東北大学 Study Abroad Program 2015 年春 アメリカ UCSD(University

東北大学
Study Abroad Program
2015 年春
アメリカ
UCSD(University of California, San Diego)
目次
・はじめに
・研修の日程
・参加メンバー一覧
・レポート
・2015 年春
東北大学 SAP レポート(UCSD)
草葉裕暉
・アメリカ留学を通して得られたこと
曽根伸人
・サンディエゴで学んだこと
大内華奈
・交換留学に向けて
榎本直樹
・留学を通じて経験したこと
辻俊佑
・海外研修を通して
大迫拓矢
・きれいなビーチとさんさんと輝く太陽のもとで学ぶ実践英語
岡村祥汰
・SAP を通して学んだこと
長守結衣
・SAP の経験を通して
小泉友美絵
・SAP(UCSD)を通じて学んだことと今後の課題
稲葉仁
・SAP を通して見えてきたもの
山下有美
・留学経験を通じて
佐藤想
・SAP の経験を踏まえて
高島章紘
・UCSD を振り返って
山下莉奈
・SAP UCSD プログラムを通して
千原将一
・写真
はじめに
1. プログラム概要
4 週間の語学留学プログラム。カリフォルニア大学サンディエゴ校(以下 UCSD)が開いている
留学生のためのプログラムであり、午前中に 100 分の授業を 2 コマ受けるというもの。まず、プロ
グラムが始まる前にテストを受け、その結果に応じてクラスが振り分けられる。クラスは人によっ
て異なるが、授業の形態は同じである。2 つある授業は文法の授業と会話の授業の 2 つに分かれて
おり、それぞれをバランスよく学ぶことができる。教室の中でのみの授業だけではなく、実際に博
物館や動物園に赴き現地の文化を学ぶ授業もある。毎日課題が課され、プログラム終盤ではプレゼ
ンテーションをした。留学生用のプログラムということもありアメリカ人はクラスの中にいなかっ
たが、先生は生粋のアメリカ人であり、また授業には conversation leader と呼ばれる UCSD の学
生を、招き入れて会話をする機会もあり、本物の英語に触れる機会は多々あった。ゲストとして
UCSD に訪問していただきアメリカやサンディエゴについて話していただいた Guest speaker の
方々からはアメリカやサンディエゴの歴史や文化について学ぶことができた。これらを含めた 4 週
間、計 20 回の授業が、我々が参加したプログラムである。
2. 研修の目的
海外で使うことのできる実践的な英語を学ぶことが第一の目的である。ただの読み書きではなく、
実際にアメリカ人や外国人と英語で話すことで自らの英語力を鍛え、英語をより流暢に話すことを
目標とした。
第二の目標としては、海外の文化に慣れ親しむことである。海外で過ごすことによって、現地の
文化に直接触れることとなり、その中でいかに異文化を受け入れるのかということを目標とした。
第三の目標は海外という見慣れぬ土地で自ら行動することである。自分の知らない世界にいても、
臆することなく、委縮せずに自ら行動することができるかどうかを知るための研修であったともい
えるだろう。自らの力を自覚し、それをどれほど向上させるのかを目標とした。
3. レポート集全体の概要
本レポート集では、上記の目標を踏まえた上で海外へ留学に行った人のレポートがまとめてある。
各々がそれぞれ海外での留学経験を通じて感じたこと等を記述し、それぞれが書いたレポートをレ
ポート集としてまとめた。それぞれのレポートの内容は大きく三つに分かれており、一つ目が言語
運用能力に関して、二つ目が異文化適応に関して、三つ目が行動力に関して書かれてある。それぞ
れの項目について、各人が達成したことと課題について記している。また、それらの経験を踏まえ
て、次に生かしていきたいことについても記されている。
レポート全体の内容としてはほぼ全員が留学に対して意義があったと感じており、それぞれ成長
することができたような旨の内容が多い。その一方で課題もたくさん見えてきたようで、まだまだ
改善するところがある、と感じている人も多いようだ。しかし課題があるという事実が分かったこ
とも含めて留学には意義があると考えられるので、今回のように文章として書き起こすことで改め
てその内容を確認し、振り返る機会としたい。
研修の日程
UC San Diego English Language Institute
March 2015 Conversation & Fluency Program Schedule
Sunday
Monday
Tuesday
Wednesday Thursday
Friday
Saturday
1
Free
2
3
4
5
6
Registration
Classes
Classes
Classes
Classes
Testing
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
7
Universal
Studios
Orientation
Guest
Tour
8
Free
Speaker
9
10
11
12
13
Field Trip
Classes
Classes
Classes
Classes
San Diego Zoo
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
16
17
18
19
20
Classes
Classes
Classes
Classes
Classes
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
14
Disneyland
8:30-12:10
15
Free
21
Free
Guest
Speaker
22
Free
23
24
25
26
Field Trip
Classes
Classes
Classes
USS Midway
8:30-12:10
8:30-12:10
8:30-12:10
Museum
8:30-12:10
27
No
School
28
参加メンバー一覧
Group1
工学部
1年
草葉裕暉
文学部
1年
曽根伸人
工学部
2年
大内華奈
経済学部
2年
榎本直樹
医学部
4年
辻俊佑
理学部
1年
大迫拓矢
工学部
1年
岡村祥汰
医学部
1年
長守結衣
文学部
2年
小泉友美絵
工学部
3年
稲葉仁
薬学部
1年
山下有美
文学部
1年
佐藤想
法学部
1年
高島章紘
医学部
2年
山下莉奈
工学部
3年
千原将一
Group2
Group3
2015 年春
東北大学 SAP レポート(UCSD)
草場 裕暉
1. 自己の言語運用力
SAP を通して私が一番自信のついたことは、外国人のクラスメートとグループを組んで短い準備
期間でプレゼンテーションを行ったことです。日本人同士でプレゼンテーションを行う時とは違い、
お互いに母国語を使わずに、英語で会話をして意思疎通を図りながらプレゼンの準備を進めなけれ
ばなりません。その時のグループのメンバーは、私と、韓国人と中国人のクラスメートが一人ずつ
の合計3人でした。行ったのはアメリカの文化についてのプレゼンテーションで、そのための準備
期間は約一週間でした。その時に取り上げたテーマは、フロリダ州のマイアミについてです。歴史、
地理、気候、歴史的な観光名所、娯楽施設、イベントや祭りなどと、具体的にマイアミの何につい
て調べれば良いのかは授業時間内に決めることができ、役割分担まで決定できました。放課後にパ
ソコン室に一緒に行って調査に当たれば一番よかったのですが、クラスメートの都合上それは叶い
ませんでした。連絡先を交換し、後ほど話すことになりひとまず一件落着かのように見えました。
が、実際はここからが非常に大変な作業でした。調べる方法は全てインターネット上から検索して
調べました。まず、必要な情報が全て日本語のサイトにあるわけでは決してありません。やはり、
アメリカの文化は日本語表記のサイトよりも英語表記のサイトの方が圧倒的に情報量は多いです。
初めは日本語のサイトに飛んで調べていましたが、情報量が知りたいことがなかなか見つからなか
ったので、英語のサイトを読みすすめました。これに思いの外、悪戦苦闘してしまい、肝心なグル
ープメンバーとの情報共有がなおざりになってしまったことが一番の反省点でした。翌日、授業の
中でクラスメートと進み具合を確認してみると、別々のサブトピックの中で同じ場所について調べ
ていたことが発覚して、結局私がさらに別の場所について調べ直さなければならなくなってしまし
た。そのせいもあって、自分が話す具体的な英語のフレーズを決めることも含めてプレゼンの完成
時期は本番ギリギリとなってしまいました。グループないでのリハーサルは行えず、本番一発勝負
でした。それぞれの持ち時間は決めていましたが、結局持ち時間を超えてしまい、自分が一番披露
したかったマイアミのビーチの映像を見せることができなかったことは、とても悔しかったです。
決して上手くプレゼンテーションができたわけではありませんが、プレゼンテーションをすること
ができたという事実が SAP を通して最も達成感を感じさせてくれました。SAP 中にプレゼンテーシ
ョンは合計3回行い、外国人とプレゼンテーションを行ったのは最初の1回だけでしたが、その後
の2回のプレゼンテーションは気合を入れてやりました。
初回のプレゼンテーションを今振り返ると、簡単な英語でも色々とプレゼンのメンバーに確認で
きることがあったと思います。どうしても日本語で言いたいことを考えてしまうので、英語で言い
換えようと思った時に英語に直しにくい部分が出てきてしまい、話せないことが非常に多かったで
す。また、話していく中で食い違いが出ないように、話している内容を言い換え表現で聞きなおす
ことも大事だと感じました。
2. 異文化適応
最初に異文化を強く感じたのは、自分のアパートのルームメイトが韓国人のパーティーを開いて
いた時のことです。この時は、私がアメリカに渡ってまだ数日で、急に英会話だけの世界に踏み入
れて混乱していたところもあり、ほとんど自分から話をすることはできませんでした。が、周りの
方は優しく、そんな自分を暖かく迎え入れてくれました。同じサンディエゴの留学生として、どう
いった心持ちで授業やアメリカでの生活を送れば良いかなどアドバイスまでいただいて、非常に落
ち着くことができました。
次に異文化を感じたのは、同じ国の人同士で会った時にサウジアラビア人は必ず挨拶を交わして
いることでした。ルームメイトにサウジアラビア人の友人がいたのですが、その友人に「なぜ日本
人は同じ日本人に会った時に挨拶を交わさないのか?」と聞かれたときに、どうやって英語で日本
の挨拶について説明すればよいか分からず、「それが日本の文化だからだ」としか言えなかったの
は非常に辛かったです。決して挨拶をしないことはないのだけれど、知らない人には日本人であっ
たとしても挨拶をする必要がないという日本人の感覚を外国人に伝えることは、かなり難易度が高
いと思いました。余裕があれば4セメスターでプラクティスイングリッシュの授業を受講するか展
開授業で留学生と交流できる授業を取って、東北大に来ている留学生とのつながりを持って、日本
の異文化について語ってみたいと思います。
また、アメリカのサービスが日本のサービスと比べて不親切であることも異文化として感じられ
ました。例えば、バスで学校へ向かう際になかなか時間通りにバスが停留所に到着せず、大体遅く
て 5 分から 10 分遅れることがあることや、乗る際にも払う代金はお釣りが出ることは無く、あら
かじめ乗車代をきっかり払えるように準備をしておかないといけないことです。私はそのことにあ
まり不便を感じたことは無く、精神的にうまく環境に対応できたのではないかと思います。
3. 行動力
授業や学校にいるとき、放課後でもいつもメモ帳を持ち歩き、外国人の人と話をしたときは急ぎ
でない限りで、できるだけその人の名前を聞いてメモをし、一緒に写真を撮るなりして、目に見え
る形で努力を残しておくようにしていました。そうすること自体が話をするきっかけになり、うま
く話ができた時もあったのでよかったと思います。
このプログラムの授業は午前中に終わります。その為、基本的には午後は自由な時間となります。
私は、韓国人のクラスメートと昼食を一緒に取った後、学校を離れ、大概は自炊のための買い物を
したり、バスを使って大学やアパートから少し離れた場所を散策したりと、一人で行動することが
多かったです。自分で携帯を使って調べ、分からないことは他人に聞くなどして、行動できたこと
は日々生活をしていて大きな自信につながりました。ただ、なかなか学校の他の留学生と約束をし
てどこかに行くということがそれほど多くはできなかったことは、一つ反省点だと思います。数少
ない外国人との外出は、サウジアラビア人のルームメイトが私の帰国5日前にアパートに住み始め、
彼と一緒に朝食や夕飯の買い出しに行き、食事を作ったことや、近くのビーチに散歩に行き一緒に
夕日を見に行ったことや、アパート周辺を 30 分近く走るなどでした。しっかりとは確認を取って
はいませんが UCSD は多くの日本の大学と提携を結んでいるように感じました。この時期は日本
のどの大学も休みであるせいもあってか、2月から3月の UCSD のプログラムには多くの日本人
の留学生が参加していました。東北大学以外の大学生の友人をアメリカで持てたことは、嬉しかっ
たと同時に意外に思いました。私は、同じプログラムを取っている東北大学生で、授業が同じ人が
ほとんど無く、他の日本の大学の人と授業をしていました。その人達と一緒に食事会を開くなどが
できて非常に楽しい日々を送ることができました。私自身、外国人の方も招いてのパーティーの幹
事も務めさせてもらい準備や連絡取り等やり取りをしながら、アメリカで BBQ ができたことも楽
しく有意義な時間を送ることができました。
行動力に関しては、いつも決まった人とどこかに行くということがなかったことが課題として挙
げられるかと思います。その原因として計画性の無さがあげられます。自分一人なら時間があると
きに好きなようにその場で決めて行動できますが、数人で動くとなると事前に話をつけておく必要
があります。事前の話をつけておくひと手間が面倒に感じてしまうことが自分の欠点かなと思いま
す。自分のタイムスケジュール管理を日頃から意識することで改善をしていきたいと思います。
アメリカ留学を通して得られたこと
曽根
1.
