日本における男女共同参画社会の展開(1) 大 束 貢 生 木 脇 奈智子 新

佛教大学社会学部論集 第 61 号(2015 年 9 月)
日本における男女共同参画社会の展開(1)
――A 市における女性の働きやすさ調査から――
大
木
新
富
束
脇
矢
川
貢 生
奈智子
昌 昭
拓
〔抄 録〕
この報告の目的は,地域社会における男女共同参画社会の進展,特に女性の活躍推
進について,地域住民と行政の連携による影響を考えることにある。A市では,内閣
府地域女性活躍加速化交付金助成の採択に際し,地域住民と行政の連携に基づき住民
自らが調査を企画し提言を行った。住民自身が作成した調査結果の一部を報告するこ
とによって,今後この調査を行ったことによる地域住民,行政,調査対象者であった
企業にどのような影響を与えたのかについて考察する前提としたい。
キーワード:地域住民と行政の連携,男女共同参画社会,女性の活躍推進
1.はじめに
この報告の目的は,地域社会における男女共同参画社会の進展,特に女性の活躍推進につい
て,地域住民と行政の連携による影響について考えることにある。男女共同参画社会とは,
1999 年に成立した男女共同参画社会基本法によれば,「男女が,社会の対等な構成員として,
自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女
が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担
うべき社会」(男女共同参画社会基本法第 2 条)と規定されている 。特に,2012 年の安倍内
(1)
閣の誕生以降,女性の活躍推進は,内閣の成長戦略の中核となり,さまざまな政策がなされて
いる。
その政策の一つとして内閣府地域女性活躍加速化交付金がある。内閣府地域女性活躍加速化
交付金とは「地域経済の活性化を図るため,企業等における女性の登用や女性の創業等に向け
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日本における男女共同参画社会の展開(1)(大束貢生・木脇奈智子・新矢昌昭・富川 拓)
た地域ぐるみの取組を支援することにより,地域における関係団体の連携を促進し,女性の活
躍を加速することを目的とする」とし,2014 年 3 月の第 1 回経済財政諮問会議・産業競争力
会議合同会議を受けて,2014 年度に募集があったものである(内閣府 2014)。
今回報告する A 市では,この内閣府地域女性活躍加速化交付金助成が採択され,地域住民
と行政の連携に基づき住民自らが調査を企画した。ここではその調査結果の一部を報告するこ
とによって,今後この調査を行ったことによる地域住民,行政,調査対象者であった企業にど
のような影響を与えたのかについて考察する前提としたい 。
(2)
2.A 市における内閣府地域女性活躍加速化交付金助成の展開
A 市は,平成の町村合併により誕生した大都市中心部から車や電車で 1 時間から 1 時間半
程度の距離にある人口約 5 万人強の都市である。大都市通勤圏に位置しているものの,産業の
中心である地場産業に勤務する人が多い。さて,今回 A 市が応募した申請の一部に「女性の
働きやすさの指標づくりおよび訪問調査」があり,A 市男女共同参画推進協議会を連携団体
として事業展開を行った。A市男女共同参画推進協議会は,A 市の男女共同参画社会の実現
に向けて取り組むことを目的に活動を実施している団体であり,会員数は約 100 名である。ま
た,この事業の実施により期待される効果とは,調査を行うことにより,市内企業の女性の雇
用状況が明確になり,また訪問調査を行うことにより,企業が女性の働きやすさを考えるきっ
かけになることがあげられている。
A 市は申請の内定のあった 2014 年 7 月より男女共同参画推進協議会と協議を行い,アンケー
ト項目の検討,アンケートの作成,アンケートの分析,企業訪問調査を行っている。アンケー
ト作成は,まず協議会メンバー個々人がどのような施設や決まりがあれば女性が働きやすくな
るかについて意見を出し合い,マインドマップを使用して整理を行った。その結果①雇用に関
する制度について,②雇用・人事について,③従業員の勤務について,④女性従業員への対応
