C A S E S T U D Y 狭山市役所 地方行政システムの“あるべき姿”を具現化 HULFT-DataMagic による福祉情報の一元化で 業務効率を加速し、市民サービスの向上を実現 (データ加工・変換ツール) 狭山市役所 地方行政システムの“あるべき姿”を具現化 HULFT-DataMagic による福祉情報の一元化で 業務効率を加速し、市民サービスの向上を実現 埼玉県の南西部に位置し、狭山茶の産地として知られる埼玉県狭山市。その行政を担う狭山市役所は HULFT-DataMagic を活用し、福祉部門の情報を連携・集約する仕組みを実現。現場の業務システムはそのままに、部門の“壁”を越えた福祉情報 の共有・検索・活用が可能になった。業務の効率化・適正化により、市民サービスの向上につながっている。この仕組みは人口 減少や少子高齢化など、様々な課題を抱える全国の地方自治体の行政システムの“あるべき姿”を問うモデルケースでもある。 今後はこれを発展させ、行政の総合窓口システムとの連携を目指す。 狭山市役所 総合政策部 広報課 課長 宮﨑 昌美 氏 都 心への通 勤 圏内にありながら、豊 福祉を取り巻く環境変化に対応する な自然に恵まれた埼玉県狭山市。入間 ためには、組織や制度の枠 組みを超え 市、所沢市とともに狭山茶の産地として た支援体制が不可欠となる。 「人を中心 知られる。同市の行政を取り仕切る狭山 に、組織が手を携える体制を整備するこ 市役所は、快適でうるおいのある住生活 とが重要なのです」 と宮﨑氏は訴える。 環 境の提 供に努め、様々な取り組みを しかし、一口に福祉といっても、児童 展開している。 福祉、障害者福祉、高齢者福祉、介護 縦割りの福祉行政を脱却し プッシュ型の情報活用を目指す 保険など専門性が高く、業務領域は多 岐にわたる。 「 業務システムは部門ごと に最適化された縦割りの仕組み。全部 狭山市 福祉こども部 福祉課 地域福祉担当 主査 その取り組みの中で重点課題の1つ で24ものシステムを担当部署で使い分 が、公 平かつ充 実した福 祉サービスの けています」 と狭山市 福祉こども部の 中原 聡 提供である。 「急速に進む少子高齢化、 中原聡氏は話す。 生 活・労 働 環 境や家 族 形 態の変 化な その結果、様々な課題が顕在化して ど、福祉を取り巻く環境は年々多様化し いた。 「 例えば、他部署の情報を知りた ています。災 害 発 生 時にサポートが 必 い場合は、 その部署に問合せて調べて 要な障 害 者や高 齢 者とどう向き合い、 もらうやり方が 慣 例 化 。作 業に時 間が サポートしていくかも大きな課題です」 と かかり、窓 口を訪れた市 民を待たせて 狭 山 市 役 所の宮 﨑 昌 美 氏は語る。宮 しまったり、ほかにも受けられる給 付や 﨑氏は福祉部門在籍中に、後述する新 サービスの情報をその場で把握できず、 システムのグランドデザインを描いた中 対応が後手に回ってしまうこともありまし 心メンバーの一人だ。 た」と狭 山 市 議 会 事 務 局の平 沢 剛 志 氏 狭山市議会事務局 主査 平沢 剛志 氏 氏は当時を振り返る。平沢氏は福祉部 U s e r P rof ile 狭山市役所 門 在 籍 中 、宮 﨑 氏とともに新システム 所在地 埼玉県狭山市入間川 1 丁目23 番 5 号 人 口 約 15 万 4000 人 の実現に携わった。 概 要 1960年代以降、東京郊外のベッドタウンとして発展。公式モバイルサイトの取り組みが 平成18年度地域づくり総務大臣表彰を受賞したほか、公式ツイッターによる大雨・洪水・ 地震などの気象警報即時配信サービスを提供するなど、ITの活用に積極的な自治体と して知られる。関東三大七夕祭りの一つ「 狭山市入間川七夕まつり」は、毎年県内外 からの多くの観光客が訪れ、賑わいを見せる。 課題解決に向け、目指したのは「プッ シュ型の情 報 活 用 」。