BSE

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BSE
(経口感染)
BSE とは牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy)
を略したものです。脳が
スポンジのようになって死亡する牛の病気で、末期に興奮状態がみられることから狂牛病と
もいわれます。1985年英国で発見され、肉骨粉を配合した飼料を介して流行したプリオン病
と考えられています。人間にも以前からまれに(年間100万人に1人ぐらい)自然発症する孤
発型クロイツフェルト・ヤコブ病(孤発型 CJD)などのプリオン病が知られていましたが、
BSE が問題になったのは従来の型とは異なる CJD(変異型 CJD)
が英国で見つかるようにな
り、これが BSE に由来すると考えられているためです。
臨床症状:
孤発型CJDは平均的な発症年齢が60歳代で、発病から死亡までの期間が4、
5カ月、痴呆
が初発症状であるのに対し、変異型 CJD は20歳代が中心で、
発病から死亡までの期間が14カ
月程度、性格の変化、意欲の低下、しびれや痛みなどが初発症状であることが異なっています。
いずれも病状は改善することなく進行し、やがて無言、無動状態になり全身衰弱、肺炎など
で死亡します。
病原体:
異常プリオンたんぱく質
感染経路:
変異型 CJD は BSE に感染した牛の内臓を食べることで感染型プリオンが体内に侵入す
ると考えられています。このほかプリオン病としては、乾燥硬膜移植などで感染する医原性
プリオン病、食人習慣に伴うクールーなども知られています。体内に侵入した感染型プリオ
ンは脳に至ると神経細胞内の正常型プリオンを原料に複製され、異常なプリオンが蓄積した
神経細胞が次々と破壊されて、次第に脳が空胞化してきます。
潜伏期間:
プリオン病の潜伏期間は一般に数年から数十年と言われています。変異型 CJD の潜伏期
間は正確にはわかっていませんが、15年程度という説があります。
予防法:
肉骨粉を含む飼料が禁止されて以来、BSEの発生は減少してきていることに加え、現在日
本では生後21カ月以上の牛の全頭検査と特定危険部位(脳、脊髄、眼、回腸遠位部、頭蓋、
脊柱など)の使用が禁止されるなど、世界で最も厳しい危機管理が実施されているので変異
型 CJD が発生する可能性はきわめて低いと思われます。海外の基準はこれより緩いもので
すが、
18万頭以上の BSE が発生した英国でも変異型 CJD は140名程度ですから、
好んで危険
を冒さない限り変異型 CJD に罹患する可能性は孤発型 CJD を発症する確率より低いと考
えられています。