平 成 26 年 度 事 業 報 告 書 一般財団法人 貿易研修センター 目 Ⅰ 次 本部事業 ページ 1.国際交流事業 1 (1)招聘事業 1 (2)インダストリアルツアー 6 (3)特定テーマ等交流事業 8 (4)医師招聘事業 2.人材育成事業 16 19 (1)日本ケースセンター(CCJ)事業 19 (2)アジア太平洋経済協力(APEC)経営人材育成事業 24 3.調査研究及び情報提供事業 26 (1)調査研究事業 26 (2)情報提供事業等 34 Ⅱ 日欧産業協力センター事業 ページ 1.日・EU ビジネス・ラウンドテーブル(BRT) 37 2.情報提供事業 38 (1)セミナー 38 (2)ビジネス・科学技術パートナーシップ支援 41 (3)政府調達関連情報 42 3.研修事業 43 (1)受入研修事業 43 (2)テーマ別研修事業 43 (3)ヴルカヌス・プログラム 43 (4)クラスターミッション 48 4.科学・技術・イノベーション協力事業 (1)ナショナルコンタクトポイント(NCP)事業 49 49 (2)「イノベーション・科学・技術における日欧協力関係構築」 (JEUPISTE)プロジェクト 52 (3)「平成 26 年度戦略的情報通信研究開発推進事業(国際連携型) に係る業務の請負」の運営及び管理等に係る事務の請負 5.欧州事務所の活動 55 57 (1)広報活動 57 (2)情報提供 58 (3)国際教育者招聘(IEJ) 59 Ⅲ Ⅳ 業務管理運営体制 ページ (1)理事会・評議員会の開催 60 (2)平成 26 年度事務局体制・組織図 62 附属明細書について 63 平 成 26 年 度 事 業 報 告 一般財団法人貿易研修センターが平成 26 年度において実施した事業は、次の とおりである。 Ⅰ 本部事業 1.国際交流事業 (1)招聘事業 1)アジア有望指導者招聘 アジア諸国の行政機関、経済団体等の幹部職員で、経済分野において次世代 を担うことが有望視される指導者を日本に招聘し、我が国各界要人との交流や 企業訪問などを通じて、対日理解の促進と人脈形成を目的とする事業で、平成 18 年度から実施している。 平成 26 年度は、「アジア新興国に期待される人材の育成」をテーマに、カン ボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV 諸国)から、各国 3 名合計 12 名を招聘した。 参加者は経済産業省において、我が国における産業人材育成施策についての 説明を受け、日本の人材育成政策に関する理解を深めた。その後、 (一財)海外 産業人材育成協会(HIDA)、アジアに既に進出している企業を訪問し、民間企 業の現場で人材育成プログラムがどのように導入されているかについて学んだ。 また、アジアで活躍する日系企業の動向や現地の人材育成状況に詳しい専門家 と意見交換を行った。 第 8 回「アジア有望指導者招聘」<日程> 10 月 6 日(月) 参加者来日(成田着) オリエンテーション、講義 歓迎レセプション (都内泊) 10 月 7 日(火) 経済産業省産業政策局産業人材政策室訪問 (一財)海外産業人材育成協会(HIDA)訪問(足立区) (株)ファミリーマート本社訪問(豊島区) (都内泊) 10 月 8 日(水) (株)南武訪問(大田区) 東芝科学未来館訪問(川崎市) (都内泊) 1 10 月 9 日(木) マニー(株)訪問(栃木県宇都宮市) 日光金属(株)片岡工場訪問(栃木県矢板市) (都内泊) 10 月 10 日(金) 日本郵船(株)訪問(千代田区) 講義 修了式 (都内泊) 10 月 11 日(土) 参加者離日(成田発) 第 8 回「アジア有望指導者招聘」<参加者> (国別アルファベット順) <カンボジア王国> Mr. Reach Ra(リーチ・ラ) カンボジア商業省 次官 Mr. Laov Him(ラオブ・ヒム) カンボジア労働職業訓練省 技術・職業教育訓練総局長 Mr. Ren Kun(レン・クン) カンボジア教育・青少年・スポ-ツ省 人事局人材開発部長 <ラオス人民民主共和国> Mr. Bounsom PHOMMAVIHANE(ブンソム・ポマビハン) ラオス商工業省 外国貿易政策局長 Mr. Somlong PHOKHAMMEUANGSENE(ソムロン・ポカムアンセン) ラオス商工業省 組織・人事局次長 Ms. Sengdavone BANGONESENGDET(センダボン・バンゴンセンデ) ラオス商工会議所 事務局次長 <ミャンマー連邦共和国> Mr. Thwin Myint Maung(トウィン・ミン・マウン) ミャンマー工業省 工業局長 Mr. Tin Maung Kyi(ティン・マウン・チー) ミャンマー国家計画経済開発省 事業評価・進捗報告局長 Dr. Thet Thet Khine(テッ・テッ・カイン) ミャンマー商工会議所連合会 事務局長 <ベトナム社会主義共和国> Mr. Nguyen Van Thao(グエン・バン・タオ) ベトナム商工省 人材開発局次長 Ms. Nguyen Thi Thu Mai(グエン・ティ・トゥ・マイ) ベトナム商工省 人事局次長 Mr. Tran Ba Cuong(トラン・バ・クオング) ベトナム商工省 多国間貿易政策局 WTO 部次長 2 2)アジア新興市場国との交流促進 今後、急速な成長が期待できるアジア新興市場諸国の有望な若手人材を国別 に招聘し、日本の産業界等との交流を行うことにより、中長期的な観点からこ れら諸国とのネットワーク強化を図る事業で、平成 25 年度から実施。平成 26 年度は、在カンボジア日系企業の有望な若手人材 5 名を招聘した。 参加者は、日本の産業を支える技術、顧客サービス、伝統等について、企業、 団体等の訪問における意見交換や事業内容の説明を通じ、組織の成長を支える 要因や事業の海外展開戦略などを学ぶことができた。また、歴史的施設を訪問 し、日本経済・産業の背景にある歴史、文化、伝統に対しても理解を深めた。 なお、本事業は、(公財)JKA の補助金を受けて実施した。 「アジア新興市場国との交流促進~カンボジア」<日程> 11 月 17 日(月) 11 月 18 日(火) 参加者来日(成田着) オリエンテーション、講義 駐日カンボジア大使表敬訪問 (東京泊) (株)前川製作所守谷工場訪問(茨城県守谷市) (株)浜野製作所訪問(墨田区) 東海道・山陽新幹線総合指令所訪問 (東京泊) 11 月 19 日(水) (株)クボタ筑波工場訪問(茨城県つくばみらい市) 東レ(株)A&A センター訪問(名古屋市) (名古屋泊) 11 月 20 日(木) オークマ(株)本社・本社工場訪問(愛知県丹羽郡) オムロン(株)コミュニケーションプラザ訪問(京都市) 京都市内視察 (京都泊) 11 月 21 日(金) (株)細尾訪問(京都市) 京都市内視察 総括報告会 (京都泊) 11 月 22 日(土) 参加者離日 3 「アジア新興市場国との交流促進~カンボジア」<参加者> (アルファベット順) Ms. CHEA Sok Keang(チア ソク ケアン) 丸紅プノンペン事務所 プロジェクトコーディネーター Mr. MAM Chan Neang(マム チャニアン) 住友電装カンボジア アシスタント・セクションマネージャー Mr. SAM Techkong(サム テコン) パナソニック・カンボジア駐在員事務所 マネージャー Ms. SOK Siev(ソク スィエブ) モロフジ・カンボジア オフィスマネージャー Ms. SOY Phaleng(ソイ ファレン) 中山商事カンボジア 会計担当 3)国際教育者招聘事業(IEJ) 我が国企業の海外進出が活発化した 1970 年代から、進出日系企業をメンバー とする現地日本人会などが中心となって、駐在員子女を受け入れている現地公 立学校等の教師や教育関係者を、感謝と対日理解促進の目的で日本に招聘する プログラムが企画され、今日まで 40 年近く継続されている。当初、我が国にお ける受け皿は(独)日本貿易振興機構であったが、平成 20 年度からは当センタ ーが業務を引き継ぎ実施している。 平成 26 年度は、欧米から 24 名(米国 19 名、カナダ 2 名、ベルギー3 名)を 招聘し、6 月 22 日(日)から 7 月 3 日(木)にかけて実施した。参加者は、日 本に関する講義や学校訪問、企業訪問、地方視察やホームステイ等を通して、 日本の文化や社会、教育制度について学び、帰国後は、その経験を日本人子女 教育の現場で活かしている。 第 39 回「国際教育者招聘(IEJ)プログラム」<日程> 6 月 22 日(日) 参加者来日(成田着) (都内泊) 6 月 23 日(月) オリエンテーション、教育セミナー 都内視察 (都内泊) 6 月 24 日(火) 学校訪問 品川区立立会小学校 千代田区立九段中等教育学校 (都内泊) 4 6 月 25 日(水) (一財)セイコきもの文化財団(鈴乃屋)訪問 (都内泊) 6 月 26 日(木) 東京から各ホームステイ先の都市へ移動 東大寺特別拝観(奈良グループ、斑鳩グループ) トヨタ自動車(株)訪問・懇談(豊田グループ) (ホームステイ) 6 月 27 日(金) 学校訪問 奈良女子大附属小学校(奈良グループ) 斑鳩町立斑鳩西小学校(斑鳩グループ) 豊田市立逢妻中学校、豊田市井郷中学校(豊田グループ) (ホームステイ) 6 月 28 日(土) 各ホームステイ先から広島へ移動 (広島泊) 6 月 29 日(日) 広島平和記念公園視察 講演:美甘 進示氏/美甘 広島平和記念資料館視察 宮島訪問 章子氏 (広島泊) 6 月 30 日(月) 広島市立基町小学校訪問 広島から京都へ移動 (京都泊) 7 月 1 日(火) 京都市内視察 (京都泊) 7 月 2 日(水) 総括報告会 修了式 (京都泊) 7 月 3 日(木) 参加者離日(関空、伊丹発) 第 39 回「国際教育者招聘(IEJ)プログラム」<参加者> <米国> Ms. Kristina Provost(クリスティーナ・プロヴォスト) Ms. Jeannine McGuigan(ジャニーヌ・マックガイガン) Ms. Lynda Pierce(リンダ・ピアース) Ms. Michelle Slattery(ミッシェル・スラッテリー) Ms. Jessica Mossbarger(ジェシカ・モスバーガー) Ms. Alexandra Hill(アレクサンドラ・ヒル) 5 (ロサンゼルス) (ロサンゼルス) (ロサンゼルス) (ロサンゼルス) (ロサンゼルス) (ロサンゼルス) Ms. Mary Antunez(メアリー・アンタネズ) Ms. Catherine Murray(キャサリン・マリー) Ms. Aziza Simmons(アジザ・シモンズ) Ms. Lynn Moretti(リン・モレッティー) Ms. Karen Duthie(カレン・ダシー) Ms. Julie Bedford(ジュリー・ベドフォード) Ms. Debbie Thomas(デビー・トーマス) Ms. Jeanine Cleaver(ジャニーン・クリーバー) Mr. Michael Johnson(マイケル・ジョンソン) Ms. Beverly Martin(ベバリー・マルティン) Mr. Patrick McCreery(パトリック・マクリーリ) Ms. Paulette Campbell(ポーレット・キャンベル) Ms. Belinda Trevino(ベリンダ・トレビーノ) (ロサンゼルス) (アトランタ) (アトランタ) (ダラス) (デトロイト) (デトロイト) (デトロイト) (デトロイト) (デトロイト) (ヒューストン) (ポートランド) (ポートランド) (サンアントニオ) <カナダ> Ms. Elizabeth McFarlane(エリザベス・マクファーレン) Ms. Kamla Rambaran(カムラ・ランバラン) (トロント) (トロント) <ベルギー> Ms. Alexandra Toms(アレサンドラ・トムズ) Ms. Sinead Fitzsimons(シュネード・フィッツシモンズ) Ms. Lisa Schubert(リサ・シューベルト) (ブリュッセル) (ブリュッセル) (ブリュッセル) 計 24 名 (2)インダストリアルツアー 1)東北インダストリアルツアー 日本に駐在している外交官を対象に、北東北の経済産業活動の状況把握、ビ ジネス交流の可能性の検討等を目的とした産業視察を実施した。 平成 26 年度は、前回(平成 24 年度)の東北インダストリアルツアーでは訪 問できなかった北東北を中心に、東北経済産業局の全面的協力のもと、2 泊 3 日の日程で、岩手県、秋田県、青森県の 3 県を訪問した。 参加者は、現場視察に先立ち、東北経済産業局長から東北地域の経済概況と 産業復興に向けた取組みについて説明を受けた。 参加者からは、企業・自治体への訪問、盛岡における歓迎レセプション、弘 前での交流会等を通じ、地域の産学官関係者と交流する貴重な機会であったと のコメントが多数寄せられた。企業訪問の一部は、地元紙や専門誌を通じて地 域ニュースとして報道された。 このツアーは、前回のインダストリアルツアーと同様に、参加者が東京から 6 訪問地への往復交通費を負担する「現地集合・現地解散」方式で実施した。 東北インダストリアルツアー<日程> 9 月 30 日(火) オリエンテーション(盛岡市、現地集合) 講義「東北地域の復興と経済動向について」: 東北経済産業局長 守本 憲弘氏 盛岡セイコー工業(株)(精密機器)訪問 (株)岩鋳(鋳造/南部鉄器)飯岡工場訪問 岩手県 達増拓也知事表敬 歓迎レセプション(岩手県の産業に関するプレゼンテーション含む。 ) (盛岡泊) 10 月 1 日(水) 金属鉱業研修技術センター((一財)秋田県資源技術開発機構、 (一財)国際資源開発研修センター国際資源大学校)訪問 近代化産業遺産等視察 ・康楽館(国重要文化財/日本最古の芝居小屋) ・小坂鉱山事務所(国重要文化財) 小坂製錬(株) (DOWA グループ企業) (金属リサイクル、レア メタル精錬)訪問 交流会(現地側出席者:弘前市長、弘前商工会議所幹部、 弘前大学学長、青森県観光国際戦略局次長、ほか) (弘前泊) 10 月 2 日(木) ブナコ(株)(木工品)訪問 (有)二唐刃物鍛造所(津軽打刃物)訪問 弘前市長との会食(昼食) 弘前市りんご公園訪問 新青森駅にて解散 東北インダストリアルツアー<参加者> (国別アルファベット順) His Excellency Mr. Masud Bin MOMEN(マスード・ビン・モメン閣下) バングラデシュ人民共和国大使館 特命全権大使 Mr. Mikhael H. MARZUQA BUTTO(ミカエル・マルスカ・ブット) チリ共和国大使館 参事官(経済・商務担当) Dr. Stephan GRABHERR(シュテファン・グラープヘア) ドイツ連邦共和国大使館 公使参事官(経済・科学技術部) Mr. Pierluigi TROMBETTA(ピエルルイジ・トロンベッタ) イタリア大使館 参事官/経済・商務部長 7 Mr. Lundaa DAVAAJARGAL(ルンダ―・ダワージャルガル) モンゴル国大使館参事官(商務・経済担当) Dr. Talat IMTIAZ(タラット・イムティアズ) パキスタン大使館 経済公使 Mr. Tomasz SIWAK(トマス・シヴァク) ポーランド共和国大使館 貿易・投資促進部 Mr. Sergei A. MARIN(マーリン・セルゲイ) ロシア連邦大使館 参事官(経済担当) Mr. Yordying SUPASRI(ヨーディン・スパスリー) タイ王国大使館 一等書記官 Mr. NGUYEN Gia Liem(グェン・ザー・リエム) ベトナム社会主義共和国大使館 参事官 Mr. Timo HAMMARÉN(ティモ・ハマレーン) 駐日欧州連合代表部 公使参事官 計 11 名 (3)特定テーマ等交流事業 1)地域経済活性化等交流 ①タイ産業高度化におけるミッシングリンク調査事業 関東経済産業局が推進する首都圏西部地域(TAMA 地域)のものづくり企業 の更なる強化・発展に寄与するため、タイで必要とされている産業技術分野や 技術力に関する調査事業を行い、それらの産業技術を補完できる TAMA 地域企 業の可能性について提案する報告・意見交換会を実施した。 