(1) 「日本透析医学会統計調査」への協力に対する倫理的基盤について

「日本透析医学会統計調査」への協力に対する倫理的基盤について
一般社団法人日本透析医学会
理事長 新田孝作
統計調査委員会 委員長 政金生人
日本透析医学会統計調査実施計画書は、平成 26 年 12 月 22 日に文部科学省と厚生労働省
から告示された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
(以下「新倫理指針」と称
します)に準拠して整備され、平成 27 年 3 月 27 日に開催された顧問弁護士を含む日本透
析医学会倫理委員会において審査されました。その結果、過去のデータの匿名化も可及的
早急に行うという付帯条件はありますが、当該調査の倫理的妥当性は承認されました。当
該調査においては、既存情報が匿名化(連結可能匿名化であって対応表を提供しない場合)
されているため、皆さまの施設におきましてはこれまでと同様に、患者さまからの文書同
意を取得することなく調査を実施できますので、引き続きご協力のほどよろしくお願い申
し上げます。
上記見解の新倫理指針上の根拠は以下になります。
1.
本研究(統計調査)の研究責任者は一般社団法人日本透析医学会理事長です。
(ア) 新倫理指針第2章において、研究者、研究責任者、研究機関の長の責務が定めら
れておりますが、これが適用されるのは本研究の研究機関である日本透析医学会
の研究者であり、統計調査にご協力いただく皆さまのご施設と勤務される先生方
には適用されません。
2.
匿名化が行われているため個々の患者から同意を得る必要はありません。
(ア) 新倫理指針「第5章インフォームド・コンセント等、第 12 インフォームド・コ
ンセントを受ける手続き等
(3)他の研究機関に既存資料・情報を提供しようとす
る場合のインフォームド・コンセント」に記載されていますように、統計調査に
ご協力いただく施設は他の研究機関(日本透析医学会)に既存情報を提供しよう
とする場合には必ずしも文書同意を必要としないと規定されています。
(イ) さらに口頭によるインフォームド・コンセント取得が困難な場合においても、
「ア
既存試料・情報が匿名化(連結不可能匿名化又は連結可能匿名化であって対応表
を提供しない場合に限る。
)されていること。
」の条件に該当すれば、インフォー
ムド・コンセントの手続きを行うことなく、既存情報を提供することができると
明記されています。そのため、本統計調査はインフォームド・コンセントの手続
きを行うことなくご協力いただくことが可能です。但し患者さまに対して貴施設
より「全国の透析患者の集計およびその変化」を明らかにする目的で日本透析医
学会にデータが提供されていること、毎年そのデータがホームページ上で公開さ
れていることを掲示または口頭などで周知していただく必要があります。
(ウ) 統計調査の実施計画書と倫理審査結果通知書(日本透析医学会 承認番号第1号)
は日本透析医学会ホームページで公開されており、日本大学病院:UMIN の臨床
研究にも登録されております。
(UMIN 試験 ID:UMIN000018641)
3.
貴施設の当該統計調査への参加は日本透析医学会倫理委員会で承認されています。
(ア) 述のように、統計調査にご協力いただく施設は、新倫理指針第2章で規定される
研究施設としての責務の発生対象とはなりません。したがって貴施設においては、
研究計画の倫理審査委員会への付議は必要ございません。
(イ) 本研究計画書「日本透析医学会統計調査 実施計画書」の 4. 研究参加施設におい
て、本研究の参加施設は、
「平成 27 年度以降、当該年度の 12 月 31 日現在で血液
透析療法を行っているすべての透析施設」と規定されております。
(ウ) 上述のように、研究計画書(統計調査実施計画書)は日本透析医学会倫理審査委
員会で承認されております。
(エ) 以上から皆さまの施設において、改めて倫理審査を行う必要はありません。
以上