なかのライフサポートビジネス創造塾 ~資金調達、収支計画、起業・開業手続き~ 平成27年10月28日 西武信用金庫 和田夏彦 1 本日の内容 (1) 資金調達の方法を検討する (2) 現在の起業・創業を取巻く環境 (3) 補助金・助成金について (4) 金融機関からの借入 (5) 収支計画の策定について (6) 開業に伴う手続きについて (7) その他国等支援制度について 2 (1)資金調達の方法を検討 する • 自己資金 • 補助金・助成金 →国・都道府県・市区町村 • 金融機関からの借入 →銀行や信用金庫等 →日本政策金融公庫 • 親戚や知人からの借入 • 出資(VCや個人等) →キャピタル会社 →エンジェルと言われる個人 3 自己資金のメリット・デメリット ○メリット 返済の必要がなく、金利負担もない 使い道は自由(出資として自分で出した場 合は経営の自由度が高い) ○デメリット 資金量が限られる 事業清算をした場合に自分の資産を失う 可能性がある 4 (2)現在の起業・創業を取巻く環境 ①日本の事業者数 中小企業・小規模 事業者(全産業) うち小規模事業者 (全産業) 全規模(大企業と中 小企業・小規模事業 者の合計、全産業) 2009年 2012年 (企業全体に占める 割合) (企業全体に占める 割合) 増減数(率) 420万者 385万者 ▲35万者 (99.7%) (99.7%) (▲8.3%) 366万者 334万者 ▲32万者 (87.0%) (86.5%) (▲8.8%) 421万者 386万者 ▲35万者 (▲8.3%) 5 出典:経済産業省 ②日本の開廃業率 日本の開業率は4.6% (廃業率は3.8%)…厚生労働省「雇用保険事業年報(2012) 欧米の開廃業率は10%を越えている 2014年6月に発表された 「日本再興戦略」では、 「開業率が廃業率を上回る状態にし、米国・英国レベルの開・ 廃業率10%台(現状約5%)を目指す。」 「2020 年までに黒字中小企業・小規模事業者を 70 万社か ら 140 万社に増やす。」 と記されている。 6 ③国を中心とした創業向け施策 → → → 起業・創業者への直接的な支援制度 補助金制度 第二創業(新事業展開)への支援 事業の新陳代謝を促す 国による市区町村に対する創業支援策 産業競争力強化法に基づく創業支援施策 1、創業スクールの開催 2、特定創業支援の認定 7 (3) 補助金・助成金について 補助金の申請から終了までの流れ 一般的な流れ 必ず事業期 間内に終了 ヒアリング等実 施する場合あり 公 募 開 始 申請 通常 1ヶ月 公 募 締 切 審査 通常 1~2 ヶ月 採 択 交付 申請 通常 1ヶ月 程度 交 付 決 定 (事 業 開 始 ) 事業 実施 事 業 終 了 報告書 提出 経費の発生(発注含む) はこれ以降 確 定 検 査 金額 確定 補 助 金 交 付 補助金の支払は 原則精算払い 8 補助金等の活用における注意点 ○公募期間(おおよそ2週間~1ヶ月):準備時間が短いため、事 前の情報収集が大事。 ○精算払い(後払い):原則として、事業終了後に実際に発生し た費用が支払われる。 ○事業期間:交付決定後~事業期間内に発生した費用しか補 助対象にならない。 ○事務処理、証拠書類の整理:報告書の提出、支払い証憑類の 整理が必要。証憑類で確認できる費用しか 補助対象にならない。 9 起業・創業者向けの補助金の紹介 • 平成24年度補正予算より 始まる 「創業補助金」(中小企業庁) • 補助上限額200万円 • 補助率2/3 • 申請できる人は創業者 (一定の時期より創業した 人)及び第二創業者 ※平成26年度補正予算のもの 10 助成金のご紹介 ○人材に関連する助成金 • 新たに労働者を雇い入れる → 高齢者雇用安定助成金 → トライアル雇用奨励金 • 労働者の処遇改善を図る → キャリアアップ助成金 • 労働者等の職業能力の向上を図る → キャリア形成促進助成金 ※厚生労働省「雇用関係助成金」より 11 産業競争力強化法に基づく創業支援施策 市区町村が国に対して「創業支援事業計画」を提出し、認定を受ける。 特定創業支援事業とは、市 区町村又は創業支援事業者 が創業希望者等に行う、継 続的な支援で、経営、財務、 人材育成、販路開拓の知識 が全て身につく事業を言いま す。代表的な例としては、4 回以上の授業を行う創業塾、 継続して行う個別相談支援、 インキュベーション施設入居 者への継続支援など、1ヶ月 以上継続して行う支援など 平成27年10月2日現在、692件(47都道府県771市区町村) 認定 12 13 (4) 金融機関からの借入 Q、金融機関からお金を借りようと思った時 に どこへ行きますか? ①銀行(大手銀行、地方銀行、信用金庫等) ②公的金融機関 以上の2つについて説明します。 14 ①銀行等での借入について Q、銀行と言っても大手銀行や地方銀行、信 用金庫等色々あります。皆さんはどこへ相 談にいきますか? 