その結果、タイには更なる国内産業の高度化・高付加価値化が急務であると 同時に、自然災害や政情不安などによるサプライチェーンの破損リスクに対応 できる代替生産の確立(製造拠点の分散化、複線化)も課題であることが明ら かになった。本事業により現地の公的機関、現地企業とのネットワークを確立 して、TAMA 地域企業とタイ企業間のマッチングを開始するとともに、ミッシ ングリンク解消への第一歩を踏み出すことができた。 (注)TAMA:Technology Advanced Metropolitan Area(技術先進首都圏地域) 8 タイ産業高度化におけるミッシングリンク調査事業 調査ミッション派遣<概要> 日 程:平成 26 年 6 月 22 日(日)~6 月 25 日(水) 派遣専門家: (一社)首都圏産業活性化協会(TAMA 協会)専務理事 岡崎 英人氏 主な訪問先: タイ工業省産業振興局 NESDB-JICA 共同調査(産業・技術ミッシングリンク調査)チーム 泰日交流協会 泰日経済技術振興協会(TPA) 泰日工科大学 タイ工業団地公社(IEAT) タイ産業高度化におけるミッシングリンク調査事業 国内セミナー<概要> 日 程:平成 26 年 10 月 20 日(火)14:00~17:30 開催地:八王子市 主 催:経済産業省調査チーム:お互いプロジェクトチーム 共 催:(一社)首都圏産業活性化協会(TAMA 協会) 協 力:(一財)貿易研修センター 報告者:(一社)首都圏産業活性化協会専務理事 岡崎 英人氏 泰日経済技術振興協会(TPA)ウィラット理事、ほか 参加者:56 名 ②インドネシアとの環境・省エネビジネス交流事業 関西の企業が環境問題解決のために培ってきた技術・ノウハウを活用して、 急速な経済発展と人口増加により環境悪化に直面しているインドネシアを支援 するとともに、関西企業の海外ビジネス展開の促進を目的とする事業。 近畿経済産業局の協力を得て、当センターが支援する 2 名の専門家を含む調 査ミッションを、首都のジャカルタ、バンドン市等西ジャワ州の産業都市に所 在する政府関係機関や業界団体等へ派遣した。 調査成果を生かし、環境関連の機器や部材をパッケージとしてインドネシア に売り込むことにより、関西地域経済を活性化させる効果が期待されている。 調査団は、政府関係機関、大学等の研究機関、業界団体等におけるヒアリン グや意見交換等を通して、環境問題の現状と各種取組み、日本企業が協力可能 なニーズを調査し、その結果を帰国後、セミナーで報告した。 9 インドネシアとの環境・省エネビジネス交流事業 <概要> 調査ミッション派遣 日 程:平成 26 年 8 月 31 日(月)~9 月 6 日(土) 派遣専門家: 大阪工業大学 工学部環境工学科准教授 古崎 (公財)地球環境センター 大石 一裕氏 主な訪問先: インドネシア工業省 インドネシア公共事業省 インドネシア商工会議所 パーム油業協会 ゴム協会 食品飲料協会 バンドン市環境管理局 バンドン工科大学 インドネシアとの環境・省エネビジネス交流事業 <概要> 康哲氏 国内セミナー 日 程:平成 26 年 12 月 8 日(月)14:00~18:00 開催地:大阪市 主 催:大阪商工会議所、近畿経済産業局、Team E-Kansai、 (一財)貿易研修センター 報告者:(公財)地球環境センター 審議役 大石 一裕氏 大阪工業大学 工学部環境工学科准教授 古崎 康哲氏 参加者:55 名 ③地域資源活用産品の海外展開支援事業 (地域産日本酒・食材等の欧州向け販路開拓事業) 中国経済産業局が取り組んでいる同地域企業の海外事業展開支援への一助と して、海外とのビジネス取引に関心を持つ同地域の企業を対象に、英国ビジネ スセミナー、個別相談会を共催した。 具体的には、英国における日本食材市場の専門家を中国地域に招聘し、専門 家が、英国における日本食関連市場の現状、特性、商慣行等について最新情報 を提供し、参加企業と意見交換を行った。また、英国市場への輸出を計画して いる企業の商品の市場性、販路開拓用広報・宣伝資料の作成等について、専門 家からアドバイスを受けるといった個別相談会も併催した。 10 地域資源活用産品の海外展開支援事業 (セミナー及び個別相談会開催)<概要> 日 程: ・広島会場:平成 26 年 9 月 17 日(水)13:30~18:00 ・松江会場:平成 26 年 9 月 19 日(金)13:30~16:30 開催地: ・広島:(独)中小企業基盤整備機構 中国本部会議室 ・松江:島根県民会館 308 会議室 主 催:中国経済産業局、(一財)貿易研修センター 共 催:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 (独)中小企業基盤整備機構 中国本部 (独)日本貿易振興機構 鳥取、松江、岡山、広島、山口 各貿易情報センタ ー ④四国地域海外展開応援フォーラム事業 四国地域における中小企業の海外展開支援を目的に、四国経済産業局等との 協力の下、フォーラム・分科会を 4 回開催した。 高松市での「全体フォーラム」に引き続き、四国 4 県(香川県、愛媛県、高 知県、徳島県)で各 1 回中小企業の関心の高いベトナムとミャンマーをテーマ とした「分科会」を開催した。各分科会には、当該地域とのビジネスに関心が ある企業が参加した。メコン地域の専門家、既に活躍している企業から、同地 域での事業展開に対するアドバイスや注意点等が紹介された。また、参加者同 士の交流・連携を促すため、交流会等を開催した。 「四国地域海外展開応援フォーラム」(第 1 回)<概要> 日 程:平成 26 年 7 月 14 日(月)14:30~17:00 開催地:香川県高松市 主 催:四国経済産業局、 (独)日本貿易振興機構 徳島、香川、愛媛、高 知各貿易情報センター、 (独)中小企業基盤整備機構四国本部、 (独) 国際協力機構四国支部、(一財)貿易研修センター 報告者:タイ国家経済社会開発委員 会政策顧問 松島 大輔氏 ブラザー工業(株) 経営企画部長 小出 哲郎氏 参加者:141 名 11 「ベトナム会 in 四国」<概要> 日 程:平成 26 年 9 月 22 日(月)14:00~17:00 開催地:愛媛県松山市 主 催:四国経済産業局、(独)日本貿易振興機構 徳島、香川、愛媛、 高知各貿易情報センター、(独)中小企業基盤整備機構四国本部 (独)国際協力機構四国支部、(一財)貿易研修センター 共 催:愛媛県中小企業団体中央会 報告者: (独)日本貿易振興機構 本部海外調査部アジア大洋州課長 池部 亮氏 ESUHAI 代表取締役社長 レ・ロンソン氏 参加者:115 名 「ミャンマー会 in 四国」<概要> 日 程:平成 26 年 11 月 26 日(水)14:00~17:00 開催地:高知県高知市 主 催:四国経済産業局、(独)日本貿易振興機構 徳島、香川、愛媛、 高知各貿易情報センター、(独)中小企業基盤整備機構四国本部 (独)国際協力機構四国支部、(一財)貿易研修センター 共 催:高知県商工会議所連合会愛媛県中小企業団体中央会 報告者:Office Teddy 代表 山口 哲氏 (株)オーエフエー 代表取締役 中島 秋広氏 参加者:61 名 「ミャンマー会 in 四国」<概要> 日 程:平成 27 年 2 月 16 日(月)14:30~17:00 開催地:香川県高松市 主 催:四国経済産業局、(独)日本貿易振興機構 徳島、香川、愛媛、 高知各貿易情報センター、(独)中小企業基盤整備機構四国本部 (独)国際協力機構四国支部、(一財)貿易研修センター 共 催:(一財)海外産業人材育成協会 報告者:(株)カンポマリノ 代表取締役 國光 保夫氏 (株)和幸製作所 取締役副社長 小川 暁氏 参加者:71 名 12 「ベトナム会 in 四国」<概要> 日 程:平成 27 年 3 月 11 日(水)14:30~17:00 開催地:徳島県徳島市 主 催:四国経済産業局、(独)日本貿易振興機構 徳島、香川、愛媛、 高知各貿易情報センター、(独)中小企業基盤整備機構四国本部 (独)国際協力機構四国支部、(一財)貿易研修センター 報告者:(株)土佐電子 代表取締役 辻 韶得氏 (株)フォーバル 海外サポートグループ長 中 洋介 氏 参加者:78 名 2)市場協議会支援 センターは、平成 16 年度より、英国、オランダ、ベルギー・ルクセンブルグ の 3 つの市場協議会とともに、我が国とこれら諸国との経済交流強化促進を目 的とする事業の実施に協力している。 平成 26 年度も英国、ベルギー・ルクセンブルグ両市場協議会との間に締結し た経済交流促進事業協力に関する契約に基づき、下記の 2 事業を実施した。 ①英国市場協議会 2012 年ロンドンオリンピック&パラリンピック大会関連企業 16 社からなる ミッションの訪日を受け、「東京 2020 オリンピック関連ミッション支援事業」 として、平成 26 年 11 月 26 日、英国大使館におけるセミナーの開催を支援し た。 英国企業の持つレガシー(遺産・ノウハウ)を伝えることを目的に、ミッシ ョン参加企業がロンドン 2012 あるいはその他のグローバルスポーツイベント にどのように関わったかを中心にプレゼンテーションを行い、東京 2020 組織委 員会、東京都オリンピック・パラリンピック準備局、日本ラグビーワールドカ ップ 2019 組織委員会を始め、多くの省庁、民間企業から約 200 名の参加を得 た。 ②ベルギー市場協議会 「ベルギー・ルクセンブルグ対日貿易促進ミッション(YES IX)受入れ支援 事業」を実施した。 YES(Young Executive Stay)プログラムは、平成 9 年に来日されたベルギー 王室フィリップ皇太子殿下(当時)の「対日貿易を促進するためには、実際に 同業務に携わっているベルギー・ルクセンブルグの民間企業の若手幹部を日本 に派遣し、日本市場及び日本の商慣習等を正しく理解させる必要がある。」との 提言を受け、平成 10 年度から隔年実施されている。 9 回目となる今回は、平成 26 年 10 月 21 日~24 日の期間、ベルギーから7 社、ルクセンブルグから 1 社、合計 8 社からなるミッションが来日し、ベルギー 13 大使館における講義の後、有望提携先等の日本企業を訪問した。 3)資源等貿易に係る国際会議 平成 27 年 3 月 2 日、3 日の両日、都内会場において、持続的発展と環境保護 に関する国際的政策協力を促進する観点から、天然資源及びエネルギーの国際 貿易に関連する障壁、障害を特定し評価することを目的に、国際シンポジウム を開催した。 1 日目は、 「天然資源の輸出規制」 (Export Controls of Natural Resources)、 2 日目は、 「エネルギー取引と環境」 (Energy Trade and Environment)を主た るテーマとし、それらテーマの下、それぞれ 4 つ、合計 8 つのパネルを設け、 国内及び海外 10 か国の専門家、計 27 名がチェア、スピーカー、コメンテータ ーとして多種多様なテーマについて報告・議論を行った。 開会挨拶 松下 満雄(元 WTO 上級委員会委員、東京大学 名誉教授) Thomas J. Schoenbaum(ワシントン大学 Harold S. Shefelman 特別 教授(ディスティンギッシュトプロフェッサー)) パネル 1: 司会: 「 主 用 輸 出 国 の スピーカー: 資 源に関する法 と政策」 松下 満雄 Andrew D. Mitchell(メルボルン大学ロースクール 教授) Jingdong Liu(中国社会科学院 教授) R.V. Anuradha(Clarus 法律事務所 パートナー) Amarsanaa Batbold(モンゴル国立法律事務所 副 所長) Georgy Daneliya(K&L Gates 外国法共同事業法 律事務所 アソシエイト) パネル2: 司会 Thomas J. Schoenbaum 「 輸 出 規 制 と スピーカー: Gabrielle Marceau(世界貿易機関 法律部顧問) WTO 協定」 コメンテーター: Dongsheng Zang(ワシントン大学ロースクール 准 教授) Julia Ya Qin(ウェイン州立大学ロースクール/清 華大学法学院 教授) パネル 3: 司会: Thomas J. Schoenbaum 「 自 由 貿 易 協 定 スピーカー: 中川 淳司(東京大学社会科学研究所 教授) (FTA)と天 然 資 コメンテーター: 福 永 有 夏(早 稲 田 大 学 社 会 科 学 総 合 学 術 院 源」 教授) 末冨 純子(ベーカー&マッケンジー法律事務所 弁護士) 14 パネル4: 司会: 松下 満雄 「 天 然 資 源 の 輸 スピーカー: Jean-François Bellis(バンバール・アンド・ベリス法 出に関する競争 律事務所 マネージング・パートナー) 法の課題」 コメンテーター:滝川 敏明(関西大学 教授) Marek Martyniszyn(クイーンズ大学ベルファストロ ースクール 講師) パネル 5: 司会: Thomas J. Schoenbaum 「 特 別 協 定 と エ スピーカー: Michael Hahn(ローザンヌ大学 教授) ネルギー: エネ コメンテーター:淀川 詔子(前 エネルギー憲章事務局 法務顧 ルギー憲章に関 問 西村あさひ法律事務所 弁護士) する条約、WTO 小林 友彦(小樽商科大学 准教授) 緑化技術協定 WTO 情報技術 協 定 、 WTO 貿 易円滑化協定」 パネル 6: 司会: 松下 満雄 「 再 生 可 能 エ ネ スピーカー: Jaemin Lee(ソウル国 立 大 学 校 法 学 専 門 大 学 院 ルギー取引にお 准教授) ける補 助 金 の問 コメンテーター:Heng Wang(西南政法大学大学院 教授) 題点」 藤井 康次郎(西村あさひ法律事務所 弁護士) パネル 7: 司会: 松下 満雄 「 エ ネ ル ギ ー 取 スピーカー: Susan L. Karamanian(ジョージワシントン大学ロー 引と投資協定」 スクール 学部長) コメンテーター: 濱本 正太郎(京都大学大学院 教授) 岩田 伸人(青山学院大学 教授) パネル 8: 司会: Thomas J. Schoenbaum 「環境問 題: 気 スピーカー: Krista Beth Nadakavukaren Schefer(バーゼル大 学 候 変 動 と貿 易 / 教授) 投資」 コメンテーター:村瀬 信也(国際法委員会 「大気の保護プロジェ クト」特別報告者) デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 司会: 松下 満雄 及びまとめ コメンテーター: Thomas J. Schoenbaum 2)2014 年度課題別研修「貿易投資促進のための WTO 協定の活用」 (独)国際協力機構(JICA)の委託を受けて、経済産業省通商機構部及び貿 易経済協力局貿易管理部特殊関税等調査室の支援の下、平成 26 年 12 月 8 日~ 12 日、研修受託機関として標記研修を実施した。 