について,⑤介護について,⑥子育て支援について,⑦職場の人間関係について,⑧意見を取
り入れる仕組みの 8 項目に整理を行い,その整理から具体的な質問項目や選択肢を検討した。
次章で取り上げる調査結果は,協議会で作成したアンケートとのその結果である。アンケート
回収・分析の後,訪問したい企業及び質問項目を検討し,4 企業についてインタビューを行った。
同時に指標作成を行い,2015 年 3 月に内閣府に報告を行っている 。
(3)
3.企業における女性の働きやすさに関するアンケート結果
このアンケートの調査時期は 2014 年 12 月中旬から 2015 年 1 月中旬である。調査対象は A
市内の「事業所内公正採用・人権啓発推進事業所訪問を実施している企業」113 社である。こ
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佛教大学社会学部論集 第 61 号(2015 年 9 月)
の事業所内公正採用・人権啓発推進事業所訪問は,公正採用選考の実施と,同和問題をはじめ
とする人権課題についての研修実施の推進を目的として,従業員数が 20 人以上の企業・事業
所を重点に啓発を行っている 。調査方法は協議会メンバーが調査員として,直接企業を訪問
(4)
し,依頼を行っている。留め置き法により,後日直接出向き回収。回収票 96 票,回収率
85.0%である。アンケートは SPSS19.0J により質問項目ごとに主に単純集計,クロス集計によ
り分析を行っている。
3.1.調査対象の事業所について
調査対象企業の業種は,製造業 35 社 36.5%,サービス業 16 社 16.7%,建設業 11 社 11.5%
の順である。
問 1:業種
度 数
35
36.5
卸売業
1
1.0
小売,飲食業
9
9.4
14
14.6
2
2.1
サービス業(医療,福祉,教育,公務)
有 効
サービス業(理容・美容,クリーニング他)
11
11.5
運輸・通信業
2
2.1
金融・保険業
10
10.4
9
9.4
93
96.9
3
3.1
96
100.0
建設業
その他
合計
欠損値
パーセント
製造業
無回答
合計
正規雇用人数の平均値は 39.3 名,パート人数の平均値は 19.3 名であり,調査対象企業は市
内の企業では大きい方である。勤続年数の平均は男性 15.0 年,女性 13.2 年であり,定年まで
勤める人の割合は 61.1%である。
問 2:雇用者
正規雇用
人数
パート 人数
男性雇用
人数
女性雇用
人数
男性勤続
年数
女性勤続
年数
定年年齢
定年者の
割合
有 効
94
93
93
94
78
76
92
57
欠損値
2
3
3
2
18
20
4
39
平均値
39.3
19.3
33.4
23.4
15.0
13.2
61.1
61.1
中央値
21.0
7.0
18.0
13.0
14.0
11.2
60.0
80.0
度数
最小値
3
0
1
0
2.0
.0
55
0
最大値
309
200
220
163
46.0
55.0
70
100
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日本における男女共同参画社会の展開(1)(大束貢生・木脇奈智子・新矢昌昭・富川 拓)
3.2.雇用に関する制度について
雇用に関する制度について,労働基準法,雇用保険・就業規則,病気の際の長期休暇制度,
仕事の悩みの相談窓口,福利厚生について質問を行った。調査結果からは,社則はあるか(問
3),社則の周知(問 4),労働基準法の表記(問 5)については 80%前後の企業があるとし,
その周知を行っている。逆に言えば,20% 前後の企業は行っていないことになる。また病気
の長期休暇制度(問 8)や仕事の悩みの相談窓口(問 10)はあると答えた企業は多いが,その
利用者は制度や窓口の設置率に比べて少ない(問 9,11)。また問 12 の福利厚生関係では保育室,
授乳室がある事業所はほとんどないことが明らかとなった。
84.4%
問3社則はあるか
81.3%
問4社則の周知
76.0%
問5労働基準法表記
100.0%
問6雇用保険はあるか
100.0%
問7就業規則があるか
82.3%
問8病気の長期休暇取得制度があるか
54.2%
問9病気の休暇取得制度の利用者はいるか
