P- -1 前希釈 on-line HDF での置換液流量の違いによる循環動態 の

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前希釈 on-line HDF での置換液流量の違いによる循環動態
の比較
医療法人 清陽会 ながけクリニック
○門崎弘樹、武田典明、藤中正樹、逸見典子、清水有加、岡本大地、
三田大輔、松本和広、櫻本耕司、長宅芳男
【目的】前希釈on-line HDF施行時の置換液流量(QF)の違いによる循環動態を比較し検討
した。
【対象・方法】同意を得た維持透析患者にMFX-21Seco、血液流量250ml/min、透析液流量
500ml/min、4時間の前希釈on-line HDF QF12L/hで開始し、治療開始60分後にQF0L/h
へ変更した。その後1時間毎にQF12L/hとQF0L/hを交互に切り替えて施行した。評価項目
は、治療中の収縮期血圧、クリットラインモニター(CLM)で測定した循環血液量(BV)、
酸素飽和度、血漿浸透圧、治療開始60分と70分のクリアランス、また末梢血流評価として
皮膚潅流圧を測定した。透析排液は、1時間毎の除去量を測定するために部分貯留した。
【結果】
アルブミン漏出量は、治療開始2時間目のQF0L/h時がAlb0.26±0.06g、3時間目のQF12L/
hが0.3±0.01gと両者に差を認めなかった。CLMで測定したBVの値に近似した直線の傾きは、
2時間目のQF0L/hと比べ3時間目のQF12L/hが緩やかな下降、もしくは上昇を見せたが差
があるとは言えなかった。
【考察】
今回の評価項目からは、置換液流量の違いによる循環動態の差は見られなかった。これは
対象者が治療中に安定し、大きな膜面積を使用したことも影響したと考えた。今後は対象
者の選択や、評価項目の検討し引き続き課題としていきたい。
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後希釈 on-line HDF において補充液量の変更を必要とした
2例
医療法人 清陽会 ながけクリニック
○岡本大地、門崎弘樹、武田典明、藤中正樹、逸見典子、清水有加、
三田大輔、松本和広、櫻本耕司、長宅芳男
【症例】
症例1は56歳女性、FIX-210Sで前希釈on-line HDF(Pre-OL)、補充液量(Qs)12L/h、
血液流量(QB)250ml/min、透析時間4.5時間で施行中であったが、後希釈(Post-OL)
Qs=4L/hへ変更した後に透析後の倦怠感が出現した。Qs=2L/hへ変更したところ改
善した。Pre-OLのアルブミン(Alb)漏出量は4.9g、Post-OL Qs=2L/h 4.7g、Qs=
4L/h 8.9gであった。
症例2は50歳女性、MFX-21SでPre-OL、Qs=12L/h、QB=250ml/min、透析時間5
時間で施行中であった。Post-OLのQs=4L/hへ変更した初日に透析中の血圧低下と透
析後の倦怠感が出現したためQs=2.5L/hへ変更、その後は倦怠感、血圧低下は見ら
れなかった。Pre-OL、Qs=12L/h時のAlb漏出量は5.9g、Post-OL Qs=2.5L/h 6.3g、
Qs=4L/h 10gであった。
【まとめ】
今回の症例ではPost-OL Qs=4L/hで倦怠感や血圧低下が出現しQs=2~2.5L/hへ変
更すると症状は改善した。Alb漏出量の許容量には個人差があるためPost-OLでは個々
に合わせた細かなQs設定が必要である。
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On-line HDF が循環動態に与える影響
-Na バランスに着目して (医)さとに田園クリニック 臨床工学科1)、
(医)さとに田園クリニック 腎臓内科2)、
(医)さとに田園クリニック 泌尿器科3)
○南條友典1)、長岡高広1)、宮田俊哉1)、中村慎也1)、西谷美香1)、
福本真理絵2)、太田匡彦3)
【背景】
On-line HDFは診療報酬改正に伴い適応病態の制限が撤廃されたことから、施行患者数
は増加傾向にある。そして、On-line HDFの様々な臨床効果は生命予後の改善に期待が
もたれている。その効果の1つに透析低血圧の改善が挙げられるが、これはHDに比べ
