平成27年度屋外広告士試験 問 題 B 広告デザイン 試験時間:13:00~14:20(退出可能時間:13:50~14:10) 次の注意をよく読んでから始めてください。 1.これは試験問題Bです。表紙を除き14ページ20問あります。 2.問題はすべて必須問題です。 3.氏名・受験地はマークシート解答用紙に記入してください。 4.受験番号はマークシート解答用紙に記入し、該当する番号欄を鉛筆で塗りつ ぶしてください。 5.解答はマークシート解答用紙の番号欄を鉛筆で塗りつぶしてください。 6.1問に2つ以上解答した場合は正解としません。 7.解答を訂正する場合は、消しゴムでていねいに消して訂正してください。 8.解答用紙は退席の際に回収します。 9.この問題用紙は持ち帰っても構いません。 【問1】屋外広告物の掲出効果を示す指標であるDEC(Daily Effective Circulation)に関する記述として、適切でないものはどれか。 1.DECとは、国際的に統一された屋外広告物の掲出効果を推定するための指 標であり、日本が独自に開発した手法によるものが国際標準となったものであ る。 2.DECとは、「屋外広告物件前の一日の有効通行量、もしくは屋外広告を見 る可能性のある一日あたりの通行量」によって定義される指標である。 3.国土交通省が所管する「道路交通センサス」のデータは、DECの算定に関 わるデータとして有効であるとされている。 4.一般的な通行量調査の方法として確立されている「ハンドカウント」による データは、DECの算定に関わるデータとして有効であるとされている。 【問2】日本の屋外広告物に関する出来事を年代順に並べたものとして、正しいも のはどれか。 a.三井高利が「三井越後屋」を創立し、屋外広告と引札を利用して広告宣伝 をした。 b.ライオン歯磨が大阪にネオン広告塔を建てた。 c.中山太陽堂が東京で初めてアドバルーンを揚げた。 d.大阪で第5回内国勧業博覧会が開催され、イルミネーションが評判となっ た。 1.a — b — c — d 2.a — c — d — b 3.a — d — b — c 4.a — d — c — b 平成 27 年度B - 1 - 【問3】屋外広告物の掲出効果を高めるためには、広告物を設置する場所とその周 辺における景観の特徴をあらかじめ調査しておくことが重要である。特に屋外広 告物の色彩計画を立案するために実施する屋外での測色作業はその中心となるも のであるが、その方法や留意点として、適切でないものは次のうちどれか。 1.屋外での測色作業では、対象とする屋外広告物を「図」に見立て、その背景 をなす景観の構成要素を「地」として実施する。 2.測色の方法としては、測色の対象となるものに密着して「本来の色」を測る 方法と対象から離れて景観色としての「見かけの色」を測る方法を、測色現場 の状況にあわせて使い分けることが望ましい。 3.対象に密着して実施する測色では、色票と対象は同一平面に並べ、視線に対 して垂直となるように高さと角度を調整することが必要である。 4.対象から離れて実施する測色では、変化する自然光の影響を的確に把握する ため、できるだけ長い時間にわたる作業を実施することが必要である。 平成 27 年度B - 2 - 【問4】下図のように高明度の白色を背景としたポジ表示(上段)での図形色 (A、C、E)と、低明度の黒を背景としたネガ表示(下段)での図形色(A、 C、E)では同じ図形色を用いても色の見えは大きく異なる。図形色のAに黄色 (5Y8/14)、Cに藍色(2PB3/5)、Eに灰色(N5)をそれぞれに用いた場合の見え方を 解説した記述として、適切なものはどれか。ただし、ポジ表示の点線は、表示さ れないものとして判断すること。 黄色 藍色 ※上のポジ表示、下のネガ表示の図形色に用いる色は同色とする。 1.上段のポジ表示で視認性が高いのは、Aである。 2.上段のポジ表示のEは、ネガ表示よりも明るく見える。 3.