伸人
自己の言語運用能力
自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通して達成したことは、英会話における語彙力・表
現力の増強である。留学前は瞬間英作文でスピーキング力を育成し、ヒアリングマラソンでリスニ
ング力を鍛えており、アメリカでどれほど自分の英語力が通用するのかを試すのが楽しみであった
し、わずかながら自信もあった。アメリカでの滞在先はシェアアパートであった。留学初日はルー
ムメイトに自己紹介がすらすらとでき、さらに UCSD でのクラス分けテストの結果もよく、一番
上のレベルのクラスで授業をうけることに決まった。今までしっかり留学の準備をしてきた甲斐が
見られた。しかし、日が経つにつれ授業に出るのがつらくなってきた。ネイティブの教師が話す英
語が半分ほど聞き取れず、グループディスカッションにおいても思うようにすらすらと英語を話せ
なかったからだ。周りがリスニング・スピーキングにおいて自分よりも能力に勝る人ばかりだった
こともあり、軽い挫折感を覚えた。もちろん、英語を話すうえで自分の言いたいことに合致する単
語が思いつかなかったり、過去形、三人称単数形、疑問形を即座に自分の頭の中で作れなかったり
するだろうということはわかっていた。しかし、これほどまでに自分の英語運用力がないとは思っ
ていなかった。そのため、はじめの 1 週間はつらさを感じながらも大学に通う日々が続いたが、そ
んな中で、何のためにアメリカに来ているのかを自分で自分に問うことで授業への取り組み方が変
わったように思われる。あくまで自分は英会話力を向上させるためにアメリカに来ているのだから、
英会話力を上げる努力をしなくては意味がないと感じた。そこで私は授業中のディスカッションで
自分が言えなかった表現や、日常生活や授業の中で誰かが口にした使えそうな英語表現をメモし、
アパートに帰ってから復習する日課をつけることにした。この勉強をする中で学んだ表現たちはア
メリカ留学中に何度も使ったため、これらの表現を自分のものにできたと実感している。
この経験をふまえて、今後はオンライン英会話を受講したり、英語ゼミに通ったりしたいと思う。
この 2 つを実行する中で、きっとまた自分がうまく英語で説明できなかったフレーズや役立つ表現
を知ることができると思うので、しっかり復習し、さらに自分の言語運用能力を高めていきたいと
思う。次に自分が留学をするときには、私にとっての留学の意味を、講義を通して様々な分野の事
柄を学び、海外での経験を積むためであり、自分の英語力を計り、伸ばすため、という意味にはし
たくない。だからこそ、次に自分が留学する時までには海外生活を十分にできるくらいの英語力を
身につけたいと思う。この気持ちをモチベーションにして今後の英語学習に励んでいきたい。また、
留学中は自分が留学した意味を何度も確認するべきだと感じた。今回の留学では初めの 1 週間に自
分の英語力に自信を無くし、留学の意味を見失ってしまいまともな学習ができなかった。留学をし
ている意味が常に頭にあったならば、たとえ自分の英語力に自信を失った時でも、なんとかして英
語力をあげてやろう、という気持ちを持つことでもっと充実した学習ができたはずだと思う。今後
の留学でも自分の英語力に自信を失うことはあるだろうが留学の意味を再確認することで、前向き
に学習していきたい。
2.
異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは外国人との交流を円滑に行えたことで
ある。私はシェアアパートに住んでいたため、他の外国人のルームメイトに気を使うシーンが多々
あった。しかし、お互いの国の文化を話しあうことがよくあり、このおかげでトラブル自体起こら
なかった。また、食生活においてもうまく適応できたと思う。アメリカの食事は高カロリー・高脂
質な料理が多いことは自明なことだったので食事のバランスが崩れないように野菜を多めに摂る
など工夫をした。また、日ごろ通学する上で、けっこうな距離を歩かねばならないということもあ
ってか、帰国前と後で自分の体重に変化はなかった。さらに日本とは違った治安の悪さに関して十
分に注意を払うことができたと思う。夜間の外出は極力控えたし、やむを得ず外出せねばならない
時には友達と途中まで歩いた。電車やバスに乗る際には、特に混雑時にはバックを体のまえに持っ
てくるなどして警戒を怠らなかった。しかし、サンディエゴの乾燥しきった気候を把握していなか
ったために、3 月の半ば頃にのどを痛め、風邪をひいてしまった。部屋に洗濯物を干したり、適宜
換気をしたりといろいろな対策はできたはずだか、それらを怠ってしまい、つらい日々を送る羽目
になってしまった。日本からもってきた風邪薬のおかげもあって数日で完治でき、学習にさほど支
障が出なかったのはよかった。
この経験をふまえて今後、海外に留学する際には前もって外国人とお互いの文化を共有し、相違
点を認識しておくことでトラブルを防ぎたい。生活面においては今回のように野菜を多く摂るなど
して食事のバランスを整え、日常のなかに運動を取り入れていきたい。私の住んでいたアパートに
はジムがあったが、必ずしも今後の留学先にジムがあるとは限らないので今回のように通学の際に
歩いて通学するということでもいいと思う。治安の面においては今後の留学の際にも今回のように
警戒を怠らないようにする。私の留学したサンディエゴは、カリフォルニア大学の教師がいうこと
には、比較的治安のいい地域らしく、今回何の被害にも遭わなかったのはこの治安のよさがあった
からなのかもしれない。現にフィリピンに留学した私の友達はバスのなかで財布をとられた。今後
出向く留学先はサンディエゴよりも治安の悪いところなのだという意識も忘れずに、次の留学に備
えたい。また、今回は留学先についての事前の下調べが十分でなかったので、次回はしっかりと行
いたい。
3.
行動力
行動力に関して私が達成したことの1つめは、ルームメイトとともに小旅行に出かけ、交流を深
めたことである。小旅行は 2 度行ったが、そのうちの 1 回は私とルームメイトがそれぞれの友達を
誘って、テーマパークに遊びに行った。私だけでなく他の日本人も英語を話す機会を作れたのでよ
かったし、何よりお互いの意見を尊重し合って行動することができ、貴重な体験ができた。ルーム
メイトは中国人であり、同じアジア地域に住んでいるということもあって食文化が似ており、旅行
以外にも一緒に食事を作って食べるということもできた。食事や旅行をする中で英語を話す機会を
設けられたのはもちろんだが、何よりも共にその時間を楽しんでよい思い出を作れたのがよかった。
2つめはサンディエゴ内の多くの町に積極的に出かけたことである。授業は午前で終わるため、
午後の時間がいつも空いていた。もちろん、課題は毎日出たため、課題は昼食後に終えた。課題を
終えたあとは時間がたくさんあったため、すぐにはアパートに帰らずにサンディエゴの様々な街に
出かけたのだ。アメリカ人はオープンマインドな性格を持つので、出かけた先で現地の人と会話す
ることもできた。サンディエゴの町に出かける習慣をつけて、なによりよかったのはアメリカ様々
な街並みや現地の人々の人柄を肌で実感できたことである。私は今回の留学が初めての海外訪問だ
ったので日本の街並みや人々との違いを知ることができたのがよかった。特に違ったのはアメリカ
人の人柄の良さである。今回海外に行くまでは私は日本人が世界のなかでも優しい性格を持つ人種
なのだと考えていた。しかし、今回 1 か月アメリカに滞在して感じたことはアメリカ人が日本人よ
りも人柄が良いことである。アメリカ人はオープンマインドな性格をもつため、困っている人には
躊躇なく話しかけ、助けてくれるし、見知らぬ人にも積極的に声をかけすぐに仲良くなる。実際私
たちがサンディエゴのダウンタウンで迷子になった時も、見知らぬおじさんが声をかけてくれて帰
り方を教えてくれただけでなく、彼の持っていたサンディエゴの地図を私たちにくれたのだ。また、
私たちは大学に通う際にバスを利用するのだが、バスの乗客のほとんどが降りる際に、運転手に
「Thank you!」と声をかけているようすが毎日見られた。日本では、私はバイトに向かう時に
バスを利用するのだが、ほとんどの人は何も言わずにバスから降りるので今回アメリカ人の人柄の
素晴らしさを実感した。彼らは本当に温かい心を持っているのだと思ったし、私たち日本人も彼ら
を見習う必要があるのではないかと思った。私も今後、バスから降りるときには運転手さんにひと
声かけたり、町で困っていそうな人がいたら勇気を出して声をかけてみたりしたい。
この経験をふまえて、外国人との交流ということに関しては、今後留学生との交流ができる授業
やサークルに参加して、外国人の友達をたくさん作りたい。そして英語を話す機会をつくるととも
に異文化交流の経験をもっと積み上げていきたい。具体的には英語ゼミ EZ や IPLANET に積極的
に通うことを考えている。IPLANET にはチューター制度もあるので積極的に応募して今までにや
ったことのない経験をしたい。また、留学中に仲良くなったルームメイトたちとも今後はスカイプ
を通して交流を続けていきたい。彼らは日本に来たことがないそうなので、将来は日本に彼らを呼
んでいろいろな場所を案内してあげたいし、逆に私が彼らの国を訪問して異文化に触れていきたい
とも考えている。海外留学のついでに留学先の町に出かけるということに関しては、異文化体験を
するためにも、今後留学した際には積極的に実行していきたい。また、私の専攻は文化人類学なの
で、今後長期留学をする際には文化人類学に関する研究テーマを決めて、卒論のためのフィールド
ワークも行いたいと思う。
サンディエゴで学んだこと
大内
1.
華奈
自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私は SAP を通して、第一に英語に関して言えばごく基本的な日
常会話ができる程度の英語力が身についたと感じる。日本での生活のなかでは英語に触れる機会
がほとんどなく、自分自身で、どのくらい英語でコミュニケーションをとることができるかすら
把握できていなかったため、正直なところ研修前はサンディエゴでの生活に不安が多かった。サ
ンディエゴに到着して初めて英語を使ったのは、ルームメイトとの会話だったが、始めの頃は自
分の英語力に対する自信のなさや、相手に聞き取ってもらえるかといった不安や緊張から、円滑
なコミュニケーションがとれているとはいえなかった。幸いなことに、私のルームメイトは積極
的に話しかけてくれたり、私の英語の間違えを指摘してくれたりしたおかげもあり、4週間です
っかり打ち解けることができたし、英語でのコミュニケーション力も多少は上達したのではない
かと思う。また、UCSD では、文法の授業とプレゼンテーションの授業があった。私は日本語で
も、プレゼンテーションをした経験があまりなかったため、UCSD でのプレゼンテーションの授
業は大変参考になった。その授業では、プレゼンのなかで用いられる英語の言い回しや、どのよ
うにすれば観衆により強く伝わるか、効果的なパワーポイントの作り方など、現地だけではなく
日本でも今後活用できることを多く学んだ。1つのプレゼンテーションを作るにあたり、まず何
について発表するかを決め、それについて調べ理解を深めていく過程において、授業の先生やク
ラスメイトと自分が興味を持ったものはなにか、どんなプレゼンテーションをしたいかなど、意
見を交換するなかで、自分の考えを明確に英語で伝えることが必要とされた。実際に、ある韓国
人のクラスメイトと北米の文化について1つのプレゼンテーションを作った際には、まずお互い
の興味のあるトピックや方向性が全く異なっていたため、互いに意見を主張しあい、受け入れた
り、譲歩することで意見を一致させた。4 週間のこの授業を通して、単にプレゼンテーション力
を身に着けただけではなく、自分の意見を的確に述べたり、相手と意見を交換しあう能力が身に
ついたと感じる。サンディエゴで過ごした 4 週間で言語運用力において成長できたと感じられる
点は多々あるが、その一方で今後の課題も見えてきた。圧倒的に感じられたのが、語彙力の不足
である。思い返すと、会話のなかで思うように単語が出てこず、苦労した場面が度々あった。こ
のような知識不足は、努力次第で補えるものであるし、改善していかなくてはいけないと強く思
った。
このような経験を踏まえて、今後は先ほども述べた通りまず語彙力を補っていかなければいけ
ないと考えている。東北大学に入学してから、英語の授業以外で英語に触れることがなく、自主
的に学習することもしなかったため、その点に関しては今回の SAP のプログラムを通して大い
に反省している。また、サンディエゴでは、学校やアパートや町で常に英語を耳にしていたので、
耳が英語に少しずつ慣れていき、リスニング力も向上したと感じるが、日本での英語に全く触れ
ない生活に戻れば、身に着いたはずのリスニング力が低下していくことは自明である。3 年生か
らは、履修科目の中に英語は組み込まれていないため、自ら進んで勉強したり、英語を学べるセ
ミナーに積極的に参加したりして、この 4 週間で学んだことを無駄にしないよう、今後も生かし
ていけるように努めていきたいと思う。
2.