68.8%
問10仕事の悩みの相談窓口はあるか
40.6%
問11相談窓口利用者
25.0%
問12_1社員食堂
28.1%
問12_2給食制度
72.9%
問12_3休憩室
46.9%
問12_4慰安旅行
69.8%
問12_5忘・新年会
40.6%
問12_6社宅・住宅手当
問12_7保育室
1.0%
問12_8授乳室
2.1%
問12_9地域手当
6.3%
14.6%
問12_10その他
3.3.雇用・人事について
雇用・人事に関して,採用条件や女性
問 13 採用試験同点の場合の採用
管理職について質問を行った。採用試験
が同数の場合,女性男性のどちらを採用
するか(問 13)では,無回答が多かっ
有 効
た(71.9%)。
「採用試験などを本社で行っ
ており裁量権がない」「その際の状況に
欠損値
よる」などの自由記述があった。また「男
合計
度数
パーセント
1
1.0
どちらかと言えば男性
14
14.6
どちらかと言えば女性
8
8.3
男性
女性
4
4.2
合計
27
28.1
無回答
69
71.9
96
100.0
性」と回答した企業は「肉体労働が多いため」「技術職のため」「夜勤があるため」が回答とし
てみられ,「女性」と回答した企業は「女性の方が作業効率が良い」「細かい仕事のため」など
の回答があった。
問 15 から問 17 では女性管理職に対する現状と意識について質問を行った。調査結果から,
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佛教大学社会学部論集 第 61 号(2015 年 9 月)
管理職に女性がいる企業は 87.3%である(問 16)が,女性登用の割合を決める(問 15)といっ
たクオータ制を取り入れている企業は 7.3%と少なく,女性管理職のサポート体制がある企業
も 45.5%であり(問 17),女性が管理職に就くことができる体制が十分であるとはいいがたい
と考えられる。
7.3%
問15女性登用の割合を決めているか
87.3%
問16管理職に女性はいるか
45.5%
問17女性管理職のサポート体制
3.4.従業員の勤務について
従業員の勤務に関して,有給休暇,残業について質問を行った。有給休暇の取得希望(問
18)は 88 社(91.7%)にあり,パートにも有給休暇がある企業(問 19)は 76 社(79.2%)であっ
た。ケース別に有給休暇を取得できるか(問 20)については,冠婚葬祭 94.8%,自分の病気
93.8%,家族の病気 95.4%,研修・勉強会の参加 87.6%,地域(自治会)活動 91.7%,学校の
行事 92.8%,旅行 90.6%といずれもほとんどの企業が取得できると回答している。残業(問
21)については,86 社(89.6%)があると回答,残業がある企業の平均残業時間(問 22)は 1.6
時間,ノー残業デーがある企業(問 23)は 28 社 29.2%である。
仕事が定時に終了しない場合の終了のさせ方とその判断(問 24 ①②)は,
「その日のうちに」
が 60.4%,判断は「上司」が 60.4%となっている。①と②をクロスさせて行(横)の合計を
100%とした割合を見たところ,「上司の判断でその日の内に」と「本人の判断で次の日に」に
回答が 2 分されていることが確認できた。
問 24 ①仕事が終わらない場合の終わらせ方 と 問 24 ②仕事が終わらない場合の判断 のクロス表
仕事が終わらない場合の判断
その日の内に
仕事が終わらない
場合の終わらせ方
どちらかと言えば
その日の内に
どちらかと言えば
次の日に
次の日に
合計
度数
行の %
度数
行の %
度数
行の %
度数
行の %
度数
行の %
合計
上 司
どちらかと
言えば上司
どちらかと
言えば本人
本 人
9
2
3
0
14
64.3%
14.3%
21.4%
0.0%
100.0%
5
22
12
2
41
12.2%
53.7%
29.3%
4.9%
100.0%
7
9
11
2
29
24.1%
31.0%
37.9%
6.9%
100.0%
0
1
1
5
7
0.0%
14.3%
14.3%
71.4%
100.0%
21
34
27
9
91
23.1%
37.4%
29.7%
9.9%
100.0%
― 81 ―
