項目別好評と審査報告 以下の1~10 の項目について「審査基準と指導目標」および「審査確認事例」に従って審査しました。 1.体力(30点) 今回は登山行動の約半分がチーム行動となりました。チーム行動時は審査委員会で「規定時間」を設定しました。乗鞍岳 コースは黒河峠とゴールのマキノ高原キャンプ場、大谷山コースは林道出合での到着時間を記録し、体力点に反映させまし た。 「規定時間」は基本的な登山の体力があれば十分に歩けるように設定してあります。普段の山行でもメンバーの歩くペ ース、休憩の配分、個人の体力差などを考えて行動するようにしましょう。 2.歩行技術(10点) ザレ場や岩質の関係で滑りやすい個所がいくつかありました。その際、安全を考え慎重に手で補助し、足を置くように下 ることが大切です。 また登山道を外れて歩くことは自然保護の面で望ましくありません。極力外れないように歩きましょう。 今回AB隊同一のコースだったので審査員も合同で皆さんの体力や歩行技術を見せてもらいました。 3.装備(10点) 全体講評でも述べましたが、大切な装備を忘れてしまったチームがありました。直前までチェックを慎重に行いましょ う。 また「審査確認事例」に明示されている内容を熟読し、準備をしてください。 服装に関しては「服装規定」に従っていれば問題ありません。帽子につける県番号のゼッケンは見やすいように正面につ けましょう。 【審査内容】 <個人装備> AB隊 ① 細引き ②計画書 ③防寒着 ④ナイフ ⑤メインザックカバー <共同装備> AB隊 ⑥ペンチまたはプライヤー ⑦ラジオ ⑧予備食 ※予備食は、全員の分をひとつにまとめてパックし、予備食と明記すること。 (審査確認事例 3-(7)) 4.設営・撤収(10点) 今回はB隊の幕営地で地面が固くペグが全く打ち込めないエリアがありました。そういった条件の悪さは考慮して審査し ました。また大会1日目にテントのポールが折れてしまったチームがありました。予測がつかなかったのかもしれません が、日ごろからテントの点検を怠らないようにしましょう。 張り綱の地面へのめり込みには注意しましょう。 全体的にはよく練習していて手際のよい設営ができていました。 また就寝時のテント周辺に登山靴やコッフェルが放置しっぱなしのチームがありました。注意したいものです。 5.炊事(5点) 予想以上の暑さで初日の夕食の食材が悪くなってしまったチームがありました。暑さ対策は十分にしたいものです。各チ ームともメニューに乾燥野菜を使うなど創意工夫がなされていました。 6.気象・天気図(5点) 日本気象予報士会の方に講評をいただきます。 (2)課題テスト(2点) 現実の場面を想定し、新聞などに載った天気図を見てどのような情報を読み取るか、空や雲を見てどう判断するかなど、 使える知識となるように学習しましょう。そのためには大会時だけでなく、普段から天気図や空を見て考える習慣をつける ことです。おおむねよくできていました。 7.自然観察(8点) (1)課題テスト(4点) 予報1号のあらかじめ指定したページ、主な登山用語、大会地図から出題しましたが、ほとんどのチームが満点に近い成 績でした。事前によく大会山域について学習していることがわかりました。 来年度からはこの課題テストの一部が、共通問題として天気図作成者以外のメンバー全員に課されます。よく勉強してく ださい。 (2)読図(4点) 今回は男女とも同一地点に読図ポイントを設置しました。下見をしなくとも地図を読む力があればわかる場所にしていま す。 男女とも10ヶ所すべて正解のチームがあった反面、 女子に多かったのですが正解率50%以下のチームもありました。 地図は山に入らなくても読み込むことで、等高線の間隔や稜線からの尾根の出ている様子、谷の入り込んだ様子がわかっ てきます。普段の山行前にも積極的に概念図や断面図を描きましょう。 25000分の1の地形図を200%に拡大してみるとわかりやすくなります。その地図を山で使うことを勧めます。是 非試してください。 また登山道に直交した線で示していない、0.5㎜以上のマジックのような太いペンで線を描いているチームが見うけら れました。指示に従って記入してください。 8.計画・記録(10点) (1)計画書(6点) 計画書は「基準審査」に基づき必要事項をきちんと書いているチームが多かったです。 概念図では「予報1号」のコース案内にある主要地点名の記載があるか、尾根線がきちんと描かれているか、断面図は地 形の特徴が表現されているかをチェックしました。 今後ともシンプルでわかりやすいものを作成するようにしましょう。 また男女で参加しているチームで、概念図や断面図がほとんど変わらないものを共有しているチームが若干ありました。 それぞれ各チームで自作するようにしましょう。 【審査内容】(0.5点×12項目) 1.日程表 (1) 表紙に、所属する班の記載。 (2) 「登山大会現地本部の電話番号」の記載。 (3) 荒天対策における「緊急避難場所」の記載。 (4) 3日目の講話の記載。 2.概念図 (5) 大谷山コースの「林道出合」の記載。 (6) 横谷峠から蛇谷ヶ峰の尾根線が表現されているか。 3.断面図 (7) ビラデスト今津のスタートから平池までの下りが表現されているか。 (8) 蛇谷ヶ峰山頂手前の登りの急緩が表現されているか。 4.装備表 (9) 予備食の所持者の記載。 (10) 帽子の記載。 5.食糧計画 (11) 行動食の内容の記載。 6.医薬品 (12) 整腸剤の使用法の記載。 (2)記録(4点) 記録書は「予報1号」のコース案内にアンダーラインのある主要地点、概念図、行動予定表に載っている地点、及び休憩 地点の記載について確認しました。 来年度以降記録書に書く内容は簡素化されます。必要事項を適切に書くようにしましょう。 【審査内容】(0.4点×10項目) (1) マキノ高原の出発時間。 (2) 乗鞍岳の標高。 (3) 猿ヶ馬場または黒河峠のブナ林の記載。 (4) 黒河峠のメンバーの体調と気温。 (5) 赤坂山で明王の禿の下り「ザレ場」または「すべりやすい」の記述。 (6) 畑通過後に休憩地点となった「林道」の到着時間と出発時間の記載。 (7) 須川峠(ボボフダ峠)の通過時間。 (8) 「蛇谷ヶ峰」で「琵琶湖」が見えた記載。 (9) 「オグラス山吊橋」の記載。 (10) 滝谷山分岐の通過時間。 9.救急(5点) (1)テスト(2点) 「統一学習資料」より出題しました。満点をとったチームが多数あり、よく学習していることが見てとれました。 (2)医薬品(3点) ほとんどの学校が所持していました。一部、個々の医薬品がどういう薬なのか理解できていない選手がいました。日頃の 山行前にも救急箱の中身を確認しましょう。 【審査内容】 AB隊 ① 鎮痛剤 ②体温計 ③虫刺され薬 10. マナー・自然 保護 (5点 ) 消灯後に話し声等のあるチームが一部ありました。ほかのチームへの迷惑になるのでやめましょう。
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