湿性の立地に見かけられることが多い.なお,2005 年春に行っ た追加調査では,野辺山高原に唯一遺された自然林である筑波大学八ヶ岳演習林内において,ズ ミ林が発達し降雨時には流水路となるような周囲より僅かに低い地帯などに,多くのアオナシ自 生個体を見ることができた. また東信地域では,神社境内ないし周辺にある植栽と思われる個体が目立った.これらの個体 は,野生個体よりも遙かに大きく樹齢も長いと推測される.池田登志男氏によると,当地域では 調査地点以外でも神社仏閣等においてアオナシが見られるということである.調査地一体は一般 に高標高地であり,現在でも果樹の経済栽培は殆ど行われていない地域である.特に自生のアオ ナシが見られる地帯では,開拓等による人間の定住がなされたのは,一部を除き明治時代以降で ある.このためイワテヤマナシとは異なり,過去にアオナシの栽培利用が行われた可能性はあま りないが,このような古くからの植栽木の存在は,民俗学的には面白い問題をはらんでいる.ま た,アオナシの果実はイワテヤマナシと同様の強い芳香を持つため,果実を採取して室内の香り 付けに用いたり果実酒を作成する等の利用が,現在も地元では行われている. 4.謝辞 本調査に当たり,山梨県峡北地域振興局林務環境部,同富士北麓・東部地域振興局林務環境部, および富士河口湖町からは入山,採集許可を頂いた.また,山梨県植物研究会渡辺長敬氏と長野 県植物研究会池田登志男氏には,現地の案内を頂いた.山梨県植物研究会中込司郎氏には,富士 山周辺のアオナシの情報を頂いた.紙面を借りて心から感謝致します. 5.引用文献 1) Iketani H. and Ohashi H. 2001. Pyrus . in: Iwatsuki K. et al . (eds.) Flora of Japan IIb. Angiospermae Dicotyledoneae Archichlamydeae (b): 123-124. Kodansha, Tokyo. 2) Iketani H. and Ohashi H. 2003. Taxonomy and distribution of Japanese populations of Pyrus - 39 - ussuriensis Maxim. (Rosaceae). J. Jpn. Bot. 78: 119-134. 3) 片山寛則・植松千代美 2004.東北地方に自生するナシの遺伝資源 遺伝 58 no.5:55-62. 4) 池谷祐幸・間瀬誠子・渡辺長敬・中込司郎・佐藤義彦 2005.富士山周辺におけるアオナシの 再発見 植物研究雑誌 80:252-253. - 40 - Table 1. A list of collected Pyrus genetic resources in Yamanashi and Nagano Prefectures 山梨県,長野県で収集したナシ属遺伝資源 採集番号 1 植物名 整理名称 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-1 収集日 2004/9/7 地点番号 (Fig.1) 1 収集地 山梨県富士河口湖町三ツ峠山山頂付近 緯度 経度 (度-分-秒) (度-分-秒) 35-32-50 138-48-11 標高 (m) 樹高 胸高直径 最大葉身長 果長 果柄長 1,720 (m) 8 (cm) 40 (cm) (mm) (mm) 7.3 26.2 10.5 - 41 - 2 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-2 2004/9/7 1 山梨県富士河口湖町三ツ峠山山頂付近 35-32-50 138-49-11 1,720 10 40 5.7 24.6 3 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-3 2004/9/7 2 山梨県山中湖村平野,富士急別荘地 35-24-6 138-53-37 1,100 6 20 4.6 4 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-4 2004/9/8 3 山梨県高根町(現北杜市)美しの森山頂上付近 35-56-21 138-25-12 1,545 12 22 6.5 5 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-5 2004/9/8 3 山梨県高根町(現北杜市)美しの森山頂上付近 35-56-23 138-25-09 1,530 12 46 5.3 6 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-6 2004/9/8 3 山梨県高根町(現北杜市)清里別荘地 35-56-26 138-26-20 1,400 13 40 4.9 7 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-7 2004/9/8 3 山梨県高根町(現北杜市)清里別荘地 35-56-26 138-26-20 1,400 12 30 4.9 8 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-1 2004/9/8 4 長野県南牧村獅子岩 35-55-53 138-27-31 1,445 10 30 6.3 9 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-2 2004/9/8 4 長野県南牧村獅子岩 35-55-53 138-27-31 1,445 8 33 4.9 10 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-3 2004/9/8 4 長野県南牧村獅子岩 35-55-53 138-27-31 1,445 10 25 7.3 11 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-4 2004/9/8 4 長野県南牧村丸山,矢出川左岸 35-56-22 138-28-38 1,330 10 30 6.9 27.1 12 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-5 2004/9/8 5 長野県川上村原,藤塚神社入り口 35-57-50 138-32-49 1,190 14 50 5.8 13 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-6 2004/9/8 5 長野県川上村原∼信州峠 35-56-39 138-32-54 1,280 13 56 5.1 14 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-8 2004/9/8 6 山梨県須玉町(現北杜市)と長野県川上村境, 35-54-53 138-32-32 1,470 10 37 8.2 15 アオナシ YAMANASHI PYRUS COL.NO.2004-9 2004/9/8 6 信州峠 山梨県須玉町(現北杜市)黒森 35-54-43 138-32-34 1,165 12 45 6.2 16 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-7 2004/9/9 7 長野県茅野市,白樺西湖の西側 36-06-03 138-13-34 1,410 12 40 5.4 17 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-8 2004/9/9 7 長野県茅野市,白樺西湖の西側 36-06-05 138-13-33 1,420 12 46 6.7 18 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-9 2004/9/9 7 長野県茅野市,白樺西湖の西側 36-05-59 138-13-34 1,410 12 57 5.8 20.1 19 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-10 2004/9/9 8 長野県長門町鷹山の西 36-09-02 138-11-28 1,445 12 57 8.9 20 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-11 2004/9/9 9 長野県南牧村海ノ口,湊神社境内 36-01-01 138-29-32 1,050 14 78 6.9 21 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-12 2004/9/9 9 長野県北相木村宮ノ平,諏訪神社の西側 36-03-35 138-32-32 980 20 82 8.8 22 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-13 2004/9/9 9 長野県北相木村宮ノ平∼親沢峠 36-04-17 138-32-16 1,085 10 23 4.2 25.1 23 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-14 2004/9/9 9 長野県小海町親沢,親沢神社 36-04-50 138-31-11 1,040 14 70 24 ヤマナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-15 2004/9/9 9 長野県小海町親沢,親沢神社 36-04-50 138-31-11 1,040 14 70 25 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-16 2004/9/10 10 長野県軽井沢町星野温泉∼小瀬温泉 36-23-12 138-36-26 1,070 14 41 5 26 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-17 2004/9/10 10 長野県軽井沢町小瀬 36-23-06 138-37-05 1,100 7 24 5.2 27 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-18 2004/9/10 10 長野県軽井沢町小瀬 36-23-06 138-37-05 1,100 7 24 5.2 28 アオナシ NAGANO PYRUS COL.NO.2004-19 2004/9/10 10 長野県軽井沢町小瀬 26-23-08 138-37-11 1,145 9 20 6.1 8.2 10.8 5.3 8.3 Photo 1. Pyrus ussuriensis var. hondoensis at Mt. Mitsutoge Yamanashi Pref. (Col. No. 1) アオナシ(採集番号1,山梨県三ツ峠山) Photo 2. Fruits of Pyrus ussuriensis var. hondoensis (Col. No. 1) アオナシの果実(採集番号1,山梨県三ツ峠山) Photo 3. Pyrus ussuriensis var. hondoensis at Kitaaiki -mura, Nagano Pref. (Col. No. 21). Parasitized with Viscum album subsp. coloratum. アオナシ(採集番号 2 1,長野県北相木村) .ヤドリ ギが寄生している. - 43 - 〔植探報 Vol.21: 45 ∼ 49, 2005〕 三重県御浜町における多田元吉が導入した 茶遺伝資源の収集 松永 明子 1)・根角 厚司 1)・佐波 哲次 1)・喜多嶋 秀之 2) ・横山 幸徳 2) 1)野菜茶業研究所・茶業研究部・育種研究室 2)三重県科学技術センター・農業研究部・茶業研究室 Collection of Motokichi Tada's Tea Genetic Resources in Mie Prefecture Akiko MATSUNAGA1), Atsushi NESUMI1), Tetsuji SABA1), Hideyuki KITAJIMA2) and Yukinori YOKOYAMA2) 1) National Institute of Vegetable and Tea Science , 2769 Kanaya, Shimada, Shizuoka, Japan 2) Department of Tea-Raising, Mie Prefectural Agricultural Research Center , 992-2, Tsubaiso-cho, Kameyama-shi, Mie, Japan Summary India-origin tea plants imported by Motokichi Tada in Meiji-period were collected in Mie prefecture. In 1875, Motokichi Tada went to India to research black tea. He traveled in Assam, Darjeeling and tea-producing districts in northwestern India, and brought back tea seeds. Motokichi Tada's genetic resources had been selected or used as breeding parents, and excellent black tea and green tea cultivars were bred. Most of his original collections have disappeared. Today, his collections still survive in Mie prefecture. We collected these tea shoots in Mihama-cho Mie prefecture, and planted them by cutting in a glasshouse. 1.目的 多田元吉は明治時代中国,インドへ茶の栽培・加工の視察に行き,各国の産地から茶の種子を 持ち帰った.それらの遺伝資源は国の茶の育種事業において利用され ‘べにふうき’ ‘りょうふう’ ‘べにほまれ’ ‘べにふじ’ ‘いずみ’ ‘いんど’など優秀な品種を生み出している.現在,多田元 吉が持ち帰った種子の実生園はほとんどなくなってしまったが,三重県御浜町には多田元吉がイ ンドより持ち帰った種子の茶園といわれるものが残っている(Fig.1) .これらの遺伝資源を保存 - 45 - するため,現地で個体の調査と挿木による保存を 行った. 2.方法 調査及び穂の採取は 2004 年 6 月 14 日に行っ た.採取地は南牟婁郡御浜町栗須の山田伸行氏 所有の茶園である.個体の位置と大きさおよび 三重県 本数を調査後,その年に伸びた枝を各個体 10 本 やや小 ずつ採取し,水苔で保水し持ち帰り,野菜茶業研 究所のガラス室内のペーパーポットに挿木した. 2005 年 4 月に鉢上げし,ガラス室で管理した. また,三重県科学技術センター農業研究部茶業研 究室にも同様に持ち帰り,挿木を行い,2 カ所で 御浜町 の保存を行った. Fig.1. Mihama-cho, Mie prefecture 三重県御浜町 土手(川) 46 14 40 12 39 20 10 19 37 28 小 32 18 8 27 7 6 35 25 93 86 67 58 96 柿の木 82 100 81 74 41 47 65 72 73 101 95 83 56 92 99 80 79 柿の木 78 22 29 105 84 68 34 1 94 85 66 24 23 2 102 57 30 3 75 59 48 15 61 49 5 16 87 60 42 103 88 62 36 26 4 76 50 31 17 52 51 104 98 89 43 33 97 90 69 63 53 38 11 9 54 44 21 91 70 竹林 13 55 45 64 71 77 (段差) Fig. 2. A site map of tea plants maintained by Mr.Nobuyuki Yamada. 山田伸行氏茶園 - 46 - (道路) 3.結果 茶園における個体の位置を示した(Fig.2) .合計 105 個体を確認した.記録では,1877 年に 多田元吉がインドのカルカッタ植物園から持ち帰り,三重県に配布された種子を蒔いた茶園と 1) なっているが , 葉は一般的なアッサム種と比べ比較的小さく, 樹姿は灌木性を示していた (Photo 1,2,3) .周辺は水田が多く,茶の生産は行われていないが何軒かの農家では垣根に茶が植え られていた. 挿木の結果,105 個体のうち 97 個体が活着し,鉢上げを行った(Photo 4) .今後はガラス室 内で養成後,圃場に定植し管理,調査を行う予定である. 4.所感 多田元吉の遺伝資源より育成された紅茶品種‘べにほまれ’は発酵性の良い優れた紅茶用品種 である.また, ‘りょうふう’はさわやかな香気が特徴の緑茶用品種である.それぞれ日本の在 来種にはない特徴を持っている.今後もいわゆる多田系遺伝資源を利用した育種により有用な品 種が作出されることが期待される. 現在,金谷茶業研究拠点では静岡県静岡市丸子に存在していた多田元吉の遺伝資源を 15 株移 植し保存している.また,1963 年に,今回調査した,御浜町の茶園の遺伝資源のうち 12 本が 三重県農業技術センター経由で導入され,保存されている. 全国各地にあった多田元吉がインドより持ち帰った茶の遺伝資源は大部分が失われてしまったた め,今回,御浜町で採取した遺伝資源は非常に貴重なものであるといえる. 5.謝辞 穂の採取・調査を許可してくださった,園主の山田伸行氏に感謝します.また,調査の手助け をしてくださった三重県紀南県民局の技術普及主幹の宇田孝彦氏に御礼申し上げます. 6.参考文献 1)川口国昭 (1989) 茶業開化 山童社. - 47 - Photo 1. The tea plantation of Mr.Nobuyuki Yamada. Photo 2. An example of tea plant collected. 個体の様子 山田伸行氏茶園 Photo 3. Field survey of tea plants. 調査の様子 Photo 4. Tea plants planted in the pods. 鉢上げ後 - 49 - 〔植探報 Vol.21: 51 ∼ 57, 2005〕 北海道道央地域の高標高地におけるヤマグワの探索収集 小山 朗夫 1)・井波 勇二 2)・塚田 亀雄 2) 1)農業生物資源研究所・昆虫生産工学研究グループ・増殖システム研究チーム 2)農業生物資源研究所・企画調整部・業務第1科 Exploration and Collection of Mulberry (Morus bombycis K.) at High altitudes in the Central area of Hokkaido Akio KOYAMA1), Yuji INAMI2), Kameo TSUKADA2) 1) Mass Production System Laboratory , Insect Biotechnology and Sericology Department , National Institute of Agrobiological Sciences , Tsukuba, Ibaraki 305-8634, Japan 2) Field Management Section , Department of Research Planning and Coordination , National Institute of Agrobiological Sciences , Tsukuba, Ibaraki 305-8634, Japan Summary Exploration for collecting wild mulberry (Morus bombycis K.) which has the tolerance to cold environment was conducted at high altitudes in the central area of Hokkaido from 20th to 23rd July and from 29th to 31st October, 2004. Fifteen genotypes were collected around the Mt. Taisetsu, one genotype was collected from Higashimokoto-Town which is in the east area of Hokkaido, and one genotype was collected near Lake Shikotsu. It is noteworthy that two of these genotypes were found at the sites exceeding the altitude of 500 m, where there has been no report on mulberry distribution before. The variation of morphological characteristics was not so wide among collected genotypes. KEY WORD: mulberry, Morus bombycis K., exploration, collection, Hokkaido 1.目的 北海道では明治時代に養蚕の導入が試みられたが,地域に定着することなく短期間で衰退して しまった.この原因としては冷涼な気候のため蚕にとっての飼育環境が悪く,病気が多発したこ と,本州から持ち込まれたクワ品種に地域適合性がなく,栽培が困難であったことなどがあげら れる. 最近ではクワを蚕の飼料としてだけではなく,他の用途に利用する研究も進められている.特 に家畜飼料としては,栄養的な面での適合性が高く,ミネラル含量及びそのバランスにも優れて - 51 - いることが明らかにされている(Kitahara et al .,2000) .このため,畜産業の盛んな北海道では, 今後は畜産飼料用としてクワの需要が増すことも予想される. 国内の試験研究機関におけるクワ品種育成は戦前から行われており,昭和 46 年に現在の桑系 統適応性検定試験制度が確立されてからも, 「しんいちのせ」をはじめとする 21 品種が育成さ れている.それらの新品種は積雪地,温暖地など,適応地域別に育成されたものであるが,北海 道でのクワ栽培は想定しておらず,冬期間の低温ばかりでなく,北海道特有の夏期の冷涼な気候 に適応する新品種はこれまで育成が試みられることはなかった. 北海道には元来ヤマグワ(Morus bombycis K.)の野生株が地域によっては比較的高密度で自 生することが明らかにされている(堀田,1957) .また,北海道では札幌市近郊を中心とした道 西地域(藤田・片瀬,1992)及び希少種であるセキザイソウ(Morus yoshimurai H.)が分布し ていたとされる奥尻島(小山ら,2004)におけるクワの収集も実施されているが,より気象条 件が過酷であるとみられる高標高地での探索は行われてこなかった. そこで,今回は畜産用飼料等の新規用途向きで,冷涼な気象条件にも適応するクワ品種育成の ための素材収集を目的として,北海道道央地域を中心とした高標高地において探索を実施した. 2.調査収集の方法 クワは他殖性植物であるため,収集個体は接木,挿木などにより増殖する必要がある.ただし, 挿木発根性については遺伝的な変異の幅が大きいうえ,野生株からは挿し木に適した充実した枝 を採取することは困難であると考えられたため,今回は収集された材料を接木により増殖するこ ととした.接木用の穂木は貯蔵養分が十分に蓄積された落葉期以降に採取することが一般的であ るが,その時期では葉の形態,着果の状況などの詳しい観察ができないため,収集個体を選定す るための情報量が少なくなってしまうことが懸念された.そこで,今回は7月に事前調査・探索 を行い,穂木採取のための本収集は降雪前の 10 月に実施する日程とした. 事前調査・探索は7月 20 日から 23 日に行った.旭川空港到着後,レンタカーで大雪山を時 計回りにほぼ一周するルートをとった.道東地区は気象条件がより厳しいとされ,今回の収集の 目的に合致した個体の収集には適当であると考えられるものの,クワの分布は限られた地域のみ であることが明らかにされているため(堀田,1957) ,探索の効率を重視して道央地域の高標高 地帯を主たる探索地域とした.探索は主として車中からの目視によったが,札幌市の北海道大学 にも立ち寄り,学内の桑園管理を担当している山田恭裕氏に道内の高標高地におけるクワの分布 について情報提供をお願いした. 本収集は 10 月4日から8日にかけて実施した.7月の事前探索であらかじめ選定した個体の 枝採取ばかりでなく,道東地区の畜産農家である小久保 謙 氏から牧草地に自生しているクワが あるとの情報が寄せられたため,女満別空港に到着してから最初に東藻琴町へ移動し,その後石 北峠経由で大雪山周辺に至る行程とした.さらにクワの分布密度が高いとの情報が得られた中山 峠及び支笏湖周辺を探索ルートに加えた. なお,収集個体の位置(緯度・経度)及び標高は,エンペックス気象計株式会社製の「ポケナ ビ map21EX」により計測した. 3.探索及び収集の概要 今回収集したクワは Table 1 に示す 17 点であった. 1)事前調査・探索 1日目は旭川空港から国道 39 号線沿いに東へ向かった.途中の愛別町から上川町にかけての - 52 - 低標高地域では,野生クワの分布が比較的多く認められた.愛別町では石狩川河川敷にクワの群 生地を確認した.この地点は標高は低いものの,内陸であるため冬期間の最低気温はかなり下が るものと推測されたことから,冬期間の耐寒性に期待して直立性の姿勢を示す1個体と葉が比較 的大きい1個体の計2個体を選定した(収集番号2∼3) .さらに東進するにつれて標高は徐々 に高くなり,上川町内の標高 350m を越えた地点で樹齢 50 年を越えると見られる樹体の大きな クワを発見した(収集番号4,Photo 1) .その後は国道 39 号線の道路脇にはクワが見られな くなり,石北峠(標高 1,050m)まで探索を続けたが, 新たにクワを発見することはできなかった. 2日目は国道 39 号線から大雪山の東側山麓を抜ける国道 273 号線に入り,三国峠(標高 1,150m)から幌鹿峠(標高 1,081m) ,さらに然別川沿いに探索を続けたが,高標高地では全く クワを見つけることができなかった.士幌町まで下った後, 音更川河川敷で1個体を発見した(収 集番号6,Photo 2) .この個体は果実の着生が多く,果実に発生する重要病害のひとつである 桑菌核病の発生は見られなかった.その後は新得町に入り,十勝川沿いに大雪山南面における探 索を続けた.標高の低い地域では野生クワが多数見られたが,標高 300m を越えたあたりから 明らかに数が減っていった.標高約 350m の東大雪湖畔で,ヤマグワとしては葉面が比較的滑 らかで,光沢のある個体を発見した(収集番号7,Photo 3) .この個体にも果実の着生がみら れたが,桑菌核病が多発していた.さらに上流方向へ進み,標高 600m 付近まで探索を続けたが, クワが存在した最も標高の高いは地点は 430m 付近で,その近辺の3個体を本収集用に選定し た(収集番号8∼ 10,Photo 4) .このうち,収集番号7の個体には果実の着生が見られたが, ここでも桑菌核病の発生が見られた. 3日目は清水町から国道 38 号線を西に向かって進み,大雪山南西山麓の探索を続けた.狩勝 峠(標高 644m)付近ではクワを見つけることができなかったが,南富良野町と富良野市の境界 にある樹海峠(標高 476m)の頂上付近で1個体を発見することができた(収集番号 11).この 個体にも着椹が認められたが,桑菌核病が多発していた.その後,富良野町で国道 38 号線を道 道 135 号線へと左折し,桂沢湖経由で三笠市へと向かった.その途中,芦別町と三笠市の境界 を少し下った地点で葉の光沢が比較的強い2個体を選定した(収集番号 14 ∼ 15,Photo 5). さらに道を下ってから,桂沢湖畔で樹齢 40 年を越えると見られる大木を発見した(収集番号 16). 4日目は北海道大学へ立ち寄り,野生クワの道内における分布について情報を収集した.秋の 本収集で新たに行程を追加できる範囲内の高標高地で,野生クワが高密度に分布している可能性 があるのは,国道 230 号線中山峠付近及び支笏湖・洞爺湖周辺であろうとのことであった. 2)本収集 1日目は女満別空港に到着後, 地元の畜産農家の小久保氏の案内で, 東藻琴町の牧草地に向かっ た.牧草地わきの斜面に自生している個体を収集したが,ヤマグワ系としては直立に近い姿勢を 示していた(収集番号1) .この株は雌で,夏には多くの果実を着生するとのことであった.そ の後は国道 39 号線を大雪山方向に西進し,7月の事前探索の際と逆方向から石北峠付近の探索 を行ったが,クワを発見することはできなかった. 2日目は国道 39 号線をさらに西へ進み,事前探索で選定していた愛別町及び上川町の3個体 (収集番号2∼4)の枝を収集した.その後は国道 39 号線を引き返し,層雲峡近くで国道脇の 細い道に入って新たに探索を実施したところ,標高約 500m の地点で樹齢 10 年未満と見られる 若いクワを発見し,枝を採取した(収集番号5) .さらに士幌町,新得町,南富良野町を経由して, 事前調査でマークしていた6個体の枝を予定どおり収集した(収集番号6∼ 11) . - 53 - Fig.1. 北海道道央地域における桑の収集地点 Collection sites of Morus bombycis K. in the central area of Hokkaido 3日目はさらに高標高地からの収集を目指して,美瑛町から道道 986 号線を大雪山方向に遡 り,十勝岳近くから道道 291 号線を上富良野へ下るルートで,大雪山東側山麓における探索を 新たに行った.この付近はクワの分布密度が比較的高く,標高 400m あたりまでは多くのクワ が自生していた.道道 986 号線近くの美瑛川沿い及び道道 291 号線脇で,それぞれの最も標 高の高い地点で発見されたクワを収集したが(収集番号 12 ∼ 13,Photo 6) ,いずれも標高 500m を越える地点からであり,特に美瑛川沿いの個体は今回の最高標高地点から採取したもの である.その後は事前調査と同じルートをたどり,三笠市で予定していた3個体の枝を採取した (収集番号 14 ∼ 16) . 4日目には事前調査で得られた情報をもとに,札幌市から国道 230 号線を西へ向かい,中山 峠(標高 831m)付近で探索を行った.峠の手前,標高 400m 付近までは多くのクワが見られ たが,それより上った地点では全くクワを発見できず,この付近での収集を断念した.その後は 国道 276 号線を東進し,支笏湖周辺で新たに探索を行った.湖周辺では今回探索した中では最 も高密度に野生クワが分布していた.さらに高標高地へと探索の範囲を広げ,湖に隣接する恵庭 岳中腹の標高約 450m の地点から1個体を収集した(収集番号 17) . 5日目には収集物の整理,梱包を行い,新千歳空港より帰路についた. 4.収集物の増殖・利用 - 54 - 収集した枝は冷蔵庫で保管し,2005 年春に接木法による増殖を行った.2005 年5月現在, 全収集系統が苗圃において順調に生育中である.育成された苗木は 2006 年春に圃場に定植し, 特性調査を行ったうえで,育種素材化などに活用する計画である. 5.所感 北海道内では野生クワの密生する地域と希薄な地域がかなり明確に分かれていた.すなわち, 標高 400m を越える地域では,急激にクワの数が減少する傾向が認められた.大雪山周辺のク ワの垂直分布の上限は標高 480m との報告もあることから(堀田,1957) ,北海道においては 標高 400 ∼ 500m の間にクワの垂直分布の限界があると推定される.しかし,今回の探索では, 標高 500m を越える地点からの収集という成果を上げることができた. ただし,今回収集したヤマグワ系野生個体は,形態的変異の幅がやや狭いように感じられた. 今回の目標は耐寒性クワの収集であるため,外部形態については重要視する必要はないが,葉の 光沢の有無,樹形の展開・直立といった点で個体間の差が認められたのみであった. 今回の探索は道央地域中心として実施したが,道東地域である東藻琴町からも1個体を収集す ることができた.道東地区は野生クワの希薄地帯とされるため(堀田,1957) ,この収集個体は 貴重なものであると言える.この地区の案内をしていただいた畜産農家の小久保氏は,現在地元 で拡張を進めているダチョウの飼育にクワ葉を利用したいとの意向を持っており,今回の探索収 集の成果に期待を寄せているとのことであった. 6.謝辞 今回の探索収集にあたり,北海道大学北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場園 芸系養蚕担当の山田恭裕氏より,道内の野生クワの分布について有益な情報を提供していただい た.東藻琴町の小久保 謙 氏には道東地区のクワについての情報提供,現地の案内をしていただ いた.ここに記して心より感謝の意を表します. 7.引用文献 1)N. Kitahara,S.Shibata and T. Nishida 2000.Management and utilization of mulberry for forage in Japan.FAO Animal Production and Health Paper 147:235-240. 2)堀田禎吉 1957.北海道,樺太および千島における桑属植物の分布.日蚕雑 26:1-4. 3)藤田晴彦,片瀬海司 1992.北海道に自生するヤマグワ系野生桑の収集.植探報 8:23-28. 4)小山朗夫,大山 誠,島田利夫 2004.北海道奥尻島におけるクワ属の探索収集.植探報 20:45-51. - 55 - Table 1. 収集したクワの遺伝資源リスト A list of Morus bombycis K. collecred in Hokkaido. 収集 収集日 学 名 和 名 収集地 番号 1 10 月 4 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 網走郡東藻琴町 緯 度 経 度 標高(m) 樹体の N 43 ゜ 47’24.7” E 144 ゜ 14’49.9” 105 推定樹齢 観 察 事 項 大きさ 小 7∼8年 牧草地脇の斜面に自生,直立性 - 56 - 2 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡愛別町 N 43 ゜ 53’49.4” E 142 ゜ 32’40.4” 197 やや大 20 年 石狩川沿い河川敷,葉色やや黄緑がかる,直立性 3 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡愛別町 N 43 ゜ 53’49.2” E 142 ゜ 32’44.9” 195 やや大 20 年 上の個体の数 10 m東側,葉は大きく,枝先下垂 4 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡上川町 N 43 ゜ 49’49.1” E 142 ゜ 48’07.6” 358 大 50 年 5 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡上川町 N 43 ゜ 46’24.3” E 142 ゜ 48’39.3” 498 小 約 10 m 7∼8年 層雲峡近くの山際,葉の硬化早い 6 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 河東郡士幌町 N 43 ゜ 09’49.7” E 143 ゜ 13’16.0” 202 中 10 年 音更川近く,株元から枝多数分岐,着椹多く,菌核病の 7 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 15’14.9” E 142 ゜ 56’08.6” 343 やや大 15 年 発生は見られない 東大雪湖わき,葉面やや滑らか,着椹あるが菌核病多発 8 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 21’35.5” E 142 ゜ 55’11.5” 412 中 10 年 9 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 21’35.4” E 142 ゜ 55’10.1” 411 小 7∼8年 節間短めで直立性,残葉少ない 10 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 21’54.0” E 142 ゜ 54’18.3” 434 11 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 空知郡南富良野町 N 43 ゜ 10’55.8” E 142 ゜ 35’08.8” 421 中 10 年 12 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡美瑛町 N 43 ゜ 29’13.1” E 142 ゜ 37’12.2” 526 小 5 ∼ 6 年 林道脇,美瑛川沿いの最も標高の高い場所にあった個体 13 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 空知郡上富良野町 N 43 ゜ 27’02.8” E 142 ゜ 34’42.6” 506 中 15 年 14 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 三笠市 N 43 ゜ 16’28.7” E 142 ゜ 03’23.5” 376 小 標高の高い場所にあった個体 7 ∼ 8 年 三芦トンネル近く,幹は倒れている,葉に光沢あり 15 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 三笠市 N 43 ゜ 16’28.7” E 142 ゜ 03’23.5” 324 中 10 年 上の個体から数百m下る,葉色やや濃い,枝に光沢あり 16 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 三笠市 N 43 ゜ 14’17.0” E 142 ゜ 00’31.4” 190 大 40 年 桂沢ダムわき,かなり大木,枝は四方に広がる 17 10 月 7 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 千歳市 N 42 ゜ 47’10.4” E 141 ゜ 15’36.0” 455 小 7 ∼ 8 年 支笏湖西側,恵庭岳中腹の最も標高の高い場所にあった やや大 15 年 古川橋手前,株元から幹分岐,大木で葉も大きい,樹高 着椹あるが菌核病多発,落葉早い 生育良いが葉はやや薄め,十勝川沿いの最も標高の高い 場所にあった個体 樹海峠手前,着椹あるが菌核病多い,落葉遅い 原生林の端,葉は小ぶりで残葉多め,十勝岳中腹の最も 個体 Photo 1. 上川町・国道 39 号線道路脇のクワ, Photo 2. 士幌町・音更川近くで収集したク 今回収集した中では最も大木(収集番号4). ワ,多数の着椹がみられる(収集番号6). Photo 3. 新得町・東大雪湖畔で収集したク Photo 4. 新得町・十勝川流域の最も標高の高 ワ,葉面滑らかで光沢がある ( 収集番号7). い 地 点(434m) で 収 集 し た ク ワ( 収 集 番 号 10). Photo 5. 三笠市・三芦トンネル近くで収集し Photo 6. 美瑛町・美瑛川近くの今回の最高 たクワ,葉の光沢が強い(収集番号 14). 標高地点(526m)で収集したクワ(収集番 号 12). - 57 - 〔植探報 Vol.21: 59 ∼ 71, 2005〕 野生ダイズと栽培ダイズとの自然交雑集団の探索と収集 −秋田県および広島県における予備的調査− 加賀 秋人 1)・友岡 憲彦 1)・Ugen Phuntsho1) 2)・黒田 洋輔 1)・ 小林 伸哉 3) 4)・伊勢村 武久 1)・Miranda-Jonson Gilda1)・ Duncan A. Vaughan1) 1)農業生物資源研究所・遺伝資源研究グループ・集団動態研究チーム 2)ブータン国遺伝資源センター 3)神戸大学農学部附属食資源教育研究センター 4)現国際農林水産業研究センター生物資源部 Exploration and Collection for Hybrid Derivatives Between Wild and Cultivated Soybean: Preliminary Survey in Akita and Hiroshima Prefectures, Japan Akito KAGA1), Norihiko TOMOOKA1), Ugen PHUNTSHO1) 2), Yosuke KURODA1), Nobuya KOBAYASHI3) 4),Takehisa ISEMURA1), Miranda-Jonson GILDA1) and Duncan A. VAUGHAN1) 1) Crop Evolutionary Dynamics Team, National Institute of Agrobiological Sciences, Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan 2) National Biodiversity Center , Serbithang, Thumpiu, Bhutan 3) Food Resources Education and Research Center, Kobe University , Uzurano 1348, Kasai, Hyogo 675-2103, Japan 4) Japan International Research Center for Agricultural Sciences, Ohwashi 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-8686, Japan Summary Exploration missions were organized to find hybrid derivatives between cultivated soybean (Glycine max ) and wild soybean (G. soja ) in Japan. Presumed hybrid derivatives in NIAS Genebank accessions were screened for seed size and seed coat color in advance. The distribution of 100 seed weight of 439 Japanese wild soybean accessions showed a range from 0.85 to 7.34 g with an average 2.20 g, whereas 3,531 Japanese cultivars showed a range from 3.5 to 73.9 g with an average 27.8 g. There was an overlap between cultivated and wild soybean in the range from 3.50 to 7.34 g (Fig. 1). Most cultivated accessions in the overlapped range are lines developed from several large seeded wild soybeans for fodder. Japanese wild accessions can be classified into 338 wild (76.9%), 99 semi - wild type I (22.6%) and 2 semi - 59 - - wild type II (0.5%) from 100 seed weight and these two semi - wild types were collected throughout Japan. Based on an illustrated database of all wild accession seeds,‘JP68019’from Chiba prefecture,‘JP90927’from Iwate prefecture,‘JP201170’and‘JP201115’from Akita prefecture and‘JP110756’from Hiroshima prefecture included seeds with an unusual color or larger seeds than typical wild soybean (Photo 2). Although the sample number differs prefecture by prefecture, the semi - wild types or presumed hybrid derivatives between wild and cultivated soybean are distributed throughout Japan. Preliminary exploration at the sites where previous passport data records of them are available was conducted in Hiroshima prefecture at the end of September and the beginning of November (Fig. 2, Fig. 3a), and in Akita prefecture at the end of October, 2003 (Fig. 2, Fig. 3b). During the mission in Hiroshima prefecture, bulk seed samples from 15 wild soybean populations and 2 wild azuki bean populations were collected at 8 sites. In Akita prefecture bulk seed samples from 15 wild soybean populations, 5 soybean cultivars and 1 azuki bean cultivar were collected at 9 sites (Table 2). In Hiroshima prefecture, the distribution of wild soybean populations seems to be restricted due to frequent weeding and cutting around fields and we could not find large - scale soybean cultivation. The site where outcrosses might have occurred between cultivated and wild soybean is a river embankment where the intermediate‘JP110756’was collected. In Akita prefecture, we visit the sites where‘JP201170’and‘JP201115’were collected. In these sites we could not find the same phenotypes but seed without bloom on seed coat was found frequently. This preliminary field survey for wild soybean resulted in identification of an intermediate individual between wild and cultivated soybean in one natural habitat (Photo 2). An intermediate type was found in the wild population on the road side about 15 m from soybean field at site 39 in Akita prefecture (Fig.3). Morphological characteristics of the individual clearly showed its intermediate status between cultivated and wild soybean (Photo 3, Table 1). These indicate that the individual is a hybrid or its derivative and gene introgression is occurring from cultivated into wild soybean. Seeds of the intermediate were retained in the pods whereas wild soybean seeds were already scattered from the pods (Photo 4). We left most of the seeds for future monitoring to determine whether the progenies can survive in the natural environment. This finding leads us to expand exploration throughout Japan next year for wild/cultivated hybrids. KEY WORDS: Glycine soja, Glycine max , hybrid, intermediate, introgression, outcross 1. 目的と調査方法 遺伝子組換え作物の開放系利用における生物多様性の保全を目的とした導入遺伝子の環境拡散 リスクの情報蓄積や多様性影響評価法の開発が求められている.導入遺伝子の環境拡散リスクは 他殖性の組換え作物が一般に注目されがちであるが,自然交雑頻度が低いと考えられているイネ やダイズ等の自殖性作物においても導入遺伝子の環境拡散リスクは存在する.東南アジアと中国 では雑草型イネ 1)2) ,中国では雑草型ダイズ 2) ,国内では雑草型アズキ 3) と呼ばれる栽培型と 野生型との中間的な生態型の分布が報告されている.これら雑草型自生種の存在は自殖性作物か ら自生集団への遺伝子拡散だけでなく,拡散した遺伝子が自生集団内に長期的に残存する可能性 - 60 - も示唆している.日本国内には自殖性の遺伝子組換え作物と交雑可能なダイズとアズキの野生種 が広く分布しているが,栽培ダイズ (Glycine max ) から野生ダイズ (Glycine soja ) 自生集団への 遺伝子拡散の実態把握を目的とした研究や現地調査はほとんど行われていない.そのため今回は 野生ダイズと栽培ダイズとの自然交雑後代 ( 中間型 ) が含まれるような自生集団を探索した. 探索に先立って,農林水産ジーンバンクに保存されている国内産の栽培ダイズおよび野生ダイ ズの系統間あるいは系統内の変異を調査し,現地調査地域の選定を試みた.439 系統の野生ダ イズと 3,531 品種 / 系統の栽培ダイズの種子重に関する変異を比較したところ,栽培ダイズの 100 粒重は 3.5 g から 73.9 g(Fig.1 left), 野生ダイズの 100 粒重は 0.85 g から 7.34 g の変異 (Fig.1 right) を示した.栽培ダイズ (27.8 g) と野生ダイズ (2.20 g) の平均値は大きく異なるが,両者の 変異が 3.50 g から 7.34 g の間で重なっていた.野生ダイズに近い粒重を示した栽培ダイズの来 歴は主に沖縄県の栽培種や飼料用系統であった.飼料用系統のなかには野生ダイズから育成さ れたものが含まれている.関塚・吉山 4) はその飼料用系統の純系分離に用いた鳥取県,栃木県, 茨城県の野生ダイズに種子重,種皮色などに大きな変異を認めている. 一方,野生ダイズ系統には平均値 2.20 g よりも明らかに大きな種子の系統が複数含まれてい た.そのような系統は中国でも見出されており,野生ダイズ 5,300 系統の 18.9% が半野生型で 5) あると報告されている .その文献に基づいて野生型 (<2.5 g),半野生型 I(2.51-5.0 g) および II(>5.0 g) に分類すると,国内の野生ダイズは野生型 (76.9%),半野生型 I(22.6%) および半野生 型 II(0.5%) になった.これを県別に見た場合,秋田 (26/157 系統 ),山形 (27/94),新潟 (10/13), 福島 (6/12),千葉 (2/5),愛知 (1/4),福井 (2/3),滋賀 (2/4),広島 (3/4),島根 (1/1) および福 岡 (2/4) となり,全国各地に分布していることがわかった.その他,今までに 100 粒重が 2.5 g 以上の野生ダイズが報告されている県は主に鳥取,栃木,茨城 4) である. 粒重は遺伝的に安定した形質ではあるが,遺伝資源の増殖条件による変動も考えられるので, 種子の画像データベースを作成し,種皮色等のさらに安定した系統内変異を調査した.その結 果,ろう紛のない黒種子を含む系統は全国各地に存在し,なかでも広島県において収集された ‘JP110756’の 100 粒重は約 6.0 g であった.一方, 岩手県の‘JP90927’ , 秋田県の‘JP201115’ および‘JP201170’ , 千葉県の‘JP68019’にはやや汚れのある緑色種皮が含まれていた (Photo 1).黒色種皮および種皮のろう紛は野生ダイズに特徴的であるが,栽培種に野生種を交雑した 6) F1 雑種は種皮色がやや汚れのある緑色になり ,さらにその雑種後代では種皮色およびろう紛の 有無が遺伝的に分離すると報告されている 7) ことなどから,上記の系統・個体は栽培ダイズか ら野生ダイズへの遺伝子浸透を示唆している. そこで本年度は次年度以降の予備的調査として,このような系統が比較的最近に収集されてい る広島県 (Photo 1, Fig.2a) と秋田県 (Photo 1, Fig.2b) において,過去の収集地点付近を中心とし た現地調査を行った.中間型個体は栄養生長期∼成熟期では野生ダイズよりも本葉が大きく,茎 が太いなどの特徴,さらに成熟期では種皮の遺伝的分離などが期待されるので,それらを個体毎 に念入りに調査しつつ種子を収集した.広島県では 2 度の探索を行い,1 度目は各集団 5 ∼ 10m 毎に選んだ個体にラベルを取り付け,草丈,茎の直径,茎色等形質の調査と DNA 解析用の葉の サンプリング,2 度目はラベルを取り付けた個体からの莢および種子を収集した.各地点では GPS によって緯度経度,高度計によって標高を測定し,植生や収集地点付近のスケッチを記載し た.以下,探索の順序に従って,各収集地点において気が付いた観察事項を述べる. - 61 - 2.収集地点および収集品の特徴 2−1.広島県本郷町周辺 上記の中間型個体が 1998 年に収集された広島県本郷町の沼田川河川敷 (098-27) を 2003 年 9 月 24 日に訪れた.県道 33 号が通る堤防と川沿いの土手にはさまれた河川敷には多数の家庭 菜園があり,砂質土壌に様々な作物が栽培されていた.国道 2 号線北側を調査したところ,野 生ダイズ集団 (CED2003-16PopA ∼ D) がパッチ状に見つかった.当時の収集サイトでは小規模 な野生ダイズ集団 (CED2003-16PopC) を確認した.かつてこの集団は川沿いに自生するシノダ 2 ケ (Pseudosasa japonica ) と土手の間に分布し,当時の集団サイズは 100m 程度であった.しか し,今回その場所は篠竹に占拠され,シノダケのなかにも分布する個体はあるものの,十数個 体程度に縮小していた.さらにそれら個体群の形態は周辺の野生型とほとんど同じで,明らか に中間型と思われる個体は認められなかった.その反対側に位置する土手のスロープには除草 を免れた野生ダイズ集団 (CED2003-16PopB) が分布していた.また菜園をはさんだ堤防側の脇 にも集団 (CED2003-16PopD) が認められた.これら3集団は早生のエダマメ用ダイズや晩生の 正月用の黒ダイズから約 10m の距離に分布し,栽培ダイズと自然交雑する可能性があった.一 方,CED2003-16PopA は最も規模が大きく,堤防から土手までの放棄地の中に連続的に分布し ていた.川側の土手のスロープには除草を逃れたカナムグラが生い茂り,そのなかには大きな葉 を持つ個体群が分布していた.次に沼田川上流の河川敷,水田周りを探索したが,この一帯は農 地整備が進んでおり,圃場管理が良好で,雑草が生い茂るような場所は非常に限られていた.そ のなかで放棄畑とその周辺に分布する野生ダイズ集団 (CED2003-16PopE) を 2003-16 サイトで 見出した.さらに近辺の畦と土手の間にはヤブツルアズキ集団 (CED2003-16) が分布していたの で,種子を収集した.同じ水系で下流に位置する 2003-17 サイトでは,比較的大きな野生ダイ ズ集団 (CED2003-17PopF) およびヤブツルアズキ集団 (CED2003-17) が土手の川側に自生して いた.これまで広島県ではヤブツルアズキが収集されておらず,今回貴重な材料を得ることがで きた.一方,098-27 サイトの対岸は野生ダイズ集団が極めて少なく,2003-18 サイトにおいて ようやく小規模な集団 (CED2003-18PopG) を見出した.この場所は新幹線の高架建設で出現し た工事現場跡で,最近侵入した集団と思われた.これより 5km 上流まで探索し,最近農地整備 された水田の畦(2003-19 サイト)に比較的大きな野生ダイズ集団 (CED2003-19PopH) が分布 していた. 11 月 5 日からの探索では前回のサイトを再訪問した.野生ダイズ各個体の莢を剥き,種子の 大きさと色を確認しつつ,集団単位およびラベルした個体単位の種子を収集した.特に 098-27 サイトの CED2003-16PopB 集団ではろう紛のない種子 (100 粒重 3g 程度 ) が得られたが,期待 していた大きな葉を持つ個体群を含め,どの個体群からも 1998 年の探索で見つかったようなろ う紛のない大きな種子 (100 粒重 5g 程度 ) は得られなかった.近辺で農作業していた婦人の話 では3∼4年前の洪水で土手が決壊し,土手とともに菜園が一度全て消失したそうなので,この サイトでは当時の個体群や埋土種子は前回の洪水で流され,その後に新たな個体群が定着したと も考えられる.さらに,下流 500m を新たに探索したところ,国道 2 号線南側に堤防と川沿い の土手にはさまれた河川敷 (2003-39.5 サイト ) に分布する集団を新たに見出した.河川敷には 098-27 サイトと同様に多数の家庭菜園があり,砂質土壌に様々な作物が栽培されていた.野生 ダイズ集団 (CED2003-39.5PopA ∼ E) は主にその周囲の荒地に分布し,CED2003-39.5PopC 集 団はやや種子が大きく,CED2003-39.5PopB 集団はダイズから約 1m の至近距離まで分布して いた.また,家庭菜園のなかに分布していた CED2003-39.5PopD 集団ではろう紛のない種子が 含まれていた.しかし,このサイトにおいても大きな種子は得られなかった.次に,このサイト - 62 - から南下し,天井川周辺の水田地帯を探索したところ,灌漑用水路まわりのスペースに繁茂する 比較的大きな野生ダイズ集団 (CED2003-40PopA ∼ B) を見出した.栽培ダイズ圃場から約 10m の距離に分布していたので各個体の種子を隈なく調べたが,顕著な形態的変異は認められなかっ た. 2−2.秋田県大曲市周辺 2003 年 10 月 29 日から 31 日に秋田県における中間型個体の探索を行った.最初に調査した 2003-30 および 31 サイトは雄物川の河川敷に位置し,Fujita ら 8) が報告している野生ダイズ集 団は恐らくこの近辺のものと思われる.この周辺の集団内の遺伝的多様性および自然交雑率は他 の野生ダイズ集団内よりも高いと報告されているので, 栽培種と野生種の浸透交雑が期待された. 大川橋北側 (2003-30 サイト ) の野生ダイズ集団 (CED2003-30) は休耕圃場の周辺約 300m にわ たり分布していた.約 1 m間隔で各個体の莢に含まれる種子の変異を調査したところ,1莢内 の粒数が少なく,熟期の遅い個体が1個体見つかった.種子はやや大きかったものの,雑種後代 に認められるような種子色の変異は認められなかった.さらに大川橋南側 (2003-31 サイト ) の 野生ダイズ集団 (CED2003-31) は雄物川沿いの土手約 250m にわたり分布していた.同様の調 査を行ったが,種子色の変異は認められなかった. 次に中間型と思われる個体が含まれていたジーンバンク保存系統の経歴を辿ると,それらは ジーンバンク事業で中村ら 9) が収集した系統であった.主に雄物川流域の河川で収集されたも のであり,当時の収集地点の記録 ( 橋名 ) を頼りに探索が可能であった.秋田市に近い河辺郡雄 和町本田橋西側 (2003-32 サイト ) の岩見川河川敷内と土手南側の畑の中にある荒地で小さな野 生ダイズ集団 (CED2003-32) を見つけた.岩見川北側にはダイズ畑があり,3 種類の在来ダイ ズ(白丸種子 CED2003-32C1,緑扁平種子 CED2003-32C2,黒扁平種子 CED2003-32C3)が 残っていたので収集した.これより西に進んだ芝野橋西側 (2003-33 サイト ) の土手南側には小 規模な集団 (CED2003-33) が分布していた.2003-32,33 サイトでは過去にろう紛のないやや大 きな種子 (100 粒重 3g 程度 ) が収集されているが,今回そのような種子は得られなかった.次 に,仙北郡西仙北町峰吉川橋周辺で収集された系統のなかに緑色種子が含まれていたので,その 近辺を隈なく探した.採石場近傍で休耕圃場 (2003-34 サイト ) 周辺に分布する野生ダイズ集団 (CED2003-34C) を見つけた.なかでも休耕圃場南東隅の雑草に絡まって局所的に分布していた 個体群 (CED2003-34A) は休耕圃場に分布する個体よりも明らかに草姿や種子が大きかった.ま た,休耕圃場中央水路跡の湿った場所にはろう紛のない種子をつける個体群 (CED2003-34B) が 局所的に分布していた.隣の畑では白アズキ (CED2003-34D) が栽培されていた.次に訪れた雄 物川強首橋とその周辺は最近整備された模様で,野生ダイズ集団 (CED2003-35) は休耕圃場周辺 部 (2003-35 サイト ) に限られていた.この場所ではかつてろう紛のないやや大きな種子 (100 粒重 3g 程度 ) が収集されているが,今回そのような種子は得られなかった.仙北郡中仙町斎内 橋周辺でかつて収集された系統のなかには緑色種子が含まれていたので,その近辺を隈なく探し た.斎内橋西側 (2003-36 サイト ) の資材置き場跡の荒地と盛土に野生ダイズ集団 (CED2003-35B) が分布していた.一方,圃場横の用水路周辺には,ろう紛のないやや大きな種子を持つ個体群 (CED2003-35A) が分布していた. ここまでの探索では表記したサイト以外の場所も調査したが,野生ダイズ集団が栽培ダイズ と隣接分布する場所は見当たらなかった.探索時期が遅かったことも考えられるが,収穫時期 の遅い在来ダイズは所々残っていたので,在来ダイズの栽培が期待される山間地の自生集団を 調査することにした.山間地における探索の場合,採石場跡地で野生ダイズおよび野生アズキ - 63 - 集団が見つかりやすいことが鳥取県の調査 10) でわかっていたので,まず採石場跡地を探した. 仙北郡中仙町から山間地に入って最初に訪れた採石場跡地 (2003-37 サイト ) で野生ダイズ集団 (CED2003-37A) を見出した.自然に形成された水溜りや溝の周辺の湿った場所にはろう紛のな い黒種子を有する個体群 (CED2003-37B) が分布していた.次の採石場跡地 (2003-38 サイト ) においても野生ダイズ集団 (CED2003-37AB) を見出した.この場所ではろう紛のない黒種子と ろう紛のあるものが入り混じっていた. これらの採石場跡地に見つかった集団は恐らく最近侵入・ 形成されたと思われる. 山間地においても野生ダイズの分布が認められたので,県道沿いのダイズ栽培圃場を探索し, 角館町八割の窪地 (2003-39 サイト ) で栽培ダイズを見つけた.近辺の住人によるとこの場所は 下の村の人の所有地で,農協の勧めで 5 年ほど前からダイズを転作しているが,収穫せずに毎 年放置されているらしい.残っていた栽培ダイズの種子色には 2 種類 ( 茶色 CED2003-39C1 お よび緑 CED2003-39C2) の変異が認められた.圃場横のスロープと未舗装の道路脇にはやや弱々 しい野生ダイズ集団 (CED2003-39) が分布していた (Photo 2).各個体を念入りに調査したとこ ろ,砂利が敷かれた道路脇の雑草の少ない場所でススキに絡みついた裂莢していない個体を見出 した (Fig.3).この個体の種子は大きく,種子色が栽培種に類似し (Photo 3),半直立型で莢の色 は周辺の野生ダイズ個体と類似するなど (Photo 4),栽培種と野生種の中間的な特徴 (Table 1) を 示していたことから,栽培種と野生種との自然交雑によって生じた雑種あるいはその後代 ( 中間 型 ) と考えられる.真横の野生ダイズは多数の種子を散布していたのに対し,中間型個体の種子 はほとんど莢の中に残っていた (Photo 4).自生地において中間型個体の種子から後代が成立す るか経時的にモニタリングするために, 種子の収集は 2 粒のみとした.また, この個体が見つかっ た場所はダイズ畑から約 15m 離れていたが (Fig.3),そこから栽培ダイズが確認できた. Table 1. Comparison of morphological characteristics between cultivated, intermediate and wild soybean. Cultivated Intermediate Wild Seed coat color green, tan dark brown black Bloom on seed coat absent present present Pod color brown dark brown dark brown Pod dehiscence absent absent present Growth habit determinate determinate indeterminate Stem type erect semi-erect climbing No. of seed /pod 2 1-3 3 Total no. of pod - 35 73 326 92 24 1 seed weight (mg) - 64 - 3.探索のまとめと所感 野生ダイズと栽培ダイズとの自然交雑後代 ( 中間型 ) が含まれる自生集団の探索を広島県と秋 田県で実施した.広島県では8サイトのパスポートデータを記録し,野生ダイズ 15 点,これま で広島県で収集されていなかった野生アズキ 2 点を収集した.秋田県では9サイトのパスポー トデータを記録し,野生ダイズ 15 点,栽培ダイズ 5 点,栽培アズキ 1 点を収集した (Table 2). これまでの野生アズキ集団の探索と比較し野生ダイズ集団では中間型が極めて少ない印象を受け た.栽培−野生ダイズ間の自然交雑頻度が低いのか,栽培ダイズ由来の形質が自生地に残りにく いのかを模擬的実験から明らかにしていく必要がある. 広島県本郷町周辺では農地整備された水田が多く,除草も頻繁であることから,野生ダイズが 繁茂できる場所は河川敷などに限られていた.ダイズの大規模栽培が全く認められないので,こ の地域の野生ダイズとの自然交雑は河川敷などで自家栽培されていた黒ダイズなどの在来種が疑 われる.また,過去に河川敷で中間型が見つかっていることから,自家栽培のような小規模な栽 培であっても野生ダイズとの自然交雑が生じる可能性を示唆している.広島県における第 1 回 の調査では河川敷で周辺の野生ダイズ個体群に比べ葉や茎が明らかに大きい個体群を見つけた が,第 2 回の調査で得られた種子は残念ながら周辺の個体群と明確な違いが認められなかった. これらが栽培種との自然交雑を経験したかを判定するには DNA 分析が必要である. 秋田県での探索は時期が遅かったこともあり,ダイズが大規模に栽培された場所がわからず, 栽培ダイズと隣接した野生ダイズ集団が特定できなかった.次年度以降の調査では開花時期に訪 問し,栽培ダイズと隣接した集団を探索する必要がある.しかしながら,ジーンバンク事業の調 査記録が大いに役立ち,数集団については過去と現状の比較が可能であった.例えば,10 年前 に緑色種子が含まれていた野生ダイズ集団が収集された地点付近ではろう紛のない黒種子を有す る個体が分布し,ろう紛のない黒種子が収集された場所ではろう紛のない黒種子を有する個体が 認められなかった.ろう紛は種子の硬実性と密接に関係し,ろう紛のない種子は吸水しやすいこ とが報告されている 4) .そのため,今回現地でみられた種子形質は遺伝子浸透を経験した集団に おける栽培種由来の形質の淘汰を示唆している.また,全国各地で収集されたジーンバンク保存 系統内にろう紛のない黒種子が含まれていたので,ろう紛のない黒種子も遺伝子浸透を評価する 上で重要かもしれない. 秋田県の最後のサイトでは野生ダイズと栽培ダイズとの中間的な特徴を持つ個体が見つかっ た.これは国内の自生地における初めての記録である.野生ダイズの開花期が栽培ダイズとどの ように同調していたかは明らかでないが,この個体は栽培ダイズから野生ダイズへの自然交雑に よって生じたものと考えられる.また,野生ダイズ集団内の変異が認められないこと,栽培ダイ ズの転作がはじまったのが 5 年前であることから,この中間型個体は比較的最近生じたものと 思われる.中間型個体の生息地が特定できたことで,今後その後代がどのように変化していくの か楽しみである.次年度は生息地における中間型後代の残存性のモニタリングを継続するととも に,今回の調査の反省点を反映した探索を各地で展開したいと考えている. 4.引用文献 1)H. 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Site No. First visit date Sampling date 098-27 2003 9 24 2003 11 5 098-27 2003 9 24 2003 11 5 CED No. CED200316PopA CED200316PopB Species Status Glycine soja wild Glycine soja wild Locality 広島県 本郷町 大字本郷 広島県 本郷町 大字本郷 Locality Latitude (N) Altitude Longitude (S) (m) Toporogy Population size (mxm) Growth stage Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 30 132 58 57 8 plain 10x25 matured Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 27 132 59 0 8 plain 15x15 matured Seed samples 13 Habitat, some characteristics inside abandoned place in a river, individuals open, dry 1 individuals inside abandoned place in a river, open, dry, 10m from cultivated soybean around population of Pseudosasa 098-27 2003 9 24 2003 11 5 098-27 2003 9 24 2003 11 5 2003-16 2003 9 24 2003 11 5 2003-16 2003 9 24 2003 9 24 CED200316PopC Glycine soja wild Glycine soja wild Glycine soja wild wild 広島県 本郷町 Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 24 132 59 0 8 plain 15x15 matured Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 28 132 59 0 8 plain 15x15 matured 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 34 26 8 132 58 42 13 plain 15x15 matured 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 34 26 8 132 58 42 13 plain 3x1 大字本郷 2 japonica on a river embankment, individuals open, dry to wet, previously intermediate collected - 67 - 2003-17 2003 9 24 2003 11 5 2003-17 2003 9 24 2003 9 24 2003-18 2003 9 24 2003 11 5 2003-19 2003 9 24 2003 11 5 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 5 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 5 CED200316PopE CED2003-16 CED200317PopF CED2003-17 CED200318PopG CED200319PopH CED200339.5-A CED200339.5-B CED2003- Vigna angularis var. nipponensis Glycine soja Vigna angularis var. nipponensis 大字本郷 floweringmature wild 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 3424 25 39 132 58 49 13 plain 3x75 wild 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 34 25 39 132 58 49 13 plain 3x40 Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 25 7 132 58 43 13 mountain 4x1 matured Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 26 32 132 56 58 45 plain 1.5x30 matured 広島県 本郷町 matured floweringmature 4 7 bulk 8 individuals 2 around a repaired landslide, open wild Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 24 17 132 59 20 7 plain 25x100 matured bulk Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 24 17 132 59 20 7 plain 25x100 matured bulk individuals to shade, wet 4 individuals inside abandoned place in a river, cultivated soybean on a river embankment to a 17 132 59 20 7 plain 3x10 matured bulk CED2003-39.5-D Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 24 17 132 59 20 7 plain 5x5 matured bulk 5 CED2003-39.5-E Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 17 132 59 20 7 plain 1x5 matured bulk 6 CED2003-40-A Glycine soja wild 広島県 広島市 Shippou, Numatahigashi, Hiroshima 34 23 13 133 1 74 10 plain 1x10 matured bulk Shippou, Numatahigashi, Hiroshima 34 23 13 133 1 74 10 plain 2x100 matured bulk around drainage ditch, open, dry 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 5 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 11 6 2003 11 39.5-C 11 6 CED2003-40-B abandoned place, shade, dry, large seed 沼田東町 七宝 2003 open, dry, very close (1m) to 24 5 6 open, dry 34 11 11 inside abandoned place in a river, Obara, Numatanishi, Hiroshima 2003 2003 on a slope of paddy, open, dry 広島県 沼田西町 小原 24 2003-40 on a river embankment, open, dry on a river embankment, open, dry Glycine soja 大字本郷 on a slope of paddy, open, dry bulk wild 広島県 本郷町 inside abandoned place and around individuals paddy field, open, wet Glycine soja 大字本郷 inside abandoned place in a river individuals bed, open, dry wild 9 2003 16PopD 広島県 本郷町 Glycine soja 2003-39.5 2003 2003-40 CED2003- Glycine soja wild 広島県 広島市 inside abandoned place around field, open, dry on a river embankment, shade, dry, very close to cultivated soybean around drainage ditch, open, dry, 10m from cultivated soybean 沼田東町 七宝 2003-41 2003-30 2003 2003 11 10 6 29 2003 2003 11 10 6 29 CED2003-41 CED2003-30 Glycine soja Glycine soja wild 広島県 福山市 Ooaza Akasaka, Akasaka-machi, 34 28 5 133 18 34 19 plain 2x30 matured bulk inside abandoned field, open, dry wild 赤坂町 大字赤坂 秋田県 角間川町 Fukuyama, Hiroshima Ookawabashi, Kakumagawa-machi, 39 24 41 140 27 88 27 plain 2x200 Past-maturity bulk around abandoned field, open, dry 大川橋 Akita Table 2. A sample list and information on perilla and other plants collected from farmers in Shikoku, 2004. 