神経系障害の特性と対応

神経系障害の
特性と対応
科目名
桐山 希一
浦山 修
高尾 敏文
教員名
学科等
理学療法
曜日・時限等
必修
時間割参照
オフィスアワー
月
履修年次
3
単位数
2
13:00~16:00A308(桐山)
授業概要
脳血管障害、パーキンソン病や脊髄小脳変性症を初めとした神経変性疾患、各種の神経・筋疾患によって引き
起こされた運動障害を治療するにあたり、理学療法士は生じている症状をよく診察して症状に応じた治療を行う。
神経症状は、目で見えるそのままをただ観察すればよいのではなく、その背景となる病態や発症のメカニズムに
ついての知識をもつことによって初めて正確に症状を理解し、評価が可能となる性質のものである。この科目で
は、神経学および神経内科学の領域のなかで、とくに理学療法評価および治療を実施する際に必須の知識に
ついて扱う。
準備学習
予め授業の内容をよく理解して、これまで既に学んだ解剖学用語や神経生理学的な知識のうち関連する
箇所については事前に予習しておくこと。既習項目については「理解していることを前提」として授業を進める。
回
授業項目
1
脳血管障害(1)
脳血管障害の分類、病態について理解する。
2
脳血管障害(2)
脳内出血、くも膜下出血の病態、症候、検査、診断および治療について理解する。
脳の血管系について復習しておくこと。
3
脳血管障害(3)
脳梗塞、一過性脳虚血発作およびその他の脳血管障害の病態、症候、検査、診断
および治療について理解する。神経経路とくに錐体路については復習しておくこと。
4
錐体外路疾患
5
脊髄小脳変性症
6
運動ニューロン疾患
7
脱髄疾患
8
末梢神経障害
9
脊髄疾患
10
脳腫瘍
11
感染性疾患
脳神経系の感染性疾患の原因、病態について理解する。髄膜炎、脳炎、プリオン病
および脳膿瘍などの病態、症候、診断および治療について理解する。
12
外傷性疾患
脳神経系の外傷性疾患の病態について理解する。頭部外傷、脊髄損傷、末梢神経
損傷の病態、症候、診断および治療について理解する。
13
機能性疾患
機能性疾患について理解する。てんかん、頭痛およびめまいなどの原因、病態、症
候、診断および治療について理解する。
14
認知症
認知症の疫学、分類、病態について理解する。アルツハイマー病、血管性認知症お
よびその他の認知症疾患の病態、症候、診断および治療について理解する。
15
総合・まとめ
授
業
計
画
成績評価の
方法・基準
教科書
参考図書
教員からの
メッセージ
学習内容・到達目標
錐体外路症状、および、その病態について理解する。パーキンソン病の病態、症
候、診断および治療について理解する。大脳基底核について復習しておくこと。
小脳症状、および、その病態について理解する。脊髄小脳変性症の分類、病態、症
候、診断および治療について理解する。小脳の機能解剖について復習しておくこ
と。
上位および下位運動ニューロンの症状および病態について理解する。筋萎縮性側
索硬化症の病態、症候、診断および治療について学ぶ。脊髄反射弓について復習
しておくこと。
脱髄疾患の病態について理解する。多発性硬化症の病態、症候、診断および治療
について理解する。神経伝導・伝達のしくみについて復習しておくこと。
末梢神経障害の原因、分類、病態について理解する。ギラン・バレー症候群、遺伝
性運動性感覚性ニューロパチーなどの病態、症候、診断および治療について理解
する。
脊髄障害による神経症候について理解する。脊髄疾患の原因、病態、症候、診断
および治療について理解する。上行性・下行性を問わず脊髄レベルの神経路につ
いて予習しておくこと。
脳腫瘍の分類、病態、症候、診断および治療について理解する。
まとめ
各担当教員より出題される期末試験により評価する。
『神経内科学第4版(標準理学療法学・
作業療法学専門基礎分野)』
『脳神経疾患ビジュアルブック』
奈良 勲(著)
医学書院
森田 明夫, 吉澤 利弘 編集
学研メディカル秀潤社
『病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経』
医療情報科学研究所 編集
メディックメディア
神経系障害の理解は基礎となる知識からの積み重ねです。分からない事項をそのままにしておくと、
後の学習が成立しなくなってしまいます。
分からないことがあったら質問や相談をして、すぐに解決する習慣をつけてください。