1坪トイレ 当会が発足した 2003 年頃です。 建築に携わるメンバーの方々を中心に行っていた会合があります。 当時、私たちは「転倒を予防するには何が大切か?」 その議論を行なっていました。 そして、会を重ねていく段階で分かったこと。 それは「高齢者の転倒の大部分は家庭内での発生」 そのためにも―幾つになっても安心して暮らせる住まいづくり― このテーマを みんなで少しずつ掘り下げていく作業に取りかかりました。 この会は、2002 年 12 月~2003 年 7 月までの約 8 ヶ月間、 毎週 1 回、2 時間のペースで欠かさず行ない、 そして出てきた結論の一つが「一生安心ハウス」でした。 色々な事情もあり、会はその時点で休止となりましたが、当時の議事録を再読するに、 なるほどと感じる点も多々あり、今後、順次参考になる部分に関して触れていければと思います。 建築に携わっていても、体の機能を熟知しているわけではなく、 理学療法士、作業療法士、ケアマネジャーさんたちからも情報を頂きました。 そして、ある時期から脊髄損傷の方が参加するようになり、内容は少しずつ具体化していきました。 一生安心ハウス構想の中にもでてまいりますが、彼の提案の一つに「一坪トイレ」があります。 「トイレは1坪、お風呂は 1.25 坪」彼の持論です。 車椅子での生活の彼の場合、一坪のトイレはトイレ内での車椅子での回転等も含めて、 非常に快適に利用する事が出来るそうです。 お風呂も同様です。 居間や寝室等を広く使いたいと思っている方々も多くいるでしょう。 しかし、彼にはその広さが必要だったのです。 我が家も、昨年家の改修を行い、1 坪トイレと 1.25 坪のお風呂にしました。 ただ、トイレ。現状では半分は物置になっています。 それでも、トイレを広くして良かったと思っています。 福祉用具相談員 寺岡 啓明
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