JICA は、2001 年~2010 年度に「WTO 協定・紛争解決了解の運用」コース を実施し、その後も WTO 協定の基本構造や重要な条項の理解促進が喫緊の課 題であると認識されていることを踏まえ、2010 年度から開発途上国における貿 15 易と投資拡大、それに伴う経済発展、さらには国際貿易システム発展のために、 本研修コースを委託事業として実施している。 今回の研修は、WTO 協定の全体構造と諸制度を運用するために必要な国内実 施体制についての理解が参加国の WTO 関係者に共有されることを目的として、 WTO 協定の履行に関連する政府及び民間機関の WTO 協定関連分野において 5 年以上の経験を有する方々を対象に、13 か国から 17 名の参加を得て実施した。 2014 年度課題別研修「貿易投資促進のための WTO 協定の活用」<日程> 12 月 8 日 研修に関するブリーフィング (月) プログラム・オリエンテーション 東京税関原産地センター訪問 ( JICA 東京泊) 12 月 9 日 講義「WTO(全体概要)」:東京大学 社会科学研究所教授 中川 (火) 淳司氏 講義「貿易救済」:WTO 事務局 参事官 Jesse Kreier 氏 ( JICA 東京泊) 12 月10 日 講義「紛争解決」:早稲田大学 社会科学総合学術院教授 福永 有夏氏 (水) 講義「経済界から見た WTO 」:経団連日本経済団体連合会(経団 連) 国際経済本部副本部長 上田 正尚氏 ( JICA 東京泊) 12 月11 日 講義「投資・サービス」:三菱UFJリサーチ&コンサルティング (木) (株)主任研究員 国松 麻季氏 講義「知的財産」:明治大学 教授 高倉 成男氏 ( JICA 東京泊) 12 月12 日 講義「EPA/FTA」:慶應義塾大学 総合政策学部教授 渡邊 頼純氏 (金) 評価会 閉講式 ( JICA 東京泊) (3)医師招聘事業 1)海外医療人材育成 本事業は、海外の医療水準の向上、我が国の医療機器の普及、ひいては我が 国と関係国との相互理解の促進と経済社会面での友好関係の維持発展に資する ため、アジアを中心とする諸外国の代表的な公的医療機関が推薦する医療従事 者を招聘し、我が国における最新医療・医療機器技術を習得させるともに、日 本文化・社会の理解、学会参加による我が国医療関係者との交流の機会等を提 供するものである。 平成 26 年度は、タイ、マレーシア、ベトナム各 2 名、計 6 名の春季及び秋 季新規研修生、インドネシア 5 名、ベトナム 2 名、マレーシア、モンゴル各 1 16 名、計 9 名の短期再研修生を招聘した。 各種医療機器を使った高度診断技術の習得、外科手技や多職種協働チーム医 療現場の見学等の専門分野別実地研修の一方、学会参加、最先端医療シミュレ ーション施設の見学、また日本文化・歴史の学習やスタディツアーを通じて、 日本の先進的臨床技術、先端的医療機器・医療システムだけでなく、高度医療 を支える医療環境面の現況、さらには現在の日本社会や日本人、日本の歴史や 文化について各研修生の理解の促進、知識の深化を図った。 以上の研修生招聘に加えて、派遣元である各国医療機関の視察、要望調査、 あるいは研修のフォローアップ、各国の医療技術の向上を目的とする我が国医 療関係者の現地派遣も 2 か国において実施した。 そのうち、ベトナムでは、ハノイ医科大学付属ヴェトドク病院を表敬訪問し、 院内視察、研修生 OB との会合の機会等を通じた同国における彼らの活躍状況 や事業成果の確認、今後の同国からの研修生招聘に関わる情報収集の一方、研 修生OBほか現地脳外科医師に対して、間脳下垂体腫瘍摘出の手技デモンスト レーション、症例診断指導、講演を実施した。 また、同じくインドネシアでも、インドネシア大学、同大学医学部付属病院 のチプトマングンクスモ病院、ペルサハバタン病院、国立がんセンター、国立 循環器センターを表敬訪問し、視察、情報収集を実施する一方、プルタミナ中 央病院において研修生 OB ほか現地脳神経外科医師に対して脳神経血管内治療 に関する講演と手技・診断指導を、加えてインドネシア大学医学部付属チプト マングンクスモ病院皮膚科において研修生 OB ほか現地皮膚科医師に対して皮 膚手術の講演と手技・診断指導を実施した。 なお、本事業は、関係企業から寄附金を募り、専門医療機関(平成 26 年度は 虎の門病院)と協力して実施している。 海外医療人材育成事業<研修実施概要> 招聘期間:(春季新規研修) 平成 26 年 5 月 26 日(月)~7 月 19 日(土) (秋季新規研修) 平成 26 年 9 月 8 日(月)~11 月 1 日(土) (短期再研修) 平成 26 年 7 月 7 日(月)~19 日(土) 平成 26 年 7 月 13 日(日)~8 月 1 日(金) 平成 26 年 11 月 17 日(月)~29 日(土) 平成 26 年 12 月 1 日(月)~7 日(日) 平成 26 年 12 月 5 日(金)~7 日(日) 平成 27 年 3 月 9 日(月)~21 日(土) 平成 27 年 3 月 16 日(月)~21 日(土) 17 招 聘 者:(春季新規研修) タイ 2 名(チョンブリ病院)、ベトナム 1 名(ハ ノイ医科大学付属ヴェトドク病院) (秋季新規研修) マレーシア 2 名(マレーシア国立理科大学附 属病院) 、ベトナム 1 名(ハノイ医科大学付属 ヴェトドク病院) (短期再研修) インドネシア 5 名(スジョノ陸軍病院、プル タミナ中央病院、インドネシア大学医学部付 属チプトマングンクスモ病院、同国立がんセ ンターダルマイス病院、同ペルサハバタン病 院) 、ベトナム 2 名(ハノイ医科大学付属ヴェ トドク病院) 、マレーシア 1 名(マレーシア国 立理科大学付属病院) 、モンゴル 1 名(国立が んセンター) 18 2.人材育成事業 (1)日本ケースセンター(CCJ)事業 日本ケースセンター(CCJ)事業は、研修や授業などの教育の場におけるケ ースメソッドの普及・活用を促進し、その質的な向上に貢献することを目指し ている。平成 26 年度は、これまでの実績を基に、ケース教材の充実と利用促進、 会員向けの情報提供、各種研修・企画を推進し、更なるサービスの充実を図っ た。 1)会員制度と会員数の推移 平成 26 年度における会員の新規登録者数は 392 名であった。この結果、総 会員数は 2,279 名となり、前年比 303 名の純増であった。中でも、組織の人材 開発・研修を担当する専門会員の数が着実に伸びており、会員数でも学術会員 を大きく上回ることとなった。企業や組織における人材育成研修にケースを活 用する傾向が、ますます強まったといえる。また、今年度は一般会員を対象に 休眠会員の整理を行った。 会員数推移 平成 24 年度末 平成 25 年度末 平成 26 年度末 一般会員 904 1,196 1,389 専門会員 348 425 508 学術会員 329 355 382 2)ケース流通システムの運営・維持管理 CCJ 事業では、国内外の様々な機関で開発されたケース教材の販売・流通シ ステムを提供する会員登録制のウェブサイトを運営している。会員のニーズに 沿ったサービスを提供するため、新着ケースの定期的な配信、ケースに関する 情報の更新と管理を継続実施し、ウェブサイトの安定的な運営に努めた。 また、ウェブサイトの内容充実と更なる利便性向上を図るため、ウェブサイ トシステムの改修を行った。平成 26 年度は、ケース購入関連とイベント関連ペ ージを中心に改修実施した。ケース購入時に入力するアンケートの内容を精査 し、回答フローと合わせて見直した。また、研修・イベント関連のページでは、 表示方法の改善を行った。 ケース販売においては、平成 26 年度には約 2 万 7 千冊を販売した。これは前 年度比 7.6%であり、堅調に増加したと言える。このうち、英語ケースは 14% を占め、英語のケースにも安定した需要があることが伺えた。ケース購入者の 内訳は、学術会員が全体の 53%、専門会員が 37%、一般会員が 9%であった。 また、ケースの登録数が最も多いハーバード・ビジネス・パブリッシングのケ 19 ースは、販売数量でも全体の 76%を占めた。しかしながら、他の提供機関のケ ースや国内で開発されたケースの販売部数も堅調に伸びており、会員が多様な ケースを活用していることが伺えた。 ケース販売数推移(部数) 平成 25 年度 販売数 平成 26 年度 24,952 26,859 増加率 7.6% 3)ケース翻訳・改訂・収集 6 つの海外提携機関[ハーバード・ビジネス・パブリッシング(HBP-米国)、 アイビー・パブリッシング(Ivey-カナダ)、IMD(スイス)、INSEAD(フラ ンス・シンガポール)、ケースセンター(The Case Centre-英国)、ダーデン・ビ ジネス・パブリッシング(Darden-米国)]と提携し、多様なケースの提供を 目指している。平成 26 年度も、これら提供機関との協力関係を強化することに 努め、日本ではなかなか入手できないテーマや日本企業に関連の深い分野で、 質の高いケースを会員へ提供することができた。 年度末ケース登録数 平成 25 年度 日本語ケース 英語ケース 平成 26 年度 増加数 461 507 46 14,987 15,437 450 また、海外のケースを翻訳して使いたいという会員からの要望を受け、翻訳 ケースの登録・販売を行っている。国内のケース開発者のケース登録も受け付 けており、平成 26 年度は、新たに 46 の翻訳・国内ケースを登録し、ケースの 拡充を図った。なお、登録する翻訳ケースは、CCJ で全て翻訳のチェックを行 い、翻訳の質の確保に努めた。 4)「ケースメソッド研究会」の開催(対象:学術・専門会員) CCJ 事業では、ケースリードのスキルを磨きたい専門会員・学術会員を対象 に、ケースメソッド教育への理解を深め、その普及と質の向上のための実践の 場を、他機関とも協力・連携し、各種研修やセミナーを企画・提供している。 平成 26 年度はケースメソッド研究会を 3 回開催した。本研究会では、「ディ スカッション・リードを試す場が欲しい」という CCJ 会員からの要望で、ケー スメソッド授業の運営経験者を対象に平成 21 年度から発足させた企画である が、平成 23 年度の第 10 回研究会を最後に、休会していたシリーズ企画を平成 26 年度より再開させた。 ケースリードのスキルを磨きたい参加者が、自ら立候補し、ケースを選択し て授業計画を準備し、ディスカッションリーダーとして模擬授業を行う形態を 20 とる。生徒役となる参加者の討議をリードすることにより、ケースメソッド運 営の実践的な能力を高めることを目的としている。また、生徒役の参加者も、 他者のケースリードを体験し、一緒に授業内容について振り返って学びを共有 する。 プログラムは、①オリエンテーション、②グループ・ディスカッション、③ クラス・ディスカッション、④ディブリーフィングの順に実施し、参加者はケ ースリーダーの事前課題について各自準備した上で討議に臨んだ。 第 11 回「CCJ ケースメソッド研究会」 日 時:平成 26 年 8 月 29 日(金)13:30~17:00 場 所:(一財)貿易研修センター 大会議室 参加者:大学教員、セミナー講師・企業の人事担当者など 16 名 モデレーター: 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科特任准教授 竹内 伸一氏 ケースリーダー: 横銭事務所 代表 横銭 康弘氏 使用ケース: 「 イン ド ・ マ ドゥ ラ イ のア ラ ヴ ィ ンド 眼 科 病院 :視 力 への 貢 献 」 (CCJB-HBS-10049-01) インドのアラヴィンド眼科病院は、「貧困による失明を撲滅した い」というビジョンのもと、白内障手術をインドの最貧層に無料 で提供する一方、低コストの医療サービスを提供するアラヴィン ド・モデルを広めることを目標に、世界最大の眼科病院へ成長し た。革新的な経営方法をはじめとするアラヴィンド眼科病院の成 功要因や、今後の課題について議論を深める。 概 要:冒頭、ケースリーダーを担う参加者から、オリエンテーションを実 施した後、生徒役の参加者は各小グループに分かれて、同眼科病 院が世界有数の眼科病院になった要因や、これからの課題につい て議論を行った。クラス・ディスカッションでは、ケースリーダ ーのリードのもと、病院事業の特性や同眼科病院の経営内容を分 析し、成功要因や課題、アラヴィンド・モデルの拡大方法につい て意見交換を行った。最後のディブリーフィングでは、モデレー ターが中心となり、生徒役の参加者がディスカッション・リード の内容について参考になった点や助言を述べた。また、今回扱っ たケースの活用方法についても議論された。ケースリーダーも、 多様な背景を持つ参加者と演習を行うことで、自らのケースリー ドについて多くの気づきを得る機会となった。 21 第 12 回「CCJ ケースメソッド研究会」 日 時:平成 26 年 11 月 28 日(金)13:30~17:00 場 所:(一財)貿易研修センター 大会議室 参加者:大学教員、セミナー講師・企業の人事担当者など 17 名 モデレーター: 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科特任准教授 竹内 伸一氏 ケースリーダー: 京都大学 国際交流推進機構教授 長山 浩章氏 使用ケース: 「アップル 2012 年」(CCJB-HBS-13028-01) アップル社の創業時から、同社を倒産の危機から世界最大かつ最 も収益力の高い企業のひとつへと変貌させたスティーブ・ジョブ ズの逝去後までの同社の歩みが描かれている。ジョブズが音楽、 通信機器、コンピュータ・タブレットなど、いくつもの業界に革 命をもたらした成功の過程について説明するとともに、ジョブズ の後継者であるティム・クックのもと、同社が次の段階へ発展す ることができるかについて考えるケース。 概 要:冒頭のオリエンテーションの後、グループに分かれ、事前課題で 出された設問をもとに議論した。グループ・ディスカッションで の議論をもとに、ケースリーダーのリードでクラス・ディスカッ ションに進んだ。アップル社の事業と製品の強み、競合他社の分 析や、今後市場で競争優位性をいかに保つことができるか、意見 が交わされた。また、ジョブズが同社の成功に果たした役割につ いて分析し、今後同社が抱える課題や、成功を維持していくため に何をすべきか検討された。最後のディブリーフィングでは、ケ ースリーダーが作成した授業計画書が配布され、教育目的などに ついて解説された。モデレーターの進行のもと、生徒役の参加者 がディスカッション・リードの内容について振り返り、生徒の発 言の仕方や、フレームワークの活用について活発な意見交換が行 われた。参加者からは、ケースメソッドとアカデミック・コーチ ングを掛け合わせた授業についての新たな気づきや、フレームワ ークを明示することのメリット・デメリットを考える機会になっ た等の感想が寄せられた。 