下段のネガ表示で視認性が低いのはCである。 4.全体の中で視認性が最も高いのは、上段ポジ表示のCである。 平成 27 年度B - 3 - 灰色 【問5】下図の色彩に関する記述として、適切でないものはどれか。 1.図に用いられている2色は著しい縁辺対比(ハレーション)を起こしている。 2.図に用いられている2色は補色に近い関係にある。 3.緑色の代わりに赤色と同明度のグレイを用いると彩度差により判読性が著し く高くなる。 4.2色の中間に白色の線を入れると、セパレーションの効果により判読性が高 く明瞭になる。 平成 27 年度B - 4 - 【問6】照明に用いられる光源に関する記述の空欄に入る語の組み合わせとして、 正しいものはどれか。 ( a )…フィラメントを熱することによって発光させる熱放射の原理を利用 しているために多量の熱を伴い、赤色領域の色光を多く含む。 ( b )…水銀灯の発光効率をさらに改善したもので、金属原子特有の線素ス ペクトルが加わり、演色性にも優れている。 ( c )…発光効率は極めて高いものの演色性がよくないために、トンネルや 道路など経済性を重視する照明などに使用されている。 (a) (b) (c) 1. 白熱電球 メタルハライドランプ ナトリウムランプ 2. 蛍光灯 メタルハライドランプ キセノンランプ 3. 白熱電球 ハロゲンランプ キセノンランプ 4. 蛍光灯 ハロゲンランプ ナトリウムランプ 【問7】LEDに関する記述として、適切でないものはどれか。 1.LEDは半導体のp-n接合に電流を流したときに発光する現象を応用した光源 である。 2.電子機器や道路情報板、電光掲示板などの表示装置として使用が進んでい る。 3.消費電力が低いため省エネルギー効果が高く、電球や蛍光灯よりも長寿命で ある。 4.初期は赤色・黄緑色・青色の3色であったが、現在はフルカラーの表示が可 能となった。 平成 27 年度B - 5 - 【問8】欧文書体のプロポーションと可読性に関する記述の空欄に入る語の組み合 わせとして、正しいものはどれか。 欧文書体のプロポーションは図のように5本の横線のラインシステムを基準と する。 線①と線③の間を( a )と呼び、線④と線⑤の間を( b )と呼ぶ。文字の 可読性には、小文字の高さである( c )が太さと共に大きく影響する。 (a) (b) (c) 1.アッセンダー カウンター ボディサイズ 2.アッセンダー ディッセンダー エックスハイト 3.エイチハイト カウンター エックスハイト 4.エイチハイト ディッセンダー ボディサイズ 平成 27 年度B - 6 - 【問9】広告情報の受け手としての高齢者への配慮に関する記述の空欄に入る語の 組み合わせとして、正しいものはどれか。 65歳以上の高齢者人口は増加し、平成25年には日本の総人口の( a )を占め ている。情報の受け手としての高齢者への配慮が不可欠である。高齢者の特徴と しては、焦点が合う範囲が( b )なる、光を感じにくくなる、( c )により 紗がかかったように見えることが挙げられる。これらの影響をできるだけ緩和す るためには、文字を大きくすること、コントラストが明瞭であること、表現の簡 潔さ、掲示位置を低くすることなどへの留意が必要となる。 (a) (b) (c) 1.約20% 広く 白内障 2.約20% 狭く 老眼 3.約25% 狭く 白内障 4.約25% 広く 老眼 【問10】屋外広告物の画面を構成する主要なグラフィック要素であるサインやシン ボルに関する記号論的な定義における、記号の内容Aと記号の表現Bの関係を示 す記述として、適切なものはどれか。 1.記号の内容Aと記号の表現Bの間に幾何学的類似もしくは相似性が認められ るとき、BをAの指標とよぶ。 2.記号の内容Aと記号の表現Bが直感的な類比によって結ばれているとき、B をAの象徴とよぶ。 3.直接知覚しにくい記号の内容Aを近接性の原理に基づく記号の表現Bで示す とき、BをAの図像とよぶ。 4.