異文化適応
異文化適応に関して、私は SAP を通して、新しい環境に適応する能力を強められたと感じる。
そもそも、私が今回 SAP に参加しようと思ったのは、語学力の向上が目的であることはもちろ
ん、新しい環境や新しい世界を経験し、見聞を広めたいと思ったのがきっかけである。そのよう
な点では、SAP を通して自分自身の目標は概ね達成することができたのではないかと思う。サ
ンディエゴでの生活は、全てにおいて今までの生活様式とは異なっており初めは戸惑うことが多
かった。そのうちの 1 つが外国人とのルームシェアである。もちろん、外国人とルームシェアす
るのは初めての経験であったが、日本人とのルームシェアの経験もなかったため、留学前に最も
不安に感じていたことの1つであった。ルームシェアでは相手のライフスタイルを把握しお互い
ができるだけ心地よい生活を送るための配慮が必要である。そうすることが異文化理解や異文化
適応に繋がるはずである。実際のところ、ルームメイトのライフスタイルを完全に理解したわけ
ではないが、お互いを配慮しながら生活できたため想定していたものより割と早い段階から、ア
パートでの生活に慣れることができた。しかしながら、どんなに相手の文化を理解したいと思う
気持ちや協調性があったとしても、やはり外国人とのルームシェアとなると、英語でのコミュニ
ケーションは必要不可欠であり非常に重要なアイテムである。語学力を向上させることは、異文
化理解や異文化適応の手助けになるのだということを今回の短期留学を通して学んだ。また、
UCSD での授業はクラスが 10 人程度の小規模なクラスだったこともあり、日本での受け身の授
業とは異なり、全員が積極的に発言をしたり、質問をする能動的なものであった。良くも悪くも
クラスの雰囲気に流されることで、普段は進んで発言することや質問することが苦手であるが、
UCSD での授業では今までとは違ったスタイルで取り組むことができたと思う。振り返って考え
てみると、これも新しい環境に適応することの1つであると思う。一方、英語を学ぶことを目的
としていたものの、日本人同士での交流が多かったという印象が強い。クラスメイトに日本人が
多かったせいもあり、現地では他国からの留学生との交流はあったが、日本人同士で行動するこ
とが多かった。反省点としては、日本人が多い環境だったがもっと積極的に外国からの留学生や
UCSD に通う現地の学生と交流する機会をもつべきであったと思う。または、日本人同士での交
流の中でも、英語を使って会話をするなどして、留学の本来の目的をより意識することができた
ら今回の短期留学でさらに大きな達成感を味わうことができたのではないかと思う。
このような経験を踏まえて、もし今後また海外に留学する機会があったら、今回の反省点から
より積極的に新しい環境に足を踏み入れていきたいと考えている。実際、私にとって海外留学は
なかなか簡単に行くことができるものではないので、サンディエゴで過ごした貴重な 4 週間を最
大限に楽しみたいと思っており、そのうちの1つが海外の人々との交流であった。おそらく、留
学に向けての具体的な計画や目的意識が不足していたのだろう。初めての海外留学ということに
対しての不安が大きかったためかもしれないが、語学力向上や異文化適応などの目的はもってい
たものの、それらを達成するためにどのようにすれば良いかについて、より具体的に考えなけれ
ばいけなかった。その点は、今後に活かしていきたいと思う。また、留学に限らず様々なことに
関して、なにかを行う際には具体的な計画を練ることが重要となるときもあるということを学ん
だ。また、今回身に着けることができた新しい環境に適応する能力や異文化に対する理解におい
ては、是非今後に活かしていきたいと思う。将来思わぬときに環境が一転する可能性もあるし、
そのようなときにこれらの貴重な体験を活かすことができたら良いと思う。
3.
行動力
行動力に関して、私は SAP を通して大きく成長することができたと感じる。今までの自分自
身の姿勢と比較して、何事にも精力的に取り組むことができた。というのも、サンディエゴでの
環境のおかげであると考えている。まずサンディエゴ全体の環境について述べると、温暖な気候
で治安も想像していたものよりはるかに良く、バスや電車といった公共交通機関が充実しており、
周辺のショッピングモールやビーチにも交通機関を利用していくことができた。さらに、国民性
によるものなのか、現地の人々は皆温かく外国人に対しても親切であった。日本に帰国して改め
てサンディエゴでの生活を振り返ってみると、私にとってサンディエゴは私たちの行動力を必然
的に駆り立てる、非常に魅力の多い町であった。次に、UCSD に関して、私たちが通っていた
UCSD Extension には様々な国からの留学生が集まっており、私は先生やクラスメイトに恵まれ
充実した 4 週間を送ることができた。このようなサンディエゴの町や UCSD の恵まれた環境の
中で良い意味で現地の影響を受けながら、様々な貴重な経験をすることができた。しかしながら、
上でも述べたが現地では日本人同士で集団行動することが多かった。そのため、他人に頼ってし
まうことも多く、自主性にかけていたと反省する点もある。例えば、町で道がわからなくなって
も、集団で行動しているとそのうちの誰かしらはわかっているだろう、もしくは誰かしらが解決
してくれるだろうと頼り切ってしまい、ただ集団についていくという形になってしまいがちであ
った。
このようなことを踏まえて、今後は他人に依存しすぎず集団の中でも自主的に行動するという
ことを意識していきたいと思う。このように言うと集団で行動することを否定しているようにな
ってしまうが、集団で行動することで他者との協調性をもつこともできたし、良い刺激をうける
こともできたように感じる。結果として、SAP に参加して良かったと実感している。SAP を通
して吸収した全てのことを今後に繋げていきたいと思う。
交換留学に向けて
榎本
1
直樹
自己の言語運用能力
自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通して達成したことは、臆せず自分から積極的に英
語を使えるようになったことである。サンディエゴに行くまでは、失敗するのを恐れて、英語を話
す機会があっても自分から敢えて英語を使うようなことは無かった。しかし、英語を使わざるを得
ない状況に置かれたことで、失敗を恐れる気持ちは少なくなり、むしろ自分の気持ちを英語で伝え
ることに喜びと達成感を感じることが出来るようになったと思う。とはいえ、授業中に先生から意
見を求められた時や他国の留学生と議論する際に、自分の主張をすらすらと英語で表現できるレベ
ルに至ったとは到底言えず、悔しさやもどかしさを感じることが非常に多かった。授業外では、韓
国人や中国人の友達と食事に行くことが何回かあったが、その際も彼らが提供してくれた話題や質
問に答えることで精一杯で、自分から話題を振って会話を盛り上げることや、気の利いた冗談を言
うことが全くできず、せっかくの食事を完全に楽しむことはできなかった。サンディエゴに来る前
にもっと真剣に英語を勉強しておけば、もっと交際交流を楽しめたのではないかと思うと、勿体な
い事をしてしまったと後悔している。
この経験を踏まえて、私は英語をもっと自由自在に使えるようになりたいと思うようになった。
私は今年の 8 月から交換留学生としてシンガポール国立大学に長期留学する予定なので、今回 SAP
で後悔したことをもう一度繰り返さないよう、出発までの残り 3 か月を使ってしっかりと準備した
い。具体的には、英語漬けの生活を送ることと、自分が役に立つと思った例文やフレーズを一つず
つ暗記することがスピーキング能力向上に効果的だということがわかったので、これら二つを長期
留学出発まで継続して実践する予定だ。東北大学には、留学生とのチューター制度や留学生との国
際共修授業など、英語を使うことのできる機会がたくさんあるので、これらを積極的に利用してい
きたい。
2
異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、言語、文化、国籍、人種、性別、宗
教による多様な価値観があることを認識し、他国の文化ややり方を尊重して、必要に応じて自分も
合わせられるようになったことである。私は東北大学の国際交流団体(@home)に所属していたた
め、留学生と交流する機会が多く、異文化適応能力には自信があった。しかしそれでも、ルームメ
イトであるブラジル人、中国人、サウジアラビア人の 3 人全員と上手く生活していくのはとても大
変だった。勤勉で博識な中国人のルームメイトとは、台湾に対する日本と中国の認識の違いや尖閣
諸島問題、過激な反日感情の根本的な原因に関して、熱い議論を交わした。一方怠け癖のあるサウ
ジアラビア人のルームメイトとは、一緒にサッカーやテレビゲームをして遊び、自己主張の強いブ
ラジル人と一緒にいるときは自分が聞く側にまわり、相打ちをしつつひたすら彼の話を聞いた。こ
のように、文化の違いを理解しつつ寛容な心をもって一か月間ルームメイトたちと仲良くすること
が出来たので、誰とでも仲良くやっていけるのではないかという自信が付いた。
この経験を踏まえて、今後は交換留学先のシンガポールにて、東南アジアや欧米出身の留学生と
も積極的に仲良くし、自己の異文化適応能力に磨きをかけたい。また相手の文化を受け入れるだけ
でなく、日本の良い面と悪い面を理解し、それを伝えられるようになることが今の目標だ。具体的
には、東日本大震災以降の福島は今現在どのような状況なのか、アベノミクスとは一体どのような
政策でどのような効果が期待できるのか、おすすめのアニメや漫画は何か等を他国の友人から聞か
れたときに、しっかりと英語で説明できるようになりたい。日本の時事問題や日本文化の魅力を自
ら世界に発信できることになることで、他国と日本文化を比較できるようになり、より異文化理解
を深められるだろう。
3
行動力
行動力に関して、私が SAP を通して達成したことは、困難な状況や不慣れな環境でもうまく対
応し、常に興味と好奇心をもって行動できるようになったことである。具体的には、自分で決めた
二つの方針のもと行動力を養えたと思っている。一つ目の方針は東北大生同士で固まらないこと。
日本人で固まることは最も避けなければならないことだと思っていたものの、自分のクラスは日本
人と中国人が 8 割以上を占めていたので、必然的に日本人同士で固まらざるを得ないような環境だ
った。サンディエゴに着くまではとにかく様々な国のクラスメートと仲良くなろうという方針でい
たため、当初自分が思い描いていた留学環境とはかけ離れた環境であり、授業開始直後はサンディ
エゴに来たことを後悔さえしていた。しかし後悔ばかりしていても仕方ないと思い、私は出来るだ
け多くの東北大学以外の日本人の友達を作ることを心掛けるよう方針を転換。主に早稲田大学や東
京外国大学、琉球大学から来た日本人と仲良くなることができ、普段関わることのない都大学生と
のコミュニティーを築くことが出来た。このコミュニティーがきっかけで、韓国人や中国人、ブラ
ジル人のクラスメートと仲良くなれたことが多々あったため、結果的に日本人で固まって良かった
のではないかと思う。二つ目の方針は、何もすることが無い暇な状況を作らないこと。せっかくサ
ンディエゴに来たのだから、サンディエゴでしか出来ないことは全部したいし、サンディエゴの名
所は余すところなくまわりたいという思いがあった。だからこそどんなに疲れていても、そしてど
んなに宿題で忙しかったとしても、基本的に友達からの誘いは断らず、少しでも興味・関心が湧い
た場所には必ず行くようにした。午前の授業が終わったら即友達とビーチやショッピングに出掛け、
夜まで遊び、アパートに着いたら即就寝という生活を繰り返していたことにより、無尽蔵のスタミ
ナと行動力を身に付けられたと確信している。
この経験を踏まえて、わたしは長期留学出発までの 3 か月間、何事にもチャレンジしていきたい
と思う。TOEIC 対策や専門科目の勉強、インターンシップ活動や留学生との交流など、やりたい
ことは山ほどある。サンディエゴで身に付けたスタミナをもとにどれも妥協せずに全力で取り組み、
せっかく身に付けた体力が衰えないよう心掛けたい。そして将来はどんなに過酷な環境でも狼狽え
ることなく世界で活躍できるような、タフなグローバルリーダーになるつもりだ。
留学を通じて経験したこと
辻
俊佑
1. 自己の言語運用力
日本では、あまり英語で会話する機会はなく、知り合いの留学生との会話も主に日本語でしてき
ました。しかし、プログラムでの生活は 4 人 1 部屋のルームシェアの生活だったので英語での会話
を強いられました。最初は伝えたいことをうまく伝えることが出来ませんでしたが、日を追うごと
にルームメイトたちとの意思疎通は問題なくこなすことが出来るようになりました。また、買い物
や学校の事務での受け答えも何度か聞き返したり聞き返されたりすることはありましたが、最終的
にお互いの言いたいことを伝えられていたと思います。いくつかの単語の発音にはまだ不安はあり
ますが、言葉の言い換えやジェスチャーを使うことで相手とコミュニケーションを取れるというこ
とを実感しました。今後の英語の学習に向けてこれは大きな自信になると思います。しかし、改善
しなければならない点はいくつもあるので、謙虚に英語力の向上に努めていこうと思います。具体
的には、以前から所属していた英会話サークルを継続してこれまで以上に積極的に参加していこう
と思います。
また、今まで英語を頻繁に使う職業に就くことを考えていなかったので、いま一つ英語の学習に
真剣に取り込めませんでしたが、今回留学してみて今まで知らなかった世界を感じ、その素晴らし
さを体感しました。あの素晴らしさをもっと味わいたいと思うし、今後 2020 年には東京オリンピ
ックもあり、英語が必要になる状況に出くわす機会は今後十分あると思うので、積極的に英語を勉
強していこうと思いました。
2. 異文化適応
以前ロンドンに滞在していたこともあり、国が違えばそこでの生活や習慣は大きく異なることは
すでに経験していましたが、やはり今回もたくさん驚かされることがありました。最初の一週間は
カリフォルニアの文化になれることで精一杯でした。交通機関やスーパーマーケットのシステムは
日本に無いものばかりで現地の人に何度も助けられました。文化の違いに不安を感じ、いらだちさ
え感じることもありました。しかし、日本人の感覚で考えたときに一見非効率的に思えるものもア
メリカの文化に照らし合わせると実はとても効率的であるものばかりでした。やはり異文化には異
文化なりの考え方があり、たとえ自分の国になく不思議に思うことにも敬意を払わなければならな
いということを実感しました。また、ルームメイトとの生活にも驚かされることはたくさんありま
した。時には失礼な振る舞いに感じることもありましたが、よくよく話してみるとそれがその人の
国の習慣でした。今回の留学において、異文化を理解するうえで最も大切なことは理解しようと努
力をすることだと感じました。今後また違う町や国に行きそこで生活する機会があったときは、こ
のことを心がけようと思います。
3. 行動力
渡米してからの一週間はとにかく周りの環境になれるのに精一杯でした。寮には受付がなく、誰
に聞いていいのかもわからなかったので、とにかく歩いている通行人や店の店員に頻繁に聞いてい
ました。サンディエゴに住んでいる人々は親切な人が多く、質問に真摯に答えてくれる人が多かっ
たです。そのため、困ったときにはためらわずに人に質問することは出来ました。
今回の留学先であるカリフォルニアはアジア人が多く、中国人が特に多かったです。そのためか
