たより from おんがた 平成 27 年 6 月(第 42 号) たより from おんがた 発 行 人 社会福祉法人 東京都知的障害者育成会 障害者支援施設恩方育成園園長 相澤 誠 〒192-0154 八王子市下恩方町 2794-1 ℡042(652)3825 Fax042(652)3826 検討委員会始動 新年度に入り2ヶ月が経過しましたが、今年度異動して きた職員や新規採用職員も徐々に業務に慣れ、少しずつ独 り立ちを始めてきています。私も恩方育成園に来て2年目 となり、今年度に入りいくつかの検討委員会を立ち上げ、 施設内の課題に取り組んでいます。昨年度末で永年恩方育 成園を支えてきた滝沢副施設長が勇退することとなり、現 在は副園長席が空席となっていますが、その他にも7月に は世田谷区の桜上水にグループホームを開設する関係で経 験豊富な職員が複数異動し、個々の職員のレベルアップが 必要と考えています。中堅職員はリーダー業務をリーダー 職員は少しでも主任業務を覚え、個々の職員の向上できる チャンスにして欲しいと思っています。 施設も開設してから15年以上が経ち、建物も修繕が必 要となっています。平成25年度から26年度にかけて、 関係機関からの助成を受けながら積み立ててきた修繕費を 使用し、大規模修繕等を行ってきました。この他にもまだ 修繕を必要とする場所があるため、今後も施設を維持する ために積み立てが必要と考えています。管理者から伝えて いく方法もありますが、職員が施設の経営についても考え る機会が持てるよう、検討委員会を立ち上げました。現在 は主任以上の管理職員が中心となっていますが、事業内容 や職員配置について考え職員が経営について意識を持ち、 今後の施設の方向性を考える場にしたいと思います。 園長 相澤 この他に施設内の支援の在り方について考える人権委員 会も立ち上げました。入所施設は施設内で生活する場面が多 く、地理的な面からも職員が地域や関係機関等と接点を持つ 機会が少ないため、自分で意識していなければ意識が希薄に なってしまう可能性があり、注意していかなければと考えて います。すでに担当の職員は人権関係の研修への参加を始 め、外部からも講師を招いて内部研修も実施しています。今 後も随時研修に参加する予定となっており、職員会議等を利 用して人権に対して意識する機会を多く持っていこうと考 えています。また、チェックシートを活用しての検証を行っ ていますが、課題についても整理していければと考えていま す。今後は今まで以上に人権に対する意識を持ち、日頃から 疑問に思ったことに対して指摘し合える環境づくりを行っ ていこうと思います。 八王子市が今年度より中核市となり、感染症や虐待防止に ついて研修が義務化されましたが、人権委員会では施設内の 課題に対応するため、年間研修計画についても整備すること にしました。職員の支援力の向上を目指すため、個別の研修 計画を作成して目標を定め、研修へ参加し、支援力の向上を 目指していければと思っています。各検討委員会が動き出し ましたが、委員会活動については時間をかけずに早く結論を 出し、結果に結び付け、年度の途中からでも次の課題に取り 組んでいこうと思っています。 「心からありがとう」 お世話になった皆様 この3月で、退職いたしました。7年間、利用者さんにも保護者の方にも、ご理解をいただき、上司にも、職員にも めぐまれて、おかげさまで、充実の日々を過ごさせて頂きました。感謝の気持ちでいっぱいです。 これからは、遥か遠方より、ますますのご発展をお祈りしております。 ありがとうございました。 滝沢 しげ子 滝沢副園長 7 年間大変お世話になりました。 1 誠 たより from おんがた 平成 27 年 6 月(第 42 号) できごと①【利用者編】 2階男性フロア バーベキュー 福祉まつり つばさ班 葛西臨海公園 ひかり班調理実習 ひかり班 高尾山登山 【祝日プログラム】 フライングディスク大会 大掃除大会 2015 春 【異動・新任職員紹介】 巨大風船バレー大会 今年度より5名のニューフェイスが 新たに加わりました!! 皆さま、宜しくお願いいたします。 左から みつだ たかし むろた としゆき いながき けい た 光田 天 支援員・室田 俊 之 支援員・稲 垣 圭 太支援員 もりぐち あい ふじた な つ み 森 口 愛 支援員・藤田 奈都実支援員 2 たより from おんがた 平成 27 年 6 月(第 42 号) クローズアップ 『グループホーム えにし①~準備期間~』 西村 和海 平成27年7月1日開所予定の、恩方育成園がバッ クアップ施設である“グループホームえにし”は、世 田谷区桜上水の都有地を50年の定期借地権で借り受 け、法人直営施設として運営します。 これまでの経緯は、平成25年9月30日に「都有 地活用による地域の福祉インフラ整備事業」として都 より公募が行われ、同年10月9日に事業者説明会が 行われました。