(鎌倉市妙本寺千部会法要稚児行列 2015,04,13 撮影者:大森兼雄) 目黒区民の皆さん 区民検診(40歳以上)の季節になりました (実施期間 6月∼11月末) 区民検診は、生活習慣病の予防やその他疾病の早期発見・早期治療に役立ちます。 毎年多くの方が受診されておられますが、当院では 過去の検診データとの比較をして、お一人おひとりの 経過に沿った支援に力を入れております。 予約制ですが、例年10 ∼ 11月は込み合いますので、 8月末までの受診をお勧めします。予約方法や健診内 容等に、ご不明な点がございましたら、何なりと受付 や看護師にお尋ねください。 私の履歴書 日扇会第一病院は設立か ら40年を経過しました。当 事者としてはアッと言う間 ですが、40年を振り返って みますと色々なことがあり ました。私は昭和40年に横 浜 市 立 大 学 医 学 部 を 卒 業、 1年間のインターン終了後 東京大学付属病院内科に入 理事長 局し、そこで約10年間、研究、 やつじ 八辻 行信 学会発表等の繰り返しであ りましたが、お陰様で十分臨床経験も積めました。 そして昭和50年父八辻環とともに日扇会第一病院 を開院しました。この年に現院長八辻賢が生まれ ています。 医師を目指した初心─小学3年生のとき、突然 激痛に襲われた盲腸炎をあっという間に手術で治 してくれた医師に驚き、感激した─この体験と、 医師になってからの50年間の経験から「医療は患 者さんのために存在する」という言葉がごく自然 に出てきました。医療者として何が大切かを自分 なりにまとめた結果です。そこで、このフレーズ を日扇会第一病院の「理念」としました。理念と は仕事を遂行していく時の根本的な考え方という 意味です。医療は我々医療者のためにあるのでは なく、患者さんのためにあるということが基本姿 勢です。言い換えれば医療の主役は患者さんとそ の家族である。そのため医療者はその目線を患者 さんと平行に保ちながら患者さんの求めるものを 的確に把握理解することが必要です。事は医療者 が患者さんと接し対話するところからはじまり、 その際に患者さんの訴えを十分に聞くことを心掛 ける。→「傾聴」です。そして患者さんの訴えを会 話の中心に据え、それに対し「共感」の態度を示 すことで大切であると思っています。我々医療者 は患者さんの不安をまず和らげて、患者さんの心 を開く努力をする、そして不安を抱えている患者 さんに、少なからず満足を与えることがなにより も大切であると考えています。患者さんとの接触 を積み重ねていく過程で患者さんから「先生と話 すとほっとする」などと言われるようになれば安 心です。この点 医療には宗教的 な側面もあるの だと思うことが あります。この ような過程で患 者さんに接する ことができれば 「医 療 は 患 者 さ んのために存在 する」と言える のではないでしょうか。 当地で医療を始めて40年になりました。この間 の医療に対しての私の基本的な考えは上に述べた 通りですが、外来診療でいえば不安を持って来院 した患者さんが少なからず安心感を持って帰宅し ていただくよう努力することです。それには最初 の受付の接し方から、外来での看護師、医師、検 査技師等、最後の会計まで総てが同じ態度で接す ることだと考えています。そこに信頼感が生まれて くると思います。患者さんの中では2代3代にわたっ て来院されている方も多数おられます。信頼を得 ることで医療の継続ができると考えています。 患者さんと共に、一緒に働いてくれた過去のそ して現在の職員方が日扇会を支えて下さっている ことに心から感謝の意を表したいと思います。あ りがとうございました。 40周年、そしてこれから さとる 院長 八辻 賢 医療法人財団 日扇会は、本年で開院40周年 を迎えることができました。これも関係各位の ご支援あればこそ、と心から感謝申し上げます。 法人としては今年40年を迎えたわけですが、 その前身である第一診療所時代を含めますと半 世紀以上にわたって当地で医業に従事していた ことになります。 私は院長として3代目でありますが、患者さ んも3代目、4代目という方も珍しくありませ ん。また、ご両親様を当院で看取らせていただ いた、という患者さんも多くおられます。そう したお話しを伺うたびに、先人たちの努力と地 域の皆様から頂いた信頼の重さに身の引き締ま る思いが致します。 時代が変わっても、有史以来人類から医療の 問題がなくなったことはありません。 一方今、医療業界が何を求められているかを 考えますと、それは疾病構造の変化と少子高齢 化に端を発する諸問題だと思います。具体的に 言えば、命は助かるが障害が残る慢性疾患の増 大、老老介護・単身世帯の増加を含めた介護力 の低下、生産年齢人口の減少による医療費負担 の問題、そこから派生する看取りの問題です。 これらの問題の多くは、 「既に起こった未来」 ともいわれる人口構成に端を発しており、2025 年をピークとして、今後20 ∼ 30年間は大きく変 わらないものと考えられます。いわゆる 2025年 問題です。かかりつけ医として地域医療に貢献 する、という立場からこれら諸問題に対応して いくことが当面の当法人の課題です。 では、具体的に何をするのか。やはりここで も根底にあるのは「かかりつけ医」である、と いうことです。