血漿浸透圧の変化が緩徐であるためと推察されている。その機序はNa負荷の影響が示
唆されているが、いまだ明確な結論に達していないのが現状である。そこで我々はOnline HDF治療中のNaバランスに着目し、補液による希釈やフィルタでの濾過等による
Na平衡が循環動態に与える影響について検討を行ったので報告する。
【対象・方法】
当院維持透析患者8名(男性3例、女性5例、平均年齢61.4±5.1歳、平均透析歴10.5±
9.8年)を対象とし、ABH21P(旭化成メディカル社製)を用いQB250~300ml/min、
QS250 ml/min TQD500ml/min、治療時間4時間の前希釈On-line HDFを施行した。
評価指標は血液側、透析液側、排液側で測定されたNa収支とした。検体採取は透析前
後ならびに透析開始1時間後、2時間後、3時間後に脱血側、静脈側に加え希釈の影
響を確認するため補液後の3点とした。また、部分貯留法にて排液を採取した。
【結果・考察】
現在評価中のため結果、考察は本研究会で報告する。
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高齢者における前希釈オンライン HDF の効果について
医療法人 中央内科クリニック
○宮崎浩一、平岡 修、宮本照彦、直江留美、国近秀美、大月みゆき、
山田敬子、上田千賀子、草野由恵、川合 徹、川合 淳
【目的】2012年4月より前希釈オンラインHDF(OHDF)に対する保険点数が認めら
れOHDF施行患者数は急増している。しかし、高齢者に対するOHDFの有用性につい
て報告された研究は少ない。そこで今回、高齢者OHDFの効果について、血液透析患
者(HD)と比較検討した。
【対象と方法】対象は2013年5月の時点でOHDF(10名)あるいはHD(35名)を施
行中の75歳以上の患者45名。観察期間は18ヶ月。OHDFの導入理由は搔痒、関節炎、
貧血、慢性炎症、レストレスレッグ症候群であった。原則観察期間中に濾過液量、透
析膜は変更していない。観察項目はDW、BMI、Alb、コリンエステラーゼ、脂質、
TIBC、CRP、Hb、EPO抵抗係数、Kt/V、nPCR、パフォーマンスステイタス、透析
排液中のアルブミン量。
【結果】栄養面からみた臨床データではOHDF開始後の改善は認めず、HDに対する有
用性を示せなかったが、OHDF患者では導入の原因となった主訴(掻痒)の多くは改
善していた。
【結語】高齢者に対する前希釈OHDFは栄養状態の改善を認めなかったが、個々の症
状に応じたOHDFの選択は高齢者のQOLを改善させる。
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高齢者透析患者に対するオンラインHDFの効果に関する検
討
医療法人一陽会 イーストクリニック1)、
医療法人一陽会 原田病院2)、一般社団法人 広島腎臓機構3)
○木村優之1)、加島みゆき1)、烏田一義1)、花岡澄子1)、本丸忠生2)、
中園博司1)、有田美智子1)、賴岡德在1,3)
目的
オンラインHDF(以下OHDF)は血液透析と比較し中分子・大分子領域の溶質除去性能に優れており、様々
な合併症に対する発症遅延が期待されている治療法である。OHDFは年々普及が進んでいるが、適用患者は
一般的に若年者が多い現状にある。今回高齢者に対しOHDFがどのような影響をもたらすのか検討を行った。
対象
男性 2人 女性 5人 平均年齢 76.1±6.3歳
方法
HDFフィルター:TDF17M、ABH21F 血流量:194.3±22.6 ml/min 補液量:40L 治療時間:4時間とし、
kt/V、Hb、GNRI、nPCR、血清アルブミン、血清リン、補正カルシウム、ESA製剤使用量、治療前後及び治
療中の血圧を血液透析、OHDF変更前後で比較検討し、評価を行った。
結果
血清アルブミン、GNRIに有意差は見られず、栄養状態の増悪なく治療継続が可能であった。
その他の評価項目にも大きな変動はみられなかった。
考察
OHDFはしばしばアルブミン漏出が問題視されるが、漏出を抑えたフィルターを使用することで高齢透析患
者においても栄養状態を維持でき治療継続は可能であった。
結語
OHDFは高齢透析患者においても安全に行える治療である。
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