クラスメートは主にアジア人でした。日本人もたくさんいたので困ったときはすぐに相談できる環
境ではありました。しかし、学外で行動するときも基本的に日本人で固まって行動していました。
これに関しては反省すべき点だと思いました。せっかく周りに外国人がいるのに、その環境を積極
的に利用しなかったのは残念に思います。この経験をふまえて、今後また新しい環境に身をおくこ
とがあれば、もう少し自分に厳しくしようと思います。
海外研修を通して
大迫拓矢
1. 自己の英語運用力
実際に英語が使われている地域で1か月暮らすことで、英語を使わなければならない状況に追い
込むことができ特に speaking において一定の成果を挙げることができたと考えている。向うに滞
在して日本で学んできた英語と実際に使われている英語との間の差異を実感した。私たち日本人は
時制とか主語とか文法を気にしすぎている傾向にありがちだが現地でまず言われたのが”just
speak. don’t be shy.”であった。英語を使うことで一番大切なことは要件を相手に伝えることであり
完璧な英語を話すことではないということに気づくことができた。また授業では初めは語彙や文法
などの基礎的を行いそれをもとにディスカッションをして実践を通して知識を定着させた。初めは
先生が言っていることがあまり理解できずに苦しんだが予習復習を必死に行ううちに先生の発音
にも慣れてきて次第に授業もついていけるようになった。週に一度は guest speaker を招いて話を
聞いた。サンディエゴ市警やサーファーなどの話を聞けてとても興味深かった。例えばアメリカの
裁判について学んだ回では裁判についての idiom を自分で調べてきてそれを使ったゲームを行っ
た。帰国してから裁判が出てくる映画などを見ると attorney や jury など授業で習った単語が出て
くることが多く、その単語をバックグラウンドごと思い出して「ああ、ちゃんと身につているんだ
な。」と実感することができたと同時に少し懐かしくもあった。最終プレゼンはグループで仮想の
企業を設立し、顧客や利益をどのように出すかなどの計画を議論しその結果を投資者に説明するも
のであった。私のグループでは実際の留学経験をもとに留学生や旅行客の生活の手助けとなるよう
なアプリケーションを作ろうということになった。「例えばチップはいくら払えばいいのか、サン
ディエゴで危険な近寄らないほうがいいような地区はどこかなど教えられたらいいよね。それには
google map と連携したらどうだろう。顧客への宣伝はどうする?予算が限られているから大規模
に行うんじゃなくて効果的な宣伝方法を考えよう。たとえば空港の日本からの搭乗ゲートに限定す
るとか....。」などグループ内でアイデアを出し合って、みんなでプレゼンをした。だんだんと英語
を使うことが当たり前になってきて、言葉が出てこなくなったときは身振り手振りで頑張った。
この経験を踏まえて今後は自分の英語運用力をさらに向上させていきたいと考えている。SAP
に行って楽しかったから満足と終わらせるつもりはない。今後は単位所得の為の長期留学も視野に
入れたいし、将来的には英語を使った仕事に携わりたいと考えている。今後一層努力していくつも
りだ。
2. 異文化適応
初めの一週間は慣れない文化への適応に苦しんだ。空港に降り立った直後からなれない言語に信
号などの交通システムなどすべてが日本と異なりほとんど何もできなかった。また現地の水が合わ
ずにおなかを壊してしまった。けれど現地の人に質問し、自分なりに調べて解決していくことで向
うのマナーを覚え、次第に自分が適応していくのを実感することができた。現地の方々はとても親
切で、一般の人にいくつかの質問をしてそれをまとめるなどの課題が授業で出た時も、とても親身
に対応してくれ優しさを感じることができた。私のルームメイトはメキシコ人でとても勤勉な人で
あったのであまり交流を深めることができなかったが、友達のルームメイトであるブラジル人とビ
ーチに行き、ドイツ人と共通の趣味であった音楽について話し、中国人とパーティーをするなど多
くの人と交流を深めることができた。クラス内にも韓国人やサウジアラビア人がおり、また数回の
授業には conversation leader として UCSD の生徒も参加して一緒にディスカッションをするなど
した。住んでみてわかったことは、日本とアメリカの間には当然文化的差異があり、どちらにも優
れている点、劣っている点がある。アメリカ人はとてもオープンで何事にも積極的であるが、同時
に日本人の細かいことにも気を配ることができる気質は素晴らしいなと、例えば床屋で髪を切って
もらっているときなどに実感した。向うで切ると切り落ちた髪が体に入ってしまい常に体がムズム
ズした。
日本はほぼ単民族国家であるためこうした多文化社会で生活する経験はとても貴重であった。
日本にいるときはどうしても shy になって外国人に話しかけるのをためらってしまっていたが、今
後はこの経験を生かして積極的に交流を深めていきたいと思う。
3. 行動力
今回の研修はホームステイではなくシェアアパートだったので自分たちで自由に計画を立てて
行動することができた。大学のプログラムでユニバーサルスタジオやディズニーランドに赴き、サ
ンディエゴ市内はバスやトローリーを利用して、ビーチやコロナド島、公園、動物園を見て回り、
市街地を歩いて散策した。幸いサンディエゴは治安がとてもよくあまり危険だと感じる場所は少な
かった。すべての風景が新鮮に映り、感動が止まらなかった。東北大の他の大学からも同じプログ
ラムを受けている人が20人ほどいてその人たちと一緒にピザパーティやバーベキューをした。行
動する分リスクも増えるが貴重品の管理とう危機管理についても自分で何とかしなければと個々
が思うようになりとても貴重な経験になったと思う。特にロサンゼルスに行った際には冷や汗をか
いた。サンディエゴからロサンゼルスまでは高速バスを利用したのだが到着口がダウンタウンの少
し危険な地区になってしまった。まわりは物騒な人がたむろしていてみんな慌てて地下鉄に乗ろう
としたのだが、メトロパスを買おうとしている際に、怖そうな黒人に絡まれてしまい、なすすべも
なく10ドル程とられてしまった。ゆすられたわけではなかったので大事には至らなかったが、き
ちんと no というときは no と言わなければとひどく反省した。そのおかげもあってその後は警戒を
強め、何事もなくサンディエゴに戻ることができた。こうした教訓はいくら教科書を読んでも得ら
れず実際に経験してみないとわからないものである。ロサンゼルスへの冒険はとても貴重な経験に
なったと今となっては思う。
きれいなビーチとさんさんと輝く太陽のもとで学ぶ実践英語
岡村祥汰
1
自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことは、英語を使ってコミュニケー
ションをとることに対するためらいのようなものが一切無くなったことです。
私は一年間、東北大学のユニバーシティハウスに住んでいたため、外国の方と英語を使って
コミュニケーションをとる機会がそれなりにあったので、少しはできるだろうと思っていまし
た。しかしアメリカについてすぐにその自信は崩れ去りました。アメリカに着いたその日に昼
ごはんを食べようとファストフード店に行き注文しようとしましたが、店員の話すスピードの
速さ、さっさとしてくれと言わんばかりの鋭い目つきのプレッシャーに押され、全く頼みたく
もない大量のフライドポテトを頼むことになり、これから一か月間どうしようと思っていまし
たが、最後は何とか注文できるようになりました。
まずアメリカにいざ英語を使おうとして困ったのはちょっとした挨拶の仕方が分からないと
いうことでした。How are you? と聞かれても fine 以外の返答の仕方を知らないので会話が
面白くなかったです。これは google で調べたり、他の人が話しているのを聞いて、自分で少し
ずつ使いながら身に着けていきました。また会話のリズムを作る言葉やあいづちとして使う言
葉を適切なタイミングで使えるようになることが重要だと感じました。最初ルームメイトと会
話をしているとき、ルームメイトが日本人は会話しているときに yes と sorry と話す内容を考
えるために沈黙することが多いと言ってくれました。UCSD での授業中においても、確かに日
本人はそういうことが多いなと感じました。中国人やブラジル人は、文法は適当でも、とにか
く何かをしゃべっているので、会話をしていても何となく相手の言いたいことは伝わるのでス
トレスなく会話ができるのですが、日本人は考える時間が長いし、言葉が少ないので相手の言
いたいことが伝わってこない上に、会話のリズムが良くないので話しにくいなと感じました。
それからはこのことを意識して話すようにしました。How can I say や you know と言った言
葉を他の人が使っているのを見て、見よう見まね使ってみたりもしました。
やはりアメリカで英語を使ってみて一番思うことは、読んだり書いたりすることはできるけ
ど、話したり聞いたりするのは難しいなということです。単語を知っていても、それをどうい
う時にどのように使ったらいいのか分からないということが多かったです。実際に会話でその
単語を使って覚えて、初めてその単語を知ったことになるのだと痛感しました。またリスニン
グは本当に苦労しました。アメリカ人でも人によって全然聞き取り安さが違うし、国によって
は全く違うなと感じました。特にブラジル人の話す英語は全然聞き取れなかったので、分かっ
たふりをしていました。会話の中で話すのは、こちらに主導権があるのでなんとかなるのです
が、リスニングは相手に主導権があるので、なんとかならないので日本に帰ってとにかくリス
ニングの練習しようと決意しました。
この経験をふまえて、今後は、もう少し長期の留学に参加できればいいなと考えています。
やはり実際に外国で毎日英語に囲まれて生活すれば、かなり英語力が上がるなと実感しました
し、英語を使って、異なる文化を持つ人たちともっとコミュニケーションを取りたいと思うよ
うになったからです。
2
異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、様々な国の人たちと仲良くなる
ということです。
今回の SAP で私は、多くのブラジル人の友人を作ることが出来ました。UCSD のプログラ
ムでは、ホームステイではなく、寮であったことで、ルームメイトであるブラジル人二人と台
湾人一人と非常に仲良くなることが出来ました。様々な国の人たちと寮生活を通して交流する
ことができるというのは、UCSD のプログラムの非常に良い特徴であると思います。
ルームメイトであるブラジル人は、非常にフレンドリーで、私を何度かパーティーに誘って
くれました。UCSD には、ブラジルから多くの学生が英語を学びに来ており、彼らの開くパー
ティーに参加することができました。このパーティーを通じて多くのブラジル人知り合うこと
が出来ました。この経験はまさに異文化を体験することが出来たものであったと思います。ブ
ラジル人は、とにかくフレンドリーで、すぐに親しくなれます。そのため学校などで会ったと
きは、日本人であれば、軽く「よっ」とか「おはよう」と短い挨拶で簡単に済ますことが多い
のに対して、ブラジル人は、よくアメリカの映画などで見るハイタッチのようなものをしたり、
ハグをしたりしながらしっかりと挨拶をします。また彼らは、挨拶をするときに絶対に名前を
呼びます。このお互いの名前をしっかり言い合ってコミュニケーションをとるというのは、他
の国の人とコミュニケーションをとる上で最も重要なことであると感じました。
他にブラジル人とコミュニケーションをとる上で気を付けたことは、とにかく元気に、そし
て喜怒哀楽をしっかりと表情に出したり、ボディランゲージで表現したことです。ブラジル人
は会話をするときにとにかく表情豊かに話します、そのため少々英語が聞き取れなくてもなん
となく意味を読み取ることができます。また会話をしていてとにかく盛り上がるので楽しいで
す。なので、自分もそのように話せるように意識しました。
この経験をふまえて、将来は、様々な国の人たちと仕事をして交流したいと思うようになり
ました。今回の SAP で他の国の人と交流して思ったことは、とにかく楽しいということです。
常識のちがいや、自分の言いたいことがなかなか伝わらなかったりして大変な思いをすること
もありましたが、それも含めて非常に刺激的で楽しいものであったからです。
3
行動力
行動力に関して、わたしが SAP を通して達成したことは、知らない人に話しかけることに
全く抵抗がなくなったことです。日本において、知らない人に話しかけることは容易だったの
ですが、やはり違う国の人、さらに英語を使うということで最初はかなり抵抗がありました。
しかし、今自分がどこにいるか分からない、行きたい店がどこか分からないといった、誰かに
聞かざるをえない立場に置かれ何度か知らない人に話しかけるという経験をしてからは、全く
抵抗がなくなりました。これはカリフォルニアの人がとても気さくでいい人が多かったからと
いう面もあります。最終的には電車の中でおじさんと話せるようにもなりました。
この経験ふまえて、今後は、日本にきて困ってそうな外国人をみたら積極的に話しかけるよ
うにしたいと思います。
SAP を通して学んだこと
長守
結衣
1. 自己の言語運用能力
自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通して達成したことは、英語を話すことを怖がらず
に自分の英語に自信を持って積極的に英語を使えたことです。最初はなかなか発音が悪かったり、
イントネーションやボディーランゲージがなかったりしたことで伝えたいことが伝わらず、英語の
発音の大切さと難しさを実感しました。また、自分が伝えたいことがすぐに英語として話せずにど
う表現しようと考えている間に会話が進んで発言ができないことが多く、とても悔しかったしなか
なか積極的にはなれませんでした。しかし、今回せっかくこのプログラムに参加させてもらえたこ
とをしっかり生かしたかったし、まわりの人たちも自分とそう変わらず英語を学びに来ているんだ
と思い、少し発音を練習してみたり、下手で時間がかかってもたくさんの人と話をして英語を使う
ようにしました。だんだんと時間をかけるうちに言葉だけでは伝えきれないことがあっても、身振
りや手ぶりも使って伝えられるようになったし少しずつ英語を使うことが怖くなくなってきまし
た。今回のプログラムでは周りにたくさんの日本人がいてどうしても日本人同士で話したり一緒に
行動したりしがちな環境ではあったけれど、いろんな国の人と話をして友達になって、楽しく会話
をしながら英語を使えるようになったとおもいます。
この経験をふまえて、今後は国籍関係なくもっとたくさんの国の人と友達になりたいです。たく
さんの国の人たちと話をすると、自分の知らなかった考え方や文化、いろいろな話を聞くことがで
きて自分の視野や幅広い知識が身につくと思いました。また、これから看護の勉強をして、看護師
として働いていく中で、人を相手にする仕事なのでコミュニケーションをとり、さまざまな性格や
考え方の違う人と出会うことになります。今回この SAP で学んだ積極性やボディーランゲージを
上手に利用してどんな人とでもコミュニケーションがとれるといいと思います。またこれから生き
ていく中で日本人以外の人とも出会うと思いますが、英語を話すことに抵抗がなくなったことでよ