22 第 13 回「CCJ ケースメソッド研究会」 日 時:平成 27 年 2 月 27 日(金)13:30~17:00 場 所:(一財)貿易研修センター 大会議室 参加者:大学教員、セミナー講師・企業の人事担当者など 17 名 モデレーター: 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科特任准教授 竹内 伸一氏 ケースリーダー: 青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科教授 黒岩 健一郎氏 使用ケース: 「デルタ航空(A):格安航空会社の脅威」 (CCJB-HBS-10047-01) 米国を代表する老舗航空会社のデルタ航空が、サウスウエストや ジェットブルーなどの格安航空会社(LCC)の台頭がもたらす低 価格競争を背景に、LCC 対策の検討を迫られる姿が描かれている。 米国における航空産業、LCC の成功と老舗航空会社の対応につい て解説し、LCC の脅威に対抗するために、デルタ航空がどのよう な選択をすべきかについて考える。 概 要:冒頭のオリエンテーションの後、参加者はグループに分かれて議 論を行った。次にグループ討議での話し合いをもとに、ディスカ ッションリーダーのケースリードによって全体のクラス討議を行 った。ディスカッションでは、1990 年代の米国航空業界で低い投 資収益率が続いた背景と、サウスウエストやジェットブルーなど の LCC が利益を生み出している理由について議論した。また、デ ルタ航空を含めた大手航空会社の LCC が全て失敗に終わった理 由を分析し、それを踏まえて、現状を維持する/自社の LCC 事業 を修正する/または新規に LCC を立ち上げる、などの選択肢を検 討し、デルタ航空がどのような対策をとるべきか討議された。デ ィブリーフィングでは、ケースリーダーによる教育目的の解説の 後、ディスカッション・リードの内容について振返りを行った。 モデレーターの進行の下、生徒役である参加者は、ディスカッシ ョン設問の内容、順番や時間配分などについて活発に意見交換を 行い、より効果的なケース討議の方法について広く学ぶ機会とな った。 23 (2)アジア太平洋経済協力(APEC)経営人材育成事業 貿易研修センターは、APEC創設当初より、APEC人材養成作業部会(HRDWG) キャパシティ・ビルディング・ネットワーク(CBN)に、日本の代表機関として 参加し、APEC地域の持続的経済発展に資するため、海外直接投資に携わる域内 のグローバル経営人材を育成するプロジェクトを実施している。 平成26年度において、貿易研修センターが行った主なAPEC事業は以下のとおり。 1)APEC 人材養成個別事業 APEC 海外投資成功のための戦略的人材マネジメントプロジェクト 本プロジェクトは、APEC域内の海外直接投資(FDI)に関わる経営者・管理 職を対象に、FDIを通じて企業の成長・拡大を図るため、優秀な現地人材を育成・ 活用するための人材管理について学ぶことを目的に、2014年に提案して実施した ものである。 APECの代表エコノミーより推薦された人材育成分野の専門家によって、2014 年9月にキックオフ・ディスカッションをスタートさせた。企業の現地法人にお ける人材管理制度に関する様々な課題について、APECの6地域から、10ケース が開発された。このケース開発の成果を発表し、現地法人における人材管理ガイ ドラインを構築するために、2015年1月に台北市でワークショップを実施した。 台北ワークショップ(概要) 時:2015 年 1 月 27 日~29 日 所:台北市(チャイニーズ台北(台湾)) 催:Workforce Development Agency (WDA) Foundation for Women's Rights Promotion and Development (FWRPD) リソース・スピーカー: APEC 域内の人材育成専門家 8 名 <内訳>豪州(2)、インドネシア(1)、日本(2)、フィリピン(1)、 チャイニーズ台北(1)、ベトナム(1)、及び APEC 代表者 3 名(イ ンドネシア、フィリピン、タイ) 参加者:台北の中小企業及び在台北外資系企業の管理職、人材コンサルタン ト、公的機関の人材育成担当者、等、計 21 名 内 容:ワークショップでは、海外現地法人における人材管理の成功例や課 題について、専門家及び APEC の代表者らが、それぞれ大企業と中 小企業に分かれて事例発表を行った。その発表をもとに、海外投資 成功のための人材管理に関する成功要因について、ワークショップ 参加者を交えて議論を行った。参加者からは、現地の文化や環境に 対する理解、付加価値のある職業訓練や報酬体系の提供、人材発掘・ 育成に対する現地政府機関との協力など、成功要因に関する様々な 提案がされた。また、FDI に携わる企業が必要とする人材管理ガイ ドラインに含めるべき項目や情報についても議論された。 日 場 共 24 2015 年 4 月末のプロジェクト完了に向け、ワークショップでの議論をもとに、 開発ケースと人材管理ガイドラインを報告書に取り纏め、出版・配布する。 APEC 公式サイトでの電子媒体での提供も併せて、広く成果を普及させる予定 である。 25 3.調査研究及び情報提供事業 (1)調査研究事業 1)IIST 国際情勢研究会 激減する国際政治・経済情勢を的確に捉え、その対応策策定への一助とし、 我が国対外経済政策の円滑な遂行に資することを目的に、 平成 20 年度より、 「IIST 国際情勢研究会」を非公開で開催している。 研究会には、米国、中国、アジア、北朝鮮等、主要国・地域の政治経済動向 に精通した学識経験者を委員に迎え、行政官の参加を得て、国際情勢に関する 最新情報の収集、分析等に基づき意見交換を実施、平成 26 年度は計 5 回の研究 会を開催した。加えて、この研究会の成果を広く一般に発表するために、 「現下 の国際情勢と日本を考える」をテーマとして公開シンポジウムを開催した。 研究会は延べ 112 名、公開シンポジウムは 109 名の参加を得た。 なお、研究会及び公開シンポジウムの報告記録は、センターウェブサイト上 で公開し、広く情報提供を行っている。さらに、議事録は「IIST 国際情勢研究 会 報告書」として取りまとめ、経済産業省ほか関係機関に配布した。 公開シンポジウムは、(公財)JKA の補助金を受けて実施した。 IIST 国際情勢研究会<メンバー> <委員> 北岡 伸一氏 久保 文明氏 高原 明生氏 大橋 英夫氏 佐藤 考一氏 平岩 俊司氏 <ゲスト講師> 袴田 茂樹氏 中山 俊宏氏 玉田 芳史氏 田中 浩一郎氏 川島 真氏 国際大学 学長/政策研究大学院大学 教授 東京大学大学院 法学政治学研究科教授(座長) 東京大学大学院 法学政治学研究科教授 専修大学 経済学部教授 桜美林大学 リベラルアーツ学群教授 関西学院大学 国際学部教授 新潟県立大学 教授/青山学院大学 名誉教授 慶應義塾大学 総合政策学部教授 京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科 教授 (一財)日本エネルギー経済研究所 常務理事 兼 中東研究センター長 東京大学大学院 総合文化研究科 国際社会科学 専攻准教授 26 <オブザーバー> 経済産業省等関係者 <事務局> (一財)貿易研修センター 大隅 正憲 理事長 西郷 尚史 専務理事 竹中 速雄 理事 総務・企画調査広報部長 IIST 国際情勢研究会<開催状況> 開催回 開催年月日 第1回 平成 26 年 4 月 11 日 (金) テーマ 報告者 「ロシアのクリミア併合 と新たな国際関係」 袴田 茂樹氏(新潟県立大学 教 授 / 青 山 学 院 大 学 名誉 教授) 参加者 数 22 名 第2回 5 月16 日 (金) 「 オ バ マ 大 統 領 訪 日 の 評 中山 俊宏氏(慶應義塾大学 価 と ア メ リ カ の リ バ ラ ン 総合政策学部教授) シング政策の検証」 25 名 第3回 6 月20 日 (金) 「 中 国 の 内 政 外 交 の 現 状 高原 明生氏(東京大学大学 - 習 近 平 の ソ フ ト な 言 葉 院 法学政治学研究科教授) とハードな行動」 「日韓、日朝問題を考える」 平岩 俊司氏(関西学院大学 国際学部教授) 「タイ 2014 年クーデタと 玉田 芳史氏(京都大学大学 政治混迷」 院 アジア・アフリカ地域研 究研究科教授) 「 中 国 の 海 洋 進 出 と 近 隣 佐藤 考一氏(桜美林大学 諸国」 リベラルアーツ学群教授) 22 名 「イラク危機と混乱する 中東情勢」 田中 浩一郎氏((一財)日 本エネルギー経済研究所 常 務 理 事 兼 中 東 研 究セ ンター長) 21 名 「オバマ外交の課題」 久保 文明氏(東京大学大学 院 法学政治研究科教授) 第4回 7 月14 日 (月) 第5回 9 月 12 日 (金) 27 22 名 シンポジウム 「 現 下 の 国 際 情 勢 と 日 本 12 月11 日 を考える」 (木) 東海大学 基調講演 校友会館 「 オ バ マ 外 交 の 評 価 と 課 「阿蘇の間」 題-2014 年中間選挙から 16 年大統領選挙に向けて」 提言 (1)「習近平政権下の中国と 日中関係−課題と展望−」 109 名 久保 文明氏(東京大学大学 院 法学政治学研究科教授) 川島 真氏(東京大学大学院 総合文化研究科国際社会科 学専攻准教授) (2)「中国経済:“全面的な 大橋 英夫氏(専修大学 経 改革深化”の動向」 済学部教授) (3)「朝鮮半島情勢と日本」 平岩 俊司氏(関西学院大学 国際学部教授) (4)「中国の海洋進出とア 佐 藤 考 一 氏 ( 桜 美 林 大 学 ジアの安全保障」 リベラルアーツ学群教授) 討議・質疑応答 ※役職は開催当時 2)IIST アジア研究会 アジア地域が直面するテーマ・問題など、時局に合った研究課題を選定し、 政府関係者や学識経験者、関係機関の参加を得て、我が国のアジア政策の在り 方について自由に議論をする「IIST アジア研究会」を平成 18 年度より運営し ている。研究会の成果は、広く関係者が共有できるよう公開形式でシンポジウ ムを開催し、一般参加者を交えて討議することにより一層内容を深めている。 平成 26 年度は、「変貌するアジア:その 2~アセアン統合、指導者交代を踏 まえつつ~」をテーマに、非公開の研究会を計 5 回、加えて、公開シンポジウ ムを開催し、研究会は延べ 120 名、公開シンポジウムは 123 名の参加を得た。 また、研究会及び公開シンポジウムの報告記録は、広く情報提供を行うため センターウェブサイト上で公開し、さらに、議事録は「IIST アジア研究会報告 書」として取りまとめ、経済産業省ほか関係機関に配布した。 公開シンポジウムは、(公財)JKA の補助金を受けて実施した。 28 IIST アジア研究会<メンバー> <委員> 白石 隆氏 原 洋之介氏 佐藤 百合氏 瀬口 工藤 清之氏 年博氏 平賀 富一氏 三重野 文晴氏 <ゲスト講師> 浜田 慎二郎氏 北野 尚宏氏 政策研究大学院大学 学長 政策研究大学院大学 アカデミック・フェロー(座長) (独)日本貿易振興機構 アジア経済研究所 地域研究センター長 (一財)キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 (独)日本貿易振興機構 アジア経済研究所 研究企画部 研究企画部長 (株)ニッセイ基礎研究所 主席研究員 アジア部長 京都大学 東南アジア研究所准教授 東京海上ホールディングス(株) 海外事業企画部 新興市場マネージャー (独)国際協力機構 JICA 研究所副所長 <オブザーバー> 経済産業省等関係者 <事務局> (一財)貿易研修センター 大隅 正憲 理事長 西郷 尚史 専務理事 竹中 速雄 理事 総務・企画調査広報部長 IIST アジア研究会<開催状況> 開催回 開催年月日 テーマ 報告者 第 1 回 「ASEAN 経済共同体の進捗 平成 26 年 と展望」 5 月 28 日 (水) 第2回 「東京海上グループのアジ 7 月 29 日 ア事業のご紹介」 (火) 29 参加者 数 梅﨑 創氏(アジア 経済研 究所 新領域研究センター 経済統合研究グループ長 21 名 浜田 慎二郎氏(東 京海上 ホールディングス(株) 海 外事業企画部新興市 場マネ ージャー) 25 名 第3回 9 月 29 日 (月) 「中国の対外援助の現状~ 北野 尚宏(国際協 力機構 ASEAN 地域を中心に~」 JICA 研究所 副所長) 26 名 第 4 回 「インドネシア・ジョコウィ 佐藤 百合氏(アジ ア経済 10 月 30 日 政権の船出」 研究所 地域研究セ ンター (木) 上席主任調査研究員) 23 名 第5回 12 月 8 日 (月) 25 名 「 2000 年 代 以 降 の 東 南 ア 三重野 文晴氏(京 都大学 ジアの金融システム-変化 東南アジア研究所准教授) したもの、変化していない もの-」 シンポジウム「 変 貌 す る ア ジ ア ~ ア セ ア 2 月 10 日 ン統合、指導者交代を踏ま (火) えつつ~」 東海大学 校友会館 提言 「阿蘇の間」(1)「新政権下のインドネシ アと日本はどうつき合うか」 (2) 「緊密化するアジア域内 における日中両国の責務」 (3) 「ASEAN 経済共同体に 向けた企業の地域統括本部 拠点化の動向について」 (4) 「東南アジアの金融シス テムの新動向への日本の関 与のあり方」 (5) 「ASEAN 経済共同体の 到達点と今後の展望」 モデレーター 123 名 原 洋之介氏(政策 研究大 学院大学 アカデミ ック・ フェロー) 佐藤 百合氏(アジア経済研 究所 地域研究 センター上席 主任調査研究員) 瀬口 清之氏(キヤノングロ ーバル戦略研究所研究主幹) 平賀 富一氏(ニッ セイ基 礎研究所 主席研究 員アジ ア部長) 三重野 文晴氏 (京都大学 東南アジア研究所准教授) 梅﨑 創氏(アジア経済研究 所新領域研究センタ ー経済 統合研究グループ長) 討議・質疑応答 ※役職は開催当時 30 3)IIST・中央ユーラシア調査会 「IIST・中央ユーラシア調査会」は、我が国において歴史的、地理的な背 景から情報量が限られている中央ユーラシア地域(朝鮮半島からトルコにか けて存在する国々)の政治、経済、産業等について調査・研究を行う非公開 の研究会である。学識経験者、現地駐在経験者(外交官、ビジネスマン)な ど、専門家による意見交換を通じて、当該地域の最新の動きを正確に把握し、 関係者の認識を深めることにより、資源確保など我が国産業界の対外戦略策 定に貢献するものである。 平成 26 年度は、非公開の研究会を計 7 回開催し、さらにはその成果を広く 一般に発表する公開シンポジウムを、 「中央アジア・コーカサスとウクライナ 危機」をテーマとして開催した。研究会は延べ 164 名、公開シンポジウムは 144 名の参加を得た。 なお、計 7 回の研究会及び公開シンポジウムの報告記録は、センターのウ ェブサイト上で公開し、広く情報提供を行う一方、 「中央ユーラシアへの多角 的アプローチ Vol. 14 報告集」として取りまとめ、関係機関に配布した。 公開シンポジウムは、(公財)JKA の補助金を受けて実施した。 