該 当する情 報を 一括で掌握できる仕組みだ。その実現 には「福祉の総合システム化」が必要と 福祉 関わり部門把握・ 重複受給点検 子ども 担当課 福祉 コミュニケーション サーバ 独自フォーマットの CSVファイル CSV … 高齢者 担当課 福 祉 部 門 の 各 業 務 システムの データは、 HULFT-DataMagicを活 用した福 祉 CS に よりデータ変 換され、一 元 的に集 約される。識 福祉総合窓口推進 別番号を入力すれば、各業務システムのデータ を横断的に共有・検索・活用することができる。 ワンストップサービス の実現 CSV … 防災 CSV … 障害者 担当課 24 種類の 福祉系システムが稼働 狭山市役所の福祉 CS 活用イメージ 将来像 住民異動情報 要援護者把握の 簡便化 住民基本台帳ネットワークシステム なる。 「しかし、 システムを一から作ると、 工 数を劇 的に削 減 。お客 様のコスト負 るとの思いがあるからだ。 膨大な手間とコストがかかります。既存 担を50%以上低減し、 なおかつ短期間 N J SはH U L F T-D a t a M a g i cを使っ システムの連 携を図るにも、カスタマイ で稼 働を開 始できます」とN J Sの大 阿 た情報連携の仕組み、情報を集約する ズが必 要 。いずれにしても、高いハード 久満氏は評価する。 データベースなどを構築し「福祉コミュニ ルが待ち構えていたのです」 ( 宮﨑氏)。 自治体では総合窓口化の流れが顕著 ケーションサーバ(以下、福祉C S)」 とし だ。 しかし、多くの総合窓口システムは福 てソリューション化。住基システムとの連 祉部門が蚊帳の外。制度も仕組みも多 携により、住民一人ひとりに付与した固 岐にわたり、手続きも煩雑なことがその 有の識別番号をキーに、最新の福祉情 頭を悩ませている時 、地 元のシステ 理由だ。福祉の総合システム化は、狭山 報を一元的に把握できるようにした。 ムベンダーである日本情報システム (以 市だけに限った課題ではない。 下、N J S) から提案されたのが、 セゾン情 新たな仕組みづくりを進める宮﨑氏の 報システムズの「HULFT-DataMagic」 考えは、今回の提案を狭山市だけのもの を使ったシステム連携である。 にせず、同 様の課 題を抱える全 国の自 福祉C Sの活用による最大のメリット 24ある福祉系システムはそれぞれ現 治体でも使えるものにすること。それが は、 システムの違いを意識しない情報共 場の業 務と密 接に関 連している。 「大 地方行政を改革する起爆剤の1つにな 有が可能になったことだ。 「例えば、 こど 既存システムに手を加えず 情報を連携・集約できる点を評価 掛かりな総合システムに入れ替えたとこ ろで、それが 現 場に合うとは限らない。 システム連 携を目的に、使い慣れたシ ステムを捨ててまで、無理やり総合シス テムに刷 新するのは得 策ではない 」と 語る中原氏。 その点、HULFT-DataMagicは様々 な形 式のデータの加 工・変 換を自動 化 するツール。異なるシステムのデータを 統一的なフォーマットでデータベースに 集 約することで、部 門 間の情 報 連 携を 可 能にし、福 祉の総 合システム化を容 易に実現できる。 「 既存システムに手を 加える必要がないので、開発やテストの 待ち時間を短縮し情報提供力が向上 福祉を切り口に幅広い活用を図る http://www.hulft.com/ もを対象にした受給状況を確認する場 開発を担当したN J Sにもメリットが大 お客様のシステムが多いほどH U L F T- 合、従来は児童手当、 こども医療、児童 きい。 「 汎用的な福祉C Sとして提供す D a t a M a g i cを活用するコストメリットが 扶養手当、ひとり親医療など複数の業 ることで、他の自治 体への横 展 開が可 あると考えています」 と、N J Sの大阿久 務システムにそれぞれログインする必要 能になり、事業の広がりが期待できます」 氏は力強く語る。 