セカンドライフの新常識 ~さあ、元気出していきましょう!~ <はじめに>

セカンドライフの新常識
~さあ、元気出していきましょう!~
<はじめに>
巷には、セカンドライフの不安を煽る本が溢れています。年を取ると医療費がかかる、
介護にもお金がかかる、長生きすると貯蓄も底を突く、年金だけでは足りない、さあ、大
変だ大変だと、金融機関の人間だけではなく、ファイナンシャルプランナーまでもが、口々
に言うのです。セカンドライフは、そんなに不安で、悲惨なものなのでしょうか?
私は、セカンドライフって楽しいよ、心配しなくてもいいよ、きっとなんとかなるからと
いうメッセージを伝えたくて、この本を書きました。悲惨なセカンドライフという重圧に
脅えながら過ごす「今」こそ、限りなく不幸です。そんな不幸の先に、バラ色のセカンド
ライフなどあるはずはないと思うのです。
お金の知識は必要ですが、それは、自分の中にお金の基準をつくるもの、ここまでと割
り切れる勇気を持つためのものです。不安に支配されてしまえば、お金はいくらあっても
足りません。不安のために、大切な「今」を犠牲にしてしまうのは、本当にもったいない。
今からつながる、楽しい未来があるはずなのに。お金の知識を振りかざして、いたずらに
不安を煽るのは、もうやめにしてもいい頃だと思います。冷静に考えてみると、これまで
セカンドライフの常識のようにいわれていたことの多くは、むしろ非常識なことなのでは
ないでしょうか。多くの人が「常識」にとらわれないで、自分の基準で自分らしい選択を
していけば、セカンドライフはもっと充実したものになると確信しています。
極端な話をすれば、今の日本では、老後資金が尽きてしまったからといって、医療も介
護も受けられないまま、飢え死にするなどということは起こりません。むしろ、お金があ
るのに将来への不安から自分のために使うことをせず、やりたいことをしないまま高額な
相続財産を残して亡くなるケース。今の資産で老後は十分に暮せるのに、高利回りをうた
う商品に飛びついて、財産を減らしてしまうケース。残念だなと思います。
もちろん、人は自分の寿命を知ることはできません。でも、何歳まで生きても大丈夫な
ように、どのような病気になっても大丈夫なように、重度の要介護状態になっても一切家
族に迷惑をかけないように・・・・完全な資金準備をするという発想はナンセンスです。
ほどほどの額を準備したら、あとは自分が楽しく生きるためにお金使っていけばいいので
す。楽しい人生を送れば、病気になったり、認知症になったりするリスクはかなり下げら
れるのではないでしょうか。それは、結局は一番のお金の節約になるのです。人生の最後
で、多少のマイナスが出たとしても、それは家族や、国に委ねてしまえばいいのです。
さあ、これからの人生、楽しくいきましょう!