2004 年に四国で収集したシソ属その他の種子と聞き取り調査の結果 . 調査日 地域 11 月 8 日 徳島県三好郡東祖谷 N33 52 36.2 E 133 55 山村栗枝渡(くりし ど) (再調査) 11 月 8 日 11 月 8 日 緯度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 経度 徳島県三好郡東祖谷 N33 52 51.9 E 133 55 山村奥の院 徳島県三好郡東祖谷 N33 51 35.9 E 133 51 山村釣井(つるい) 30.5 667 幸崎房子,72 歳. 分類群 呼称 聞き取りおよび観察 収集番号 保存番号 JP番号 エゴマ ゴマ コンニャク畑の縁.毎年同じところに生える.数個体. 041108-1 30016484 220289 アオジソ シロジソ 花穂をこいて塩とともに押し,番茶で茶漬けにすると香りが良く美 味. 041108-2 223600 30021346 223601 30021347 29.7 690 65 歳位の女性 2 人. アカジソ チソ アオジソ アオジソ 1,2 本栽培.種子は食べない.葉を天ぷら. エゴマ ゴマ / 現在は栽培しない.栽培を始める時に播種,後は実生を利用.間引き, 丸いゴマ 移植も可.栽培方法は「オノミ(=アサ)」も同様. 50.2 655 尾茂しげこ,68 歳. アカジソ チソ アオジソ - 15 - エゴマ ゴマ 11 月 8 日 11 月 9 日 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 45 25 杉 E 133 39 高知県長岡郡大豊町 N33 49 27.9 E 133 48 岩原本村 徳島県三好郡西祖谷 N33 50 15.2 E 133 48 山村有瀬(あるせ) 53 7.7 梅漬け.種子は食べない. 梅漬け.長い間,コンニャクの畑で栽培している.沢山生えるので 041108-3 間引く.移植も可能だが少量で良いのでしない. 近所では栽培する人はいるが,アカジソと交配するとアカジソの色 が悪くなるので自分は栽培しない. ゴマ (知らない様子) 徳島から貰った種子で栽培する人がいたが亡くなった. 250 入 野 清 子. 旅 館, 日 エゴマ 和佐屋. アカジソ エゴマ アオジソ 489 三谷長繁,86 歳.ツ エゴマ ネヨ,77 歳,西祖谷 山出身. セイソウ 種子をエゴマと同様に利用できる. エゴマ 義祖母が栽培していた.「エゴマ味噌(エゴマが粒のまま入った味 041109-1 223607 噌) 」を山仕事の弁当に,また,炒って擂鉢で擂り和え物にした. 現在は利用しないが,種子が途絶えないように残してきた.栽培は, 実生を移植あるいは間引く.9 月中旬∼ 10 月上旬に収穫.野鳥か らの被食防止のために成熟後倒伏させる. 12.3 583 80 歳位の女性. チソ 戦時中,ゴマの代用として栽培.炒って酢の物にかける.山の畑の ふちに自生. 梅漬け.種子をエゴマと同様に利用できる. アカジソ チソ 色々なところに実生が生えるが,引いて 1 カ所にだけ生やす.成熟 後倒伏させる.種子をエゴマと同様に利用できると若い人から聞い たが,自分は利用しない. アオジソ アオジソ 昔はなかった.エゴマに負けるので毎年種子を購入して播く. エゴマ エゴマ この辺では自分だけが栽培するが今年は収穫しなかった.栽培を始 める時に播種,後は実生を利用.成熟後倒伏させる.多く収穫した い時は間引く. 30021353 Table 2 (continued). 緯度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 調査日 地域 経度 11 月 9 日 徳島県三好郡西祖谷 N33 50 22.6 E 133 48 山村有瀬 11 月 9 日 徳島県三好郡西祖谷 N33 50 35 山村 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 48 52.2 E 133 45 上桃原 133 47 分類群 - 16 - 呼称 聞取りおよび観察 収集番号 保存番号 JP番号 15.7 657 畑で作業中の女性と,アカジソ 上の家に住む女性. チソ 葉だけ利用.梅漬け. 041109-2 223602 '30021348 12 エゴマ エゴマは(硬い果皮のため)口の中で「パチン」として痛かったの で覚えている. エゴマ 播種しない.過密の時は間引く.現在は利用しないが途絶えないよ 041109-4 うに 1 本残す.クリ,”リュウキュウ” (Colocasia gigantia ),”フロー マメ ( 黒いインゲンマメ)”,アズキ,ゼンマイと混作.耕起しない. 以前は上段の畑のふちにあった.小麦粉にエゴマを入れた郷土料理 である「コンチン」のほか,炒って丸のままでなますなど何にでも かけて利用した.種子のみ利用.エゴマは獣害がない.調査時は草 丈約 70 cm,n=30. 223608 30021354 223620 30021366 223609 30021355 30016465 220270 (脱落種子からの実生で維持しているだけなので)「特別に作ってい 041110-3 るわけではない」という認識.栽培は,普通は脱粒種子から生えた まま手を加えずにしておくが,過密なら間引く.収穫は早めに行う. 収穫方法は,葉が黄色くなったら,葉をちぎって取り,立てて干し, 叩いて脱穀する.鳥害がひどい.ほかの作物は鹿や猿の獣害がある が,エゴマは喰われない. 223610 30021356 ( 種子を ) 全部採らずに置いたら,こぼれて生える.( 播種して)植 041110-4 える人もいる. 223603 30021349 223604 30021350 197 食堂「そば茶屋」女 エゴマ 性店主,大豊町岩原 本村出身. 40.3 581 上 村 喜 美 鹿,78 歳,エゴマ 岩原出身.20 年前に 車道開通. ゴマ アオジソ ゴマ 昔から栽培しない. セイソウ 葉のみ利用. インゲン フロー / 8 月に 3 粒ずつ播種.蔓になるのでゼンマイに絡ませた.塩水で戻 041109-4 クロマメ して炊くと皺が寄らない. -Phaseolus 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 47 33.4 E 133 47 大滝川井 20.6 556 70 歳位の男性. エゴマ エゴマ 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 47 35.1 E 133 47 大滝高原(たかはら) 47.6 465 小笠原須賀子,65 歳.エゴマ エゴマ 実生を畝に移植.虫害で栽培が難しい.肥料は良くない.10 月上 041109-5 旬に収穫.今年は台風の被害で収量が少ない.(脱粒しやすいので) 収穫が難しい.テレビ番組を見てエゴマに関心を持つ人が増え,自 分も関心を持ち,エゴマのポット苗約 10 個を大杉方面から分譲を 受けて植えた. ゴマ 昔からは無い.種苗会社の種子を取り寄せて播く. エゴマ エゴマは昔からあり,沢山使うものではないので 2,3 株だけ栽培 するものである.去年栽培したが収穫し忘れ,今年も実生が生えた が,雑草と一緒に引いた.炒って潰して和え物にする. ゴマ 11 月 9 日 高知県長岡郡大豊町 N33 47 38.5 E 133 49 柚ノ木 5.5 542 65 ∼ 70 歳位の夫婦.エゴマ アオジソ 11 月 10 日 高知県香美郡物部村 N33 44 54.6 E 133 59 市宇,土居∼野々内 (再調査) 37 11 月 10 日 高知県香美郡物部村 N33 42 7.1 岡ノ内中平(なかだ いら) ( 旧 山崎中 平) 25.9 378 小松理男(さだお) ,エゴマ 69 歳. E 133 57 600 「一人生え ( =脱落種子からの実生)」で生えた.昔は誰もが自家用 に栽培した.2,30 年前から無くなった. セイソウ「セイソウ」はギザギザの葉であるがエゴマは丸い葉で異なる. セトエゴマ 野生.林道延長工事現場の路傍,崩壊地.去年の調査時より個体数 041110-1 増加.標本採取. エゴマ アカジソ シソ アオジソ セイソウ「ひとり生やしている」(脱落種子からの実生). 041110-5 Table 2 (continued). 調査日 地域 緯度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 経度 11 月 10 日 高知県香美郡物部村 N33 42 7.1 岡ノ内中平(なかだ いら) ( 旧 山崎中 平) E 133 57 分類群 25.9 378 小松為繁,93 歳.国 エゴマ 重要無形民俗文化財 「いざなぎ流祈祷法」 の太夫.昭和 35,36 年に車道開通. エゴマ 11 月 10 日 高知県高岡郡越知町 N33 35 48 鎌井田桑藪 - 17 - 11 月 11 日 高知県高岡郡越知町 N33 5 片岡谷ノ内 0.1 E 133 15 E 133 16 16 ゴマ 520 北川充興 夫妻,50 エゴマ 歳位.向かいの家の 女 性 (80 歳 代, 同 町 横畠出身) . E 133 11 聞取りおよび観察 エゴマ エゴマ JP番号 昔から栽培は,種子を播いて苗を作って 20-30 cm間隔で 1 本ず 041110-7 つ移植する.昔は 1-2 斗収穫した.鳥害がひどく,特に今年は深刻 で,5合もないくらい.種子は瓶に入れて常温保存.炒って擂り鉢 で擂る,または丸のままでも食べられる.(訪問時,乾燥中だった ため後日郵送してもらう) 223611 30021357 白種子のみ少量(個体採種?) 223612 30021358 223613 '30021359 223614 30021360 30016481 220286 シソ アオジソ セイソウ 葉のみ利用. 51.5 367 狩 野( か り の ) 栄 エゴマ 夫妻,70 歳位. 収集番号 041110-7-2 シロゴマ エゴマ 70 年くらい前はみんな良く作り,誰もが知っていた.炒って丸の まま,味噌,砂糖と炒めて食べた.また,炒って丸のまま酢の物へ 入れた.一度播いたら後は ( 脱落種子からの実生で)生えた.灰色 の小さい粒で,中は空洞になっている殻だけのものであるため ( と いう認識) , カリカリしている.中身がないので擂ってもだめだろう. 種子のみ利用. エゴマ 葉のみ利用. 毎年,茶畑の中に生える.脱落種子からの実生で維持,移植可能,041111-1 過密時は間引く.50 cm空けると枝が張って良い.収穫は,葉が 黄色く色づいたら刈る.丸のままでも,擂り潰しても用い,丸のま まだとパリパリした感触を楽しむ食品になり,擂り潰して使うと香 りを楽しむ食品となる.丸のまま天麩羅の衣に入れると美味.炒っ て擂っておひたしの風味付け.何十年も前は皆が栽培していた.昔 はどこでもあったが,この頃は見なくなった.草丈は 80 cm位. シロゴマ 地種の白ゴマがあり,名物のタケノコ寿司にかけるにはエゴマより ゴマの方がずっと美味しいのでゴマを使う. 49 280 女性,45 歳位. エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡吾川村 N33 35 20.4 E 133 12 峯岩戸 7 483 女性,80 歳位. エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 38 33.6 E 133 13 吉ヶ成ゴミウ 18.7 403 70 歳位の夫婦. エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 38 25.7 E 133 12 坪井川神田屋敷 46.5 345 青木末広,67 歳. エゴマ エゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 38 42.6 E133 坪井川 (再調査) 45.4 339 伊 藤 千 江 子,65 歳,エゴマ エゴマ畑所有者の隣 人. エゴマ 12 保存番号 アカジソ ゴマ 11 月 11 日 高知県吾川郡吾川村 N33 34 59 岩戸 呼称 ヤマジソ(エゴマ種子を見て)知っている.どこでも見るような気がするが, (?) どこにあったか思い出せない.山の草刈りで見かけ,山のシソだろ うかと思い, 「ヤマジソ」と呼んでいる. エゴマ (エゴマ種子を見て)娘時代,皆がサツマイモ畑に植えて作っていた. 何十年も前に作っていて,勝手に生えてくるものであったが,長い 間見なくなった. エゴマ 自然に生えるものであった.昔あった. 昔,小さい頃,白粒のエゴマをおばあさんが栽培していた.自然に 041111-3 生えるのを利用していた.今でも毎年同じところに生え,利用はし ないが途絶えないように気をつけている.アカジソが近くにあるが 混じることはない.2 個体. 去年のまま放棄されて,脱落種子から芽生えたエゴマが生育.去年 041111-4 より茎は細く枝は少なく草丈は低く貧弱な印象.n=500,2.5m × 8m,h=80cm,20 本 /m 2.色々な個体からバルクで採種. アカジソ シソ 採種保管種子を分譲. 041111-4-2 30016479 220284 アオジソ セイソウ 採種保管種子を分譲. 041111-4-3 223605 30021351 調査日 地域 緯度 経度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 分類群 呼称 不明 ベニジソ シソと同じ使い方で,塩で揉んで梅漬けの着色に使う.シソとは別 041111-4-La- 223618 に使う.シソより色がきれい.近年導入. miaceae アカウリ 皮が赤いキュウリで,身が美味しい.地種. 041111-4-Cu- 223622 cumis キュウリ 聞取りおよび観察 収集番号 保存番号 - 18 - 11 月 11 日 高知県吾川郡池川町 N33 36 33.9 E133 白髭 8 カワラケツ ボウコウ 青いうちに莢,茎を 1cm に切って陰干しし煎じて飲む.昔は茶が無 041111-4-Cas- 223619 メイ ノクスリ くこれを飲んだ. sia 23.8 594 80 歳台前半と後半の エゴマ ゴマ 何十年も前にはあり,作らないで自然に生えるものであった.食 女性 2 人. べたことはあまり覚えていない.この辺にはかつては畑がたくさん あったのでエゴマが生えたが,今は植林ばかりになり生えることが できず,無くなった. 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 2 長者 E133 8 1 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 25 木半夏(させぶ) E133 8 52.2 423 倉 橋 忠 喜,70 歳 位.アカジソ 筆談による. エゴマ エゴマ 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 23.9 E133 木半夏(させぶ) 8 33 382 由木(ゆうき)夫妻,エゴマ 78 歳,79 歳. エゴマ 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 30 40.6 E133 宮首(みやくび) 8 19.1 322 古 見 荒 夫 さ ん の 妻,エゴマ 70 歳. エゴマ 畑に出る.邪魔な時は捨てる.早めに収穫しないと脱粒する.今年 は収穫しなかった.葉を利用する.エゴマの葉,シソ(アカジソ) の葉を細切りに,ミョウガ,タマネギを薄切りにして三杯酢で和え, 刺身の上に乗せる. 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 29 43.8 E133 泉 6 6.6 エゴマ ①昔良く畑に出た.自然生えを利用するものである.今は出なくなっ たが,集落の誰かの畑には出ているだろう.②エゴマというものを 聞いたことがない.③エゴマを知っている.黒い種子だったように 思うが白だったかもしれない.擂ってゴマの代わりに使った.ゴマ より香りがよい. 11 月 12 日 高知県高岡郡仁淀村 N33 27 42.9 E133 大植(おおうえ)太 郎田 4 54.4 628 女性,69 歳. 11 月 12 日 高知県高岡郡東津野 N33 27 15.1 E133 村開拓 3 32.5 645 女性,69 歳.越知町 エゴマ から移住. 11 月 12 日 高知県高岡郡東津野 N33 27 35.8 E133 村日曽の川(ひその かわ) 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 33 51 E133 下名野川土居 2 57.4 646 女性,83 歳. エゴマ ゴマ 昔作ってよく食べた.(食べ物の中に)振って入れた.今は小さい うちに草として抜く.エゴマという言葉は聞いたことがない. 6 33 290 女性,70 歳位. エゴマ エゴマ 去年まで作ったが,今年は作らなかった.この辺でエゴマを作るの は自分だけだと思う.オノミ(麻の実)のほうがずっと美味しかった. E133 4 23 660 女性,85 歳位. エゴマ ゴマ(?)エゴマは知らないがゴマなら作った(エゴマのことか?).今作る 人はいない. 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 34 23.9 E133 上名野川 大山祇神 社 3 54.3 614 中谷在住,掛水綾子,エゴマ 60 歳位,ほか上名野 川の女性数名. 誰も知らない様子. 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 34 39 上名野川 中奥 4 20 2-3 年前まで畑に出たが,去年ぐらいから無くなった. 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 35 1 上名野川奥谷(おく だに) E133 330 女性,86 歳. エゴマ 655 3 軒で聞く.①女性,エゴマ 70 歳位.②女性,65 歳位.③西森滝男さ ん宅,女性,60 歳位. 560 女性,80 歳位. エゴマ エゴマ エゴマ 30 年も 40 年も前まで畑に自然のようにあったが,誰も収穫しなく なり,自然になくなった. チソ 2 個体. ゴマ 041112-1 無い. 「オノレバエ(脱粒種子から実生で生える)」.5 年くらい前まであっ た.野菜畑の縁にのみ生える.白種子. 十年前なら大抵の家の畑に生えたが今は見ない.植えた覚えはな かったが親が作っていたのが畑に自然に生えてきていた.除草の時, 「ゴマ」かと思いつつ食べないので引いた.昔は大分沢山出た.草 丈 40cm.枝が沢山張る.昔,炒って味噌に入れて食べた(味噌 + エゴマ + 砂糖) .または炒って丸のままご飯に振りかけた. 日高村で知人が沢山作っている.佐川へ売りに行っていると聞いた. 223606 JP番号 30021364 30021368 30021365 30021352 調査日 地域 緯度 経度 標 高 協力者 ( 敬称略) (m) 分類群 呼称 聞取りおよび観察 収集番号 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 33 47.2 E133 下名野川斧ノ谷(お のだに) 6 36.4 583 川村博信,60 歳位. エゴマ エゴマ いつも沢山作っており,まともに作っているのはこの辺でも自分く らいであるが,今年は大雨でエゴマの畑が土ごと流されたので無い. 脱落種子からの実生を利用するが,昔は播種して苗を移植した人も いる.およそ 10 月末.色付いたら刈って箕に入れて乾燥させ脱穀 する.枝が張って大きくなる.種子を炒り味噌に入れる.葉を刺身 と一緒に食べると,アオジソより美味なので,どの家庭でも少しは 11 月 12 日 高知県吾川郡吾川村 N33 33 56.2 E133 下北川 7 24.4 405 鎌倉むつみ,54 歳. エゴマ エゴマ 吾川村寺村の実家の種子.寺村では母だけが作り続けており,いつ 041112-3 も 1 升ぐらい収穫する.栽培は良い畑だと虫害がひどく,荒れた畑 だとうまく育つ.今年は収量が少なく,種子は小さく出来が悪い. 種子のみ利用.寺村の母は種子を潰して白和えに入れる.自分はハ ヤトウリの薄切りと豚肉を炒めて,炒ったエゴマをかける. 11 月 13 日 高知県吾川郡いの町 N33 40 40 (旧,吾北村)清水 下分(きよみずしも ぶん)馬路(ばろう) 21 3 ゴマ 10 年前にはあったが現在栽培する人は知る限りいない.畑に自然 に生えるものであった.自分が畑に出ていた頃は残すようにしてい たのでエゴマがあったが,自分が出なくなったら若い人は抜くので 今はなくなったかもしれない.セイソウ(アオジソ)の種子と同様 に,炒って,寿司に混ぜる.白菜などの酢の物,キュウリの塩もみ へ入れる.魚の骨を炒りエゴマと一緒に擂り潰してふりかけにする. この辺りで正月の三が日にのみ食べる豆腐の田楽のたれに擂ったエ ゴマを入れる. E133 350 筒井二三四(ふみよ) ,エゴマ 85 歳. 保存番号 JP番号 223615 30021361 ゴマ - 19 - ホンゴマ 白種子と黒種子を作った.毎年播種するものであった.土地に無駄 がないように,カライモ ( サツマイモ)の畝の溝に植えた. アズキ ショウズ 都会ではできない.山だけでできる. 041113-1-Vi- 223621 / アズキ gna ツルマメ? 自分は今まで作った覚えはないが,嫁が収穫したもののようである.041113-1-Gly- 223656 蔓性.種子は小さくて黒色. cine 11 月 13 日 高知県吾川郡いの町 N33 42 16.8 E133 (旧,吾北村)清水 上分(きよみずかみ ぶん)白根,種子は 程野 21 58.6 601 川村つたえ夫妻,85 エゴマ 歳位,嫁,川村艶子, 65 歳位. エゴマ 30021367 30021385 昔焙じて味噌に入れ,麦飯のおかずにした.子供の頃,そのまま食 041113-2 べたことがある.自然に生えるものであった.エゴマとシソは交配 し,色が悪くなるので,エゴマが畑に出たら抜く.最近収穫してい ない.案内してもらい,不在であった伊藤きよえさんの畑から採種. 菜園の隅の残飯を捨てる場所に 6 個体,1m × 1.5m.湿っている土地. 223616 30021362 120 道の駅 633美の エゴマ エゴマ 生産者,高知県吾川郡いの町(旧,吾北村)奥大野,門脇高茂.50 041113-3 11 月 13 日 高知県吾川郡いの町 N33 38 32 E133 19 37 里で販売. g,200 円. (旧,吾北村)上八 川甲(かみやかわこ う) エゴマはゴマの代用として使われることがあるため,ゴマの情報も加えた.シソ,エゴマ以外の作物種子の分譲を受けた場合は,その作物についての情報を記した. 223617 30021363 Table 1. 収集したクワの遺伝資源リスト A list of Morus bombycis K. collecred in Hokkaido. 収集 収集日 学 名 和 名 収集地 番号 1 10 月 4 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 網走郡東藻琴町 緯 度 経 度 標高(m) 樹体の N 43 ゜ 47’24.7” E 144 ゜ 14’49.9” 105 推定樹齢 観 察 事 項 大きさ 小 7∼8年 牧草地脇の斜面に自生,直立性 - 56 - 2 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡愛別町 N 43 ゜ 53’49.4” E 142 ゜ 32’40.4” 197 やや大 20 年 石狩川沿い河川敷,葉色やや黄緑がかる,直立性 3 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡愛別町 N 43 ゜ 53’49.2” E 142 ゜ 32’44.9” 195 やや大 20 年 上の個体の数 10 m東側,葉は大きく,枝先下垂 4 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡上川町 N 43 ゜ 49’49.1” E 142 ゜ 48’07.6” 358 大 50 年 5 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡上川町 N 43 ゜ 46’24.3” E 142 ゜ 48’39.3” 498 小 約 10 m 7∼8年 層雲峡近くの山際,葉の硬化早い 6 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 河東郡士幌町 N 43 ゜ 09’49.7” E 143 ゜ 13’16.0” 202 中 10 年 音更川近く,株元から枝多数分岐,着椹多く,菌核病の 7 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 15’14.9” E 142 ゜ 56’08.6” 343 やや大 15 年 発生は見られない 東大雪湖わき,葉面やや滑らか,着椹あるが菌核病多発 8 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 21’35.5” E 142 ゜ 55’11.5” 412 中 10 年 9 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 21’35.4” E 142 ゜ 55’10.1” 411 小 7∼8年 節間短めで直立性,残葉少ない 10 10 月 5 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡新得町 N 43 ゜ 21’54.0” E 142 ゜ 54’18.3” 434 11 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 空知郡南富良野町 N 43 ゜ 10’55.8” E 142 ゜ 35’08.8” 421 中 10 年 12 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 上川郡美瑛町 N 43 ゜ 29’13.1” E 142 ゜ 37’12.2” 526 小 5 ∼ 6 年 林道脇,美瑛川沿いの最も標高の高い場所にあった個体 13 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 空知郡上富良野町 N 43 ゜ 27’02.8” E 142 ゜ 34’42.6” 506 中 15 年 14 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 三笠市 N 43 ゜ 16’28.7” E 142 ゜ 03’23.5” 376 小 標高の高い場所にあった個体 7 ∼ 8 年 三芦トンネル近く,幹は倒れている,葉に光沢あり 15 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 三笠市 N 43 ゜ 16’28.7” E 142 ゜ 03’23.5” 324 中 10 年 上の個体から数百m下る,葉色やや濃い,枝に光沢あり 16 10 月 6 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 三笠市 N 43 ゜ 14’17.0” E 142 ゜ 00’31.4” 190 大 40 年 桂沢ダムわき,かなり大木,枝は四方に広がる 17 10 月 7 日 Morus bombycis K. ヤマグワ 千歳市 N 42 ゜ 47’10.4” E 141 ゜ 15’36.0” 455 小 7 ∼ 8 年 支笏湖西側,恵庭岳中腹の最も標高の高い場所にあった やや大 15 年 古川橋手前,株元から幹分岐,大木で葉も大きい,樹高 着椹あるが菌核病多発,落葉早い 生育良いが葉はやや薄め,十勝川沿いの最も標高の高い 場所にあった個体 樹海峠手前,着椹あるが菌核病多い,落葉遅い 原生林の端,葉は小ぶりで残葉多め,十勝岳中腹の最も 個体 Table 2. Location, latitude, altitude of each population and habitat description. Site No. First visit date Sampling date 098-27 2003 9 24 2003 11 5 098-27 2003 9 24 2003 11 5 CED No. CED200316PopA CED200316PopB Species Status Glycine soja wild Glycine soja wild Locality 広島県 本郷町 大字本郷 広島県 本郷町 大字本郷 Locality Latitude (N) Altitude Longitude (S) (m) Toporogy Population size (mxm) Growth stage Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 30 132 58 57 8 plain 10x25 matured Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 27 132 59 0 8 plain 15x15 matured Seed samples 13 Habitat, some characteristics inside abandoned place in a river, individuals open, dry 1 individuals inside abandoned place in a river, open, dry, 10m from cultivated soybean around population of Pseudosasa 098-27 2003 9 24 2003 11 5 098-27 2003 9 24 2003 11 5 2003-16 2003 9 24 2003 11 5 2003-16 2003 9 24 2003 9 24 CED200316PopC Glycine soja wild Glycine soja wild Glycine soja wild wild 広島県 本郷町 Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 24 132 59 0 8 plain 15x15 matured Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 24 28 132 59 0 8 plain 15x15 matured 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 34 26 8 132 58 42 13 plain 15x15 matured 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 34 26 8 132 58 42 13 plain 3x1 大字本郷 2 japonica on a river embankment, individuals open, dry to wet, previously intermediate collected - 67 - 2003-17 2003 9 24 2003 11 5 2003-17 2003 9 24 2003 9 24 2003-18 2003 9 24 2003 11 5 2003-19 2003 9 24 2003 11 5 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 5 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 5 CED200316PopE CED2003-16 CED200317PopF CED2003-17 CED200318PopG CED200319PopH CED200339.5-A CED200339.5-B CED2003- Vigna angularis var. nipponensis Glycine soja Vigna angularis var. nipponensis 大字本郷 floweringmature wild 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 3424 25 39 132 58 49 13 plain 3x75 wild 広島県 本郷町 舟木 Funaki, Hongo, Hiroshima 34 25 39 132 58 49 13 plain 3x40 Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 25 7 132 58 43 13 mountain 4x1 matured Ooazahongo, Hongo, Hiroshima 34 26 32 132 56 58 45 plain 1.5x30 matured 広島県 本郷町 matured floweringmature 4 7 bulk 8 individuals 2 around a repaired landslide, open wild Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 24 17 132 59 20 7 plain 25x100 matured bulk Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 24 17 132 59 20 7 plain 25x100 matured bulk individuals to shade, wet 4 individuals inside abandoned place in a river, cultivated soybean on a river embankment to a 17 132 59 20 7 plain 3x10 matured bulk CED2003-39.5-D Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 24 17 132 59 20 7 plain 5x5 matured bulk 5 CED2003-39.5-E Glycine soja wild 広島県 沼田西町 小原 Obara, Numatanishi, Hiroshima 34 17 132 59 20 7 plain 1x5 matured bulk 6 CED2003-40-A Glycine soja wild 広島県 広島市 Shippou, Numatahigashi, Hiroshima 34 23 13 133 1 74 10 plain 1x10 matured bulk Shippou, Numatahigashi, Hiroshima 34 23 13 133 1 74 10 plain 2x100 matured bulk around drainage ditch, open, dry 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 5 2003-39.5 2003 9 24 2003 11 11 6 2003 11 39.5-C 11 6 CED2003-40-B abandoned place, shade, dry, large seed 沼田東町 七宝 2003 open, dry, very close (1m) to 24 5 6 open, dry 34 11 11 inside abandoned place in a river, Obara, Numatanishi, Hiroshima 2003 2003 on a slope of paddy, open, dry 広島県 沼田西町 小原 24 2003-40 on a river embankment, open, dry on a river embankment, open, dry Glycine soja 大字本郷 on a slope of paddy, open, dry bulk wild 広島県 本郷町 inside abandoned place and around individuals paddy field, open, wet Glycine soja 大字本郷 inside abandoned place in a river individuals bed, open, dry wild 9 2003 16PopD 広島県 本郷町 Glycine soja 2003-39.5 2003 2003-40 CED2003- Glycine soja wild 広島県 広島市 inside abandoned place around field, open, dry on a river embankment, shade, dry, very close to cultivated soybean around drainage ditch, open, dry, 10m from cultivated soybean 沼田東町 七宝 2003-41 2003-30 2003 2003 11 10 6 29 2003 2003 11 10 6 29 CED2003-41 CED2003-30 Glycine soja Glycine soja wild 広島県 福山市 Ooaza Akasaka, Akasaka-machi, 34 28 5 133 18 34 19 plain 2x30 matured bulk inside abandoned field, open, dry wild 赤坂町 大字赤坂 秋田県 角間川町 Fukuyama, Hiroshima Ookawabashi, Kakumagawa-machi, 39 24 41 140 27 88 27 plain 2x200 Past-maturity bulk around abandoned field, open, dry 大川橋 Akita Table 2. (continued). Site No. 2003-31 First visit date 2003 10 29 Sampling date 2003 10 29 CED No. Species Status Locality CED2003-31 Glycine soja wild 秋田県 平鹿郡 大森町 板 Kawatorabuchi, Sakaida, 井田 川虎渕 2003-32 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-32 Glycine soja wild 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-32C1 Glycine max cultivated 2003-32 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-32C2 Glycine max cultivated 2003-32 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-32C3 Glycine max cultivated 2003-33 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-33 Glycine soja wild 2003-34 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-34-A Glycine soja mixed 2003-34 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-34-B 秋田県 川辺郡 雄和町 芝 Shibanobashi, Shibano-Shinnden, Yuuwa-machi, Kawabe-gun, Akita 秋田県 仙北郡 西仙北町 Mineyoshigawa, Kariwano, Nishi 刈和野 峰吉川 Senboku-machi, Senboku-gun, Akita 秋田県 仙北郡 西仙北町 Mineyoshigawa, Kariwano, Nishi 刈和野 峰吉川 Senboku-machi, Senboku-gun, Akita 秋田県 仙北郡 西仙北町 Mineyoshigawa, Kariwano, Nishi 刈和野 峰吉川 Senboku-machi, Senboku-gun, Akita Vigna angularis cultivated 秋田県 仙北郡 西仙北町 Mineyoshigawa, Kariwano, Nishi var. angularis 刈和野 峰吉川 Senboku-machi, Senboku-gun, Akita 秋田県 仙北郡 西仙北町 Kowakubibashi, Kowakubi, Nishi 強首 強首橋 Senboku-machi, Senboku-gun, Akita 秋田県 仙北郡 中仙町 Sainaibashi, Nagano, Nakasen-machi, 長野 斉内橋 Senboku-gun, Akita 秋田県 仙北郡 中仙町 Sainaibashi, Nagano, Nakasen-machi, 長野 斉内橋 Senboku-gun, Akita wild 秋田県 仙北郡 中仙町 wild 立石 秋田県 仙北郡 中仙町 wild 長野 斉内橋 秋田県 仙北郡 西仙北町 mixed Population size (mxm) Growth stage Seed samples Habitat, some characteristics 39 23 95 140 27 82 25 plain 5x250 Past-maturity bulk on a slope of river bank, open, dry 39 38 95 140 9 16 20 plain 4x20 Past-maturity bulk inside abandoned place around 39 38 95 140 9 16 20 plain Past-maturity bulk 39 38 95 140 9 16 20 plain Past-maturity bulk 39 38 95 140 9 16 20 plain Past-maturity bulk cultivated field, open, dry, black 39 39 1 140 8 36 19 plain 1x10 Past-maturity bulk on a slope of river bank, open, dry 39 33 7 140 21 69 16 plain 10x10 Past-maturity bulk around abandoned place, shade, 39 33 7 140 21 69 16 plain 2x20 Past-maturity bulk river bank, open, dry cultivated field, open, dry, white seed coat cultivated field, open, dry, green seed coat Yuuwa-machi, Kawabe-gun, Akita 野新田 芝野橋 Glycine soja Toporogy Yuuwa-machi, Kawabe-gun, Akita 秋田県 川辺郡 雄和町 草 Hondenbashi, Kusakawa, 川 本田橋 (m) Yuuwa-machi, Kawabe-gun, Akita 秋田県 川辺郡 雄和町 草 Hondenbashi, Kusakawa, 川 本田橋 Altitude Longitude (S) Yuuwa-machi, Kawabe-gun, Akita 秋田県 川辺郡 雄和町 草 Hondenbashi, Kusakawa, 川 本田橋 Latitude (N) Oomori-machi, Hirashika-gun, Akita 秋田県 川辺郡 雄和町 草 Hondenbashi, Kusakawa, 川 本田橋 2003-32 Locality seed coat wet, large seed around drainage ditch between abandoned place, open, wet, seed coat without bloom 2003-34 - 68 - 2003-34 2003 2003 10 10 30 30 2003 2003 10 10 30 30 CED2003-34-C CED2003-34-D Glycine soja mixed 2003-35 2003 10 30 2003 10 30 CED2003-35 Glycine soja wild 2003-36 2003 10 31 2003 10 31 CED2003-36-A Glycine soja wild 2003-36 2003-37 2003-37 2003-38 2003 2003 2003 2003 10 10 10 10 31 31 31 31 2003 2003 2003 2003 10 10 10 10 31 31 31 31 CED2003-36-B CED2003-37-A CED2003-37-B CED2003-38-A Glycine soja Glycine soja Glycine soja Glycine soja wild 39 33 7 140 21 69 16 plain 39 33 7 140 21 69 16 plain 39 33 69 140 17 50 16 plain 39 32 16 140 31 78 32 39 32 16 140 31 78 Tateishi, Nakasen-machi, 39 32 12 140 30 Senboku-gun, Akita Tateishi, Nakasen-machi, 39 32 12 140 Senboku-gun, Akita Nagamochizawa, Tsuchikawa, Nishi 39 32 43 2x20 Past-maturity bulk around drainage ditch of Past-maturity bulk cultivated field, open, wet, white 2x10 Past-maturity bulk around drainage ditch of plain 1x10 Past-maturity bulk 32 plain 8x10 Past-maturity bulk inside abandoned place, open, dry 38 83 mountain 5x200 Past-maturity bulk inside abandoned quarry, open, dry 30 38 83 mountain 5x100 Past-maturity bulk inside abandoned quarry, open, wet 140 29 66 82 mountain 3x10 Past-maturity bulk inside abandoned quarry, open, wet abandoned place, open, wet seed coat abandoned place, open, dry around drainage ditch, shade, wet, seed coat without bloom 土川 長持沢 ( 立石地区) Senboku-machi, Senboku-gun, Akita 2003-38 2003-39 2003 2003 10 10 31 31 2003 2003 10 10 31 31 CED2003-38-B CED2003-39 Glycine soja Glycine soja wild 秋田県 仙北郡 西仙北町 Nagamochizawa, Tsuchikawa, Nishi 39 32 43 140 29 66 82 mountain 3x10 Past-maturity bulk around drainage ditch , open, dry mixed 土川 長持沢 ( 立石地区) Senboku-machi, Senboku-gun, Akita 秋田県 角館町 八割 Hachiwari, Kakunodate, Akita 39 34 29 140 31 23 63 mountain 2x30 Past-maturity bulk on a slope between paddy and road, open, dry, 15m from cultivated 2003-39 2003 10 31 2003 10 31 CED2003-39C1 Glycine max cultivated 秋田県 角館町 八割 Hachiwari, Kakunodate, Akita 39 34 29 140 31 23 63 mountain Past-maturity bulk soybean cultivated field, open, dry, tan seed 2003-39 2003 10 31 2003 10 31 CED2003-39C2 Glycine max cultivated 秋田県 角館町 八割 Hachiwari, Kakunodate, Akita 39 34 29 140 31 23 63 mountain Past-maturity bulk coat cultivated field, open, dry, green seed coat Fig.1. Frequency distribution of 100 - seed weight among cultivated (left) and wild (right) soybean collections in MAFF Genebank. Fig.2. Distribution of surveyed areas in Japan. Fig. 3. Distribution of visited sites in Hiroshima (a) and Akita (b) prefectures. Bold and dotted lines indicate exploration route of 1 st and 2 nd visits in Hiroshima prefecture, respectively. Fig. 4. Location of intermediate type(white circle) found in 2003-39 site. Black circles enclosed indicate locations of wild soybean. The intermediate individual was found in the wild population 15m from soybean field. - 69 - Photo 1. MAFF Genebank wild soybean accessions of which variations on seed color, shape or size were observed. Photo 2. Intermediate (arrow) between cultivated and wild soybean were found at road side. In the vicinity, shattered pods of wild soybean can be seen. A soybean field was in the background. Photo 3. Morphological differences between cultivated, intermediate and wild soybean seeds. Photo 4. Seeds of intermediate were retained in the pods, whereas wild soybean seeds were already scattered from the pods. Stem size of the intermediate was thicker than wild stem. - 71 - 〔植探報 Vol.21: 73 ∼ 95, 2005〕 野生ダイズ,栽培ダイズおよび両種の自然交雑集団の探索, 収集とモニタリング−秋田県,茨城県,愛知県,広島県, 佐賀県における現地調査から− 黒田洋輔 1)・加賀秋人 1)・Anna Apa2)・Duncan A. VAUGHAN1)・ 友岡憲彦 1)・矢野博 3)・松岡伸之 4) 1) 農業生物資源研究所・遺伝資源研究グループ・集団動態研究チーム 2) National Agriculture Research Institute , Papua New Guinea 3) 近畿中国四国農業研究センター・作物開発部・育種工学研究室 4) 近畿中国四国農業研究センター・企画調整部・業務第 1 科 Exploration, Collection and Monitoring of Wild Soybean and Hybrid Derivatives between Wild Soybean and Cultivated Soybean: Based on Field Surveys at Akita, Ibaraki, Aichi, Hiroshima and Saga Prefectures Yosuke KURODA1), Akito KAGA1), Anna APA2), Duncan A. VAUGHAN1), Norihiko TOMOOKA1), Hiroshi YANO3), Nobuyuki MATSUOKA3) 1) Crop Evolutionary Dynamics Team, National Institute of Agrobiological Sciences , Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan 2) National Agriculture Research Institute , Laloki, P.O. Box1828, Port Moresby, Papua New Guinea 3) Laboratory of Plant Biotechnology, National Agricultural Research Center for Western Region , 6-12-1 Nishifukatsu, Fukuyama, Hiroshima 721-8514, Japan 4) Farm Management Division, Department of Research Planning and Cordination, National Agricultural Research Center for Western Region , 6-12-1 Nishifukatsu, Fukuyama, Hiroshima 721-8514, Japan Summary Prefectures in northern (Akita), central (Ibaraki and Aichi) and southern (Hiroshima and Saga) parts of Japan were visited once to three times during 2004 at the vegetative, flowering and maturing stages of wild soybean (Glycine soja ) in order to explore, collect and monitor wild soybean, cultivated soybean and their hybrid derivatives. Among a total of 57 sites, comprising 8, 6, 4, 6, 33 sites from Akita, Ibaraki, Aichi, Hiroshima and Saga prefectures, respectively, we collected 86 bulk samples and 395 individual samples from 29 sites of wild soybean. Among the samples, we found 8, 2 and 1 hybrid individuals at sites, 2004-13, -20 and -39 sites, in - 73 - Saga prefecture. Characteristics of the hybrids that distinguished them from wild soybean were longer pods (about 4 cm, having three seeds), larger seeds (6 ∼ 12 g / 100 seeds), thicker stems and weaker vine-twining. At 2004-13 site, only one hybrid individual had a green seed-coat, while seven hybrids had black seed-coat, indicating that the black seed-coat has some selective advantage in natural habitats. One (or a few) hybridization events might have caused the hybrids, because they were distributed over a small area ( ∼ 2 m diameter) at each site. We will focuse on continuous monitoring at each site as well as molecular analysis to better understand natural introgression between cultivated and wild soybeans in Japan. 1. 背景と目的 野生ダイズ (Glycine soja ) の収集活動には少なくとも 2 つの意義が考えられる.ひとつは,こ れまでの収集活動がそうであったように「ダイズ遺伝資源収集」という意義である (e.g. 喜多村・ 石本 1989).もうひとつは, 「遺伝子組換え作物の環境拡散リスクに関する情報蓄積」という意 義であるが,そのような観点からの調査はこれまでにほとんど進められていない ( 本報告書 加 賀ら 2005).わが国ではカルタヘナ議定書に基づいて施行された多様性確保に関する法律があり, 組換え遺伝子の環境拡散リスクに関する情報蓄積が急務であるが,日本で遺伝子拡散の恐れがあ る作物として,虫媒により交雑可能な野生種が広く分布しているダイズ (G . max ) が指摘されて いる.ダイズは自殖性作物とされているが,13% 程度の他殖率を示す野生ダイズ集団の報告が ある (Fujita et al . 1997).中国では,野生ダイズと栽培ダイズの中間的な形質を持つ個体が多数 報告されている (Dong et al . 2001) ものの,日本におけるその実態は明らかにされていない.し かしこれまでに国内各地の野生ダイズ集団のジーンバンク保存系統のなかには,栽培ダイズから の遺伝子浸透を示唆する栽培種と野生種の中間的形態を持つ種子 ( 中間体 ) が複数例確認され, さらに 2003 年度の調査では自生地においても中間体が確認されている ( 加賀ら 2005).これら の事実は,遺伝子組換えダイズの開発進行状況や世界における栽培面積が毎年増加していること (James 2003) を考慮すると,わが国でダイズ組換え遺伝子の野生ダイズ自生地集団への拡散が 現実的かつ重要な課題になりつつあることを示している.そこで本調査は,日本各地において野 生ダイズ遺伝資源を収集するとともに,野生ダイズと栽培ダイズの自然交雑集団の探索,収集, モニタリングを実施した. 2. 方法 日本の野生ダイズ分布北限の北海道南部から南限の九州南部のなかで地理的分散性を考慮しつ つ,ダイズ栽培面積の広い地域を調査候補とした.これは交雑率を左右する開花期が日本の各地 で同じでないことや,ダイズ栽培面積が広い市町村のほうが両者の隣接するサイトを発見しやす いと考えたためである.またこれまでの調査により比較的大きいサイズの野生ダイズ種子 (100 粒重 5g 以上 ) が収集されている地域についても候補に加えた結果,日本各地から 5 つの市 (1. 秋田県大曲市,2. 茨城県下館市,3. 愛知県安城市,4. 広島県福山市,5. 佐賀県佐賀市 ) を中心 とした地域を選定した. 各地域における第一回目の調査 (7 月∼ 9 月 ) では集団の記録を目的とした.ここではダイズ 畑の周辺に自生する野生ダイズ集団を網羅的に探索し,GPS ・地図などのパスポートデータを記 録した.野生ダイズと栽培ダイズとの交雑由来の個体 ( 中間体 ) は,一般的に,野生ダイズより も葉が大きく,茎が太く,つる性が弱い,と考えられるため,この調査の際に,中間体と推定さ れる個体にタグをつけておいた.二回目の調査 (10 月∼ 11 月 ) ではモニタリングやサンプリン - 74 - Table1. The schedule of field survey in 2004. City, Pref 1st survey 2nd survey 3rd survey Ohmagari, Akita 13, 14-Jul 4, 5, 6-Oct - Shimodate, Ibaraki 10-Sep 15-Oct 4-Nov Anjyo, Aichi 22-Sep - - 12-Nov - Fukuyama, Hiroshima 15, 16-Jul Saga, Saga 31-Aug, 1, 2-Sep 18, 19-Oct 10, 11-No Fig. 1. Distribution of studied areas グを目的として行った.十分な種子が得られない場合には, 三回目の調査 (11 月 ) を加えた (Table 1).中間体は葉や茎の形質だけでは確実に言い当てることができないため,一回目の調査で記録 した地点のうちタグをつけていたサイトを重点的に再訪し,サイト内に含まれる各個体の種子 形質を念入りにチェックし,中間体の判別および収集を行った.種子形質のチェック項目は,1) 完熟種子の種皮色が黄色または緑色,2) 莢や種子の大きさが野生個体に較べて明らかに大きい (3 種子入りの莢の長さ 3.5 ∼ 4cm 程度,100 粒重 5g 以上 ),とした.また野生集団にはないとさ れる白色の花にも着目した. 中間体が発見された集団については,今後の解析により他殖率や遺伝子浸透の実態を推定する ために,個体別にサンプリングを行った.他殖率推定のためのサンプリングは,1) ダイズ畑と 3m 以内で隣接しているサイトと,2) 50m 以上隔離されたサイトについて,各個体 5m 間隔で 合計 12 個体を収集した.MLTR 解析 (Ritland, 1990) により他殖率を推定することができるよう に,複数の種子を 1 個体から収集するようにした.また,遺伝子浸透の実態を推定のためのサ ンプリングは,中間体の発見された場所を中心にして,1m 間隔で個体を収集した.その際,周 囲に栽培されているダイズのサンプリングもあわせて行った.これらのサンプルを用いて,今後, 集団構造を解析することにより,どの程度栽培種由来のアレルが集団の中に広まっているのかに ついて推定することができる.各地における調査メンバーは,加賀および黒田を中心にして 2 ∼ 4 名で行った. 3. 収集地点および収集品の特徴 3-1. 秋田県大曲市周辺 秋田県のダイズ栽培面積 (8,380ha,農林水産統計 2004) は北海道,宮城県に続いて 3 番目に 広く,日本の野生ダイズ分布北部の大曲市周辺においてもダイズ栽培の風景はごく一般的である. また農業生物資源研究所のジーンバンク系統の中には,100 粒重が 6g を超える重さの野生ダイ ズ (JP201170) が保存されていた.大曲市は,北東から流れる玉川と南東から北西へ流れる雄物 川との合流地点である.7 月 13 日∼ 14 日に行った第一回目の調査では,大曲市を基点として, 北東方向の玉川流域 ( 国道 105 号沿い ),そして北西から南東へのびる雄物川流域 ( 国道 13 号 沿い ) を広域的に探索した.10 月 4 日∼ 6 日に行った第二回目の調査では, 7 月の調査で見つかっ たサイトのうち,ダイズ畑と隣接していることや集団サイズが比較的大きいサイトを再訪し,サ イト内に含まれる中間体を探索した. 調査の結果,玉川流域から 4 サイト (2004-01 ∼ 04),雄物川流域から 4 サイト (2004-05 ∼ - 75 - 07, 47) の合計 8 サイトのパスポー トデータを記録した.これにより, 野 生 ダ イ ズ は 4 サ イ ト (2004-02, 05, 07, 47) か ら 52 点 の バ ル ク サ ンプルと 118 点の個体別サンプル を収集し,野生アズキは 2 サイト (2004-02, 47) からバルクサンプル を 2 点収集した (Fig. 2-1, Table 3). 野生ダイズは,水田,畑や灌漑用 水路のまわりのオープンスペースや 河原に自生していた.7 月の時点で は,野生ダイズは栄養生長期であり, 栽培ダイズには栄養生長期のものや 既に種子が登熟しているものもあっ Fig. 2-1. Distribution of visited (collected in bold) sites in Akita prefecture た.10 月の時点では,野生ダイズの種子は成熟初期∼中期であり,栽培ダイズは収穫が可能な ほど乾燥しており,場所によってはすでに収穫されていた.8 サイトのうち 5 サイト (2004-01, 02, 05, 07, 47) はダイズ畑と 15m 以内の距離に自生していた.このうちダイズ畑と隣接してい ることや集団サイズが比較的大きいことから,3 つのサイト (2004-02, 05, 07) で中間体の重点 的な探索を加えたが,これらのサイトから中間体を発見することはできなかった.しかし野生ダ イズと栽培ダイズとの隣接距離,さらにはこの地域から中間体が過去に発見されている ( 加賀ら 2005) ことを考慮すると,両者には遺伝的な交流があり,この地域で中間体が生じている可能性 は高い.今後の継続的なモニタリングや分子マーカーを用いた解析により,遺伝子拡散の実態を 明らかにすることができると期待される.重点的にサンプリングした 3 サイトの収集地点の具 体的な特徴は下記の通りである. (1) 2004-02 サイト (Fig. 3-1) 仙北郡角館町の山間地域で発見したサイ トである.昨年の調査 ( 加賀ら 2005) に より野生ダイズと栽培ダイズの中間体がこ の地点より収集されている.7 月の調査の 際には,発芽直後∼ 1m 程度の草丈を持つ 野生ダイズが,水田や畑と道路をつなぐ斜 面に自生していた.その自生地には 1m 近 くの草本植物や潅木が繁茂していた.一方 でダイズは水田転換畑に 2 つの時期にわ けて植えられていた.早播きの方は複葉が 数枚展開していたが,遅播きの方はちょう ど初生葉が展開したばかりであった.ロー テーションのため,ダイズは昨年よりも ひとつ道路から遠い場所に栽培されてい た.昨年の調査で中間体は,舗装道路から 約 15m 入った小道沿いで発見されている. Fig. 3-1. A sketch map of 2004-02 site. Black circles enclosed by dotted line indicate sampling locations of wild soybean individuals at one meter intervals. White circle indicates location of intermediate type found in the previous year. そのあたりの実生をチェックしたが,比較 - 76 - 的大きな葉をもつ個体を発見することはできなかった. 10 月の調査の際には,野生ダイズは種子登熟初期∼中期頃であった.自生地は,7 月から草 刈は行われておらず,セイタカアワダチソウ,ススキなどのイネ科植物のほか潅木が繁茂してお り,野生ダイズの植被率は数%程度であった.中間体のあった地点付近を詳細に調べてみたもの の昨年見つけた中間体を見つけることができなかった.中間体が今年発見できなかったのは,1) 発芽したものの他種との競合などによって淘汰された,2) 種子が休眠している,などの理由が 考えられる.1) の場合には, 分子マーカーを用いて検証する必要があるため, 昨年の中間体のあっ た地点を中心に,遺伝子拡散検出のためのサンプリングを実施した (Fig. 3-1).また 2) の場合を 想定すると,今後もこのサイトにおける継続的なモニタリングが必要であろう. (2) 2004-05 サイト 大曲市の市街地から 6km ほど南下した雄物川の河川敷沿いで発見されたこのサイトは,周囲 が一面ダイズ畑 ( 水田転換畑 ) である.野生ダイズは,非舗装の道路わき,盛り土,ダイズ畑の あぜや,休耕田の中に自生していた.7 月の時点で,1m 程度にまで成長した野生ダイズは,セ イタカアワダチソウやイネ科植物に絡み付いていた.野生ダイズが栽培ダイズに絡みついている ような場所もあった.休耕田における植被率が比較的高く 50%以上の場所もあった.一方,栽 培ダイズは,初生葉∼第三葉が展開したころであった.ドウガネブイブイが大量発生しており, 野生ダイズや栽培ダイズの葉が食害されていた. 10 月の調査の際には,開花している個体はもう見当たらず,どの個体にも若莢または成熟し た莢がついていた.7 月以来,大規模な草刈が行われておらず,野生ダイズの集団のサイズは前 回と同様であった.5m 間隔でバルクサンプルを収集し, 種子の大きさや種皮色を念入りにチェッ クしたものの,種子の大きさや莢の大きさに大きな違いは見られなかった.しかし周囲で栽培さ れていたダイズはこの時期は,ほとんど落葉し,その莢や種子は乾燥していたことから,開花期 が重複していた可能性が高く,他殖率推定のためのサンプリングを行った. (3) 2004-07 サイト このサイトは大曲市から北東へ約 16km に位置する, 仙北郡西仙北町の秋田県道高架下である. 野生ダイズは高架下の空き地を中心に分布していた.その周囲にはダイズ畑や水田が広がってい る.7 月の調査では,野生ダイズは 1m ほどの高さにまで成長しており,高架下のフェンスのほ か,その周辺に生育するセイタカアワダチソウ,ヨシ,ススキ,などに絡みついていた.ヨシが 繁茂している休耕田のなかには,比較的大きな葉を持つ野生ダイズが見つかった.ダイズ ( 水田 転換畑 ) は 2 つの時期に分けて栽培されており,早播きの方は既に莢が成熟し始めていたが,遅 播きの方はまだ草丈が 20cm 程度であった. 10 月の調査では,野生ダイズは 2m のフェンスの高さいっぱいにまでツルを広げており,ま だほとんど裂莢していなかったものの,その莢は完熟した状態であった.7 月以来,大規模な草 刈が行われておらず,集団のサイズは前回と同様であった.5m 間隔でバルクサンプルを収集し, 種子の大きさや種皮色をチェックしたが,中間体を発見する事はできなかった.栽培ダイズは既 に収穫されていたが,遅まきの栽培ダイズと野生ダイズとの間には開花期が重複していた可能性 があるので,他殖率推定のためのサンプリングを行った. 3-2.茨城県下館市周辺 平成 14 年度の農林水産関係市町村別データに基づくと,下館市のダイズ栽培面積は茨城県 の中でもっとも広く 446ha である ( 全国で 52 番目 ).9 月 10 日に行った第一回目の調査では, 下館市周辺の県道 14 号沿い ( 小貝川流域:取手市で利根川と合流する ) からつくば市周辺の県 - 77 - 道 45 号沿い ( 桜川流域:土浦市で霞ヶ浦に合流す る ) にかけて広域的に探索した.10 月 15 日に行っ た第二回目の調査では,ダイズ畑との隣接距離と集 団サイズから,遺伝子流動が予測されるサイトを再 訪した.この時期の種子は未熟であり中間体の判別 が困難であったため,11 月 4 日に第三回目の調査 を追加した. 調査の結果,小貝川流域から4サイト (2004-42 ∼ 45),桜川流域から 1 サイト (2004-46),つくば 市近郊の谷田川支流域から 1 サイト (2004-61) の 合計6サイトのパスポートデータを記録した.こ れ に よ り, 野 生 ダ イ ズ は 4 サ イ ト (2004-42, 43, 45, 61) から 7 点のバルクサンプルと 49 点の個体 別でのサンプルを収集し,野生アズキは 2 サイト (2004-45, 61) からバルクサンプルを 2 点収集した (Fig. 2-2, Table 3). 野生ダイズは,水田,畑や灌漑用水路の周りや工 事現場などのオープンスペースに自生しており,6 Fig. 2-2. Distribution of visited (collected in bold) sites in Ibaraki prefecture サイトのうち 3 サイト (2004-42, 45, 61) は,ダイ ズ畑と 5m とごく隣接していた.