IIST・中央ユーラシア調査会<メンバー> <座長> 袴田 茂樹氏 新潟県立大学 <代表幹事> 田中 哲二氏 中央アジア・コーカサス研究所 <顧問> 渡辺 利夫氏 福川 伸次氏 拓殖大学 総長 (一財)地球産業文化研究所 <ゲスト講師> 兵頭 慎治氏 金野 雄五氏 松里 公孝氏 防衛省 防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長 みずほ総合研究所(株) 欧米調査部主任研究員 東京大学 法学部教授 教授/青山学院大学 <事務局> (一財)貿易研修センター 大隅 正憲 理事長 西郷 尚史 専務理事 竹中 速雄 理事 総務・企画調査広報部長 31 名誉教授 所長 顧問 IIST・中央ユーラシア調査会<開催状況> 開催回 開催年月日 第 134 回 平成 26 年 4 月 17 日 (木) 第 135 回 5 月 20 日 (火) テーマ 報告者 「ロ シ アの 影 響 圏に 対 する プ ーチ ン 政 権の 姿 勢 - ク リミ ア 編 入と ア ジアへの影響-」 「ウ ク ライ ナ 問 題と 中 東情勢」 兵頭 慎治氏(防衛省 防衛研 究所地域研究部米欧ロシア研究 室長) 「ロ シ アの 原 油 ・天 然 ガス 輸 出政 策 と ウク ラ イナ 情 勢 - 対 中 ・対 日 への影響は?-」 「ロ シ ア経 済 の 見通 し とビ ジ ネス 環 境 ~ウ ク ライナ情勢を踏まえて 杉浦 敏廣氏((一財)日本エネ ルギー経済研究所 研究主幹) 出川 参加者 数 24 名 展恒氏(NHK 解説委員) 21 名 梅津 哲也氏((独)日本貿易振 興機構 海外調査部主幹) 第 136 回 6 月 30 日 (月) 「最 近 の中 央 ア ジア 情 河東 哲夫氏(早稲田大学 商 25 名 勢を動かす主要要因」 学研究科非常勤講師/ウェブサ イト「Japan-World Trends」代 表/元駐ウズベキスタン・タジ キスタン特命全権大使) 「ウ ク ライ ナ 政 変と ロ 石郷岡 建氏(ジャーナリスト/ シアの行方」 元毎日新聞社 モスクワ支局長) 第 137 回 7 月 31 日 (木) 「中国の領域拡大の実 態と課題」 「ユ ー ラシ ア 経 済連 合 への 道 程 - ロ シ ア主 導 の地域統合の現段階」 茅原 郁生氏(拓殖大学 名誉 教授/元陸将補) 湯浅 剛氏(防衛省 防衛研究 所 主任研究官) 第 138 回 9月2日 (火) 「ウ ク ライ ナ 問 題と ガ ス供 給 停止 の 論 点整 理 ~CIS 経済統合の観点 から~」 「中 央 アジ ア に おけ る 水力発電を巡る動向」 金野 雄五氏(みずほ総合研究 24 名 所(株) 欧米調査部主任研究員) 第 139 回 10 月 20 日 (月) 23 名 稲垣 文昭氏(慶應義塾大学 SFC 研究所上席所員(訪問)) 「イ ン ド: モ デ ィ新 政 清水 学氏((有)ユーラシア・ 23 名 権 の 課 題 と 可 能 性 ~ コンサルタント 代表取締役/ 経済 政 策の 転 換 と積 極 帝京大学 非常勤講師) 化するアジア外交」 32 第 140 回 11 月 27 日 (木) シンポジウム 第 141 回 1 月 14 日 (水) 東海大学校 友会館 「阿蘇の間」 「 中 央 ア ジ ア における ロシア及び中国の影響」 「ト ル クメ ニ ス タン の 個人 支 配と 市 民 :ベ ル ディ ム ハメ ド フ 改革 の 現状」 柳沢 香枝氏((独)国際協力機 構(JICA)理事) 24 名 岡田 晃枝氏(東京大学 教養学 部特任准授) 144 名 「 中央アジア・コー カサスとウクライナ 危機」 イントロダクション: モデレーター兼コメンテーター: 「ウ ク ライ ナ 危 機と 上 田中 哲二氏(中央アジア・ 海協力機構( SCO)の コーカサス研究所 所長) 絡み」 提言 (1) 「プーチン露大統領 の国家観と対外政策」 (2)「中国の対ユーラ シア安全保障政策」 (3) 「ドネツク人民共和 国の発生と内戦の開始」 (4)「中央アジアの経 済開発とガバナンス」 (5)「日本の対中央ア ジア外交」 袴田 茂樹氏(新潟県立大学 教授) 茅原 郁生氏(拓殖大学 名誉 教授/元陸将補) 松里 公孝氏(東京大学 法学 部教授) 柳沢 香枝氏((独)国際協 力機構 理事) 七澤 淳氏(外務省 欧州局中 央アジア・コーカサス室長) 討議・質疑応答 33 4)特定テーマ調査研究 ①台湾情勢調査研究 東アジアの安定・平和維持のためには安定的な日台関係の維持が不可欠であ り、そのためにも台湾馬英九総統政権の性格及び動向を正確に把握することは、 我が国にとっても非常に重要であることから、2008 年の新政権誕生から同地域 情勢の調査研究を実施している。 平成 26 年度は、「統一地方選挙で国民党が大敗した」と題して、統一地方選 挙の結果を踏まえて、2016 年の総統選挙に向けて政治の季節を迎える台湾の政 治及び経済の行方、加えて周辺国の対応の変化について分析した。 (2)情報提供事業等 1)IIST 国際情勢講演会 本講演会は、世界経済のグローバル化が進展する中で、ますます重要性を増す 各国・各地域における政治・経済、社会情勢等の動向と対日関係について、各界 有識者の最新情勢分析と見通しなどを、タイムリーに紹介してもらい、国際情勢 と日本の対応への理解促進を図る事業として実施している。 平成26年度の初回は、混迷するクリミア情勢から新たな国際関係を探り、欧米 対ロシア、日露関係への影響等についてロシア、CIS諸国の動向に詳しい新潟県 立大学 袴田氏に解説頂いた。その後、政策研究大学院大学 学長の白石氏には、 新興国及び中国の台頭と、グローバル化、地域化等を解説頂いたほか、時宜に適 ったテーマでの講演会を下記の通り開催し、国際情勢への理解促進と我が国の今 後を考える一助とした。各講演会の要旨は取りまとめの上、ホームページ上で広 く公開している。 なお、福岡開催の公開シンポジウムは、(公財)JKAの補助金を受けて実施し た。 IIST 国際情勢講演会<開催状況> 開催 年月日 テーマ 講師 平成 26 年 「ロシアのクリミア併合と 袴田 茂樹氏(青山学院大学 名 4 月 16 日 新 た な国 際 関 係 - 日 露 誉教授/新潟県立大学 教授) (水) 関係への影響―」 5 月 15 日 (木) 「東アジアの現状と展望」 白 石 隆 氏 ( 政 策 研 究 大 学 院 大 学 学長) 34 参加者 数 106 名 99 名 7 月 18 日 (木) 「クーデター後のタイ政 重 冨 真 一 氏 ( (独 ) 日 本 貿 易 振 治 経 済 -社 会の不 安 定 興 機 構(ジェトロ) アジア経 済 研 化と軍の再登 場をどう見 究所地域研究センター長) るか-」 79 名 9 月 26 日 (金) 中国、朝鮮半島情勢と日 本の安全保障「減速する 中国経済の 課題と 見 通 し」 講演 1.「東アジアにおける日本と 朝 鮮 半 島 -日 韓・日 朝 関 係の構 造 的 変 容 」 :平 岩 俊 司 氏 ( 関 西 学院大学 国際学部国際学科教 授) 講演 2.「中国の内政外交の動向 と日中関係」:高原 明生氏(東京 大学大学院 法学政治学研究科 教授/新日中友好 21 世紀委員 会 日本側秘書長) 113 名 平成 27 年 国際情勢シンポジウム 講演 1.「ベトナムの経済環境と国 1 月 27 日 「ベトナムの中 小 企 業 の 際 分 業 の 展 望 」 : 池 部 亮 氏 (火) 現状と今後の展望」 ((独)日本貿易振興機構本部 海 福岡開催 外調査部アジア大洋州課長) 公開シン 講演 2.「ベトナムの裾野産業の育 ポジウム 成 戦略 や支 援 政 策」:グエン・テ ィ・ラン氏(ベトナム計画投資省企 共催:九州 業開発庁企 業情報支 援センター 経済国際 副長) 化推進機 講 演 3.「ベトナムのモノづくりの 構(九州経 今」:井上 伸哉氏 (ザ・サポート 済産業局、 (株) 取締役) (一社)九 講演 4.「ベトナムにおける中小企 州経済連 業の事業展開について」:村上 合会)、(一 樹人氏((独)中小企業基盤整備 財)九州地 機構 国際交流センター長) 域産業活 性化セン ター 58 名 2)IIST e-Magazine の発行 IIST e-Magazine 事業は、インターネットを利用して、最新の日本経済動向や産業 情報を提供し、日本への理解促進を図ることにより、日本と世界各国地域の経済交流 発展に資することを目的に平成 13 年度より実施している。 平成 26 年度は、日本の今後の成長を促す上でも重要な ASEAN 及び中国との 経済関係について連載記事を通し紹介した。また、日本経済・産業をコンパク トに解説する新連載「キーワードで知る日本」を開始し、 「TPP」を始め「地方 35 創生」他のキーワードを取り上げた。さらに平成 26 年度 12・1 月合併号から は編集部取材による中小企業紹介のシリーズを開始し、日本経済を支える日本 の中小企業への理解を図った。また、前年度に引き続き、東日本大震災後より東 北復興支援の一助として東北情報を掲載し、被災地域の各産業分野における復興 への取組みを紹介した。センター事業活動紹介記事としては、APEC 事業や各 招聘事業、インダストリアルツアー及び、センター支部の日欧産業協力センタ ーのヴルカヌス・プログラム等の活動を紹介した。 以上、センターの独自性と内容の充実を図りながら、日本経済・産業への理 解促進を促す情報を提供し、平成 26 年度は合併号 2 回を含む 10 回を発行で計 43 本の記事を紹介した。加えて、センターの事業広報に努めるとともに、読者 層・登録者数の拡大を目指し、アクセス数でのページビューは昨年の約 1.7 倍 の 110,829 となっている。 e-Magazine 事業の推進及び編集に関しては、時宜に適った各号のテーマ選定、 編纂や、執筆者選定を効率的に行うため、内部において編集会議を定期的に開 催し、効率的な編集作業を実施している。また、外部有識者からの意見を反映 し、編集機能、記事内容の充実を図ることを目的に編集委員会を設け、編集委 員であるジャーナリスト、有識者の意見を参考に、編集基本方針に関する意見 交換や執筆陣選定ほかを行っている。 また、日英語配信での翻訳については、日本経済、日本社会にも精通した翻 訳者に依頼し、誌面の質の向上と的確な情報提供を図った。 3)センター広報 センターが実施した国際交流、人材育成事業、講演会・シンポジウムなどは 事業終了後その結果概要を速やかにセンターホームページに掲載し、対外広報 に努めた。 36 Ⅱ 日欧産業協力センター 1.日・EU ビジネス・ラウンドテーブル(BRT) 「日・EU ビジネス・ラウンドテーブル」は、平成 11 年度に「日・EU ビジ ネス・ダイアログ・ラウンドテーブル」として発足した民間会議で、日欧のビ ジネス界の相互信頼と相互理解を基に、日・EU 政府に対して貿易・投資等の政 策立案に関し提言することを目的としている。 日欧産業協力センターは、毎年 1 回開かれる年次会合及びその事前準備会議 等の運営に当たり、その事務局としての機能を果たしている。 平成 26 年度は 4 月 8 日及び 9 日に、第 16 回年次会合を東京で開催した。米 倉弘昌氏(住友化学(株)会長)とファブリス・ブレジエ氏(エアバス社 社 長兼最高経営責任者(CEO))が共同議長を務め、日欧ビジネス界のリーダー約 50 名が一堂に会して、 「日本と EU の協力―世界経済の新たな成長に向けて」を テーマに、交渉中の自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA)、持続可能な 発展に繋がる新たな産業革命、FTA/EPA 締結後の日本と EU のビジネスにつ いて、活発な意見交換・討議を行った。 同会合には、これまで官として毎年参加している、経済産業省、外務省、総 務省の他に、初めて厚生労働省の参加があった。 A から E の 5 つのワーキング・パーティでは、A)貿易・投資・WTO・規制 協力、B)ライフサイエンス・バイオテクノロジー、C)イノベーション・情報 通信技術、D)金融サービス・会計・税制、E)エネルギー・環境と持続可能な 発展、に関して共同提言を発表した。 年次会合で採択された BRT 提言書は 4 月 9 日に両議長から安倍首相に手交さ れ、その後、EU 側の首脳にも提出された。 こうした BRT の活動を受け、5 月 7 日に開催された第 22 回日・EU 定期首脳 協議の共同プレス声明では、BRT について以下のように言及された。 「我々は、日 EU 経済関係の更なる発展に対する日・EU ビジネス・ラウンド テーブル(BRT)の積極的かつ継続的な貢献を認識し、様々なグローバルな課題 に取り組むべく関係を一層強化するため、とりわけ BRT を通じた双方の産業界 との協力を促進するとの決意を再確認する。我々は、関税、非関税措置、調達、 投資、サービス、競争、知的財産権、地理的表示及び規制協力が含まれるべき 『重要な懸案事項の解決に EU・日本両政府が、より一層注力し、包括的、野心 的、ハイレベルかつ互恵的な FTA/EPA を可能な限り早期に締結するよう再度 要請する』との、4 月に BRT によって採択された提言を歓迎する。我々はまた、 日 EU・FTA/EPA の早期実現を全力で支援するとの BRT の決意に強く勇気づ けられた。(以上 仮訳)」 37 2.情報提供事業 (1)セミナー 日・EU 間の経済連携と産業協力を促進するため、平成 26 年度は様々なテ ーマで合計 8 回のセミナーを開催し、産業界、政府関係機関、NGO、メディ ア等から合計約 1,093 名の参加を得た。 前年度に引き続き、エネルギー・環境、貿易投資、産業政策を主要テーマと して取り上げ、中でも 12 月に実施した、地理的表示制度についてのセミナー では、日欧の官民それぞれから現行の規制、また日本側の施行に向けての取組 み、地理的表示制度における成功事例が紹介され、参加者と講師との間で白熱 した意見交換がなされた。近年、重要性が高まっているテーマでもあり、多く の参加者の関心を集めた。 セミナーの企画に際しては、経済産業省及び駐日欧州連合(EU)代表部の 協力の下、日・EU 双方の有力者を講師に立て、双方の最新動向を提供すると ともに、日・EU の官民間の意見・情報交換の場を提供することに努めた。 なお、欧州側の講師に関しては訪日の機会を捉えて実施し、セミナー会場に ついても原則として駐日 EU 代表部の会議場を借用することで、招聘費用や会 場費、同時通訳設備費などの経費削減を実現した。 平成 26 年度セミナー(東京)<概要> 平成 26 年 6 月 3 日 テーマ:メガ FTA、グローバリゼーションと技術進歩:21 世紀貿易規定 における日欧の役割とは 講演者:欧州委員会 貿易総局チーフエコノミスト ルチアン・セルナ氏 食品安全委員会 事務局評価情報分析官 池田 三恵氏 政策研究大学院大学 政策研究院シニアフェロー 川崎 研一氏 経済産業研究所 コンサルティングフェロー 中富 道隆氏 経済産業省 通商政策局通商機構部参事官 金子 知裕氏 会 場:駐日 EU 代表部 参加者:85 名 平成 26 年 6 月 4 日~6 日 テーマ:Old and new spaces of the automotive industry: towards a new balance? 