平成27年度税制改正大綱発表!(396)

武蔵経営
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ニュース396号
平成27年度税制改正大綱発表!
http://www.musashikeiei.com
金融資産への管理を強める方向性明確!
マイナンバーで変わる資産課税
熊谷 048-522-0064
さいたま 048-631-2271
発行 2015/1/13
税理士法人武蔵経営 熊谷事務所 中西2-7-31、 さいたま事務所 大宮区仲町2-24-2金杉仲町ビル3F
平成27年度税制改正は金融資産情報のマイナンバー管理一色!
昨年末の12月30日に自民党・公明党から平成27年度税制改正大綱が発表されました。巨額な財政赤字が累増する中で、消
費税の大幅な増税は、困難であることから、残された担税力は「資産課税」であり、特に金融資産を網羅的に把握・管理するこ
とこそ財務省の目指すところです。平成27年度の税制改正大綱には、マイナンバーを前提とした「資産課税強化の準備」のた
めの改正が、たくさん盛り込まれています。
記載漏れや虚偽記載は
加算税5%増し
平成26年1月1日~
国外資産5000万以上の所有者
金融資産の
海外流出防止
平成27年1月1日以降の海外転出~
有価証券1億以上保有者
未成年名義の
金融資産の管
理
国外財産調書
出国税
平成28年1月1日~
未成年名義の金融資産
こどもNISA
課税未成年口座
平成28年1月1日~
資産家の
財産管理の強
化
高額所得者(所得2000万以上)
の資産の明細
高額資産家(資産3億以上)
の資産の明細
財産債務調書
の提出義務付
け
出国時に含み益課税
平
成
27
年
度
の
税
制
改
正
その資金を未成年者口座にお
ける投資以外には使えない
記載漏れや虚偽記載は
加算税5%増し
全
て
マ
イ
ナ
ン
バ
ー
で
管
理
上記の図の通り、平成27年度の税制改正大綱で描かれている今後の税制は、「直接的な増税」というわけではないのですが、
(1)金融資産が海外に流出しないよう、流出する場合には「出国税」で出国時に課税する仕組みを創設する。
(2)年間80万までの非課税口座である「子ども版NISA」を創設すると共に、未成年名義の金融資産についての管理を強める
仕組み
(3)平成26年からスタートした「国外財産調書」に加え、従来の「財産債務の明細書」を「財産債務調書」に変えて、高額所得者
と高額資産家の財産について詳細に報告させる制度を導入
という、国民の金融資産を国税当局が管理する制度を導入することが特徴といえます。これらの制度の運用にあたっては、マ
イナンバーの利用が不可欠であり、マイナンバーを使って国民の金融資産を補足していこうという財務省の狙いが如実に表れ
ています。
マイナンバー制度は資産課税のあり方を大きく変える!
日本は今後急速に高齢化が進展し、生産年齢人口が急激に減少していくことは確実なことです。現在の税制は、所得課税中
心の税制ですから、生産年齢人口が増加し経済が急成長している時代にマッチしていた税制です。これを超高齢化社会にふ
さわしい税制、すなわち所得課税に偏らない消費課税や資産課税に比重を移した税制に抜本的に改革する必要があるので
す。 しかし日本においては、ヨーロッパ諸国のように高率な消費税を導入することは、昨年の総選挙が物語るように、たいへん
困難なことです。そこで国税庁が考えていることは資産課税を強化することなのです。全国の不動産の所有者は市町村が完
全に把握しているため、もれなく固定資産税という資産課税を課税できていますが、金融資産は誰がいくら保有しているのか
政府も地方自治体も把握できていません。時代にマッチしない税制のまま日本経済が長期的に停滞したため、現在の日本の
財政は1千兆円を超える公的債務を抱えています。 その一方で1600兆円を超える国民の金融資産があるのですから、これ
を国税庁の管理下におけば財政問題の深刻度は大きく低下します。 今年から相続税の基礎控除が4割カットされ、「資産家と
はいえない普通の人にも相続税がかかる時代」が到来しますが、普通の人が保有する金融資産残高を正確に調査するために
はマイナンバー制度は不可欠です。平成27年度の税制改正は、資産課税を強化するための前提条件である「金融資産の名
寄せ」を実現するための仕組みを暗示するものであるといえます。税金を負担することのできる「担税力」は、「所得」か「消費」
か「資産」の3つしかないといわれています。所得と消費が期待できないのであれば「資産」への負担を強めなければならない
ことは自明なことです。マイナンバーの導入は資産課税を大きく変える可能性を秘めています。今年の1月1日から相続税が
増税されたことは多くの人に周知されていますが、今年からマイナンバー法案が施行されていることはあまり話題となっていま
せん。今年の税制改正は、このマイナンバー制度を前提にしていることに留意しなければなりません。
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た。新税制は日本がどのような未来を描いているのか示すとともに、実際に改正される前に情報を入手することこそ企業経営
や資産経営にとって価値があると考えて続けてきたことです。
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