野生ダイズは,9 月,10 月,11 月の時点で,それぞれ開花期,種子登熟初期,種子登熟後期であった.そのうち 2 地点 (2004-42, 45) を詳細に調査したものの,中間体と判定可能な個体は発見できなった.中 間体が形成されていたとしても,この地域には主に納豆用となる小粒系ダイズが使用されている ため,種皮色が黒色の場合には種子の大きさから推定するのは困難と思われる.また,聞き取り 調査に基づくと,まだダイズ栽培歴が 3 年程度と浅いことも今回の調査から中間体を発見するこ とができなかったことの理由のひとつであろう.しかし,野生ダイズと栽培ダイズとの開花期の 同調性や,隣接距離を考慮すると,両者では親密な遺伝子流動が起こっている可能性は非常に高 い.これを明らかにするためには,今後の継続的モニタリングに加え分子マーカーによる検証が 欠かせない.2 つのサイトの収集地点の具体的な特徴は下記の通りである. (1) 2004-42 サイト このサイトは,下館市街地から県道 14 号沿いに南東方向へ 4km 進んだ付近で発見された. 野生ダイズは,ダイズ畑 ( 水田転換畑 ) と灌漑用水路との間の畦に自生しており,多くの野生ダ イズが畦から畑のほうにまでツルを伸ばし,畦から近い栽培ダイズに絡み付いていた.畦にはツ ユクサやセイタカアワダチソウがみられたが,野生ダイズの被植率は 70%程度と高かった.9 月の調査では, 野生ダイズのなかには開花しているものもあれば若莢をつけているものもあった. その一方で隣接するすべての栽培ダイズには若莢がついていた.ツチバチやミツバチが数多く見 られ,野生ダイズの花の中にもぐりこんでいた. 野生ダイズ,栽培ダイズ ( 小粒系 ) ともに 10 月の時点では,まだ葉が残っておりその種子は まだ完熟していなかったが,11 月にはほとんどの種子が完熟した状態であった.中間体の判別 を試みたが,やや大きな種子を持つ個体は随所に見られたが,種皮色から中間体と断定できる個 体を発見することができなかった.近くの農家 ( 老年 ) からの聞き取りによると,野生ダイズは 子供のころからこの地域にあるが,隣接する畑でのダイズ栽培は付近の農家の休耕水田を集め業 - 78 - 者に委託して行っているもので,まだ始めて 3 年くらいしかたっていないという.3 年間一度も ローテーションしていないというが訪花昆虫が多数確認されていても中間体が形成されるために 3 年以上の時間が必要なのであろうか.しかし,訪花昆虫の存在,隣接距離を考慮すると,両者 の間に親密な遺伝子流動が起こっていると推測されるため,他殖率推定のためのサンプリングを 個体別で実施した. (2) 2004-45 サイト このサイトは下館市街地から 2km ほど北上したところに位置する.野生ダイズはダイズ畑 ( 水 田転換畑 ) とバイパスの間にある 3 ∼ 10m 程の幅のある斜面に自生している.野生ダイズの植 被率は 90%以上とかなり高い.9 月の調査では,開花した野生ダイズが斜面いっぱいに広がっ ていた.個体の中には莢をつけているものもあった.葉の大きさに変異が見られ,栽培ダイズと 同じくらい大きな葉を持つ個体も複数確認された.隣接した栽培ダイズは,種子登熟中の若莢が ついていた. 10 月の時点では,野生ダイズも栽培ダイズ ( 小粒系,納豆用 ) もまだ落葉しておらず,その 種子は未成熟のものも多かった.11 月の時点では,そのほとんどが完熟していた.サイトの中 に比較的大きな莢を持つパッチ (2 × 2m 程度 ) があったり,随所に比較的大きな種子を持つ個 体が発見されたりしたものの,種皮色から中間体と断定できるような個体は発見できなった.近 くにいた農家にインタビューしたところ,ここでもダイズ栽培は複数の農家がもつ減反の土地を あつめ業者に委託して行っているもので,3 年前に始めたものであるという.ここでは毎年ロー テーションしているということなので,野生ダイズと栽培ダイズとの間で自然交雑できた期間は これまでに 1 度か 2 度ということになる.また, このサイトの野生ダイズの植被率は非常に高く, たとえ中間体が生産されていても適応的に不利な個体は高い密度のために集団の中で淘汰される のかもしれない.しかし,隣接距離を考慮すると,今年度栽培ダイズと野生ダイズとが自然交雑 している可能性が高いので,他殖率推定のためのサンプリングを行った. 3-3.愛知県安城市周辺 平成 14 年度の農林水産関係市町村別データに基づくと, 安城市付近ではダイズ栽培が盛んである.例えば,安城市 のダイズ栽培面積は 1,170ha であり全国で 4 番目に広い. 安城市と隣接する岡崎市や西尾市でも,それぞれ 550ha, 814ha の広さを持つ.当地域における中間体の探索調査 は,9 月 22 日に行った.まずは安城市,岡崎市,西尾市 の矢作川周辺地域を中心に広域的に探索を行ったものの, これまでに野生ダイズが発見されてきたような空き地,河 川敷からも野生ダイズを発見することができなかった.そ こで当初の予定を変更し,広田川 ( 西尾市で矢作古川と合 流する ) 流域の額田郡幸田町付近を探索したところ,4 つ Fig. 2-3. Distribution of visited のサイト (2004-48 ∼ 51) を記録することができた (Fig.2-3, sites in Aichi prefecture Table 3).4 サイトの野生ダイズは,工事現場,用水路沿 いや畑の空きスペースに自生していたが,集団サイズは小さかった.また頻繁に草刈されている 様子もないのに葉の大きさが他の地域の野生ダイズと比較して小さいと感じた. 2004-48 サイトでは,昨年からのバイパス建設のために 3km 離れた山から土砂を運搬してき たというその場所付近の道路わきにのみ,野生ダイズが生育していた.付近の灌漑用水路や川原 - 79 - 沿いなどを探索しても野生ダイズを発見することができなかった.土砂を運搬してきた山にいっ たところ,土砂を運び出した後の更地には,野生ダイズが一面に生育しており,たくさんのミツ ハチの訪花が確認できた (2004-49 サイト ).この事例は野生ダイズが人間の手によって運ばれ る可能性を示唆している. 発見された 4 つのサイトのうちの 3 つはダイズ畑から 5m 以内とごく隣接していた.野生ダ イズは開花期のものが多く,葉腋の一部に若莢がみられた.栽培ダイズは若莢をつけているもの のまだ落葉しておらず,種子は未熟であったため,開花期が重複している可能性は高い.しかし ながら今回の調査では,集団の歴史が浅いと考えられること (2004-48 サイト ) や,集団のサイ ズが比較的小さく少ないことに加え,葉や茎の形質から中間体と思われるような個体を確認する ことができなかったので,二度目以降の調査は保留した. 3-4.広島県福山市周辺 福山市周辺でのダイズ栽培は小 規 模 で あ る ( 福 山 市 64ha, 竹 原 市 7ha,三原市 18ha).この地域で収集 され農業生物資源研究所ジーンバンク に保存されるものの中には,100 粒 重が 6g ほどの野生ダイズ JP110756 (CED98078)が含まれている.7 月 15 日∼ 16 日に行った第一回目の調 査では,瀬戸内海に接する平野部に位 置する福山市,竹原市,三原市に加え, 山間部の御調郡久井町 (79ha) の周辺 を広域的に探索した.11 月 12 日に Fig. 2-4. Distribution of visited (collected in bold) sites 行った第二回目の調査では,さらに世 in Hiroshima prefecture 羅郡世羅町の周辺の探索を加えた. 調査の結果,竹原市 ( 沼田川流域 ) 周辺で 3 サイト (2004-8, 9, 11),福山市 ( 芦田川流域 ) 周 辺で 1 サイト (2004-12),世羅町周辺では 2 サイト (2004-59, 60) の合計 6 サイトの野生ダイ ズ自生地を記録した.これにより,野生ダイズは 4 サイト (2004-11, 12, 59, 60) からバルクサ ンプル 6 点を収集し,野生アズキは 2 サイト (2004-12, 59) からバルクサンプルを 2 点収集し た (Fig. 2-4, Table 3). 野生ダイズは,ダイズ畑の空きスペース,河川敷,工事現場跡,など撹乱が比較的強く,日当 たりの良い場所に自生していた.7 月の時点で栄養生長期であった野生ダイズは,11 月にはほ とんどの種子が完熟し裂莢していた.近くの農家からの聞き取りにより,野生ダイズの生活史戦 略に関するいくつかの情報が得られた.例えば,2004-11 サイトでは,5 年前の洪水により堤 防が決壊した後に畑周辺の野生ダイズの集団サイズが大きくなったという.この時期までに降雨 が少なかったために,イネ科植物の葉が巻くほど乾燥していた.そのためか野生ダイズの集団サ イズは昨年と比較してかなり縮小していた.2004-12 サイトは,水門工事のために土を盛り上 げて整備してから 1 年しかたっていないという話を聞いた.また,広島県福山地域事務所建設 局に問い合わせたところ, 野生ダイズが見つかった有地川河川工事現場の土手に利用した土砂は, 約 10km はなれた工業団地横の山裾を削って運ばれてきたものである.採取場所から運ばれてき た,野生ダイズの休眠種子が,撹乱を受けて,集団をいち早くその地に定着させた可能性が高い. - 80 - 6 サイトのうち 5 サイト (2004-9, 11, 12, 59, 60) では,栽培ダイズと 20m 以内に隣接してい たが,中間体は発見できなかった.2004-9, 11, 12 サイトではダイズ栽培面積がごく小規模であっ たことや,比較的大面積 ( 約 70a) で栽培されていたサイト (2004-59, 60) でも,地権者の情報 によると,ダイズの栽培は今年が始めてである (2004-59) ことがその理由と考えられる.また, 野生ダイズが発見された平野部にはダイズ栽培があまり盛んでなく,ダイズが盛んな山間地では 畦の除草が頻繁であったことが,ダイズ畑と隣接する野生ダイズの発見が困難であったことと関 係が深いと考えられる.今後,これらの地域において栽培ダイズと野生ダイズとの遺伝子流動の 実態を効率よく明らかにするためには,新たなサイトの探索が望ましい. 3-5. 佐賀県佐賀市周辺 佐賀県のダイズ栽培面積は, 7,780ha( 農林水産統計 2004) で あ り, こ れ は 全 国 で 北 海 道, 宮 城 県, 秋 田 県, 福 岡 県 に次いで 5 番目に広い.とり わけ佐賀平野に含まれる佐賀 市周辺の市町村のダイズ栽培 状況は,平成 14 年度農林水産 関係市町村別データにもとづ く と, 佐 賀 市 (942ha), 佐 賀 郡 川 副 町 (878ha), 杵 島 郡 白 石 町 (679ha), 杵 島 郡 有 明 町 Fig. 2-5. Distribution of visited (collected in bold) sites in Saga prefecture (478ha),神崎郡千代田町 (444ha) となり,佐賀県のダイズ面積の大部分を占める重要な地域で ある.8 月 31 日∼ 9 月 2 日に行った第一回目の調査では,上記の市町村の国道,県道,農道を 網羅的に探索した.この調査の際,おおよその基準を設けるために,あらかじめダイズ畑から 遠く離れた河川沿いに自生する野生ダイズ集団 (2004-34 サイト ) の中からできる限り大きな葉 や茎の太い個体を確認し,これよりも明らかに葉が大きい,茎が太い,ツルの巻き方が弱いなど の特徴を持つ個体を推定上の中間体とみなし,タグをつけた.10 月 18 日∼ 19 日 (20 日は台風 23 号の九州上陸により中止 ) に行った第二回目の調査では,タグをつけたサイトを重点的に探 索した.11 月 10 日∼ 11 日に行った第三回目の調査では,第二回目の調査の時点で完熟した種 子が十分に得られなかった地点を中心にサンプリングするとともに,新たな中間体の含まれる地 点を発見することを目的として行った. 調査の結果,合計 36 サイトの自生地をパスポートデータとして記録した.そのうち 3 サイト は野生アズキ集団のみの記録である.これにより,野生ダイズ 17 地点から 21 点のバルクサン プルと 228 点の個体サンプル,野生ダイズ−栽培ダイズ中間体は 3 地点より 19 サンプル,野 生および雑草アズキは 5 地点から 6 点のバルクサンプル,雑草タケツルアズキ (2004-19) 1点 のバルクサンプル,雑草リョクトウ (2004-38)1 点のバルクサンプル,雑草ササゲ (2004-25)1 点のバルクサンプル,ジュズダマ 2 点 (2004-32A, 57) のバルクサンプルを収集した (Fig. 2-5, Table 3). 発見された野生ダイズのほとんどは国道 34 号よりも南側に分布し,灌漑用水路,道路わき, 工事現場,畑や水田などの水辺近くのオープンスペースに自生していた.9 月,10 月,11 月に おける野生ダイズと栽培ダイズの生育期はほぼ一致しており,それぞれ開花期,種子登熟期初期, - 81 - 種子登熟期後期であった.このことからこの一帯において栽培ダイズと野生ダイズは開花期が完 全に重複していることが明らかとなった. 野生ダイズ自生地の合計 33 サイトのうち 5 サイト (2004-24, 30, 34, 36, 52) を除くと,すべ てダイズ畑から 20m 以内に自生していた.9 月の調査の際,タグをつけておいたサイトは,合 計 14 サイト (2004-13, 17, 19, 20, 21, 24, 27, 29, 32, 37, 38, 39, 40) にのぼった. それを 10 月および 11 月の調査で再訪し,現地で種子形質から中間体を判別した結果,合 計 3 つのサイト (2004-13, 20, 39) の 11 個体が中間体と確認された.そのうち 2 つはタグをつ けていた個体であったが,草刈が実施されていたために一部のタグがトレースできないケース (2004-19, 20, 32, 38, 40) もみられた.一方,栽培ダイズと同じくらいの大きさの複葉をもつと いう理由でタグをつけていた多くの個体は, 種子が野生と同様に小さく, 中間体と判定されなかっ た (Photo 1). また,土手に栽培ダイズが野生化しているケースが見られた (2004-29B).栽培ダイズの茎は 直径 2 ∼ 3cm と木質化していた.その個体の下方には,そこから種子が散布・拡散したと思わ れる若い ( 木質化していない ) 個体が群生していた.その種皮色は黒であり,丹波黒程度の大き さの種子であった.これより木質化した個体は数年間生き続けている可能性,種子に休眠性など の形質が維持されている可能性が示唆された. 中間体が発見された 3 つのサイトに加え,葉の変異が大きかった 2004-32 サイトにおいて, 他殖率推定のための個体別でサンプリングを行った.中間体の発見された 3 地点における特徴 は下記の通りである. (1) 2004-13 サイト (Fig. 3-2) 佐賀市の市街地から西へ 5km ほど進んだ地点で発見されたサイトである.野生ダイズは,両 サイドをダイズ畑 ( 水田転換畑 ) と水田に囲まれた道路と灌漑用水路との間に挟まれたスロープ に自生していた.草丈の高い植物でも 1m 程度であり密度もさほど高くないため,日当たりがよ かった.野生ダイズの被植率は 50%程度であった.9 月の調査では開花期であり莢をつけた個 体はなかった.典型的な野生ダイズよりも ツルの巻き方が弱く (Photo 2),葉が大きく (Photo 3),茎が太い (Photo 4) 個体を発見し, タグをつけておいた.栽培ダイズも開花中で あった.この一帯のダイズ畑はフクユタカの 種子採取圃場であった. 10 月の調査では,まず中間体の疑いのあ るタグをつけた個体を調べたところ,その 莢は明らかに典型的な野生ダイズよりも大き く,栽培ダイズよりも小さく,その長さは種 子が 3 つ入りの莢で 3 ∼ 4cm 程度であった. 野生の集団の中でも中間体の莢の大きさはひ ときわ目立つ.野生ダイズ集団の中で,その ような中間体がどの程度含まれているのか詳 細に観察したところ,少なくとも 8 個体の Fig. 3-2. A sketch map of 2004-13 site. Black circles by dotted line indicate sampling locations of 存在が確認された.その 8 個体は,野生集 enclosed wild soybean individuals at one meter intervals. White indicates the distribution area of intermediate 団の中でごく一部に広がっており,すべて 2 circle type. Crosses in the circle indicate fine scale localities of ∼ 3m 半径の円の中に含まれた (Fig. 3-2).莢 intermediate type. - 82 - や種子の大きさは中間的であったが,葉の 大きさは様々であった (Photo 5).その草 型はツル性ではあるものの,野生の茎に較 べて太いためか, ツルの巻き方は弱かった. セイタカアワダチソウ数個体の茎にまた がってツルを伸ばしていたものもあった. 分枝は,基部で二股に分かれている以外は ほとんどみられない.しかしこの時期には 莢がまだ完熟していなかったため,11 月 に三回目の調査を追加し,種子の大きさや 種皮色を確認するとともに他殖率や遺伝子 浸透を推定するための個体別サンプリング を行った. 三回目の調査により 8 個体の中間体の 種子を収集することができた (Photo 6). Fig. 3-3. A sketch map of 2004-20 site. Black ほとんどの野生ダイズは裂莢しており,栽 circles enclosed by dotted line indicate sampling locations of wild soybean individuals at one 培ダイズも落葉し,種子は完全に乾燥し meter intervals. Two crosses indicate localities of ていた.中間体は,裂莢性が野生種よりも intermediate type. 弱いのか,裂莢しているのは半数程度であった.2 ∼ 10 粒を用いて完熟種子重を計測し,その 平均を 100 粒重換算で算出したところ,CED2004_13A_70-77 のそれぞれ 8.8g,12.4g,7.1g, 9.8g,6.7g,12.3g,6.4g,6.3g となった (Table 2).野生種 ( バルクサンプル ) は 2.4g,栽培種 は 17.2g であることから,中間体は栽培種と野生種との中間の値を示したことになる.種皮色 は 8 個体のうち 7 個体は黒色であり,一個体は緑色であった.少なくとも黒色の種子は Fı 個体 についた種子ではないため,それらは F2 以降つまり,交雑が起こってから少なくとも 2 年間は その雑種後代が維持されていることが考えられる.また 8 個体の中間体の分布が,ごく局所的 であったことから,この中間体は共通の両親から派生した後代である可能性が高い.もしそうな らば,種皮色が緑よりも黒色の方が自生地における適応的に有利なのかもしれない.種皮色は自 生地で生き残るための適応形質のひとつとして着目すべきであろう. (2) 2004-20 サイト (Fig. 3-3) このサイトは,佐賀市の市街地から北東へ約 3km の地点で発見された.道路と用水路とに挟 まれたスロープに自生する野生ダイズの分布は,用水路に沿って約 400m の長さをもつ.道路 の反対側には,水田やダイズ畑が広がっている.野生ダイズと栽培ダイズとは約 5m の距離しか 離れていない.部分的であるが,ダイズ畑の畦に野生ダイズが生育しており,ダイズにツルを絡 ませていた.9 月の調査では,野生,栽培ともに開花していた.野生ダイズは 2m 程の高さを持 つセイタカアワダチソウに絡みついていたが,自生地の植被率は高くないため,日当たりは良好 であった.野生ダイズの中には栽培ダイズくらいの大きさをもつ葉や,つる性の弱い個体が確認 され,そのような個体にタグをつけておいた. 10 月の調査では,道路わきから 1 ∼ 2m の野生ダイズ自生地が草刈されていた.近辺のいく つかのサイト (2004-19, 20, 32, 38) でも草刈が見られたことから,9 月から 10 月の間に草刈を 行う習慣があると考えられる.タグの残っている個体をチェックしたものの,それらの種子形態 から中間体と判定されるものはなかった.しかし地点内の個体をさらに詳細にチェックすること により,2 個体の中間体を 1 箇所から発見することができた.その 2 個体は,道路わきから 2m - 83 - 程外側であったため,草刈されずに生き残っていたものである.道路を挟んで反対側には,水田 が広がっている.2 個体は 1m 離れており,あと 1m 道路から外側に行くと,灌漑用水の水面に いきつく.この時点では莢の大きさが明らかに大きかったものの未熟であったため種子の色はわ からなかった. 11 月の調査により中間体の種子を収集することができた (Photo 7).野生ダイズはほとんど裂 莢していた.一方で, ダイズ畑の持ち主によると正月前に収穫するという栽培ダイズは葉が落ち, 種子はすでに乾燥していた.そして中間体は半分以上裂莢していた.種子の色は緑色であり,個 体周辺に散布された種子を確認することができた.乾燥種子重は 100 粒重換算で,野生種 2.5g, 中間体① (CED2004_20A_49) 6.0g,中間体② (CED2004 _20A_50) 5.7g,栽培種 28.2g であっ た (Table 2).この中間体は,種皮色が緑色であったことから,比較的初期世代 (F1 または F2) で あると考えられる.他殖率や遺伝子浸透を推定するための個体別でサンプリングした.灌漑用水 路でヒシを収穫していた農家にインタビューしたところ,ダイズを作付する圃場は毎年ローテー ションさせており,中間体と反対側にあった水田も昨年はダイズが栽培されていたという.この ようにローテーションしているような場所では,中間体が必ずしもダイズ畑と接した場所から見 つかるわけではない. (3) 2004-39 サイト (Fig. 3-4) このサイトは,佐賀市の市街地から北東 へ 6km ほどの地点で発見された.野生ダイ ズは 20m ほどの用水路と道路に挟まれた傾 斜地に自生していた.道路の反対側は水田で あり,最も近いダイズ畑 ( 水田転換畑 ) はこ こから 20m 程離れている.9 月の調査では, 野生ダイズと栽培ダイズは開花していた.集 団の中に大きい葉をもつ個体が確認できた. 10 月にその個体を確認してみたところ, 大きい莢,黄色の種皮色を示す中間体であっ た (Photo 8).中間体は T 字路の直交する地 点に生育していた.そこは灌漑用水の水面か ら 1m 程の場所であった.乾燥種子重は,野 Fig. 3-4. A sketch map of 2004-39 site. 生種 2.9g,中間体 (CED2004_39A_51) 8.5g, Black circles enclosed by dotted line indicate sampling locations of wild soybean individuals 栽培種 23.2g であった (Table 2). at one meter intervals. A cross indicate locality 11 月にもう一度訪問し,他殖率や遺伝子 of intermediate type. 浸透を推定のためのサンプリングを実施し た.中間体は,莢の色が完全に乾燥し黒色になっているにもかかわらず,ほとんど裂莢していな かったことから,野生種の持つ裂莢性が部分的に欠落していると考えられる.また,この中間体 から一番近いダイズ畑までは 20m ほども離れており,そこから遺伝子流動する確率は非常に低 いため,付近の水田がかつてダイズの転換畑として利用されているときに自然交雑したものであ ろう.このように中間体は必ずしもダイズ畑の傍で発見されるわけではないことを再確認した. 種子の色が黄色であったこと,そしてたった 1 個体しか発見されなかったことから,その中間 体は F1 個体と考えられる. - 84 - Table 2. Variation of 100 seeds weight (g) of intermediate type found in 2004-13, 20 and 39 sites. 100 seeds weight was calculated from average weight of n seeds used. 2004-13 2004-20 2004-39 Intermediate 1 2 3 4 5 6 7 8 Cultivar Wild 8.8 g (n =10) 6.0 g (n =2) 12.4 g (n =10) 5.7 g (n =5) 7.1 g (n =10) 9.8 g (n =10) 8.3 g (n =8) 12.3 g (n =2) 8.0 g (n =8) 7.9 g (n =8) 17.2 g (n =3) 2.4 g (n =100) 28.2 g (n =3) 2.5 g (n =100) 8.6 g (n =10) 23.2 g (n =3) 2.9 g (n =100) 4. 全体のまとめと所感 本調査は,栽培ダイズから野生ダイズへの遺伝子浸透の実態を明らかにするために,秋田県大 曲市,茨城県下館市,愛知県安城市,広島県福山市,佐賀県佐賀市と日本各地にわたり,ダイズ 畑の周辺に着目することによって,栽培ダイズと野生ダイズとの中間体の探索に努めたものであ る.その結果,得られた知見は以下のとおりである. (1)秋田県 8 サイト,茨城県 6 サイト,愛知県 4 サイト,広島県 6 サイト,佐賀県 33 サイトの 合計 57 サイトを調査した.そのうち佐賀県の 3 サイト (2004-13, 20, 39) から,11 個体の中間 体を発見することができた.これまでに秋田県で中間体が発見されていることを考慮すると,日 本南北の各地で遺伝子浸透している可能性がある. (2)中間体の特徴は,莢が大きく ( 種子が 3 つ入りの莢で 4cm 程度 ),種子が大きく (100 粒重 6 ∼ 12g),比較的茎が太く蔓の巻き方が弱かった.種皮色が緑や黄色のものも 4 個体確認された. しかし,発見されてもごく少数であり,黒色の種皮色のものの割合が多かったことを考慮すると, 自然交雑してもその後に自生地で残りやすい表現形質と残りにくい表現形質があると考えられる. (3)中間体 11 個体の内訳は, 8 個体 (2004-13), 2 個体 (2004-20), 1 個体 (2004-39) であった.1) これらの中間体の近くにはダイズ畑 ( 水田転換畑 ) や水田が広がっていたこと,2) ダイズは 10m 以内で隣接していた場合に交雑する可能性が高くなる (Abud et al . 2003, Jeffery et al . 2003) こと, 3) 複数の中間体 (2004-18, 2004-20) は 3m の範囲とごく局所的であったことを考慮すると,こ れらの中間体は,近く (10m 程度 ) のダイズと 1 回(またはごく少数)の自然交雑により生じた ものと考えられる. (4)野生ダイズの開花期は,種子成熟の程度から推測も含め,南部 ( 佐賀,9 月初旬 ),中部 ( 茨城, 8 月下旬 ),北部 ( 秋田,8 月中旬 ) となり,南部では栽培ダイズの開花期と完全に同調していたが, そのピークは北部に行くにつれ野生種の方が遅くなる傾向がみられた.したがって,開花期の同 調性という観点では,自然交雑の確率は日本の南部のほうが高いと考えられる. (5)昨年発見された秋田県の中間体 (2004-2) を今年再発見することができなかった.その理由 として 1) 発芽したものの他種との競合などによって淘汰された,2) 種子が休眠している,などの 理由が考えられる. (6)野生ダイズは,水田,畑,灌漑用水路の周辺や工事現場など,人為撹乱が加わりやすく水 分条件の良い場所に自生していた.土砂の運搬のために削った山裾にも野生ダイズが発見された - 85 - (2004-49) ことから,鳥などの動物により種子散布される可能性が高い.さらに,数 km はなれ た山裾から運搬された土砂から野生ダイズが自生するケースが確認された (2004-12, 2004-48). 人が種子を拡散する可能性にも考慮すべきである. (7)今回の調査の過程で, 収集した遺伝資源は以下の通りである.野生ダイズは 29 サイトから, バルクサンプル 86 点,個体サンプル 395 点を収集した.また野生ダイズ−栽培ダイズ中間体 は 3 地点より 19 サンプル ( 時期の重複含む ) を収集した.そのほかに野生アズキ ( または雑草 アズキ ) のバルクサンプルを 11 サイトから 12 点,雑草タケツルアズキ (2004-19) のバルクサ ンプルを1点,雑草リョクトウ (2004-38) のバルクサンプルを 1 点,雑草ササゲ (2004-25) の バルクサンプルを 1 点,ジュズダマ 2 点 (2004-32A, 57) のバルクサンプルを収集した. このように本調査では,日本各地から遺伝資源の収集活動を行うとともに,野生ダイズと栽 培ダイズとの遺伝子浸透の実態を明らかにするうえでの基礎的な知見が得られた.今回の調査 により感じた事は,種子の大きさや種皮色から判別できる中間体は非常にまれであるというこ とだった.これまでの栽培実験から栽培ダイズと野生ダイズとの自然交雑率が,0.5 m で 5.89% (Nakayama & Yamaguchi, 2002) という記録や,野生ダイズの種子生産性を考慮すると,10m 以内で隣接するところでは少なくとも数個体くらいの中間体が見つかってもいいはずである.つ まり本調査の結果から,自生地における中間体の頻度はその栽培実験の値よりも明らかに少ない といえる.しかし,遺伝子浸透が表現形質と係わりなく進行する場合があることにも留意する必 要があろう.なぜなら自生地で淘汰される形質が栽培化関連形質などのように表現型で判別でき る形質に偏っている場合には,表現形質と無関係のゲノム領域では自然淘汰の影響を受けずに後 代へ引き継がれることが予測されるからである.そのため組換え遺伝子が自生地において残存性 がないと考えるのは早急である.これをあきらかにするためには,今回収集したサンプルを解析 することにより,少なくとも一年間にどのくらいの頻度で栽培から野生への遺伝子浸透が生じて いるかをまず算出する必要がある.それと同時に中間体の発見された地点において,栽培ダイズ 由来のアレル (allele) が野生ダイズ自生地でどの程度広がっているのかについても明らかにする 必要があろう.今後は,これらの解析を手がけるとともに,中間体自生地のモニタリングや新た な中間体自生地の探索などを行っていく予定である. 5. 引用文献 1)Abud S, Souza PIM, Moreira CT, et al . (2003) Gene flow in transgenic soybean in the Cerrado region, Brazil. Pesq . agropec . bras . 38, 1229-1235. 2)Dong YS, Zhuang BC, Zhao LM, Sun H, He MY (2001) The genetic diversity of annual wild soybeans grown in China. Theoretical and Applied Genetics 103, 98-103. 3)Fujita R, Ohara M, Okazaki K, Shimamoto Y (1997)The extent of natural cross-pollination in wild soybean (Glycine soja ). The Journal of Heredity 88, 124-128. 4)James C (2003) Preview: Global Status of Commercialized Transgenic Crops: 2003. ISAAA Briefs No. 30. ISAAA: Ithaca, NY. 5)Jeffery DR, Thomas CK, Craig AA, Robert LP (2003) Soybean natural cross-pollination rates under field conditions. Environmental Biosafety Research 2, 133-138. 6)Nakayama Y, Yamaguchi H (2002) Natural hybridization in wild soybean (Glycine max ssp. soja ) by pollen flow from cultivated soybean (Glycine max ssp. max ) in a designed population. Weed Biology and Management 2, 25-30. 7) 加 賀 秋 人, 友 岡 憲 彦,Ugen Phuntsho, 黒 田 洋 輔, 小 林 伸 哉, 伊 勢 村 武 久,Miranda- 86 - Jonson Gilda,Duncan Vaughan (2005) 野 生 ダ イ ズ と 栽 培 ダ イ ズ と の 自 然 交 雑 集 団 の探索と収集−秋田県および広島県における調査―,植探報 ( 印刷中 ). 8)Ritland K (1990) A series of FORTRAN computer programs for estimating plant mating systems. J.Heredity 81, 235-237. 9)喜多村啓介,石本政男 (1989) 中部地域の野生ダイズ ( ツルマメ ) の収集,農研センター, 1988 年 . 植探報 Vol.5, 81-84. 10)農林水産統計 (2004) 平成 16 年産大豆,小豆,いんげん及びらっかせい ( 乾燥子実 )・ そばの収穫量 . http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/daizu2004/daizu2004.pdf - 87 - Table 3. A list of collection and passport data of the collected sites in 2004 Site No. Date of Date of CED No. first visit collection Species Status Pref 2004_01 13-Jul 2004_02A 13-Jul 5-Oct - G. soja CED2004_02A_01-56 G. soja Wild Wild Latitude Locality Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) District or city Longitude Altitude Topography Population Growth stage at size (mxm) collection date Seed samples Habitat Nearest dist. Remarks from soybean Village Senhoku ( 仙北郡 ) Nakasen ( 仲仙町 ) N39 32 Senhoku ( 仙北郡 ) E140 32 Kakunodate ( 角館町 ) N39 34 103 m Plain - 1x10, 5x5 Mountai n s 3x50 E140 31 - - Slope of irrigation, river bank 5m prematurity, 56 individuals Slope of paddy 15 m maturity = 2003-36 site = 2003-39 site ntermediate wild-cultivated soybean were collected in 2003. = 2003-39 site 2004_02B 13-Jul 5-Oct CED2004_02B_01 G. soja Wild Akita ( 秋田県 ) Senhoku ( 仙北郡 ) Kakunodate ( 角館町 ) N39 34 - Mountai n s 5x300 maturity bulk (300 m) Roadsidearea 2004_02B 13-Jul 5-Oct CED2004_02B_02 G. soja Wild (larger Akita ( 秋田県 ) Senhoku ( 仙北郡 ) E140 31 Kakunodate ( 角館町 ) N39 34 - Mountai n s 5x300 prematurity, bulk (300 m) Slope of paddy, roadsidearea 15 m = 2003-39 site CED2004_02C_01 pod) V. angularis var. Wild Senhoku ( 仙北郡 ) E140 31 Kakunodate ( 角館町 ) N39 34 - Mountai n s maturity maturity bulk Slope of paddy - = 2003-39 site - nipponensis G. soja Senhoku ( 仙北郡 ) Nakasen ( 仲仙町 ) E140 31 N39 33 - Plain 50x50 - - wet area nearby paddy - - Nakasen ( 仲仙町 ) E140 33 N39 32 - Plain 5x5 - - fringe area of soybean field 5m - E140 34 N39 24 - Plain 30x30, 30x30 prematurity, 1m = 2003-30 site 2004_02C 13-Jul 2004_03 2004_04 13-Jul 13-Jul 2004_05A 13-Jul 6-Oct 4-Oct - G. soja CED2004_05A_01-12 G. soja Wild Wild Wild Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Senhoku ( 仙北郡 ) Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 2004_05A 13-Jul 2004_05A 13-Jul 2004_05A 13-Jul - 88 - 2004_05B 13-Jul 2004_05B 13-Jul 4-Oct 6-Oct 4-Oct 4-Oct 4-Oct CED2004_05A_13-24 G. soja CED2004_05A_25 G. soja CED2004_05A_26-32 G. max CED2004_05B_01-12 G. soja CED2004_05B_13-24 G. soja 2004_05C 13-Jul 6-Oct CED2004_05C_01-37 G. soja 2004_05C 13-Jul 6-Oct CED2004_05C_38 2004_06 13-Jul 2004_07A 14-Jul 2004_07A 14-Jul 5-Oct 5-Oct - G. max G. soja CED2004_07A_01-12 G. soja CED2004_07A_13-24 G. soja G. soja 2004_07A 14-Jul 5-Oct CED2004_07A_25 2004_07B 14-Jul 5-Oct CED2004_07B_01-12 G. soja Wild Wild (large pod) Cultivated Wild Wild Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) N39 24 Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 N39 24 Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 N39 24 Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 N39 24 Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 N39 24 bulk (5 m) x 12 Ridge, inside area maturity - 15 m of unused paddy Plain 30x30, 30x30 prematurity, 12 individuals Ridge, inside area 1m = 2003-30 site - Plain 1 individual maturity prematurity 1 individual of unused paddy Unused reclaimed land 15 m = 2003-30 site - Plain 100x100> maturity 7 individuals Soybean field - = 2003-30 site - Plain 5x100 prematurity, bulk (5 m) x 12 Roadside area 1m = 2003-30 site 5x100 maturity prematurity, 12 individuals Roadside area 1m = 2003-30 site - Plain Wild Akita ( 秋田県 ) Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 N39 24 - Plain 5x100 maturity prematurity, 12 individuals Roadside area 1m = 2003-30 site Cultivated Akita ( 秋田県 ) Ohmagari ( 大曲市 ) Uchiotomo ( 内小友 ) E140 28 N39 24 - Plain 20x40 maturity maturity bulk Soybean field - = 2003-30 site Senhoku ( 仙北郡 ) Nishisenhoku E140 28 N39 33 - Plain 2x10, 2x10 - - Fringe of unused paddy - = 2003-34 site Senhoku ( 仙北郡 ) ( 西仙北町 ) Nishisenhoku E140 22 N39 33 22 m Plain 3x50, 3x50 prematurity, bulk (5 m) x 12 Fringe of unused paddy, Senhoku ( 仙北郡 ) ( 西仙北町 ) Nishisenhoku E140 19 N39 33 E 3x50, 3x50 maturity prematurity, 12 individuals unused area under highway Fringe of unused paddy, 1m 140 19 N39 33 22 m Plain 1individual maturity prematurity, 1 individual unused area under highway unused area under highway 1 m Wild Wild Wild Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) Akita ( 秋田県 ) 22 m Plain 1m Wild Akita ( 秋田県 ) Senhoku ( 仙北郡 ) ( 西仙北町 ) Nishisenhoku (large pod) Wild Akita ( 秋田県 ) Senhoku ( 仙北郡 ) ( 西仙北町 ) Nishisenhoku E140 19 N39 33 22 m Plain 3x100 maturity maturity bulk (5 m) x 12 unused area under highway 50 m E140 19 N39 33 22 m Plain 3x100 maturity 12 individuals unused area under highway 50 m - Plain several - - fringe of paddy - - - Slope of irrigation 15 m = 2003-40 site 2004_07B 14-Jul 5-Oct CED2004_07B_13-24 G. soja Wild Akita ( 秋田県 ) Senhoku ( 仙北郡 ) ( 西仙北町 ) Nishisenhoku 2004_08 - - G. soja Wild Hiroshima Mihara ( 三原市 ) ( 西仙北町 ) Kosaka ( 高坂町 ) E140 19 N34 25 Wild ( 広島県 ) Hiroshima Mihara ( 三原市 ) Numatahigashi E132 60 N34 23 - Plain individuals 2x20 Wild ( 広島県 ) Hiroshima Mihara ( 三原市 ) ( 沼田東町 ) Hongo ( 本郷町 ) E133 02 N34 24 9m Plain 10x10 maturity bulk fringe of field, river bank 10 m = 2003-39.5 site Wild ( 広島県 ) Hiroshima Hongo ( 本郷町 ) E133 59 N34 24 9m Plain 5x20 maturity bulk fringe of field, river bank 100 m> = 2003-39.5 site Wild ( 広島県 ) Hiroshima Hongo ( 本郷町 ) E133 59 N34 24 9m Plain 3x10 maturity bulk fringe of field, river bank 100 m> = 2003-39.5 site Wild ( 広島県 ) Hiroshima Fukuyama ( 福山市 ) Ekiya ( 駅家町 ) E133 59 N34 32 - Plain 50x100 maturity bulk Slope of irrigation, wet area 20 m V. angularis var. Wild ( 広島県 ) Hiroshima Fukuyama ( 福山市 ) Ekiya ( 駅家町 ) E133 18 N34 32 - Plain 10x10 maturity bulk of reclaimed land wet area of reclaimed land nipponensis ( 広島県 ) 2004_09 15-Jul 15-Jul 2004_11A 15-Jul 2004_11B 15-Jul 2004_11C 15-Jul 2004_12 2004_12 15-Jul 15-Jul 12-Nov 12-Nov 12-Nov 12-Nov 12-Nov CED2004_11A_01 CED2004_11B_01 CED2004_11C_01 CED2004_12_01 CED2004_12_02 G. soja G. soja G. soja G. soja G. soja Mihara ( 三原市 ) Mihara ( 三原市 ) E133 18 - Table 3 (continued). Site No. Date of Date of CED No. first visit collection Species Status Latitude Locality Pref District or city Longitude - 89 - 10-Nov CED2004_13A_01-12 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_13A 31-Aug 10-Nov CED2004_13A_13-62 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_13A 31-Aug 10-Nov CED2004_13A_63 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_13A 31-Aug 18-Oct CED2004_13A_64-69 G. soja Weedy Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_13A 31-Aug 10-Nov CED2004_13A_70-77 G. soja Weedy Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_13A 31-Aug 10-Nov CED2004_13A_78-83 G. max Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_13B 31-Aug 10-Nov CED2004_13B_01-12 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Mikatsuki ( 三日月町 ) 2004_14 31-Aug 10-Nov CED2004_14_01 Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kase ( 嘉瀬町 ) 2004_14 31-Aug 10-Nov CED2004_14_02 Weedy Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kase ( 嘉瀬町 ) 2004_14 31-Aug 10-Nov CED2004_14_03 V. angularis Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kase ( 嘉瀬町 ) 2004_15 31-Aug - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀郡 ) Yamato ( 大和町 ) 2004_16 31-Aug 10-Nov CED2004_16_01 Weedy Saga ( 佐賀県 ) Taku ( 多久市 ) Mutabe ( 牟田辺 ) 2004_17 31-Aug - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kishima ( 杵島郡 ) Kitagata ( 北方町 ) 2004_18 31-Aug - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Takeo ( 武雄市 ) Okinaga ( 沖永 ) 2004_19 31-Aug 10-Nov CED2004_19_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) nipponensis V. angularis var. nipponensis V. angularis var. nipponensis Wild 2004_19 31-Aug 10-Nov CED2004_19_02 G. soja Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_19 31-Aug 19-Oct CED2004_19_03 V. umbellata Weedy Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_19 31-Aug 10-Nov CED2004_19_04 V. umbellata Weedy Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20A 1-Sep 10-Nov CED2004_20A_01-12 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20A 1-Sep 10-Nov CED2004_20A_13-47 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20A 1-Sep 10-Nov CED2004_20A_48 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20A 1-Sep 18-Oct CED2004_20A_49-50 G. soja Weedy Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20A 1-Sep 10-Nov CED2004_20A_51 G. soja Weedy Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20A 1-Sep 10-Nov CED2004_20A_52 G. max Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_20B 1-Sep 10-Nov CED2004_20B_01-12 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Kose ( 巨勢町 ) 2004_21 1-Sep - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) 2004_22 1-Sep - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) 2004_23 1-Sep - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) 2004_24 1-Sep - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) 2004_25 1-Sep - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀郡 ) (indifinite stem) Topography Population size Growth stage at (mxm) collection date Seed samples Nearest dist. Habitat from soybean Village 2004_13A 31-Aug V. angularis var. Altitude Morodomi ( 諸富町 ) N33 16 E130 14 N33 16 E130 14 N33 16 E130 14 N33 16 E130 14 N33 16 E130 14 N33 16 E130 14 N33 16 E130 14 N33 15 E130 15 N33 15 E130 15 N33 15 E130 15 N33 18 E130 14 N33 16 E130 08 N33 13 E130 03 N33 12 E130 03 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 20 N33 16 E130 21 N33 16 E130 22 N33 16 E130 23 N33 16 E130 25 N33 14 E130 23 - Plain 3x70 maturity 12 individuals Slope of irrigation 3m - Plain 3x70 maturity 50 individuals Slope of irrigation 3m - Plain 3x70 maturity bulk Slope of irrigation 3m - Plain 3x3 maturity 6 individuals Slope of irrigation 3m - Plain 3x3 maturity 8 individuals Slope of irrigation 3m - Plain 300x300> maturity 6 individuals Soybean field - 22 m Plain 20x20 maturity 12 individuals Unused paddy 50 m - Plain 1individual maturity bulk Slope of raiload line - - Plain maturity bulk Slope of raiload line - - Plain 3x10 maturity bulk Slope of raiload line - - Plain 2x10 - - Slope of irrigation 5m - Mountai n s 2x100 maturity bulk Slope of stream bank - - Plain 2x30 - - ridge of soybean field 5m - Plain 2x15 - - ridge of soybean field 5m - Plain 3x50 maturity bulk Slope of irrigation 5m several individuals several - Plain maturity bulk Slope of irrigation 5m - Plain 3x20 maturity bulk Slope of irrigation - - Plain 3x20 maturity bulk Slope of irrigation - - Plain 3x300 maturity 12 individuals Slope of irrigation individuals 3m - Plain 3x300 maturity 35 individuals Slope of irrigation - Plain 3x300 maturity bulk - Plain 2 individual maturity 2 individual Slope of irrigation 10 m - Plain 1 individual maturity 1 individual Slope of irrigation 10 m Soybean field - Slope of irrigation, fringe of soybean field 3m 1m - Plain 1 individual maturity 1 individual 6m Plain 3x50 maturity 12 individuals Slope of irrigation 50 m 10 m plain 3x50, 3x20 - - Slope of irrigation 5m - plain 3x20 - - Slope of irrigation 10 m - plain 3x20 - - Slope of irrigation 5m - plain 50x50 - - Riverbank 100 m > - plain 7x100 - - Slope of riverbank 10 m Remarks Table 3 (continued). Site No. Date of Date of CED No. first visit collection Species Status Pref 2004_25 2004_25 2004_26 2004_27 2004_27 2004_27 2004_28 1-Sep 1-Sep 1-Sep 1-Sep 1-Sep 1-Sep 1-Sep 2004_29A 1-Sep 2004_29B 1-Sep 10-Nov 10-Nov - V. anguralis var. - nipponensis V. unguiculata - G. soja G. soja - V. anguralis var. - nipponensis V. anguralis var. - nipponensis G. soja CED2004_29A_01 CED2004_29B_01 G. soja G. soja Wild Weedy Wild Wild Wild Weedy Wild Wild Wild Latitude Locality Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) District or city Saga ( 佐賀郡 ) Longitude Altitude Topography Population size Growth stage at (mxm) collection date Seed samples Nearest dist. Habitat from soybean Village Morodomi ( 諸富町 ) N33 14 - a few plants Slope of riverbank Morodomi ( 諸富町 ) E130 23 N33 14 - a few plants Slope of riverbank Kwasoe ( 川副町 ) E130 23 N33 11 - plain 2x50 - - Slope of irrigation 10 m Higashiyoka ( 東与賀町 ) E130 18 N33 11 - plain 10x10 - - area for construction 20 m Higashiyoka ( 東与賀町 ) E130 17 N33 11 - several - - area for construction - Higashiyoka ( 東与賀町 ) E130 17 N33 11 - individuals several - - area for construction - Ashikari ( 芦刈町 ) E130 17 N33 12 - plain individuals 2x10 - - slope of irrigation 20 m Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) E130 12 N33 09 - Plain 3x70 maturity bulk Fringe of irrigation 5m Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) E130 10 N33 09 - Plain 10x10 maturity bulk fringe of soybean field 15m Saga ( 佐賀郡 ) Saga ( 佐賀郡 ) Saga ( 佐賀郡 ) Saga ( 佐賀郡 ) Saga ( 佐賀郡 ) Ogi ( 小城郡 ) 2004_29B 1-Sep 10-Nov CED2004_29B_02 G. max Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) E130 10 N33 09 - Plain 7 individuals maturity bulk (2 indi) slope of bank - 2004_29C 1-Sep 10-Nov CED2004_29C_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) E130 10 N33 09 - Plain 5x50 maturity bulk slope of bank 5m Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) E130 10 N33 09 - Plain 5x20 maturity bulk fringe of soybean field 5m Kishima ( 杵島郡 ) Ariake ( 有明町 ) E130 10 N33 08 7m plain 2x20 - - slope of irrigation 100 m> Kishima ( 杵島郡 ) Ariake ( 有明町 ) E130 09 N33 08 - a few plants - - slope of irrigation - Ogi ( 小城郡 ) Ushizu ( 牛津町 ) E130 09 N33 15 - 5x10 - - slope of riverbank 5m Ushizu ( 牛津町 ) E130 12 N33 15 - a few plants - - slope of riverbank - Ushizu ( 牛津町 ) E130 12 N33 15 - a few plants - - slope of riverbank - Muta ( 牟田 ) E130 12 N33 16 - Plain 3x100 maturity 12 individuals slope of irrigation 5m Muta ( 牟田 ) E130 20 N33 16 - Plain 3x50, 3x100, maturity bulk 5m 2004_29D 1-Sep - 90 - 2004_30 2004_30 2004_31 2004_31 2004_31 1-Sep 1-Sep 1-Sep 1-Sep 1-Sep 2004_32A 2-Sep 2004_32A 2-Sep 10-Nov 11-Nov 11-Nov CED2004_29D_01 - G. soja G. soja - V. anguralis var. - nipponensis G. soja - V. anguralis var. - nipponensis V. anguralis var. CED2004_32A_01-12 nipponensis G. soja CED2004_32A_13 G. soja Wild Wild Wild Wild Wild Weedy Wild Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Ogi ( 小城郡 ) Ogi ( 小城郡 ) Saga ( 佐賀市 ) Saga ( 佐賀市 ) plain slope of irrigation 2004_32A 2-Sep 11-Nov CED2004_32A_14-16 G. max Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Muta ( 牟田 ) E130 20 N33 16 - Plain 3x20 100x100> maturity 3 individuals Soybean field - 2004_32A 2-Sep 11-Nov CED2004_32A_17 C. lacryma-jobi Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Muta ( 牟田 ) E130 20 N33 16 - Plain a few maturity bulk slope of irrigation - 2004_32B 2-Sep 11-Nov CED2004_32B_01-12 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Muta ( 牟田 ) E130 20 N33 16 - Plain individuals 3x50 maturity 12 individuals slope of irrigation 50 m Fukuoka ( 福岡県 Kurume ( 久留米 Yasutakemachitakeshima E130 20 N33 18 - Plain 3x100 prematurity, maturity bulk slope of irrigation 5m ) 市) E130 28 2004_33 2-Sep 19-Oct CED2004_33_01 G. soja Wild ( 安武町武島 ) 2004_34 2-Sep - - G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Miyaki ( 三養基郡 Mine ( 三根町 ) N33 16 - plain 50x50 - - riverbank 100 m> 2004_35 2-Sep - - V. anguralis var. Wild Saga ( 佐賀県 ) ) Miyaki ( 三養基郡 Kamimine ( 上峰町 ) E130 27 N33 21 - hills 5x5 - - reclaimed land - - nipponensis V. anguralis Saga ( 佐賀県 ) ) Miyaki ( 三養基郡 Kamimine ( 上峰町 ) E130 26 N33 21 - 1x20 - - ridge of soybean field - Saga ( 佐賀県 ) ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Kanzaki ( 神崎町 ) E130 26 N33 20 - plain 5x10, 5x10, - - slope of irrigation, area 100 m> Saga ( 佐賀市 ) E130 22 N33 17 Plain 3x10 10x10, 5x20 flowering, prematurity, bulk for construction unused field, fringe of maturity paddy and soybean field 2004_35 2004_36 2004_37 2-Sep 2-Sep 2-Sep 19-Oct CED2004_37_01 G. soja G. soja Cultivated Wild Wild Saga ( 佐賀県 ) Hottate ( 掘立町 ) E130 20 - 5m Remarks Table 3 (continued). Date Site No. of first visit 2004_37 2-Sep Date of CED No. collection 19-Oct CED2004_37_02_11 Species G. soja Status Pref Wild Latitude Locality Saga ( 佐賀県 ) District or city Saga ( 佐賀市 ) Longitude Altitude Topography Population Growth stage at size (mxm) collection date 2-Sep 18-Oct CED2004_37_12 V. radiata Weedy 2004_38 2-Sep 11-Nov CED2004_38_01 G. soja Wild (large Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Habitat dist. from soybean Village Hottate ( 掘立町 ) N33 17 - Plain 10x10, 5x20 E130 20 2004_37 Nearest Seed samples Saga ( 佐賀市 ) Hottate ( 掘立町 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) N33 17 prematurity, 10 individuals maturity unused field, fringe of paddy and 5 m soybean field - Plain 5x20 maturity bulk fringe of paddy, unused field - 9m Plain 2x20 maturity bulk fringe of irrigation 5m E130 20 leaf) 2004_39A 2004_39A 2004_39A 2004_39A 2004_39B 2-Sep 2-Sep 2-Sep 2-Sep 2-Sep 10-Nov 10-Nov 19-Oct 10-Nov 10-Nov CED2004_39A_01-49 G. soja CED2004_39A_50 CED2004_39A_51 CED2004_39A_52 G. soja G. soja G. soja CED2004_39B_01-12 G. soja 2004_39B 2-Sep 10-Nov CED2004_39B_13, 14 G. max 2004_39B 2-Sep 10-Nov CED2004_39B_15 V. angularis var. CED2004_39B_16 nipponensis V. angularis 2004_39B 2004_40 - 91 - 2004_41 2004_42 2-Sep 2-Sep 2-Sep 10-Nov 11-Nov 10-Sep 15-Oct CED2004_41_01 CED2004_42_01-12 G. soja G. soja G. soja Wild N33 17 E130 21 Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain 3x50 maturity 49 individuals fringe of irrigation 50 m Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain 3x50 maturity bulk fringe of irrigation 50 m Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain 1 individual maturity 1 individual fringe of irrigation 50 m Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain 1 individual maturity 1 individual fringe of irrigation 50 m Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain 30x50 maturity 12 individuals fringe of irrigation 5m Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain 2 individual maturity 2 individual Soybean field - Weedy Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain maturity bulk Soybean field - Kanzaki ( 神崎郡 ) E130 21 Chiyoda ( 千代田町 ) N33 16 7m Plain maturity bulk Soybean field - Touzai ( 東西 ) E130 21 N33 15 8m plain 2x20 - - fringe of irrigation 10 m Kose ( 巨勢町 ) E130 21 N33 15 9m Plain 5x5, 5x200 maturity bulk fringe of irrigation 5m Akeno ( 明野町 ) E130 21 N36 17 - Plain 3x100 maturity 12 individuals fringe of irrigation and soybean field 1 m - Plain 3x100 maturity bulk fringe of irrigation and soybean field 1 m - Plain 100x100> maturity 4 individuals Soybean field Wild Weedy Weedy Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Cultivated Saga ( 佐賀県 ) Wild Wild Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Saga ( 佐賀市 ) Ibaraki ( 茨城県 ) Makabe ( 真壁郡 ) 2004_42 10-Sep 15-Oct CED2004_42_13 G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Makabe ( 真壁郡 ) Akeno ( 明野町 ) E140 00 N36 17 2004_42 10-Sep 15-Oct CED2004_42_14-17 G. max Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Makabe ( 真壁郡 ) Akeno ( 明野町 ) E140 00 N36 17 E Wild 140 00 Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Higashiyono ( 東榎生 N36 18 43m Plain 5x300 > maturity 12 individuals fringe of irrigation, riverbank 50 m> Wild ) E139 60 Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Higashiyono ( 東榎生 N36 18 43m Plain 5x300 > maturity bulk fringe of irrigation, riverbank 50 m> Wild ) Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Yanaka ( 谷中 ) E139 60 N36 19 - plain 2x10 - - area for construction 100 m> Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) E139 58 N36 19 34m Plain 7x500 prematurity, bulk slope of highway, fringe of paddy 3m bulk 2004_43 2004_43 2004_44 2004_45 10-Sep 15-Oct 10-Sep 15-Oct 10-Sep 10-Sep 15-Oct CED2004_43_01-12 CED2004_43_13 CED2004_45_01 G. soja G. soja G. soja G. soja Wild - 2004_45 10-Sep 4-Nov CED2004_45_02 G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) E139 60 N36 19 34m Plain 7x500 maturity maturity slope of highway, fringe of paddy 3m 2004_45A 10-Sep 4-Nov CED2004_45A_01-12 G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) E139 60 N36 19 34m Plain 7x200 maturity 12 individuals slope of highway, fringe of paddy 3m 2004_45A 10-Sep 4-Nov CED2004_45A_13 G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) E139 60 N36 19 34m Plain 7x200 maturity bulk slope of highway, fringe of paddy 3m Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) E139 60 N36 19 34m Plain 1 individual maturity 1 individual slope of highway, fringe of paddy 5m 2004_45A 10-Sep 4-Nov CED2004_45A_14 G. soja Wild (large grain) E139 60 Remarks Table 3 (continued). Date Site No. of first visit Date of CED No. collection Species Status Pref 2004_45A 10-Sep 4-Nov CED2004_45A_15-23 G. max Latitude Locality Longitude District or city 10-Sep 4-Nov CED2004_45B_01_12 G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) 2004_45B 10-Sep 4-Nov CED2004_45B_13 G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) 2004_45B 10-Sep 4-Nov CED2004_45B_14 nipponensis Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) 2004_46 10-Sep - - G. soja Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Tsukuba ( つくば市 ) Hakke ( 百家 ) 2004_47 6-Oct 6-Oct CED2004_47_01 G. soja Wild Akita ( 秋田県 ) Ohmagari ( 大曲市 ) Kawanome ( 川目 ) 2004_47 6-Oct 6-Oct CED2004_47_02 Wild Akita ( 秋田県 ) Ohmagari ( 大曲市 ) Kawanome ( 川目 ) 2004_48 23-Sep - Wild Aichi ( 愛知県 ) Nishio ( 西尾市 ) Ietake ( 家武町 ) - V. angularis var. nipponensis G. soja - 92 - 2004_49 23-Sep - - G. soja Wild Aichi ( 愛知県 ) Nukata ( 額田郡 ) Kota ( 幸田町 ) 2004_50 23-Sep - - G. soja Wild Aichi ( 愛知県 ) Nukata ( 額田郡 ) Kota ( 幸田町 ) 2004_51 23-Sep - - G. soja Wild Aichi ( 愛知県 ) Nukata ( 額田郡 ) Kota ( 幸田町 ) 2004_52 10-Nov 10-Nov CED2004_52_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) Weedy Saga ( 佐賀県 ) Kishima ( 杵島郡 ) Shiroishi ( 白石町 ) Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀郡 ) Weedy Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀郡 ) 2004_52 10-Nov 10-Nov CED2004_52_02 2004_53 10-Nov 10-Nov CED2004_53_01 2004_53 10-Nov 10-Nov CED2004_53_02 V. angularis var. nipponensis G. soja V. angularis var. nipponensis N36 19 E139 60 N36 19 E139 60 N36 19 E139 60 N36 19 E139 60 N36 06 E140 03 N39 26 E140 29 N39 26 E140 29 N34 52 E137 07 N34 51 E137 08 N34 51 E137 10 N34 52 E137 10 N33 10 E130 09 N33 10 E130 09 Higashiyoka ( 東与賀 N33 13 町) E130 18 Higashiyoka ( 東与賀 N33 13 町) E130 18 N33 15 2004_54 11-Nov 11-Nov CED2004_54_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Chiyoda ( 千代田町 ) 2004_55 11-Nov 11-Nov CED2004_55_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Kanzaki ( 神崎町 ) 2004_56 11-Nov 11-Nov CED2004_56_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Kanzaki ( 神崎町 ) 2004_57 11-Nov 11-Nov CED2004_57_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Kanzaki ( 神崎町 ) 2004_57 11-Nov 11-Nov CED2004_57_02 C. lacryma-jobi Wild Saga ( 佐賀県 ) Kanzaki ( 神崎郡 ) Kanzaki ( 神崎町 ) 2004_58 11-Nov 11-Nov CED2004_58_01 G. soja Wild Saga ( 佐賀県 ) Saga ( 佐賀市 ) Hiemaki ( 稗蒔 ) Sera ( 世羅郡 ) Kurobuchi ( 黒渕 ) - Sera ( 世羅郡 ) Kurobuchi ( 黒渕 ) Sera ( 世羅郡 ) 2004_59 12-Nov 12-Nov CED2004_59_01 G. soja Wild 2004_59 12-Nov 12-Nov CED2004_59_02 G. max Cultivated V. angularis var. Hiroshima ( 広島 県) Hiroshima ( 広島 県) Hiroshima ( 広島 Population Growth stage at size (mxm) collection date Nearest Seed samples Habitat dist. from soybean Village Cultivated Ibaraki ( 茨城県 ) Shimodate ( 下館市 ) Kawasumi ( 川澄 ) 2004_45B V. angularis var. Altitude Topography 34m Plain 100x100> maturity 9 individuals 34m Plain 7x200 maturity 12 individuals slope of highway, fringe of paddy 3m 34m Plain 7x200 maturity bulk slope of highway, fringe of paddy 3m 34m Plain 50x50 maturity bulk slope of highway, fringe of paddy - 18 m plain 5x20 - - fringe of paddy 100 m > 34m Plain 3x3, 1x3 maturity bulk fringe of soybean field 5m 34m Plain 20x20 past maturity bulk unused roadside area - 2x50 - - fringe of ditch 3m 12 m plain 33 m mountains ー plain 21 m plain Soybean field open space where soil was taken - 50x50 - - 2x5, 2x5 - - fringe of soybean field 5m 2x10, 2x5 - - fringe of irrigation 3m from mountain slope 100 m> - Plain 3x50 maturity bulk fringe of irrigation 50 m> - Plain 3x10 maturity bulk fringe of irrigation - - Plain 5x5, 5x10 maturity bulk unused land under highway 20 m - Plain 10x30 maturity bulk unused land under highway - fringe of irrigation, paddy and - Plain 3x300 maturity bulk 7m Plain 3x100 maturity bulk fringe of irrigation 5m 13m Plain 3x20 maturity bulk fringe of irrigation 15 m - Plain 3x20, 3x20 maturity bulk fringe of irrigation 5m - Plain 3x3 maturity bulk fringe of irrigation - 20m Plain 3x50, 3x10 maturity bulk fringe of irrigation 20 m - Mountai n s 3x5 maturity bulk Slope of soybean field 1m - - Mountai n s 100x100 maturity bulk soybean field - Kurobuchi ( 黒渕 ) - - Mountai n s 5x20 maturity bulk Slope of soybean field 20 m E130 21 N33 17 E130 26 N33 17 E130 23 N33 17 E130 22 N33 17 E130 22 N33 16 E130 20 soybean field 5m 2004_59 12-Nov 12-Nov CED2004_59_03 2004_60 12-Nov 12-Nov CED2004_60_01 G. soja Wild - - Mountai n s 3x5 maturity bulk Slope of stream 10-Sep 4-Nov CED2004_61_01 G. soja Wild Sera ( 世羅郡 ) 県) Ibaraki ( 茨城県 ) Makabe ( 真壁郡 ) Yotani ( 陽谷 ) 2004_61 Makabe ( 真壁町 ) N36 14 - Plain 3x50 maturity bulk slope between soybean field and road 5 m 2004_61 10-Sep 4-Nov CED2004_61_02 V. angularis var. Wild Ibaraki ( 茨城県 ) Makabe ( 真壁郡 ) Makabe ( 真壁町 ) E140 04 N36 14 - Plain 5 individuals past maturity bulk slope between soybean field and road - nipponensis nipponensis Wild 県) Hiroshima ( 広島 E140 04 Remarks Photo 1. Variation of leaf size in 2004-38 site. From left to right, putative intermediate type, the typical wild soybean and the cultivated soybean. Photo 2. The intermediate type (right) has a weaker degree of twinning than the typical wild type(left). Photo 4. The intermediate type(upper) has a robuster stem than the wild type (lower) at 2004-13 site. Photo 3. Leaves of the wild type(upper), the intermediate type(left) and cultivated type(right) at 2004-13 site. - 93 - Photo 5. Variation of leaf and pod sizes at 2004-13 site. The left side is typical wild type and the right side is cultivated type. The remaining four in between are the intermediate types. Photo 6. Variation of pod size, seed size and seed coat color at 2004-13 site. The the left and and next samples the upper line are the cultivated and the typical wild types. The remaining 8 samples belong to the intermediate type. Photo 8. Variation of pod size, seed size and seed coat color at 2004-39 site. The left, center and right samples were the cultivated, typical wild and the intermediate types, respectively. Photo 7. Variation of pod size, seed size and seed coat color at 2004-20 site. The left end and next samples are cultivated and the typical wild types. The remaining 2 samples belong to the intermediate type. - 95 - 〔植探報 Vol.21: 97 ∼ 103, 2005〕 石垣島におけるマメ類および共生微生物遺伝資源多様性の 現地調査と保全 友岡 憲彦 1)・黒田 洋輔 1)・横山 正 2)・柏葉 晃一 3)・加賀 秋人 1)・ 伊勢村 武久 1)・Duncan A. Vaughan 1) 1) 農業生物資源研究所・遺伝資源研究グループ・集団動態研究チーム 2) 東京農工大学・農学部 3) 国際農林水産業研究センター・沖縄支所 Ecological Survey and Conservation of Legumes - symbiotic Rhizobia Genetic Diversity from Ishigaki Island, Okinawa, Japan, 2004 Norihiko TOMOOKA1), Yosuke KURODA1) , Tadashi YOKOYAMA2), Kouichi KASHIWABA3), Akito KAGA1), Takehisa ISEMURA1) and Duncan A. VAUGHAN1) 1) National Institute of Agrobiological Sciences , Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan 2) Tokyo University of Agriculture and Technology, Fuchu ,Tokyo 183-8509, Japan 3) Okinawa Branch, Japan International Research Center for Agricultural Science , Ishigaki, Okinawa 907-0002, Japan Summary A field survey was conducted for the conservation of legumes and symbiotic rhizobia genetic diversity on Ishigaki island, Okinawa prefecture, Japan from September 28 to 30, 2004. A total of 23 nodule samples from 16 legume species were collected. Nine nodule samples were collected mainly from the cultigens (pigeon pea, lima bean, cowpea, hyacinth bean, creole bean and winged bean) cultivated in an experimental field of Okinawa Subtropical station, JIRCAS. Fourteen nodule samples were collected from wild legumes (Vigna marina , V. riukiuensis , Macroptilium atropurpureim , Canavalia lineata , Glycine koidzumii , V. luteola and V. reflexo-pilosa ) growing in natural habitats. Introduction Most legume species form root nodules which can fix atmospheric nitrogen. Root nodules - 97 - are formed by soil bacteria called rhizobium. Among nodule forming bacteria, those in the genus Bradyrhizobium form nodules on soybean roots and is the target bacteria taxa in the present survey. The genus Bradyrhizobium currently consists of six species, B. japonicum , B. elkanii , B. liaoningense , B. betae, B.yuanmingense and B. canariense . Recently many strains of root nodulating bacteria have been collected from wild Vigna plants in Thailand. These bacteria belong to the genus Bradyrhizobium and have novel and diverse nod gene RFLP types (Yokoyama et al ., 2005). These Vigna Bradyrhizobium strains produce diverse Nod factor (signal compound produced by bacteria to initiate nodule formation) and can form nodules on soybean. Wild Vigna plants are adapted to various environmental conditions such as in dry sandy soils, marsh land or lime stone areas in Thailand (Tomooka et al ., 2002). Therefore, it is expected that these Bradyrhizobium strains are also adapted to various environmental conditions and can be gene resources for improving the soybean symbiotic system. The objective of the present survey was to collect and conserve legumes (especially wild Vigna ) and nodule forming bacteria from varied environments on the subtropical island of Ishigaki, Japan. Methods The field survey was conducted on Ishigaki island, Okinawa, Japan from September 28 to 30, 2004. After the collection in the experimental field at JIRCAS, we conducted a survey across Ishigaki island and collected root nodules and legume seeds if available. Results A total of 23 root nodule samples were collected from 16 legume species (Table 1). The locality of sampling sites are shown (Fig. 1). Sampling at JIRCAS experimental field Nine nodule samples ( I - 1 ∼ I - 9 ) were collected in the experimental field of Okinawa Subtropical Station, JIRCAS. The soil was sandy. Nodules collected from cultigens include those formed on pigeon pea (Cajanus cajan ), lima bean (Phaseolus lunatus ), cowpea (Vigna unguiculata ), hyacinth bean (Lablab purpureus ), creole bean (Vigna reflexo-pilosa var. glabra ) and winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ). Sword bean (Canavalia gladiata ) was also cultivated but no nodules was found on it. Nodules formed on wild legumes, Vigna trilobata , Vigna tenuicaulis and wild rice bean (Vigna umbellata ) were also collected. Sampling in natural habitats Vigna marina grows on sandy beaches. Nodules were collected at Ohama (I-10), Fusaki (I-12) and Ibaruma (I-16) (Fig. 1). V. marina can form large populations. Plants have long lateral branches and roots are developed from lateral branches. Many large nodules were formed along spreading branches on the roots(Fig. 2: picture). Nodule samples were collected from Vigna riukiuensis at four locations, Tojin baka (I-11), Uganzaki (I-15), Hirakubozaki (I-19) and Banna park (I-22). At Tojin baka and Banna park, V . riukiuensis is growing in the grass that is frequently cut. Uganzaki and Hirakubozaki are headlands with lighthouses on the cliff. Both places are sightseeing spots. At Uganzaki, a large population of V. riukiuensis grows in the grass that is periodically cut by workers keeping the place clean. At Hirakubozaki, several smaller-sized populations were growing on cliff top - 98 - and surrounding areas used for pasture. The habitat is sometimes affected by strong winds containing sea salt water particularly during typhoons. A population of Glycine koidzumii (I-19) was found at Hirakubozaki. Glycine koidzumii plants grow in pasture grass. The plants show a perennial growth habit with a thick tap root system. It was very difficult to find nodules from Fig.1. A map of collection sites on Ishigaki island, Okinawa prefecture, Japan. - 99 - this species. Vigna reflexo-pilosa grows in inland sites. The collection site at Omoto (I-21) was wet and soil was muddy. At this site Vigna luteola also formed a large population (I-21). Vigna reflexo-pilosa also grew in a ruderal habitat, for example beside upland fields (I-23). Discussion Improvement of the soybean symbiotic system using elite rhizobium strains with higher nitrogen fixing ability has been conducted primarily based on the genetic variation of Bradyrhizobium japonicum genetic resources collected from cultivated soybean grown in temperate regions. Improvement of nitrogen fixing efficiency of soybean using inoculants produced with elite Bradyrhizobium japonicum strains frequently fail in tropical countries. In many cases, unexpected endemic rhizobium strains forms nodules instead of inoculated elite bacteria. This suggests that nodulation ability is dependent on specific soil ecological conditions. Nodulation is a process of complex interaction between legumes and rhizobia. Roots of legume species secrete specific kinds of flavonoid compounds in the soil. Some rhizobia respond to this chemical signal and the nod genes are activated. Nod factors are chemical products of the nod genes and recognized by receptors present on the surface of legume roots if they are compatible. Nod genes in rhizobium and Nod factors receptor (NFR ) genes in legume plants are the first key genes for the symbiotic nodulation process. In the present survey, root nodules from various legume species in different ecological locations were collected. There were variations in size, shape and number of nodules. It may be significant that Vigna marina grows in highly salt affected beach habitat and forms many root nodules. Vigna riukiuensis growing at a cliff with strong salty wind also forms many root nodules. We plan to study the genetic diversity in nod gene region of newly collected strains of rhizobium. The taxonomic treatment will be studied by the sequence of 16S-rRNA gene. Physiological characterization of bacteria especially the response to salt concentration will also be studied. Acknowledgements This research is supported by the Grant-in-Aid for Scientific Research No.16310160, Japan Society for the Promotion of Science. References 1)Tomooka N., D.A. Vaughan, H. Moss and M. Maxted (2002) The Asian Vigna : genus Vigna subgenus Ceratotropis genetic resources. Kluwer Academic Publishers. 270 pages. 2)Yokoyama T., N. Tomooka, M. Okabayashi, A. Kaga, N. Boonkerd and D.A. Vaughan (2005) Variation in the nod gene RFLPs, nucleotide sequence of 16S-rRNA gene, Nod factors and nodulation abilityes of Bradyrhizobium strains isolated from Thai Vigna plants. Canadian J Microbiology (accepted). - 100 - 和文摘要 石垣島におけるマメ類および共生微生物遺伝資源多様性の現地調査と保全 作物栽培環境(農耕地)には見られないような多様な自生地(限界環境)に適応し生息する作 物近縁野生種に着生する根粒菌が,農耕地の栽培種に着生する菌とどの程度異なるのかを共生関 連遺伝子(根粒形成遺伝子)や種分類マーカーに着目して明らかにすることを目的に,多様な限 界環境に自生する作物近縁野生種が豊富に分布している沖縄県石垣島を対象として現地調査を行 った。 今回の調査によって,合計 23 サンプルの根粒を 16 種のマメ科植物から採集した。農耕地環 境からのサンプルとしては,国際農林水産業研究センター沖縄支所の圃場に栽培されていた 9 種のマメ科植物から 9 サンプルの根粒採集を行った。自生地(限界環境)からのサンプルとし ては,7 種のマメ科野生植物から 14 サンプルの根粒採集を行った。 根粒の形態や着生の程度には,宿主による大きな変異が見られた。野生植物には,栽培種が生 育できない限界環境に自生している種がある。本調査で特に興味深かったのは,海水を頻繁にか ぶるような砂浜に自生しているハマアズキや海崖の塩風が強く吹き抜けるような風衝草原に自生 するヒナアズキに多数の根粒が着生していたことである。今後このような自生地に生息する根粒 菌の遺伝的,生理的特性を中心に研究を進めていきたい。 Table 1. A list of nodule samples and their host legume species No. Collection Site Environment Host legume species Sampling at the JIRCAS experimental field I-1 Maesato sandy soil Cajanus cajan I-2 〃 〃 Phaseolus lunatus I-3 〃 〃 Vigna unguiculata I-4 〃 〃 Vigna umbellata I-5 〃 〃 Lablab purpureus I-6 〃 〃 Vigna trilobata I-7 〃 〃 Vigna reflexo-pilosa var. glabra I-8 〃 〃 Vigna tenuicaulis or V. hirtella I-9 〃 〃 Psophocarpus tetragonolobus Sampling in natural habitats I-10 Ohama sandy beach Vigna marina I-11 Tojin baka grass with frequent cutting Vigna riukiuensis I-12 Husaki sandy beach Vigna marina I-13 〃 ruderal area beside road Macroptilium atropurpureum I-14 Uganzaki grass on cliff Canavalia lineata I-15 〃 〃 Vigna riukiuensis I-16 Ibaruma sandy beach Vigna marina I-17 Hirakubozaki pasture near cliff Glycine koidzumii I-18 〃 〃 Desmodium sp. I-19 〃 〃 Vigna riukiuensis I-20 Omoto wet land Vigna luteola I-21 〃 〃 Vigna reflexo-pilosa I-22 Banna grass with frequent cutting Vigna riukiuensis I-23 Maesato ruderal area beside road Vigna reflexo-pilosa - 101 - Sampling at JIRCAS experimental field Nine nodule samples were collected from 9 legume species here Sampling in natural habitats A beach habitat of V. marina (Fusaki) and nodules formed Natural habitats of V. riukiuensis : windy cliffs at Uganzaki (left) and Hirakubosaki (right) - 103 - 〔植探報 Vol.21: 105 ∼ 113, 2005〕 広島県宮島および対岸の廿日市における シソ近縁野生種レモンエゴマの探索 新田 みゆき・田中 大介・白田 和人 農業生物資源研究所・ジーンバンク Exploration of a Wild Relative of Perilla Crops, Perilla Citriodora (Makino) Nakai, in Miyajima Island and the Opposite Shore, Hatsukaichi City, Hiroshima Prefecture Miyuki NITTA, Daisuke TANAKA and Kazuto SHIRATA Genebank, National Institute of Agrobiological Sciences , 2-1-2, Kannondai, Tsukuba, 305-8602, Japan Summary In Miyajima Island, deer have increased so much, and their grazing has caused serious damage to vegetation in the whole island. However, the Perilla citriodora plants in Miyajima hardly seems to be grazed for a toxic substance of egomaketone contained as a major component of essential oil, whereas most plants of this species in Japan have citral other than egomaketone. For comparative studies of population structures using P. citriodora having different components of essential oil, we conducted exploration of this species in Miyajima and the opposite shore, Hatsukaichi city, where had been adjacent to Miyajima before marine transgression about 6,000 years ago. As results, no P. citriodora population was found except previous findings in Miyajima. Unfotunately, there was little time to search well in Hatsukaichi. The opposite shore needs further exploration, since specimen evidence has been found there. KEY WORDS: Exploration, Essential oil, Perilla citriodor a, Perilla frutescens , Perilla hirtella . 1.目的 宮島ではニホンジカ ( 以下,シカと記す ) が近年過密に繁殖して,植生の破壊が深刻である. しかし,そのなかで毒性や棘を持つためにシカの食害を受けないで生育している植物があり,シ ソ近縁野生種のレモンエゴマ(Perilla citriodora (Makino) Nakai)もそのひとつである.宮島の レモンエゴマは強い臭気を有し,ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた分析から,肺への有害 1) 作用があるとされるエゴマケトン(3-(4-Methyl-1-oxa-3-pentenyl)furan) という精油成分を主 - 105 - 2) 成分として持つことが分かった .この匂いのために宮島のレモンエゴマはシカから忌避される らしい.京都大学薬学部の本多らのグループが行った分析では,九州から北関東までのレモンエ ゴマのほとんどが,レモンの匂いをもたらすシトラール(3,7-dimethyl-octanal-2,6-diene)とい 3) う精油成分を主成分として持つ .エゴマケトンを持つレモンエゴマは宮島以外では見出されて いない 2),3) . 草食動物の強度な被食圧下において,特定の精油成分がレモンエゴマの集団の適応度を向上さ せることを明らかにできれば,その精油成分を持つ集団を農地保全や植生保全のためにも利用で きる. 私たちは,精油成分の異なるレモンエゴマの集団の集団構造を比較研究する準備として,宮島 と,約 6,000 年前の縄文海進以前には陸続きであったとされる対岸の廿日市市でレモンエゴマ を探索した.2004 年 11 月 24 日から 26 日まで,広島大学理学研究科附属宮島自然植物実験所 ( 以下,実験所と記す ) の協力を得て行った調査の行程と結果を報告する. 2.行程と結果 調査経路を Fig. 1 に,行程と結果を Table 1 にまとめた.詳細を時系列で次に記す. 11 月 24 日 午後 4 時,実験所に到着.標本調査,打合せ.島内の地理や植生,道路事情について実験所 の文部科学技官,向井誠二氏から助言を受けた.宮島島内,広島市および廿日市のレモンエゴマ については自然愛好家の吉野由紀夫氏から電話で有益な情報の提供を受けた.打合せで得た情報 の要点を Table 2 に,詳細を以下に記す.1)宮島南西部の海岸には歩道が無い.尾根はシダ類 が密生しているため入ることができない.谷は比較的入りやすい.2)宮島の多々良,大江浦, 大砂利には果樹生産を主体とする農園があり,農家ごとに家屋と耕作地の全体を柵で囲ってシカ の食害を防いでいるため,柵の内外ではシカ被食圧が異なり植物相が異なる.3)シカはこれま でシダ類と特定の双子葉植物(ダンドボロギク Erechtites hieracifolia (L.) Raf.,ベニバナボロギ ク Crassocephalum crepidiodes (Benth.) S. Moore 及びシソ属植物)を食べなかったが,近年食 べ始めた.4)宮島の大聖院付近のアセビ道周辺,広島市安佐北区の廃棄物最終処分場,廿日市 市極楽寺山の登山道でレモンエゴマを見た. 11 月 25 日 [大江浦∼実験所] 午前 8 時,実験所の南方約 1.5km 先にある小さな入江,大江浦にモーターボートで接岸.レ モンエゴマは宮島以外では沢筋の日当たりのよい場所に生えることが多い.また,ここにはシカ の侵入を防ぐために柵で囲まれた農園がある.そこで,小さな沢と農園があるこの場所を最初の 調査地に選んだ. 農園の裏手は, カンコノキなどの広葉樹の下にコシダやウラジロなどのシダ類が密生していて, 林床が塞がっており,レモンエゴマが生育する環境ではなかった.大江浦に注ぐ沢沿いでは,陽 は当たるものの,広葉樹とシダで覆われていないところは風化した花崗岩が露わになっていて, 触るとぽろぽろと崩れた (Photo 1).この年に襲った台風 18 号で新たに土壌がえぐられて,沢 沿いの植生がいっそう貧弱になったであろうと想像した.沢が深く切れ込んで両岸には樹木が密 生し歩行が困難になったところで,右岸をかき分けて上った.薮を抜けるとすぐに農園沿いの小 径に出た. - 106 - 農園内には踏み跡はなくチヂミザサなどの雑草が茂り,その中にニラやサトイモがたくましく 生育していた.ブドウやキウイの棚もそのままであった.休憩小屋の横に,栽培されていたと思 われるアオジソらしい個体が 2,3 本あったほかは,シソ属植物を見つけることはできなかった. 農園を後にして陸路で小径を実験所へと向かった. 午前 10 時半.実験所すぐ手前で,樹木が途切れて目の前が開け,日露戦争の遺物である砲台 跡が現れた (Photo 2).室浜砲台である.敷地の入口には, シソ近縁野生種であるトラノオジソ(P . hirtella Nakai)の草丈が 20cm ほどしかない小さな個体があった (Photo 3).すでに葉を落とし て茶色くなっていたが,茎の毛の様子や種子の色,形から同定できた. [実験所∼多々良] 実験所で小休止を取り,車で実験所から桟橋方面へ約 1.5km の地点にある多々良を調査.午 前 11 時半.多々良川河口の両岸に, 種としてはシソに分類される野生型の植物 (P. frutescens (L.) Britton,以下,シソ野生型と記す ) が生育 (Photo 4).陽当たりは良好.右岸の樹木の下にまだ 葉が付いているトラノオジソがわずかにあった. [市街地周辺] 午後 0 時半,大聖院の周辺を調査.大聖院の上部には,主要な弥山登山口のひとつがある. 1998 年にレモンエゴマの調査で宮島を訪れた際,大聖院から弥山山頂に上がり,紅葉谷に下り るコースで探索したが,そのときにはコース沿いにはレモンエゴマを見つけることはできなかっ た.今回,大聖院の下の赤い橋,滝橋の下流側の左岸に,トラノオジソとシソ野生型が混生し, そこで一頭のシカが休息しているのを見た (Photo 5).今年はシカが,これまで食べなかったト ラノオジソ,シソ野生型やシダまで食べ始めたという向井氏の言葉を思い出した.宮島のトラノ オジソとシソ野生型は精油成分の主成分にペリラケトン(3-(4-methyl-1-oxopentyl)furan)を持 2) つ .ペリラケトンはエゴマケトンと類似した化学構造を持ち,エゴマケトンと同様に反芻動物 1) にとって有害であるとされる .有害な植物を食べなくてはならないほど,今年は飢餓に瀕して いるのであろうか. 2 時半に市街地の周辺を徒歩で調査.旅館聚景荘の北,宮島水族館の西にある経納山の南西斜 面に,シソ野生型が約 500 個体群生していた. [多々良∼奥の院] 午後 3 時,再び多々良に戻る.多々良から,宮島最高峰であり豊かな原生林が残る弥山の直 下まで,多々良川に沿って林道が通っている.弥山山頂の手前の,現在は無人となった奥の院ま でを調査.林道脇はシダ類が多い.奥の院と弥山山頂への分岐付近は木材運搬用の索道の終点に なっていて,道の両側の陽当たりのよい土地にトラノオジソが 600 個体ほど繁茂していた.多々 良には 4 つの農園があり,一番上の農園から 100m ほど林道を上ったところの,多々良川に架 かる橋のたもとには,約 200 個体からなるトラノオジソがあった.農園内には草丈約 1m の枯 れ上がったシソ野生型が 1 個体あった.時刻はすでに午後 4 時半を回り, 次の調査地へと急いだ. [包ヶ浦∼大砂利] 車を飛ばして桟橋を過ぎ,島の東側にある包ヶ浦自然公園に到着したときには午後 5 時であっ た.辺りは,シバが優占する広い平地である.おそらくシカの採食のためであろう.その中にト ラノオジソがぽつりと生えていたので,辺りが薄暗くても際立って見えた. 目指していた調査地は,車道が終点になる大砂利である.包ヶ浦から坂を上りきって緩やかな 下りにさしかかったところで,道路の両側に約 1,000 個体からなる草丈が 15cm から 20cm 足 らずの小さなトラノオジソの群生が,車のライトに照らされて見えた.宮島では市街地にシカ が最も過密に生息すると聞いたので,市街地から遠い地区として大砂利を目指したが,道中には - 107 - 何頭ものシカが現れ,島内ではシカのいないところはないと感じた.大砂利に着くとゲートがあ り,一般車での通行はここまでであった.ここから約 5km 先の青海苔浦まで車道は続いているが, 水道管理用の道路である.大砂利には 4 つの農園がありカンキツ類が栽培されていた.農園内 を調査する予定であったが,日没して真っ暗になってしまったので農園には入らず道に沿って懐 中電灯で探しこの日の調査を終えた. 11 月 26 日 [標本調査] 向井氏の助言に従って,関太郎先生と土井美夫先生が採集されたさく葉標本を調査した(Table 3).シソ属は長い間分類が混乱していたが,京都大学薬学部の本多・伊藤らのグループにより 近年新種セトエゴマが発見されて分類が整理されたので 4),5) ,丁寧に標本を観察して同定し直 す必要があった.関先生の標本は宮島で採集された植物でシソ属植物は合わせて 5 点あり,ト ラノオジソが 2 点(No. 638, 640) ,シソ野生型が 1 点(No. 517) ,レモンエゴマが 1 点(No. 518)であった.あとの 1 点は植物が若い実生で同定できなかった(No. 154) .レモンエゴマ の標本は 1966 年に採集されていて,江の浦の清掃センターと記載されていた.土井先生の標本 には,1942 年に安芸国久地村で採集されたレモンエゴマが含まれていた.現在の広島市安佐北 区久地である.なお,極楽寺山と書かれた 2 個のダンボール箱と,廿日市,冠山と書かれたそ れぞれ 1 個ずつのダンボール箱からはシソ属の標本は見つからなかった.たった 1 点ではある が対岸側にもレモンエゴマがあったという確証を得て,今も山のどこかに残っていることを願っ た. [江の浦,清掃センター] 標本調査でレモンエゴマが見つかった清掃センター付近を調査.入口で職員に断り,中へ入っ てセンター上部の谷を調査した.トラノオジソとシソ野生型は混生しているのが見られたが,レ モンエゴマを見つけることはできなかった. [大元谷∼木比屋谷] 午後 2 時.向井氏の勧めに従い,大元谷に向かう.倒木が激しい.谷を覗くと,モミなどの 巨木がひどく倒木している.大元谷の調査は取りやめることにした. 大元谷から大聖院まで山側をアセビ歩道という比較的広い道が通っている.今回初日に電話で 情報を提供してくださった吉野氏によると, ここでレモンエゴマを見たとのことであった.また, 著者の一人新田はかつてアセビ歩道の途中にある木比屋谷周辺でレモンエゴマを採集したことが ある.木比屋谷は,海に面した宮島水族館の背後にあたる広い谷で,間に血山(あせやま)とい う緩やかな尾根を挟んで谷を二分している.尾根を挟んで西側の谷の,アセビ歩道の山側にはト ラノオジソ約 1,000 個体とシソ野生型約 3,000 個体が大きな群落をなしていた.尾根の東側の 谷の,アセビ歩道の山側には公衆トイレとテーブルとベンチがあり,そのすぐ後ろには約 30 個 体のトラノオジソに混じって,5 個体ほどのレモンエゴマが枯れ残っていた (Photo 6).匂いを かぐと 6 年前に採集したレモンエゴマと同じであった.アセビ歩道を挟んで海側にはゲートボー ル場があり,その脇の空き地には,約 3,000 個体のシソ野生型が見られた. [廿日市] 桟橋から宮島口に連絡船が到着した時には午後 4 時半であった.対岸のレモンエゴマの調査 をする時間がほとんどなくなってしまったが,あらかじめ目をつけていた廿日市市の極楽寺山 に向かうことにした.主要な登山口の一つである下平良に行くと,そこは住宅地であった.その 登山道を登った途中にあたる山陽自動車道宮島サービスエリア付近に行くと,アカマツが多く - 108 - レモンエゴマの生育地としては土壌が乾燥しすぎていると思い,極楽寺山の麓を通っている国道 433 号線を,路傍を注視しながら進み,七曲峠の手前,山頂に向かう分岐のところで引き返し, 今回の調査を終了した. 3.所感 調査の結果,宮島ではレモンエゴマの集団が稀少であることが分かった.1998 年の調査で見 つけた集団以外に新たな集団を見出すことができなかったので,精油成分がエゴマケトンと異な る集団を発見することは困難であると感じた.また,廿日市側では今回レモンエゴマを見つける ことはできなかったが,精査すれば見つかるのではないかという印象を持った.今回は調査の時 期が遅く,葉が枯れ落ち,種の同定に時間を要したので,来年は是非,もう少し早い時期に訪れ て廿日市とその周辺を重点的に調査したい. なお,当ジーンバンクでは,1998 年に宮島で収集したシソ野生型,レモンエゴマ,トラノオ ジソの種子を保存している.それぞれの保存番号および JP 番号は以下である. シソ野生型:保存番号 30018422, JP 番号 221808. レモンエゴマ:保存番号 30018470, JP 番号 221856 および保存番号 30018471, JP 番号 221857. トラノオジソ:保存番号 30018492, JP 番号 221878. 4.謝辞 調査に協力してくださった実験所職員の向井誠二,美枝子両氏,ならびに多くの情報を寄せて くださった自然愛好家の吉野由紀夫氏に心よりお礼申し上げます. 5.引用文献 1)Wilson, B.J., J.E.Garst, R.D.Linnabary and R.B.Channell. 1977. Perilla ketone: a potent lung toxin from the mint plant. Perilla frutescens Britton. Science 197: 573-574. 2)Nitta, M., H. Kobayashi, M. Ohnishi-Kameyama, T. Nagamine and M. Yoshida. 2005. sential oil variation of cultivated and wild Perilla analyzed by GC/MS. Biological Systematics and Ecology (in press). 3)Honda, G., A. Yuba, T. Kojima and M. Tabata. 1994. Chemotaxonomic and cytogenetic studies on Perilla frutescens var. citriodora (“Lemon egoma”). Natural Medicines 48: 185-190. 4)Honda, G., A. Yuba, M. Ito and M. Tabata. 1996. A new species of Perilla (Labiatae) from Japan. J. Jpn. Bot. 71: 39-43. 5)Ito, M., and G. Honda. 1996. A taxonomic study of Japanese wild Perilla (Labiatae). J. Phytogeogr. & Taxon. 44: 43-52. - 109 - Table 1. An itinerary and results of an exploration to search natural populations of P. citriodora in Miyajima Is. and Mt. Gokurakudera, Hatsukaichi city, Hiroshima prefecture, 2004 2004 年,広島県宮島と極楽寺山におけるレモンエゴマ野生集団の探索の行程と結果 Time Locality Lat. Lon. Alt. (m) Taxon Pop size Plant height (no of individuals) (cm) 24th, Nov 16:00 Miyajima Natural Botanical Garden, Hiroshima Univ. (MNBG) Specimen investigation 20:00-22:30 Meeting with MNBG staff 25th, Nov 8:00 Depart from MNBG by a boat 8:20-9:40 Ooe-ura, 1.5km away from MNBG N33° 42′ 16″ 3 E133° 21′ 58″ 5 10:35 At an old battery. N34° 16′ 43″ 2 E132° 17′ 23″ 0 12 P. hirtella 30 20 P. frutescens 50 20-50 P. hirtella 2, 3 10:45-11:15 MNBG. 11:35 12:30 Around estuary in Tatara. Front of Daishou-in temple N34° 17′ 7″ 2 E132° 17′ 58″ 5 N34° 17′ 24″ 5 E132° 19′ 16″ 6 36.7 P. frutescens P. hirtella 14:45 The north of a hotel Jukei-sou. N34° 17′ 31″ 7.8 P. frutescens 500 15:15 On the roadside to Okuno-in temple, N34° 16′ 17″ 4 E132° 19′ 3″ 8 302 P. hirtella 600 N34° 16′ 38″ 3 E132° 18′ 5″ 6 109 P. hirtella 200 E132° 19′ 10″ 6 10m away from the branch road to Mt. Misen. 16:00 On the roadside from Okuno-in 20-50 temple to Tatara, around a small bridge on a stream, Tatara-gawa. P. frutescens 16:30 Inside of a farm in Tatara. 17:00 Tsutsumigaura Natural Park. N34° 17′ 20″ 5 E132° 20′ 37″ 6 On the roadside from Tsutsumigaura N34° 17′ 11″ 8 E132° 20′ 50″ 1 10 P. hirtella 50 104 P. hirtella 1,000 to Oojari. 26th, Nov a.m. Specimen investigation. 13:30 Enoura. Upper land of slope where N34° 17′ 26″ 2 E132° 18′ 43″ 6 45 P. frutescens 50 Clean center is located. P. hirtella 14:15 Kibiya valley (upper slope of an N34° 17′ 25″ 9 E132° 19′ 6″ 7 27.5 N34° 17′ 27″ 3 E132° 19′ 8″ 7 25.9 5 P. frutescens 3,000 P. hirtella 1,000 P. hirtella 30 aquarium, upper Asebi-michi). 14:40 Oomoto Park, beside a bench near public toilet. Upper Asebi-michi. 15:00 Oomoto Park, beside a gate-ball (Japanese croquet) field. Lower Asebi-michi. 15:30 Lunch in a restaurant. 16:30 Miyajimaguchi. -18:00 On the foot of Mt. Gokurakudera, Hatsukaichi City. - 110 - P. citriodora 5 P. frutescens 3,000 100 40 15-20 Table 2. Points of a meeting on traffic, geography and vegetation in Miyajima Is. and on distribution of P. citriodora in Miyajima Is. and the opposite shore. 宮島の交通,地理,植生と宮島および対岸部におけるレモンエゴマの分布についての打 合せの要点 Point Infomation Access No road nor path goes through around southwestern seashore. Ridge is difficult to enter in because of dense bush of ferns. Valley is comparatively easy to walk in. Flora Floras are different between inside and outside of farms, since farms are surrounded with fences to protect crops from deer in Miyajima Is. Grazing Recently, deer started grazing even ferns and some dicotyledonous plants, such as Erechtites hieracifolia (L.) Raf. (‘Dandoborogiku’in Japanese), Crassocephalum crepidiodes (Benth.) S. Moore (‘Benibanaborogiku’) and Perilla plants, which had never been observed to be grazed. Distribution P. citriodora was found around a path‘Asebi-michi’near Daishou-in temple in Miyajima Is., in a rubbish dumping ground in Asakita ward, Hiroshima city and on the side of a path to Mt. Gokurakudera in Hatsukaichi city. Table 3. Determination of specimens of Perilla plants kept at the herbarium of Miyajima Natural Botanical Garden, Hiroshima University 広島大学宮島自然植物実験所に保管されているシソ属植物の標本の同定 Specimen Determination Remarks 1. No. 154, Dr. Seki's collection Perilla sp. Hard to identify because of too young seedlings. 2. No. 518, Dr. Seki's collection P. citriodora On the roadside near Clean center, Enoura (Miyajima), 22 September, 1966. 3. No. 517, Dr. Seki's collection P. frutescens 4. No. 638 of Dr. Seki's collection P. hirtella 5. No. 640, Dr. Seki's collection P. hirtella 6. No. 133864, Dr. Doi's collection P. citriodora - 111 - Collected from Kuji village, Aki-nokuni (present place name; Kuji, Asakita ward, Hiroshima city), 24 September, 1942. Mt. Gokurakudera (693m) Miyajimaguchi Tatara MNBG Ooe-ura Itsukushima Shrine Tsutsumigaura Natural Park Mt. Misen (530m) Okuno-in 卍 Temple Oojari Miyajima Is. By ship or boat By vehicle On foot 3km Fig.1. Exploration route to search a wild relative of perilla crops, Perilla citriodora , in Miyajima Island and Mt. Gokurakudera, Hatsukaichi city in Hiroshima prefecture, 2004. 2004年,広島県宮島と廿日市市極楽寺山におけるシソ近縁野生種レモンエゴマ の探索経路 . - 112 - Photo 1. No plant could migrate even in the sunny bank of a stream with open canopy because of brittle wethered granite in Ooe-ura. Photo 2. An old battery in Murohama, where P. hirtella was found. Photo 3. P. hirtella in the site of Murohama battery. Photo 5. A lying deer on the stream side where P. hirtella and P. frutescens were growing together in the front of Daishou-in temple. Photo 4. P. frutescens around estuary in Tahara. Photo 6. Oomoto Park in Kibiya valley where P. citriodora were growing together with P. hirtella . - 113 - Ⅱ.