同年11月11日に本部で行われたプ ロジェクトチーム(以下「PT」といいます)に参加 するよう髙橋前園長よりお話を頂き出席したものの、 「世田谷のグループホームの話」という事以外は、何 もわからない状態での参加が私の“グループホームえ にし”に係わる初めての場面でした。その時わかった ことは、 「恩方育成園が運営する」「借受申請提出期限 が今月末」という事ぐらいで、正直、上席の方々の話 を傍聴しているだけで、ほぼ理解できていない状態で した。 借受申請提出までに20日弱、2度のPTで申請書 類を作成し提出。振り返れば、知識を持ち法制度を踏 まえ明確にビジョンを持った人たちは、兎に角、凄い。 あのときの私は、その流れに着いても行けず何もでき なかったことを思い出します。その後、平成26年2 月7日に世田谷区役所にてプロポーザルを行い、その 時も末席に加えて頂き、只々、状況を見守る事しかで きませんでした。最終的に応募したのは当法人のみで あったため、3月18日に借受者と決定しました。 年度が替わり、同年4月23日に、住民説明会を行 った際、地域の方から「桜上水5丁目に住むのだから、 近隣住民として交流していきたい」といった旨のお言 葉をかけて頂いた時には、大変心強く思え心より感謝 したことを鮮明に覚えています。なかなか障害者への 理解が進まない世の中で、温かく受け入れて頂けるこ とは、とても幸せなことで、改めて期待に応えられる よう頑張らねばと身が引き締まる思いでした。 平成26年度には、相澤現園長が赴任されました。 当初、相澤園長・滝沢前園長が危惧されたことは、グ ループホームでの医療的ケア実施に関してでした。園 長は、医療的ケアを行っている事業所を数か所経験さ れており、その実態や危険性など大変難しいという事 を承知されていたため、実際に行うのであればそれな りの準備が必要であるというアドバイスをいただきま した。その後、数か所の医療的ケアを実施する事業所 を見学し、その大変さを目当たりにし、初めて医療的 ケアの実態を学ぶきっかけとなりました。また、法人 でも以前より医療的ケア検討委員会を立ち上げ熟慮さ れており、ほぼ同時期に医療的ケア実施要綱のガイド ラインを整備され、今後必要性が高くなってくるニー ズに対し、体制を整えています。 この頃より、恩方育成園でも園内PTを立上げ、本格的な 取組みがスタートしました。この頃には、少しずつですがや るべき事が見え始め、「自分がこのグループホームをやりた い」と思うようになった時期でした。今思えば、何も知らな いに等しいあの時の自分がそう思った事を「身の程知らず」 としか形容できません。しかし、現在もまだ力不足ではあり ますが、多くを学び経験する機会を得ることができたのは、 その「身の程知らず」のお陰だったのかもしれません。 この年は、本部PTが月1回と園内PTが月数回行われ、 並行して行政との打ち合わせも徐々に増えてきた時期です。 自分なりには頑張っているものの実際は、建物・設備関係と 申請関係、町会との連絡等は本部事務局で進めて頂いてお り、ここまでの流れとしては、それが90%以上の内容だっ たと思います。しかし、殆どの場面に同席し話を聞いていく 中で、色んなことが繋がっていくと感じ、遅れ馳せながらイ メージが鮮明になっていった気がします。 同年10月2日、入札にて工事業者が決まり、翌月13日 に地鎮祭、14日に工事着工となりました。この頃から本格 的に目まぐるしい動きが始まります。翌12月15日に世田 谷親の会に入居募集の説明会を行い、100名以上の方が参 加され、大変なニーズの高さに驚きました。年が明け、平成 27年1月19~30日に入居者募集を行い、51名の応募 をいただきました。翌2月中旬に4日間かけて全員の方と面 接を行い、世田谷区と協議し厳正なる審査で、3月3日に1 3名の入居予定者を決定いたしました。 今年度に入り、まだ建物が完成していないため、現在は恩 方育成園内の第2作業棟2階に準備室を開設しています。ま た、心待ちにしていたグループホームえにしに配属される職 員人事が発表され私を含め常勤5名(内2名新人)が決まり ました。 4月16日には上棟式、5月7日に入居者説明会、12・ 13日には地区の町会長会議に出席し開所の挨拶を行って きました。並行して、非常勤職員の募集・面接を行っていま す。6月中旬には建物の建築確認も終わり、現地に準備室を 移転し、6月25・27日には内覧会、30日には、世田谷 区長もご出席頂き開所式を行います。 どうにか、開所までの見通しが付くところまできました。 何もわからずに係わった時から1年7か月、多くの方々に 「西村で大丈夫?」という心配をかけてきたと思います。も しかしたら現在も?しかし、多くの方々に支えられご指導い ただき、ここまで辿り着きました。