消化器内科 - 大阪府立急性期・総合医療センター

消 化 器 内 科
概
要
消化器内科は入院病床 71 床を有し、入院・外来診療、内視鏡センターでの消化器内視鏡検査
および処置、超音波での検査・処置を中心に診療業務を行っています。消化管と肝・胆・膵領域の
疾患を対象として、消化器救急から消化器難病、消化器癌まで幅広い臨床と高度医療を担ってい
ます。
当科医師職員は本年度は常勤 9 名、後期研修医 5 名の 14 名で、平成 18 年の消化器内科開
設以来着実に規模を拡大し、安全な医療と医療水準の向上に努めています。
消化器内科では常勤医-後期研修医-初期研修医のチームで診療に当たっており、万全の
指導体制により若手医師教育を継承的に行いながら、救急から癌まで消化器内科診療を総合的
にまた高度専門的に研修できる場を提供しています。
当センターの病院は日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓病学会、日本消化器内視鏡
学会、日本大腸肛門学会、日本臨床腫瘍学会等の教育・指導施設として認定されており、消化器
内科では消化器関連の学会活動への参加を奨励、援助しています。
特
徴
診療内容はあらゆる消化器疾患に対応しています。消化器救急では消化管出血に対して緊急
内視鏡による止血処置、閉塞性黄疸に対して緊急ERCPでの減黄処置を行っています。消化器難
病では肝癌予防としてウイルス性肝炎に対する抗ウイルス療法を中心に、最近増加する炎症性腸
疾患の診療にも力を入れています。また消化器癌では内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜下層
剥離術などの内視鏡治療や肝細胞癌に対するラジオ波治療などを中心に癌の早期発見により低
侵襲で根治性の高い内科治療を実施しています。最近増加傾向の膵癌に対してはERCPあるいは
EUS-FNAで病理学的診断を行い適切な治療法を選択できるようしています。
本人の意欲次第で後期研修医でも早い段階で種々の処置の術者として、実践的なトレーニング
を指導医のもとで受けることができます。また消化器内科では様々な疾患を多数経験することがで
き、症例検討などの討議を通じて専門的知識の習得や思考の研鑽を積むことができます。こうした
臨床トレーニングに加えて研究活動として学会発表なども積極的にしていただき、内科学会認定
内科医をはじめ消化器内科関連学会の各種認定医資格を最短で取得できる体制を整え、消化器
内科の専門医としてのキャリアを高めていくことができます。当科は大阪大学医学部消化器内科の
関連施設として提携して臨床研究や研究会活動を行っており、さらには医局人事交流も行ってい
ますので大阪大学消化器内科医局への入局を推薦することができ当消化器内科で後期臨床研修
を受けることにより消化器内科専門医としてのキャリアパスを形作ることができます。
《 主たる活動学会 》
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本肝臓学会
日本内科学会
日本胆道学会
日本膵臓学会
日本胃癌学会
日本臨床腫瘍学会
日本超音波学会
日本肝癌研究会
米国消化器病学会
米国肝臓学会 等
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《 研修可能な検査および処置 》
内視鏡関連
上部消化管内視鏡検査(色素、拡大、NBI)
大腸内視鏡検査(色素、拡大、NBI)
小腸内視鏡検査(カプセル、ダブルバルーン)
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
内視鏡下超音波検査(EUS)
内視鏡的超音波下穿刺吸引術(EUS-FNA)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡的止血術(クリッピング、高周波凝固、APC など)
内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(EIS)
食道異物除去術、イレウス管挿入
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
内視鏡的総胆管結石砕石術・除去術
内視鏡的胆管ドレナージ(ERBD、ENBD)
内視鏡的膵管ドレナージ(ERPD)
内視鏡的胆管ステント留置術
内視鏡的消化管狭窄拡張術
内視鏡的消化管ステント留置術
内視鏡的胃瘻造設術
肝臓関連
腹部超音波検査
造影超音波検査
超音波誘導下肝生検
超音波誘導下肝腫瘍生検
経皮ラジオ波焼灼術(RFA)
経皮エタノール注入療法(PEI)
経カテーテル的肝動脈塞栓療法(TAE)
肝膿瘍・肝嚢胞ドレナージ
経皮経肝的胆管ドレナージ(PTCD)
経皮経肝的胆嚢ドレナージ(PTGBD)
膵石衝撃波破砕療法(ESWL)
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診療実績
1. 1年間の入院患者病名と人数
病名
患者数
1
大腸ポリープ
495
2
大腸癌の疑い(便潜血陽性等)
423
3
肝悪性腫瘍
282
4
胆道結石・胆道炎
162
5
慢性肝炎
90
6
膵腫瘍(膵癌、IPMN等)
81
7
大腸癌
80
8
胃十二指腸潰瘍
64
9
早期胃癌
56
10
肝硬変
55
11
胆道癌
50
12
イレウス
49
13
大腸炎
49
14
食道胃静脈瘤
43
15
大腸憩室炎・出血
39
16
下部消化管出血
35
17
炎症性腸疾患
34
18
早期大腸癌
34
19
急性肝炎
28
20
胃癌
28
21
急性膵炎
26
22
慢性膵炎
26
23
食道癌
23
24
胃ポリープ
15
25
その他
135
総数
2,402
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2. 1年間の内視鏡検査および処置
内視鏡下検査名
件数
上部消化管内視鏡検査
5,795
小腸内視鏡検査
カプセル内視鏡
24
ダブルバルーン内視鏡
23
大腸内視鏡検査
2,506
ERCP
535
EUS-FNA
13
内視鏡下処置名
件数
粘膜下層剥離術(ESD)
食道・胃
106
大腸
24
食道・胃
7
大腸
700
EVL
58
EIS
22
粘膜切除術(EMR)
食道静脈瘤治療
胃瘻造設術
115
イレウス管留置
25
乳頭括約筋切開術(EST)
132
胆管結石採石・砕石
209
胆・膵管チューブ留置
350
3. 1 年間の肝細胞癌の治療
治療法
例数
肝動脈塞栓術(TACE)(肝動注を含む)
128
経皮ラジオ波焼灼療法(RFA)
49
経皮エタノール注入療法(PEI)
39
化学療法
13
放射線治療
1
総数
230
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見学等問合せ先
1.大阪府立急性期・総合医療センター 人事グループ
2.大阪府立急性期・総合医療センター
医務局長兼消化器内科主任部長 井上敦雄 : [email protected]
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