平成26年度学生活実態調査施結果報告(大学への満足度と要望)

平成 26 年度学生生活実態調査実施結果報告
(大学への満足度と要望)
調査概要
本学では、
「学生の日常生活および勉学への取り組み状況を把握し、キャンパスライフの質
の向上を図るための基礎資料を得ること」を目的として「学生生活実態調査」を実施してい
る。設問項目は 7 つのカテゴリからなり、平成 19 年度より 4 年ごとに全カテゴリを含む調査
を実施し、その間の 3 年間については、
「大学への満足度と要望」を抜き出したサブセット版
での調査を行っている。本報告は、サブセット版での調査報告である。
なお、平成 22 年度に開設された看護学科で全 4 学年がそろったのは昨年度からである。そ
のため、昨年度と比較することがあるが、平成 23 年度の全カテゴリ調査時の数値も付してい
ることもある。
調査の対象は全学部生で、後期ガイダンス(平成 26 年 9 月 11 日)の折に実施された。全体
の回収率は 80.5%(昨年度 81.1%、平成 24 年度 80.7%、23 年度 80.4%)であった。看護学科
89.9%、リハビリテーション学科 87.6%と 9 割近い一方で、総合政策学科と建築環境デザイ
ン学科は 64.4%、62.1%と 6 割強にとどまる学科もある。ゆえに、回収率の低い学科の調査
結果は、高い学科と比較して実態を反映していない可能性を留意するべきであろう。
回答者の学科構成(問 1)は、
リハビリテーション学科の 39.4%を筆頭に看護学科が 18.7%、
保健福祉学科が 17.8%と続き、医療福祉学部合計で 75.9%(昨年度 72.4%)を超え、医療福祉
学部学生の意向が反映された結果になっているものと考えられる。
回答者の男女割合(問 4)は、総計では男子学生 52.5%、女子学生 46.2%であり、男子が
やや多い構成となっている。ただし、学科により大きく異なる。女子の比率は、看護学科で
は 80%を超え、一方、非医療系学科では、総合政策学科 15.1%、知能情報システム学科 5.0%、
建築環境デザイン学科 19.4%と低い。
入学理由(問 5)では、
「1.学びたい学部・学科・専攻があったから」が全学科に共通して高
く、総計では 70.8%(昨年度 69.7%、平成 23 年度 63.8%)である。特にリハビリテーション学
科と看護学科では、81.7%(昨年度 83.5%)
、81.4%(昨年度 79.6%)と昨年度同様 8 割程度
と高い。保健福祉学科は 66.6%(昨年度 76.5%)で下がったが、低かった非医療福祉系学科
では昨年度に比べ上昇した。総合政策学科 41.8%(昨年度 34.9%)、知能情報システム学科
58.4%(昨年度 47.3%)、建築環境デザイン学科 56.3%(昨年度 47.4%)となった。一方で「10.
不本意だったが入学した」を選択した回答者は総計で 15.4%(昨年度 18.8%、平成 23 年度
17.3%)である。総合政策学科が 25.5%、看護学科が 22.2%と高い。看護学科は「学びたい学
部学科があったから」と「不本意」のどちらも高い割合だが、総合政策部は「学びたい学部
学科があったから」が低く、
「不本意」が高い。また、
「9.保護者、先生、知人に勧められた
から」が 19%(昨年度 16.5%、平成 23 年度 12.7%)となり、
「不本意」を超えて、2 番目に高
い理由となった。
1
調査票の設問項目は「教育施設・設備」に関するもの(問 6〜問 14)と「学生サービス・
厚生施設」に関するもの(問 15〜問 22)、総合評価(問 23)から構成されている。問 6~問 21
は、5 件法(そう思う・ややそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・そう思わ
ない)で尋ねた。
「そう思う」と「ややそう思う」の合計を肯定的回答、
「あまりそう思わない」、
「そう思わない」を否定的回答として集計した。問 22 並びに問 24 はそれぞれ「大学にあれ
ばよいと思う施設・設備」、
「大学への要望や意見」に関する自由記述から、学生の要望を分
析し、コメントを記している。
1.教育施設・設備について(問6~問14)