明快なイメージが共有されている記号の内容Aを直接的な形態による記号の 表現Bで示すとき、BをAの隠喩とよぶ。 平成 27 年度B - 7 - 【問11】屋外で掲出される屋外広告物の文字は大きく扱われるのが常であるから、 文字間の調整が必要とされる。広告物の文字間に関する記述として、適切でない ものはどれか。 1.文字間の調整の際の基本原則は、文字が連続することでまとまりのある美し い文字組となることである。 2.文字間の調整の際の基本原則は、均質な黒さや明るさを持った文字組とする ことである。 3.文字間調整をスペーシングというが、スペーシングの本来の意味は活字を食 い込ませて組むことである。 4.漢字やかなで構成される和文においても文字間の調整は、欧文同様に必要で ある。 【問12】ピクトグラムに関する記述として、適切でないものはどれか。 1.ピクトグラムは各国の言語を超えて伝達できる特性をもち、1964年東京オリ ンピックをはじめ、国際的な催事におけるサインシステムにも活用されてき た。 2.ピクトグラムは図記号、グラフィックシンボルとも呼ばれるバーバルコミュ ニケーションのひとつである。 3.オーストリアのオットー・ノイラートらによるアイソ・タイプは、今日のピ クトグラムに大きな影響を与えた。 4.日本の標準案内用図記号はJIS規格をもち、交通機関をはじめ国内施設のサイ ンシステムに使用されている。 平成 27 年度B - 8 - 【問13】屋外広告物に照明を組み合わせることによって、魅力的な夜間の都市景観 を形成することが可能になる。その際に最も留意すべき光の属性のひとつである 光源の色温度に関する記述として、適切なものはどれか。 1.色温度とは、物体の表面を照らす光の明るさを表す物理量であり、国際単位 系における単位としてはケルビン(K)が用いられる。 2.暖かみのある雰囲気で赤をはっきりさせたい場合には、5,300K以上の色温度 の光源が適している。 3.ほとんどの色を再現しつつ、涼しげな雰囲気を演出したい場合には、3,300K 以下の色温度の光源が適している。 4.ほとんどの色を再現しつつ、白地をより白く発色させたい場合には、3,300K 以上、5,300K以下の色温度の光源が適している。 【問14】ある程度の広がりや奥行きのある景観を良好に保全していく上では、主要 な視点からみた場合の屋外広告物の位置や大きさ、色彩等が景観のあり方に強く 影響するが、このことに関する記述として、適切なものはどれか。 1.ある程度の広がりや奥行きのある景観は、前景と背景によって構成される が、多くの場合、屋外広告物は背景を形成することになるものである。 2.屋外広告物が設置される水平的な位置については、屋外広告物と主要な視点 の間の距離を十分に確保できるような範囲に限定することが望ましい。 3.屋外広告物が設置される垂直的な位置については、景観を形成する主要な要 素をかたちづくる輪郭線と重なり合うことが望ましい。 4.屋外広告物の色彩については、周辺の景観の基調となっている色彩との間に 明確な明度の差や彩度の差が発生することが望ましい。 平成 27 年度B - 9 - 【問15】全国チェーン店の屋外広告物の景観コントロールに関し、写真の観光地の 事例を説明した文章として、適切でないものはどれか。 1.周辺の街並景観と穏やかに調和させるように変更した店舗の外観は、発見し づらいとの声もあるが、地域の個性と連携させることで観光地の統一イメージ づくりに役立っている。 2.サインに用いられる企業カラーの変更や面積の縮小によって、極めて高い市 民の評価を得ている。 3.地域の個性づくりに一役買った屋外広告物の例は、有名観光地に限らず全国 各地の景観を保全する地区で見られるようになった。 4.企業の社会的責任(corporate social responsibility、略称:CSR)を示し た一つの例ととらえることができる。 平成 27 年度B - 10 - 【問16】写真に掲げた歴史的まち並みの中に掲出される、下屋庇上の広告物に関す る記述として、適切でないものはどれか。 