講演予稿(387 KB)

簡易均時差測定器による観測
大日方 剣、櫻田 大和、五十嵐 聡人、奥川 貴也、根岸 將太、藤永 弦、目黒 剛、真壁 巧
(高2)、石川 浩太、岩見 和樹、高橋 由宇、榎並 寛哉、山本 昂広、古谷 もみじ、
村上 有沙(高1)【國學院大學久我山高等学校】
要
旨
昨年の年会で発表したものからさらに1年間観測を続けた。そこで、集めた152日間のデータ
と「計算で求められた均時差」を比較したところ、かなり正確なデータを得ることができた。
また、観測者の癖を調べることで製作時の精密さや観測場所の条件の重要さなどを改めて確認
することができた。その結果、このような紙・竹串・方位磁針で自作した測定器での観測でも
充分なものであると結論づけられた。
1.はじめに
我々は昨年の年会で、厚紙・竹串・方位磁針を使って各部員がそ
れぞれ自作した安価な日時計(右図)による半年間の均時差測定の
成果を発表した(詳細は昨年の予稿集参照)。今回は昨年発表時の反
省を踏まえ、約1年間さらに観測を継続しその成果をまとめた。
2.方法
(1) 測定器、方位磁針を使ってその土地の偏角を考慮して真北に向くように水平な場所に
セッティングする。(東京では7°W)
(2) 竹串の陰が映った目盛を読み取り記録する。・・・①
(3) すぐに正確な時計で時刻を読み取り記録する。・・・②
②-①の値が「均時差」である。(詳細は昨年度の予稿集を参照)
3.結果
図1は2013年8月から2015年1月までの観測結果を散布図にまとめたものである。
昨年の発表
曲線は計算で求められた均時差で、まばらになっている散布図は我々の観測数値である。
また図2は、観測者の中から4人を抜粋してそれぞれの観測の癖をまとめたものである。
30
30
図2 観測者の癖
25
25
F
M
N
H
20
15
2015/1/31
2015/1/17
2015/1/3
2014/12/6
2014/12/20
2014/11/8
2014/11/22
2014/10/25
2014/9/27
2014/10/11
2014/9/13
2014/8/30
2014/8/16
2014/8/2
2014/7/5
2014/7/19
2014/6/7
2014/6/21
2014/5/24
-10
2014/5/10
-5
2014/4/26
0
2014/4/12
0
2014/3/29
5
2014/3/15
5
2014/3/1
10
2014/2/1
10
2014/2/15
差 (観測値)-(計算値) [分]
15
20
-5
-10
-15
-15
-20
-20
-25
-25
-30
-30
日付
4.考察
図1を見ると、昨年度発表したデータ(2013年8月~2014年1月)よりも今年度のデータ
(2014年2月~2015年1月)は計算値に、より近い結果になっていることが伺える。昨年度の
データは、方位磁針に影響を与える磁気などを発している場所での観測や、測定器製作時の
ミスなどが重なったことが原因として挙げられていた。そこで今年度は、前回の反省をふま
えてできるだけ正確に観測し、計算値に近い結果を得ることができた。
図2については、観測者の中から4人の結果を抜粋したものであるが、全体を見てみると正
確な観測ができている人もいれば、まばらな結果になっている人もいることがわかる。特に
観測者Fや観測者Mの数値に注目してみると、計算値とほとんど変わらない安定した数値が
得られていることがわかる。
以上のことから、今回我々が製作した「簡易均似差測定器」は使用する人の正確さによっ
ては充分な観測結果を得ることができるとわかった。
5.まとめ
今回の結果としては、去年のものよりも比較的に改善されたデータを得ることができた。
これよりもより正確なデータを得ることができるように日々尽力しようと思う。
なお、この測定器が、さらに「いつでも」「どこでも」「だれにでも」「容易に」測定で
きるかを確認すべく、本校の均時差測定に協力していただきたくお願いをする次第である。