これからが本番なので、 気を緩めることなく、入居者とご家族に「えにしに入居でき て良かった」と思われるような、また、地域の方々に受け入 れられ「町の一員」となれるよう、スタッフ一同その心構え で臨みたいと思います。 次回は、開所当初のご報告をできればと思います。 3 たより from おんがた 平成 27 年 6 月(第 42 号) できごと②【事業編】 『平成27年度障害福祉サービス等報酬改定結果をうけて』 事務係長 田代 崇久 今年4月、3年に1度の介護報酬改定、障害福祉サービ ス等報酬改定が行われました。 今回の報酬改定は消費税 10%への引き上げ先送りによ る社会保障財源の不足等の影響もあったのか、当初より厳 しい改定結果になると予想されていました。 今回、高齢者福祉に関する介護報酬は全体で 2.27%のマ イナス改定となりました。2009 年、2012 年とプラス改定 であった障害福祉サービス報酬も、介護報酬と同様に当 初、全体で 1%程度のマイナス改定と示唆されていました が、結果としてプラスマイナス 0 改定に落ち着きました。 しかし、障害福祉サービス全体としてはプラスマイナス 0 改定とはいえ、月額+1.2万円相当の福祉・介護処遇改 善加算の拡充による負担増も含まれて(約 1.8%)いるため、 そこだけを取っても実質サービスに関わる報酬平均1. 8%マイナスと考えられ、また当園の運営する事業の中で は、生活介護事業において、基本報酬が平均で 5%前後減 額となり、1,000 万円超の大幅な減収が見込まれています。 当園にとって、今回の報酬改定は、蓋をあけてみるとほと んど減額のマイナス改定で厳しいものとなっています。 将来に目を向けてみても、今後の国の社会保障費財源に ついて、更に厳しい課題を抱えており、次回 3 年後、また 更にその先の報酬単価見直しについて、現在より厳しい状 況があると予想されます。 10 年後の 2025 年には、いわゆる「団塊の世代」が全て 75 歳以上となり、2025 年の介護サービス利用者は現在の ≪スタッフ募集≫ 1.5 倍の約 660 万人と推計され、介護費用は現在の約 8 兆円から 2.5 倍の約 20 兆円まで膨らみ、医療費は現在 の約 35 兆円から約 1.5 倍の 54 兆円と見込まれており、 現役世代の負担能力の伸びを上回って増加の見通しと いわれています。 更にその 10 年後の 2035 年~2040 年には「団塊ジュ ニア世代」が 65 歳以上となり、生産年齢人口(15~64 歳)は現在の約 8000 万人から 2040 年には現在の約 7 割 の約 5700 万人に減少、国民の約 3 人に 1 人が高齢者と なるという状況が見込まれています。また日本の人口に ついても 2048 年には 1 億人を割り 9913 万人、2060 年 には 8674 万人と現在の 7 割弱の人口数となることが想 定され、今からたった約 20 年から 30 年先にこのような 難しい状況が待っており、社会保障給付は確実に急激な 増加が見込まれることから、今後の報酬改定は 改定の 度に相当厳しいものになると考えられます。 取り巻く環境が厳しい中、従来通りの事業展開だけで は運営的に厳しく追い込まれる事が想定されます。利用 者の皆様のニーズをもとに、恩方育成園にとってどのよ うな新しいサービスを展開していくことが必要か、その 時々の流れに乗り遅れる事なく、進むべき方向性を 園 長を中心に職員全体で考え、厳しい状況下ですが新たな 発想をもって前に進んでいきたいと存じます。 今後ともよろしくお願い致します。 編集後記 当園は、3 月 31 日付で 7 年お世話になった滝沢 副園長が退任されました。これまで滝沢副園長より 学んだことを受け継ぎ、相澤園長をはじめ職員が一 丸となってこれまで通りの支援を継承して参ります。 また、今年度より当園では検討委員会が始動し、 7 月からはグループホームえにしが開所致します。 恩方育成園では現在、以下の人員を募集しています。 看護師(常勤・非常勤)男女問わず 若干名 支援員(常勤・非常勤)女性 1 名 パン配達員(非常勤) 男女問わず 若干名 皆様には、何時もご理解・ご協力を賜りありがとう ございます。 今年度もご支援の程、宜しくお願い致します。 ≪ボランティア募集≫ 恩方育成園では様々な活動でボランティアを 津田 していただける方を常時募集しています。 スポーツ活動・余暇活動 他 社会福祉法人 東京都知的障害者育成会 障害者支援施設 恩方育成園 〒192-0154 東京都八王子市下恩方町 2794-1 TEL 042-652-3825 FAX 042-652-3826 URL http://www.ikuseikai-tky.or.jp/~iku-ongata/ 採 用 担 当:小島 ボランティア担当:畑 日中活動 詳細は右記にお問い合わせください。 4
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