1.下屋庇の勾配に対して直角に設置されているため、太陽の直射光や戸外の光 の反射を強めている。 2.この広告物には木材が用いられており、素材が持つ温もり感が広告物の印象 を良くしている。 3.下屋庇の勾配に対して直角に設置されているため、道路から視認しやすくな っている。 4.伝統的意匠を継承する広告物であり、まち並みの景観を特徴づける要素の一 つとなっている。 平成 27 年度B - 11 - 【問17】屋外広告物に課せられた環境問題への対応策に関する記述のうち、屋外広 告物の製作者が取り組むべき事項として、適切でないものはどれか。 1.屋外広告物の製作や設置の段階において、人体や環境に有害な化学物質など の排出がなされないように、工程を厳格に管理すること。 2.クライアントに対して、環境に配慮した屋外広告物を設置していることを社 会にむけてアピールすることを含めた提案を行うこと。 3.短期間にスクラップ・アンド・ビルドが可能となるような屋外広告物を製作 し、材料のリサイクル利用を促進すること。 4.大型画像出力機を使用した印刷物を用いた屋外広告物の製作では、出力した ものにレタッチを施す技術を駆使することによって、出力枚数を減らすこと。 【問18】屋外広告物を長く美しく維持していくために実施する維持管理作業は、屋 外広告物に用いられている素材によって異なるが、その方法に関する記述とし て、適切でないものはどれか。 1.木材は薄めた中性洗剤による水拭きも可能であるが、汚れがひどい場合には シンナー等の有機溶剤を用いた清掃を行うこともできる。 2.プラスチック材の画面に多用されるアクリル板の場合は、清掃後に帯電防止 剤又は帯電防止剤を含有するメタノールを含ませた柔らかい布などで拭いてお くことが望ましい。 3.ガラス材は市販の洗浄剤を用いた清掃ができるが、画面に印刷がほどこされ ている場合には、表面を傷つけることがあるので水洗いにとどめることが望ま しい。 4.金属材は傷がつきやすいので注意を要するが、表面にクリア塗料によるトッ プコートが施されている場合には、少量であれば乗用車用に市販されている拭 き取りのいらないワックスを使用することもできる。 平成 27 年度B - 12 - 【問19】写真は今年3月に完了した国宝姫路城大天守保存修理の際の工事囲いを撮 影したものである。 この様な工事現場に設置される仮囲いに施されたグラフィックデザインを説明 する記述として、適切でないものはどれか。 1.街中にあっては低い目線の高さでビジュアルを掲出できるため、人に寄り添 った形で大きなインパクトを来街者に与えることができ、都会のにぎわいづく りにも役立っている。 2.仮囲いは、仮設といいながら一定期間まちの表情をつくる要素となるため、 多くの場合、周囲の景観に調和することが望ましい。 3.当該物件に関する情報や周辺環境の情報を広く発信し、新しいまちへの期待 感を醸成する目的でPRギャラリーとして市民に開放するなどの事例も増えて きた。 4.名称や地名、商品名等が掲載されない場合、ビジュアルがあっても話題を提 供するほどのインパクトも弱く、広告効果の高いメディアとはいえない。 平成 27 年度B - 13 - 【問20】木材を用いた屋外広告物に関する記述として、適切なものはどれか。 1.広告板面の雨除けを設けることは耐久性向上につながる。 2.木材は古くなると色変わりや汚れを受けやすくなるが、経年変化によるエー ジングは味わい深くプラスイメージとされることが多いため、保護塗装や防腐 処理は極力避けるべきである。 3.コンピュータ加工による最近の技術革新は、職人の手業よりもはるかに優れ た広告物を生み出している。 4.耐久性の高い樹種としてはいろいろあるが、集成材の利用は避けるべきであ る。 平成 27 年度B - 14 -
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