適時納品と顧客対応力向上のため最新鋭の生産管理

島田電機株式会社
適時納品と顧客対応力向上のため
最新鋭の生産管理システムに刷新
システムの安定稼働も実現する
導入の狙い
製品・仕掛品の在庫状況を正確に把
握し、納期短縮、適時納品を実現する
顧客からの納期や技術的な問い合わ
せに迅速に対応する
夏場にダウンが心配されるサーバー
の安定稼働を強化する
導入システム
生産管理システム『生産革新 Fu-jin
SMILE BS 2nd Edition』
統合型グループウェア
『eValue NS』
日立製サーバー『HA8000/RS210』
日立製ストレージ
『HUS110』
導入効果
遠隔地の工場にある製品・仕掛品の在
庫状況がリアルタイムで把握可能に
一つの画面で生産の進捗や技術情報
を確認し、問い合わせに即時対応
システムの安定化で、受発注や顧客
対応が「止まらない」環境を実現
防爆分野におけるブランド
「SHIMADA」
は、数多くの国際品質保証規格を取得し、国際的にも高い認知度を誇る
島田電機株式会社は、スパークした電気が爆発性の気体、液体などに引火して爆発
するのを防ぐ防爆機器を製造。求められる仕様は納入先によって異なり、注文に応じ
て製品や仕掛品を加工しているが、それをタイムリーに行うには製品・仕掛品の正確
な在庫管理が不可欠だ。また、顧客からの納期や技術的な問い合わせにも迅速に対
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
島田電機株式会社
●業種：製造業、
防爆機器専業メーカー
応しなければならない。これらの課題を解決するため、同社は2012年に生産管理
システムを
『生産革新 Fu-jin SMILE BS 2nd Edition』
に更新。またシステムの安
定稼働をより強化するため、信頼性の高い日立製の最新サーバーを採用した。
●事業内容：防爆電機機器ならびに防爆
型配管付属品の製造販売
●従業員数：90名
（2015年4月現在）
最新鋭の生産管理システムで顧客対応力が向上
した島田電機株式会社
2015年4月取材
海外でも高い認知度を誇る
防爆機器のトップブランド
電気が爆発性の気体、液体などへの
引火を防ぐための機器である。
引火しないように密閉された照明器
東京都大田区に本社を置く島田電
具や、配管に取り付けて爆発を防ぐ配
機株式会社（以下、島田電機）
は、防爆
管付属品、制御装置などがあるが、同
機器と呼ばれる特殊な機器を製造す
社は配管付属品で国内トップシェアを
る電機メーカーだ。
誇る。その製品は世界主要9カ国の販
防爆機器とは、石油精製、石油化学、
売代理店などを通じて海外でも販売さ
医薬品などの各プラントや発電所での
れており、
「SHIMADA」は防爆分野に
爆発事故の原因となる、スパークした
おける国際的なブランドだ。
1
島田電機株式会社
数多くの業界初の防爆機器を世に送
環境保全」のため、製品の安全確保を
タイムリーな納品と
迅速な顧客対応を目指して
徹底してきたのが同社の強みである。
もっとも、そうした迅速かつタイム
創業は1970年と防爆機器メーカー
リーな製品供給体制も一朝一夕に確立
としてはやや後発であるが、1977年
されたわけではない。過去25年以上に
には、当時としては先進的な爆発試験
わたる生産管理システムの見直しによっ
装置、温度測定装置、水圧試験装置、
て、一歩ずつ理想に近づけてきたのだ。
落下試験装置などを完備した試験設備
「一言で言えば、受注から納品まで
を設けるなど、製品の安全確保におい
のリードタイムを極限まで短縮するこ
て常に業界をリードしてきた。
と、ですね。製品を待っているお客様
また、20年以上前から、国内のプラ
のために、生産の進捗状況や納期、技
ントや発電所の建設が一巡し、対照的
術的なお問い合わせなどに即座に対
に成長著しいアジアなどの新興国で
応できる体制を整えることです」と島
建設需要が高まることを予見した同社
田氏は語る。
は、業界でもいち早く、1995年に海
同社の場合、リードタイムの短縮に
外事業を本格化した。
ついては在庫管理が重要なカギとな
同年12月、ノルウェーの品質保証
る。というのも、島田電機の防爆機器
規格を取得したのを手始めに、数多
の多くは、仕掛品を顧客ごとの仕様に
くの国際品質保証規格を相次いで取
加工して納めているからだ。仕掛品の
得。これによって多くの国に製品を輸
在庫状況が正確かつタイムリーに把
出できる道を開き、アジアや中近東な
握できなければ、顧客の急ぎの注文に
どで販売を伸ばしてきた。
は対応できない。在庫管理は栃木県
「プラント、発電所の新規建設が一
佐野市の工場で行っており、その情報
巡した国内市場はメンテナンス用の製