主な講演者: 欧州委員会 貿易総局チーフエコノミスト ルチアン・セルナ氏 欧州自動車工業会 東京事務所理事長 アンソニー・ミリントン氏 日本自動車工業会 国際統括部長 参与 矢野 義博氏 日欧産業協力センター 事務局長 塚本 弘 日欧産業協力センター 事務局長 シルヴィウ・ジョラ 38 会 場:京都大学 参 加 者:120 名 平成 26 年 7 月 1 日 テ ーマ:エアバスの挑戦-EU の航空産業と日本 講 演者:エアバス・ジャパン(株) コミュニケーションディレクター 野坂 孝博氏 会 場:明治大学 参 加者:112 名 平成 26 年 11 月 6 日 テ ーマ:エナジー・ストレージ・サミット・ジャパン 主な講 演者: 衆議院議員 あさお 慶一郎氏 経済産業省 資源エネルギー庁省エネルギー部・新エネルギー部 新エネルギー対策課課長補佐 青木 洋紀氏 横浜市 温暖化対策統括本部プロジェクト推進課長 吉田 雅彦氏 駐日ドイツ連邦共和国大使館 経済部長 S.グラーブヘア氏 ドイツ航空宇宙センター B.ミロウ氏 NEDO スマートコミュニティ部 中岩 勝氏 ドイツエネルギー貯蔵協会 理事メッセデュッセルドルフ再 生 可能エネルギーフェア統括担当 H.シュトゥッツィンガー氏 会 場:TKP カンファレンスセンター 参 加者:230 名 平成 26 年 11 月 14 日 テ ーマ:EU アジアトップエコノミスト円卓会議 講 演者:日本貿易振興機構(JETRO) 理事 吉村 宗一氏 外務省 経済局長 斉木 尚子氏 慶応義塾大学 経済学部教授 嘉治 佐保子氏 アジア開発銀行研究所 所長 吉野 直行氏 BNP パリバ証券 チーフエコノミスト 河野 龍太郎氏 経済産業省 大臣官房審議官 赤石 浩一氏 フィリップエレクトロニクスジャパン ダニー・リスバーグ氏 日産自動車 代表取締役副会長 志賀 俊之氏 BNP パリバ証券 代表取締役社長 フィリップ・アブリル氏 会 場:一橋大学 参 加者:120 名 39 平成 26 年 12 月 12 日 テ ーマ:地理的表示制度:価値と伝統の共有 講 演者:欧州委員会 農業・農村開発総局 リオネル・メニルドレ氏 欧州委員会 農業・農村開発総局 ディデリック・デ・スメット氏 農林水産省 食料産業局新事業創出課課長 坂 勝浩氏 フランス大使館 農務副参事官 ニコラ・ベルトレ氏 イタリア大使館 経済・商務部副部長 ラウラ・ピリーノ氏 合同会社エスティア日本 代表者 戸出 よしえ氏 コロンビアコーヒー生産者連合会 サンティアゴ・パルド氏 全国農業協同組合中央会(JA 全中) 常務理事 大西 茂志氏 会 場:駐日 EU 代表部 参 加者:136 名 平成 27 年 1 月 28 日 テ ーマ:パリ気候変動会議:気温上昇 2℃以下を目指して 講 演者:欧州委員会 気候行動局アドバイザーCOP19 国際気候変動交渉政策 担当官 ジェイコブ・ワークスマン氏 外務省 国際協力局気候変動課交渉官 吉田 綾氏 環境省 地球環境局長 梶原 成元氏 経済産業省 大臣官房審議官(環境問題担当) 三又 裕生氏 会 場:駐日 EU 代表部 参加者:150 名 平成 27 年 2 月 24 日 テーマ:これからのスマートシティ:日欧における政策、未来へのビジョ ンとそのプロジェクト事例 講演者:経済産業省 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政 策課新産業・社会システム推進室 福田 正悟氏 東京工業大学 特命教授 柏木 孝夫氏 駐日欧州連合代表部 通商部 ウリ・ヴィエンリッヒ氏 スマートシティ企画 副社長 山口 徹氏 積水ハウス 環境推進部長 石田 建一氏 清水建設 ecoBPC 事業推進室室長 那須原 和良氏 ブイグアジア 代表取締役社長 ピエール・ムスティエール氏 サンゴバン アジア・パシフィック地域代表取締役社長 フラン ソワ・ザビエ・リエナール氏 岩手県紫波町 経営支援部企画課公民連携室長 鎌田 千市氏 仙台高等専門学校 副校長 内海 康雄氏 アムステルダム・スマートシティ 事業開発部マネージャー リー・ パトリック氏 40 エヌ・アール・ダブリュージャパン 代表取締役社長 ゲオルグ・K・ ロエル氏 マ グ ・イ ゾ ベ ー ル ス マ ー ト シ テ ィ プ ロ ジ ェ ク ツ マ ネ ー ジ ャ ー 栗田 哲平氏 会 場:駐日 EU 代表部 参 加 者:140 名 (2)ビジネス・科学技術パートナーシップ支援 平成25年度に引き続き、欧州委員会企業・産業総局が実施する中小企業向け サービス「エンタープライズ・ヨーロッパ・ネットワーク(Enterprise Europe Network:EEN)」のパートナー機関として、欧州事務所と連携し積極的に活動 を行った。同ネットワークは、中小企業の国際化と競争力強化に役立つ公的サ ービスを目指してEUが積極的に推進している枠組みで、EU域内・外を含め、 現在56か国から600機関が加盟している。 具体的には、ビジネスの国際化に繋がるパートナーを探したい欧州と日本の 中小企業を対象に、同ネットワークのデータベースや情報ツールを活用して、 個別企業の製品や技術のプロフィールのメールニュース配信サービスを提供し、 ウェブサイトに情報を掲載した。EEN紹介セミナーの定期開催、外部セミナー での講演、自治体の機関誌への記事寄稿などのプロモーション活動を行った。 前年度に続き、大田区産業振興協会及び(株)アスタミューゼとEENパートナ ーとしての業務提携契約を更新した。 EUの中小企業支援枠組みにおける情報サービスと並行して、従来から行って いる日欧の個別企業からのビジネス関連相談業務も引き続き実施した。日本企 業からの問合せは、EUへの製品輸出に関わる法規制や規格に関するものが中心 で、一方、EU企業からは日本の特定の製品の市場規模やサプライヤーについて の情報提供依頼などがあった。様々な問合せに対して、欧州委員会、日本政府 当局とコンタクトを取りながら適切な情報源を探し、情報提供を行った。 東京事務所及びブリュッセル事務所で合計359件の問合せに対応した。そのう ち、企業からの問合せ212件の内訳は以下のとおり: 問合せ種別 BtoB マッチング(プロフィール登録・応募) 件数 145 BtoB マッチング(商談会参加) 35 情報問合せ(法令・規制) 15 情報問合せ(市場) 8 その他 9 212 合計 41 また、セミナー・個別面談・ミーティング・展示会などを通じ、約1,000人を 対象にEENの利用促進プロモーションを実施した。 EEN プロモーション・面談 種別 件数(件) 合計面談人数(人) 52 137 9 226 主催セミナー 19 153 公的機関との個別面談 43 91 朝日ビジネスマッチング 1 23 MEDICA(ドイツ・デュッセルドルフ) 1 120 大田研究開発フェア 1 60 中小機構主催 新価値創造展 1 30 中小機構主催 SWBS 東京 1 30 中小機構主催 SWBS 関西 1 20 風力発電展 1 60 新価値創造展 in Kansai 1 82 131 1,032 企業との個別面談 外部セミナーでの講演・ネットワーキング 展示会(ブース出展など) スマートエネルギーWEEK 中小機構主催 合計 業種別取組みとしては、EUの医療機器市場を取り上げ、同市場にアプローチ する日本企業を対象に、以下の活動を実施した。 ・平成26年9月18日 ヨーロッパ医療機器市場セミナーを開催 ・自治体ミッション(神戸市、福島県、大田区、日立市、長野県)に対する 情報提供やブリーフィング参加など ・ドイツ・デュッセルドルフで開催された見本市「MEDICA」におけるEEN プロモーション、EEN商談会参加に関する側面支援 (3)政府調達関連情報 日本政府による日・EU FTA/EPA への取組みを背景に、EU が大きな関心 を寄せている我が国地方自治体等の政府調達情報について、平成 25 年度に引き 続き、英語検索可能にしたインターネットホームページを運用した。同サイト は平成 26 年 9 月 1 日、中小企業庁運営の官公需情報ポータルサイトとプラット フォーム部分を共有した英語版としてリニューアルし、利便性の向上を図った。 http://information1.gov-procurement.go.jp/en/ 42 3.研修事業 平成 26 年度は、研修事業を 6 件実施した。 (1)受入研修事業 将来の日本と EU 間の産業協力を担う人材の育成を図るため、EU の中堅幹部 ビジネスパーソン等を対象に、日本企業の競争力の源泉である生産管理の実態 等について、現場研修に力点を置き、講義と実務とを有機的に連携させた研修 を実施している。事業開始以来、平成 26 年度末までに 50 回の受入研修事業を 実施し、合計 633 名が参加した。 平成 26 年度は、5~6 月に 14 名を対象に実施した。事業実施に当たっては研 修内容の精査を行い、短期間でより効果の高いプログラムを提供するよう努め た。 (2)テーマ別研修事業 EU 企業の中堅幹部ビジネスマンパーソンを対象に、EU 企業にとって関心の 高い特定テーマ(生産管理や流通・マーケティング戦略等)に関する約 1 週間 の短期研修を実施している。研修は特定テーマに関する講義と工場・事業所見 学からなる。 平成 26 年度は、「ワールドクラス・マニュファクチュアリングへの挑戦」を テーマに、EU企業役員クラスを対象として 1 週間の集中研修コースを 7 月と 11 月に実施した。 事業開始以来、平成 26 年度末までに 75 回のテーマ別研修を実施し、計 1,207 名が参加した。 (3)ヴルカヌス・プログラム 理工系の学部学生・大学院生を対象とした企業内研修プログラム(1 年間) で、日本人学生向け(ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ、平成 8 年度開始)とE U学生向け(ヴルカヌス・イン・ジャパン、平成 9 年度開始)のプログラムか らなる。初年度は日本人学生 10 名、EU学生 14 名でスタートしたが、日・E U産業協力を担う長期的な人材育成の重要性が広く認知され始めるとともに参 加者数を増やし、平成 26 年度末までに日本人学生 339 名、EU 学生 474 名、計 813 名の派遣・受入れを行っている。 1)日本人学生の EU への派遣(ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ) 平成 26 年度には 17 名の日本人学生を欧州 6 か国へ派遣した。参加者は 4 か 43 月の現地語研修と 8 か月の企業研修による計 1 年間の欧州滞在を経て、言語・ 欧州ビジネス慣習などについての理解を深め、帰国した。将来は日欧相互理解 のさらなる推進を担う、日欧を結ぶ懸け橋となることが期待されている。参加 者の研修先企業への貢献については、以下のような報告があった。 <研修先企業への貢献> ケース 1 研修先企業:Schlumberger(世界最大の油田サービス企業) 研 修 内 容:ソフトウェア内プラグインのアルゴリズム改善及びバグ修正とテ スト、新規プラグインの開発 成果・貢献:①新プラグインのモジュール改良において、アルゴリズムの大々 的改良に成功 ②異質性分類の自動化プラグインの新規開発に携わり、2016 年 初頭に製品化される予定 ケース 2 研修先企業:Siemens PLM Software(シミュレーションやテストソリューシ ョンのプロバイダ) 研 修 内 容:聴覚に関する心理物理学的指標に基づいた騒音解析、Matlab プ ログラミング、システム評価、音響測定実験 成果・貢献:①既存アルゴリズムの改善:モデルデータ群に対する誤差率が 最大で 8 倍改善された。 ②新アルゴリズムの導入:今後のバージョンに導入される予定 平成 26 年度ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ参加者 応募時の 所属大学 性 別 語学 研修 派遣企業 企業 研修地 研修内容 大阪府立大 女 ドイツ語 学大学院 Tiger Coatings オーストリア 産 業 用 電 子 写 真 式 プ リンタ ーの開発 東京工業大 フランス 女 学大学院 語 Belgian Ceramic Research Centre ベルギー イットリア部 分 安 定 化 ジルコ ニアの通電焼結並びにクリ ープ変形に関する研究 東北大学大 フランス 男 学院 語 Diagenode ベルギー 超音波破砕装置の新しい品 質管理法の確立 東北大学大 男 英語 学院 Siemens Industry Software ベルギー 航空機高揚力装置の機構 モデリング 大阪府立大 男 英語 学大学院 Siemens Industry Software ベルギー 自動車運転支援システムに 関するソフトウェア開発及び 無人機の飛行制御システム の構築 44 東北大学大 男 英語 学院 豊田工業大学 男 フランス 語 Siemens Industry Software ベルギー 聴覚に関する心理物理学的 指標に基づいた騒音解析、 Matlab プログラミング、シス テム評価、音響測定実験 Materia Nova ベルギー ペプトイドを利用した生物付 着に関する研修 東京工業大 フランス 男 学大学院 語 Etudes et Productions フランス Schlumberger ソフトウェア内プラグインのア ルゴリズム改善及びバグ修 正とテスト、新規プラグインの 開発 東京大学 男 ドイツ語 Advanced Mask Technolog y Center ドイツ 複 数 の 欠 陥 検 査 機 の CD ( critical dimension )デー タの解析と評価に関するプロ ジェクト 女 ドイツ語 ZF Friedrichsh ドイツ afen ギアボックス開発用ソフトウェ アのインターフェイス開発 金沢大学 ZF Friedrichsh ドイツ afen 計測とシミュレーション 結果のシステマティック な比較手法の開発 英語、ス 制御機器用ソフトウェア 東京工業大 Cosylab 男 ロヴェ スロヴェニア ソリューション、アプリケ 学大学院 ニア語 ーションの開発 英語、ス EPICS を用いた大規模物 東京工業大学 男 ロヴェニ Cosylab スロヴェニア 理 実 験 施 設 向 け 制 御 シ ス ア語 テム開発 英語、ス Cybro(PLC)を利用した 京都大学 男 ロヴェニ Robotina スロヴェニア 太 陽 光 発 電 所 監 視 用 ソ フ ア語 トウェアの開発 欧州鉄道における統一列 東北大学大 スペイン 車制御システムを用いた, CEIT 男 スペイン 学院 語 列車制御シミュレーター の開発 e- ヘ ル ス 、 セ マ ン テ ィ ク HI IBERIA スペイン INGENIER ス、セキュリティ分野に関 IA Y 津田塾大学 女 語、 スペイン 連した EU プロジェクトで PROYECT 英語 の WEB アプリケーション OS 開発 Idiada 東京大学大 スペイン 社内研究プロジェクトに Automotive スペイン 男 学院 語 おけるソフトウェア開発 Technology 東京工業大 男 ドイツ語 学大学院 45 また、次年度(平成 27 年度)派遣のため、参加者の選抜や査証の取得サポー トなど渡航準備も実施した。 2)EU 学生の日本企業による受入れ(ヴルカヌス・イン・ジャパン) 平成 26 年度は、44 名の学生が EU から来日し、9 月から 4 か月間の日本語 研修を終了、日本語研修最終日には、参加者が自分の専門分野や日本に関する プレゼンテーションを日本語で行った。44 名は、平成 27 年 1 月から以下の在 日企業で研修中である。 