平成 26 年度 卒業論文 活用例 算数科における言語活動の充実 ~ICT を用いた授業の構築に向けて~ 学校教育教員養成課程 理数・生活科学コース 数学教育専修 115705 木本 幸孝 はじめに 三角形の面積の求め方の学習の後に,台 形の面積の求め方を学習する。その際に, 児童が共有フォルダから,三角形の面積の 求め方を探し,それを参考に台形の面積の 求め方を考えることができる。これは一方 から一方を考え出すという経験になる。 全国学力・学習状況調査など各種調査の 結果からは, 「思考力・判断力・表現力等を 問う読解力や記述式問題,知識・技能を活 用する問題に課題」 (小学校学習指導要領解 説算数編 2009) があると指摘されている。 これは私自身苦手と感じていたため,算数 科における言語活動の充実を研究主題とし た。言語とは,思考を手助けする道具であ り,自分の考えを他人に伝える道具である。 算数での言語には,図や数式,グラフなど ICT 活用の利点 も含まれている。たとえば,三角形の面積 カメラ機能を使うことで,思考しながら の求め方を考える際の変形プロセスも言語 資料を作ることができるため,ICT を用い である。 ることで発表準備の時間短縮につながる。 ICT 機器導入校である大阪市立阿倍野小 その結果,児童の発表の機会が増える。ま 学校の公開授業(2014 年 10 月 30 日)で, た,共有フォルダにいれることで,自分の 言語活動が行われていたため分析する。そ 考え以外のものをいつでも見ることができ, こではタブレット端末(iPad)を用いて, 今までと比べて,より多くの考え方に触れ 実際の三角形を切って動かし,写真にしな ることができる。 がら三角形の面積の求め方を説明する資料 を作り,共有フォルダへ提出していた。ICT 参考文献 を用いることで,今までは時間や手間がか 文部科学省:小学校学習指導要領解説算数 かっていた図形の変形プロセスを視覚化す 編(教育出版 2008) ることができていた。 杉山吉茂:初等科数学科教育学序説(東洋 児童は三角形の変形を共有フォルダにい れていたが,この多くの考え方をどのよう にいかしていくことができるのかを考えた。 館 2008)
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