海外探索収集調査報告 Exploration and Field Research in Foreign Countries 〔植探報 Vol.21: 117 ∼ 133, 2005〕 ミャンマー北部および西部地域における 野生イネの探索収集(2004 年) 宇賀 優作 1)・Tin Maw Oo2)・Win Twa2)・河瀨 眞琴 1) 1)農業生物資源研究所・ジーンバンク・植物資源研究チーム 2)ミャンマー農業研究局・シードバンク Exploration and Collection of Wild Rice in Northern and Western Region of Myanmar, 2004 Yusaku UGA1), Tin Maw Oo2), Win Twa2) and Makoto KAWASE1) 1) Plant Genetic Resources Laboratory , Genebank , National Institute of Agrobiological Sciences (NIAS ), Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan 2) Seed Bank , Department of Agricultural Research (DAR ), Yezin, Myanmar Summary Myanmar has been known as a part of the gene center of rice from old times. Its diversity of wild rice as well as cultivated rice has been well conserved compared to surrounding countries. However, areas such as northern and western of the Myanmar were not surveyed for wild rice. Therefore, it is an important subject to survey and collect wild rice around these areas as important genetic materials for breeding and research. We explored and collected wild rice in the northern and western parts of Myanmar as a Myanmar-Japan collaborative field research under the NIAS Genebank Project in 2004. A total of 102 seed samples consisting of 93 Oryza rufipogon , six O. officinalis and three O. granulate were collected in this exploration. Regarding primary features of O. rufipogon collected in the northern and western part of Myanmar, many wild rice plants were growing in swamps and canals disturbed by people and livestock near paddy fields. Although some populations near paddy fields looked like hybrid swarms with introgression from cultivated forms, hybrid swarms did not necessary occur in habitats of wild rice in the vicinity of paddy fields. Many wild rice plants growing in deep water showed floating ability, while the others growing in shallow water formed rigid root systems in the soil. Relationships between plant height and depth of water varied among sites. Seed fertilities of wild rice plants collected in this survey were generally low, but those of the plants which looked like hybrids between wild and cultivated types were relatively high. We found distinctive habitats distributed in different areas. Many habitats of floating wild rice showing high seed fertility was discovered in Indawgyi - 117 - Lake of Kachin State. A short grass-type wild rice having compact panicles were found near paddy fields along the roadside in Rakhine State and Ayeyarwady Division. It is important to elucidate the features of these habitats for understanding ecotypic differentiation of wild rice in Myanmar. Keywords: rice, wild relatives, Oryza rufipogon , O. officinalis , O. granulate , Myanmar Introduction It is an urgent subject to investigate and comprehend a genetic diversity of wild rice distributed in various environments, to discuss in situ conservation of it, and to make a core collection which represents its wide diversity. Wild rice species are morphologically and physiologically different from cultivated rice (Oryza sativa L.) and are considered as germplasm carrying great genetic variation that cultivated rice landraces do not have. Although they should be important genetic resources for breeding and research, their habitats in tropical regions are rapidly decreasing due to land development in recent years. Myanmar is located in the westernmost of Southeast Asia. Its area of 680,000 square kilometers, which is 1.8 times as large as that of Japan, includes diversified environments from marshland delta to cool mountain range. An area ranging from Myanmar to Yunnan Province of China has been known as a center of genetic diversity of rice for a long time. The diversity of wild rice as well as that of cultivated rice might has been well conserved in Myanmar compared to surrounding countries, because traditional agriculture is being maintained and a natural environment also remains without large-scale destruction there. In case of the cultivated rice, a considerable amount of accessions has been collected not only by explorations of Seed Bank of DAR itself but also by those of JICA Seed Bank Project, MAFF Genebank project and so on ,2) 1) . Wild rice have also been collected by explorations of Seed Bank of DAR and International Rice Research Institute 3) 4) in some extent, while areas such as northern Kachin State, western Rakhine State were not surveyed in detail. It is an important subject to survey and collect the wild rice in these areas as precious genetic resources. Therefore, we explored and collected wild rice in the northern and western parts of Myanmar in cooperation with DAR under the NIAS Genebank project. Methods We made a field survey on wild rice for 30 days from November 10 to December 9 in 2004. This period was decided based on the information that wild rice set seed gradually from the beginning of the dry season in late October and cultivated rice is also harvested in many areas of Myanmar at one month or more after the dry season begins. The survey route and collection sites are shown in Fig. 1. The survey areas included Mandalay Division, Sagaing Division, Kachin State, Magway Division, Rakhine State, Bago Division, and Ayeyarwady Division. We tried to find wild rice based on its plant form, in particular, shape of panicles from a car window while we were moving by car. We also guessed the habitats of wild rice from the ecological information of the circumference and stopped the car to survey around at the possible habitats. In case of survey at Indawgyi Lake in the Kachin State, a boat was hired - 118 - instead of a car. Information on collection sites including habitat, latitude, longitude, altitude and other ecological aspects were recorded as the passport data. The collected seed materials were divided into two subsets: one for the Seed Bank of DAR and other for NIAS based on a material transfer agreement (MTA). The latter were introduced into Japan in accordance with quarantine rules of the both countries. Some of them are cultured in an isolated greenhouse of the NIAS for quarantine and evaluation on primary traits in 2005. When their seeds are propagated sufficiently, they will be conserved to the Genebank of NIAS. Leaf samples collected at several sites as the materials for DNA polymorphism analysis were transferred into Japan in accordance with quarantine rules. We also collected plant voucher specimens in some sites, which are stored at Seed Bank, DAR at Yezin. Results and Discussion Summary of collected accessions A total of 102 wild rice samples consisting of 93 O. rufipogon , six O. officinalis and three O. granulate were collected in this exploration (Table 1). A total of 23 samples including 13 O. sativa , one Vigna stipulacea , one V.tenuicaulis , three V. angularis , one Colocasia esculenta , one Eleusine coracana , one Sesamum indicum , one Coix lacryma-jobi and one C . sp. were also found and collected during the survey. Wild rice of O. sativa complex (AA genome) in Asia has often been treated as two different wild taxa, i.e. O. rufipogon and O. nivara . We use a single taxon, O. rufipogon in a broad sense for them in this report, since we observed a continuous variation other than typical O. rufipogon and typical O. nivara in this field survey. More studies have to be done to clarify the intraspecific differentiation of this taxon. O. rufipogon O. rufipogon plants were collected in Mandalay Division, Sagaing Division, Kachin State, Rakhine State, Bago Division, and Ayeyarwady Division except for Magway Division. There are some differences in morphological features among the collection areas. Almost all the plants of O . rufipogon collected in the northern and western region of Myanmar were found in swamps or canals near paddy fields and influenced more or less by disturbance of livestock. Hybrid swarms probably derived from hybridization with cultivated rice were often but not always found at sites where wild rice occurred in the vicinity of paddy fields. Many O. rufipogon plants growing in deep water showed floating ability, while those growing in the shallow water formed a root system in the soil. Relationship between plant height and water depth was various among sites. Seed fertilities of this species observed at this time were generally low, although those of plants that looked like hybrid derivatives between wild and cultivated types were relatively high. Wild populations at Indawgyi Lake of the Kachin State exceptionally showed a combination of floating habit and high seed fertility, which could not be found at other sites. In the Rakhine State and Ayeyarwady Division, a short grass-type having compact panicles was found near paddy fields along the road but there was no such wild rice found in other areas. Detailed information of collected accessions was described below for each area: 1) Kachin State A total of 47 seed samples (hereinafter refereed as #5, #6, #13, #14, #20, #21-1 30 and - 119 - #22 #32) were collected in Kachin State. Among them, the #5, #6, #20 and #21-1 30 were found beside a road. The #5 grew spontaneously in a swamp beside a paddy field. Since this population included individuals having open panicles and those having compact ones, they seemed to be derived from a hybrid between wild and cultivated types. But plant type of every individual was similar to that of wild rice. Most of the plants showed low fertility. The #6 and #20 were found in a canal near paddy fields along the road. Their panicles were open-shaped. Some plants matured their seeds, while others just flowered, indicating that maturing period was not uniform in each population. Their fertilities were found to be not so high. The #21 was found in a swamp beside the road, in which the depth of water was roughly ranging from 0 to 0.6 m. Although the morphological features were similar to those of #6 and #20, there was no paddy field near them. We collected seeds and leaves from individual plants in 1.0 m interval (totally 30 samples) for further analysis on population genetics. The #13 and #14 were found in a broad swamp near paddy fields in Waing-Maw Township in the vicinity of Myitkyina City. Since they showed a vigorous plant type and large panicles, they were probably derived from hybrids between wild and cultivated types. The seeds of the individuals having open panicles were collected as #13 and those having compact panicles as #14. The #22 to #32 were collected in Indawgyi Lake which is the largest lake in the Myanmar. According to local information, the water level of Indawgyi Lake in this season normally goes down more than 2.0 m from the highest water level in wet season. The weather during the survey was apt to be clouded until around 10:00 a.m., but it was fine in the afternoon. Because it was difficult to access to wild rice growing on shore of the lake from land side, we approached populations of wild rice by a boat from the lake and collected their seeds. According to local information that there is no population in southern part of the lake, we surveyed wild rice and collected their seeds in eastern, northern and western parts. The wild rice plants grew spontaneously for several kilometers in most of the areas explored. Typical vegetation was allocated in order of O. rufipogon , wild Ipomoea auatica, Eichhornia crassipes , and Salvinia cucullata from land side. In particular, O. rufipogon was distributed in range of 300 to 500 m from shore. Several other plants such as Coix sp., Cypeus sp., Polygonum sp., Phleum sp., and Sesbania sp. were observed in the population of wild rice. The wild rice floated and its total plant length was more than 6.0 m (Photo 1). It showed relatively high seed set and matured seeds started shattering (upper left corner in Photo 1). The samples of #22 to #26 were collected in the eastern part of the lake. The #27 and #28 were collected in the northeastern part in which a river flows. Around this area, the wild rice grew in crowds where local people made a channel across the population of wild rice to come and go by boat. The #27 and #28 were collected from the shore and the channel with 1.5 m breadth, respectively. The #29, #30 and #31 were collected near Nut-Thaung-Se village located in the northwestern part of the lake. These populations were influenced by disturbance of the people and livestock such as cattle and water buffalo. The #32 was collected from a large population that was protruded in an arc several hundred meters from the shore in the western part of the lake. For each of the #28, - 120 - #29 and #32, leaves were collected from 50 plants at a regular interval for further analysis on DNA polymorphism. 2) Sagaing Division The #35 and #36 were collected in Sagaing Division. The #35 grew in crowds in a swamp around 1.5 m below the road and cultivated rice was grown over there. Small hybrid swarms were formed at two places in the #35 population and we collected the seeds from one plant as #36 (Photo 2). Since the #36 has taller height and higher seed set than those of #35 plants, they seemed to be derived from hybrids between wild and cultivated types. 3) Mandalay Division Five samples (#39-I V) were collected at a single site in Mandalay Division. That site was NayYaung-Pya-Inn Lake in the suburbs of Pyinmana city located about 17 kilometers from the DAR, Yezin. The populations grew spontaneously in a whole region of the lake with square of several hundred meters. The depth of water of this lake was very shallow, ranging from 0.2 to 0.5 m when we visited in the dry season. Their panicles were open-shaped and their seed fertility was not so high. We observed that most of the wild rice plants in this habitat were eaten by many cattle and water buffalo, suggesting that they were affected by disturbance of the livestock (Photo 3). The five seed samples were collected from five places that differed for the depth of the water in the lake. The leaves were also obtained from ten plants in each place (50 samples in total) for further analysis on DNA polymorphism. 4) Rakhine State A total of 23 seed samples were collected in the Rakhine State. They were classified into three groups based on their morphological and environmental features. The first group (#47, #49, #53, #54, #57, #61, #62, #63, #65, #66 and #69) had shorter plants mostly in shallow water. It was frequently observed along the survey route in this state. It often grew in swamp where water surface was 1.5 to 2.0 m below the road (Photo 4). The populations were distributed mostly in shallow swamp with around 0.2 m depth of water but sometimes in slightly wet swamp or in a canal with around 1.0 m depth of water. Although most of the wild rice plants showed less than 0.5 m of plant height from the surface of the water, had compact panicles (upper right corner in Photo 4) and grew root system in the soil, the #47, #49, and #66 in deeper water showed floating ability. According to farmer's information, #69 growing root system in the soil in dry season showed floating ability when water level rose more than 1.0 m in the wet season. A possibility is suggested that non-floating populations of this group distributed in other sites can also appear floating ability in the wet season. Most of the collection sites were located near paddy fields and many footmarks of human and livestock found in the habitats indicated that these populations were disturbed by people and livestock. It is interesting to note that no hybrid swarms were observed there even in this situation. Various seed set was found from mostly sterile to relatively high fertile. Most of the plants presented red awn color but #49, #66 and #69 did not. For the population #54, leaf samples were collected from 50 individuals at regular interval for further DNA analysis. The second group (#48, #50, #51, #52, #64, #68 and #70) was growing in waterside of a reservoir and swamp with water level of more than 1.0 m except for the #67. The #67 was growing in swamp with water level of around 0.6 m. Most wild rice plants of this group were - 121 - generally characterized by a tall grass with more than 1.0 m from the water surface and had open-type panicles with low seed fertility. Third group (#46, #58 and #59) occurred as hybrid swarms. Several types were mixed in the #46 which grew at area of dozens of square meters in a swamp around 2.0 m below the road surface level, for example, different plant height, red or white awn colors and shattering and non-shattering types. Gene flows seemed to occur between wild rice and cultivated rice in the vicinity. The #58 and #59 were found in a shallow swamp like a puddle near factories and bus station in Sittwe city. Several types of plant height, and open- and compact-type panicles with low fertility were observed mixed. Among these plants, weedy rice was separately collected as # 60 based on morphological features quite similar to cultivated rice. 5) Bago Division Eight samples (#72, #75, #76, #77, #78, #79, #80 and #81) were collected in Bago Division. All but the #72 were growing in grooves along the road. They showed a tall-grass type and their awn color was observed red or white. No populations showed floating ability, although water environments of the sites varied from slightly dry land to shallow puddle. The #78, #79 and #80 samples were found in a hybrid swarm at the same site but separately collected as compact-type, open-type and cultivar-like panicle, respectively. The #72 was growing in a lake of around two hundred square meters (Photo 5). In general a tall-grass type of wild rice was found in deep water, while a short grass-type was on a dry land near the waterside. Plasticity of culm length for change of water environment was suggested, since the-tall grass and short -grass-types were morphologically similar to each other except for culm length (upper right corner in Photo 5). 6) Ayeyarwady Division All samples (#82 #90) were collected in swamp around 2.0 m below the road in Ayeyarwady Division (Photo 6). Their habitats were disturbed by many cattle and water buffalo. They were different in plant height and panicle types between the sites but commonly showed a poor root system. Some populations also showed floating ability in swamp (upper right corner in Photo 6). All samples except for the #84 showed low fertility but the #84 held moderate fertility. The #84, #85 and #86 were found at the same site and were classified by panicle shapes as cultivarlike type, compact type, and open type, respectively. The #87 (compact panicle-type) and #88 (open panicle-type) were found sympatric at the same site. O. officinalis Six populations of O. officinalis were found in Kachin State (#19 and #34) and Rakhine State (#43, #44, #71 and #74). The #19 was distributed as the dominant species through a relatively wet field of dozens of square meters located around 2.0 m below the road surface. A part of population was eaten and disturbed by livestock. The #34 was observed in a shade of a bush near paddy fields along the road, where no footmarks of disturbance made by livestock were found. The #43 was a small colony beside a dried-up stream around 2.0 m below the road surface (Photo 7). There were no footmarks made by livestock there. Both #44 and #74 were small populations of a few square meters in slightly wet fields beside the road. Only one plant was found as the #71 beside a small bridge, because other plants might have disappeared by - 122 - the construction of the bridge. These suggests that the habitats of O. officinalis are the places that are hard to dry excessively being somewhat shaded by a shrub or grasses. O. granulata Three samples of O. granulata (#4, #37, and #38) were collected at an elevation of 200 to 350 m in a mountain between Shwebo and Mohnyin in Sagaing Division. This species propagates both by seed and by bunch. Their habitat of this species was featured by a bamboo forest that has weak daylight and good drainage. It is also found along with a road or trail along with or into a bamboo forest (Photo 8). Unfortunately, we could not collect enough matured seeds, because most matured seed were shattered from short panicles. Caryopsis shape and germination rate of wild rice collected Concerning the wild rice and cultivated rice collected in the present survey, we measured length and width of ten caryopsis randomly selected from each sample. The three wild species showed smaller sizes of caryopsis compared to cultivated rice, among which O. rufipogon showed relatively similar lenghth to cultivated rice (Fig. 2). Comparing caryopsis shapes among samples of O. rufipogon in Kachin State, Rakhine State, Bago Division and Ayeyarwady Division, variation of caryopsis length showed similar trend among samples of these areas, ranging from 6 to 8 mm. By contrast, the samples collected in Kachin State and Ayeyarwady Division showed slightly smaller ranges of variation of caryopsis width (1.9 to 2.4 mm) than those collected in the Rakhine State and Bago Division (1.9 to 2.7 mm) (data not shown). For propagation and evaluation of primary traits, 30 seeds each of 25 samples of O. rufipogon were directly sowed in an isolated green house at NIAS, Tsukuba on April 22, 2005. After one week, their germination rates were recorded. They ranged from 0 to 90% (Fig. 3). The shortgrass-type collected in the Rakhine State, Bago Division, and Ayeyarwady Division showed low germination rates. There are two possible explanations. We might have collected immature seeds because we surveyed there in the late half of the itinerary when most of fully matured seeds might have been shattered away. Or, those short-grass-type plants might have stronger seed dormancy, because some of them could germinate vigorously after dehusked. Further study will be needed to confirm this phenomenon. The #13, #14, #36 and #46 collected from hybrid swarms showed high germination rates. They might have been derived from hybrids between wild and cultivated types. Therefore, the high germination rates could be explained by recombination of non-dormancy from cultivated rice. Future subject During this exploration, we could survey populations beside the main roads or highways in the northern and western areas of Myanmar. Collection of wild rice at Indawgyi Lake in Kachin State which had never been investigated in detail was one of the fruitful results. The six samples of #21, #28, #29, #32, #39 and #54 will be analyzed for their population structures and diversities based on DNA polymorphism using PCR markers. Moreover, it is essential for substantial comprehension of ecological, physiological and morphological features of wild rice in the areas surveyed and compare them with wild rice distributed in other areas in - 123 - Myanmar. For example, field studies should be done in an area from the northwestern part of Mandalay Division to Chin State where we could not survey at the time because of car troubles, southeastern of Kachin State, Mon State and Tanintharyi Division. In this exploration, we found several types of wild rice such as floating rice, hybrid plants or populations derived from a cross between wild rice and cultivated rice, and weedy rice. Finally it is concluded that Myanmar is an ideal place for the studies on the“wild-weed-cultivated species complex”in the genus Oryza and for in situ conservation of wild rice genetic resources, since diversified wild rice as mentioned above are distributed there. Acknowledge Many people in both the Union of Myanmar and Japan supported this explanation and their help is very much appreciated. In particular, U Tin Htut Oo, Director General, Department of Agricultural Planning (DAP), Ministry of Agriculture and Irrigation (MOAI), Dr. Toe Aung, Deputy Director General, DAP, MOAI, Dr. Tin Soe, Director General, Department of Agricultural Research (DAR), MOAI, U Khin Soe, Director, Division of Biotechnology, Plant Genetic Resources, and Plant Protection, DAR, MOAI, and U Tun Than, Managing Director, Myanma Agriculture Service (MAS), MOAI facilitated greatly from planning to implementation. During the trip, great help and advice were extended by U Khan, Deputy State Manager, MAS Kachin State Office, U Kyawt Maung, Division Manager, MAS Magway Division, and U kyi Han, State Manager, Rakhine State. We thank many officers at MAS Township Offices, farmers and local people we visited for their hospitality and kindness. Reference 1)三浦清之・坂井真・入江憲治・Than May・San Myint・Tin Maw・Than Htay・Thein Thein Maw (2000) ミャンマー連邦における稲遺伝資源の探索収集 . 植探報 16: 111-132. 2)滝田正・田村泰章・入江憲治・Than Sein・Tin Maw Oo・Aung Naing Win・Kyaw Swar Oo (2001) ミャンマー連邦シャン州北部およびカチン州における稲遺伝資源の探索収集 . 植探 報 17: 67-79. 3)Duncan A. Vaughan (1990) Collaborative Myanmar Agricultural Services-IRRI collecting trip report for wild relatives of rice in lower Myanmar, 29 November-15 December 1990. 4)Duncan A. Vaughan (1992) Myanmar Agricultural Services-IRRI collaborative rice and wild rice collecting mission, 22 November-9 December 1992. 和文摘要 ミャンマーはイネの遺伝資源中心地のひとつとして古くから知られ,在来品種のみならず近 縁野生種の多様性も近隣諸国に比べよく保存されている.しかしながら,北部 Kachin 州や西部 Rakhin 州など調査が十分に行われていない地域もある.そこで,今回,ミャンマー農業灌漑省 農業研究部 (DAR) と共同でミャンマーの北部および西部地域を中心に野生イネの調査・収集を 生物研ジーンバンク事業として実施した. 今回の探索で,野生イネは合計で 102 点を収集した.このうち,O. rufipogon は 93 点,O. officinalis は 6 点,O. granulata は 3 点である.今回ミャンマー北部および西部で収集した O. rufipogon の主な特徴をみると,多くの野生イネが水田脇の湿地や水路に自生しており,人や家 - 124 - 畜による撹乱を受けていた.いくつかの水田脇の自生地では hybrid swarm が形成されていたが, 必ずしも水田脇の集団に hybrid swarm が形成されているとは限らなかった.水深の深い湿地の 野生イネは浮稲性を持っていたが,比較的浅い湿地では地面に根を張る野生イネが多く観察され た.一方,草丈と水位の関係は,必ずしも相関があるようには観察されなかった.野生イネの種 子稔性は一般に低い傾向にあったが,栽培種との雑種と思われる個体は種子稔性が比較的高かっ た.地域ごとに特異的な特徴をみると,北部 Kachin 州の Indawgyi 湖では,高い種子稔性を持っ た浮稲性の野生イネの巨大な自生地を発見した.Rakhine 州や Ayeyarwady 管区では,水田脇に 短稈型で非開帳性の穂を持つ野生イネを多数観察した.これら地域ごとに特異的な集団の特性を 明らかにすることは,ミャンマーの野生イネの生態を理解するうえで重要である. Fig. 1. Route of field survey and sites of material collected in Myanmar. Number indicates collection number. Number with underline mean that this material will be propagated and evaluated its traits at NIAS in 2005. Dotted line indicate route of field survey. ◎:sleep-away. ① : Mandalay Division, ② : Sagaing Division, ③ : Kachin State, ④ : Magway Division, ⑤ : Rakhine State, ⑥ : Bago Division, ⑦ : Ayeyarwady Division. - 125 - ◆ O. granulata (n=3) ○ O. officinalis (n=5) ▲ O. rufipogon (n=61) × O. sativa (n=13) spikelet width (mm) spikelet width( mm) 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 3 4 5 6 7 8 9 10 spikelet length spikelet length(mm) (mm) Fig. 2. The Distribution of 82 wild and cultivated rice accessions scattered according to the spikelet legnth and width. Sagain Mandalay Rakhin Germination ratio (%) Kachin Collection number Fig. 3. Germination ratio of wild rice collected in Myanmar. - 126 - Bago Ayeyarwady Table 1. Passport data of the collected materials in Manmar Collection JP No. Local name Scientific Name Collection date Status Locality (Vill., T/S, Prov.) Latitude Longitude Altitude Source Topography Site number 1 223835 - Vigna stipulacea (Lamarck) Soil texture clay 2004/Nov/13 wild PYAWBWE, MANDALAY Division N20 39.736’ E96 0.315’ 193m wild plain level level 2004/Nov/14 landrace PEGON, T/S KAWLIN, SAGAING N23 45.325’ E95 52.190’ 207m farmland hilly undulaing clay Drainage Remarks good On a ridge between a paddy field and swamp. good Glutinous rice. Tateishi Oryza sativa L. 2 223836 KYAIK- 3 MAYAW 223837 NGA-CHEIK 2004/Nov/14 landrace N23 48.382’ E95 53.224’ 205m farmland plain level level clay good Glutinous rice, purple plant. 4 223838 - Oryza sativa L. Oryza granulata Nees et Arn. Division T/S KAWLIN, SAGAING Division 2004/Nov/14 wild KYAUK-TAN, T/S KAWLIN, SAGAING N23 52.888’ E95 56.216’ 218m wild forest slope sand good Under a bamboo forest. 5 223839 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/15 wild Division KANYIN-MYING, T/S MOKAUNG, N25 12.162’ E96 45.479’ 163m wild swamp level clay moderate Hybrid swarm formed beside of a paddy field and a canal. 2004/Nov/15 wild KACHIN State MUN-YWET, T/S MOKAUNG, KACHIN N25 18.102’ E96 51.958’ 147m wild plain level level clay moderate In a swamp near paddy field. 2004/Nov/16 landrace State MOKE-LWE, T/S VAING-MAW, N25 18.108’ E97 24.875’ 138m farmland plain level level clay good Aromatic rice, about 90 cm of culm length. Jun. - Jul. (T) - 6 223840 - Oryza rufipogon W.Griffith Oryza sativa L. 7 223841 LONE-THWE 8 -HMWE 223842 PIN-LAE-BU Oryza sativa L. 2004/Nov/16 landrace KACHIN State MOKE-LWE, T/S VAING-MAW, N25 18.108’ E97 24.875’ 138m farmland plain level level clay good Nov. About 120 cm of culm length. Jun. - Jul. (T) - Nov. 9 223843 MWAY-SWAE Oryza sativa L. 2004/Nov/16 landrace KACHIN State KHA-SHI, T/S VAING-MAW, KACHIN N25 17.772’ E97 25.105’ 138m farmland plain level level clay good Tribe: LE-SU. 2004/Nov/16 weedy State KHA-SHI, T/S VAING-MAW, KACHIN N25 17.772’ E97 25.105’ 138m bank of swamp level clay poor Near a paddy field of sample No. 9, a few plants existed State KHA-SHI, T/S VAING-MAW, KACHIN N25 17.772’ E97 25.105’ 138m pond farmland plain level level clay poor around pond. Glutinous rice. 10 223844 - Oryza sativa L. - 127 - 11 223845 NGA-CHEIK Oryza sativa L. 2004/Nov/16 landrace 12 223846 NGA-CHEIK Oryza sativa L. 2004/Nov/16 landrace KHA-SHI, T/S VAING-MAW, KACHIN N25 17.772’ E97 25.105’ 138m farmland plain level level clay poor Glutinous rice. 2004/Nov/16 wild State KHA-SHI, T/S VAING-MAW, KACHIN N25 18.89’ E97 24.983’ 145m wild bank of level clay poor Open-type panicle. 2004/Nov/16 wild State KHA-SHI, T/S VAING-MAW, KACHIN N25 18.89’ wild swamp bank of level clay poor Compact-type panicle. 2004/Nov/16 landrace State TANFE, T/S ENJUNYAN, KACHIN N25 48.542’ E97 29.571’ 250m farmland swamp hilly slope loam good Upland rice in shifting cultivation field. Eleusine coracana (L.) Gaertn. 2004/Nov/16 landrace State TANFE, T/S ENJUNYAN, KACHIN N25 48.542’ E97 29.571’ 250m farmland hilly slope loam good Inshiftiing cultivation field. ssp. affricana (Kennedy et State N25 48.542’ E97 29.571’ 250m farmland hilly slope loam good Inshiftiing cultivation field. N25 48.542’ E97 29.571’ 250m farmland hilly slope loam good Inshiftiing cultivation field. At an edge of dried-up swamp. State 13 14 15 16 17 223847 223848 223849 KIN-HLAR 223850 YARGYI 223851 HNANGYI Oryza rufipogon W.Griffith Oryza rufipogon W.Griffith Oryza sativa L. O'Byrne) Hilu et de Wet Eleusine coracana (L.) Gaertn. 2004/Nov/16 landrace TANFE, T/S ENJUNYAN, KACHIN ssp. affricana (Kennedy et E97 24.983’ 145m State O'Byrne) Hilu et de Wet 18 223852 SANI-BAUNG Coix lacryma-jobi L. 2004/Nov/16 landrace var.ma-yuen TANFE, T/S ENJUNYAN, KACHIN State 19 223853 - Oryza officinalis Wall.ex Watt 2004/Nov/17 wild KACHIN State N25 17.994’ E97 11.854’ 145m wild swamp level clay moderate 20 223854 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild SHWE-WA-KWET-THIT, T/S N25 21.660’ E97 0.903’ 145m wild side of canal level clay poor 21-1 223855 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-2 223856 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-3A 223857 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-3B 223858 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-4 223859 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-5 223860 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor MOKAUNG, KACHIN State Table 1 (continued). - 128 - 21-6 223861 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-7 223862 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-8 223863 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-9 223864 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-10 223865 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-11 223866 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-12 223867 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-13 223868 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-14 223869 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-15 223870 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-16 223871 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-17 223872 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-18 223873 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-19 223874 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-20 223875 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-21 223876 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-22 223877 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-23 223878 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-24 223879 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-25 223880 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-26 223881 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-27 223882 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-28 223883 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-29 223884 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 21-30 223885 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/17 wild T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 20.274’ E96 56.941’ 143m wild swamp level clay poor 22 223886 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild HEPA, T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 4.453’ E96 21.58’ 170m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 1.2 m. 23 223887 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild HEBU, T/S MOHNYIN, KACHIN State N25 5.314’ E96 21.506’ 168m wild lake level clay poor INDAWGYI lake. 24 223888 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild NUT-MAUK-KAN, T/S MOHNYIN, N25 8.498’ E96 21.946’ 171m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 2.0 m. N25 9.946’ E96 21.210’ 174m wild lake level clay poor INDAWGYI lake. E96 21.738’ 172m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 1.7 m. N25 14.293’ E96 24.429’ 176m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: more than 1 m. N25 14.415’ E96 24.381’ 177m wild lake level clay poor INDAWGYI lake. N25 15.195’ E96 21.202’ 169m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, beside village, water depth: about 2.0 m. N25 150.90’ E96 21.199’ 165m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 2.5 m. KACHIN State 25 223889 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild NUT-MAUK-KAN, T/S MOHNYIN, KACHIN State 26 223890 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild LONE-SANT, T/S MOHNYIN, KACHIN N25 11.885’ State 27 223891 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild SHWE-TAUNG, T/S MOHNYIN, KACHIN State 28 223892 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild SHWE-TAUNG, T/S MOHNYIN, KACHIN State 29 223893 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild NYAUNG-PIN, T/S MOHNYIN, KACHIN State 30 223894 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild NYAUNG-PIN, T/S MOHNYIN, KACHIN State Table 1 (continued). 31 223895 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild NYAUNG-PIN, T/S MOHNYIN, N25 14.490’ E96 21.85’ 165m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 2.2 m. N25 13.896’ E96 21.53’ 166m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 3 m. N25 13.896’ E96 21.53’ 166m wild lake level clay poor INDAWGYI lake, water depth: about 3 m. YWA-THIT, T/S MOHNYIN, KACHIN N24 59.750’ E96 26.854’ 227m wild swamp level clay moderate N24 26.724’ E96 10.621’ 138m wild swamp level loam moderate Swamp near paddy fields. N24 26.724’ E96 10.621’ 138m wild swamp level loam moderate Side of a paddy field. Looks like a hybrid of the wild and KACHIN State 32 223896 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/18 wild NUT-THAUNG-SE, T/S MOHNYIN, KACHIN State 33 223897 - Coix sp. 2004/Nov/18 wild NUT-THAUNG-SE, T/S MOHNYIN, KACHIN State 34 223898 - Oryza officinalis Wall.ex Watt 2004/Nov/20 wild State 35 223899 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/20 wild CEPAIN, T/S INDAW, SAGAING Division 36 223900 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/20 wild CEPAIN, T/S INDAW, SAGAING Division cultivated types. 37 223901 - Oryza granulata Nees et Arn. 2004/Nov/21 wild T/S HTI-GAINT, SAGAING Division N23 55.227’ E96 0.525’ 210m wild forest slope clay good Along with a trail under a bamboo forest. 38 223902 - Oryza granulata Nees et Arn. 2004/Nov/21 wild SAGAING Division N23 53.964’ E95 59.375’ 355m wild forest slope clay excessive On a shaded cliff that was formed by cutting a hill to make a 39-I 223903 NUT-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/25 wild BE-KONE, T/S PYINMANA, N19 46.534’ E96 11.980’ 93m wild lake level clay poor NAY-YAUNG-PYA-INN lake, water depth: 20 to 50 cm. 39-II 223904 NUT-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/25 wild N19 46.534’ E96 11.980’ 93m wild lake level clay poor NAY-YAUNG-PYA-INN lake. N19 46.534’ E96 11.980’ 93m wild lake level clay poor NAY-YAUNG-PYA-INN lake. N19 46.534’ E96 11.980’ 93m wild lake level clay poor NAY-YAUNG-PYA-INN lake. N19 46.534’ E96 11.980’ 93m wild lake level clay poor NAY-YAUNG-PYA-INN lake. N19 56.596’ E95 45.957’ 378m wild mountainous undulating silt excessive Vine twining on a bush at the roadside in the Bago-yoma N19 55.868’ E95 44.455’ 314m wild mountainous undulating silt excessive On a steap cliff that was formed by cutting a hill to make a N19 50.978’ E94 25.98’ 307m wild mountainous undulating loam good At the roadside, some on a cliff and others near wet places. N19 50.895’ E93 55.221’ 26m wild undulating level loam poor Near a small brigh on a stream. N19 58.84’ E93 43.628’ 24m wild plain level level loam good Near the road, disturbed by water buffalo. N19 58.84’ E93 43.628’ 24m wild plain level level loam good Vine twining up a tress. N20 12.766’ E93 25.701’ 22m wild swamp level clay poor Hybrid swarm. Awned (red and green) and awnless mixed, N20 46.763’ E93 4.780’ 12m wild swamp level clay poor N20 50.313’ E93 4.435’ 14m wild pond level clay poor Water depth: more than 1 m. Low fertility. N20 50.663’ E93 1.737’ 19m wild canal level clay poor Water depth: more than 1 m. Low fertility. road. MANDALAY Division BE-KONE, T/S PYINMANA, MANDALAY Division - 129 - 39-III 223905 NUT-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/25 wild BE-KONE, T/S PYINMANA, MANDALAY Division 39-IV 223906 NUT-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/25 wild BE-KONE, T/S PYINMANA, MANDALAY Division 39-V 223907 NUT-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/25 wild BE-KONE, T/S PYINMANA, MANDALAY Division 40 223908 - Vigna sp. 2004/Nov/26 wild T/S TAUNG-DWIN-GYI, MAGWAY Division 41 223909 - Vigna sp. 2004/Nov/26 wild 42 223910 - Vigna sp. 2004/Nov/27 wild T/S TAUNG-DWIN-GYI, MAGWAY mountains Division GOAT-GYI, T/S NGA-PE, MAGWAY road. Division 43 223911 - Oryza officinalis Wall.ex Watt 2004/Nov/28 wild KYEIN-GYANG, T/S ANN, RAKHINE State 44 223912 - Oryza officinalis Wall.ex Watt 2004/Nov/28 wild ZA-YAN, T/S MYAY-PON, RAKHINE State 45 46 223913 223914 - Vigna tenuicaulis N. Tomooka 2004/Nov/28 wild ZA-YAN, T/S MYAY-PON, RAKHINE & N. Maxted State Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/28 wild KAN-NE(NI), T/S MIN-BYAR, RAKHINE State 47 223915 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild HTAIN-WA-PYIN, T/S MYAUK-U, highly sterile. RAKHINE State 48 223916 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild KYAUK-KYAT, T/S MYAUK-U, Water depth: 30 to 50 cm. Plant type: dwarf (about 50cm), intermediate fertility, floating type. RAKHINE State 49 223917 TAUNG-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild KYAUK-TAW-LONE, T/S KYAUK-TAW, RAKHINE State Table 1 (continued). 