「問 6.机の大きさや使い勝手は十分である」では、肯定的回答は 56.2%、「問 7.椅子の大
きさや使い勝手は十分である」では、肯定的回答が 55.1%である。
「問 8.証明設備の明るさ」については、肯定的回答は 80%を超えている。
「問 9.授業の空き時間に自由に利用できる教室がある」については、肯定的回答が 52.5%
で、昨年度の 47.5%と比較すると 5 ポイント評価が高くなっている。「問 10.実習・実験・各
種作業室では、専門分野の学習研究に十分な環境が備わっている」については、肯定的回答
が 62.2%(昨年度 56.7%)で、学科による差が大きい。リハビリテーション学科、建築環境
学科では、肯定的回答が 75%前後である一方、総合政策学科で肯定的回答が 44.1%と他学科
に比較すると低い。
「問 11.図書館が充実している」については、総計における肯定的回答が 57.9%(昨年度
55.0%)であるが、 リハビリテーション学科、建築環境学科では、肯定的回答がそれぞれ、
62.⒍%、66.1%と 6 割を超えている。看護学科は、51.0%とほかの学科と比較して低いが、
昨年度の 42.5%から 8.5 ポイント上昇した。総合政策学科も、昨年度の 50.9%から 8.8 ポイ
ント上昇し 59.7%となった。「問 12.図書館のサービス等、利用しやすい」については、肯定
的回答が 51.1%で半数を若干超えた(昨年度 45.8%)
。
「問 13.自由にパソコンを使うためのサービスが整っている」については、肯定的回答が
59.9%(昨年度 53.3%)である。
「問 14.自習室やゼミ室等、遅くまで大学で学習・研究作業ができる」については、肯定的
回答が 50.6%(昨年度 49.8%)でほぼ半数である。
2.大学への満足度と要望(問15~問21)
「問 15.学生ポータルサイト「UNIPA」や掲示板等連絡網は有効性である」では 48.2%(昨
年度 45.3%)の学生が肯定的にとらえており、「問 16.学生総合サービスセンターは利用しや
すい」では、39.8%(昨年度 37.9%)の学生が、また「問 17.職員の学生に対する姿勢は適切
である」では、59.7%(昨年度 55.3%)の学生が肯定的に回答していた。
「問 18.学生同士が語り合える場所が整備されている」については、56.9%(昨年度 51.7%)
の学生が、肯定的に回答していた。
「問 19.食堂は利用しやすい」に関しては、54.2%(昨年
度 58.6%)が、「問 20.購買(セブンイレブン)は利用しやすく・適当である」については、
2
70.5%(昨年度 70.6%)の学生が肯定的な回答をしていた。
昼食時にどの施設を利用するかは、全体で 56.6%の学生食堂が最も多く、次にセブンイレ
ブンが 52.9%であった。第 3 位は講義室で 24.8%、第 4 位は専門学校食堂で約 21.9%であっ
た(昨年度 65%、54.7%、24.1%、23.9%)
。
授業以外に主に利用する施設・場所は、全体では図書館が一番多く、44.4%であったが、
学生食堂 34.2%、セブンイレブン 28.1%、学生ホール 24,1%と続く(昨年度 41.3%、36.5%、
26.3%、25.2%)
。
3.総合評価(問23)
総合評価は「大変満足している(7.0%)」
、
「だいたい満足している(57.6%)」と 64.6%の学生
が肯定的に考えていることがわかる。平成 23 年度では 57.7%,平成 25 年度では 61.8%の学
生が肯定的であり、若干改善傾向にあると言える。学科別に見た場合、建築環境の満足度が
極めて高く 79.1%が肯定的な意見であった。他の学科についても特に満足度が少ない学科は
無く、学科の違いによる満足度の差はほぼ無いと言える。
各学科の肯定的な意見の割合を平成 23 年度および 25 年度と比較したものを下表に示す。
全ての学科で満足度が上昇している。平成 23 年度に半数を割った学科はいずれも 10 ポイン
ト以上の大幅な上昇を示しており、この 3 年間で少しずつではあるが学生のニーズに合せた
改善が成されていることがわかる。ひきつづき学生のニーズを見極め、より多くの学生が満
足できるよう努力したい。
表:肯定的な意見の割合
学科名