ヴルカヌス・イン・ジャパン平成 27 年度受入れ実績 受入れ企業 受入れ部門 hu8 NTT コミュニケーション 人間情報研究部感覚共鳴研究 科学基礎研究所 グループ 人数 出身国 1 ポーランド メディア情報研究部 信号処理研究グループ 1 ポーランド メディア情報研究部 メディア認識研究グループ 1 スペイン 守谷特別研究室 1 スペイン 量子光物性研究部フォトニッ クナノ構造研究グループ 1 ルーマニア 量子光物性研究部フォトニッ クナノ構造研究グループ 1 ポーランド 量子光物性研究部 量子個体物性研究グループ 1 ドイツ 量子光物性研究部 量子光デバイス研究グループ 1 スペイン (株)ヴィレッジアイランド テクニカルオペレーションズ 1 ポーランド (株)NTT データ 技術開発本部 1 イタリア 技術開発本部 1 ポーランド 技術開発本部 1 キプロス (株)安井建築設計事務所 設計部 1 スペイン 三菱化学(株) 黒崎事業所 開発研究所 生産技術グループ 1 ポルトガル 三菱化学(株) 科学技術研究センター 無機系機能材料研究所 1 英国 日本化薬(株) 研究開発本部研究企画部 1 イタリア NTT 物性科学基礎研究所 46 日揮(株) エンジニアリング本部 プロセスエンジニアリング統 括部 1 ポーランド (株)日立製作所 笠戸事業所 IEP 統括プロジェクト 設計プロジェクト 1 フィンランド (株)日立製作所 中央研究所 ライフサイエンス研究センター バイオシステム研究部 1 ギリシャ エレクトロニクス研究センター 情報エレクトロニクス研究部 1 ラトビア 情報システム研究センター 知能システム研究部 1 クロアチア 情報システム研究センター 知能システム研究部 2 スペイン 情報システム研究センター 知能システム研究部 2 ポーランド 情報システム研究センター プラットフォームシステム研究部 1 クロアチア 機械研究センター 信頼性科学研究部 1 ベルギー 機械研究センター 高度設計シミュレーション研 究部 SI2ユニット 1 クロアチア 機械研究センター 高度設計シミュレーション研究部 1 フランス ロボティクス研究部 RT2 ユニット 1 ポーランド 材料応用研究部 1 ポーランド プロセスエンジニアリング研 究部 PE1 ユニット 1 スペイン (株)日立製作所 インフラシステム社 土浦事業者 気体機技術本部 1 スペイン (株)富士通研究所 ICT システム研究所 データプラットフォーム研究部 1 ドイツ ものづくり技術研究所 デザインエンジニアリング研究部 1 スロヴェニア シュルンベルジェ(株) テクノロジー本部 1 チェコ ダイキン工業(株) 環境技術研究所 1 ポルトガル (株)日立製作所 日立研究所 47 テュフラインランドジャパン 製品部電気製品課通信機器 (株) ラボラトリー 1 ドイツ アシアル(株) 開発部 1 イタリア 開発部 1 スペイン 機能設計研究室 1 リトアニア 1 スペイン 1 スペイン 1 イタリア (株)MCHC R&D シナジーセンター (株)かまくら屋 (株)村上開明堂 グローバル営業部 (株)ニコン・アンド・エシロ ールインターナショナル・ジョ R&D イントリサーチセンター (4)クラスターミッション 欧州委員会の新政策の下、クラスター組織とそのメンバーである欧州中小企 業と日本企業とのビジネスやバートナーシップ構築を目的とする、クラスター のマッチメイキングミッション受入れを平成 24 年度から実施している。 3 回目を迎えた平成 26 年度は、10 月 13 日から 10 月 17 日までの 5 日間の日 程で、バイオテクノロジー産業を対象としたミッション(欧州 9 か国から 19 名) を受け入れた。 (一財)日本バイオインダストリー協会の協力の下、滞在期間前 半は産業や市場についての講義とバイオ産業をリードする 4 つの企業・研究所 への訪問を実施した。後半の 3 日間は、パシフィコ横浜で開催されたアジア最 大のパートナリングイベント「バイオジャパン 2014」に日欧産業協力センター の共同出展者として参加し、それぞれの技術や製品、サービスを展示、発表し た。ミッション参加者は、事前のウェブ登録サービスやイベント会場内のパー トナリングエリアを利用し、3 日間のイベント期間中、合計 209 件の BtoB ミ ーティングを行った。 平成 27 年 1 月 26 日から 1 月 30 日の 5 日間にかけては、ナノテクノロジー 産業分野を対象としたミッションを初めて受入れ、欧州 5 か国から 8 名が参加 した。(一社)ナノテクノロジービジネス推進協議会(NBCI)の協力を得て、 バイオミッションと同様に前半 2 日間は産業、市場に関する講義とナノテク産 業関連の研究所や企業 3 拠点への訪問を実施した。後半の 3 日間は、東京ビッ クサイトで開催された「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に、出展参 加し、個々の参加者によるプレゼンテーションを行い、日本企業との 26 件のビ ジネスミーティングを実施した。 48 4.科学・技術・イノベーション協力事業 (1)ナショナルコンタクトポイント(NCP)事業 ナショナルコンタクトポイント(NCP)は、EU の研究イノベーション促進 プログラムについて各国のニーズに応じた情報提供等を母国語で行うため、欧 州委員会が設置している。平成 25 年 11 月、日欧産業協力センターは日本で初 めての NCP に指名された。平成 26 年度には経済産業省により事業が予算化さ れ、センターは新規事業として以下の活動に取り組んだ。 1)ヘルプデスク活動 平成 26 年 4 月~平成 27 年 3 月の相談実績は表のとおり。Horizon 2020 への 参加や、Horizon 2020 ワークプログラムがカバーする特定分野などについての 問合せが目立った。セミナー、展示会などのイベント開催時期には相談件数が 増える傾向が見られた。 相談内容 特定分野情報 提供 基本情報、参加 資格 月 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 総計 2 2 6 7 5 4 9 2 8 4 9 5 63 1 2 2 0 0 0 0 1 3 3 5 0 17 参加支援 3 0 2 2 0 3 3 0 5 5 3 3 29 事務手続き 1 1 2 0 4 8 8 0 0 0 5 4 33 助成、マッチ ングファンド 1 2 2 5 3 5 5 2 2 1 2 3 33 パートナー探し 1 0 0 6 0 0 1 2 2 2 1 0 15 知財 0 0 1 0 0 1 2 0 0 1 1 0 6 その他 10 7 7 15 5 8 8 13 9 8 22 13 125 総計 19 14 22 35 17 29 36 20 29 24 48 28 321 2)NCP セミナー NCP セミナーとして、以下の 4 件を実施した。 49 セミナー開催状況 平成 26 年 9 月 17 日 「Horizon 2020 への参加他を通じた日欧連携促進に向けての国内情報ネ ットワーク構築の提案と意見交換(第 4 回 URA シンポジウム/第 6 回 RA 研究会分科会セッション)」 主 催:日欧産業協力センター 講 師:日欧産業協力センター 市岡 利康、松本 宏 会 場:北海道大学 参加者数:27 名 平成 26 年 12 月 15 日 「Horizon 2020 と ICT 分野における日欧連携」 主 催:日欧産業協力センター 講 師:経済産業省 情報プロジェクト室長 和田 恭氏 駐日 EU 代表部 公使参事官 レオニダス・カラピペリス氏 総務省 イノベーション推進官 鈴木 和良氏 NTT ドコモ 研究員 アナス・ベンジャブール氏 大阪大学 教授 北山 研一氏 インターネットマルチフィード(株) 研究員 本橋 健氏 会 場:駐日 EU 代表部 参加者数:83 名 平成27年2月18日 「Horizon 2020 における情報通信(ICT)分野と日欧連携」 主 催:大阪イノベーションハブ、日欧産業協力センター 講 師:大阪大学大学院 法学研究科准教授 田中 規久雄氏 奈良先端科学技術大学院大学 准教授 門林 雄基氏 会 場:大阪イノベーションハブ 参加者数:26 名 平成 27 年 2 月 25 日 「Horizon 2020 と風力再生可能エネルギーにおける日欧連携」 主 催:日欧産業協力センター 講 師:駐日 EU 代表部 公使参事官 レオニダス・カラピペリス氏 IDEOL 最高マーケティング責任者 ブルーノ・ゲシャー氏 NENUPHAR 社長 シャルル・スマジャ氏 EDP プロジェクトリーダー トマス・モレノ氏 会 場:東京ビッグサイト 参加者数:25 名 50 3)講演、ワークショップ等 講演、ワークショップ等開催状況 平成 26 年 4 月 28 日~30 日 「The 2nd NCPs Workshop」 主 催:National Research Foundation of Korea(NRF) 講 師:NRF 議長 セ-ジュン・オー氏 日欧産業協力センター 市岡 利康、ほか 会 場:Renaissance Seoul Hotel; Daejeon Convention Center 参加者数:50 名 平成 26 年 10 月 16 日〜17 日 「日・EU 情報通信分野研究及びイノベーションシンポジウム」 主 催:欧州委員会、総務省、情報通信研究機構 講 師:欧州委員会 情報通信総局副局長 ゾーラン・スタンチッチ氏 総務省 電波部長 武井 俊幸氏 情報通信研究機構 理事 坂内 正夫氏、ほか 会 場:ベルギー・ブリュッセル/欧州委員会情報通信総局 参加者数:200 名 平成 26 年 11 月 26 日 「 International NCPs Workshop “Promoting the International Dimension of Horizon 2020”」 主 催:欧州委員会、INCONTACT 2020 プロジェクト 講 師:欧州委員会 研究総局国際局長 マリア・クリスティーナ氏 日欧産業協力センター市岡 利康、ほか 会 場:ベルギー・ブリュッセル/Madou Plaza Tower 参加者数:60 名 平成 26 年 12 月 15 日 「日 EU 科学技術協力合同委員会勉強会」 出 席 者:内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)参事官(国 際担当)匂坂 克久氏、外務省 軍縮不拡散・科学部国際科学協 力室室長 高橋 徳嗣氏、経済産業省 産業技術環境局国際室室 長補佐 濱田 陸太郎氏、日欧産業協力センター 市岡 利康、 ほか、計 23 名 会 場:文部科学省 51 平成 27 年 2 月 25 日 「浮体式洋上風力に係る日 EU 対話会合」 主 催:日欧産業協力センター 出 席 者 :経済産業省 新エネルギー対策課長 松山 泰浩氏、東京大学 教授 石原 孟氏、丸紅 国内電力プロジェクト部長 福田 知 史氏、駐日 EU 代表部 公使参事官 レオニダス・カラピペリス 氏、駐日 EU 代表部 第 1 書記 ユーリ・ヴィーンリッヒ氏、 IDEOL 最高マーケティング責任者 ブルーノ・ゲシャー 氏、 NENUPHAR 社長 シャルル・スマジャ氏、NENUPHAR 執行 役 オリバー・ジャブレー氏、Principle Power 会長代理 ジョシ ュア・ワインスタイン 氏、EDP プロジェクトリーダー トマ ス・モレノ氏 会 場:東京ビッグサイト 参加者数:11 名 4)展示会出展 平成 27 年 2 月、 「国際風力発電展 2015」に出展し、これまでの EU フレーム ワークプログラムで行われてきた洋上風力発電の研究開発成果をポスターで展 示するとともに、Horizon2020 の概要や参加のメリット・方法についてのビデ オを上映、Horizon2020 全般についてのプロモーションを行った。 5)NCP ポータルサイト Horizon 2020 情報を中心とした NCP のポータルサイト(日本語版)を制作 し、公開した。Horizon 2020 の概要を日本語で簡潔に俯瞰できるようにし、必 要な詳細情報、手続き等に関しては欧州委員会サイトの関係ページにリンクを 張った。また、プロジェクトに参加する機関の事務部門等が実際に扱うことを 考慮し、契約関連主要書類の日本語参考訳を作成し、サイトから入手可能にし た。 URL: http://ncp-japan.jp/ (2)「イノベ ーショ ン ・ 科 学 ・ 技 術 に お け る 日 欧 協 力 関 係 構 築 」 (JEUPISTE)プロジェクト 平成 25 年 9 月から 3 年間の予定で活動している Japan-EU Partnership in Innovation, Science and Technology(JEUPISTE)プロジェクト(FP7 契約番 号 609585)の 2 年目として、以下の 5 つの項目及びプロジェクト管理に関して 支援・協力促進活動を行った。 52 1)日欧政策対話への貢献 政策対話への貢献に向けたデータの収集を行い、結果をまとめた電子冊子が 最終校正段階に入った。共著論文解析に関しては、その結果を以下の専門家向 けワークショップで議論し、成果物の質を高めた。 「Workshop for the interpretation of the JEUPISTE international co-publication analysis」 開催状況 開 催 日 :平成 26 年 6 月 12 日 会 場:駐日欧州連合代表部、東京 出 席 者 :科学技術・学術政策研究所 総務研究官 斎藤 尚樹氏、エル ゼビア・ジャパン 福成 洋氏、ほか、計 15 名 また、日 EU 科学技術合同委員会(平成 27 年 5 月開催予定)に向けた以下の 会合で、Horizon 2020 の背景や内容説明、JEUPISTE プロジェクト及び NCP 双方の観点からの発表及び今後の連携強化に向けた提言を行った。 「Japan-EU Taskforce on S&T cooperation」開催状況 開 催 日 :平成 27 年 2 月 18 日 会 場:外務省 出 席 者 :内閣官房 健康・医療戦略室参事官 岡村 直子氏、内閣府 政策 統括官(科学技術・イノベーション担当)参事官(国際担当) 匂坂 克久氏、外務省 軍縮不拡散・科学部国際科学協力室室 長 高橋 徳嗣氏、経済産業省 産業技術環境局国際室室長補 佐 濱田 陸太郎氏、欧州委員会 研究イノベーション総局国 際協力室 コンスタンティノス・グリノス氏、ほか、計 39 名 2)情報提供 テーマ別情報提供セミナーを 2 件開催し、各分野での事例紹介と連携強化を 図った。 ①平成 26 年 5 月 29 日 「Horizon 2020 ナノテク・物質科学分野情報提供セミナー」 会場:神戸大学 ②平成 26 年 6 月 16 日 「エネルギーと環境:Horizon 2020 を通じた日欧の戦略的連携」 会場:九州大学 <その他の活動> ・「ホライズン 2020 日本人研究者に向けた国際プロジェクト参加の新た な機会」における招待講演(平成 26 年 4 月 14 日、東京) 53 ・神戸大学の教員及び URA を対象にした招待講演(平成 26 年 4 月 17 日、 神戸) ・欧州留学フェア 2014 出展(平成 26 年 5 月 16 日~17 日、東京;平成 26 年 5 月 18 日、京都) ・SUCRE/OCEAN/ClouT 各プロジェクトによるワークショップ Research on Clouds and IoT in Europe and Japan: current status and ways to collaborate にて招待基調講演(平成 26 年 5 月 17 日、ブリュッセル) ・Horizon 2020 テーマ別情報提供セミナー(ナノテクノロジー、物質科学 分野)(平成 16 年 5 月 29 日、神戸) ・5th INCO Conference – Adressing Future Challenges にて招待講演(平 成 26 年 6 月 2 日、アテネ) ・科学技術振興機構(JST)の職員向けセミナー(平成 26 年 6 月 10 日、 東京) ・北海道大学向け Horizon 2020 勉強会講師(平成 26 年 8 月 6 日、札幌) ・国際協力プロジェクトの集まる International Learning Network ワーク ショップに参加、Horizon 2020 各分野の国際協力戦略についての最新情 報を収集(平成 26 年 11 月 27 日~28 日、ブリュッセル) ・東京大学学術推進支援室会議講師(平成 27 年 1 月 9 日、東京) ・京都大学向け Horizon 2020 勉強会講師(平成 27 年 2 月 16 日、京都) ・大阪大学向け Horizon 2020 勉強会講師(平成 27 年 2 月 17 日、大阪) ・高エネルギー加速器研究機構 日欧研究協力セミナー講師(平成 27 年 2 月 23 日、つくば) ・第1回東京大学リサーチ・アドミニストレーション・セミナー「国際研究 ネットワーク構築と欧州資金獲得に向けて」講演及びパネルディスカッ ション(平成 27 年 3 月 4 日、東京) 3)パートナーシップ形成支援 パートナーシップ形成を目的とした学術ワークショップやイノベーションワ ークショップを開催した。 ①「第 1 回 JEUPISTE イノベーションワークショップ」(平成 26 年 10 月 13 日、ブリュッセル;欧州経済社会評議会との共催) ②「第 2 回 JEUPISTE イノベーションワークショップ」(平成 26 年 11 月 13 日、トリノ) ③東京都産業交流展出展(平成 26 年 11 月 19 日~21 日、東京) ④第 1 回学術ワークショップ「バイオマス製品に関する日欧の戦略的パート ナーシップ構築」(平成 27 年 2 月 4 日、神戸) 4)コンタクトポイントの形成とトレーニング NCP 事業と共同で、Horizon 2020 への参画方法やパートナー探しの依頼等 を含む 300 件以上の問合せに対応した。さらに、欧州における日本プログラム のコンタクトポイントを特定し、欧州から日本への一方的な情報提供でなく、 日本からも情報発信をする日本独自の試みとしてトレーニングコースを開催した。 54 ・ 「日本のプログラムに関する欧州コンタクトポイント向けトレーニングコー ス」(平成 26 年 6 月 3 日、アテネ) 5)アウトリーチ、メディア等との連携 ①科学技術振興機構(JST)の産学連携ジャーナルへの寄稿 「 EU におけるイノベーション支 援 と 女 性 起 業 家 の 活 躍 -イノベーション コンベンションに参加して-」 https://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2014/12/articles/1412 -0 5/1412-05_article.html ②日経テクノロジーへのニュース記事寄稿 「「バイオプロダクション」に照準、日欧が手を組み 2 月 4 日に神戸大でワ ークショップ」 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150127/400985/ 6)プロジェクトマネジメント及び評価 平成 26 年 5 月 27 日~28 日にはブリュッセルで国際協力促進プロジェクトを 対象とした中間評価会が開催され、中国や韓国も含む、他の 9 プロジェクトと ともに JEUPISTE も報告と今後の欧州プロジェクトの在り方に関する提案を行 った。プロジェクトは概ね計画通り進行し、成果を上げているという評価を得 て、計画の変更なく事業を継続することが推奨されたが、活動の質の評価方法 見直しや日本での情報提供活動の一層の強化を軸とした方針の最適化を図った。 (3)「平成 26 年度戦略的情報通信研究開発推進事業(国際連携型) に係る業務の請負」の運営及び管理等に係る事務の請負 平成 26 年 4 月から平成 27 年 3 月まで、総務省からの受託事業として「平成 26 年度戦略的情報通信研究開発推進事業(国際連携型)に係る業務の請負」 (調 達番号 0042-0005)の運営及び管理等に係る事務業務を請負った。主な内容は 情報通信分野での日欧共同公募及びプロジェクト管理の支援で、具体的には以 下の業務を実施した。また、本事業により ICT 分野の主要官庁である総務省と の繋がりが緊密になり、他の事業との相乗効果も生まれた。 ①プログラムディレクター(PD)・プログラムオフィサー(PO)会議及び評 価委員会に係る事務 ・日程・旅程調整(計 4 回) ・会場及び配布物準備 ・謝金交通費支払い ②平成 26 年度採択評価及び継続評価に係る事務 ・日程調整 ・オンライン評価システムの準備・設定 55 ・評価結果の取りまとめ ③欧州など共同公募を実施する国・地域との会議等に関する支援 ・日欧テレビ会議の議事録作成(計 8 回) ・欧州委員会関係者との会合出席 ④評価等を実施するための環境の構築・提供 ・オンライン評価システムの導入 ⑤実施課題の管理等に係る事務 ・課題資料の管理・保存 ⑥評価委員等に関する情報の管理に係る事務 ・評価委員の個人情報等の管理・保存 ⑦研究成果の社会展開に係る業務 ・日欧 ICT 国際共同研究ワークショップ支援(アンケート取りまとめ、写 真撮影等) ⑧報告会開催支援(評価委員会と併せ、計 4 回) ・シンポジウム用資料作成支援 ・参加者の旅程調整 56 5.欧州事務所の活動 欧州事務所(平成 8 年 5 月開設、ベルギー・ブリュッセル)は、EU28 加盟 国向けにセンター事業の広報活動等を行っている。各種事業に関心を示した企 業に対しては、問合せ対応、参加申込み受付、オリエンテーション等の実施、 研修参加後のフォローアップ等を実施している。研修事業に関し、募集人数を 上回る応募があった場合には、研修によって得られる経済効果がより高いと思 われる参加者を選定するための選考委員会を開催している。 (1)広報活動 平成 26 年度の研修事業にかかる各研修プログラム別の応募状況は、以下のと おり。 研修事業別応募状況 研修事業 応募件数 52 ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ 平成 26 年度派遣日本人学生の受入れ 欧州企業 研修 派遣者数 17 (マッチング件数) ヴルカヌス・イン・ジャパン 平成 25 年 9 月~平成 26 年 8 月/欧州学生 707 25 ヴルカヌス・イン・ジャパン 平成 26 年 9 月~平成 27 年 8 月/欧州学生 714 45 テーマ別研修事業(製造業-WCM) 平成 26 年 6 月/11 月/年 2 回開催 24( 6 月) 35(11 月) 19( 6 月) 20(11 月) 受入研修事業(HRTP)第 50 回 38 14 クラスターミッション 37(バイオ) 12(ナノテク) 20(バイオ) 8(ナノテク) 日本へ派遣するプログラムについては、欧州の主要な産業展示会(ハノーバ ー・メッセ等)での広報宣伝を強化した。また、過去の参加者を通じて新たな 参加者を開拓するといった、事業で培ったネットワークの活用により、テーマ 別研修事業・受入れ研修事業の応募件数は安定している。 日本の理工系学生受入れ欧州企業については、初めて応募する企業や複数ポ ストを提示する企業もあるなど、前年度と同水準の応募があった。 57 (2)情報提供 日本と欧州の産業界に共通の各種課題に焦点を当て、双方の政策、ベストプ ラクティスの紹介や、政策提言に繋がる議論の場としてのセミナー・ワークシ ョップを開催した。 日・EU 通商関係の重点課題である日 EU FTA/EPA の交渉については、 「第 17 回 EU-日本カンファレンス」の一環として、日欧当局の交渉担当者から最 新動向を聞く場をブリュッセルで設けた。 また、日・EU 産業協力を推進する上で重要視されている研究開発・イノベー ション分野について、日欧間の共同研究やパートナーシップ構築の推進を促す ことを目的としたワークショップを開催した。 セミナー・ワークショップ開催状況 平成 26 年 6 月 11 日 テ ー マ :EU-Japan Workshop: Research and Innovation in Robotics: New Opportunities for EU-Japan Cooperation(ロボット分野 の日欧共同研究の促進を目指したワークショップ) 会 場:欧州委員会研究総局会議室 共 催:欧州委員会研究・イノベーション総局 スピーカー: 欧州委員会研究・イノベーション総局 早稲田大学工学部及び研究戦略センター euRobotics AISBL、KUKA Laboratories GmbH イタリア Scuola di Studi Universitari e di Perfezionamento Sant’Anna(SSSA) スペイン Technical University of Catalonia イギリス Imperial College of London フランス Laboratoire LIRMM スイス Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL) 参 加 者 :35 名 平成 26 年 11 月 17 日 テ ー マ :第 17 回「EU-日本カンファレンス」 The 17th EU-Japan Conference “Japan and the EU: Avenues to strengthen the economic and strategic partnership”(日本 と EU:経済的・戦略的パートナーショップ強化への道) 会 場:ブリュッセル/Fondation Universitaire 大会議室 イベントの構成: 年 1 回ブリュッセルで開催される「EU-日本カンファレンス」 の第 17 回目として実施。第 2 部では日EU経済通商関係をテーマ 58 に、日 EU・EPA 交渉の最新動向について日 EU 当局による講 演を行った。 スピーカー(第 2 部): 在欧州連合日本政府代表部 特命全権大使 片上 慶一郎氏 欧州対外行動局 ゲルハルト・サバティル氏 欧州委員会 貿易総局 ピーター・ベルツ氏 在欧州連合日本政府代表部 小泉 勉氏、他 参 加 者 :約 200 名 平成 26 年 11 月 27 日 テ ー マ :International Symposium on the Future of Industries(産業 の未来を考える国際シンポジウム) 会 場:ブリュッセル/シュタイゲンベルガー・ホテル 共催機関:フランス社会科学高等研究院(EHESS)日仏財団 主なスピーカー: 欧州委員会 成長総局 ディディエ・ヘルベール氏 ドイツ経済エネルギー省、フランス経済産業省、 日本電気、日立ヨーロッパ、味の素ヨーロッパ、エアリキード、 EDF、ヴァレオ、OECD、東京大学、ソウル大学 参 加 者 :150 名 セミナー等開催のほか、年 4 回のニュースレター「EU-Japan News」発行や 日・EU 産業協力推進に資する各種イベントへの広報協力を通じて、積極的に情 報提供を行っている。 (3)国際教育者招聘(IEJ) 欧米の公立学校で日本人駐在員の子弟を担当する教師を日本へ派遣する国際 教育者招聘事業(IEJ)に関しては、平成 18 年度以降、欧州事務所がベルギー における派遣団体となって実施している。平成 26 年度はインターナショナル・ スクール・オブ・ブリュッセルから教師 3 名が参加した。 59 Ⅲ 業務管理運営体制 (1)理事会・評議員会の開催 当財団の運営に関する重要事項を議決するために、次のとおり理事会、評議 員会を開催した。 開催日 開催内容 平成 26 年 6 月 4 日(水) 第 12 回理事会議題等 (1)平成25年度事業報告について (2)平成25年度決算について (3)平成26年度補助金の受入について (4)公益目的支出計画実施報告書等について (5)評議員会の開催について (6)最近の職務執行状況の報告(報告事項) 平成 26 年 6 月 19 日(木) 第 11 回評議員会議題等 (1)平成25年度事業報告について(報告事項) (2)平成25年度決算について (3)平成26年度補助金の受入について (4)公益目的支出計画実施報告等について(報告事項) (5)役員の選任について 平成 27 年 3 月 11 日(水) 第 13 回理事会目的事項 (決議事項) 第1号議案 「定款変更等に関する件」 第2号議案 「平成27年度(2015年度)事業計画書に 関する件」 第3号議案 「平成27年度(2015年度)収支予算書に関 する件」 第4号議案 「当財団前理事長 塚本弘 氏に対する退 職手当の取扱いに関する件」 第5号議案 「ギリシャ共和国円貨債券で保有する基本 財産の基本財産からの除外に関する件」 第6号議案 「第12回評議員会の開催及び付議事項に関 する件」 (報告事項) 報告事項1. 「平成26年(2014年)4月から平成27年(2015 年)3月10日までの業務報告について」 報告事項2.「平成26年度(2014年度)の収支決算の見 通しについて」 60 報告事項3.「当財団の資産運用の状況並びに課題及び 対応方針について」 報告事項4.「当財団における労働基準法に基づく届出 義務違反状態の是正について」 平成 27 年 3 月 19 日(木) 第 12 回評議員会目的事項 (決議事項) 第1号議案 「定款変更等に関する件」 第2号議案 「平成27年度(2015年度)の事業計画書に 関する件」 第3号議案 「平成27年度(2015年度)の収支予算書に 関する件」 第4号議案 「ギリシャ共和国円貨債券で保有する基本 財産の基本財産からの除外に関する件」 (報告事項) 報告事項1.「平 成 26年( 2014年) 4月 から平 成 27年 (2015年)3月10日までの業務報告について」 報告事項2.「平成26年度(2014年度)の収支決算の見 通しについて」 報告事項3.「当財団の資産運用の状況並びに課題及び 対応方針について」 報告資料4.「当財団における労働基準法に基づく届出 義務違反状態の是正について」 61 (2)平成 26 年度事務局体制・組織図 本部、支部の事務局体制・組織図は次のとおりであった。 ( 一般財団法人 貿易研修センター 組織図) (本部) 専務理事 (本部担当) 総務・企画調査広報部 (8 人) 国際交流部 (4 人) 人材育成部 日本ケースセンター (2 人) 理事長 評議員会 会 理事会 (支部) 専務理事 (支部担当) 日欧産業協力センター 監事 62 (16 人) Ⅳ 附属明細書について 平成 26 年度事業報告には、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施 行規則」第 34 条第 3 項に規定する附属明細書「事業報告の内容を補足する重要 な事項」が存在しないので、作成しない。 平成 27 年 6 月 一般財団法人貿易研修センター 63
© Copyright 2024 ExpyDoc