2015年6月度 邦人安全対策連絡協議会 議事要旨

2015年6月9日
ジャカルタ ジャパン クラブ
会 員 各 位
ジャカルタ ジャパン クラブ
邦人安全対策連絡協議会
本協議会から最近の治安状況等についてお知らせいたします。会員各位ならびにご家族、ま
た関係のご出張者におかれましては治安状況等に十分ご留意いただき、掲載の事件・事故と
同様の被害に遭われないよう十分ご注意,ご周知ください。
*JJC邦人安全対策連絡協議会
TEL:315-0418
FAX:3192-5902
*在インドネシア日本国大使館
TEL:3192-4308
1.冒頭
(1)6日,バリ島3都市親善スポーツ大会が行われた。本大会は,2002年のバリ島爆
弾テロ事件後に日本人観光客数が減少したことを受け,同島の安全性を対外的に発信する
目的でジャカルタ,スラバヤ,バリの3日本人会が開催して以降,今年で13回目となる。
今次大会の参加者及び関係者の皆様に感謝申し上げる。
(2)日本人旅行者に対する査証免除に関し,9日現在,インドネシア外務省からの正式な
通知は接到していない。実施に際しては空港等における混乱を防ぐため事前の通知がある
ものと思われるが,現時点において実施通知は接到していない状況。
(3)空港のパスポートコントロールにおいて不当な金銭徴収の事案が発生していること
を受け,当館から当局に対し適宜通報を行っている。当局からは一部の事案において不当な
金銭徴収を行った入管職員の情報提供や該当職員に対する処分実施に関する通知が届いて
いるが,徴収額の返金に際し先方の対応があやふやになる等,不完全な部分も看取される。
引き続きフォローアップを行い,事案発生時にはしかるべく申し入れを行っていきたい。
(4)また,警官の制服を着た者による検問での不当な金銭要求事案の報告も受けている。
ラマダンの時期に被害報告が増える傾向があるため,各社におかれては出張者対応時等,十
分にご注意いただきたい。大使館としてもしかるべく対応していく。
2.最近の治安情勢
この1ヶ月間治安情勢は比較的安定していたが,以下の2点につきご報告申し上げる。
(1)中部スラウェシ州ポソ近郊のジャングルにおいて,テロ組織「東インドネシアのムジ
ャヒディン」のテロリスト・サントソがいまだ潜伏している由。現在,警察当局が数百人規
模の人員を投入し捜索に当たっている。5月には同グループに対し物資支援を行っていた
とされるテロリスト数名が逮捕されており,国家警察庁長官は潜伏中のテロリストの逮捕
に引き続き取り組んでいく旨述べている。また,同月,スラバヤ・ジュアンダ空港において,
ISILに合流するためシリアへの渡航を企てたとされる男ら6名が逮捕された。警察当
局はISIL関係者についても引き続き取締りを強化していく由。
(2)アチェ州の海岸にミャンマーのロヒンギャ族及びバングラデシュ人が漂着し,保護収
容されている問題を巡って,今後,当地イスラム団体等によるインドネシア政府機関,当地
ミャンマー大使館等に対するデモが発生する恐れがある。5月27日にはミャンマー大使
館前でイスラム急進組織FPIによるデモが行われ,規模は200名程度であったものの,
同大使館正門前でマネキン人形を燃やす,インドネシア政府に対しミャンマーとの国交断
絶を求める内容のシュプレヒコールを叫ぶ等のパフォーマンスが行われた。デモの現場に
居合わせた場合には近づかないようにする等,ご注意いただきたい。
3.邦人に関わる最近の事件・事故報告
(1)この1ヶ月間で特段大きな事件・事故は見受けられなかったが,引き続き,置き引き
や窃盗の被害に関する報告を受けている。特にカバンから目を離していた隙に盗まれる事
案が多い。具体例は以下のとおり。
ア.ホテルのロビーにて,カバンを椅子の上に置いたまま支払いを行い,支払後気がついた
らカバンがなくなっていた。
イ.乗り合いバスに乗車中,携帯電話の操作に夢中になっていたところ,近くに置いていた
はずのカバンがなくなっていた。
上記のとおり,不注意により盗難被害に遭う事例が大半である。所持品については,貴重
品を含むものは特に,肌身離さず携行する等の意識を徹底していただきたい。
(2)18日からラマダン(断食月)開始予定。ラマダン期間中の注意・留意事項に関する
お知らせを発出済であるところ,大使館ホームページ等で詳細をご確認いただきたい。主な
留意事項としては,普段以上にイスラム教,ムスリムの習慣に対し配慮する,例年レバラン