日本における男女共同参画社会の展開(1)(大束貢生・木脇奈智子・新矢昌昭・富川 拓)
3.5.女性従業員への対応について
女性従業員への対応に関して,休憩室,トイレ,生理休暇取得制度,男女同一賃金,来客時
のお茶出しについて質問を行った。調査結果では,女性専用休憩室がある企業(問 25)は
31.2%である。多くの企業はトイレが男女別に分かれており(問 26),分かれていない企業も
分けるべく検討中である(問 27)。また生理休暇取得制度を設けている企業は(問 28)77.4%
であるが,実際に利用した人がいる企業は(問 29)21.5%と,設置企業の 3 割弱にすぎない。
31.2%
問25女性専用休憩室
82.8%
問26トイレは女性男性用別
問27女性用トイレの設置
19.4%
77.4%
問28生理休暇取得制度
21.5%
問29生理休暇取得制度の利用
男女同一賃金について,能力に差がないなら男
女同一にすべきである(問 30 ①)で「思う」と
問 31 来客時のお茶出し
有効
回答した企業は 84 社(87.5%),家族を養わなけ
来客時のお茶出しについて質問したところ(問
パーセント
女性
46
47.9
決めていない
43
44.8
出さない
ればならないので男性優先(問 30 ②)で「思わ
ない」と回答した企業は 53 社(55.2%)である。
度数
合計
欠損値
合計
無回答
2
2.1
91
94.8
5
5.2
96
100.0
31),約半数の企業がお茶を女性が出しているこ
とが分かった。
3.6.介護について
介護について,時短勤務や休暇制度,離職者について質問を行った。時短勤務ができる企業
(問 32)は 93.5%,介護休暇制度が利用できる企業は 91.3%であり,制度の充実はみられる。
しかし,介護休暇制度を実際に利用した人がいる企業は 25.0%で,制度がある企業の 3 割弱と
なっており,ここでも制度はあるが利用者は少ないという結果となっている。また介護を理由
に離職した人がいる企業も 14.1%となっている。なお,離職者の男女の割合(問 36)無回答
が多すぎたため,分析することができなかった。
問32時短勤務
93.5%
問33介護休暇制度
91.3%
問34介護休暇制度の利用
問35介護理由の離職
25.0%
14.1%
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佛教大学社会学部論集 第 61 号(2015 年 9 月)
3.7.子育て支援について
子育て支援について,出産休暇制度,育児休暇制度,制度利用の申し出があった時の取り扱
いについて質問を行った。出産休暇制度がある企業(問 37)は 92 社 95.8%,育児休暇制度が
ある企業(問 38)は 88 社 91.7%と全体として制度は整っている。
出産休暇・育児休暇の申し出があった時の対応(問 39)では,「検討する」を 1,「検討しな
い」を 5 とし 5 段階で質問を行い,平均値を下記グラフで表した。したがって,1 に近いほど「検
討する」5 に近いほど「検討しない」となっている。結果,出産・育児とも制度の利用の検討
が最も多い。一方,再雇用・代理雇用・そのままの体制については平均値である 3 に近いが,
偏差が大きく,企業間でかなりのばらつきがみられると考えられる。
育児休業後の働き方について,元のポストに戻れるか(問 40)は 89.0%,時短勤務制度は
あるか(問 41)は 78.0%,保育園からの迎えの電話で送り出すことができるか(問 44)は
100%,両立支援制度を知っているか(問 45)は 78.0%と,多くの企業が制度を整えている。
しかし,復帰のための研修などがない企業(問 41)も多く(19.8%),社内の託児所(問 43)
もほぼない(1.1%)ため,制度とその制度を実際に利用する人の乖離も大きいと思われる。
3.8.職場の人間関係について
職場の人間関係について,職場内の意見交換やセクシュアルハラスメント(以下セクハラ),
パワーハラスメント(以下パワハラ)について質問を行った。結果,多くの企業が気軽に意見
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日本における男女共同参画社会の展開(1)(大束貢生・木脇奈智子・新矢昌昭・富川 拓)
