法定休暇と給与の関係

法定休暇と給与の関係
2015 年 5 月 13 日に国務院から「中国人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝
利 70 周年記念日の休暇調整に関する通知」が公布され行政等は 2015 年 9 月 3
日(木)から 9 月 5 日(土)までが休日とし代わりに 9 月 6 日(日)を出勤日
となります。そもそも祝祭日などの休日は、全国祝祭日及び記念日の休日弁法
(国務院令第 513 号)で定められています。
祝祭日及
び記念日
日数
具体的な日
内容
全国民が対象(振替休日あり)
新年
1日
1月1日
春節
3日
旧正月 1 月 1 日~1 月 3 日
清明節
1日
旧暦清明当日
労働節
1日
5月1日
端午節
1日
旧暦端午当日
中秋節
1日
旧暦中秋当日
国慶節
3日
10 月 1 日~10 月 3 日
旧正月(2016 年 2 月 8 日)
祖先の霊を供養する日
一部の国民が対象(振替休日なし)
婦女節
半日
3月8日
女性に与える。
青年節
半日
5月4日
満 14 歳以上の青年に与える。
児童節
1日
6月1日
14 歳未満の少年・児童に与える。
【時間外手当の割増率】
残業や休日出勤をさせた場合は、賃金を割増して支給すべきことが労働法で定
められています。
①労働時間を延長(残業)する場合 150%
②休日出勤の場合で振替休日を手配できない場合 200%
③法定休暇日(上記参照)に勤務する場合 300%
【振替休日と代休】
日本では振替休日と代休は区分されています。振替休日は予め労働日と休日を
振替えている場合は割増賃金の支払は不要ですが代休の場合は休日労働が行わ
れ、その代償として以後の特定の労働日を休みとする場合であり、休日労働分
の割増賃金の支払は必要となります。一方、中国の労働法においては、振替休
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日と代休の概念はなく、休日出勤日の代わりに休暇を与えたか否かが割増賃金
(200%)支給の重要な判断基準となっています。よって事前に従業員から業務
多忙につき休日出勤を申請してきた場合は同時に代休申請をさせるなども有効
な労務管理の方法です。
「中華人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝利 70 周年記念日の休暇調整に関
する通知」を受けて 9 月 3 日に勤務した場合は②休日出勤として振替休日を手
配できない場合には 200%を割増賃金の支払うこと必要があることが人力資源
社会保障部から通知されました。
【年次有給休暇】
2008 年 1 月 1 日から施行された従業員年次有給休暇条例によって、具体的な有
給休暇の付与日数等が定められました。
・付与対象者:企業などの従業員は、連続して 1 年以上勤務した場合は年次有
給休暇を享受する。
・付与日数:累積勤務期間に応じて
累積勤務期間
付与日数
毎年 1 月 1 日に有給休暇が付与さ
1 年以上 10 年未満
5日
れます。年の途中で入退社した場
10 年以上 20 年未満
10 日
合は在籍日数で按分計算します。
20 年以上
15 日
・未取得年次有給休暇の補償義務
従業員が取得できなかった年次有給休暇は、その日数分につき 1 日あたりの
賃金の 300%に相当する賃金を支払わなければなりません。
日本の場合は原則として有給休暇の買取りはできませんので、考え方が異な
る点に注意が必要です。有給休暇の消化状況は労務管理の重要なポイントで
す。これらの問題が大きくなるのが退職時やリストラ時ですので、事前に対
策を検討しましょう。
【参考:学生の休暇】
子女が通う学校が休みの時には有給休暇等を利用して旅行に行くのは中国でも
同じです。地域性もありますが一般的な学生の年間スケジュールとしては以下
のようになります。
前 期 9 月 1 日~1 月 31 日
冬休み 2 月 1 日~2 月 28 日
後 期 3 月 1 日~7 月中旬(卒業は 6 月末前後)
夏休み 7 月中旬から 8 月 31 日
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