が近づくにつれ窃盗事件が増加傾向にあるため,普段以上に周囲を警戒することが挙げら
れる。
4.最新の医療事情等
現在韓国でMERS(中東呼吸器症候群)の感染が拡大している。元々中東地域で感染拡
大していたものだが,5月20日以降,中東から帰国した韓国人が韓国国内で発症したこと
を皮切りに,院内感染により本9日現在で95名が感染,うち7名が死亡している。現段階
で3次感染まで確認されている由。MERSウイルスは飛沫感染すると言われていること
から,予防には手洗いやマスクの着用が有効とされるが,詳しいことは分かっていない。現
時点で日本国内及びインドネシア国内での感染の報告はないが,インドネシア保健当局に
より,韓国発ジャカルタ行フライトの乗客に対し問診票によるスクリーニング及びサーモ
センサーによる体温チェックが行われている由。東京発の便に影響はないものの,韓国経由
でジャカルタを渡航される在留邦人におかれては右ご留意いただき,適宜情報提供いただ
ければ幸い。また,現時点で韓国への渡航に関する自粛勧告等は我が国及びインドネシア当
局のいずれからも発出されていないが,今後も情報収集に努めていただきたい。当館からも
ホームページ等を通じ必要な情報提供を行う。
5.質疑応答,各社(団体)からの報告等
(報告)
MERSに関し,東京発ジャカルタ行のフライトに対してはスクリーニング実施等の特
別な措置は執られていない。他方,韓国に渡航するインドネシア人出稼ぎ労働者で,帰国時
に日本を経由する者が少なからず存在する。こうした者を対象とした検疫処置等も現時点
では存在しないが,今後の状況次第で何らかの措置が課される可能性があるものと思われ
る。
VOAを含む査証免除につき,空港サイドからも特段の通知はない。昨年VOA手数料が
改定された(25ドル→35ドル)際には,前日夕方に通知がなされ,現場対応に苦慮した。
先般,市或いは州の労働局から,当社が事務所を置く Wisma Keiai ビルの全テナント宛
に,5月18-29日の期間中に外国企業に対する査察を行う旨の通知書簡が接到した。最
終的に査察に入られた企業・団体は同ビル内で2社のみ(1社は日系企業,1社は共愛クリ
ニックの由)であった。
(報告・質問)
インドネシア中銀が国内の金融取引におけるルピア使用義務化を発表したが,VOA手
数料については引き続き米ドル紙幣による現金支払いが適用されている由。
在留邦人から,ゴルフ場付近で警察当局により旅券原本の提示を要求されるとの噂を耳
にしたが,場所等詳細情報をお持ちであれば共有いただきたい。
(回答)
当社の顧客から得た情報によればゴルフ場で,白昼に旅券提示を要求された由。
(報告)
先月,休日に当社社員が家族と北ジャカルタを車で移動していたところ,警官に呼び止め
られ,全員分のKITASの提示を求められた。同社員は家族全員分のKITASを携行し
ていたため,金銭要求などの被害は受けなかった。
(報告)
今般職員2名がデング熱に罹患した。うち1名は依然感染疑いであり,もう1名はジャカ
ルタ着任後直ぐに感染し,1週間後職務に復帰した。
(報告)
(JJS)
先月,3件のデング熱感染事例が発生した。
また,先月セコム社の監修の下,大規模地震発生を想定した避難訓練を実施した。10月
には爆弾予告を想定した避難訓練,来年3月には大規模火災を想定した避難訓練を実施予
定。
13日午前8時より体育祭を開催予定。史上最多の生徒総数1,230名,保護者を含め
計約3,000名がJJSに集結予定である。参加者規模が大きいことから,初の試みとし
てフィールドとテントの間に立ち見席を設ける予定。
(報告)
(JJC)
空港のパスポートコントロールで押印されるスタンプの年月日が,誤って1年前になっ
ていたとの報告を受けた。入管側のミスとはいえ,出国時のトラブルにつながることも想定
されることから,パスポートコントロール通過後には押印スタンプの日付が誤っていない
かご確認いただきたい。
また,検問等における旅券提示に関し,出入国に関する法律(2011年第6号)の条文
には,外国人はKITAS或いは旅券を提示せねばならない旨記されており,現在JJC労
働問題委員会から入管総局に対し旅券とKITAS両方を提示する必要はないのではない
かとの主旨の照会を行っているが,現時点で先方から返答はない。引き続きフォローアップ
を行いたい。