り豊かに生活ができるかと思います。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、他国の文化を理解し受け入れること
です。私はこの SAP の 1 か月の研修期間中、中国人3人と1つの部屋で過ごしました。食事やお
風呂など、日本とは少し異なるところがあり、最初は戸惑ったこともありましたが、ルームメート
たちと仲良くなり、話を重ねてくうちに考え方や習慣の違いを知りました。自分のやりかただけが
正しいのではなくて相手の国での普通はそれはそれでいいのかなと、お互いの国の習慣を理解して
尊重しあえたと思 います。
この経験をふまえて、今後はもっといろいろな国の人と仲良くなったり行ったりして違った文化
についても知りたいです。そして差別などなくいろいろな国を尊重して暮らしていきたいです。
3. 行動力
行動力に関して、私が SAP を通して達成したことは、自分から積極的に行動してたくさん友達
をつくることです。今回のこの SAP でわたしは日本人をはじめ、多くの人と出会うことができま
した。これまでは、人見知りでなかなか自分から話しかけることが苦手でした。今回このプログラ
ムに 1 人で応募して本当に知り合いもいないという状況のなか海外という不安もありましたが、み
んなも同じ状況で、そうだからこそ積極的に話しかけて仲良くなることができました。ひとつ海外
にでてみると、わたし1人ではなにもできず、本当に周りのみんなに助けられながらの毎日でした。
そんなふうに周りのひとの大切さも学ぶこともかけがえのない友達を作ることもできました。
この経験をふまえて、今後はこれから訪れるたくさんの新しい出会いを大切にしていきたいし、
今回のようにこれからも何かに 1 人で踏み込んでみるのもいいなと実感しました。たくさん友達を
つくって豊かな毎日を送りたいです。
SAP の経験を通して
小泉 友美絵
1
自己の言語運用能力について
自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通して達成したことは、主に、リスニング能力の向
上と英語を話すことへの抵抗の減少、よりネイティブに近い英語の表現に触れることである。
リスニング能力については、アメリカに到着してから 1 週間ほどは、ファストフード店の店員が
何を言っているのか聞き取れず相手をいらつかせてしまう、授業で先生が何を言っているのか聞き
取れず課題など何に取り組めばよいのかわからない、など数々の困難に直面した。しかし、アメリ
カで時を過ごすにつれて、先生をはじめ現地の人が何を言っているのかを聞き取ることは到着当時
より容易になっていき、精神的に負担となっていた料理の注文、店員との会話などもいつのまにか
負担とはならなくなっていた。今回の短期留学で対話でのコミュニケーションにおいての聞き取る
ことの大切さを身を以て改めて実感した。特に、聞き取ることができなければ自分が何を聞かれて
いるかも分からず、何をすればよいのかも分からず、英語を話すどころではないということが痛い
ほど分かった。留学前よりリスニング能力は大きく向上したと感じたが、より一層の向上を目指し
たい。
また、留学前は英語を話すことに少なからず抵抗があったが、留学を通してその抵抗を減らすこ
とができた。日本では、つたない発音や間違った文法で英語を話す気恥ずかしさ、一生懸命話して
も伝わらないのではないかという不安を強く感じていた。しかしアメリカではもちろん日本語など
通じないし、ボディランゲージでは本当に簡単なコミュニケーションしか取れない。そのようなと
ころに身を置き、自分を、英語を話さなければならない状況に追い詰めることで、なりふり構わず
英語を話すことができた。ルームメイトや先生、各国から来たプログラムの仲間やレストランやス
ーパーマーケットの店員などとは、英語が唯一の共通言語であり、頼みの綱だったのである。もち
ろん英語の表現を間違ったり、それによって起こる食い違いがあったりもしたが、そのような間違
いをたくさん経験することによって、間違ってしまうのではないかという不安は消え、むしろ、英
語を話すことにおいては間違いを恐れずにとにかく話すこと、何かを伝えたいという強い気持ちを
持つことが大事なのだと学ぶことができた。
また授業でアメリカ人がよく使うイディオムを扱ったことや、現地の人との会話で相手が述べた
分からない表現の意味を聞き返すなどし、それをメモすることなどによって、日本にいるだけでは
分からない生の英語を学ぶことができたと感じている。表現だけではなく、ルームメイトとの会話
によってアメリカ的なリアクションも身につけることができた。
この経験を通して、今後は、アメリカで感じた英語力不足に対する悔しさをバネに、CD などを
使った英語学習でリスニング能力を高めていきつつ、英会話サークルへの参加や留学生との交流を
通して英語を話す機会を自分から作り、英語でのコミュニケーション能力を上げていきたい。
2
異文化適応について
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、相手の文化を尊重することである。
異文化を尊重すること、というのはよく言われることであるが、異文化を尊重するということは具
体的にどうすればよいのだろうか。
それに対する自分なりの答えを、SAP を通して見つけることができた。異文化を尊重するという
ことは、その文化に関心を持ち、その文化について自分の頭で考え、それについて感想なり自分の
意見なり考えなりを持つことだと私は思う。
そのきっかけとして、留学中、友達のルームメイトのサウジアラビア人男性と長時間話す機会が
あった。彼は、私に「ムスリムやサウジアラビアについての君のイメージを教えてくれ」としきり
に質問してきたが、私はうまく答えることができなかった。私は自分がムスリムやサウジアラビア
について無関心だったことに気付いた。好きの反対は嫌いではなく無関心である、というのはよく
言われることであるが、文化についてもそのことは当てはまると感じた。その後の会話で、彼はム
スリムやサウジアラビアについてたくさん教えてくれ、私はそれらについて興味を持ちたくさんの
ことを知ることができた。
また、ムスリムや中東というのはなかなか話題として難しいところだと感じた。ISIS やアルカ
イダなどのテロ組織についてはニュースでよく耳にしているが、それをサウジアラビア人の彼に言
うのには少なからず抵抗があった。彼は、ムスリムや中東に悪いイメージを持っている人もいると
いうのを知っていて、そのことを気にしているということも言っていたが、彼から聞いたそれらの
話は興味深く、聞いていてとても楽しいものだった。
私たちは、メディアにイメージを流されがちであるが、それとは離れたところで自分で異文化に
関心を持ち、知り、各国の人と異文化交流をすることが異文化を尊重するうえで大事だということ
を学ぶことができた。
この経験をふまえて、今後は、自分から積極的に異文化について関心を持ち、調べ、多くの人が
持っているイメージとは違った文化の一面を垣間見ていきたい。また、お金を貯めて、世界のさま
ざまなところに旅行に行くなどして、異文化を自分の身体をもって体験していきたい。
3
行動力について
行動力に関して、私が SAP を通して達成したことは、積極性の向上である。留学に行く前は積
極性がなく、常に受け身の状態でいることが多かった自分だが、留学を通して積極性が大きく向上
したと感じている。
留学生活の前半は、友達のルームメイトの中国人達や外国人のクラスメイトと英語力の不安のせ
いであまり関わろうとすることができなかった。また、日本人の友達とどこかに出かけたときも、
交通機関の使い方が分からないときなど友達が現地の人に聞いていて、自分は友達についてまわっ
ていただけになってしまっていた。しかし時が経つにつれて、このままではいけないと思い友達と
行動する時間を少なくするよう心掛けた。それをしたことで、自分は頼る相手がいなくなり、自ら
分からないことを現地の人に聞いたりするなど自分で能動的に動くことができた。また、あまり日
本人同士で群れないことでメキシコから移民の方や現地の人に話しかけてもらえたりするなど良
いことがいくつかあった。また、外国人の友達もできるようになり、自分から話しかけて仲良くな
ることができた。
また、授業の中のプレゼンテーションなどでも積極性を発揮するようになっていった。グループ
ワークでのプレゼンテーションでは、周りの意見にうなずくばかりで、自分のプレゼンテーション
だという実感をもってプレゼンすることができなかった。しかし最後のプレゼンテーションはあえ
て一人で行うことによって、自分で作り上げたプレゼンテーションをすることができた。もちろん
不安もあったが、得たものはそれ以上に大きかった。
こうして留学を振り返ってみると、周りに頼れるひとがいると頼ってしまう自分の甘えた性格が
浮き彫りになっているように思う。なので、この経験をふまえて、今後は、集団の中で積極性を発
揮して集団を引っ張っていけるような行動力を身につけたい。そのために、失敗や反論を恐れずに
自分の意見を言ったり、積極的に役割を引き受けていきたい。また、留学で得た積極性によって、
帰国してから、私は地域の英会話サークルに自分から能動的に参加することができている。ここで
も失敗を恐れずに積極的に多くの英語を話していきたい。
SAP(UCSD)を通じて学んだことと今後の課題
稲葉
1.
仁
プログラム内容
レポート作製についての要請にあるように、言語運用能力、異文化適応能力、行動力について
このプログラムを通じて学んだ(向上した)ことと今後の課題を書く。まず、プログラムの内容
について先に述べておく。カリフォルニアで学ぶ実践英語のプログラムでは、実践的な英語力
育成という目標のもと、カリフォルニア大学サンディエゴ校が開催する非ネイティブスピーカ
ー向けの 4 週間の英語力養成プログラムに参加した。クラスは初日に受けるテストによってレ
ベル分けされ、オーラルコミュニケーション重視の授業と、語法や表現習得を目標とする授業
の二つを一日に二コマずつ受講する形であった。他の国からも多くの留学生が同じプログラム
を受講していたが、クラス分けはかなり偏ってしまい、クラスメイトの大半は日本人だった。
授業が終わった後の午後と土日は自由に使えたので、サイトビジットや買い物につかった。ま
た、宿泊施設はシェアアパートの体裁をとっており、各メンバーが様々な国から来ている人と
部屋をシェアする形であった。ブラジル出身で UCSD の同じプログラムを受講しに来ている
大学生と、UCSD を卒業して仕事を探しているスペイン人が私のルームメイトであった。UCR
や SFU のプログラムに参加した友人からの話を聞いたところによると、私たちのプログラム
において他のプログラムと比べて特に特徴的であったのが、現地の大学が開催しているプログ
ラムに参加したということと、
現地において自らの力で生活していたということの 2 点である。
自らの力という言葉の意味は、買い出し、炊事、洗濯、公共交通機関を用いた移動などを自分
たちで行っていたということである。以上のことから UCSD のプログラムは、実際に現地で
生活する感覚により近かったのではないかと思う。
2.
言語運用能力
結論から言うと、計る指標がないので客観的には言えないが、英語力は向上したと思う。なぜ
なら授業に出ているときはもとより、部屋にいるとき、更には街に出た時などあらゆる場所で
英語を使わざるを得ない状況に自分があったからである。それらの環境がどのように私の言語
運用能力に好影響を与えたのかを説明する。
授業では、英語をコミュニケーションの道具として使うことが特に重視されていたと思う。そ
のため座学だけではなく、ディスカッションの機会も多く与えられた。ディスカッションは 4
人一組程度のグループに分かれ、各グループにアメリカ人学生のコンバセーションリーダーが
割り振られ、ディスカッションをスムーズにしてくれたので、とても活発な場となった。ディ
スカッションの内容はそれぞれの国の文化のことや、正義とは何かなどといった母国語でディ
スカッションするにしても骨太な内容で興味深かった。もちろん、プレゼンテーションも二回
ほど行った。内容は、一つがグループで$10,000 を元手に新しいビジネスプランを作り、案を
練って発表し評価してもらうというもの。もう一つがアメリカの文化について 8 つの質問を作
り、街中のアメリカ人 5 人に質問し、内容をまとめて発表するというものであった。ディスカ
ッションについてもプレゼンテーションについても要求された姿勢は英語を使うことをため
らわないこと、ミスを恐れないこと、わからないことは正直に聞き返すことである。これらは
言葉としては当然のことのように聞こえるかもしれないが人前で英語を話すというのはあま
り海外経験のない日本人にとって非常に勇気のいることである。ましてや、全く見ず知らずの
アメリカ人に話しかけることなど本当に覚悟を決めなければならない。また、日本人はわから
ないことを聞き返すことをためらいがちである。しかし、母国語でない以上今後いくら英語力
を向上させたところでわからない単語やスラングが出てきてしまうのは仕方のないことであ
る。これらの姿勢を授業の中で吸収できたのはよかったと思う。
部屋にいるときは非ネイティブスピーカーと英語で会話することになる。グローバル社会では、
今後よく生ずる状況であるかと思うが、ここでは忍耐力と言葉だけではないコミュニケーショ
ン能力を学ぶことができた。スペイン語とポルトガル語を母国語としてもつルームメイトたち
であったが、ラテン系言語と英語の語順は似ているので、彼らの英語はかなり速く次から次へ
と言葉が出てくる。しかし、文法のミスがひどく、さらにラテン訛りが非常に強い。唯でさえ
話すスピードが速いのでこれではなかなか聞き取れない。一方彼らにとってもアジア人の発音
は聞き取りにくいらしく、初めのころはコミュニケーションをとることに非常に苦労した。辛
抱強く話を聞き、ボディーランゲージや表情を読むことで徐々にコミュニケーションが円滑に
なり始め、最後には冗談を言い合うようなこともできるようになっていたが、非常にストレス
がかかった。日課となった 3 人で映画を見ること(もちろん英語字幕もしくは字幕なし)はリス
ニング力の向上にも役立ったと思う。
街中では、英語でのコミュニケーションの結果が明確に結果に表れてくる。例えば、ファスト
フード店で店員に言葉を理解してもらえなければ希望と違う形でモノがでてきたりする。レス
トランでの注文程度なら間違いはないが、最終バスに近い時間帯でバスを間違えて乗ってしま
うことは致命的である。街中で、どのような能力が向上したかを説明するのは難しいが緊張感
があり、伝えること、聞くことに必死になれたのはとても良いことだと思う。
以上のように、日常の各場面で英語を使うことができた。その中で、失敗を恐れない気持ち、
自身、コミュニケーション能力、忍耐力を磨くことができたと思う。現地滞在中に感じたのは、
会話はスポーツのように反射神経が要求されるということと日本でも英語を磨くことは可能
であるということである。会話をしている際には、ある程度返答の制限時間がある。相手が言
ったことを瞬時に理解し、自分の言いたいことを頭の中で組み立てて発現する。この間の時間
を短くするには実際に英会話をしてトレーニングを積むしかないと感じた。しかし、文法の正
確さやボキャブラリーがないといざ話そうという時にも稚拙な表現しかできなくなってしま
う。実際に会話で使っていたのは中学レベルの英語以下だったように思う。救いなのは、文法
やボキャブラリーは日本でも向上させることができるということである。そこで、今後 TOEIC
や TOEFL などのテストを利用して自分の英語力の底上げを図ろうとおもう。
3.