1、銀行 2、信用金庫 3、その他(信用組合等) 15 信用保証協会とは • 信用保証協会法に基づく公的機関として中小 企業のお客さまが金融機関から事業資金の 融資を受けるときに保証人となって借入を容 易にし、企業の育成を側面から支援する機関 • 各都道府県に47協会、特定の市に4協会、 全国で合計51協会 (特定市:川崎、横浜、名古屋、岐阜) • 事業規模や対象業種の制限あり (NPOは10月より対象業種) 16 自治体による制度融資について 以下はよくある制度をまとめたもの。各都道府県や市区町村により制度は違う 自治体の分類 都道府県 市区町村 補助形態 ・信用保証協会を ・利子補給制度 通じた制度 ・信用保証料の ・独自の制度も 補助 申込み方法 金融機関を通じて 役所に行き、 申込み(制度融資) 申請が必要 その他 該当都道府県内 で創業すること 該当市区町村で 創業すること 17 ②公的金融機関での借入 創業時に支援をしてくれる公的金融機関 「日本政策金融公庫」 ここは3つの事業を営んでいます 1、国民生活事業・・・創業支援融資はここ 2、中小企業事業 3、農林水産事業 「国民生活事業」は小規模事業者や創業企業の事業 資金融資のほか教育資金融資を取り扱っている 18 (5)収支計画策定について ① 自分で説明のできる数値計画を作ろう ② 経費は固定費、変動費を考えて ③ 4つの利益を意識する 説明のできる数値計画とは • 売上や経費について、業種ごとの平均値 だけで作成をしない。 • 同じ業種でも事業のコンセプトにより取扱 製品・商品が違ったり、立地や販売方法な どによっても違う 経費は固定費、変動費を考えて • 固定費・・・売上や仕入の規模に関わらず 一定の金額が発生する費用 例)給与、家賃、保険料、減価償却費 • 変動費・・・売上に比例して発生する費用 例)材料費、水道光熱費、広告宣伝費 4つの利益を意識する • 売上総利益・・・粗利とも呼ばれるもの。売上高から直接コ ストである売上原価を控除した利益 • 営業利益・・・売上総利益から間接的経費である販管費を 控除した利益のこと。営業効率の良否を判断する • 経常利益・・・営業利益に営業外収益を加え、営業外費用 を控除した利益で企業活動の全般における経営成果を表 した数字。 営業外収益、費用とは営業活動以外で毎期経常的に発 生するもの。受取利息や支払利息・割引料などが主である • 当期純利益・・・経常利益に特別損益を加減し、法人税・住 民税・事業税を控除した法人の一会計期間における全ての 収益と費用の差額として算出されたもの (6)開業に伴う手続きついて • 運営主体について 個人事業主として開業・・・比較的小規模、手続きが簡易 法人として開業・・・代表者(個人)とは別、法人にも色々な種類 個人事業主と法人の違い 内容 個人事業主 株式会社 手続き等 比較的簡単、割安 株式会社は登記が 必要、費用もかかる 責任 無限責任 有限責任 信用 法人取引は断られる 場合も 利害関係者からの 信用は高い 事業内容 自由に変更可 定款変更あり 経理 簡易な簿記も可 複式簿記が必要 法人設立手続き ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 発起人の決定 法人の基本事項の決定 法人の印鑑作成 定款の作成 出資金の払込み 法人登記の申請 開業の手続き(個人事業主) 届出先 税務署 提出書類 1 開業届出書 2 青色申告承認申請書(青色申告するとき) 3 給与支払事務所等の開設届出書 (従業員を雇うとき) 4 源泉所得税の納期の特例の承認 に関する申告書 都税事務所 事業開始申告書 開業の手続き(法人) 届出先 提出書 税務署 1 法人設立届出書 2 青色申告承認申請書(青色申告するとき) 3 給与支払事務所等の開設届出書 4 源泉所得税の納期の特例の承認に 関する申告書 5 たな卸資産の評価方法の届出書 6 減価償却資産の償却方法の届出書 都政事務所 法人の設立等報告書 市町村 法人の設立等報告書 (23区は不要) 開業の手続き(共通) 届出先 提出書 社会保険事務所 健康保険、厚生年金 (個人事業は5人以 1新規適用届 下は任意) 2新規適用事業所現況届 3被保険者資格取得届 4被扶養者届 5国民年金第3号被保険者関係届 公共職業安定所 雇用保険 (ハローワーク) 1適用事業所設置届 2被保険者資格取得届 労働基準監督署 労災保険 1保険関係成立届 2適用事業報告 その他に必要な開業手続き • 法令や条例により営業を開始する前まで に関係諸官庁の申請が必要な業種・事業 がある 例)飲食店・・・食品衛生法 建設業・・・建設業法 宿泊業・・・旅館業法 (7)その他国等の支援制度の 紹介 補助金や助成金以外の支援や制度について 小規模企業共催制度 ミラサポ 経営革新等支援機関制度(認定支援機関) エンジェル税制 商工会議所等 30 ご清聴ありがとうございました 皆様のご活躍を祈念しています 何かありましたらお問い合わせ下さい。 西武信用金庫 業務推進企画部 和田 夏彦 TEL:03-3384-6111 E-mail:[email protected] 本日の内容については、ご利用の際に各機関へ ご確認下さい。 31
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