かかりつけ医 の使命は、地域に住む方々に 対して、一生涯に渡り様々な 状況で起こる医療・介護の問 題に対して、相談を受けて解 決する。救急救命的な対応や 外科的対応(手術)など、若 しくは診療科的に専門医に相 談した方が良いと判断する場合については、必 要に応じて地域の超急性期病院などと連携を取 りながらその役割を果たすことだと思います。 基本的にはあらゆる医療の問題について責任を 持って関わるわけですが、上記のように他医に 任せる方が患者さんのためになると判断した時 は迷わず紹介することも責務の一つと考えてい ます。東京、目黒の当地は、幸いなことに近隣 に高度救命センターを擁する病院も多数ありま す。今後は一医療機関ではなくて、地域の中で 持てる能力を連携し合って患者さんのニーズに 応えることが求められていると考えています。 とりわけ、2025年問題を見据えて在宅療養の サポート体制の強化が強く求められています。 残された時間はわずかです。確かなタイムスケ ジュールを組んで、患者さんに安心して頂ける ような在宅サポート体制を構築して参りたいと 思っております。 今後、50周年、60周年と時を重ね、より地域 の中で多くの役割を果たせるように、そして皆 様のご支持を頂けるように邁進して参ります。 副院長共々まだ若輩ではございますが、変わ らぬご指導、ご鞭撻の程お願い申し上げ、ご挨 拶とさせていただきます。 皆様からのご意見(27年4月∼ 6月・ご意見箱投函分) ご意見(要旨) 当病院の考え・対応 外来 外来 トイレの紙が引出にくい。早めの対応をお願いします。 診察室など外来すべてがキレイになったのに、壁に貼 り付けているテープなどが様になっていない。グリン ボードやコルクボードにしてみては、どうでしょうか。 いずれのご指摘も尤もなご意見だと思います。至りませんで 失礼しましたが、早速改善しました。他に気付かれたことが あれば、何なりとご意見をお寄せください。 どんな病気でも、まずは相談し話を聞いて下さり、安 心して通院しています。 信頼できる家庭医として、今後ともよろしくお願いい たします。 診察室も新しくなり、ありがとうございます。 「かかりつけ医」として、地域医療に貢献していくことが「当 院の使命」だと日々考えていますが、今後とも更に切磋琢磨 して参ります。 今回、うれしい投函をいただき恐縮いたしております。あり がとうございました。 笑顔のあいさつ 訪問看護ステーション所長 鈴木沙恵子 先日、小学一年生の息子に「どうして挨拶を しなければいけないの?」と、質問されました。 「気持ちのいい挨拶は心が晴れるからよ」そう 答えた私に対して息子は納得していませんでし た。その日、言葉の意味を考えながら出勤しました。 現在、私は訪問看護の仕事に携わっています。訪問時にはまず笑顔の挨拶で、患者さん、ご家 族の方との会話から始まります。何気ない挨拶ですが、ご自宅でご家族が出迎えてくださる時、 ベッドで過ごされているご利用者の方々にお会いした時、挨拶の一言で相手の心を察しできるよ うに努めています。待っていてくださった時、今日はあまり気持ちが上がらない時、患者さんの 表情と声から、それらが感じられます。そしてケアが終わり最後にまた挨拶をします。素敵な笑 顔で挨拶をしていただけると、こちらも自然と笑顔になります。仕事をしていて挨拶は信頼関係 を築く上でとても重要なことだと感じる瞬間がたくさんあります。 なぜ、挨拶をしないといけないのか? 大人になると何気なく挨拶をしていますが、根底には 挨拶はあなたを認めている、心を開いているという意思表示になる行動だという意味が込められ ていると思います。だからこそ自分の気持ちを相手に示すために、自分から挨拶をする必要があ ります。そんなことを考えながら帰宅し、息子にこう伝えました。 「元気に挨拶をするということは、自分から相手に心を開くというこ とよ。自分から心を開く練習だと思って、頑張って挨拶をしようね」息 子は納得していました。とびきりの笑顔で挨拶ができるようになります ように。信頼される大人になれますように。 私も自分の挨拶をもう一度見直し、相手の目をみて丁寧に挨拶をしよ うと思います。そしてたくさんの患者さんに信頼されますように。 部門目標:信頼される訪問看護ステーションを目指します。 スタッフ全員、今日もとびきり大きな笑顔で挨拶をします。 編集発行人 医療法人財団 日扇会 〒152-0031 目黒区中根2−10−20 TEL:03−3718−7281 (代表) FAX:03−3718−7736 ホームページアドレス: http://www.nissenkai.or.jp/ 季刊紙 発行日:6月30日 医療は患者さんのために存在する 理 念 患者さんの「かかりつけ医」として地域医療に貢献します 使 命 本 方 針 基 1.私たちは、患者さんの権利と人格を尊重した医療を行います 2.私たちは、プロとしての責任と誇りをもって自己研鑽に励みます 3.私たちは、病院全体の力を結集して患者さんを支えます 4.私たちは、信頼される医療を継続するため徹底したリスク管理を行います 5.私たちは、全職員が思いやりとやりがいを持って医療を行う 活気ある病院を作ります 6.私たちは、担うべき役割を将来とも継続的に果たすため、 安定した経営を維持します
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