異文化適応
今回のプログラムでは高い異文化適応能力が求められた。理由は前述のようにシェアアパート
であったこと、UCSD が主催している授業を受けたことである。私は特にスペイン人、ブラジ
ル人を始めとするラテン系のバックグラウンドを持つ人たちと、中国人との交流が多かった。
自分のルームメイトはラテン系であったし、メンバーのルームメイトには中国人が多かったか
らである。ラテン系の人たちはやはり陽気で、常に冗談ばかり言っていた印象がある。彼らは
基本的に親密な関係を築きたがるが、遠慮もなく、主張はかなり強い。最初は戸惑うこともあ
ったが、三人中二人がラテン人だったこともありこちらが合わせられるように努力した結果、
環境適応能力が上がったように思う。中国人についてはかなり日本人とキャラクターが似てい
て、多少主張は強いものの、気遣いがあり、友人関係の中にも一定の礼儀があるように感じた。
また、発音が非常に聞き取りやすく、非常に付き合いやすいと感じた。UCSD 自体がかなりレ
ベルの高い大学なので、学生は皆教養が高く、差別意識を感じたことは全くないが、同系人種
(アジア系、ラテン系等)の間に存在する仲間意識のようなものを超えた付き合いをするのは
中々難しいと感じることがあった。たとえば、アジア人グループの中にラテン系が少数でいる
とそこでグループが分かれてしまったり孤立してしまったりする。仕方のないことのように思
えるが、違う文化の中にこそ、面白い考え方や新鮮な視点があることが多いので非常にもった
いなく感じる。これについては、
「こちらに来ている留学生ともう少し関われる機会を持つ」
といった対応策しか今のところ思いついていない。すでに研究室に配属されていて、なかなか
空き時間をもつことが出来なくなってきているので、もう少し情報収集を続けたい。
4.
行動力
サークルの代表をやっていたこともあり、行動力についてはある程度自信があったが、今回気
づいたこととして二つある。一つ目は日本人と日本人以外の行動力の違いである。日本人はま
ず人に何かを質問する前に自分で考え、解決しようとする。これは他人に聞く前にまず自分の
頭で考えるという、他人の時間を尊重しようという考えがもとになっていると思われる。しか
し、日本人以外は全くそのことを気にしない。どんなに些細なことであろうが人に聞くことを
ためらわない。ただし、彼らは人に何かを聞かれたときは非常に親切に応対する傾向にある。
他人と接する時の距離感の違いなのだとは思うが、後者の方が非常に生産的であるように感じ
る。もちろん、手放しで他の文化を賛美するつもりはないが、他人へのリスペクトを保ちなが
らこの慣習を取り入れることは可能だと思う。二つ目は、自分の行動力についてである。行動
力の源はこうしたいという欲求、ゴールである。このことについては前々から意識をするよう
にはしていたが、今回のプログラム中、自分そのゴールを立てるのがあまりうまくないのでは
ないかと感じた。もちろん、このプログラムの参加者の中で数少ない三年生だったので、少し
遠慮があった部分もあるとは思うが、今後はより意識していきたい。
SAP を通して見えてきたもの
山下
有美
1. 自己の言語運用能力
SAP では放課後など日本人と行動することも多かったがそれでも回りはすべて英語なので、英語
を聞くことに慣れ、以前よりもよく聞き取れるようになった。授業の宿題で、自分で考えた質問を
初対面のアメリカ人に質問しその回答をまとめるというものがあった。留学前半にその課題をやっ
たときには金髪に青い目の学生相手に恐縮してしまった上に、英語がなかなか聞き取れず何度も自
分で言い直して聞き返してしまった。それでも大雑把にしか答えを把握できず、今まで勉強してき
た英語力はこの程度かとがっかりした。しかし留学の最後の課題としてやったときには、質問数も
質問人数も増えたにもかかわらず自然に現地の方々と会話をすることができ、質問以外の雑談も楽
しむことができた。この時は長期休暇の過ごし方について調べていて、学生だけでなく近くのショ
ッピングモールでも話を聞いたのだが、詳しく聞いてみると色々な職業の人がそれぞれかなり違っ
た方法で長期休暇を楽しんでいることがわかった。楽しく話せたことで課題が苦にならなかった上
に、少し自信を持つことができた。英語ができると楽しいのだなとも思った。
その一方で、自分の言いたいことをとっさに正しい英語で伝えることの難しさも実感した。会話
の流れを止めてはいけないのでとにかく何かいうことが大切だということはわかったが、そうする
と時勢や三単元の s、will と be going to の違いなどの文法がめちゃくちゃのまま話してしまうこと
になり、しばしば先生に訂正された。文法がおかしくてもある程度は通じてしまうが、やはり不自
然なので直したかった。また、Conversation Leader とのディスカッションでは英語でなんと言っ
たらいいのか思いつかないために自分の意見が言えないこともあった。さらにファストフード店な
どでの注文は英語が早くてなかなか聞き取れず、だいぶ苦労した店もあった。特に Subway では日
本と違ってパンの種類から中に入れる野菜の種類と量まで自分で注文するシステムだったので、と
ても大変だった。注文に手間取って時間がかかってしまい、後ろに並んでいる人に申し訳ない気持
ちだった。身振り手振りではもちろん限界があった。
これらの経験をふまえてこれから、英語の耳が衰えないように毎日少しでも英語を聞くようにし
たい。忙しいときでも、家事などをしながら CD を聞くなど工夫して英語を聞く習慣を付けたいと
思う。さらに将来のことを考えると、私は研究者になりたいので、外国人研究者と共同研究をする
ときや国際学会でその場で質問に答えるときなど、自分のいいたいことをすぐに英語で表現すると
いう能力は非常に重要になってくると思う。だから、その力を養うために SLA の英会話に行くよ
うにしたり TOEFL-iBT のスピーキングの勉強に力を入れたりしたい。具体的には、専用の問題集
を繰り返し解くことで英語を話すことに慣れたいと思う。これについても昼休みや休日などをうま
く使って、しっかり続けられるようにしたい。TOEFL-iBT は学部の大学院入試でもスコアが必要
なので、当分の目標をそこに定めてコツコツ力をつけていきたいと思う。TOEIC でも院試は受け
られるが、私は TOEFL の方が本当の英語力が身につくと思うから、TOEFL の対策を頑張りたい。
また、私が所属している部活には日本語があまり話せない留学生もいるので、その人と英語でコミ
ュニケーションをもっととるようにして、英語に慣れた状態を少しでも保っていきたいと思う。
堂々と英語を使えるようになりたい。
2.異文化適応
海外に行くのは今回が人生で 2 回目だったが、異文化適応能力はもともとそれなりに身について
いたように思う。昨年の夏にベトナムに行ったときにも交通マナーや市場など様々な面で文化の違
いを実感したからだと思う。しかしアメリカには本当にいろいろな人がいるということを、SAP
を通してとても実感した。オウムを肩に乗せた人がバスに乗ってきたこともあった。スーパーの店
員さんはとてもフレンドリーに「How are you?」などと話しかけてくる。そんなとき最初は驚いた
が、特に困惑したりすることはなく、むしろアメリカの文化を見ることができてうれしくなった。
私はアメリカの自由な文化が気に入った。外国人と同じ部屋に住むというのは初めての経験だった
が、英語を使ってコミュニケーションをとることでお互いを理解し、大きな問題なくリラックスし
てすごすことができた。相互理解と気を使いすぎないことがとても大切だと感じた。
その一方で私はもっと日本や地元を客観的な視点から分析しなければならないと思った。授業で
自分の故郷の」いいところと悪いところを話し合う機会があったのだが、私は地元が好きなのにも
かかわらず、いいところを思いつくことができなかった。私は自分に驚いた。普段当たり前だと思
って色々なことを見過ごしているのだなと思った。
これからはさまざまな国の文化を積極的に体験し、理解を深めていきたいと思う。そのために大
学で開かれている留学生との交流イベントや国際交流イベントに積極的に参加していきたい。日本
でも外国人の友達をもう何人か作れたらいいなと思う。また、留学生との会話の中で自分が普段気
づいていない日本や地元の特徴に目を向けられたらいいと思う。自分で意識して考えてみることも
大切だと思った。
3.行動力
私は若干人見知りなので初対面の人と話すのが苦手だ。しかし外国人と仲良くなるためには最初
がとても重要だということを学んだ。
私のルームメートは当初 3 人ともブラジル人で英語もうまく、
会ったときには何を話しているのかよくわからなかった。その結果会話に混ざることができず、あ
まり仲良くなることができなかった。その後ほかの人に聞いたところ、わからなくてもとにかく声
を出すことが大切だそうだ。何か話し始めれば、途中でつまっても相手は聞いてくれることが多い
らしい。このアドバイスを得たので、その後新しいドイツ人のルームメートが来たときにはがんば
ってたくさん話した。すると向こうからも話しかけてくれるようになり、少し仲良くなることがで
きた。ブラジル人にもがんばって話しかけたが会話があまり続かなかった。SAP を通して、初対面
の人と積極的に話すというとても大切なことを学んだと思う。一緒に話して楽しい人だと思っても
らうことが重要だが難しいのだなと思った。
また、到着当初は道がわからなくなっても周りの現地の人に尋ねることはできず、ほかの日本人
が尋ねているのを尊敬しながら見ていた。最初は外国人というだけで少し怖いと感じていたのかも
しれない。しかし数週間が過ぎると自分でも尋ねられるようになった。友達と水族館に行ったとき
には飼育員さんにタツノオトシゴについて自分から質問することもできた。こちらから質問すれば
現地の人の大半は優しく丁寧に教えてくれる。質問を通して現地の人たちの人柄も感じることがで
きた。
さらに、初対面の日本人と話すときにも積極性が大切だと思った。SAP の授業ではほかの大学か
らきている日本人とも協力して課題などをする必要があったが、最初に仲良くなっておくとこのよ
うな時も楽しみながらできる。日本中に友達ができるのはとてもすばらしいことだと思う。
SAP では平日の午後や休日は学校がなかったので、自分が何をしたいのかよく考えて実行するこ
とができた。行きたい場所への交通手段や営業時間などを、必要なときにはしっかり調べて行動す
ることができた。どんなに夜遅くなっても必須の情報だけは調べるようにした。おかげでサーフィ
ンやシー・ワールドなど貴重な体験をすることができた。私は学友会フェンシング部に所属してい
るので UCSD のフェンシングクラブの練習も見に行こうとした。あいにくファイナルテスト期間
中で活動していなかったが、ジムの職員に聞くなどして活動場所までたどり着けたことはよかった
と思う。その体育館ではフェンシング部が一番多く割り当てを取っていることなど、意外な事実も
知ることができた。
これからは意識的に初対面の人やあまり話したことがない人と積極的に話していきたいと思う。
挨拶されていやな人はいないというのは世界共通のようなので、まずは挨拶を大切にしたい。そこ
で友達の輪が広がれば将来の自分の役に立つだろう。また、自分が本当に何をしたいのか考えるこ
とも大切だ。しっかり自分の頭を整理してやりたいことに優先順位をつけ、今何をするべきなのか
考えられる人になりたいと思う。周りを見る力が今は足りていないので、意識的に周りを見渡すよ
うにして、その上で自己主張していきたいと思う。
将来研究者になれたら、同じ研究室には外国人もいるだろうし外国の研究者と知り合う機会も多
いと思う。そんなときに自分はシャイだからとおとなしくしているのと積極的に話して信頼関係を
築き上げるのとでは、その後の研究生活にまったく異なった影響が出るだろう。だから私は、将来
大いに役に立つと信じて積極性を磨いていきたいと思う。
留学経験を通じて
佐藤
想
1. 自己の言語運用能力
自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通して達成したことは、二つある。一つ目はまず英
語を使うという状況に対する慣れであり、二つ目は単純に英語を以前より流暢に使うことができる
ようになったことである。
まず、一つ目の英語に対する慣れとはどういうことか。それは自然と英語が口から出るようにな
ったことである。これまでは、英語は母語ではないから当然のことだが、意識しないと英語と日本
語の切り替えがうまくいかなかった。しかし留学している内に、次第にその切り替えがうまくいく
ようになった。それを感じる瞬間は留学の後半の方で頻繁にあった。例えば、突然人にぶつかった
ときにすいませんではなく sorry という単語が出てきたり、不意に話しかけられても英語ですぐ返
すことができたり、感謝の言葉として thank you をすぐに言うことができたりしたことである。こ
のように英語を使うということに対する抵抗が無くなり、英語を使うという環境に対して慣れたの
だ。これは留学を通して得た成果としては非常に大きなものだと思う。
二つ目に達成した、英語が以前よりも流暢に話せるようになったことも留学の成果としては非常
に大切なものだ。留学中はアメリカで授業を受けていたわけだが、留学して間もない頃は授業の中
で他人と話す機会があってもなかなか自分の思ったことを伝えられずにいた。しかし留学終盤では
初期の頃と比べ、自分の伝えたいことが伝えられるようになっていた。それは語彙力など、英語の
技術が上がったというよりは英語を自然と使えるようになったと言った方がいいかもしれない。正
に、持っていた知識の「運用」能力が上がったということだろう。
その反面、課題も見えてきた。確かに英語で話す能力自体は向上しただろう。しかし話せば話す
ほど、自分の語彙力の無さというもの痛感させられた。こればかりはあの短期間ではどうしようも
ないことであった。
この経験を踏まえて、今後はまず自分一人の力で英語の語彙力を伸ばすことから始めたい。今回
の留学で自分の力不足を痛感し、それがモチベーションとなっているのは非常に良いことである。
そして、語彙力を伸ばすのと並行して、またはその後に、他人との会話をしてせっかく得た英語感
を維持していきたい。これらを実際に実行するためにも大学の講義は外国人の先生が行っているも
のを取り、英語に定期的に触れるようにしていく。また語彙力を伸ばすにも、目標がないと意思の
弱い自分の力では頑張り切れないかもしれないので、TOEFL で何点を取るかなど具体的な目標を
定めた上で勉強をするようにしていきたい。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、世界には多種多様な人間がいるとい
うことを理解することができたことだ。留学をする中で様々な人種の人達と会った。それは韓国人、
中国人、サウジアラビア人、ブラジル人、アメリカ人、トルコ人、ドイツ人、スペイン人など多岐
に渡る。彼らと交流することで、世界に対する見聞が広まり、グローバルな思考を持つことができ
た。そういう意味では、異文化に対する適応能力は上がった。
また、アメリカでの生活スタイルに適応することもすぐにできたように思う。アメリカでの公共
交通機関の使い方や買い物の仕方、チップの払い方など事前に調べていたという理由もあるが、初
日こそ苦労したものの、すぐに適応することができたのは良かった。
その一方、やはり日本人が周りにいるとどうしてもその人たちと行動しがちで、自ら積極的に周