がありました。 しかし、今では所管の情報 ( 大 阿 久 氏 )。同 様 の 課 題を抱える自 福祉C Sは狭山市役所の要望を取り を一回のログインで網羅的に把握できま 治体から、既に多数の引き合いがあると 入れて実現したもの。この取り組みは市 す」 ( 中原氏)。相談に訪れた市民の照 いう。 政の中で高く評価され、狭山市の「職員 会作業を効率化し、待ち時間を大幅に H U L F T-D a t a M a g i cを使ったシス 改善提案」で金賞を受賞した。 「しかし、 短縮できるのだ。 「以前より短時間で受 テム連携にしたことで、いくつものメリッ 現 段 階では理 想の姿の3 0%にすぎな けられる給付やサービスなどを幅広く紹 トが 生まれている。 「 本 来ならば 開 発 い」 と言う宮﨑氏。次に目指すのが、狭 介できます」 ( 平沢氏)。 当 初に、出力項目の順 番や『 S - J I S 』 山市が独自に進める「 要援護者対策 」 適正な福祉行政の徹底を図ることで、 『 U n i c o d e 』などの文字コードといった への活用だ。障害等級、要介護 度 、健 将来的には行政サービス全体のコスト システム連携に必要な細かな仕様は入 康状態などから、サポートが必要な障害 の低減も期待できる。 「 情報は共有・検 念に決めるべきことだと思います。こち 者や高 齢 者の “援護度” をモデル化す 索・活用できてこそ、本当の情報。部門 らの仕様をお客様側のシステムに合わ る。これをもとに、組織が手を携えて迅速 間の連携が加速すれば、福祉の情報は せる場 合でも、逆にお客 様 側のシステ かつ適正なサポートを提供するのが狙い “ 宝の山 ” になります」と宮 崎 氏は期 待 ムを合わせていただく場合でも、いずれ だ。その先には行政の総合窓口システム を込める。 にしても作業が発生します。つまり仕様 との連携も見据える。 この仕組みがあれば、部門の担当者 の事前決定は、設計、実装、テストに至 HULFT-DataMagicを活用した福祉 が不 在でも必 要な情 報を掌 握し、市民 るすべての工 数になってしまいます。 し C Sにより、福祉分野のシームレスな情 の要望に応えられる。 「災害時に被災状 かし、H U L F T-D a t a M a g i cならば、項 報連携を実現した狭山市役所。この仕 況に応じてどのようなサポートを受けられ 目の並び替えや、文字型の変換に至る 組みをベースに福祉行政の効率化・適 るか迅速に提示することも可能になりま まで、G U Iで管理できて効率的に処理 正化を進めるとともに、取り組みの輪を す。情報を民生委員と共有することで、 できるので、 プログラム実装とテストにか 狭山市全体に広げ、市民サービスのさら 障害者や高齢者を地域で見守る体制も かわる費 用が最 適 化できます。さらに、 なる向上を目指す考えだ。 強化できます」 ( 中原氏)。 設 計 書を逆 生 成することも容 易です。 ● HULFT、 その他HULFT関連製品は、 株式会社セゾン情報システムズの登録商標または商標です。 ● UNIXは、 The Open Groupの登録商標です。 ● Windowsは、 米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。 ● 記載されている会社名及び製品名は、 各社の商標または登録商標です。 ● 本カタログに記載されているシステム名、 製品名などには、 必ずしも商標表示 (TM、 ®) を付記しておりません。 HULFT Pte.Ltd. このカタログの記載内容は、2015年4月現在のものです。本カタログの記載内容は予告なく変更することがあります。 201504-3000-1
© Copyright 2024 ExpyDoc