交換(問 47)できる(89.4%)と回答しており,セクハラやパワハラの相談窓口(問 49,52)
を設けている(76.6%,72.3%)。一方実際の相談(問 50,53)は少ない(8.5%,10.6%)。
セクハラやパワハラの申し出があった時の対応(問 55)では,「検討する」を 1,「検討しな
い」を 5 とし 5 段階で質問を行い,平均値を下記グラフで表した。したがって,1 に近いほど「検
討する」,5 に近いほど「検討しない」となっている。結果,セクハラ,パワハラとも「加害
者に注意する」の平均値が最も高い(1.33,1.36)。逆に「訴えを無視する」は平均値が低い(4.41,
4.45)。他方,「相談者に我慢してもらう」は平均値では 3.69,3.75 と検討しない傾向となって
いるが偏差が大きく,実際には「相談者に我慢してもらう」という回答も一定検討されている
と考えられる。
3.9.意見を取り入れる仕組み
従業員,特に女性従業員の意見を取り入れる仕組みについて質問した。結果,社員の意見を
聞いて方針を決定している企業(問 56)は 70 社 72.9%,方針決定の場に女性がいるか(問
57)については 57 社 59.4%に女性がいるとの回答を得られた。
4.結びに代えて
以上は,A 市の内閣府地域女性活躍加速化交付金により行った調査の一部である。今回の
報告は,助成報告期日から間がないこともあり,交付金事業の内容及び交付金による調査結果
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佛教大学社会学部論集 第 61 号(2015 年 9 月)
の報告にとどまっている。今後は,この交付金申請において,期待される成果としてあげられ
ている項目である,
「市内企業の女性の雇用状況」「企業が女性の働きやすさを考えるきっかけ」
について分析を行うとともに,この調査による A 市行政の変化,A 市男女共同参画推進協議
会に与えた影響,特に協議会メンバーの変化について分析を行い,男女共同参画社会の推進に
おいて,助成金が行政・地域住民・企業に与えた影響を総合的に分析したい。
さらには,安倍内閣の掲げる「女性の活躍推進」がもう一つの重点政策である「地方創生」
とどのように関わるのかについて,今回のケースは地方自治体への助成を通じた「女性の活躍
推進」による「地方創生」あり方について,のモデルとなりうると考えられる。人口減少社会
における地方都市での「女性の活躍推進」と「地方創生」について今後検討していきたい。
〔注〕
(1) 男女共同参画施策の実施については,大束(1998,2006)も参照。
(2) この事業に大束はアドバイザーとして関わりを持っていた。
(3) この報告の詳細については,高島市(2015)を参照。
(4) 平成 24 年の経済センサスによれば A 市内の企業・事業所は 2,764 か所であり,今回の調査は A 市
内の全事業所の約 4.1%を対象としている。
〔文献〕
内閣府,2014,『第 1 回 経済財政諮問会議・ 産業競争力会議合同会議資料』.
大束貢生,1998,「地方行政にみるジェンダー政策-大阪府を事例として-」『佛大社会学』23,102-118.
大束貢生,2006,「あいまいな「男性施策」」,青木康容編『変動期社会の地方自治 現状と変化,そして
展望』ナカニシヤ出版,198-212.
高島市政策部企画広報課,2012,『高島市基本計画後期基本計画』.
高島市市民生活部市民協働課,2015,
「「企業における女性の働きやすさの指標」を作成しました」,
(http://
www.city.takashima.lg.jp/www/contents/1429676809546/index.html,2015. 4. 27)
〔付記〕
この報告に際し,調査データを提供していただいたA市担当部局に感謝を表したい。なおこ
の報告は平成 26 年度佛教大学個人研究助成の成果の一部である。
(おおつか たかお 佛教大学社会学部准教授)
(きわき なちこ 藤女子大学人間生活学部教授)
(しんや まさあき 華頂短期大学歴史文化学科准教授)
(とみかわ たく 聖泉大学人間学部准教授)
2015 年 4 月 30 日受理
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