りになじもうとはしなかった。その点は行動力と関係があるかもしれないが、完全に適応できなか
った。
この経験を踏まえて、今後は海外に行く際は必ず下調べをしてから行こうと思う。もし今回下調
べを全くせずに渡米していたら、大変なことになっていただろう。下調べをしたからこそ、向こう
でのトラブルを最小限に抑えることができたのだと思う。また、今後はこの経験を生かし、物事を
グローバルな視点から多角的に見ていきたい。そのためにも、これからの大学生活において、講義
やその他の活動を通して、海外の人たちや文化と触れ合える機会を自ら設けていきたいと考える。
反省点としては、適応することはできたものの自分の文化を周りに発信できなかったのが悔やま
れる。自分が他の文化を知ることが有益であったように、他の人にとっても違う文化に触れあえる
機会は有益なはずである。せっかく海外で外国人と会えるのだから、周りの文化に染まるのではな
く、自らも周りの文化に影響を与えるくらいのつもりでこれからは生活していきたいものである。
3. 行動力
行動力に関して、私が SAP を通して達成したことは、他人に自ら話しかけられるようになった
ことだ。SAP の授業で街の人にインタビューをしなければいけない宿題が何度かあった。最初にそ
の宿題が出たときは、とてもじゃないが人見知りの自分にはできない宿題だと思った。案の定、緊
張で、話しかけるまでに大量の時間を要し、多量の汗をかいた。しかし回数を重ねるごとに、ただ
慣れただけかもしれないが、次第に簡単にできるようになった。強制的にではあるが、自ら話しか
けなければならない状況に置かれたことで成長できたように思う。
一方で、行動力に関しては大いに反省するべき点もある。それは自分から行動するという主体性
が不足していたことである。以前から私は周りに合わせることが多く、自分を中心として動くとい
うことをあまりしてこなかった。今回の海外研修でもその傾向はみられた。上記に書いた、自ら他
人に話しかけるというのも仕方なく行った結果であり、自分の意思というものがあまり介在してい
ない。本来なら自分が話しかけたいから話しかけるべきなのであり、嫌々するものではない。この
欠点を克服したかったが、研修中に克服することができなかったことは非常に悔やまれる。
この経験を踏まえて、今後は自ら主体性を持って行動することを心掛けたい。文字では簡単に書
くことができるがこれはかなり大変なことだと思う。自分から行動するということは勇気のいるこ
とである。私は他人のことがとても気になってしまうので、他人の評価に怯え、自信を持って自ら
行動することができない。そんな自分を変えるためにも、今回の研修を自分の中での自信へと変え
て、恐れずに行動していきたい。もうそのための行動には移っている。私はフットサルサークルに
所属しているが、今年度からサークルの代表をすることになった。代表としてしっかりとサークル
を導いていくためには自ら行動しなければならない。もちろん他人の手を借りることもあるだろう
が、他人に頼ってばかりではいられない。自分の力で何とかしなければならない。このようにこれ
からの大学生活の中でも進んで自分の欠点を克服していきたい。
SAP の経験を踏まえて
高島 章紘
1. 自身の言語運用能力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことは、アメリカで現地の住民や留学
生たちと、英語を用いて意思疎通をすることである。
私は自身の英語の語学能力において、筆記及び読解の成績は良好であったが、リスニングやスピ
ーキングといったような実践的な運用能力においては、使用する機会をほとんど設けていなかった
こともあり、不十分なものであった。したがって、本 SAP での目標の一つに、その英語の実践能
力を高めるということがあり、
それ故に語学能力向上を主とした UCSD のプログラムに応募した。
現地では英語に囲まれ、日本国籍の者以外とは誰と話す時も英語を用いることになった。授業で
は語彙や文法を学ぶと同時に、ディスカッションをする形で実際に英語を用い対話することで、普
段の東北大学内での講義形式ではあまり見られない形で英語を実際に運用することができた。
何より自身の発展を感じられたのは、授業の一環として、ある程度の項目を設定しカリフォルニ
ア市民にインタビューをした時、そこからインタビューに話題を関連させることで、会話が発展し
た時である。
現地のゲストスピーカーによると、カリフォルニアは移民の都市としての歴史があるために、
人々は外国人に優しく、また現地の人同士でも訛りが強くお互い話が一度で通じない時があり、発
言の聞き直しに寛容であるというという。その為アメリカ国内で見ると難易度が低い方ではあると
考えられるが、自身の話す英語が通じ、現地の人々の話す英語の理解が出来たということに、確か
な自信を得られた。
しかし、課題が残らなかったわけではない。授業で先生の言うことを十分に理解できず、課題の
確認を他人に任せてしまう時もあり、授業外の行動プランを人任せにした結果、日本人だけで固ま
り日本語ばかりを話してしまうようになる時も決して少なくなかった。語学研修という面から見る
と、本末転倒とさえ言える問題である。
この経験をふまえて、今後は自身の英語を積極的に用いる機会を設けていきたい。具体的には、
留学生との交流サークルに入ったり、再び SAP に参加して、自ら主体的に行動し、現地の人々と
交流するようにするなどである。私は 3 年後期から半年間、再びカリフォルニアに赴く形での留学
を考えているので、SAP 中確かに通じた英語運用能力を決して廃れさせることなく、また課題を解
決していく形で向上させていく必要があると考えている。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、身の周りの環境の変化や、それに応
じた暮らし方の変化に適応し、それを楽しめるようにすることである。
当然ながら、現地の環境は気温や街の作りといった身近なことや、それに応ずる人々の暮らし方
まで全てが日本と違うと言っても過言ではない。それ故、現地の急な環境変化に適応するのにいく
らか時間を要した。
しかし拒んでも仕方がなかったということもあり、慣れるのは結局時間の問題だった。また、同
じ SAP に参加した友人が先に現地の良い所に気づき、教えてくれたこともあり、例えば朝と夜に
急に冷え込むという特徴的な気候に関していうと、昼はとても過ごしやすく、しかも日も長いとい
うように、前向きにそこの環境を捉えることもできるようになった。
だが、現地のアメリカ以外から来た留学生との交流という点からは問題が生じた。日本、アメリ
カ以外からも様々な留学生が UCSD には来ていて、お互い英語が未熟だったこともあり、互いの
生活の仕方について意思疎通や理解がし切れず、互いのあり方を受け入れる前に、この相手はそう
いうものなのだと、無視に近い形で壁を作ってしまうこともあった。その内の大体とは引き続きコ
ミュニケーションを図ることで解決でき、交友関係を気づくことが出来たが、ルームメイトの一人
とはほとんど話すことさえかなわなかった。
これは前述の英語運用能力以前の大きな課題であり、いくら実践的な英語運用能力がついていよ
うと、長期留学の時に同様の問題が生じると、周りに助けを求められず、そこでしか得られないだ
ろう友人を作る機会もなくなり、その結果生活上大きな障害が起き、最悪何のために留学に行った
のかさえ分からなくなるだろうことは疑いようもない。
この経験を踏まえて、今後は相手に積極的に関わり、その相手を受け入れていく姿勢を作る必要
があると考えている。その姿勢を作るためのプロセスとして、先述のように留学生との交流サーク
ルに入るなどして、様々な国の人々との意思疎通を図れるようにする他、アメリカでしたようにイ
ンタビューを主体としたアルバイトをするなどして、自ら様々な考えを持つ人々に積極的に関わっ
ていくように、自らの日頃の姿勢を矯正する形にしてでも変えて行かなければならない。
3. 行動力
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、自ら SAP メンバーの役に立ち動こう
と積極的に行動し、また前述と重複するが、インタビューの形を含め、現地の人々と齟齬なく意思
疎通できるようになったことである。
アメリカに着いて数日して、UCSD の下見に SAP のグループで向かったが、そこで様々な調べ
不足から、最終バスを逃してしまった。しかし、私は携帯を海外でも自由に使える設定にしていた
ことが幸いし、地図を使いグループ全体を無事寮まで帰還させることが出来た。
このように、自らがすべき役目を自らすすんで発見し、メンバーの助けになるように自ら動くこ
とができるようになった。今までの消極的で、誰かに要請されなければあまり動かなかった自分と
比較すると、これは大きな進歩であると考えている。
インタビュー含む現地の人々との交流は、授業の一環としてせざるを得ない形に置かれたのもあ
ったが、いざ話してみると分かりやすい英語で話してくれて、ネイティブと比べるとどうしても劣
る自分の語彙でも話が弾んだ。
しかし、この分野においても課題は残っており、インタビューの課題がなかったら、自ら現地の
人間に積極的に関わることがあったかと言われると疑問に思わざるを得ず、前述のルームメイトと
話せずに終わってしまった件もあり、必ずしも自分が積極的になってきているとはいえない。
この経験を踏まえ、前述と同じく留学生との交流サークルに入ったり、インタビューを主とした
アルバイトに挑むなどして、国籍いや言語の違う人も含め、様々な考え方を持つ人々に積極的に関
わっていくようにしたい。そのような活動を今まであまりしてこなかったので、最初はうまくいか
ないと考えるが、次第に着実に慣れていき、自分は本当に積極的であるといえる自信を作っていく
必要がある。
4.まとめ
以上のことをまとめると、成長点は、実用的な英語力がある程度身についたこと、現地のあらゆ
る環境に適応し、それらを受け入れ楽しめたこと、仲間の役に立とうと自ら行動し、現地の人々と
齟齬なく意思疎通する行動力を得たことである。また、見出された課題は、実用的な英語力がまだ
十分ではなく、自分で考えることもなく日本人がいるところに向かい、結局英語を使わなくなる程
度には主体性にも欠けること、互いの違いを理解するための意思疎通に齟齬が出るような場合、相
手を理解する以前に拒んでしまう場合があること、強いられるような原因がないと自ら行動できず
に終わる可能性が未だにあり、真に積極的な行動力があるとはいえないことである。
これらの課題のいずれも、長期留学の計画上解決する他ないものである。解決の手段としては、
留学生との交流サークルに入る、再び SAP に赴き、今度は自ら計画を練って動き、現地の人々と
積極的に関わるようにする、他人と積極的に関わるようなアルバイトを始めるなどして、英語の実
践を絶やさないこと、そして考え方や言語、そして国籍が違うような人とも、抵抗なく話せるよう
な人間に成れるようステップアップしていくことが挙げられる。
成長点が少なからずあることから、決してこの研修は無駄ではなかったと信じている。これらの
得られた長所を腐らせず、研修を無駄にしないためにも、これからより積極的に長期留学の目標に
邁進していく必要がある。そのためにも、まずは今回明らかになった課題を、先述の具体策に則り
速やかに解決していきたい。
UCSD を振り返って
山下莉奈
1.自己の言語運用能力
UCSD のプログラムに参加するにあたって、私の目標は現地での活きた英語を学び、少しでも使
えるようになることでした。実際に一か月間、大学のクラスメートやルームメートとの交流は英語
で行うことができましたし、現地での生活全般で用いるような初歩的な英語には苦労することがあ
りませんでした。毎日英語を使って生活はしていましたが、学校とシェアアパート以外の場では同
じ SAP メンバーと行動を共にすることが多く、日本語も同じくらい頻繁に用いていました。
自分の英語力に関してまだまだだなと感じたのは、英語が母国語ではない人との意思疎通が難し
かった点です。英語を母語とする人は私の英語に対して推測を加えて言葉を継ぎ足してくれるため、
私は正しい言い回しを覚えることができ、かつコミュニケーションもある程度自由の利くものにな
っていました。しかし、英語が互いに流暢ではない者同士の会話となると、会話の内容として分量
の多い会話がままならず、苦戦しました。簡単な言葉や分に言い直すことはできるのですが、相手
の言っていることを汲み取れるまでの英語力はありませんでした。
この経験を踏まえて、もっと英語を自然に使えるようになりたいと考えました。専攻している学
問を踏まえると、国内でも英語を用いる環境に身を置いて、研究目的の長期的な留学に備えること
が一番の道と考えられます。留学生のサポートやサークル活動などを最大限活用していきたいと考
えています。
2.異文化適応
異文化適応に関しては、まったく難しいと感じるものがありませんでした。大学の先生も折に触
れてマナーや慣例について教えてくれましたし、ルームメートも互いに不慣れなことを知っている
ため互いに教え合うことができました。異なる文化が存在するとは言っても、日本の食事は欧米の
ようですし、洋楽やアメリカの TV 番組なども日本で容易に見たり聞いたりすることができるので
ある程度知ったうえで渡米したことが大きかったと思います。チップに関する感覚は全くわかりま
せんでしたが、合理化の進んでいるアメリカではクレジット支払でチップまで済ませることができ
たので、特に難はありませんでした。
あちらの文化で素晴らしいと思ったことは、相手の不手際やミスに対する指摘はするものの、そ
こに後ろ向きな感情が全くないことです。特に飲食店を利用したときに思ったのですが、日本のよ
うに対応が遅いとか配膳が遅いとか客が文句をつけるような雰囲気の店はなく、どこも笑顔ではき
はきとした店員さんばかりでした。日本の飲食店では従業員よりも客が偉いという関係に疑問を抱
いていました。アメリカでは対等な立ち位置でサービスを行っているところが多く、日本にもこの
ような考えを取り入れることができればいいと強く思いました。
アメリカでの経験を踏まえて、人と交流するときに重要視することが変わりました。それまでは
人に失礼のないように気遣い、敬うことを考えていましたが、今では何がこの会話の主題なのかを
とらえ、問題をクリアにすることができるようになりました。このような視点・考え方は今後も維
持していきます。
3.行動力
私が一番行動力を発揮したのは、SAP プログラムへの応募です。これまで自分で働いて貯めた蓄
えの大部分を失うことになりましたが、あの時の決意は今でも称えます。
サンディエゴでの一か月間は自分で考え、自分で行動する日々でした。最初の一週間ほどは SAP
のメンバーで団体行動をとっていましたが、徐々にそれぞれ小さいグループに分かれていきました。
実際に少人数のほうが行動にかかる時間と労力が少なく、理に適っていました。少人数での行動で
はそれぞれのメンバーの意思を表示し、決定し、行動に移すという繰り返しでした。英語でのコミ
ュニケーションでも、自分の意思を表明し、行動になんらかの影響を及ぼすことはできました。地
元の人に道を訊かなくてはいけない、商品を注文しなくてはいけないといったシチュエーションで
は率先して前に出ました。
この経験で感じたことは、積極的に行動した分はしっかり自分に返ってくるということです。今
後はこの経験を自分の実習や進路の決定に用いたいと思います。
SAP UCSD プログラムを通して
千原 将一
1.