を本社の営業担当者がいかに共有す
品供給が大半ですが、アジアや中近東
るかも大きな課題であった。
では建設ラッシュが続いています。こ
顧客対応については、常時500〜
り出してきたことに加え、
「尊い人命と
れからも海外市場を積極的に攻めて
600件の顧客問い合わせに、限られた
いきたいですね」と語るのは、代表取
マンパワーでいかにスピーディーかつ
締役社長の島田正美氏。海外では、
適切に対応できるかが課題となってい
丁寧なモノづくりと厳格な安全確保に
た。主にエンジニアである顧客からの
よって、
「SHIMADA」ブランドの茫漠
技術的な問い合わせに対応するには、
機器は高い信頼を受けている。
営業職も関連する専門知識や情報をリ
また、工期が定められているプラン
アルタイムで共有できるようにしなけ
ト建設やメンテナンス現場の動きを止
ればならない。と同時に、必要な情報
めない製品供給体制を整えていること
がすぐに引き出せて、スピーディーに
も、同社の大きな強みである。必要な
返答できる仕組みが必要だと考えた。
ときに必要な防爆機器が迅速かつタイ
途切れのない顧客対応を実現する
ムリーに届く安心感は、島田電機に対
ためには、システムを動かすインフラ
する信頼をさらに高めているようだ。
の見直しも必至だった。というのも同
2
代表取締役社長　島田正美氏
「大塚商会さんとは、2５年以上ずっと一筋
でお付き合いさせてもらっています。やはり
営業の方、システムの方と我々との信頼関
係が大きいものと思っています。我々に合っ
た必要なものを的確に分析し、常に良いシ
ステム・ハードをご提供いただいています」
総務部総務課課長
工藤省吾氏
「大塚商会さんから、日立製のサーバーは
抜群の安定性を持っているというお話を聞
いて採用を決めました。それまでは夏場の
暑さでサーバーがダウンしたことがあるので
すが、日立製に入れ替えてからは、頼もしい
ほど安定しています」
防爆機器の水圧試験装置によるテストの様子。防爆機
器が使用される過酷な環境を想定し、さまざまなテストを組
み合わせて製品の万全を期している
社が従来利用してきたサーバーは、夏
ンに始まり、クライアント・サーバー方
場になると温度上昇によってダウンし
式への移行、ERP（統合基幹業務シス
たことがあるからだ。
テム）
との連携など、時代の変化と共
「お客様のプラント建設やメンテナ
に更新を重ね、
『生産革新 Fu-jin』に
ンスの現場は待ったなしで動いていま
更新したのは2012年4月のことだ。
す。こちらのシステムが止まってお問
「単にバージョンアップするだけでな
い合わせに対応できなくなってしまう
く、その都度、当社のニーズに合わせ
ような事態は何としても避けなければ
てカスタマイズを施しました。おかげで
なりません」
と語るのは、総務部総務
『生産革新 Fu-jin』
に更新する以前か
課課長の工藤省吾氏。
ら、在庫管理の精度は向上していまし
もちろんシステムダウンは、受注な
た」
と工藤氏は語る。受注と同時に製品
どの機会ロスや生産停止などの業務
や仕掛品の数量を正確に把握できるよ
ロスにも結び付いてしまう。これらの
うになったことで、平均リードタイムは
課題を解決するため、島田電機は大塚
1週間前後に大幅短縮されたという。
商会に協力を仰いだ。
『生産革新 Fu-jin』については、営
業担当者が顧客からの問い合わせに
迅速に答えられるように、受注品の製
一つの画面で
あらゆる情報が確認できる
など、必要な情報が全て一つの画面に
大塚商会が島田電機に提案したの
表示されるようにカスタマイズした。
は、最新鋭の生産管理システム『生
「お問い合わせの内容に応じて、い
産革新 F u - j i n S M I L E B S 2n d
ちいち別の画面を開いていたのでは
Edition』
（以下、生産革新 Fu-jin）
に
時間が掛かって仕方がありません。当
更新し、サーバーについては抜群の安
社の業務効率よりも、むしろお客様の
定性で評判が高い日立製に入れ替え
貴重な時間を奪ってしまうことが大き
るというものだった。
な問題なのです。一つの画面を見るだ
じつは島田電機は、すでに25年以
けであらゆるお問い合わせに答えられ
上も前から大塚商会が提案する生産
るようになったのは、非常に大きな前
管理システムを使用してきた。オフコ
進です」
と島田氏は満足そうに語る。
品情報や在庫状況、生産の進捗状況
このほか、工場が
『生産革新 Fu-jin』
SMILE BS／eValue NSサーバー構成図
1
仮想サーバー ●
日立製ストレージ
2
仮想サーバー ●
HA8000
HUS110
HA8000
の出荷業務画面で出荷案内書を作成
すると、同時に送り状も印刷される機