50 223918 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild SHAN-YWA quarter, T/S N20 50.769’ E92 58.274’ 16m wild pond level clay poor Almost sterility. N20 50.726’ E92 58.280’ 13m wild pond level clay poor N20 50.48’ E92 58.862’ 17m wild pond level clay poor Fertility of individual is quite different. N20 39.435’ E92 55.284’ 20m wild swamp level clay poor A habitat disturbed by man and water buffalo, water depth: N20 33.531’ E92 58.326’ 24m wild swamp level clay moderate N20 33.531’ E92 58.326’ 24m farmland plain level level clay good N20 33.531’ E92 58.326’ 24m farmland plain level level clay good N20 25.793’ E93 0.672’ 15m wild pond level clay poor E92 52.248’ 23m wild swamp level loam poor E92 52.163’ 23m wild swamp level loam poor Relative seed retention, fertility: about 20%. E92 52.163’ 23m wild swamp level loam poor Probably an escape. N20 19.223’ E92 58.85 15m wild swamp level clay poor A habitat disturbed by water buffalo. N20 19.297’ E92 58.526’ 14m wild swamp level clay moderate A habitat disturbed by water buffalo, water depth: 5 to 10 PAT-KHAT-SAUK, T/S PON-NA-KYUN, N20 37.245’ E92 56.189’ 19m wild swamp level clay poor Water depth: 10to 15 cm. Plant type: short. N20 50.464’ E93 0.638’ 9m wild swamp level clay poor Water depth: more than 1 m. Floating type. N20 32.193’ E93 14.597’ 27m wild swamp level clay poor A swamp between a road and paddy fields, water depth: 10 MYAUNG-BWE-CHAY, T/S MYAUK-U, N20 28.443’ E93 16.611’ 11m wild swamp level clay poor E93 16.547’ 5m wild pond level clay poor A pond covered by wild rice. Low fertility. N20 21.705’ E93 16.310’ 10m wild pond level clay poor Water depth: 2.5 m. Low fertility (0 to 60%), floating type, N20 23.540’ E93 17.409’ 5m wild pond level clay poor KYAUK-TAW, RAKHINE State 51 223919 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild SHAN-YWA quarter, T/S KYAUK-TAW, RAKHINE State 52 223920 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild PYI-TAW-THA quarter, T/S KYAUK-TAW, RAKHINE State 53 223921 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild WAR-TAUNG, T/S KYAUK-TAW, RAKHINE State 54 223922 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild YOE-TA-YOKE, T/S PON-NA-KYUN, 40 to 50 cm. High fertility, plant type: dwarf. Swamp near paddy fields. Medium fertility, plant type short. RAKHINE State 55 223923 PAW-SAN-HMWE Oryza sativa L. 2004/Nov/29 cultivated YOE-TA-YOKE, T/S PON-NA-KYUN, RAKHINE State 56 223924 SAR-PA-TI Oryza sativa L. 2004/Nov/29 cultivated YOE-TA-YOKE, T/S PON-NA-KYUN, RAKHINE State 57 223925 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/29 wild YOE-NGU, T/S PON-NA-KYUN, RAKHINE State 58 223926 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/30 wild KAN-DAW-GYI quarter, T/S SITTWA, N20 8.910’ RAKHINE State 59 223927 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/30 wild Presumed wild and cultivated hybrid derivative. Relative seed retention. KAN-DAW-GYI quarter, T/S SITTWA, N20 8.924’ - 130 - RAKHINE State 60 223928 - Oryza sativa L. 2004/Nov/30 wild KAN-DAW-GYI quarter, T/S SITTWA, N20 8.924’ RAKHINE State 61 223929 MYAUK-PIN Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/30 wild YA-CHAUNG, T/S PON-NA-GYUN, RAKHINE State 62 223930 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/30 wild YA-CHAUNG, T/S PON-NA-GYUN, RAKHINE State 63 223931 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/30 wild cm. Plant type: short. RAKHINE State 64 223932 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Nov/30 wild LEN-MA-DAW, T/S KYAUK-TAW, RAKHINE State 65 223933 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/1 wild LAUNG-KYAT, T/S MYAUK-U, RAKHINE State 66 223934 MYAUK-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/1 wild to 30 cm. Low fertility (around 10%). RAKHINE State 67 223935 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/1 wild A swamp between a road and paddy fields, water depth: 10cm. Low fertility (around 5 %), floating tendency. MYAUNG-BWE-CHAY, T/S MYAUK-U, N20 28.560’ RAKHINE State 68 223936 MYAT-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/1 wild BAR-KHAN quarter, T/S MIN-BYAR, RAKHINE State 69 223937 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/1 wild CHAUNG-LAUNG, T/S MIN-BYAR, compact-type panicle. RAKHINE State Water depth: 10 to 30 cm. Plant type: dwarf, low fertility (10%). Farmer suggested floating habit during raining season when water depth becomes nearly 1 m. 70 223938 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/1 wild KAN-NE, T/S MIN-BYAR, RAKHINE N20 13.16’ E93 25.479’ 12m wild swamp level clay poor Water depth: 60 cm. N19 58.578’ E93 41.86’ 15m wild undulating level clay moderate Under a bridge on a stream. N18 58.413’ E95 14.169’ 75m wild pond level sand poor Water depth: 30 to 50 cm. Plobably floating during raining State 71 223939 - Oryza officinalis Wall.ex Watt 2004/Dec/1 wild DA-HAT-WA, T/S ANN, RAKHINE State 72 223940 NYAR-SAR Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild KAN-LAY, T/S PYI, BAGO Divison season. Table 1 (Continued). 73 223941 OH-GYI Oryza sativa L. 2004/Dec/3 landrace T/S PYI, BAGO Divison ----- ----- - farmer's - - - - Jun./Jul. - Jul./Aug. (T) - Nov. A little bit sticky. seed 74 223942 - Oryza officinalis Wall.ex Watt 2004/Dec/3 wild KAN-LAY, T/S PYI, BAGO Divison N18 58.413’ E95 14.169’ 75m wild road side level sand good Culm length: 1.2 m. 75 223943 SIN-KHO-MYAT Oryza rufipogon W.Griffith wild TOE-CHE-YAY quarter, T/S THEGON, N18 31.731’ E95 20.67’ 35m wild swamp level sand poor A habitat disturbed by water buffalo and cattle. Fertility: 20 N18 27.63’ E95 32.43’ 42m wild swamp level loam poor Water depth: 10 to 20 cm. Fertility: more than 50% N18 18.931’ E95 37.638’ 35m wild pond level loam good Many seed dropped, fertility: 30 to 40% (sometime more E95 42.164’ 29m wild swamp level loam poor Hybrid swarm. Campact-type panicle. E95 42.164’ 29m wild swamp level loam poor Hybrid swarm. Semi-open panicle. E95 42.164’ 29m wild swamp level loam poor Hybrid swarm. Weedy-like. E95 42.164’ 29m wild swamp level loam poor Hybrid swarm (another swamp to #78, #79, and #80). E94 49.616’ 10m wild pond level loam poor Water depth: 50 cm. Floating type. N16 57.771’ E94 58.886’ 6m wild swamp level clay poor fertility: 20 to 30%. N17 4.939’ E95 11.125’ 12m wild swamp level clay poor Hybrid swarm. Weedy-like. N17 4.939’ E95 11.125’ 12m wild swamp level clay poor compact-type panicle. N17 4.939’ E95 11.125’ 12m wild swamp level clay poor open-type panicle. N17 1.61’ E95 23.330’ 14m wild swamp level clay poor Low fertility, compact-type panicle. N17 1.61’ E95 23.330’ 14m wild swamp level clay poor Low fertility, open-type panicle. N16 58.960’ E95 28.191’ 6m wild swamp level clay poor A large population of several open-type panicle, floating N16 57.480’ E95 39.710’ 11m wild swamp level clay moderate - wild side of road level clay moderate 2004/Dec/3 BAGO Divison 76 223944 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild POTHAR-AUNG-TADAR, T/S to 30% NAT-TALIN, BAGO Divison 77 223945 DAUNG-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild WET-KAW, T/S ZEGONE, BAGO Divison 78 223946 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild than 50 %). OAT-SHIT-KONE, T/S OAT-PO, BAGO N18 5.658’ Divison 79 223947 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild OAT-SHIT-KONE, T/S OAT-PO, BAGO N18 5.658’ Divison 80 223948 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild OAT-SHIT-KONE, T/S OAT-PO, BAGO N18 5.658’ Divison 81 223949 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/3 wild OAT-SHIT-KONE, T/S OAT-PO, BAGO N18 5.658’ Divison 82 223950 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild A-PIN-NIT-SE, T/S KAN-GYI-DAUNT, N16 50.459’ AYEYARWADY Divison 83 223951 DAUNG-SABA Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild DA-KA, T/S KAN-GYI-DAUNT, - 131 - AYEYARWADY Divison 84 223952 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild KYAUNG-GONE-TA-DAR, T/S KYAUNG-GONE, AYEYARWADY Divison 85 223953 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild KYAUNG-GONE-TA-DAR, T/S KYAUNG-GONE, AYEYARWADY Divison 86 223954 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild KYAUNG-GONE-TA-DAR, T/S KYAUNG-GONE, AYEYARWADY Divison 87 223955 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild PA-THWE, T/S KYAUNG-GONE, AYEYARWADY Divison 88 223956 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild PA-THWE, T/S KYAUNG-GONE, AYEYARWADY Divison 89 223957 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild YAW-THIT, T/S PAN-TA-NAW, AYEYARWADY Divison 90 223958 - Oryza rufipogon W.Griffith 2004/Dec/4 wild WAN-TA-YOE, T/S MYAUNG-DONE, habit. AYEYARWADY Divison 91 223959 - Colocasia esculenta (L.) Schott 2004/Nov/20 wild YWA-THIT, T/S MOHNYIN, KACHIN State - Near paddy fields. Fertility: 50%, open-type panicle. Photo 1. Floating type of O. rufipogon grew in the Indawdyi Lake (#26, Kachin State). Photo 2. Hybrid swarm (arrow) formed near paddy field (#36, Sagaing Division). Photo 3. O. rufipogon grew in the Nay-Yaung -Pya-Inn Lake and water buffalo were eating its population (#39 Mandalay Division). Photo 4. Short grass-type O. rufipogon grew in the swamp beside road (#61, Rakhine State). Paddy field were observed over there. AA B B Photo 5. O. rufipogon grew in whole area of lake (A: short grass-type, B: tall grass-type) (#72, Bago Division). Photo 6. short grass-type O. rufipogon showed floating ability in shallow swamp beside road (#87, Ayeyarwady Division). Photo 7. O. officinalis (arrow) found waterless stream near bridge (#43, Rakhine State). Photo 8. O. granulata (arrow) grew near root of bamboo in bamboo bush (#37, Sagaing Division). - 133 - 〔植探報 Vol.21: 135 ∼ 143, 2005〕 パプアニューギニアにおけるマメ類および共生微生物 遺伝資源多様性の現地調査と保全 友岡 憲彦 1)・小林 伸哉 2)・R. N. KANBOU 3)・J. RISIMERI 3)・ J. POAFA 3)・A. APA 3)・加賀 秋人 1)・伊勢村 武久 1)・黒田 洋輔 1)・ Duncan A. VAUGHAN 1) 1) 農業生物資源研究所・遺伝資源研究グループ・集団動態研究チーム 2) 国際農林水産業研究センター・生物資源部 3) 国立農業研究所(パプアニューギニア) Ecological Survey and Conservation of Legume - symbiotic Rhizobia Genetic Diversity in Papua New Guinea, 2004 Norihiko TOMOOKA1), Nobuya KOBAYASHI2), R. N. KAMBUOU3), J. RISIMERI3), J. POAFA3), A. APA3), Akito KAGA1), Takehisa ISEMURA1), Yosuke KURODA1) and Duncan A. VAUGHAN1) 1) National Institute of Agrobiological Sciences , Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan 2) Japan International Research Center for Agricultural Sciences , Owashi 1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8634, Japan 3) National Agriculture Research Institute , Papua New Guinea Summary A field survey was conducted for conservation of legumes and symbiotic rhizobia genetic diversity in Papua New Guinea (Port Moresby area, Alotau area and eastern Highlands area Ramu river valley) from June 20 to July 10, 2004. The food legumes, hyacinth bean (Lablab purpureus ), lima bean (Phaseolus lunatus ), winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ) and yard long bean (Vigna unguiculata ) were collected. The wild species, Canavalia rosea , Glycine tomentella , Macroptilium atropurpureum , Vigna radiata var. sublobata , Vigna reflexo-pilosa and Vigna marina were collected. Seed samples as well as root nodules were collected if they are available and are deposited in Papua New Guinea and Japan genebanks. Introduction and Methods The National Agricultural Research Institute (NARI), Papua New Guinea (PNG) and National Institute of Agrobiological Sciences (NIAS), Japan signed an MOA and a workplan related to collaboration on plant genetic diversity conservation in October 2003. This is the first report on a survey conducted in PNG for the conservation of legumes and symbiotic rhizobia genetic - 135 - diversity in relation to the workplan developed. Papua New Guinea has a land area of 462,243 2 km stretching from 141° E to 156° E and 1° S to 11° S. It is an ecologically diverse country. The highest peak Mt. Wilhelm has an elevation of 4,793 m, in the Owen Stanley Ranges. The field survey was conducted from June 20 to July 10 (Table 1). A map of the surveyed area is shown in Fig.1. Seeds, herbarium specimens and root nodules were collected when they are available. Information on collection sites including village names, altitudes, latitudes, longitudes, habitat status and other ecological data together with detailed sketch maps of the sites were recorded as passport data and summarized in Tables 2 & 3. Results A total of 37 seed samples consisting of 10 legume species were collected together with root nodules if available (Table 2). The surveyed area was divided into 3 areas, Port Moresby, Alotau, and Eastern Highlands and Ramu river valley(Fig. 1). The main results in each area are summarized below. Port Moresby We have surveyed around Port Moresby to the southeast as far as Kwikila (ca. 70 km SE of Port Moresby) and to the northwest as far as Bereina (ca. 150 km NW of Port Moresby) along the road. The altitude ranged from 10 m to 85 m. Ten seed samples consisting of 3 wild species, Glycine tomentella , Macroptilium atropurpureum and Vigna radiata var. sublobata , were collected in this area. This area is characterized by dry savannah type grasslands distributed on sandy soil. Eucalyptus trees are seen sporadically. In this vegetation, wild mungbean (Vigna radiata var. sublobata ) is a common component as a twiner or crawler. Glycine tomentella seems less common but is also considered as a member of this vegetation. Macroptilium atropurpureum is considered to be an established escape after introduction as a forage crop. Alotau Alotau is the capital city of Milne Bay province which is located in the southeastern peninsula of mainland PNG. We surveyed from Alotau to the east end of East Cape peninsular along the road facing the Milne Bay by car. We also surveyed the area around Dogura, Rabaraba, Awayama and Garuahi which is located on the north coast facing the Goodenough Bay by boat. The area around Alotau is characterized by tropical rain forest climate and the main land use is oil palm plantation. Near the end of East Cape, the vegetation changed to savannah type grasslands with pandanus trees. We could not find wild Glycine or wild Vigna in this area. Yard long bean (Vigna unguiculata ) sold in an open market in East Cape was collected. This crop seems to be recently introduced according to comments by local people. The area facing Goodenough Bay has rather dry weather conditions and is characterized by savannah type grasslands with pandanus and sago trees (eastern part around Garuahi and Awayama) or with eucalyptus trees (western part around Rabaraba and Dogura). Wild legumes, Glycine tomentella and Vigna radiata var. sublobata were found growing in grasslands with eucalyptus vegetation. Two accessions of G. tomentella were collected in hilly areas around Dogura town. Two accessions of V. radiata var. sublobata were collected in Rabaraba and Dogura. V. radiata seems to be more common in this area and is also found in savannah - 136 - Fig.1. A map of the surveyed area in Papua New Guinea, 2004 Table 1. Itinerary of the field survey in Papua New Guinea, 2004 Day Date 1 20-Jun 2 Day Itinerary Sun Tsukuba 21:25 (QF060) → Cairns 5:55 (flight) Work Stay move on flight 21-Jun Mon Cairns 12:00 (PX093) → Port Moresby 13:35 (flight) discussion at NARI Port Moresby 3 22-Jun survey Port Moresby 4 23-Jun Wed east of Port Moresby (Kwikila) (car) survey Port Moresby 5 24-Jun Thu west of Port Moresby (Bereina) (car) survey Port Moresby 6 25-Jun Fri move Alotau 7 26-Jun Sat Alotau → East Cape (car) survey Alotau 8 27-Jun Sun Alotau → North coast (car) survey Alotau 9 28-Jun Mon Alotau → Dogura (boat) survey Dogura 10 29-Jun survey Dogura 11 30-Jun Wed Dogura → Alotau (boat) Tue near Port Moresby (Napa Napa) (car) Port Moresby 6:05 (PX954) → Alotau 7:05, Discussion with local staff Tue Dogura → Raba Raba → Dogura (boat) survey Alotau survey, move Port Moresby 12 1-Jul near Alotau, Alotau 16:30 (PX159) → Port Moresby 17:20 Thu (flight) 13 2-Jul Fri Port Moresby 9:15 (PX960) → Goroka → Kundiawa (flight) move Kundiawa 14 3-Jul Sat west of Kundiawa (car) survey Kundiawa 15 4-Jul Sun between Kundiawa → Goroka (car) survey Goroka 16 5-Jul Mon south of Goroka survey Goroka 17 6-Jul Tue east of Goroka (Kainantu) survey Goroka 18 7-Jul Wed Goroka → Watarais → Ramu Sugar (car) survey Ramu Sugar 19 8-Jul Thu Plant quarantine Port Moresby 20 9-Jul Fri Port Moresby 18:25 (PX98) → Cairns 19:50 (flight) move Cairns 21 10-Jul Sat Cairns 12:10 (QF167) → Tsukuba 18:45 (flight) move Ramu Sugar → Lae 16:35 (PX109) → Port Moresby 17:20 (flight) - 137 - Table 2. A summary of collected materials in each area No. Species Port Moresby area Alotau area Eastern highland and Ramu valley Total 1 - 1 1 Canavalia rosea - 2 Glycine tomentella 1 2 - 3 3 Lablab prupureus - 1 - 1 4 Macroptilium atropurpureum 1 - - 1 5 Phaseolus lunatus - 1 - 1 6 Psophocarpus tetragonolobus - - 9 9 7 Vigna radiata var. sublobata 8 4 2 14 8 Vigna reflexo-pilosa - 1 4 5 9 Vigna marina - 1 - 1 10 Vigna unguiculata - 1 - 1 10 12 15 37 Total grassland with pandanus trees around Garuahi and Awayama. Canavalia rosea and Vigna marina were found growing on the sandy beach at Rabaraba. An accession of Vigna reflexo-pilosa was collected beside a village path in Garuahi. In an open market in Dogura, young pods of hyacinth bean (Lablab purpureus ) were sold as vegetables. Lima bean seems to be common in this area and an accession was collected in Dogura which was grown in a backyard garden. Eastern Highlands area and Ramu river valley The eastern part of the highlands was surveyed along the road around Kundiawa (Chimbu province), Goroka and Kainantu (Eastern Highland province). The altitude of the surveyed area ranged from 1,336 m to 2,110 m. In both areas, winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ) is commonly grown and 9 samples were collected. Every farmer recognized and grew several cultivars with different seed color, pod size and color, root size and shape. In the western part of the surveyed area (Chimbu province and a part of Western Highlands province), Vigna reflexo-pilosa were found in wet soil such as in ditches. However, we could not find any natural population of this species around Goroka or Kainantu (Eastern Highland province). V. radiata var. sublobata was not found on the highlands. After the survey on the highland area, we went down to the Ramu river valley. The altitude of surveyed area in Ramu valley ranged between 265 m to 485 m. This area is a vast flood plain mainly used for sugarcane plantation or pasture land. Vigna radiata var. sublobata was found growing along the road and beside pasture in this area. Two samples were collected. Discussion Cultivated food legumes A few food legumes have been cultivated traditionally in PNG (Verdcourt, 1979). Winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ) is one of a few traditional legumes and the flowers, leaves, young pods, seeds are all eaten. In some areas on the highlands, it is cultivated mainly for its tuberous root production. The root of winged bean contains 10-15% protein which is about 10 times as much as in kudzu, yams or sweet potatoes. The seed of winged bean is also famous for - 138 - its high protein content (30-40%). Various cultivars are still cultivated but many farmers told us that much more diverse cultivars had been cultivated before. Lima bean (Phaseolus lunatus ) is considered to have been domesticated in Central America and Andean highlands. Although it is not clear when this crop was introduced to PNG, it is considered to be an old food legume of the New Guinean highlands, and the leaves, young pods and seeds are all eaten. Another traditional food legume in PNG is hyacinth bean (Lablab purpureus ). The leaves, young pods and seeds are eaten. A large edible root packed with starch is also palatable. Only one sample of lima bean and hyacinth bean could be collected in this survey. Further effort to collect these traditional food legumes in PNG is necessary. Wild Vigna Vigna reflexo-pilosa Living materials of Vigna reflexo-pilosa were collected for the first time in PNG. This species is not described in the monograph“A manual of New Guinea Legumes”(Verdcourt, 1979). V. reflexo-pilosa is the only tetraploid species in the genus Vigna (Tomooka et al ., 2002). This species was domesticated and the cultivated form is the variety V. reflexo-pilosa var. glabra (=V. glabrescens ). This underexploited crop has a potential to become a“new”crop considering its robust nature. Wild plants of this species were collected mainly from the highland area of PNG. New materials from PNG may provide a novel gene source for this crop as well as important research materials regarding the origin of this crop. Vigna radiata var. sublobata This wild legume is the wild ancester of the important food legume, mungbean (V. radiata var. radiata ). Wild plants of this species were collected around Port Moresby, northern coastal area of Alotau and Ramu river valley area. They seem to prefer dry sandy soils where savannah type grassland vegetation prevails. References 1)Tomooka N., D.A. Vaughan, H. Moss and M. Maxted (2002) The Asian Vigna : genus Vigna subgenus Ceratotropis genetic resources. Kluwer Academic Publishers. 270 pages. 2)Verdcourt B. (1979) A manual of New Guinea Legumes. Kristen Press Inc. Madang, PNG. 和文摘要 農業生物資源研究所はパプアニューギニア農業研究所との間で共同研究協定を締結し,2004 年から植物遺伝資源の多様性保全に関する共同調査研究を開始した.パプアニューギニアはヤム イモやタロイモを主食とする根菜農耕文化圏に属する地域であるが,シカクマメ,フジマメ,ラ イマメは伝統的マメ科作物と考えてよい.また,アジアのササゲ属野生種やダイズ属野生種も分 布しており,独自の遺伝的変異が期待できる.本調査では,ポートモレスビー周辺,アロタウ周 辺,ニューギニア高地東部およびラム川氾濫原を探索し,伝統的マメ科作物,その近縁野生種お よび共生している根粒菌の収集保全を行った. - 139 - Table 3. A passport data of collected materials. Date Col. No. Species name Status Collection Site Province Alt. Latitude Longitude Vigna radiata var. sublobata wild beside Lamana Hotel, Waigani City Centre, Port Moresby Central 22-Jun 2004PNG-2-1 Vigna radiata var. sublobata wild Napa Napa, near Port Moresby 2004PNG-2-2 Vigna radiata var. sublobata wild 2004PNG-2.5 Vigna radiata var. sublobata 23-Jun 2004PNG-3 Seed Herbarium Nodule Soil Remarks 35m S9-26-33.8 E147-10-47.0 yes yes no 〃 10m S9-27-14.7 E147-6-5.3 yes yes no sand road side, very dry condition 〃 〃 10m S9-27-14.7 E147-6-5.3 yes yes no sand road side, very dry condition wild 〃 〃 10m S9-27-14.7 E147-6-5.3 yes no no sand road side, very dry condition Vigna radiata var. sublobata wild between Saroa and Kwikila, east of Port Moresby 〃 85m S9-48-47.7 E147-39-8.8 yes yes yes sandy beside road, flower color: pale yellow, stem: slender, 2004PNG-4 Vigna radiata var. sublobata wild Manu Goro, east of Port Moresby 〃 10m S9-42-37.9 E147-27-56.5 yes yes yes sandy road side ditch 24-Jun 2004PNG-5 Vigna radiata var. sublobata wild junction to Kubuna Mission, west of Port Moresby 〃 50m S8-45-31.5 E146-39-44.5 yes yes yes road, slope: 5 ° small stipule, small flower, sandy beside slender leaflet 2004PNG-6-1 Vigna radiata var. sublobata wild west of Port Moresby 〃 24m S8-56-54.2 E146-47-29.3 no yes yes sandy only nodules and specimens collected 2004PNG-6-2 Macroptilium atropurpureum wild 〃 〃 24m S8-56-54.2 E146-47-29.3 no yes yes sandy only nodules and specimens collected 2004PNG-6-3 Glycine tomentella wild 〃 〃 24m S8-56-54.2 E146-47-29.3 no yes no sandy only nodules and specimens collected Milne Bay 1m S10-13-51.7 E150-52-11.1 yes no no sandy market, sold as a vegetable Port Moresby area 21-Jun 2004PNG-1 silt waste land and beside road, flower color: pale yellow, thick main root and stem - 140 - Alotau area 26-Jun 2004PNG-26 Vigna unguiculata cultivated East cape 27-Jun 2004PNG-7 Vigna radiata var. sublobata 2004PNG-8 29-Jun 2004PNG-9 Vigna radiata var. sublobata Vigna marina wild Awayama Village, north of Alotau 〃 13m S10-14-14.7 E150-31-56.1 yes yes yes silt beside road, edge of savannah grassland wild Garuahi, north of Alotau 〃 18m S10-13-7.1 E150-29-15.5 yes yes yes clay edge of savannah grassland wild Raba Raba 〃 0m S9-58-52.9 E149-50-47.7 yes no yes sandy sandy beach 25m S9-58-32.1 E149-50-22.7 yes yes yes b l a c k savannah grassland on the hill clay 2004PNG-10 Vigna radiata var. sublobata wild 〃 〃 2004PNG-11 Canavalia rosea wild 〃 〃 0m S9-58-52.9 E149-50-47.7 yes yes no 2004PNG-12 Glycine tomentella wild Dogura 〃 36m S10-5-26.9 E150-4-58.4 yes yes no silt beside road to Dogura high school, slope: 5° 2004PNG-12.5 Glycine tomentella wild 〃 〃 36m S10-5-26.9 E150-4-58.4 yes no no silt beside road wild 〃 〃 36m S10-5-26.9 E150-4-58.4 yes yes yes silt beside road, slope: 5° sand sandy beach 2004PNG-13 Vigna radiata var. sublobata 2004PNG-14 Lablab prupureus cultivated 〃 〃 36m S10-5-26.9 E150-4-58.4 yes no no silt market, young pods used as a vegetable 2004PNG-15 Phaseolus lunatus cultivated 〃 〃 36m S10-5-26.9 E150-4-58.4 yes no no silt farmer's garden Vigna reflexopilosa 〃 1m S10-13-52.7 E150-31-1.6 yes yes yes 30-Jun 2004PNG-16 wild Garuahi sand beside road, flower color: bright yellow Table 3 (continued). Date Col. No. Species name Status Collection Site Province 2004PNG-17 Vigna reflexopilosa 2004PNG-18 2004PNG-19 Alt. Latitude Longitude Seed Herbarium Nodule Soil Remarks wild Kumgi Barawagi, west of Kundiawa Chimbu 1,442m S5-56-44.2 E144-50-7.1 yes yes yes path, local name: Bin (bean) are (wild), flower gravel beside color: yellow, leaflet: densly hairy Vigna reflexopilosa wild 5 km east from No. 17 site, near Primary school, west of Kundiawa 〃 1,494m S5-56-40.5 E144-51-31.2 yes no no gravel waste land beside road Vigna reflexopilosa wild Pogorob, east of Mount Hagen E144-32-51.5 yes yes yes clay wet place near ditch beside road Eastern Highland 3-Jul 2004PNG-20-1 Psophocarpus tetragonolobus cultivated Kunabau, West of Kundiawa 2004PNG-20-2 Psophocarpus tetragonolobus 2004PNG-20-3 Psophocarpus tetragonolobus 2004PNG-21 5-Jul - 141 6-Jul Vigna reflexopilosa W e s t e r n 1,550m S5-50-4.0 Highlands Chimbu 1,494m S5-56-40.5 E144-51-31.2 yes no no clay black seed variety cultivated 〃 〃 1,494m S5-56-40.5 E144-51-31.2 yes no no clay brown seed variety cultivated 〃 〃 1,494m S5-56-40.5 E144-51-31.2 yes no no clay black mottled seed variety 〃 1,366m S6-1-57.3 E144-58-28.9 yes yes yes clay beside road, grows near the ditch E145-30-25.6 yes no no local name: Ephe: white seed, white long pod, long clay tuber, pick flower for good tuber production, wild Kundiawa 2004PNG-22-1 Psophocarpus tetragonolobus cultivated Kuru village, South of Goroka 2004PNG-22-2 Psophocarpus tetragonolobus cultivated 〃 〃 2,110m S6-24-55.2 E145-30-25.6 yes no no name: Hitripha: black seed, short black pod, clay local round short tuber 2004PNG-22-3 Psophocarpus tetragonolobus cultivated 〃 〃 2,110m S6-24-55.2 E145-30-25.6 yes no no name: Sumetha: mottled seed, white medium clay local length pod, round short tuber 2004PNG-23-1 Psophocarpus tetragonolobus between Goroka and cultivated Isontenu, Kainantu 〃 1,580m S6-16-15.9 E145-55-3.5 yes no yes silt local name:Korahu:black seed, pink pod, short white round tuber local name: Tuanta: black seed, green pod, short brown tuber 2004PNG-23-2 Psophocarpus tetragonolobus cultivated 〃 〃 1,580m S6-16-15.9 E145-55-3.5 yes no yes silt local name: Antuna: black mottled seed, green pod, short white round tuber 2004PNG-23-3 Psophocarpus tetragonolobus cultivated 〃 〃 1,580m S6-16-15.9 E145-55-3.5 yes no yes silt local name: Daufa-e: brown seed, thick long pale green pod, long white or brown tuber E a s t e r n 2,110m S6-24-55.2 Highland Ramu river valley 7-Jul 2004PNG-24 Vigna radiata var. sublobata wild Marajabong, near Watarais Morobe 485m S6-8-25.0 E146-2-21.2 yes yes yes 2004PNG-25 Vigna radiata var. sublobata wild Dunpu, south of Madang Madang 265m S5-51-33.5 E145-42-11.8 yes yes yes gravel local name: Upis (bean), many nodules silt beside forage grassland, not much stink bug damage, many nodules Photo 1. Dry grassland with eucalyptus trees near Port Moresby, a habitat of Vigna radiata var.sublobata Photo 2. Glycine tomentella found in Dogura Photo 3. Dry habitat of Vigna radiata var. sublobata Photo 4. Vigna radiata var. sublobata. growing under serious drought condition Photo 5. Winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ) sold in a highland market (left) and its cooked tuberous roots (right) Photo 6. Morphological variation of the seeds of winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ) - 143 - 〔植探報 Vol.21: 145 ∼ 149, 2005〕 中国新彊ウイグル自治区における果樹遺伝資源の共同調査 プロジェクトの事前調査 佐藤 義彦 1)・山口 正己 2)・叢 花 3)・廬 春生 4)・白田 和人 5) 1)果樹研究所・遺伝育種部・遺伝資源研究室 2)果樹研究所・遺伝育種部・核果類育種研究室 3)新彊農業科学院・農作物品種資源所 4)新彊農業科学院・園芸作物研究所 5)農業生物資源研究所・ジーンバンク・上席研究官 Preliminary Survey of Collaborative Research Project on Conservation of Fruit Tree Genetic Resources in Xinjiang Uygur Autonomous District of China Yoshihiko SATO1), Masami YAMAGUCHI2), Hua CONG3), Chun Sheng LU4)and Kazuto SHIRATA5) 1) Laboratory of Genetic Resources, Department of Breeding, National Institute of Fruit Tree Science , Fujimoto 2-1, Tsukuba, Ibaraki, 305-8605 Japan 2) Laboratory of Stone Fruit Breeding, Department of Breeding, National Institute of Fruit Tree Science , Fujimoto 2-1, Tsukuba, Ibaraki, 305-8605 Japan 3) Institute of Crop Germplasm Resources, Xinjiang Academy of Agricultural Science ces , No.38 Nanchang Road Urumqi, Xinjiang, 830000 China 4) Institute of Horticultural Research, Xinjiang Academy of Agricultural Sciences , No.38 Nanchang Road Urumqi, Xinjiang, 830000 China 5) Research Leader, Genebank, National Institute of Agrobiological Sciences , Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki, 305-8602 Japan Summary A survey for distribution, utilization and conservation of fruit tree genetic resources was conducted in the southern part of Xinjiang Uygur Autonomous District of China in cooperation with scientists of Xinjiang Academy of Agricultural Sciences from August 19th to 30th, 2004. The abundance and diversity of pear and stone fruit were observed in the region visited. Local - 145 - varieties of three Pyrus species, Chinese pear (P. ussuriensis and P. × bretschneideri ), European pear (P. communis ) and Xinjiang pear (P. sinkiangensis ) are distributed in the southern part of Xinjiang Uygur Autonomous District. But the diversity of these local varieties is rapidly declining with the spread of 'Ku er la Xiang Li'. Besides these three species, P. betulaefolia , which is used as rootstock for Pyrus , was observed. Local varieties of Malus in the region surveyed were not so many. The main distribution area of Malus is the northern part of Xinjiang Uygur Autonomous District. Local varieties and seedlings of peach (Prunus percica ) and Xinjiang peach (P. ferganensis ) were observed in the western part (Ka shi, A ke su, etc .) of the region surveyed. The abundance and diversity of the apricot was confirmed in these areas. Local variety 'Suan Mei', which is thought to be P. domestica , grows in the southern part of Xinjiang Uygur Autonomous District. The possibility of the Collaborative Research Project on Conservation of Fruit Tree Genetic Resources in Xinjiang Uygur Autonomous District was discussed. KEY WORDS: Xinjiang Uygur, distribution, diversity, collaborative research, conservation, fruit tree genetic resources, pear, apple, stone fruit 1.目的 中国は,果樹等多くの作物の発祥地として,国内に多様な遺伝資源を保有していると考えられ る.ところが,これまで中国は遺伝資源の海外への持ち出しを厳しく制限しており,日中共同の 作物遺伝資源の探索・収集・評価・研究プロジェクトの可能性は極めて難しい状況にあった.今回, 新彊農業科学院と共同で,新彊ウイグル自治区に分布するナシ,リンゴ,核果類等の遺伝資源に おける遺伝的多様性を調査するプロジェクトを3年間実施する可能性が出てきた.そこで,新彊 農業科学院の農作物品種資源所及び園芸作物研究所と共同で新彊ウイグル自治区(南彊)におけ るこれら果樹遺伝資源の分布状況等を調査し,プロジェクトの実施計画を協議することを目的と した. 2.調査経路 平成 16 年8月 18 日に成田国際空港より北京首都新国際空港を経由してウルムチ空港に到着 した.8月 19 日には, 新彊農科院農作物品種資源研究所で調査行程等について打ち合わせしたが, 中国側の事情で今回の調査地域は南彊に限定された.8月 20 日より 28 日まで,新彊農科院園 芸作物研究所の廬所長や農作物品種資源研究所の叢主任研究員と共に,約 3,000km を超える行 程を自動車で移動し,いわゆるシルクロード天山南路北道に点在するオアシス都市(トルファン 市,コルラ市,アクス市,カシュガル市)周辺の農家等を訪問し,果樹遺伝資源の分布について 調査した(Fig.1) .29 日にカシュガルから空路でウルムチまで戻り,30 日には新彊農科院にお いて李院長や趙国際交流センター所長も加わって,今回の調査を基に次年度以降のプロジェクト について協議を行った.8月 31 日にウルムチ市を離れ,北京市を経由して,9月1日に成田国 際空港に帰着した. 3.調査結果 1) ナシ遺伝資源 コルラ市には古くから‘庫爾勒香梨’ (コルラシャンリー)という優れたナシ品種が栽培され ており,近年その他近隣地域にも急激に普及してきた.その結果,古くから栽培されてきた地方 - 146 - Fig.1. Surveyed areas of fruit tree genetic resources in southern part of Xinjiang Uygur Autonomous District of China. 中国新彊ウイグル自治区南部における果樹遺伝資源の調査地域. 品種が‘庫爾勒香梨’によって駆逐され,地方品種は農家の庭先に僅かに残されているのみで, 経済栽培園ではほとんど見られなかった.一方,コルラ市から最も離れたアクス市,カシュガル 市及びそれらの周辺地域の農家の庭先や荒廃した果樹園において,チュウゴクナシ,セイヨウナ シ及び両者の自然交雑種と言われる新彊梨に属すと思われる地方品種(在来品種)や台木用の杜 梨(マンシュウマメナシ)を観察することができた.また, それぞれの地域で『香梨』 (シャンリー) と呼ばれているものの中には明らかに‘庫爾勒香梨’とは特性の異なるものがあり, ‘庫爾勒香梨’ の変種或いは同名異種の存在が示唆された.新彊農科院園芸作物研究所に属する輪台国家果樹資 源圃には,新彊ウイグル自治区をはじめ中国国内から収集された約 80 種のナシ品種が保存され ており,本プロジェクトを進める上で極めて重要である. 以上のことから, ‘庫爾勒香梨’の普及に伴い,経済栽培園では地方品種が急激に減少してい るので,早急に農家の庭先などに残っている地方品種を収集し,特性を評価し,遺伝的な多様性 を評価した後,新彊農科院園芸作物研究所等で保存・利用する必要がある.