be Scientific フェムト秒レーザー用光学薄膜フィルタ チャープミラー 概要 ■フェムト秒レーザーから発振されるパルスは多数の波長の光から構 基 板 成されています。モード同期技術により、それぞれの位相が揃えら れるために数十フェムト秒オーダーの超短パルスが実現されていま す。このように発振されたパルスも、その後の光学系で大気中やレ ンズを通過したり、ミラーで反射されたりすると、その幅が広がっ 長波長の光ほどミラーの深い部分まで進入するよう設計 てしまい用途に適さなくなることがあります。 することで反射後に位相が揃いパルス幅が縮まります。 ■ガラスをはじめとする多くの材料の屈折率は正常分散を持っている ので、波長の長い光は速く、波長の短い光は遅く進みます。その結 果としてパルス幅が広がります。これを補償する手段のひとつに誘 電体多層膜チャープミラーを使う方法があります。このミラーは各 層の膜厚を調整する事で、ガラス等が持つ分散と逆の分散を持つよ うに設計されるので、反射後のパルスは発振直後に近い形状に戻り ます。パルスの波長帯域や、分散補償量などそれぞれの光学系に合 わせて設計いたします。 分 光特性 [入射前 ] パルスを構成する 光の位相がずれた状態 使用例 (※2 枚組の総合特性 ) 100 40 98 20 96 0 [ 反射後 ] パルスを構成する 光の位相が揃います ( 自己相関波形 ) 8 94 -20 反射率(測定値) GD(設計値) 92 GD(測定値) -40 -60 90 550 600 650 700 750 800 850 900 950 1000 1050 波長 (nm) ※このデータは名古屋大学の菱川教授・伏谷助教に測定していただきました。 強度(任意単位) 反射率(設計値) GD(fs) 反射率 (%) 7 パルス幅 6.2fs 6 5 4 3 2 1 0 -60 -40 -20 0 20 時間 (fs) ※GD:群速度遅延=チャープミラー内での滞在時間 40 60
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