能などもカスタマイズによって追加し
た。こちらは製造・出荷現場の業務効
『SMILE BS 生産革新 Fu-jin』
（アクティブ）
ストレージ筐体内で各システ
『eValue NS』
（アクティブ）
・
・
・
・
・
・
『eValue NS』
（スタンバイ）
『SMILE BS 生産革新 Fu-jin』
（スタンバイ）
ムの複製を持たせ、使用して
いる領域がダウンした際には
自動的に切り替わる仕組み
そのほかのシステム（アクティブ）
そのほかのシステム（スタンバイ）
率化に大いに貢献しているようだ。
「『生産革新 Fu-jin』
は旧バージョン
に比べてかなり洗練されており、あまり
カスタマイズを必要としなくなったの
もありがたいですね。新しいレイアウト
の帳票が必要なときは、自由帳票機能
3
島田電機株式会社
を使い簡単に作れるので非常に助かっ
使いやすく、また大塚商会が自社でも
ています」と工藤氏。また、
「最新版の
使っているので、何かあっても、すぐに
『生産革新 Fui-jin』
は非常に使い勝手
対応してもらえるのではないかという
が良くなっています。大塚商会さんの
安心感から導入を決めたそうだ。
経験やユーザーの声を充分に取り入れ
「当社は国際環境規格ISO14001
たシステムで、非常に重宝して使ってい
を取得しており、紙資源の浪費につな
ます」
と島田氏も高く評価する。
がりやすい印刷は減らす取り組みを進
一方、サーバーについては、日立製に
めています。
『eValue NS』
による電
入れ替えたことで夏場でもダウンする
子文書の共有化はその一環です。製品
不安がなくなり、安定稼働が実現した。
情報や図面などを本社と工場で共有で
「大塚商会さんから日立製サーバー
きるのも便利ですね」
と工藤氏は語る。
は抜群の安定性を持っていると聞い
同社は今後も、生産管理システムの
たので採用してみたのですが、正解で
見直しを継続することで、製品供給体
した。せっかく入れ替えるのなら増強
制や顧客対応の改善を図る方針だ。
したいと大塚商会さんに要望したとこ
具体的な目標として、島田氏は「在
ろ、仮想サーバーの導入や、特に信頼
庫管理の精度はかなり上がってきまし
性が高い日立製ストレージを中心とす
たが、今後はよりきめ細かく仕掛品の
るクラスター構成のシステムをご提案
管理をできるようにしたいですね。例
いただきました」
（工藤氏）
えば全体の工程を3〜4段階に区切っ
2 0 1 4 年 4 月には、2 代目として
て、それぞれの仕掛品の在庫状況が
ストレージを日立製の『 H U S110 』
把握できるようになれば、急ぎの注文
に、サーバーは同じく『 H A8000/
にも、今まで以上に柔軟に対応できる
RS210』
にそれぞれ入れ替えた。
ようになるはずです」
と語る。
この入れ替えでは、
『HUS110』の
また、
『生産革新 Fu-jin』は、ノート
筐体内に複製を持たせ、使用している
パソコンやモバイル端末などを使って
領域がダウンしたときには、自動的に
出先からでも情報が確認できる。
ほかの領域に切り替わる仕組みを取り
現在のところ、同社は社内だけで情
入れた。これは日立のストレージだか
報を確認しているが、
「出張も多いの
らこそ可能な機能であり、生産管理や
で、いずれはセキュリティを整えて外
顧客対応のためにシステムを止めるわ
部からでも情報を見ることができるよ
けにはいかない島田電機のニーズに
うにしたいですね。今回のバージョン
マッチするものであった。
アップには、それを可能にするための
日立製サーバーに入れ替えたことで、夏
場でもダウンする不安がなくなり安定稼
働が実現した
狙いもありました」
と島田氏は語る。
また、大塚商会については「25年
よりきめ細かな
仕掛品の管理を目標に
えている生産管理や顧客対応に関す
このほか島田電機は、数年前か
る課題を、十分にご理解していただい
ら大塚商会の統合型グループウェア
ていることをありがたく思っています。
『 e V a l u e N S 』を利用している。以
これからも有益なご提案を期待してい
前契約していたグループウェアよりも
以上のお付き合いの中で、当社が抱
ます」
（島田氏）
と述べた。
島田電機株式会社
http://www.shimada-elec.co.jp/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2015年6月に作成されました。
Copyright©2015 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved.
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