平成 26 年度 平成 25 年度 平成 23 年度 増減(対平成 23 年度)
リハビリテーション
66.3%
68.4%
65.8%
+0.5%
看護
59.7%
52.6%
48.5%
+11.2%
保健福祉
64.6%
61.3%
62.1%
+2.5%
総合政策
62.6%
53.2%
48.5%
+14.1%
知能情報システム
64.3%
64.4%
44.8%
+19.5%
建築環境
79.1%
68.4%
58.7%
+20.4%
全体
64.6%
61.8%
57.7%
+6.9%
4.自由記述(問22・問24)について
休憩時間、特に昼食時に関する点についての不満が最も多い。学生が語り合える場所の整
備に関しては、カフェの新設などの要望が多くあるものの、昨年度より肯定的評価は 5 ポイ
ント上昇した。しかし、学生食堂については、毎日の食事に利用するということもあり、マ
ンネリ等で不満が出やすいところであるが、本年度は昨年度の業者と比較しての具体的な不
満が書かれており、早急に対策する必要があると思われる。関連する「問 19. 食堂は利用し
やすい」では「そう思う(22.5%)」
、
「ややそう思う(31.7%)」と肯定的な意見が 54.2%であり、
3
これは平成 25 年度の 58.⒍%から 4.2 ポイント減少している。
「そう思わない(7.5%)」、
「あま
りそう思わない(11.9%)」と否定的な意見は 19.4%であり、これも平成 25 年度の 15.0%から
4.4 ポイント上昇している。さらに、
「問 21. 昼食時は主にどの施設を利用しますか」では「学
生食堂(56.6%)」と、昨年度の 65.0%から 8 ポイント余り減少している。既に半数近くの学生
が学食の利用を「見限っている」ということなのかもしれない。
コンビニについては、内容そのものに対する不満は無いが、混雑と営業時間の短さに対す
る不満が多い。また、コンビニの増設およびカフェの新設を望んでいる声も多い。関連する
「問 20. 購買は利用しやすい」
では肯定的な意見が 70.5%であり、
これは平成 23 年度の 63.3%、
平成 19 年度の 52.8%に比べて著しく評価が高くなっていることがわかる。「問 21.授業時間
外に利用する施設」でも本年度は 28.1%であり、平成 23 年度の 23.3%、平成 19 年の 17.7%
と 7 年間で 10 ポイントの上昇であり、学生のニーズにマッチして改善されていることがわか
る。それらを総合すると、短い昼食時間で,食堂の質に対する不満からコンビニ利用者が増
え、それが混雑に繋がり、コンビニおよびカフェの増設の要望に繋がっていると考えられる。
自習室の不足も長年の課題となっているようである。図書館の利用時間の延長、自習室の
増設の意見が多い。関連する「問 21. 授業時間外に利用する施設」では図書館(44.4%)、学生
ホール(24.1%)となっており、平成 19 年度の図書館(31.9%)、学生ホール(38.9%)と比較する
と、学生ホールの利用割合が減り、図書館の利用が増えていることがわかる。静寂な自習環
境を望む学生が増えていることが伺える。特に医療系の学生は国試対策のこともあるためか、
図書館の利用に対する意見が多い。
早朝,放課後の図書館および事務利用を望む声も多い。1 時限から 5 時限までフルに授業
が入っている学生が多く、また昼休みは前述したとおり食事を取るのも一苦労ということで、
学生が適切なサービスを受けることができなかったことが伺える。時間外にこれらの施設を
利用できるようにするには、職員の確保など困難が予想される。やはり根本的な問題は昼食
時間が有効に活用できないことであると言える。
以上,全体を見ると学食の利用環境が悪く、そのため購買の利用状況が増加し、結果的に
食事スペースにまで不満が出ているという印象である。早急に昼食環境の改善が必要である。
最後に禁煙指導室について記しておきたい。平成 25 年度後期より、禁煙指導室を設置し、
今回初めての調査となった。禁煙指導室および利用者のマナーに関する苦情が自由記述に見
られるが、これまで多くあった喫煙場所設置を望む意見(昨年度は 40 件以上、平成 23 年度
では 100 件余り)は、設置後の今回はほとんど見られない。
4