自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことは、サンディエゴで英語でコミュ
ニケーションを取り、日本人以外の友達と交流することです。現地では英語の授業の中で、様々な
日常会話に使え得る英語を学んできました。授業の内容は法律やホームレスなど、日常に関わる重
要な語句や表現が扱われ、実践的なアクティビティを通して様々な英語を習得してきました。また、
その中で同じクラスの友達と英語を用いてコミュニケーションを行い、英語で他文化の学生と会話
をすることの難しさと楽しさを知りました。グループワークでは日本人以外も含んだグループで英
語で会話をし、新しいビジネスを開拓しクラスにプレゼンテーションをするといったことを行った
り、アメリカの文化について発表したりするものもありました。日本語で議論するとしても難しい
内容のものを英語で行うことに最初は難しさを覚えましたが、最終的には授業の先生から何度もグ
ループリーダーを任されるようになり、ファシリテーションのような能力も少しつかめたように感
じました。クラスの宿題では「アメリカ人に質問をする」といったことを何度も行い、周囲にあま
り自分の知り合いのいない環境の中でも自ら積極的に話しかけに行くことができるようになりま
した。ビーチに行き休んでいる人に話しかけた時にはとても親身になって宿題に協力してくれ、宿
題とは関係のないようなことまでいろいろと話していただく機会もありました。留学に行くまでは
英語で会話を行うのに少し躊躇していた自分がいましたが、この留学を通して、英語を日本人の前
でも少しは積極的に使えるようになったと思います。英語で理解し英語で考え英語で発信するとい
った英語脳を少しは蘇らせることができたのかなと思いました。
この経験をふまえて、今後は東北大学の中でも積極的に国際交流の機会を見つけて足を踏み入れ、
英語での会話や国際交流を行っていこうと考えています。特に、研究室に 1 名ブラジルからの留学
生がおり、彼は国際交流のイベントによく参加しているので、何かイベントがある際には紹介して
もらったり彼の友達の輪の中にも入っていって友達の輪を広げられたらと思います。また、国際交
流サークルのイベントにも足を踏み入れようと思います。留学前にすずめ踊りの国際チームの練習
に行き、そこでも外国人の友達が多くできたので、今年の 5 月にはすずめ踊りを通して国際交流を
行い、英語でのコミュニケーション能力を持続させていければと思います。また、将来はもともと
の夢であった、海外赴任のある企業への就職を考えていますが、その夢が留学を通してさらに大き
く膨らみました。これを実現させるためにも企業選びの際は国際的な企業を見つけ、就職した後も
積極的にその機会を見出せるように勉学に励んでいきたいと思います。企業の職種については、他
国に多く関わることのできる航空系を目指したいと思っています。小学校後半から高校に入学する
まではカナダに住んでいたのですが、日本人学校がなく、平日は現地校に現地の学生と同じ立場で
通っていました。中学校 2 年生の時から空港の近くに日本の帰国子女向けの進学塾ができたのです
が、週末の土曜日にそこに通って日本語の維持をしていました。空港の近くにあったため、勉強が
終わると両親に飛行機が良く見える場所に連れて行ってもらい、そこで航空系に惹かれたのも理由
の一つです。現地に住んでいる際に、航空会社の系列で海外赴任をされている方がいたので、その
ような職種に就き、将来自分が家庭を持った時には家族で海外に赴任し、子供の生活を含め、これ
まで培ってきた英語の力で家庭を助けていきたいと思っています。その考えが、今回の留学を通し、
現地で生活を送る中で何度も頭に浮かんできました。そういう意味でも、今回の留学は単に英語力
を伸ばすためではなく、将来設計をも考えることのできた、とても価値あるものとなりました。
2.
異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、英語の全く話せないルームメイトと
コミュニケーションをとったことです。ステイしていた部屋はシェアハウスのようなアパートメン
トだったのですが、そのルームメイトの 3 人中 2 人は中国人で、初めての他文化の人との共同生活
でした。うち一名は英語が全く分からなかったため、英語での会話を成立させるために様々なジェ
スチャーを用いたりして交流しました。最初は全く言いたいことが伝わらず、また、向こうは英語
を使えず中国語で返事をしてくる始末で非常に困りましたが、最終的には冗談を言い合って笑いあ
えるような関係にまでなり、とてもいい国際交流ができたと思います。アメリカにいながら本場の
中国料理をごちそうになったり、逆に日本人で寿司やカツ丼を作って互いの文化を共有したりしま
した。中国人の友達が友達を呼び、サンディエゴでの生活のうち 7 割以上は中国人の友達たちと大
勢で夕食を共にしていました。その中で英語だけでなく中国語をも学び、日本と違う文化に気づき
驚き、楽しんできました。食べ物も全く違って、初めて豚足を用いた料理をも食べました。海外の
環境も日本とは全く異なり非常に興味深かったです。標識から交通ルール・町の中心部の雰囲気が
違う中で生活し、最初は土地勘がなかったため戸惑いましたが、慣れていく中で日本との違いを楽
しめるようになりました。ルームメイトが運転する車で何回か出かけたりしましたが、高速道路が
無料であったり、赤信号でも右折できるルールがあったりと、とても懐かしさを感じました。また、
サンディエゴはメキシコに隣接しているため、メキシコ料理が非常に多く身の回りにありました。
普段は全く親しみのないメキシコ料理でしたが、食べているうちにその美味しさに感化され、今で
はとても恋しく思います。食生活も含め、生活には適応してこれました。
この経験をふまえて、今後は様々な国に足を運べたらと思います。アメリカとカナダにしか行っ
たことがないため、「世界」と聞いたらその両国が真っ先に思い浮かんでしまいます。それぞれの
国によって生活スタイルや雰囲気も異なるため、東南アジアなどの国々に足を運び、海外ボランテ
ィア活動などに挑戦することによって自分の視野をさらに広げて行ければと思います。大学生活と
いう社会人になる一歩前の準備としてできるだけ視野を広げ、幅広い考えを持てるような大人にな
りたいと考えています。そして幅広い考えを持てた時にはそれを自慢したりその考えに頑固になっ
たりするのではなく、あくまでも客観性をもって周囲の方々と関係を気付いていきたいと思います。
また、将来自分が就職し、家庭を持ち、その家庭と共に海外赴任する際にはこの経験を活かしてい
きたいと考えております。自分一人だけでない海外生活というのは多くの不安を一緒に行く人に生
じさせてしまいますが、これまでの経験を基に、食生活を始めとした生活スタイルを僕がリードし
て、互いに協力して海外赴任を成功させることができたらと思います。
3.
行動力
行動力に関して、私が SAP を通して達成したことは、リーダーシップです。僕は UCSD プログ
ラムのグループリーダーだったのですが、その中で様々なことを学ぶことができました。僕は海外
生活の経験があったので他の学生よりは知識があったと思います。海外という皆が慣れない土地で
グループをまとめていく事には何度も難を覚えました。最初は一つ一つのグループをまとめるため
の諸連絡にレスポンスがあったのですが、人間関係の慣れもあるかと思います、最後の方には 1 つ
あればいい方でした。現地で東北大生はクラス分けを元にいくつかのグループに分かれて行動をそ
れぞれ行うようになったのですが、途中では学生がはぶられてしまうことがあったりしたため、も
のとグループの学生数名に個人的に働きかけて、その一名が希望していた元のグループへの再所属
を達成することができました。留学が 2 週間過ぎたことには過度の慣れが学生の間で多く見られた
ため、最後海外の治安の悪い面を全体に共有することも行いました。財布の中の現金を全てとられ
てしまったり、わいせつ行為に巻き込まれる学生もいましたが、みなで無事に日本に皆で帰って来
れたことにはとても安心しました。最後の方ではリーダーとして学生に関わる際と、一メンバーと
して友達として関わる際の立場のメリハリをしっかり使うことができるようになったと思います。
今回、過度に学生の自由な活動を制限するような権力は僕にはありませんし、する理由もありませ
んでしたが、一つリーダーとして幅広い視野を持って留学を終えられたことはとても大きな成長に
なったかと思います。リーダー以外の個人的な活動の行動力に関しても、様々なことを行いました。
ルームメイトを始めとした日本人以外の学生と交流するために夕食会を何度も企画し成功させて
来ました。とても良い交流ができ、様々な文化を知られて良い経験となりました。また、日本人の
グループで観光していた際の帰りに夜のダウンタウンで迷ってしまうこともありましたが、お酒が
はいったであろう変な人に絡まれた際には僕が対応して危険を回避し、安全な人に道を尋ねて無事
に家まで帰ることもできました。特に日本人グループでどこかへ出かけるときには、交通機関やそ
の時間などを調べることをほぼほぼ僕が行い引率していました。みなで話し合って決める際にはフ
ァシリテーターのような立ち位置になり、みなで協力し合って現地での生活を送り、観光を行った
りすることができました。学校の授業でグループワークがある際には先生にグループリーダーを頼
まれ、授業内でもそのようなファシリテーションを行うことができました。最後のプログラムの修
了式では、4 週間プログラムに参加したすべての学生の前で派手なことを行うことを先生から当日
頼まれましたが、無事にやり遂げることができました。それを通して気に入ってくれた学生もおり、
帰国直前であるにもかかわらず、さらに友達が増えました。
この経験をふまえて、今後はリーダーシップを取る必要のある機会があれば積極的に行動し、他
の学生とのバランスを見ながら自分のできることを行っていきたいと考えています。また、今回の
留学ではまだまだ至らない面もあったので、様々な書籍や経験を通してさらに全体に信頼される、
良いリーダーとなれるように励んでいければと思います。
写真
先生の提案で授業の代わりにベースボール。
アメリカ人にアメリカの文化について質問するホームワークがありました。
(ナンパではありません)
ベースボール好きの先生とツーショット。
UCSD のガイゼル図書館。建造物としても有名です。