また,DNAマーカー 等による品種識別の技術を導入し, 『香梨』と呼ばれているものの中で, ‘庫爾勒香梨’と類似品 種を明確に区別し,整理する必要がある. 南彊で果樹を栽培しているのは主にウイグル族の人々で,彼らの食卓には毎度数種の果物が並 ぶなど食生活の中で果物は重要な地位を占めている.中国の果樹専門書などで有名なナシ産地と して紹介されているシャンシャン県では,スイカやハミウリ栽培が盛んになり,ナシ栽培は衰退 してしまったそうであるが,果樹を大切に考えるウイグル族の農家には今でも古い地方品種が残 されていると思われる. - 147 - 2) 核果類遺伝資源 新彊ウイグル自治区にはモモ,スモモ,アンズ及びアーモンドの遺伝資源が豊富に存在するこ とを確認した.トルファンでは,ブドウ溝のマーケットにおいて,干しスモモ,干しアンズ合わ せて5品種,アーモンドについては核の形状等から5タイプがあると認められたが,これらの果 実は他の南彊の産地から運ばれたものであるとされている.コルラではモモ栽培品種3,蟠桃1 品種の果実を調査したが,いずれも山東省から導入された品種であると言われており,新彊地区 特有の地方品種等については確認できなかった.新彊ウイグル地区東部のトルファン,コルラ等 では,ブドウ,香梨など特産品に栽培が重点化し,モモやスモモ等の地方品種の多くが失われつ つあると危惧された. 輪台国家果樹資源圃では,白肉,黄肉の新彊桃,ミロバランスモモ,多数のアンズ地方品種が 保存されており,今後の共同研究を進める上で重要な機関であると思われた.ただし,モモに関 しては地方品種が10数品種にとどまり,多くは他の地域からの導入品種であるとのことで,こ れらの品種に加え,さらに新彊地域の地方品種等を探索・収集するとともに評価・保存を進める 必要があると考えられた.アンズについては,保存130品種のうち110が地方品種であると のことで,遺伝資源の豊富さという点では群を抜いていると感じられた. 新和県では農家の庭に四阿をつくり,レストランにした庭にヨーロッパスモモとされる酸梅が あった.また,野生桃タイプのモモ,及び新彊桃が数系統認められた.これらはこの地域在来の 系統であると推定され,より詳細な探索により,モモ地方品種及び新彊桃の多数の系統が見いだ される可能性があると期待される. アクス市においては,野生タイプのモモ,新彊桃,酸梅などが農家の庭先に残っていることが 確認された.また,アンズについては地方品種が干しアンズ,仁用アンズとして利用されており, 熟期,果皮色,酸味,仁の苦味等に広い変異が認められるとのことであった.農家の庭先や圃場 には多数のアンズ樹が植栽されていることから,豊富な遺伝資源が存在するものと期待された. カシュガルにおいても,アクス地域と同様に,多数のモモ,新彊桃樹が見いだされた.これら の樹は農家の庭先や圃場の周辺に植栽されており,必ずしも販売を目的にしたものとは考えられ ず,自家用として零細な規模で栽培されているものと推察された. 以上のように,モモ,新彊桃については地方品種あるいは実生繁殖による樹がカシュガル,ア クス,新和県など,南彊西部には広く分布していると推察された.しかし,モモ樹の寿命は一般 に短いこと,市場においてはこの時期に販売されている蟠桃がほとんど一品種に限定されている ことなどから,これらの遺伝資源は今後短期間に急速に失われていく可能性があるとあると考え られる.この地域に分布が限定される新彊桃については,果実や樹の特性からは,大きな変異は 期待できないと考えられる.しかし,そうした中でも,核の粘離や核の模様などには,モモとの 雑種性が疑われる変異が存在する.したがって,新彊におけるモモ,甘粛桃の遺伝資源の収集と DNAを含む分析により, 新彊桃と他のモモ亜属種との類縁性や新彊桃の種として発生経過など, 新たな知見が得られると期待される. アンズについては,多くの地方品種が存在すること,それらの品種が広く利用されていること, などから栽培の現場では今後もこうした多様性が一定期間維持されるものと考えられる. 一方,今回の調査では,ミロバランスモモは確認できなかった.本種は北彊イリ地区に広く分 布しているとされており,南彊では分布は限定的であると推察された.また,ヨーロッパスモモ とされる酸梅樹が農家の庭先に多数見いだされた.酸梅は核果類の台木として広く利用されてい ると言われ,また容易にひこばえを発生し栄養繁殖が容易であるとされている.今回調査した酸 - 148 - 梅は果実の大きさや色,熟期などについては極めて類似しており,これがイリ地区から導入され たものか,南彊にも古くから分布しているものかについては,今後のイリ地区における調査の進 展によると考えられる. 3) リンゴ遺伝資源 アクス地域,カシュガル地域等で数種の地方品種を見ることができたが,それ以外は, ‘ふじ’ 等の海外導入品種がほとんどで,これらの地方品種を使って遺伝的多様性を評価することは極め て厳しい.ただし,新彊ウイグル自治区におけるリンゴ遺伝資源はイリ河流域のリンゴ原生種保 護区など北彊に多く分布すると考えられるので,北彊の調査が重要である.しかし,3年間とい うプロジェクトの期間を考慮すると,リンゴをナシや核果類と同等のウエイトを置いて調査する ことは難しいと思われる. 4) 食文化としての果物 今回訪問した南彊にはウイグル族の人々が多く住んでいるが,家の庭先には必ずと言っていい ほど果樹が植えられており,食卓には主食のナンや羊の肉とともにハミウリ,スイカ,ブドウ, 扁平のイチジク,干しアンズなど多くの果物が並ぶ.また,おやつとしてブドウ,ナツメ,スモ モ,アーモンド,アンズの仁等の乾果が皿に盛られて出される.このように,彼らの食生活の中 で,果物は不可欠で,重要な地位を占めている. 4.所感 新彊は,かつて東西の交易が盛んに行われたシルクロードの舞台であり,果樹の伝播を考える 上で重要な地域であるとともに,主要な落葉果樹の近縁野生種が豊富に分布するとされる中央ア ジアと接していることから,多様な果樹遺伝資源の分布が期待される.今後3年間の共同調査プ ロジェクトでは,核果類では細胞質DNA等,ナシでは自家不和合性遺伝子等をマーカーにし, 日本と中国の果樹研究者が協力して新彊ウイグル自治区内に分布する遺伝資源の多様性を調査す る.そのため,毎年,約2名の研究員を新彊ウイグル自治区に派遣して,遺伝資源の調査や分析 試料のサンプリング等を実施したり,DNA分析等の研修のため新彊農科院の研究員を招聘する ことになる.このような共同調査を展開し,人的交流を進める中で友好的な信頼関係を築いてい きたい. 5.謝辞 今回の中国新彊ウイグル自治区における果樹遺伝資源の共同調査プロジェクトの事前調査にあ たり,新彊農業科学院の李院長,趙国際交流センター所長,劉農作物品種資源所長や職員の方々, 各地域の農業科学院の関係各位には多大なご協力をいただいた.さらに,農業生物資源研究所の 長峰司前上席研究官(現:近畿中国四国農業研究センター・作物開発部長)及び河瀨真琴植物資 源研究チーム長には計画の立案から実施に至るまで有益な助言を頂戴した.ここに記してこれら の方々に深甚の感謝の意を表したい. - 149 - 〔植探報 Vol.21: 151 ∼ 165, 2005〕 ベトナム北部における豆類遺伝資源の共同調査収集 島田 尚典 1)・大西 志全 2)・TRAN Thanh Binh3)・LE Tuan Phong3) 1) 北海道立十勝農業試験場・作物研究部・小豆菜豆科 2) 北海道立十勝農業試験場・作物研究部・大豆科 3) ベトナム農業科学研究所・豆類研究開発センター・ダイズ部門 Collaborative Exploration for Collecting Legume Genetic Resources in Northern Part of Vietnam, 2003 Hisanori SHIMADA1), Shizen OHNISHI2), TRAN Thanh Binh3) and LE Tuan Phong3) 1)Laboratory of Bean Breeding, Department of Crop Research , Hokkaido Prefectural Tokachi Agricultural Experiment Station , Memuro, Kasai-gun, Hokkaido 082-0071, Japan 2)Laboratory of Soybean Breeding, Department of Crop Research , Hokkaido Prefectural Tokachi Agricultural Experiment Station , Memuro, Kasai-gun, Hokkaido 082-0071, Japan 3)Soybean Department , Legumes Research and Development Center , Vietnam Agriculture Science Institute , Van Dien, Thanh Tri, Hanoi, Vietnam Summary The exploration for grain legumes, mainly for azuki bean (Vigna angularis ) and soybean (Glycine max ), was conducted collaboratively with Vietnam National Legume Research and Development Center from Oct. 27 to Nov. 25, 2003 by Hokkaido Prefectural Tokachi Agricultural Experiment Station. The area of exploration is shown in Fig.1 and Fig.2. We visited northern mountainous area near the border with China to investigate and collect local varieties. There live a lot of ethnic group people in this area. The main target of our visit was H'Mong groups, who have a custom of planting and eating azuki bean. We collected totally 58 samples of four species of legume crops :19 azuki bean, 32 soybean, six common bean (Phaseolus vulgaris ), and one broad bean (Vicia faba ) samples. Azuki bean samples included four seed-coat colors, red, mottled red, gray, and mottled gray. Soybean samples included four seed coat colors, yellow, pale green, brown and black, and one green cotyledon sample. KEY WORDS : Vietnam, genetic resources, local variety, azuki bean, soybean, common bean, broad bean - 151 - 1.調査の経緯と概要 ベトナムで最初の日本との豆類遺伝資源の共同探索収集が,1994 年にジーンバンク事業で実 施された.このときには,北東部の中国国境地域・中南部高原地域・中南部沿岸地域で調査収集 1) が実施され,ダイズ・リョクトウ・ササゲ・ラッカセイ等 160 点余りが収集された .さらに, 同国の中でも開発が遅れ,貴重な遺伝資源が多数残っていると推察される,ラオス又は中国と国 境を接する北西部において,2 回目の豆類遺伝資源の調査収集が,2003 年に同じくジーンバン 2) ク事業で実施され,ダイズを中心にリョクトウ,ササゲ等 70 点余が収集された .この際,Lai Chau 省 Phong Tho 郡及び Lao Cai 省 Sa Pa 郡において 2 点のアズキが収集された.このとき の聞き取り調査で,アズキは中国系少数民族の H'Mong 族で,主に自家用に栽培されているが, H'Mong 族は標高 1,000m を越える中国国境に近い地域に主に暮らしているため,アズキも標高 の高い場所で主に栽培されていること,これらの地域では青ダイズ等の黄ダイズ以外のダイズも 栽培されていること,しかしそれらを収集するためには自動車で行くことができる町や村からさ らに長時間の徒歩での移動を要することがわかった.著者(島田)は,これら 2 回の共同探索 収集のいずれにも参加した.2002 年 2 月,1994 年の共同探索収集を一緒に行い,2002 年に はベトナム農業科学研究所(以下,VASI)内にある豆類研究開発センター(以下,LRDC)の次 長職にあった Ngo Quang Thang 氏から,北部の中国国境地帯にはアズキやダイズの在来種が多 数残っているので,再度共同で調査収集をしないかとの申し出が著者に届いた.この地域は,ダ イズやアズキの原産地ではないかとの説もある中国の雲南と国境を接する地域である.標高が高 い場所も多く,貴重な遺伝資源を収集できる可能性が高いとの判断から,北海道立十勝農業試験 場では,財団法人日本豆類基金協会の豆類生産振興対策予算課題として課題化し,収集対象の重 点をアズキとダイズに置いて,2003 年に共同探索収集を実施することができた. 調査収集は,2003 年 10 月 27 日から 11 月 25 日に実施した.調査収集地域を Fig.1 及び Fig.2 に示した.ベトナムでは,10 月 29 日に VASI の LRDC を訪問し,関係者と地域・経路・ 日程について打ち合わせを行った.調査収集には,当初,この調査の実施を最初にもちかけた Ngo Quang Thang 氏と LRDC ダイズ部門の研究員である Phong 氏が,ベトナム側メンバーとし て参加する予定であった.しかし,この日の打ち合わせの中で,全行程の運転手を務める山岳地 域のドライブに詳しい Nguyen 氏の, 「高齢の Thang 氏では体力的にきつく無理だ」との助言で, 急遽,Phong 氏と同じダイズ部門に所属する研究員である Binh 氏が,代わりにベトナム側リー ダーとして参加した. 調査収集の方法は 2000 年のジーンバンク事業での共同調査収集と同様,まず,省及び郡の農 業部門の事務所を訪ね,訪問の目的を説明した上で調査を行う許可を得,アズキ及びダイズの在 来種が手に入る可能性が高い場所を紹介してもらった.次に,紹介された Commune(町村に相 当 ?)の農業事務所を訪ね,同様に訪問の趣旨を説明したのち,アズキやダイズを栽培している 近隣の農家に案内してもらい,貯蔵種子又は圃場の個体からの種子を譲り受けるとともに,それ らについての形質調査・特性の聞き取り調査を実施した.また,地方の市場で販売されている豆 類についても,在来種であると確認できた場合は,可能な限りの聞き取り調査を行った上で収集 した.今回調査に入った町村は,ほとんどが H'Mong 族や Dao 族等の少数民族が主に暮らす町 村で,ベトナム語が通じないことも多く,少数民族語とベトナム語の間で地元の人の通訳を必要 とすることがしばしばであった.また, ダイズ, アズキとも収穫時期の中心は 10 月上中旬であり, そのため圃場での立毛状態を見ることができたのはわずかであった. - 152 - 2.調査地域の概要と収集点数 今回は,Lai Chau 省 Phong Tho 郡,Tam Duong 郡,Lao Cai 省 Bat Xat 郡,Muong Khuong 郡, Sa Pa 郡,Bac Ha 郡,Ha Giang 省 Dong Van 郡で調査収集を実施した(Fig.2) .これらの地域は 紅河の本支流の流域で,我々は H'Mong 族の多く住む急峻な山岳に属する標高の高い地域を意識 的にまわった.傾斜地に作られた棚田では年 1 回の水稲作が主流で,ダイズやアズキなどの豆 類は水田以外の傾斜畑や急な山の斜面で主に栽培される.これらの豆類は,4 ∼ 5 月に播種して 7 ∼ 8 月に収穫する春作か, 7 ∼ 8 月に播種して 9 ∼ 10 月に収穫する夏作のいずれかで栽培され, 通常は単作だがトウモロコシと混作される場合もあるとのことである.灌漑や排水の設備が整っ た圃場での栽培は皆無で,肥料や農薬の使用もまれである. ダイズはほとんどの地域で栽培されていた.利用法を聞くと,いずれも“豆腐”という答えが 必ず含まれていた.一方,アズキは栽培がほとんど H'Mong 族に限られ,一部他民族で栽培され ていたのも, 近くの H'Mong 族から広がったようである.リョクトウやツルアズキと同じように, スープ,甘く味付けして餅の中に餡として入れるといった利用法である.アズキが栽培されてい る標高の高い地域ではリョクトウの栽培が見られず,標高 1,000m 付近を境にして,それより低 い地域ではアズキより低温に弱く暑さに強いリョクトウが,高い地域ではアズキが栽培されてい るようである.インゲンマメは各地で作られているが, 若莢を野菜用として利用するのが主流で, 子実用は標高の高い Sa Pa 郡や Ha Giang 省 Dong Van で多く作られていた.特に,Sa Pa 郡で はしばしば冷夏となるため,ダイズやアズキから低温に強いインゲンマメに置き換える農家が多 いようである. これら少数民族の間での豆類の栽培は,基本的に自家消費用である.標高の高い地域に適する ダイズの育種は行われておらず,当面新品種が普及することはなさそうである.アズキについて は,大半のベトナム人は見たこともない様で,同行した Binh 氏,Phong 氏も最初はツルアズキ (Vigna umbellata ) と区別できない状態であり,極めて限定的な栽培しかないのが実態である. 収集点数は,アズキ 19 点,ダイズ 32 点,インゲンマメ 6 点,ソラマメ 1 点の合計 58 点, この他に LRDC で,アズキ又はヤブツルアズキと思われる 2 点を譲り受けたが,かなり古い種 子のようであった. ① Lai Chau 省 Phong Tho 郡,および Tam Duong 郡 2000 年の収集時はいずれも Phong Tho 郡であったのがふたつの郡に分かれたとのことであ る.Phong Tho 郡では Dao San という標高 1,100 ∼ 1,600m 程度の commune を中心に調査収 集を実施した.Flower H'Mong 族が多い.ダイズは在来種が多く作られているという.急傾斜 の畑地で成熟期を迎えていたダイズを収集できた.郡の中心である Pa So の町近くでもダイズを 収集した.Tam Duong 郡では, Phong Tho 郡との境界付近の標高 1100m 程度の場所でダイズを, Sa Pa に向かう途中の標高 600 ∼ 900m の丘陵地でインゲンマメとダイズを収集した.ダイズ はすべて無限伸育,褐毛で,円葉と長葉のものがあった.種皮色も黄と淡緑のものが収集できた. ダイズ 9 点,インゲンマメ 1 点を収集した. ② Lao Cai 省 Bat Xat 郡 紅河を国境として中国と隣接する郡である.郡の南部にある標高 500 ∼ 1,000m の山間地に 分布する 3 つの commune で調査収集を実施した.いずれも Black H'Mong 族が多い commune で,一部 Red Dao 族が住んでいる.アズキ 3 点とダイズ 1 点を収集したが,アズキは赤,赤斑, 灰白,灰白斑の 4 色が見られ,1 点のみ脱穀前の草本の状態で収集できた.主茎長は 50cm 程度 で 1 個体 1 個体は非常に茎が細く貧弱であった.ダイズは黄ダイズであった.この地域は,非 - 153 - CHIINA Ha Giang Prov. CHIINA ○ Lao Cai Lai Chau Prov. ○ Lao Cai Prov. ○ Dien Bien Phu. Hanoi LAOS South China Sea Fig.1 A map of northern area of Vietnam where we made the exploration trip. Dong Van CHINA Lao Cai Town Muong Khuong Ha Giang Prov. Muong Khuong Bat Xat Bac Ha Phong Tho Tam Duong Sa Pa Lao Cai Prov. Lai Chau Prov. Fig.2 Locations of the seven districts in three provinces where we made the exploration of legumes genetic resources. - 154 - 常に険しい谷で地域が隔てられており,わずかな棚田と焼畑を含む急傾斜地での陸稲や豆類,ト ウモロコシ栽培がほとんどであった.郡の北部へは道路整備が遅れており,車での移動が困難で あるため行けなかった. ③ Lao Cai 省 Muong Khuong 郡 北に中国雲南地域と国境を接する郡である.国境に近いためか外国人に対して非常に警戒が厳 しいらしく,我々が怪しい者ではないことが理解されるまで,風景の写真撮影も制限された.ま た,郡の役所から各 commune へ行くときには,農業関係の担当者とともに公安の役人 ( 後から Phong 氏に教えられた ) が同行した.この郡では,標高 1,000m 前後の 2 つの commune と,標 高 500m 程度の 1 つの commune で調査収集を実施した.様々な少数民族が住んでいるようで, アズキを提供してくれたのは,Tu Di 族と Nung 族という民族であった.これらのアズキはいず れも種皮色が灰白のみの単色で,標高 1,000m 程度の高地で栽培されている.ダイズは,訪ねた 3 つの commune すべてで合計 6 点収集できた.黄ダイズがほとんどで 1 点のみ淡緑種皮の子実 が混じっていた.また,1 点は“DT96”という改良品種であった.この地域では有限伸育性の ダイズも栽培されており,1 点が有限伸育,別の 1 点は有限伸育個体と無限伸育個体が混じって いた. ④ Lao Cai 省 Sa Pa 郡 中心に位置する Sa Pa の町が標高約 1,600m の高地にある.夏季でも涼しく,ベトナム北部の 避暑地として有名で,ヨーロッパ風のホテルが立ち並び観光客が多い.そのため,道路が比較的 整備されており,標高が高い割には車での移動が容易である.周辺には,H'Mong 族のみごとな 棚田がいたるところに見られ, 棚田の一部や棚田になっていない傾斜地で豆類が栽培されている. Sa Pa 市場では,販売されていたリョクトウの中に一粒だけ混じっていたアズキを収集し,ま た,別の店で売られていたアズキを 1 点収集した.Red Dao 族の commune でもアズキを 1 点 収集した.訪ねた他の 4 つの commune は,すべて Black H'Mong 族が主体の commune で,標 高は 1,150 ∼ 1,430m,いずれでもアズキが収集できた.種皮色は,赤または灰白斑のみの単色 か,赤と他の色とが混じったものであったが,赤斑は含まれていなかった.インゲンマメもいず れの commune でも栽培されていたが,多くは野菜用として市場で種子を購入してきて栽培され ているものであった.一方,ダイズはかつて栽培していたがやめたという農家が多く,標高の比 較的低い 2 つの commune でのみ収集できた.これらはすべて種皮色が淡緑の青豆であった.こ の地域ではしばしば冷夏があり,かつてはダイズを栽培していたが前回の冷夏で種子がなくなっ た,あるいは,ダイズは虫害に弱く 2 ∼ 3 年前に大発生して収穫皆無になってから栽培をやめて, インゲンマメを栽培するようになったという話をいくつかの農家で聞いた.ダイズはリョクトウ とともにベトナムでは最も広く栽培されており,市場で簡単に購入できる.また,豆腐やモヤシ もどこの市場でも必ず見かける.このため,市場で手に入らないアズキに比べて H'Mong 族の 間では,簡単に栽培をやめてしまうのかもしれない.Sa Pa 郡では,アズキ 10 点,ダイズ 3 点, インゲンマメ 2 点を収集した. ⑤ Lao Cai 省 Bac Ha 郡 3 つの commune で調査収集を実施したが,そのうちのひとつでは豆類が栽培されていなかっ た.標高 1,400m 前後の Lung Phin commune では, H'Mong 族の村と Phu La 族の村からアズキ, ダイズ各 3 点を収集した.アズキは灰白単色が 2 点と灰白と赤の混じりが 1 点,ダイズでは黄 ダイズ,青ダイズの他に茶ダイズが混じったものが 1 点あった.標高約 400m の commune で は黄ダイズ 1 点のみを収集した.Bac Ha 郡は標高約 1,000m の Bac Ha の町を中心として 20km - 155 - 程度の範囲に,標高 200m ∼ 1,500m の地域が広がっており,commune によって民族も違い, 栽培されている作物もかなり異なるようである.時間をかけて集中的にまわるとかなり変異の広 い遺伝資源が収集できるものと考えられる. ⑥ Ha Giang 省 Dong Van 郡 Ha Giang 省は,Lao Cai 省の北東に位置し,Bac Ha 郡と隣接する南西から北東に長い省で, 中国の雲南と国境を接する.省都の Ha Giang Town の標高は 250m ほどである.省の最も北に 位置する Dong Van 郡の 5 つの commune で収集調査を実施した.Ha Giang Town から Dong Van に向かうには,20km ほど北にある関門を通過するのに入域許可証を公安で発行してもらう 必要がある.Dong Van 郡は標高 1,200 ∼ 1,700m の非常に標高の高い場所に位置する郡で,樹 木の少ない岩山が優先する独特の地形である.住民は H'Mong 族が多い.他の場所では見かけた ことがない養蜂やソバの栽培が見られ,ソラマメやエンドウが多く栽培されており,ベトナムで もかなり独特な農業が営まれているのではないかと考えられる.ダイズは,調査を実施した標高 1,250 ∼ 1,600m の 5 つの commune すべてで収集できた.非常に変異に富んでおり,種皮色は 黄,淡緑,緑,茶,黒,その内 1 点は子葉緑であった.また,聞き取り調査では他の地域に比 べて,トウモロコシと混作される例が多いようである.一方,アズキは標高 1,370m の 1 つの commune のみで H'Mong 族の農家から収集できた.種皮色は赤と灰白が混じっていた.この他に, ソラマメ 1 点とインゲンマメ 2 点を収集した. 3.収集品の取り扱い 収集品はすべて携行して日本に持ち帰った.ゾウムシ類駆除のため,-20℃の冷凍庫で約 1 ヶ 月間保管した後,ダイズは十勝農試大豆科で,その他は十勝農試小豆菜豆科で 2 ∼ 4℃の低温条 件で保存している.ソラマメは道立植物遺伝資源センターに移管する予定である.アズキは帰国 後,種皮色が混じったものは分離して別のコレクションとした.その結果,アズキは LRDC で譲 り受けたものを除いて現在 37 点として保存している.今後,必要なものは温室等で種子を増殖 した後,アズキは開花期頃の低温に対する耐冷性を第一に,ダイズは同じく開花期頃の低温に対 する耐冷性とわい化病抵抗性,インゲンマメは炭そ病抵抗性と黄化病抵抗性を第一に調査する予 定である. 4.所感 今回調査を実施するに当たっては,2000 年の調査収集時の情報により,自動車では入れない 村まで行かなければアズキや黄ダイズ以外の種皮色のダイズは手に入らないと考えていた.この ため,我々はベトナム側に対しトレッキングと野営方式での実施を要望した.しかし,実際には この 3 年間で道路事情がすっかり改善され, 悪路ではあっても自動車で行くことのできる場所で, 変異に富んだアズキやダイズを収集することができた. 道中も, 道路の舗装工事や拡幅工事を行っ ている場所が至る所にあり,数年後には飛躍的に道路事情が良くなっていると思われる.それに 伴い,品種改良の進んでいるダイズやリョクトウは,在来種に代わって改良種が普及する可能性 が高いと考えられる.ただし,LRDC では早生品種の育成は重要な育種目標となっているが,高 冷地向けに必須の耐冷性は育種目標に含まれていない.一方,アズキ栽培は H'Mong 族を中心と して自家消費用に限られており,他の民族やベトナムの主民族のキン族には食べる習慣がないこ とから,育種も栽培試験も実施されていない.厳しい冷害等で種子が失われなかぎりは,在来種 が喪失する可能性はないと考えられる.地域によって優先する種皮色が異なり,その文化的背景 に興味が持たれる. - 156 - 5.おわりに 本調査は,財団法人日本豆類基金協会の豆類生産振興対策予算課題として実施した.このよ うな貴重な調査を実施する機会を与えて下さった財団法人日本豆類基金協会に対し御礼申し上げ る.実際の調査は VASI 内の LRDC との共同で実施したが,LRDC の全面的な協力を得て,優秀 なドライバーを斡旋していただき,大変な悪路の多い行程をトラブルなくこなすことができた. 本調査の計画及び準備に尽力いただいた LRDC 所長の T. D. Long 氏及び次長の N. Q. Thang 氏は じめ,LRDC の関係者には深く感謝する.また,アズキやダイズの所在まで案内して頂いたり, 農家までバイクで取りに行って下さったベトナム各地の commune の職員の方々,貴重な種子を 快く分けてくれた農民の方々にも感謝する.また,本調査実現のために御尽力頂いた北海道立 農業試験場関係者各位,実施に関する協定書の交換に対しご助言を下さった農業生物資源研究所 ジーンバンクの長峰上席研究官(現:近畿中国四国農業研究センター・作物開発部長)に,厚く お礼申し上げる. 6.参考文献 1)小林勉,島田尚典,Ngo Quang Thang,Le Trang Tung (1994) ベトナムにおける豆類 遺伝資源の探索収集 . 植物遺伝資源探索調査報告書 ( 農業生物資源研究所編 ) 10:141-169. 2)島田尚典,笠原賢明,Vu Linh Chi,Nguyen Thi Ut(2001) ベトナム国における豆類遺伝 資源の共同調査収集 . 植物遺伝資源探索調査報告書 ( 農業生物資源研究所編 ) 17:81-104. - 157 - Table 1. List of collected legume materials - 158 - Col. source S t a t u s o f Collecting site address sample Glycine max farm stock landrace Lan Nhi Thang Commune, Tam Duong Dist., Lai Chau Prov. H'mong 1,145 6 2 1-Nov Glycine max farm stock landrace Lan Nhi Thang Commune, Tam Duong Dist., Lai Chau Prov. H'mong 1,145 6 2 03VN-03 2-Nov Glycine max farm stock landrace Dao San Commune, Phong Tho Dist., Lai Chau Prov. − 1,550 6 2 03VN-04 2-Nov Glycine max farm stock landrace Dao San Commune, Phong Tho Dist., Lai Chau Prov. − 1,240 6 2 03VN-05 2-Nov Glycine max farm stock landrace Dao San Commune, Phong Tho Dist., Lai Chau Prov. − 1,240 6 2 03VN-06 2-Nov Glycine max farm field landrace Dao San Commune, Phong Tho Dist., Lai Chau Prov. − 1,165 6 2 03VN-07 2-Nov Glycine max farm field landrace Ban Lang Village, Pa So Town, Phong Tho Dist., Lai Chau Prov. − 680 6 2 03VN-08 2-Nov Glycine max farm field landrace Ban Lang Village, Pa So Town, Phong Tho Dist., Lai Chau Prov. − 680 6 2 03VN-09 3-Nov Phaseolus vulgaris Local market landrace Binh Lu Commune, Tam Duong Dist., Lai Chau Prov. − 675 6 − 03VN-10 3-Nov Glycine max farm stock landrace Chu Va Commune, Tam Doung Dist., Lai Chau Prov. − 995 6 − 03VN-11 4-Nov Vigna angularis farm stock landrace Ky Quang San Village, Sang Ma Sao Commune, Bat Xat Dist., Lao Cai Prov. H'mong 940 6 2,1 03VN-12 4-Nov Vigna angularis farm stock landrace Muong Hum Commune, Bat Xat Dist., Lao Cai Prov. Red Dao 800 6 − 03VN-13 5-Nov Vigna angularis farm stock landrace Muong Vi Commune, Bat Xat Dist., Lao Cai Prov. H'mong 500 6 − 03VN-14 5-Nov Glycine max farm stock landrace Muong Vi Commune, Bat Xat Dist., Lao Cai Prov. H'mong 500 6 − 03VN-15 6-Nov Glycine max Local market landrace Lung Khan Nhin Commune, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. − 995 6 − 03VN-16 6-Nov Glycine max r e e d e r ' s Lung Khan Nhin Commune, Muong Khuong Dist., Local market b line Lao Cai Prov. − 995 6 − 03VN-17 6-Nov Glycine max Lung Khan Nhin Commune, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. − 995 6 − 03VN-18 6-Nov Glycine max 1,020 6 − 03VN-19 6-Nov 2,1 03VN-20 6-Nov Col. No. Col. date Scientific Name 03VN-01 1-Nov 03VN-02 Local Name DT96 Local market landrace Race Altitude Land- Topo(m) scape graphy Vang Muong farm stock Khuong landrace Lung Khan Nhin Commune, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. − Vigna angularis farm stock landrace Lung Khan Nhin Commune, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. Tu Di 1,000< 6 Vigna angularis farm stock landrace Tung Chung Pho Village, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. Nung 930 6,5 2 Table 1. (continued). - 159 - Col. source S t a t u s o f Collecting site address sample Glycine max farm stock landrace Tung Chung Pho Village, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. Nung 930 6,5 2 7-Nov Glycine max farm stock landrace Thanh Binh Commune, Muong Khuong Dist., Lao Cai Prov. − 500 5 − 03VN-23 9-Nov Vigna angularis market landrace Sa Pa Town, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. − 1,565 − − 03VN-24 9-Nov Vigna angularis market landrace Sa Pa Town, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. − 1,565 − − 03VN-25 9-Nov Vigna angularis farm stock landrace Cat Cat Village, San Sa Ho Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,430 6 − 03VN-26 10-Nov Vigna angularis Toc Zang farm stock landrace Ban Khoang Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. Dao 1,430 6 2 03VN-27 11-Nov Phaseolus vulgaris Tau La farm stock landrace Ta Phin Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,420 6,5 2 03VN-28 11-Nov Phaseolus vulgaris Tau Cai Ching farm stock landrace Ta Phin Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,400 6,5 2 03VN-29 11-Nov Vigna angularis Tau Te farm stock landrace Ta Phin Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,400 6,5 2 03VN-30 12-Nov Vigna angularis Tau Te farm stock landrace Su Pan Vill., Su Pan Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,155 6 2 03VN-31 12-Nov Glycine max Tau Pau Zung farm stock landrace Su Pan Vill., Su Pan Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,155 6 2 03VN-32 12-Nov Vigna angularis Tau Te farm stock landrace Su Pan Ⅱ Vill., Su Pan Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,220 6,5 2 03VN-33 12-Nov Glycine max Suy Thi Mai farm stock landrace Su Pan Ⅱ Vill., Su Pan Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,220 6,5 2 03VN-34 12-Nov Vigna angularis Tau Te farm stock landrace Hau Thao Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,155 6,5 2 03VN-35 12-Nov Vigna angularis Tau Te farm stock landrace Hau Thao Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,155 6,5 2 03VN-36 12-Nov Glycine max farm stock landrace Hau Thao Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,150 6,5 2 03VN-37 12-Nov Vigna angularis farm stock landrace Hau Thao Commune, Sa Pa Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,150 6,5 2 03VN-38 13-Nov Vigna angularis farm stock landrace Pa Chu Ty 1 Village., Lung Phin Commune, Bac Ha Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,425 6,5 2 03VN-39 13-Nov Glycine max farm stock landrace Pa Chu Ty 1 Village., Lung Phin Commune, Bac Ha Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,425 6,5 2 03VN-40 13-Nov Glycine max farm stock landrace Pa Chu Ty 1 Village., Lung Phin Commune, Bac Ha Dist., Lao Cai Prov. H'mong 1,425 6,5 2 03VN-41 13-Nov Vigna angularis farm stock landrace Lung Phin Commune, Bac Ha Dist., Lao Cai Prov. Phu La 1,420 6,5 2 Col. No. Col. date Scientific Name 03VN-21 6-Nov 03VN-22 Local Name Tau Te Phang Tu Race Altitude Land- Topo(m) scape graphy Table 1. (continued). Col. No. Col. date Scientific Name Local Name Col. source S t a t u s o f Collecting site address sample Race 03VN-42 13-Nov Glycine max Tu Phu Tu farm stock landrace Lung Phin Commune, Bac Ha Dist., Lao Cai Prov. Phu La 03VN-43 13-Nov Vigna angularis farm stock landrace Xin Chai Village., Lung Phin Commune, Bac Ha Dist., H'mong Lao Cai Prov. 03VN-44 14-Nov Glycine max farm stock landrace Tam Phuc Village., Coc Ly Commune, Bac Ha Dist., Lao Cai Prov. 03VN-45 17-Nov Glycine max farm stock landrace 03VN-46 17-Nov Phaseolus vulgaris farm stock 03VN-47 17-Nov Phaseolus vulgaris 03VN-48 Altitude Land- Topo(m) scape graphy - 160 - 1,420 6,5 2 1,420 6,5 2 435 6,5 2 Vu Va Nu Village., Dong Van Commune, Dong Van Dist., H'mong Ha Giang Prov. 1,245 6,5 2 landrace Vu Va Nu Village., Dong Van Commune, Dong Van Dist., H'mong Ha Giang Prov. 1,245 6,5 2 farm stock landrace Vu Va Nu Village., Dong Van Commune, Dong Van Dist., H'mong Ha Giang Prov. 1,245 6,5 2 18-Nov Glycine max farm stock landrace Tham Bo Da Village., Thai Phin Tung Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. − 1,445 6,5 2,1 03VN-49 18-Nov Vicia faba farm stock landrace Tham Bo Da Village., Thai Phin Tung Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. − 1,445 6,5 2,1 03VN-50 18-Nov Phaseolus vulgaris farm stock landrace Thai Phin Tung Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. − 1,440 6,5 2,1 03VN-51 18-Nov Glycine max farm stock landrace Vang Cha Cho Village., Xa Phin Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,555 6,5 2,1 03VN-52 18-Nov Glycine max farm stock landrace Pho Bang Town, Pho Bang Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. − 1,615 6 − 03VN-53 18-Nov Glycine max farm stock landrace Pho Bang Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,605 6 − 03VN-54 18-Nov Glycine max farm stock landrace Pho Bang Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,605 6 − 03VN-55 18-Nov Vigna angularis farm stock landrace Pho Cao Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,375 6 2 03VN-56 18-Nov Glycine max farm stock landrace Pho Cao Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,375 6 2 03VN-57 18-Nov Glycine max farm stock landrace Pho Cao Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,375 6 2 03VN-58 18-Nov Glycine max farm stock landrace Pho Cao Commune, Dong Van Dist., Ha Giang Prov. H'mong 1,375 6 2 03VN-59 24-Nov Vigna angularis LRDC stock Thanh Tri, Hanoi − − − − 03VN-60 24-Nov Vigna angularis LRDC stock Thanh Tri, Hanoi − − − − Tau Po Tau Po Table 2. Characteristics of collected germplasms - 161 - Col. No. Scientific Name S o w i n g Harvesting S t e m P o d Seed coat time time length color Hilum Usage Others 03VN-01 Glycine max June Oct. 45cm − pale green light brown − indeterminate, round leaflet, brown pubescence 03VN-02 Glycine max − − 100cm − pale green brown − branchy, indeterminate, round leaflet, brown pubescence 03VN-03 Glycine max May-June Oct. 80-100cm − yellow brown tofu branchy, indeterminate, brown pubescence 03VN-04 Glycine max May-June Oct. 80cm brown yellow brown − branchy, indeterminate, brown pubescence, narrow leaflet 03VN-05 Glycine max May-June Oct. 80cm black yellow, pale green black − branchy, indeterminate, brown pubescence, narrow leaflet 03VN-06 Glycine max − Nov. 40-80cm − pale green brown − indeterminate, brown pubescence, mixture of round and narrow leaflets 03VN-07 Glycine max − Nov. 70cm − pale green light brown, − yellow indeterminate, light brown pubescence, narrow leaflet 03VN-08 Glycine max − Nov. 70cm − pale green, yellow brown − branchy, indeterminate, brown pubescence 03VN-09 Phaseolus vulgaris − − − − light brown white − 03VN-10 Glycine max − Oct. 60cm − yellow, pale green brown − 03VN-11 Vigna angularis July Sep. 50cm red, mottled red, white brown gray, mottled gray 03VN-12 Vigna angularis June Sep.-Oct. − − gray, red, mottled red, white mottled gray soup,cake 03VN-13 Vigna angularis June Sep. − − gray, red, mottled red white cookie 03VN-14 Glycine max May Aug. − − yellow light brown food glossy seed coat 03VN-15 Glycine max Feb., July May, Sep.- − Oct. − yellow light brown − glossy seed coat 03VN-16 Glycine max Feb., June - May, Sep.- − July Oct. − yellow yellow − glossy seed coat 03VN-17 Glycine max Feb., June - May, Sep.- − July Oct. − yellow light brown − 03VN-18 Glycine max June Oct. 40-50cm black, brown yellow, pale green black,brown tofu,soup,sprout 03VN-19 Vigna angularis May-June Oct. 50cm brown gray white soup,cake 03VN-20 Vigna angularis June Sep.-Oct. 30cm brown gray white soup,cake indeterminate, brown pubescence food with no sugar determinate, brown pubescence, planted with maize Table 2. (continued). - 162 - Col. No. Scientific Name S o w i n g Harvesting S t e m P o d Seed coat time time length color Hilum Usage Others 03VN-21 Glycine max June Sep. 40cm − yellow brown tofu brown pubescence 03VN-22 Glycine max June Sep. 60cm − yellow light brown tofu,sprout brown pubescence, mixture of determinate and indeterminate types 03VN-23 Vigna angularis − − − − gray white − 03VN-24 Vigna angularis − − − − red white − 03VN-25 Vigna angularis − − 40-60cm brown gray, mottled gray white − 03VN-26 Vigna angularis May Oct. 30-50cm brown gray white soup,cake 03VN-27 Phaseolus vulgaris Feb. Apr.-May − 03VN-28 Phaseolus vulgaris Feb. May-June 40-50cm − 03VN-29 Vigna angularis May Sep.-Oct. 50-60cm − 03VN-30 Vigna angularis June 03VN-31 Glycine max 03VN-32 − pale tan with dark red purple spots in regular white pattern pale tan with dark red purple spots in regular white pattern only on seed in green grams in a market dry bean, young viny, white flower pods for vegetable dry bean viny by fertilizer white soup,cake for seeds Sep.-Oct. 40-50cm brown mottled gray, gray, red white soup,cake June Sep.-Oct. 60-70cm tofu,food Vigna angularis June-July Sep.-Oct. − 03VN-33 Glycine max June-July Sep.-Oct. 03VN-34 Vigna angularis July-Aug. Oct. 03VN-35 Vigna angularis July-Aug. 03VN-36 Glycine max 03VN-37 mottled gray pale green − brown branchy, purple flower mottled gray, gray, red white cookie pale green brown tofu,food 40-50cm brown red white cake,food Oct. 40-50cm black red white cake,food July? Sep. 90cm − pale green brown Vigna angularis July Sep.-Oct. − − red, gray white − 03VN-38 Vigna angularis May Oct. 80cm brown gray white cake,food 03VN-39 Glycine max May, Jan. Oct., Apr. 30cm brown yellow brown determinate 03VN-40 Glycine max May, Jan. Oct., Apr. 45cm black brown, black determinate, few-branch type, brown pubescence 03VN-41 Vigna angularis June Sep.-Oct. − − yellow pale green gray white mixed planted with maize few-branch type, brown pubescence food Table 2. (continued). - 163 - Col. No. Scientific Name S o w i n g Harvesting S t e m P o d Seed coat time time length color 03VN-42 Glycine max Feb.,June May, Sep. 60cm − yellow, brown, pale green 03VN-43 Vigna angularis June-July Sep.-Oct. − − gray, red white cake, food 03VN-44 Glycine max Feb., June June, Oct. 40-50cm − yellow light brown tofu, soup 03VN-45 Glycine max July Oct. 50cm − yellow, brown pale green black, brown tofu, sprout 03VN-46 Phaseolus vulgaris Feb., July May, Oct. − − brown, redish purple white 03VN-47 Phaseolus vulgaris Feb., July May, Oct. − − 03VN-48 Glycine max Feb., June- May-June, − July Oct. − pale tan with dark red purple constant mot- white tled in regular pattern black yellow, black, brown light brown 03VN-49 Vicia faba Oct. Apr. − − brown 03VN-50 Phaseolus vulgaris Feb., July May, Oct. 50cm − pale purple with black stripes in regular pat- light brown tern mixed planted with maize when sowing in July 03VN-51 Glycine max Feb., July June, Oct. 50cm − yellow, brown few-branch type, indeterminate, brown pubescence 03VN-52 Glycine max − − − − g r e e n , p a l e g r e e n , black, brown yellow 03VN-53 Glycine max Feb., July May, Oct. 40-50cm − brown brown tofu very short, brown pubescence 03VN-54 Glycine max Feb., July May, Oct. 30cm yellow light brown tofu very short, brown pubescence 03VN-55 Vigna angularis June Oct. 40-50cm − red, gray white food 03VN-56 Glycine max Feb., May- May-June, 70cm June Oct. − yellow brown tofu, sprout, soup 03VN-57 Glycine max Feb., July June, Oct. − pale green black tofu, sprout 03VN-58 Glycine max Feb., July June, Sep.Oct. − yellow light brown tofu, sprout 03VN-59 Vigna angularis − − − − black maybe Vigna anularis var. nipponensis 03VN-60 Vigna angularis − − − − mottled brown maybe Vigna anularis var. nipponensis 90cm − Hilum − Usage Others tofu, food determinate, brown pubescence, mixed planted with maize purple flower, glossy seed coat few-branch type, determinate, brown pubescence dry bean, young mixed planted with maize pods for vegetable dry bean, young mixed planted with maize pods for vegetable tofu brown pubescence mixed with few white pubescence soup black mixed with green cotyledon seeds Photo 1. 農家での収集風景 (Lai Chau 省 ). Photo 2. 急な傾斜地で栽培されるダイズ (Lai Chau 省 ). Photo 3. 黒モン族の農家で収集し たアズキ(Lao Cai 省 Sa Pa 近郊 ). Photo 4. Lao Cai 省 Bat Xat で収集した 4 色 が混じったアズキ(左は H15 十勝産のエリ モショウズ). - 165 - 〔植探報 Vol.21: 167 ∼ 177, 2005〕 中国雲南省およびラオス北部におけるマメ類および 共生微生物遺伝資源多様性の現地調査と保全 友岡 憲彦 .1)・S. Inn 2)・X. Tan2)・C. Li 2)・Sing Kham 3)・ P. Inthapanya3)・Duncan A. Vaughan 1)・加賀 秋人 1)・ 伊勢村 武久 1)・黒田 洋輔 1) 1) 農業生物資源研究所・遺伝資源研究グループ・集団動態研究チーム 2) 雲南大学 3) ラオス農業森林省・農業研究センター Ecological Survey and Conservation of Legume-Symbiotic Rhizobia Genetic Diversity in Southern China and Northern Laos, 2004 Norihiko TOMOOKA1), S. INN2), X. TAN2), C. LI2), Sing KHAM3), P. INTHAPANYA3) , Duncan A. VAUGHAN1) , Akito KAGA1), Takehisa ISEMURA1) and Yosuke KURODA1) 1) National Institute of Agrobiological Sciences , Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan 2) Yunnan University , Kunmin 650091, Yunnan Province, China 3) National Agriculture Research Center , National Agriculture and Forestry Research Institute , Ministry of Agriculture and Forestry , P.O.Box 811, Vientiane, Lao PDR Summary A field survey was conducted in southern China (Wenshan district of Yunnan province) from October 10 to 22, 2004 and in northern Laos (Udom Xai, Luang Nam Tha and Phongsali provinces) from November 6 to 22, 2004. In Yunnan, Vigna umbellata , V. angularis , V. unguiculata , V. hirtella, Lablab purpureus , Glycine max , and Phaseolus vulgaris were collected. In northern Laos, Vigna reflexo-pilosa , V. unguiculata , V. minima , V. umbellata , V. hirtella , V. tenuicaulis, Psophocarpus tetragonolobus , Lablab purpureus , and Glycine max were collected. In both areas, the most important traditional leguminous crop among minor ethnic groups was found to be the rice bean (V. umbellata ). A high level of seed color variation in rice bean landraces was observed in northern Laos, while creamy tan seed color rice bean was predominant in Yunnan. Rice bean had already been harvested in mid-October in Yunnan, while - 167 - most of the rice bean plants were still in the shifting cultivation fields when we visited (mid -November)in northern Laos . Seed samples as well as root nodules were collected when they are available and were deposited in each country of origin. Introduction The mountainous area of northern mainland Southeast Asia and southern China is the center of “Shouyou Jurin Bunka”(“SJ”culture) literally means“Shining-leaf forest culture”(Sasaki, 1982). This name was given because species of Quercus , Cinamonum and Machilus have shining leaves and are dominant canopy species in the ever green forest zone of warm temperate south, southeast and east Asia.“SJ”culture spreads from Nepal, Bhutan, Shikkim, Assam through northern mountainous Southeast Asia, southern China to Korea and southwestern Japan.“SJ” culture is characterized by several common cultural elements such as“tea drinking”,“lacquer painting”,“silk production”, fermented soybean products such as“miso”and“natto”and glutinous rice, etc. In addition, similar legends, myths and rituals are commonly found in this region. The history of“SJ”culture is divided into 3 developmental stages,“pre-agriculture”,“milletsbased shifting cultivation”and“irrigated rice cultivation”.“Shifting cultivation”is historically the most important and prevailing production system in“SJ”culture areas especially in mountainous regions. Various crops including cereals [rice (Oryza sativa ), job's tear (Coix lacryma-jobi ), barnyard millet (Echinochloa sp.)], beans [soybean (Glycine max ), azuki bean (Vigna angularis ), rice bean (Vigna umbellata ), hyacinth bean (Lablab purpureus ), sword bean (Canavalia gladiata ), velvet beans (Mucuna spp.)], root crops [yams (Dioscorea spp.)], tea (Camellia sinensis ) and oranges (Citrus spp.), etc. have been domesticated in this region. Yunnan province of China and northern Laos are located in the central area of“SJ”culture and therefore high levels of genetic diversity can be expected for traditional crops. Various ethnic groups are living in this region keeping their own culture and this may contribute to the production and maintainance of high genetic diversity in their traditional crops. Considering the rapid urbanization of this region influenced by Chinese economic expansion, it is an urgent task to survey and conserve traditional crop germplasm and wild species diversity. In this survey, conservation of traditional legume crops, wild relatives and their symbiotic root nodules (rhizobia) are the main objectives. Methods Field study was conducted in southern China (Wenshan district of Yunnan province) from October 10 to 22, and in Northern Laos (Udom Xai, Luang Nam Tha and Phongsali provinces) from November 6 to 22, 2004. Seeds, herbarium specimens and root nodules were collected when available. Information on collection sites including village name, altitude, latitude, longitude, habitat and other ecological data together with detailed sketch maps of the collection - 168 - sites were recorded as passport data. Results Wenshan district, Yunnan province, China (October 10 to 22, 2004) Collected materials are listed in Table 1. A locality map of the collection sites is shown in Fig. 1. Altitude of the surveyed area ranged from 650 m to 1,600 m. Limestone-derived soil is prevailing in most of the surveyed area. Slopes of limestone hills were used for maize cultivation while flat lands were mainly used for paddy rice fields. Buckwheat (Fagopyrum esculentum ) and edible canna (Canna edulis ) are sporadically seen. Among the leguminous crops, rice bean (Vigna umbellata ) is the most popular in Wenshan district and nine accessions were collected. Zhuang ethnic group ( 壮族 ), a major ethnic group in this district, usually called this bean“Fan Dau ( 飯豆 )”which is the same name as Han's ( 漢族 ). However, in Xiao Guang Nan ( 小広南 ) village (Hei Zhuang ethnic group 黒壮族 ), rice bean has an unique name Luoli . In another Zhuang village (Bai Mei Cun: 坝 美 村 ), a farmer told that rice bean is important on celebration days and cooked with glutinous rice or used to make Zong Zi ( 粽子 ) , a cake of glutinous rice filled with paste of rice bean. In a road side market near Xi Yang ( 西洋 ), rice bean was sold by Sa (Chinese letter not available) ethnic group. In a village (Cai Hua Cun : 菜花村 ) of the Miao ethnic group ( 苗 族 ), rice bean is cultivated on a mountain located 1 to 2 hours on foot from the village under a shifting cultivation system. The population of Miao is the second largest among ethnic groups in this mountainous district. They called rice bean Tu Tei (No Chinese letter) . It has no relationship with celebration there. In a Yi ethnic group ( 彝族 ) village near Qiu Bei ( 邱北 ), we could not find rice bean. Seed color of collected rice bean accessions is either yellow or yellow mottled with black. Plant type of Y-15 collected in Tong Jian Cun ( 同剪村 ) is nearly erect with slightly viny shoot tip. Pod length is 10 - 12cm containing 10 - 11 seeds. Azuki bean (Vigna angularis ), a close relative of rice bean, is less common and less popular in Wenshan district. Two accessions (Y-7, 16) were collected. Both have a greenish white seed coat. In Xiao Guang Nan ( 小広南 ) village, it was called Lit (Y-7). In Guang Nan ( 広南 ) market, it was called Mei Dao ( 米豆 ) . In Bai Mei village ( 坝美村 ) a farmer told that she prefered rice bean to azuki bean, because it is more tasty and yields higher. In Ge Tong village ( 草庸村 ), we found azuki bean cultivated near a stream among paddy fields. It has an erect plant type with pale brown mature pods. Pod length is 8 - 10cm containing 8 - 12 seeds. Soybean (Glycine max ) is common in Wenshan district. Four accessions were collected. All accessions have small seeds with a yellow seed coat. In a road side market of Xi Yang ( 西洋 ), dried soybean seeds ( 黄豆 ) as well as young green pods were sold. Yard long bean (Vigna unguiculata ) is also common. Three accessions were collected in Zhuang and Miao villages. The seed coat color was brown. Only one sample of hyacinth bean (Lablab purpureus ) was collected, although it is commonly cultivated in home gardens as a vegetable. The collected material has very round shaped seeds with brown and black mottled colors. - 169 - Northern Laos (November 6 to 22, 2004) A list of collected materials in northern Laos is shown in Table 2. A locality map of the collection sites is shown in Fig. 1. Altitude of surveyed area ranged from 270 m to 1,300 m. Lowland river basin areas are used as paddy fields, while mountainous areas are mainly used for shifting cultivation. Diverse ethnic groups are living in northern Laos. Rice bean (V. umbellata ) is very common and is cultivated on the mountain sides with maize and other crops under shifting cultivation. Many ethnic groups grow this crop under their specific names. Tai Dam people call rice bean“Yo Ye”(two cases), Akah call it“Nun Shye”(one case), Khmu call it“Nyo Nye”(one case), Phunoi call it“Cong Pat”(three cases) or“Cong Shi (two cases), Ikoh call it“Nung Gong”(five cases). Seed size is somewhat larger and seed color is more diverse compared with samples observed in Yunnan, China. It shows very late maturity and viny plant type. It is usually cooked with meat or rice in a soup. In some villages, it is used to prepare“Khao Tom”(Lao language). Khao Tom is a similar food to“Zong Zi (Chinese : 粽 子 )”in Yunnan, China where it was used for celebration. However, it has no relationship with celebration in Laos. Unlike Yunnan, China, azuki bean (V. angularis ) could not be found in northern Laos. Beside rice bean, winged bean (Psophocarpus tetragonolobus ), soybean (Glycine max ), cowpea (Vigna unguiculata ) and hyacinth bean (Lablab purpureus ) were collected in northern Laos. In addition to cultivated legumes, several wild Vigna plants were found and collected together with their root nodules (Table 2). An accession of V. reflexo-pilosa (2004L-1) was found growing at the same site as the previous year. The altitude of this site is 270 m. In 2003 no seeds could be found, but a few seeds could be collected this year. Four accessions of V. minima were found and collected in Udom Xai and Luang Nam Tha provinces. The altitude of collection sites ranged from 718 m to 1,165 m (average 904 m). They were growing on rather shady road sides of mountain areas or on sunny places around paddy fields. Nine accessions of V. hirtella were found in Udom Xai, Luang Nam Tha and Phongsali provinces. The altitude ranged from 689 m to 1,300 m (average 929m). They were always found at wet river sides or wet road sides in mountain areas where many leeches were also found. Two samples of V. tenuicaulis were found in Phongsali province. The altitude ranged from 740 m to 949 m (average 845 m). They were found in sunny habitats around paddy fields. Discussion This was the first systematic survey of cultivated and wild legumes in Yunnan China and northern Laos. Rice bean (V. umbellata ) is the most important legume in these areas and landraces of this species are still grown. Rice bean is considered as an important crop for the future, and therefore it is necessary to collect more genetic variation of this species (Kashiwaba et al ., 2003). It is now difficult to collect landraces of this species in Thailand (Tomooka, 1995), because Thai farmers prefer to grow improved varieties instead of landraces. Considering this situation, it is important to collect landraces and farmers traditional knowledge before they disappear. As for wild legumes, we found 4 Vigna species, V. reflexo-pilosa , V. hirtella , V. minima and V. tenuicaulis . The scientific importance and the potential as breeding materials of each wild species are discussed below. - 170 - V. hirtella Ridley V. hirtella was first described by Ridley in 1920 based on a material collected on the Malay peninsula. After this, living materials had not been collected until recently, and the identity of the species has been unclear. We have collected many accessions considered to be V. hirtella from Malaysia, Thailand and Myanmar (Tomooka et al ., 1993, 1997, 2000a, 2003b). Accessions of V. hirtella collected in Thailand are cross compatible with azuki bean and rice bean. It shows a high level of powdery mildew resistance. Further studies regarding to its potential use as breeding materials are important (Tomooka et al ., 2000b, 2003a). Based on the DNA analyses using Thai and Myanmar materials, a very high level of genetic variation has been found and taxonomic revision may be necessary (Tomooka et al ., 2002a, Doi et al., 2002, Seehalak et al ., 2005). Further analysis including Yunnan, China and Laos materials will be important to clarify the diversity in this important species (Tomooka et al ., 2002b). V. reflexo-pilosa Hayata V. reflexo-pilosa is the only tetraploid species in the genus Vigna (Tomooka et al ., 2003). This legume (cultivated form, var. glabra ) has a potential to become a“new”crop considering its robust nature. The number of available living materials of this crop in the world genebanks is very limited. Therefore, it is necessary to survey and collect this crop before it disappears. It seems probable that this crop is still cultivated in Laos. V. reflexo-pilosa var. reflexo-pilosa (the wild ancestor) can be used for broadening the genetic base of var. glabra (cultigen). For this reason, the wild V. reflexo-pilosa accession collected in this survey is considered to be a valuable genetic resource. V. minima (Roxb.) Ohwi & Ohashi V. minima can cross with azuki bean and rice bean and is considered to be a useful gene source for these crops (Yoon et al ., 2000, Tomooka et al ., 2002a). Up to now, we have collected accessions of V. minima in Thailand and Myanmar. Judging from the growth pattern of V. minima in Laos, this species seems to have a high potential as a cover crop to protect paddy bunds. After rice harvest, they can be used as forage. Further studies regarding symbiotic nitrogen fixation ability, allelopathic effects and water logging resistance are important research targets for studying V. minima genetic resources. V. tenuicaulis N.Tomooka & Maxted This is the first record of this species in Laos. Formerly it was known only from Thailand and Myanmar (Tomooka et al ., 2002b, 2003). This species can cross with azuki bean and rice bean. A Thai accession showed complete resistance to bruchid beetles. Acknowledgements This research is supported by the Research project of the Research Institute for Humanity and Nature (No.4-2)“A Transdisciplinary Study on the Regional Eco-History in Tropical Monsoon Asia: 1945-2005”and Grant-in-Aid for Scientific Research No.16310160, Japan Society for the Promotion of Science. - 171 - References 1) Doi K., A. Kaga, N. Tomooka and D.A. Vaughan (2002) Molecular phylogeny of genus Vigna subgenus Ceratotropis based on rDNA ITS and atpB-rbcL intergenic spacer of cpDNA sequences. Genetica 14: 129-145. 2) Kashiwaba, K., N. Tomooka, A. Kaga, O.K. Han and D.A. Vaughan (2003) Characterization of resistance to three bruchid species (Callosobruchus spp., Coleoptera, Bruchidae) in cultivated rice bean (Vigna umbellata ). J. Economic Entomology 96(1): 207-213. 3) Sasaki K. (1982) Shouyou Jurin Bunka no Michi. NHK Books 422. (in Japanese) 4) Seehalak W., N. Tomooka, A. Waranyuwat, P. Thipyapong, P. Laosuwan, A. Kaga and D.A. Vaughan (2005) Genetic diversity of the Vigna germplasm from Thailand and neighboring regions revealed by AFLP analysis. Genetic Resources and Crop Evolution. In press. 5) Tomooka N.(1995) Legume landraces in Northern Thailand. Zatsumame Jiho No. 65: 37-50. (in Japanese) 6) Tomooka N., I.B. Bujang, S.A. Anthonysammy, Y. Egawa (1993) Exploration and Collection of Wild Ceratotropis species in Peninsular Malaysia. Annual Report on Exploration and Introduction of Plant Genetic Resources. Vol.9:127-142. 7) Tomooka N., S. Chotechuen, N. Boonkerd, B. Taengsan, S. Nuplean, D. Vaughan, Y. Egawa, T. Yokoyama, Y. Tateishi (1997) Collection of seed and nodule samples from wild subgenus Ceratotropis species (genus Vigna ) in central and northern Thailand. Annual Report on Exploration and Introduction of Plant Genetic Resources. Vol.13:189-206. 8) Tomooka N., P. Srineves, D. Boonmalison, S. Chotechuen, B. Taengsan, P. Ornanaichart, Y. Egawa (2000a) Field survey of high temperature tolerant Asian Vigna species in Thailand. Annual Report on Exploration and Introduction of Plant Genetic Resources. Vol.16:171-186. 9) Tomooka N., K. Kashiwaba, D.A. Vaughan, M. Ishimoto and Y. Egawa (2000b) The effectiveness of evaluating wild species: searching for sources of resistance to bruchid beetles in the genus Vigna subgenus Ceratotropis . Euphytica 115: 27-41. 10) Tomooka N., M.S. Yoon, K. Doi, A. Kaga and D.A. Vaughan (2002a) AFLP analysis of diploid species in the genus Vigna subgenus Ceratotropis . Genetic Resources and Crop Evolution 49: 521-530. 11) Tomooka N., N. Maxted, C. Thavarasook and A.H.M. Jayasuriya (2002b) Two new species, sectional designations and new combinations in Vigna subgenus Ceratotropis (Piper) Verdc. (Leguminosae, Phaseoleae). Kew Bulletin 57: 613-624. 12) Tomooka N., D.A. Vaughan, H. Moss and M. Maxted (2003a) The Asian Vigna : genus Vigna subgenus Ceratotropis genetic resources. Kluwer Academic Publishers. 270 pages. 13) Tomooka N., K. Abe, Min San Thein, Win Twat, John Ba Maw, D. A. Vaughan, A. Kaga (2003b) Collaborative exploration and collection of cultivated and wild legume species in Myanmar th th (Oct. 15 - Nov. 15 , 2002). Annual Report on Exploration and Introduction of Plant Genetic Resources. Vol.19:67-83. 14) Yoon M.S., K. Doi, A. Kaga, N. Tomooka and D.A. Vaughan (2000) Analysis of the genetic diversity in the Vigna minima complex and related species in East Asia. J. Plant Res. 113: 375-386. - 172 - 和文摘要 中国雲南省から東南アジア大陸部北部山岳地帯は,照葉樹林文化の中核に当たる地帯であり, 古くから焼畑農耕を生産基盤にした多様な民族が暮らしてきた場所である.農耕の長い歴史のも とに,多様な民族がそれぞれに独自の栽培品種を成立させてきたものと考えられるため,在来作 物の高い遺伝的多様性が期待できる.本調査では,中国雲南省文山壮族苗族自治州およびラオス 北部の Luang Prabang 県,Udomxai 県,Luang Nam Tha 県,Phongsali 県を探索し,伝統的マ メ科作物,その近縁野生種および共生している根粒菌の収集保全を行った. Fig.1 Collection sites of legume genetic resources in Yunnan Province, China and northern Laos. Numbers on the map correspond to accession no. in China (Table 1) and in Laos(Table 2). City name abbreviation China: BB(Babao), GN(Guangnan), PZH(Pu Zhe Hei), QB(Qiubei), AS(Aenshan) Laos: LN(Luang Nam Tha), LP(Luang Prabang), MS(Muang Sing), OT(Ou Thai), PS(Phongsali), UX(Udom Xai) - 173 - Table 1. Legume materials seen in Wenshan District of Yunnan Porvince, China 中国雲南省文山壮族苗族自治州におけるマメ類遺伝資源 - 174 - Date Acc. No. Species Local name Collection site, Altitude (m) Ethnic group 15-Oct 2004Y-1 Vigna umbellata Fan Dou ( 飯豆 ) ca. 10km NE of Babao ( 八宝), 1,036m Zhuang ( 壮族) 〃 2004Y-2 Lablab purpureus Daudei Jin Ji Cun ( 金鳥村 ), ca. 5km E of Babao, 1,030m Miao(苗族) 16-Oct 2004Y-3 Vigna umbellata Fan Dou ( 飯豆 ) Xi Yang Shi Chang ( 西洋市場 ), 645m Sa group 〃 2004Y-4 Glycine max 黄豆 〃 − 〃 2004Y-5 Vigna umbellata Fan Dou ( 飯豆 ) Bao Zhea Shi Chang ( 宝朕市場 : 南甲産), 1,276m − 〃 2004Y-6 Vigna umbellata Luoli Xiao Guang Nan ( 小広南 ), 1247m Hei Zhuang ( 黒壮族) 〃 2004Y-7 Vigna angularis Lit 〃 〃 〃 2004Y-8 Vigna unguiculata − 〃 〃 17-Oct 2004Y-9 Vigna umbellata Fan Dou ( 飯豆 ) Guang Nan Shi Chang ( 広南市場 : 白泥塔産 ), 1,200m 〃 2004Y-10 Vigna umbellata − Bai Mei Cun ( 坝美村 ), N of Guang Nan ( 広南 ), 847m − 〃 2004Y-11 Vigna unguiculata − 〃 〃 〃 2004Y-12 Glycine max − 〃 〃 〃 2004Y-13 Vigna umbellata Fan Dou ( 飯豆 ) 〃 〃 〃 2004Y-14 Vigna hirtella − 〃 〃 18-Oct 2004Y-15 Vigna umbellata − Tong Jian Cun ( 同剪村 ), NE of Guang Nan ( 広南 ), 1,600m 〃 〃 2004Y-16 Vigna angularis − Ge Tong Cun ( 草庸村 ), NE of Guang Nan ( 広南 ), 1,536m 〃 20-Oct 2004Y-17 Glycine max Tua Da Cai Hua Cun ( 菜花村 ), near Pu Zhe Hei ( 普者黒 ), NE of Qiubei ( 邱北 ) Miao(苗族) 〃 2004Y-18 Vigna unguiculata − 〃 〃 〃 2004Y-19 Phaseolus vulgaris − 〃 〃 〃 2004Y-20 Vigna umbellata Tu Tei 〃 〃 〃 2004Y-21 Glycine max Tu Da 〃 〃 〃 2004Y-22 Phaseolus vulgaris − 〃 〃 Zhuang ( 壮族) Table 2. A list of legume genetic resources collected in northern Laos ラオス北部におけるマメ類遺伝資源 Acc. No. 11 Nov. 12 Nov. Species Status Local name Collection site, Province 2004L-1 Vigna reflexo-pilosa wild 2004L-2 Psophocarpus tetragonolobus cultivated 2004L-3 Lablab purpureus cultivated 2004L-4 Vigna unguiculata cultivated 2004L-5 Vigna minima wild 2004L-6 Vigna umbellata cultivated 2004L-7 Vigna hirtella wild 2004L-8 Vigna umbellata cultivated Yo Ye 2004L-8.5 Vigna umbellata cultivated Yo Ye 〃 2004L-9 Vigna minima wild 〃 2004L-10 Vigna hirtella wild B. Muteun, Namo Dist., Udom Xai Altitude (m) ca. 50km N of Luang Prabang, Luang Prabang 270 Tua Pu B. Kajed, S of Udom Xai, Udom Xai 740 Ple Dap 〃 Tua Ring Suang 〃 S. of Udom Xai, Udom Xai Nyo Nye Ethnic group Khmu 〃 〃 〃 〃 1,165 Udom Xai market (from China) 600 N. of Udom Xai, Udom Xai 778 B. Ay, Namo Dist., Udom Xai 785 Yang (Tai Dam) 〃 〃 〃 〃 949 Akah muteun - 175 - 2004L-11 Vigna minima wild 〃 〃 〃 2004L-12 Vigna hirtella wild 〃 〃 〃 13 Nov. 2004L-13 Vigna hirtella wild B. Chalernsuk, Luang Nam Tha 14 Nov. 2004L-14 Vigna hirtella wild between Luang Nam Tha and Muang Sing, Luang Nam Tha 2004L-15 Vigna minima wild N. of Muang Sing, Luang Nam Tha 718 2004L-16 Vigna umbellata cultivated Nung Gong N. of Muang Sing, Luang Nam Tha 750 2004L-17 Vigna umbellata cultivated Nung Gong between Luang Nam Tha and Muang Sing, Luang Nam Tha 762 2004L-18 Vigna hirtella wild 〃 16 Nov. 2004L-19 Vigna hirtella wild S. of Boun Tai, Phongsali 2004L-20 Vigna umbellata cultivated Guang Shi Gong Pat B. Luangkhoun, near Chinese border, Phongsali 17 Nov. 2004L-21 Vigna umbellata cultivated Gong Shi Gong Pat near Phongsali, Phongsali 1,213 〃 2004L-22 Vigna umbellata cultivated Gong Shi B.Bakolong, Phongsali 1,074 〃 2004L-23 Vigna umbellata cultivated Nung Gong B.Huay Yen, Phongsali 1,011 Ikoh 2004L-24 Vigna tenuicaulis wild Boun Neua, Phongsali 949 18 Nov. 19 Nov. 689 〃 750 2004L-25 Vigna hirtella wild N. of Boun Neua, Phongsali Vigna hirtella wild S. of Ou Tai, Phongsali 2004L-27 Vigna tenuicaulis wild Ou Tai, Phongsali 740 2004L-28 Vigna umbellata cultivated Nung Gong B. Pa Hok Gao, N. of Boun Neua, Phongsali 947 2004L-30 Vigna umbellata cultivated Nung Gong B. Sano Mai, Phongsali 2004L-31 Glycine max cultivated 2004L-32 Vigna unguiculata cultivated Akah 〃 Phunoi 797 1,078 Ikoh Ikoh 〃 B. Aya, Phongsali Ikoh 1,300 2004L-26 Nung Tao Khmu 1,060 〃 1,304 Hmon 2004Y-1 (Vigna umbellata ) 2004Y-7 (Vigna angularis ) 2004L2 (Psophocarpus tetragonolobus ) 2004L17 (Vigna umbellata ) 2004L31 (Glycine max ) 2004Y-4 (Glycine max ) 2004Y-2 (Lablab purpureus ) 2004Y-8 (Vigna unguiculata ) 2004L4 (Vigna unguiculata ) 2004L19 (Vigna hirtella ) 2004L32 (Vigna unguiculata ) 2004Y-22 (Phaseolus vulgaris ) 2004L9 (Vigna minima ) 2004L20 (Vigna umbellata ) 2004L3 (Lablab purpureus ) Photo 1. Some examples of legume genetic resources collected. - 177 - Ⅲ.海外植物遺伝資源探索収集チームの派遣実績 PGR missions dispatched abroad by the Genebank Project since 1975 年度 調 査 課 題 50 1)中晩生カンキツ有用遺伝子の探 索導入 51 1)ばれいしょの有用遺伝子の探索 導入 2)トウモロコシの有用遺伝子の探 索導入 52 1)稲の有用遺伝子の探索導入 2)ウリ科野菜の有用遺伝子の探索 導入 53 1)マメ類の有用遺伝子の探索導入 - 181 - 2)葉根菜類の有用遺伝子の探索導 入 54 1)暖地型牧草,かんしょ,キノア の探索導入 55 1)ばれいしょ,てんさいの有用遺 伝子の探索導入 56 1)オリザグラベリマ,グレインソ ルカム,ハトムギの探索導入 57 1)イタリアン・ライグラス等牧草 類の探索導入 58 1)インドネシアにおける大豆有用 遺伝子の探索導入 2)こんにゃくの探索導入 対 象 作 物 担 当 者(所属機関) スイートオレンジ,サワーオレンジ, レモン,みかん,ぶんたん,からたち ばれいしょ 秋浜 友也(果樹試) 七条寅之助( 〃 ) 坂口 進(農技研) トウモロコシ在来種および一代雑種 山田 実(農技研) 水稲耐冷性または短期時なし出穂性品 種 メロン・トマト,きゅうり,すいか, かぼちゃ,なす 大豆,落花生,いんげんまめ,ふじま め,ささげ,きまめ,ヒヨコマメ,だ いこん,えんどう,たけあずき かぶ,にんじん,たまねぎ,はなやさ い,キャベツ,クラス,からしな類, ほうれんそう,パラーク 暖地型牧草,かんしょ,キノア 渡辺 進二(東北農試) 大豆 番場 宏治(北海道中央農試) 高橋 信夫(長野県中信農試) 三輪 計一(群馬県総農試) 清家 泰昭( 〃 ) 天野 洋一(北海道北見農試) 川出 武夫(野菜試) 渡辺 巌(東北農試) 神山 利一(野菜試) 佐藤 博保(九農試) 小林 仁( 〃 ) 西部 幸男(北農試) ばれいしょ,てんさい 八戸三千男( 〃 ) グラベリマ稲,グレインソルガム,ハ 小野 信一(中国農試) トムギ 鈴木 信治(草地試) イタリアン・ライグラス こんにゃく 3)小麦のトルコ,エジプトにおけ 小麦,大麦等 る探索導入 4)野性稲等の探索導入 在来種,野生稲等 −バングラデシュ 5)中南米におけるトマト,トウガ トマト,ピーマン,かぼちゃ ラシ,かぼちゃの探索導入 水野 進(福井県農試) 奥津 喜章(茨城県農試) 小餅 昭二(野菜試) 小林 忠和(長野県中信農試) 派遣先・期 間 インド 50. 11. 2 - 11. 17 ペルー 52. 1. 23 - 2. 5 メキシコ 52. 1. 23 - 2. 5 イタリア,ハンガリー 52. 8. 23 - 9. 2 スペイン,イタリア 52. 8. 18 - 8. 28 ネパール,インド 53. 10. 5 - 11. 2 ネパール,インド 53. 10. 5 - 11. 2 アメリカ,コロンビア,ベネゼエラ 54. 11. 19 - 12. 5 オランダ,ポーランド 55. 11. 26 - 12. 8 象牙海岸,ナイジェリア,インド 56. 10. 24 - 11. 12 フランス,イタリア 57. 8. 29 - 9. 19 インドネシア 58. 11. 13 - 12. 2 タイ,フィッリピン 59. 1. 15 - 2. 12 トルコ,エジプト 50. 11. 2 - 11. 17 バングラデシュ 58. 11. 10 - 12. 1 メキシコ,コスタリカ,ペルー,ボリビア 58. 11. 10 - 12. 5 年度 調 査 課 題 対 象 作 物 59 1)インド,インドネシア,タイ国 茶 における茶樹の調査・探索と収 集 2)北米大陸におけるブドウの収集 ブドウ 3)豆類遺伝資源の海外調査 (韓国) 4)いぐさ,牧草の探索収集調査 あずき,さいとう いぐさ,牧草 60 1)亜熱帯仁果・核果類遺伝資源の ウメ,クルミ,ナシ,モモ,カキ等 探索 担 当 者(所属機関) 鳥屋尾忠之(茶試) 岡部 信雄(埼玉県茶試) インド,タイ,インドネシア 59. 11. 21 - 12. 16 雨宮 毅(山梨県果樹試) 角 利和(福岡県農総試) 原 正紀(北海道十勝農試) 村田 吉平( 〃 ) 定平 正吉(広島県農試) 赤木 豊樹( 〃 ) 土屋 七郎(果樹試) 北米 59. 11. 4 - 12. 3 韓国 59. 10. 9 - 10. 31 ニュージーランド 60. 1. 21 - 2. 20 中国,台湾省 60. 11. 26 - 12. 15 中国,台湾省 61. 3. 10 - 3. 20 イタリア,ハンガリー,ユーゴスラビア 60. 8. 1 - 9. 4 パプアニューギニア 61. 1. 20 - 2. 16 アルゼンチン 61. 2. 25 - 3. 31 金戸 橘夫(園芸農協連) 2)麦類遺伝資源の収集と導入 小麦,大麦,関連野生種 瀬古 秀文(栃木県農試) - 182 - 久木村 久(九農試) 杉本 明(沖縄県農試) 中西 健夫(千葉県農試) 鈴木 茂( 〃 ) 向井 康(宮崎県総農試) 佐々木紘一(北海道十勝農試) 5)大豆遺伝資源の探索導入 ダイズ 重盛 勲(長野県中信農試) 61 1)牧草・飼料作物遺伝資源の探索 えん麦,オーチャードグラス,フェス 佐藤信之助(九農試) 導入 ク類,ライグラス,アルファルファ, 鶴見 義朗(鹿児島県農試) クローバー類等 浜村 邦夫(北農試) 2)稲遺伝資源探索導入 稲 佐々木武彦(宮城県古川農試) タイ東北部および北部 芦澤 正和(全農試) 3)タイにおける野菜遺伝資源 ナス科,ウリ科等 3)パプアニューギニアにおける地 カンショ,サトウキビ等 下作物等の探索収集 4)豆類およびトウモロコシの遺伝 ラッカセイ,トウモロコシ等 資源調査 4)根系有用遺伝資源に関する海外 ソラナム属,イポメア属近緑野生種 調査 5)雑穀類遺伝資源の収集と導入 ミレット類,ゴマ,ソルガム属等 派遣先・期 間 奥山 善直(北海道根釧農試) 田淵 尚一(長崎県総農試) 梅村 芳樹(九農試) 広瀬 昌平(日大農獣医学部) 松浦 正宏(広島県農試) タイ 61. 3. 12 - 3. 31 モロッコ,ポルトガル,スペイン 61. 6. 28 - 7. 15 タイ 61. 10. 26 - 11. 26 タイ 61. 10. 26 - 11. 26 ペルー,エクアドル 61. 10. 28 - 11. 26 タンザニア 62. 2. 28 - 3. 22 年度 調 査 課 題 対 象 作 物 62 1)ナイジェリア国における野菜類 カボチャ,ユーガオ,メロン,スイカ 遺伝資源の調査 2)豆類遺伝資源の探索 アズキ,ツルアズキ,ヶツルアズキ 3)麦類遺伝資源の海外探索導入調 麦類 査 - 183 - 4)地中海地域におけるカンキツ, カンキツ,ビワ ビワ遺伝資源調査 63 1)ネパールにおけるRhododendron ツツジ属,ユリ属 属およびLilium属遺伝資源の収 集 2)インドにおける特用・栄養系作 さとうきび,茶,桑 物のフィールド調査 3)アルゼンチンにおけるMedicago アルファルファ 属遺伝資源の探索の収集 4)インドネシア・スマトラ島にお 稲類 ける稲遺伝資源の収集調査 元 1)麦類遺伝資源の探索,アルジェ 小麦,大麦等 リア 2)マレイシア国およびタイ国に分 甘しょ 布する甘しょ等いも類の調査 3)地中海地域におけるヨーロッパ ブドウ ブドウの遺伝資源調査 4)ギリシャにおけるチューリップ チューリップ,アリウム属野生種 属およびアリウム属遺伝資源の 共同探索・収集 担 当 者(所属機関) 由比 進(野菜茶試) 芦沢 正和(全農連) 宮崎 尚時(長野県中信農試) 足立 大山(北海道中央農試) 桑原 達雄(長野県農事試) 古庄 雅彦(福岡県農総試) 宮川 三郎(農研センター) 吉田 俊雄(長崎県果樹試) 佐々木文義(愛媛県青農連) 山口 聰(野菜・茶試久留米 支場) 小林 正芳(鹿児島県農試) 上野 貞一(宮崎県総農試) 橋本 昌男(千葉県蚕業セン ター) 大城 良計(沖縄県農試) 稲波 進(愛知県農総試) 福岡 寿夫(吸収東海大学) 岡 三徳(生物研) 赤間 芳洋(愛知県農総試) 菊池 治己(北海道上川農試) 宮川 三郎(農研センター) 吉田 久(栃木県農試) 前野 真司(北海道北見農試) 樽本 勲(農研センター) 坂口 進(農林水産技術情報 協会) 平林 利郎(山梨県農試) 平川 信之(福岡県農総試) 平田 良樹(野菜・茶試) 浦島 修(富山県野菜花き試) 宮浦 邦晃(北海道北見農試) 名畑 清信(富山県農業水産部) 派遣先・期 間 ナイジェリア 62. 11. 10 - 12. 7 ネパール 62. 11. 17 - 12. 15 モロッコ王国,シリア,アラブ共和国 62. 6. 10 - 7. 3 イタリア,ギリシャ,イスラエル 62. 11. 9 - 11. 27 ネパール 63. 10. 22 - 11. 20 インド 63. 11. 17 - 12. 14 アルゼンチン 1. 1. 14 - 2. 19 インドネシア 1. 2. 14 - 3. 20 アルジェリア 1. 5. 30 - 6. 27 マレイシア,タイ 2. 2. 23 - 3. 16 フランス,イタリア 1. 10. 6 - 10. 22 ギリシャ 1. 3. 7 - 3. 25 年度 調 査 課 題 2 1)モ ロ ッ コ , ス ペ イ ン に お け る Bata属野生種の探索 2)フィンランド,スウェーデンの アカクローバ探索 3)タイにおける稲遺伝資源の共同 探索導入 4)マレイシアにおける豆類遺伝資 源の探索 1)ソ連国における寒地型牧草遺伝 資源の探索収集 2)ポーランドにおける野菜類遺伝 資源の探索・収集 3)スリランカ及びタイにおける雑 穀類遺伝資源の探索 4)ウルグアイおよびチリにおける いも遺伝資源の探索収集 3 - 184 - 4 5 対 象 作 物 担 当 者(所属機関) 増谷 哲雄(北海道農試) 吉沢 晃(北海道北見農試) Trifolium属,チモシー他 澤井 晃(北海道農試) 竹田 芳彦(北海道根釧農試) 稲 森谷 国男(鹿児島県農試) 野生稲 日高 秀光(宮崎県総農試) 土屋 武彦(北海道中央農試) ダイズ,リョクトウ,シカクマメ他 矢ヶ崎和弘(長野県中信農試) 寒地型牧草 大同 久明(北海道農試) 下小路英男(北海道北見農試) ユリ科,アブラナ科,セリ科などの野 吉川 宏昭(野菜茶試) 菜類 塚田 元尚(長野県野菜花き試) 西牧 清(長野県中信農試) 雑穀類 及川 一也(岩手県農試) カンショ,バレイショ 村上 紀夫(北海道根訓農試) 小村 国則(長崎県総農試 愛野馬鈴薯支場) 1)インド国におけるゴマ遺伝資源 ゴマ 古明池通孝(農研センター) の探索収集 河瀬 眞琴(生物研) 2)マダガスカルにおける稲遺伝資 稲 堀内 久満(福井県農試) 源の探索収集 上原 泰樹(青森県農試) 3)メキシコにおける桑遺伝資源の 桑 片桐 幸逸(蚕昆研) 調査 國友 義博(山梨県蚕試) 4)ブラジルにおけるパインアップ パインアップル 池宮 秀和(沖縄県農試) ル遺伝資源の調査と収集 時任 俊広(鹿児島県農試) 1)ガーナ国における野菜およびマ ナス,マメ類 門馬 信二(野菜茶試) メ類遺伝資源の調査と収集 伊藤喜三男(長野県中信農試) 2)ベトナムにおける稲遺伝資源の 稲 國廣 泰史(生物研) 探索収集 井上 正勝(愛知県農総試) 3)ベトナムにおける豆類遺伝資源 ダイズ,ササゲ,リョクトウ,ツルア 小林 勉(長野県中信農試) の探索収集 ズキ,ラッカセイ,フジマメ,ベニバ 島田 尚典(北海道立十勝農試) ナインゲン,キマメ,その他 4)エクアドルおよびボリビア国に オカ,ウルコ,マシュア他 中野 尚夫(岡山県農試) おける根茎作物遺伝資源の調査 白井 和栄(北海道立植物遺伝 資源センター) Bata属野生種 派遣先・期 間 モロッコ,スペイン 2. 6. 25 - 7. 15 フィンランド,スウェーデン 2. 8. 25 - 9. 16 タイ 2. 10. 29 - 11. 30 マレイシア 3. 1. 30 - 3. 1 ソ連(サハリン) 3. 9. 2 - 9. 24 ポーランド 3. 9. 10 - 10. 7 スリランカ,タイ 4. 1. 7 - 2. 5 ウルグアイ,チリ 4. 3. 2 - 3. 30 インド 4. 9. 23 - 10. 18 マダガスカル 5. 2. 24 - 3. 28 メキシコ 4. 11. 19 - 12. 9 ブラジル 4. 11. 4 - 11. 25 ガーナ 5. 10. 19 - 11. 18 ベトナム 6. 2. 24 - 3. 25 ベトナム 6. 2. 24 - 3. 23 エクアドル ボリビア 6. 2. 28 - 3. 21 年度 調 査 課 題 6 1)パキスタン国における麦類遺伝資 源の探索収集 2)フィリピンにおけるサツマイモ遺 伝資源の探索収集 3)ベトナム国におけるサトイモ遺伝 資源の共同探索 4)カザフスタン,ウズベキスタン国 における花き類遺伝資源の探索収 集 1)ブルガリアおよびギリシャにおけ る牧草遺伝資源の共同探索 麦類 2)ケニアにおける野菜類遺伝資源の 探索収集 3)スリランカにおける茶遺伝資源の 探索 4)パラグアイ,ボリビアにおける豆 類(落花生,インゲンマメ等)の 遺伝資源の調査収集 1)パキスタン国における麦類遺伝資 源の野外調査 2)東欧地域における牧草遺伝資源の 探索収集 3)ベトナム国北部におけるイネ遺伝 資源の共同調査と収集 4)東アフリカにおけるソルガム遺伝 資源の探索収集 1)カザフスタンにおけるネギ属遺伝 資源の共同探索 2)ベトナム中部における稲遺伝資源 の探索収集 ウリ科およびナス科野菜の近縁野生 種 茶 7 - 185 8 9 対 象 作 物 カンショ サトイモ チューリップ,ユリ エンバク,Medicago属等 落花生,インゲンマメ,ササゲ等 コムギ・オオムギ在来種,及び近縁 野生種 ペレニアルライグラス,チモシー等 寒地型牧草 イネ在来品種 ソルガム属 ネギ属 イネ栽培種 担 当 者(所属機関) 派遣先・期 間 田谷 省三(中国農試) パキスタン 石川 直幸(栃木県農試) 6. 6. 1 - 6. 21 軽部 稔(鹿児島県農試) フィリピン 泉澤 直(茨城県農総センター) 6. 8. 9 - 9. 9 森下 正博(大阪府農技センター) ベトナム 6. 11. 29 - 12. 28 篠田 浩一(北海道農試) カザフスタン 浦島 修(富山県農技センター) ウズベキスタン 6. 6. 6 - 7. 17 我有 満(長野県畜試) ブルガリア 神戸三智雄(愛知県総合農試) ギリシャ 7. 7. 1 - 7. 31 石内 傳治(野菜茶試) ケニア 松本 満夫(高知県農技センター) 7. 9. 5 - 10. 7 武田 善行(野菜茶試) スリランカ 吉留 浩(宮崎県総合農試) 7. 11. 9 - 12. 7 木佐貫 守(宮崎県総合農試) パラグアイ 佐藤 仁(北海道十勝農試) ボリビア 8. 2. 28 - 3. 28 古庄 雅彦(福岡県農総試) パキスタン 谷藤 健(北海道北見農試) 8. 6. 28 - 7. 28 山田 敏彦(山梨県酪試) ポーランド,チェコスロバキア 鳥越 昌隆(北海道北見農試) 8. 7. 27 - 8. 26 江花 薫子(生物研) ベトナム 岡本 和之(茨城県生工研) 8. 11. 5 - 12. 4 鶴見 義朗(草地試) ケニア 春日 重光(長野県畜試) 8. 11. 2 - 12. 1 小島 昭夫(野菜茶試) カザフスタン 9. 8. 12 - 9. 6 矢頭 治(北陸農試) ベトナム 福島 清美(鹿児島県農試) 9. 11. 7 - 12. 6 年度 調 査 課 題 3)ベトナム北部における果樹遺伝資源の 共同探索収集 4)タイにおける熱帯果樹遺伝資源の調査 と収集 1)ギリシャにおける麦類遺伝資源の探索 10 2)アルメニアおよびグルジアにおける果 樹遺伝資源の探索収集 3)ベトナム国南部における稲遺伝資源の 探索収集 4)ベトナム中北部におけるカンキツ遺伝 資源の共同探索収集 1)ギリシャ国におけるアブラナ科野生種 11 と在来野菜品種の共同探索・収集, 1999 2)タイにおけるサトウキビ近縁遺伝資源 の調査収集 3)ミヤンマー連邦における稲遺伝資源の 探索収集 4)スペインにおけるカンキツ類遺伝資源 の調査と収集 5)ミヤンマー国における雑穀および特用 作物遺伝資源の探索収集のための現地 事前調査 1)ミャンマー連邦シャン州北部およびカ 12 チン州における稲遺伝資源の探索収集 2)ベトナム国における豆類遺伝資源の共 同調査収集 3)ミャンマー連邦北シャン州における雑 穀・コンニャク遺伝資源の探索収集 4)イタリア・フランス・スペインにおけ るフェスク類,ロリウム類遺伝資源の 探索収集 5)ブータン国における植物遺伝資源の探 索収集事前調査 9 対 象 作 物 カンキツ・ビワ 熱帯果樹 ムギ類 落葉果樹 イネ カンキツ アブラナ科野生種等 - 186 - サトウキビ野生種 イネ カンキツ ソバ,ハトムギ,コンニャク等 イネ 豆類 ソバ,ハトムギ,コンニャク フェリク類 ロリウム類 作物共通 担 当 者(所属機関) 派遣先・期 間 根角 博久(果樹試) 佐藤 義彦(長崎県果樹試) 小森 貞男(国際農研) 小川 一紀(果樹試) 土井 芳憲(四国農試) 牛山 智彦(長野農試) 西村 幸一(山形園試) 阿部 和幸(果樹試) 勝田(石)真澄(生物研) 山口 誠之(東北農試) 根角 博久(果樹試) 国賀 武(果樹試) 飛騨 健一(野茶試) 塚埼 光(野茶試) 伊禮 信(沖縄県農試) 杉本 明(九州農試) 三浦 清之(生物研) 坂井 真(農研センター) 根角 博久(果樹試) 三谷 宣仁(果樹試) 石田 正彦(東北農試) 手塚 隆久(九州農試) ベトナム 9. 11. 7 - 12. 6 タイ 10. 2. 25 - 3. 25 ギリシャ 10. 6. 12 - 7. 12 アルメニア,グルジア 10. 7. 11 - 8. 17 ベトナム 10. 11. 17 - 12. 16 ベトナム 10. 11. 17 - 12. 16 ギリシャ 11. 6. 29 - 7. 30 タイ 11. 11. 16 - 12. 15 ミヤンマー 11. 11. 16 - 12. 15 スペイン 12. 2. 22 - 3. 11 ミヤンマー 12. 3. 28 - 4. 10 滝田 正(東北農試) 田村 泰章(北陸農試) 島田 尚典(東北農試) 笠原 賢明(北海道農試) 手塚 隆久(九州農試) 内田 秀司(群馬農試) 桂 真昭(九州農試) 上山 泰史(茨城畜試) ミヤンマー 12. 11. 16 - 12. 15 ベトナム 12. 10. 23 - 11. 21 ミヤンマー 12. 12. 1 - 12. 31 イタリア,フランス,スペイン 12. 6. 13 - 7. 22 長峰 司(生物研) 白田 和人( 〃 ) ブータン 13. 1. 27-13. 2. 4 年度 13 14 調 査 課 題 1)豪州における植物遺伝資源の探索収集 事前調査 2)ミャンマー国におけるマメ類遺伝資源 の共同調査収集 3)ミャンマー連邦カチン州,サガイン管 区,マグウェー管区及びマンダレー管 区におけるソルガム等の牧草遺伝資源 の共同調査収集 4)台湾における熱帯野菜・果樹遺伝資源 の探索収集事前調査 1)豪州における野生稲の探索収集 - 187 - 2)ミャンマーにおけるマメ類遺伝資源の 調査と収集 3)トルコにおける果樹遺伝資源の探索収 集事前調査 4)ベトナム北部におけるチャ遺伝子資源 の共同探索収集 1)ロシアおよびアゼルバイジャンにおけ 15 るテンサイ遺伝資源の共同調査収集 2)トルコ共和国における核果類およびリ ンゴ遺伝資源の共同調査収集 3)大韓民国におけるカキ遺伝資源の探索 ・調査 4)ベトナム北部山岳地域におけるチャ遺 伝資源の共同探索収集 5)パキスタン国におけるクワ遺伝資源の 共同調査収集 6)ロシアにおける植物資源の探索収集の 事前調査 7)中国新彊ウイグル自治区における植物 資源の探索収集事前調査 対 象 作 物 野生稲等 ダイズ等マメ類 ソルガム等牧草類 熱帯野菜 熱帯亜熱帯果樹類 野生稲 栽培および野生豆類 果樹 チャ テンサイ 核果類 カキ チャ クワ 作物共通 作物共通 担 当 者(所属機関) 岩本 政雄(生物研) 平林 秀介(作物研) 高橋 浩司(作物研) 石井 卓朗(生物研) 中川 仁(畜草研) 眞田 康治(北海道農研) 派遣先・期 間 オーストラリア 14. 1. 28 - 2. 2 ミャンマー 14. 2. 23 - 3. 16 ミャンマー 14. 3. 1 - 3. 30 台湾 14. 3. 11 - 3. 23 オーストラリア 15. 4.23 - 5. 9 ミャンマー 15.10.15 - 11.15 トルコ 薬師寺 博(果樹研) 15. 5. 5 - 5.11 長峰 司(生物研) ベトナム 根角 厚司(野菜茶業研) 15.11.25 - 12.17 大前 英(野菜茶業研) ロシア・アゼルバイジャン 田口 和憲(北海道農研) 15. 8. 2∼8.19 久保 友彦(北海道大学) トルコ共和国 薬師寺 博(果樹研) 石黒 亮(山形県立園芸試験場) 15. 6.29∼15. 7.18 大韓民国 山田 昌彦(果樹研究所) 15.10.11∼15.10.25 板村 裕之(島根大学) 平 智(山形大学) 根角 厚司(野菜茶業研究所) ベトナム 吉田 克志(野菜茶業研究所) 15.11.23∼12.15 パキスタン 小山 朗夫(生物研) 15. 6.10∼ 6.20 15.12. 1∼12.10 ロシア 長峰 司(生物研) 15. 7. 6∼ 7.13 久田 方彦(生物研) 中国 長峰 司(生物研) 15. 9.9∼9.16 江川 宜伸(国際農研) 小川 一紀(国際農研) 平林 秀介(作物研) 岩本 政雄(生物研) 友岡 憲彦(生物研) - 188 - Ⅳ.国内植物遺伝資源探索収集チームの派遣実績 Exploration organized in Japan by the Genebank Project since 1986 調 査 課 題 61 1)茨城県北部および福島県南部における豆類 および雑穀類の収集 茨城県,福島県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)タチバナ及びヤマモモの遺伝資源収集 高知県,愛媛県,宮崎県 果樹試・興津支場・育種2研 3)チモン一等寒地型イネ科牧草の遺伝資源の 収集 長野県,群馬県,山梨県 草地試・育種部・育種1研 4)ヒエ類の生態型の収集 熊本県,宮崎県 九州農試・草地部・牧草1研 5)南西諸島の在来野菜の収集−ウリ科ほか− 沖縄県(石垣島・波照間島・与那国島) 野菜茶試・野菜育種部・育種2研 6)近畿地方の在来野菜の収集 −アブラナ科ほか− 滋賀県,京都府 野菜茶試・野菜育種部・育種2研 7)寒地そば遺伝資源の収集 北海道 北農試・作物二部・特用作物研 8)暖地そば遺伝資源の収集 宮崎県,鹿児島県 九州農試・作物二部・作物4研 1)群馬県南西部新潟中越地方および福島県南 会津地方における豆類雑穀類の収集,生物 研,1987年 群馬県,新潟県,福島県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)中国,四国地方のキク野生種等収集,野菜 茶試,1987年 広島県,高知県,徳島県 野菜茶試・花き部・切り花花き1研 3)茶宇治在来の収集,野菜茶試,1987年 京都府 野菜茶試・茶栽培部・育種法研 - 191 - 年度 62 収 集 地 域 4)本州におけるペレニアルライグラスの収集, 福島県,長野県,群馬県,茨城県,栃木県, 青森県,岩手県 草地試,1987年 5)オガサワラグワの収集,蚕試,1987年 東京都(父島,母島) 担 当 機 関 草地試・育種部・育種素材研 蚕試,栽培部,桑育種1研 年度 調 査 課 題 収 集 地 域 63 1)埼玉県・長野県における雑豆および雑穀類 在来種の探索収集,生物研,1988年 埼玉県,長野県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)新潟県南部・長野県北部地方における豆類 および雑穀の収集,生物研,1988年 新潟県,長野県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)福島県南会津地方における植物遺伝資源探 索,生物研,1988年 福島県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 4)関東,東海地域のゴマ,エゴマの在来種収 集,農研センター,1988年 長野県,埼玉県 農研センター・作物第一部・資源作物研 5)沖縄県離島の在来甘しょの収集,農研セン ター,1988年 沖縄県(栗国島,池間島,石垣島,伊良部島, 農研センター・作物第一部・甘しょ育研 西表島,久米島,黒島,宮古島,与那国島) - 192 - 6)中部地域の野生ダイズ(ツルマメ)の収集, 静岡県,山梨県,神奈川県 農研センター,1988年 元 担 当 機 関 農研センター・作物第一部・豆育研 7)国内の在来カキ樹の収集,果樹試安芸津支 場,1988年 岐阜県,奈良県,熊本県 果樹試・安芸津支場・育種研 8)東海近畿地方のナス在来種の収集,野菜茶 試,1988年 奈良県,滋賀県,京都府,岐阜県,愛知県, 三重県 野菜茶試・野菜育種部・育種2研 1)長野県下伊那郡における雑穀類と豆類の探 索収集 長野県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)沖縄県西表島におけるアズキ近縁野生種 Vigna rinkiuensis, V. reflexo-pilosaの探索収 集 沖縄県(西表島) 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)沖縄離島の在来甘しょ収集,農研センター, 沖縄県(伊江島,伊平屋島,石垣島,座間 味島,渡嘉敷島,波照間島,平安座島) 1988 - 90年 農研センター・作物第一部・甘しょ育研 年度 元 - 193 - 2 調 査 課 題 収 集 地 域 担 当 機 関 4)レンゲの収集(全国),1989年 秋田県,山形県,栃木県,長野県,茨城県, 草地試・育種部・育種素材研 千葉県,山梨県,埼玉県,群馬県,愛知県, 岐阜県,山口県,高知県,愛媛県,徳島県, 長崎県,佐賀県,福岡県,鹿児島県,熊本県 5)東北北部野性リンゴ属植物の収集,果樹試 盛岡支場,1989年 岩手県,秋田県,青森県 果樹試・盛岡支場・育種研 6)西南暖地におけるダイアンサス属野生種の 探索収集,野菜・茶試,1989年 宮崎県,長野県,鹿児島県,広島県 野菜茶試・花き部・切り花花き2研 7)熊本県および宮崎県山間部におけるヤマチ ャの収集,野菜・茶試,1989年 熊本県,宮崎県 野菜茶試・久留米支場・茶樹育研 8)奄美群島における甘しょ在来種の収集 (鹿児島県,徳之島,沖永良部島) 九州農試・畑地利用部・甘しょ育研 1)長野県,下伊那地方に栽培されている在来 豆類・雑穀類の現地調査と収集 長野県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)沖縄県与那国島におけるアズキ近縁野生種, 沖縄県(与那国島) Vigra riukiuenses,V. reflexo-pilosa の探索 収集 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)岩手・山形県における作物在来種の探索・ 収集 岩手県,山形県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 4)東北地方のえごま・ごまの在来種収集 岩手県,青森県,山形県 東北農試・作物開発部・資源作物育研 5)東北地方における自生ハマナスの収集 宮城県,岩手県,青森県,秋田県,新潟県 (佐渡島),鳥取県,茨城県,千葉県 野菜茶試・花き部・緑化植物研 6)宮古・八重山諸島の亜熱帯地域植物遺伝資 源の収集 沖縄県(宮古島,石垣島,西表島,伊良部島, 熱研センター・沖縄支所・作物導入栽培研 与那国島) 7)本邦在来イチゴ近縁種の収集 岐阜県,栃木県,北海道 野菜茶試・久留米支場・育種2研 8)九州地域の大豆在来種の収集 福岡県,大分県 九州農試・作物開発部・大豆育研 調 査 課 題 3 1)沖縄県における雑豆および雑穀類在来品種 の探索収集 沖縄県(波照間島,多良間島,池間島,宮古 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 島) 2)秋田県南部,山形県北部における豆類遺伝 資源の収集 秋田県,山形県 3)シバ属自生植物の収集(全国),1991-1992 年 青森県,山形県,福島県,栃木県,群馬県, 草地試・育種部・育種素材研 新潟県,富山県,静岡県,三重県,兵庫県, 岡山県,山口県,徳島県,愛媛県,高知県, 福岡県,佐賀県,長崎県,大分県,宮崎県, 鹿児島県 4)北海道に自生するヤマグワ系野生桑の収集 北海道 蚕昆研・松本支所・高冷地栽・桑技術研 5)北陸・東北地方のチャ在来種の収集 新潟県,秋田県,岩手県 野菜茶試・茶栽培部・育種研 6)西日本地域における野生クリの収集 高知県,熊本県,宮崎県,静岡県 果樹試・育種部・育種2研 7)四国・九州地域における野生ラン(セッコ ク)の収集 宮崎県,鹿児島県,福岡県,愛媛県,香川県, 野菜茶試・花き部・流通技術研 高知県,徳島県,兵庫県,広島県,京都府, 和歌山県 1)徳島・高知県における雑穀類・豆類の探索 収集 徳島県,高知県 2)沖縄本島,久米島および奄美大島における 在来作物の収集と調査 沖縄県(沖縄本島,久米島),鹿児島県(奄 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 美大島) 3)中国地域におけるいぐさ在来種の探索収集 広島県,島根県 4)東北・関東・東海地域におけるメロン遺伝 資源の収集 山形県,岩手県,宮城県,千葉県,静岡県, 野菜茶試・野菜育種部・育種2研 愛知県 5)中国地域におけるElymus の国内遺伝資源 の探索 鳥取県,島根県 九州農試・水田利用部・耐性育種研 6)宮古・八重山諸島における亜熱帯植物遺伝 資源の第二次収集 沖縄県(宮古島,八重山諸島) 熱研センター・沖縄支所・作物育種研 - 194 - 年度 4 収 集 地 域 担 当 機 関 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 農研センター・作物開発部・資源作物育研 調 査 課 題 5 1)高知県物部村および檮原町における作物在 来種の調査と収集 高知県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)種子島・屋久島における在来作物の探索収 集 種子島・屋久島 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)四国の山間・島嶼の在来甘しょの収集 高知県,愛媛県 農研センター・作物開発部・甘しょ育研 4)九州,中・四国,北陸地方におけるペレニ アルライグラスの収集 大分県,島根県,広島県,岡山県,愛媛県, 草地試・育種部・育種素材研 高知県,徳島県,福井県,石川県,新潟県 5)岡山県におけるモモ野生種の探索収集 岡山県 果樹試・育種部・育種3研 6)南西諸島地域における芳香性野生ツバキ属 の収集 沖縄県(石垣島) 野菜茶試・花き部・育種法研 7)東北地域の野生ダイズ(ツルマメ)の収集 秋田県 東北農試・作物開発部・大豆育研 8)北陸地域におけるLeymus 及び Elymus 属の 国内遺伝資源の探索 新潟県,富山県,石川県,福井県 九州農試・水田利用部・耐性育法研 大麦育研 1)青森県津軽地方および南部地方における豆 類・雑穀類在来品種の探索収集 青森県,岩手県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)長崎県対馬における作物在来種の調査と収集 長崎県対馬 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)五島列島における作物在来種の調査と収集 長崎県五島列島 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 4)鹿児島県奄美諸島におけるイネ近縁属の探 索・収集 鹿児島県奄美諸島 農研センター・作物開発部・稲育法研 5)沖縄におけるウリ科在来種の遺伝資源探索 と収集 沖縄県 野菜茶試・久留米支場・育種1研 - 195 - 年度 6 収 集 地 域 担 当 機 関 年度 6 7 - 196 8 調 査 課 題 収 集 地 域 担 当 機 関 6)北陸東山地方のソバ在来の収集 新潟県,長野県 北陸農試・作物開発部・畑作物育種研 7)奄美大島および甑島に自生するシマグワ系野 生桑の収集 鹿児島県(奄美諸島,甑島) 九州農試・作物開発部・桑育種・養蚕研 8)香川県,徳島県,高知県におけるさとうきび 遺伝資源の収集 香川県,徳島県,高知県 九州農試・作物開発部・さとうきび育種研 1)岩手県北部および三陸地方における作物在来 品種の調査と収集 岩手県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)鹿児島県における在来作物の収集と調査 鹿児島県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)隠岐諸島における作物在来種の調査と収集 島根県(隠岐諸島) 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 4)京都府および兵庫県における野生ダイズ(ツ ルマメ)の収集 京都府,兵庫県 農研センター・作物開発部・豆育研 5)ウマゴヤシ類(Medicago spp. )国内遺伝資 源の探索収集 愛知県,岐阜県,静岡県,長野県,広島県, 岡山県,鳥取県,島根県 草地試・育種部・育種1研 6)南九州地域におけるカンキツ類遺伝資源の収 集 鹿児島県,熊本県 果樹試・興津支場・育種1研 7)高知県および徳島県における自生チャの収集 高知県,徳島県 野菜茶試・久留米支場・茶樹育研 1)島根県および広島県における在来作物の調査 と収集 島根県,広島県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)伊豆諸島宮古島における在来甘しょの収集 三宅島 農研センター・作物開発部・甘しょ育種研 3)北海道および青森県におけるヤマツツジの収集 北海道,青森県 野菜茶試・久留米支場・花き研 年度 8 9 調 査 課 題 収 集 地 域 担 当 機 関 - 197 - 4)青森県及び山形県におけるきくいもの収集 新潟県,長野県 北農試・畑作セ・遺伝資源研 5)北海道地域のおける Elymus 及びLeymus 属 の国内遺伝資源の探索 鹿児島県(奄美諸島,甑島) 九州農試・水田利用部・麦育種研 6)九州地域における雑穀類遺伝資源の探索収集 香川県,徳島県,高知県 九州農試・作物開発部・資源作物研 7)南西諸島における豆類の探索収集 沖縄県(沖縄本島、伊江島) 九州農試・作物開発部・大豆育種研 1)三重県および奈良県における豆類・雑穀類在 来品種の探索収集 三重県,奈良県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)東北及び中部山岳地帯におけるアケクローバ および北海道のシャジクソウの収集 長野県美ヶ原高原 北農試・草地部・マメ科牧育研 3)国内の在来マタタビ属の収集 北海道,山形県,新潟県,富山県,岐阜県 果樹試・カキブドウ支場・育種部 4)島根県および鳥取県におけるゴマ等伝統的作 物の収集 島根県,鳥取県 四国農試・作物開発部・上席研究官 5)東北地域における野生大豆(ツルマメ)の収集 −山形県最上川流域− 山形県 東北農試・作物開発部・大豆育種研 6)沖縄県本島における熱帯・亜熱帯果樹類の調 査 沖縄県 国際農研・沖縄・熱帯果樹研 年度 調 査 課 題 10 1)和歌山県,奈良県および三重県における作物在 来種の調査と収集 収 集 地 域 担 当 機 関 - 198 - 和歌山県,奈良県,三重県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 2)茨城県北部における作物在来品種の残存調査 茨城県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 3)群馬県及び山形県におけるアケビ属の探索収集 群馬県,山形県 果樹試・育種部・遺伝資源研 4)北海道におけるコハマギク,イワギクの収集 北海道 野菜茶試・花き部・育種研 5)岡山県におけるチャ遺伝資源の収集 岡山県 野菜茶試・茶栽培部・暖地茶樹育種研 6)東北地方におけるアブラナ科在来種の調査・収 集 青森県,岩手県,秋田県,山形県, 福島県 東北農試・作物開発部・資源作物育種研 栃木県,静岡県,愛知県 九州農試・作物開発部・資源作物研 2)北陸地域における雑穀類遺伝資源の探索収集 新潟県,富山県,石川県,福井県 東北農試・作物開発部・資源作物育種研 3)鹿児島県奄美諸島におけるさとうきび遺伝資源 の収集 鹿児島県 九州農試・作物開発部・さとうきび育種研 4)長野県および京都府におけるユスラウメ系統の 収集 長野県,京都府 果樹試・育種部・核果類育種研 5)南西諸島におけるアズキ近縁野生種の分布調査 と収集 沖縄県 生物研・遺伝資源第二部・集団動態研 6)大分県,熊本県北部および宮崎県北部における 作物在来品種の探索収集 大分県,熊本県,宮崎県 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 11 1)関東・東山地域におけるソバ在来品種の分布調 査と収集 年度 調 査 課 題 12 1)福島県における作物在来品種の残存調査 収 集 地 域 福島県 担 当 機 関 生物研・遺伝資源第一部・植物探索研 - 199 - 2)鳥取県,岡山県,茨城県,栃木県におけるアズ 鳥取県,岡山県,茨城県,栃木県 キ(Vigna anglaris)野生−栽培−雑草種集団のモ ニタリング,2000年 生物研・遺伝資源第二部・集団動態研 3)高知県におけるナシ遺伝資源の収集 高知県 果樹試・育種部・ナシ・クリ育種研 4)南西諸島におけるカンキツ類遺伝資源の探索収 集 鹿児島県,沖縄県 果樹試・カンキツ部・遺伝資源研 5)三重県および北海道におけるカワラナデシコ, エゾカワラナデシコの探索収集 三重県,北海道 野菜・茶業試験場・花き部・育種研 6)長崎県対馬地方におけるチャの調査と収集 長崎県 野菜・茶業試験場・茶栽培部・育種研他 13 1)新潟県佐渡島における作物在来種の調査と収集 新潟県 生物研・ジーンバンク・植物資源研 2)新潟県下越地域及び山形県中部地域における作 物在来品種の探索収集 新潟県,山形県 生物研・ジーンバンク・植物資源研 3)長野県におけるVigna,Vicia,Glycine 属野生種 の調査と収集 2002年10月 9 ∼12日 長野県 生物研・遺伝資源・集団動態研 4)長野県及び愛知県北部におけるゴマ(Sesamum 長野県,愛知県 indicum)及びエゴマ(Perilla frutescens)在来種 の探索収集 作物研・畑作物・資源作物育種研 5)九州地方南部及び長崎県北部におけるエンバク 在来種の調査収集 宮崎県,鹿児島県,長崎県 九州沖縄農研・畜産飼料作・牧草育種研 6)小笠原諸島におけるカンキツ遺伝資源の調査 東京都 果樹研・カンキツ・素材開発研その他 7)長崎県五島列島におけるチャの調査と収集 長崎県 野菜茶業研・茶業・育種研その他 - 200 - - 201 - 植物遺伝資源探索導入調査報告書 通巻第 21 号 刊行 独立行政法人 農業生物資源研究所 〒 305-8602 茨城県つくば市観音台 2-1-2 電話 029-838-7458 Published by the National Institute of Agrobiological Sciences Kannondai 2-1-2, Tsukuba, Ibaraki 305-8602 Japan 平成 17 年 12 月印刷 Printed in Dec., 2005 印刷 朝日印刷株式会社つくば支社 〒 305-0046 つくば市東 2-11-15
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